JPH09166502A - 時間または温度−時間積算値の表示材料 - Google Patents

時間または温度−時間積算値の表示材料

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JPH09166502A
JPH09166502A JP32853795A JP32853795A JPH09166502A JP H09166502 A JPH09166502 A JP H09166502A JP 32853795 A JP32853795 A JP 32853795A JP 32853795 A JP32853795 A JP 32853795A JP H09166502 A JPH09166502 A JP H09166502A
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Masato Yanagi
正人 柳
Hideyuki Ishiguro
秀之 石黒
Keiichi Sato
馨一 佐藤
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は所定温度において所定時間が経過した
ことを明示するための時間または温度−時間積算値の表
示材料および表示装置を提供する。 【解決手段】担持体中に担持された下記A剤を含む第1
層と、A剤と非接触状態とした下記B剤とを含む第2層
と、A剤またはB剤を拡散させる第3層を上記第1層と
上記第2層との間に積層させてなり、酸化重合性色素を
重合させることで時間または温度−時間積算値を色変化
として表示する材料。ただし、A剤とB剤とは、酸化重
合性色素と酸化剤の組合わせからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化重合性色素を重合
させることにより時間または温度−時間積算値を色変化
として表示する材料に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一定温度下で物品を一定期間保管
する場合に、その温度および時間を監視するための表示
材料に対する需要は年々高まってきている。すなわち、
冷凍食品・冷蔵食品・生鮮食品ならびに薬品・塗料・接
着剤などの化学品に至るまで、保存温度が明示されると
ともに、その有効期間をも限定されているのが通常であ
る。しかしながら、安価に温度ならびに時間を同時に測
定する方法および表示材料はこれまであまり市場におい
てみあたらない。
【0003】従来、色変化によって温度・時間履歴を表
示する材料としては、100℃前後の温度で数十時間の
範囲をピンクからメタリックグリーンへの変化等で表示
する共晶アセチレン系混合物を用いたパテルの米国特許
第4,189,399号(1980.2.19 発行)・米国特許
第4,208,186号(1980.6.17 発行)・米国特許
第4,276,190号(1980.6.30 発行)、室温程度
で数十日の範囲で無色から紫に発色する染料と酸あるい
はアルカリの拡散による反応を用いたキドニウス等の米
国特許第4,212,153号(1980.7.15発行)、レド
ックス染料と酸素拡散性を用いたフー等の米国特許第
3,768,976号、緑が退色することで表示する遊
離ラジカル感受性染料と過酸化物の組成物を用いたカー
タッブ等の米国特許第3,966,414号、還元剤で
脱色したトリアリールメタン染料が酸素の拡散によって
着色することを利用したブハッタチャージー等の特開昭
62−190447、酸を生成する微生物とpH指示薬
を用いた松田等の特開平5−61917がある。その
他、融点、拡散速度、酵素活性などを利用した特許が開
示されている。
【0004】これまで、色々な表示材料が提案されてい
るものの実際に上市されていない理由としては、溶液状
態で取り扱いに不便であったり、時間を測定開始する方
法が煩雑であったり不明確であったり、価格が高い等の
要因が考えられる。例えば、遊離ラジカル感受性染料と
過酸化物の組成物を用いたカータッブ等(米国特許第
3,966,414号)の発明は、染料と過酸化物をガ
ラス繊維紙上に担持させ表示材料とするために、染料と
過酸化物を溶媒中に溶解して、その溶液をガラス繊維紙
上に展開している。ここで時間計測という観点からは、
染料と過酸化物を溶解した時点で反応が始まっており、
室温以下の温度下での時間測定には現実的に適さないと
いう欠点があった。また、今までの技術に見られる色変
化は透明からある色が発色してその色濃度が増していく
ものやその反対にある色相が退色して透明になるものが
ほとんどで、明確に色調が大幅に変化する材料は見あた
らなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は所定温度にお
いて所定時間が経過したことを積層、スペーサー材ある
いはマイクロカプセル化などの方法により非接触状態と
していたA剤とB剤を加温あるいは加圧等により接触状
態として反応を開始させ、色相の明確な変化によって手
軽かつ安価に表示することを可能にする時間または温度
−時間積算値を表示する表示材料を提供するものであ
る。すなわち、加温あるいは加圧などの操作を行うまで
は反応が始まらず、なおかつ操作したあるいは外的環境
が所定条件に達した時点が時間測定の開始点となり、単
純かつ明解に測定を始めることができる。一般に、冷凍
食品・冷蔵食品・生鮮食品ならびに薬品・塗料・接着剤
などの化学品に至るまでの使用有効期限を有する物品
は、保存温度とともにその有効期間を限定されているの
が通常であり、温度が低い場合は保存期間は長く温度が
高くなると保存期間は極端に短くなる場合が多い。しか
しながら、一般的には保管場所に温度計を設置して製造
年月日と保証期限の表示によって管理しているのが現状
であり、管理するべき物品が実際に保管温度下で何時間
経過したかは不明である。このように一つ一つの物品が
所定の温度下でどの程度時間が経過したかあるいはどの
程度の温度でどの程度時間が経過したかという熱量の総
計を明確にしかも安価に表示しうる材料を提供できる方
法が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化重合
性色素を酸化剤によって重合させた場合に、重合度に応
じた色の変化が起きることを見出し、さらに重合速度が
通常の化学反応と同様にアレニウス則に従い絶対温度と
時間で規定されることから、所定温度における時間変化
および熱量の総計とも言うべき温度−時間積算値を重合
度による色の変化として表示しうることを見出した。
【0007】本発明は、担持体中に担持された下記A剤
を含む第1層と、A剤と非接触状態とした下記B剤とを
含む第2層と、A剤またはB剤を拡散させる第3層を上
記第1層と上記第2層との間に積層させてなり、酸化重
合性色素を重合させることで時間または温度−時間積算
値を色変化として表示する材料である。ただし、A剤と
B剤とは、酸化重合性色素と酸化剤の組合わせからな
る。更に本発明は、担持体中に担持されたA剤を含む第
1層と、担持体中に担持されたB剤とを含む第2層と、
上記第1層と上記第2層の間に配置され、両層を非接触
状態とするが外圧により接触させ得るスペーサー材とか
らなり、酸化重合性色素を重合させることで時間または
温度−時間積算値を色変化として表示する材料である。
【0008】更に本発明は、担持体中にA剤と、マイク
ロカプセル化したB剤とを担持し、A剤とB剤とが接触
することにより酸化重合性色素を重合させることで時間
または温度−時間積算値を色変化として表示する材料で
ある。更に本発明は、A剤および/又はB剤を含む担持
体が透明基材に積層された樹脂層である上記表示材料で
ある。更に本発明は、A剤および/又はB剤を含む担持
体が透明基材に積層された印刷層である上記表示材料で
ある。
【0009】更に本発明は、酸化重合性色素が下記式
【化2】 (但し、式中R1はハロゲン、炭素原子が1個から8個
のアルキル、アルコキシ、アリール、置換アリール、ア
ルデヒド、カルボキシル、複素環アリール、ヒドロキシ
ル、アミノ、シアノ、アルデヒド、カルボキシルから選
ばれる原子および原子団からなり、R2〜7は水素、ハ
ロゲン、炭素原子が1個から8個のアルキル、アルコキ
シ、アリール、置換アリール、複素環アリール、ヒドロ
キシル、アミノ、シアノ、アルデヒド、カルボキシルか
ら選ばれる原子および原子団からなり、またXはイオ
ウ、酸素、セレン、テルルから選ばれる原子からなる化
合物である。)で示される化合物である上記表示材料で
ある。
【0010】更に本発明は、酸化剤が金属塩類、酸素酸
塩、ハロゲン、ジメチルスルフォキシド、キノン類、ナ
フトキノン類、カルボキニル化合物、酸化物、有機過酸
化物、有機過酸、ペルオキソ硫酸塩、である上記表示材
料である。
【発明の実施の形態】
【0011】本発明において用いられる酸化重合性色素
は、酸化剤と接触することで酸化重合が開始する。この
酸化重合反応は通常の化学反応と同様に、温度により反
応速度が規定される。更に、本発明における酸化重合性
色素は重合度によって色相が変化したり色濃度が変化
し、温度ならびに時間によって色相が規定される。すな
わち、重合速度はアレニウス則に従うため、温度と時間
を関数として酸化重合性色素の重合度が規定され、この
結果時間または温度−時間積算値を色変化として表示す
ることが可能になる。
【0012】一定温度あるいは変動する温度下において
得られる熱量は、各時点での温度とその時間の積によっ
て求められる積分値として表すことができ、この温度と
時間の積分値を温度−時間積算値と定義する。例えば冷
蔵食品である肉・魚等は30゜C では12時間、20゜
C では24時間、10゜C では72時間といった具合に
保存温度によりその賞味期限あるいは有効期限は変化す
る。また実際の製品の流通を考えた場合、保存温度は程
度の差はあるものの絶えず変動していると考えて良い。
ここで問題になるのが「何度の温度で何時間放置あるい
は保存されたか」ということで、この尺度となるのが温
度−時間積算値と言うことになる。但し、温度20゜C
1時間での劣化あるいは変化が温度10゜C で何時間の
変化に相当するという問題は、アレニウス則における頻
度因子および活性化エネルギーによって規定されるので
単純な絶対温度と時間の積によって表されるものではな
い。
【0013】本発明における発色は、酸化重合性色素が
重合して、得られる重合体の重合度によって色相が変化
するもので、2−メトキシ−フェノチアジンを例に以下
のような機構によるものと考えられる。酸化剤によって
分子中の窒素原子に結合している水素原子が引き抜かれ
て重合が開始され、更に2−メトキシ−フェノチアジン
分子内の1、3、4、6、7、8、9位のいずれかの水
素原子が引き抜かれる。この分子と隣接する同様な状態
の2−メトキシ−フェノチアジン分子とが10位の窒素
原子と水素原子を引き抜かれた炭素原子を結合部位とし
て重合が進むものと類推される。実施例1の塩化銅(I
I)を酸化剤として重合させた2−メトキシ−フェノチ
アジンの重合初期のマススペクトルが図1である。反応
機構の詳細は明らかではないが、この図1から酸化剤と
2−メトキシ−フェノチアジンの反応により2−メトキ
シ−フェノチアジンが重合していることは明らかであ
る。色相については、2−メトキシ−フェノチアジンの
重合が進行するとともにその共役系が変化するために変
わると考えられる。すなわち、重合度が上がるにつれて
長波長化して緑から赤色へ変化していることが予想され
る。この2−メトキシ−フェノチアジンの色相と重合度
およびその分布の関係については、目視による色相と質
量分析計からの分子量から、重合度2が緑、重合度3が
青、重合度4から10で赤となることが明らかとなっ
た。また、重合度の異なる重合物の比率によって紺色や
紫色に発色していることも類推される。その他のフェノ
チアジン誘導体およびフェノキサジン誘導体について
は、フェノチアジン骨格に結合している置換基の種類に
より共役系の電子状態が大きく異なり、置換基別に異な
った色相変化が観察された。いずれにせよフェノチアジ
ン誘導体およびフェノキサジン誘導体の重合度とその分
布によって、発現する色相は決定され、重合の進行とと
もに色調が変化していく。ここで言う2−メトキシ−フ
ェノチアジン分子の構造および構成原子の位置は下記式
に従う。
【化3】
【0014】本発明に用いられる酸化重合性色素は、酸
化重合して所定の重合度において所定の色相を呈するも
のであるならば何ら制限を加えるものではない。具体的
にここで言う酸化重合性色素とは、金属塩等に代表され
る酸化剤によって酸化重合し、所定重合度において所定
の色相を呈する色素のことを指し、重合前に無色であっ
ても酸化重合性色素と定義するものである。酸化重合性
色素とは、より具体的にはアニリン、フェノール、チオ
フェノール及びそれら誘導体等のベンゼン誘導体、ピロ
ール、チオフェン、フラン、セレノフェン、テルロフェ
ン及びそれら誘導体等の5員芳香族複素環式化合物、カ
ルバゾール、ジベンゾチオフェン及びそれら誘導体等の
縮合6,5,6員芳香族複素環式化合物等が挙げられる
他、下記式
【化4】 (但し、式中R1はハロゲン、炭素原子が1個から8個
のアルキル、アルコキシ、アリール、置換アリール、ア
ルデヒド、カルボキシル、複素環アリール、ヒドロキシ
ル、アミノ、シアノ、アルデヒド、カルボキシル、ニト
ロ、ニトロソから選ばれる原子および原子団からなり、
R2〜7は水素、ハロゲン、炭素原子が1個から8個の
アルキル、アルコキシ、アリール、置換アリール、複素
環アリール、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルデヒ
ド、カルボキシル、ニトロ、ニトロソから選ばれる原子
および原子団からなり、またXはイオウ、酸素、セレ
ン、テルルから選ばれる原子からなる。)で示される化
合物が挙げられる。
【0015】また、結合部位はR1〜R4については式
中の1位、2位、3位及び4位からそれぞれ選ばれる
が、一つの位置に二つ以上のR1〜R4から選ばれる置
換基が結合することはなく、それぞれの位置に一つずつ
結合する。同様にR5〜R7については式中の6位、7
位、8位及び9位から三つの位置がそれぞれ選ばれる
が、一つの位置に二つ以上のR5〜R7から選ばれる置
換基が結合することはなく、それぞれの選ばれた三つ位
置に一つずつ結合する。以上の他にR1〜R7に関して
は重合を妨げない置換基であるならば任意の置換基が可
能である。
【0016】より具体的には3,7−ジブロモフェノチ
アジン、2−クロロフェノチアジン、4−メチルフェノ
チアジン、3,7−ジメチルフェノチアジン、4,6−
ジメチルフェノチアジン、2−アセチルフェノチアジ
ン、3−ビニルフェノチアジン、3,7−ジアミノ−フ
ェノチアジン、3,7−ビス−(ジメチルアミノ)−フ
ェノチアジン、3,7−ビス−(ジエチルアミノ)−フ
ェノチアジン、2−ヒドロキシ−フェノチアジン、3−
ホルミル−フェノチアジン、3−カルボキシル−フェノ
チアジン、3,7−ジメトキシ−フェノチアジン、1−
ニトロ−フェノチアジン、1,3−ジニトロ−フェノチ
アジン、4−クロロ−1−ニトロ−フェノチアジン等が
挙げられる他、特開平3−144650に開示されてい
る様なR1〜R4から選ばれる2つとが一緒に芳香族を
形成するモノベンゾ−フェノチアジン、同様にこれに加
えR5〜R7からからなる選ばれる2つとが一緒に芳香
族を形成するジベンゾ−フェノチアジン等のベンゾフェ
ノチアジン類が挙げられる。さらに、フェノチアジン誘
導体と同様に3,7−ジブロモフェノキサジンをはじめ
とするフェノキサジン誘導体も酸化重合性色素として挙
げられる。
【0017】本発明に用いられる酸化重合性色素は、単
独で使用しても良いが、二つを混合して使用してもよ
い。この場合、混合比によって色相を変化させることが
可能となる。酸化重合性色素は、担持体を形成する媒体
に対して1.0から20重量%、好ましくは2.0から
15.0重量%添加して本発明の時間表示材料を得る。
このとき、フェノチアジンおよび/又はフェノキサジン
の配合量が1.0重量%以下だと発色が薄く視認性が悪
くなる。また配合量を20重量%以上としても発色の度
合はそれ程変わらない反面、表示材料の保管中に空気酸
化によって発色してしまい、使用に適さなくなってしま
う場合がある。
【0018】本発明において酸化重合性色素を重合させ
る酸化剤とは、金属塩類、酸素酸塩、ハロゲン、キノン
類、ナフトキノン類、カルボニル化合物、酸化物、有機
過酸化物、有機過酸、ペルオキソ硫酸塩等が挙げられ
る。更に具体的に金属塩としては塩化アルミニウム、塩
化ニッケル、塩化コバルト、塩化銅、塩化鉄、塩化バナ
ジウム等が挙げられる。酸素酸塩としては、硝酸、塩素
酸塩、次亜塩素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩、クロム酸
塩、過マンガン酸塩、バナジン酸塩、ビスマス酸塩等。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等。キ
ノン類としては、ベンゾキノン、テトラクロロ−1,4
−ベンゾキノン(クロラニル)、テトラクロロ−1,2
−ベンゾキノン(o−クロラニル)、2,3−ジクロロ
−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン等。ナフト
キノン類としては、1,2−ナフトキノン、1,4−ナ
フトキノン、2,6−ナフトキノン、1,2−ナフトキ
ノン−4−スルホン酸等。カルボニル化合物としては、
アセトン、シクロヘキサノン等が挙げられ、アルミニウ
ムブトキシド等のアルミニウムアルコキシドと併用して
用いられる。酸化物としては、二酸化マンガン、二酸化
鉛、酸化銅、酸化銀等。
【0019】有機過酸化物としては、ジ−tert−ブ
チルパーオキサイド,tert−ブチルクミルパーオキ
サイド,ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパー
オキサイド類,アセチルパーオキサイド,ラウロイルパ
ーオキサイド,ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシ
ルパーオキサイド類,メチルエチルケトンパーオキサイ
ド,シクロヘキサノンパーオキサイド,3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサノンパーオキサイド,メチルシク
ロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイ
ド類,1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサンなどパーオキシケタール類,tert−ブ
チルヒドロパーオキサイド,クメンヒドロパーオキサイ
ド,1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオ
キサイド,p−メンタンヒドロパーオキサイド,ジイソ
プロピルベンゼンヒドロパーオキサイド,2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイドなどの
ヒドロパーオキサイド類,tert−ブチルパーオキシ
アセテート,tert−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート,tert−ブチルパーオキシベンゾエ
ートなどのパーオキシエステル類などがあるが,これら
の中でもベンゾイルパーオキサイドは酸化能力と保存安
定性のバランスに優れ,有機過酸化物系の酸化剤には好
適である。有機過酸としては、過安息香酸、メタクロロ
過安息香酸、モノペルオキシフタル酸、過蟻酸、過酢
酸、トリフルオロ過酢酸等が挙げられる。ペルオキソ硫
酸塩としては、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸カ
リウム等が挙げられる。そのほか、酸素、オゾン、塩
素、臭素、ヨウ素、硫黄、王水、硝酸、濃硫酸、熱濃過
塩素酸、ジメチルスルフォキシド等が本発明における酸
化剤として挙げられる。この他、デヒドロゲナーゼ等の
脱水素酵素を用いた生化学的な酸化剤を本発明の酸化剤
として使用することは何ら制限を加えるものではない。
【0020】本発明における第1層、第2層等のA剤お
よびB剤すなわち酸化重合性色素と酸化剤を担持する担
持体としては、所定の温度においてA剤およびB剤ある
いは少なくとも一方が拡散できることが可能かつ形態を
維持できるもので、なおかつ色変化を認識しうる程度の
透明性を有するものならば、いかなるものを用いても何
ら制限するものではない。具体的には、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹
脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂等、通常
のインキ、塗料等のバインダーとして使用される樹脂お
よび一般の粘着剤として用いられる粘着性ゴム系樹脂等
なら何でもよく、前記の樹脂数種類の混合系でもよい
し、ケトン系、エーテル系、アルコール系、セロソルブ
系、石油系、水系溶媒等通常使用される溶媒で希釈され
ていてもいなくてもよい。
【0021】特に粘着性ゴム系樹脂は、担持体および透
明基材とを接触する際に、接着機能を発現する点で好都
合である。具体的に粘着性ゴム系樹脂とは、Tgが室温
以下、好ましくは−10℃以下の樹脂であり、使用時の
温度範囲ではゴム状領域であることが望ましい。例とし
て、粘着性アクリル樹脂、天然および合成のシス−1、
4−ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチ
ルゴム、部分加硫ブチルゴム、スチレン−ブタジエン−
スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、ス
チレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリ
マー(SEBS)、シリコンゴム、クロロプレンゴム、
ニトリルゴム、ブタジエンゴムなどの、粘着剤用樹脂と
して用いられているものが挙げられる。 とりわけ粘着
性アクリル樹脂は、組成および分子量を適切に設定し
て、自在にTgを変化させることが可能で、A剤あるい
はB剤の拡散速度を制御することができ、本発明のA剤
およびB剤の媒体には好適である。粘着性アクリル樹脂
とは、水酸基、三級アミノ基、カルボキシル基、アミド
基、ニトリル基などの官能基を有するものであり、一般
に粘着剤用アクリル樹脂として用いられているものであ
る。これらの官能基を有するアクリル樹脂は、水酸基、
三級アミノ基、カルボキシル基、アミド基、ニトリル基
などを有するモノマーのうちの一種または数種と、アル
キル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ビニルエーテル、スチレンなどのモノマーとの
共重合体などである。
【0022】反応は通常のラジカル重合であり、反応方
法に何等制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合な
どの公知の重合法で行なうことができるが、反応のコン
トロールが容易であることや直接次の操作に移れること
から溶液重合が好ましい。溶媒としては、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソル
ブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど本発明の樹脂が溶解す
るものであれば何でもよく、単独でも、複数の溶媒を混
合してもよい。また、重合反応の際に使用される重合開
始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものであれば
何でもよく、とくに制限はない。粘着性ゴム系樹脂をイ
ソシアネートおよびエポキシ化合物などの架橋剤を用い
て部分的に架橋して、担持体の接触時における接着特性
を改善し凝集力を高める目的やA剤あるいはB剤の拡散
速度を調節することができる。また、ポリウレタン樹脂
は、グラビア印刷等の印刷適性が良く、表示材料の生産
性の面からは担持体として好ましい材料の一つである。
この様なポリウレタン樹脂としては、東洋インキ製造
(株)製のグラビアインキ用ウレタン樹脂の商品名「ラ
ミスターRメジウム」、「ニューLPスーパー」、「L
Pクィーン」等が挙げられる。
【0023】本発明において担持体中に担持されたA剤
を含む第1層と、A剤と非接触状態としたB剤とを含む
第2層と、A剤またはB剤を拡散させる第3層を上記第
1層と上記第2層との間に積層させる場合に用いられる
第3層とは、第1層ならびに第2層の担持体と同様に所
定の温度においてA剤とB剤の少なくとも片方が拡散で
きることが可能かつ形態を維持できるもので、なおかつ
色変化を認識しうる程度の透明性を有するものならば、
いかなるものを用いても何ら制限するものではない。更
に使用前の保存温度においてはA剤とB剤すなわち酸化
重合性色素と酸化剤の拡散が起こらず、所定温度に達し
た時点で時間測定が開始されることが第3層の機能とし
て要求される。具体的には、アクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂等、通常のインキ、
塗料等のバインダーとして使用される樹脂および一般の
粘着剤として用いられる粘着性ゴム系樹脂等なら何でも
よく、前記の樹脂数種類の混合系でもよいし、ケトン
系、エーテル系、アルコール系、セロソルブ系、石油
系、水系溶媒等通常使用される溶媒で希釈されていても
いなくてもよい。
【0024】とりわけ、アクリル樹脂は、構造、分子量
とも自在に設定して自在にTgを変化させることが可能
でA剤あるいはB剤の物質移動速度を制御することがで
き、本発明の第3層には好適である。このアクリル樹脂
の合成は、先に述べた第1層ならびに第2層の代表的な
担持体である粘着性アクリル樹脂と同様である。ただ
し、粘着性アクリル樹脂は、Tgが室温以下、好ましく
は−10℃以下の樹脂であるのに対し、第3層は使用時
の温度範囲にあわせてTgを設定する点でモノマー組成
が異なっている。また、物質移動速度の制御という点で
はアクリル樹脂を始めとする汎用樹脂等とサーモトロピ
ック液晶、可塑剤やワックス類等の感温性の高い物質と
をブレンドして、本発明における第3層とすることも可
能である。
【0025】本発明において担持体中に担持されたA剤
を含む第1層と、担持体中に担持されたB剤とを含む第
2層と、上記第1層と上記第2層の間に配置され、両層
を非接触状態とするが外圧により接触させ得るスペーサ
ー材を積層させる場合に用いられるスペーサー材とは、
織布および不織布、粉体、マイクロカプセル等が挙げら
れる。使用するまでは第1層と第2層の担持体を非接触
状態として、使用時に圧力を加えることでスペーサー材
中あるいはスペーサー間をそれぞれの担持体が浸透する
ことで接触するかあるいはスペーサー自体が破壊するこ
とで接触する等の方法が用いられるが、その他いかなる
方法を用いても使用時に圧力を加えることで非接触状態
の第1層および第2層の担持体が接触状態となれば、本
発明において何ら制限するものではない。
【0026】具体的には、織布としてはガーゼのような
目の粗いいわゆる一般の布が用いられるがより具体的に
は、スフ織物40本/インチ×28本/インチ スフ糸
40/1(青山産業社製)、スフ織物45本/インチ×
35本/インチ スフ糸30/1(青山産業社製)、P
ET織物45本/インチ×35本/インチ PET80
d特殊糸×100d加工糸(青山産業社製)、PET織
物45本/インチ×30本/インチ PET80d特殊
糸×100d加工糸(青山産業社製)等が挙げられ、不
織布としてはレーヨン50%不織布(坪量10g/m2
・大王製紙社製)、レーヨン50%不織布(坪量17g
/m2 ・大王製紙社製)、レーヨン50%不織布(坪量
30g/m2 ・大王製紙社製)、ビニロン70%不織布
(100μm ・大王製紙社製)、ビニロン100%不織
布(100μm ・大王製紙社製)、ポリエステル不織布
等が挙げられる。また、粉体としては具体的にアルミニ
ウム、銅、銀、金、アエロジルに代表される二酸化珪
素、二酸化チタン、シラス、ケイソウ土などの金属およ
び金属酸化物微粒子、ナイロンパウダー、ポリエチレン
パウダー、ポリスチレンビーズやアクリルビーズなどの
高分子ミクロスフェア、小麦粉や片栗粉などの食用粉の
数十〜数百μm 程度の粒径を有する粉体が挙げられる。
【0027】マイクロカプセルとしては、特公昭38−
19574号公報、特公昭42−446号公報、特公昭
42−771号公報、特公昭42−2882号公報、特
公昭42−2883号公報、特公昭56−115371
号公報、特公昭60−60173号公報などに記載され
た界面重合法、特公昭36−9168号公報、USP3
427250号公報、BP1236498号公報などに
記載されたin situ重合法、USP378732
7号公報、USP3551346号公報、USP357
4133号公報などに記載された液中硬化被膜法、US
P2800457号公報、USP2800458号公
報、USP3531418号公報、USP357751
5号公報、BP1117178号公報などに記載された
コアセルベーション法(相分離法)、USP35239
06号公報、USP3660304号公報などに記載さ
れた界面析出法、USP3830750号公報などに記
載されたスプレードライ法等によって得られるマイクロ
カプセル、また「新版マイクロカプセル−その製法・性
質・応用−」近藤保、小石真純著(三協出版)にある中
空ガラス球、シラスバルーン、アルミナバブル、フェノ
ールマイクロバルーン等が挙げられる。
【0028】本発明において担持体中にA剤と、マイク
ロカプセル化したB剤とを担持する場合に用いられるB
剤をマイクロカプセル化する方法としては、特に制限は
なく、スペーサー材に用いられるマイクロカプセルと同
様な方法が挙げられる。これらの方法の中では、マイク
ロカプセル壁の厚さを自由に制御でき、マイクロカプセ
ル壁の厚さを均一とすることができ、マイクロカプセル
壁の強度を大きくすることができるポリユリアをマイク
ロカプセル壁とする界面重合法によりマイクロカプセル
化することが好ましい。
【0029】ポリユリアをマイクロカプセル壁とする界
面重合法でB剤をマイクロカプセル化する方法として
は、ポリイソシアネート化合物およびマイクロカプセル
化する物質を疎水性溶媒に溶解させた溶液を、分散剤を
溶解させた水溶液中に分散させ、得られた分散液に水溶
性ポリアミンを添加し、室温で撹拌して分散質表面にポ
リユリア壁を形成させる方法である。ポリイソシアネー
ト化合物としては、特に制限はなく、2,4−トリレン
ジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、トリメチロールプロパンの
2,4−トリレンジイソシアネートの付加体等、あるい
はこれらの混合物を挙げることができる。疎水性溶媒と
しては特に制限はなく、実質的に水と相溶しないもので
あれば何でも良く、ベンゼン、トルエン、キシレン、シ
クロヘキサン、ヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、フ
タル酸ジブチル、メチルイソブチルケトンなどを挙げる
ことができる。通常上記ポリイソシアネート化合物は、
疎水性溶媒100重量部に対して0.1〜50重量部の
割合で加えられる。また、通常マイクロカプセル化する
物質は、疎水性溶媒100重量部に対して10〜100
重量部の割合で加えられる。分散剤としては、ゼラチン
あるいはその変性体、アラビアゴム、アルギン酸ナトリ
ウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、無水
マレイン酸系共重合体、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、
アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、塩化アルキルトリメチルアンモニウ
ム等のアルキル四級アンモニウム塩など、あるいはこれ
らの混合物を適宜用いることができる。
【0030】これらの分散剤は、その種類によって異な
るが、水100重量部に対して通常0.01〜50重量
部の割合で用いられる。疎水性溶媒にポリイソシアネー
ト化合物およびマイクロカプセル化する物質を溶解した
溶液は、分散剤を溶解させた水溶液100重量部に対し
て、1〜80重量部の割合で添加され、撹拌することに
よって分散させられる。撹拌速度を調整することによっ
て、疎水性溶媒の液滴径を10〜500μm の範囲で所
望の大きさに調整することができる。上記水性ポリアミ
ンとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、トリエチレンテトラミ
ン、p−フェニレンジアミン、ピペラジン、ジエチレン
トリアミン、テトラエチレンペンタミン、エポキシ樹脂
のアミン付加体等、あるいはこれらの混合物を挙げるこ
とができる。これら水溶性ポリアミンは、水に分散剤を
溶解させた水溶液に添加され、ポリイソシアネート化合
物と反応してマイクロカプセルのポリユリア壁を形成す
る。得られたマイクロカプセルの粒径は、10〜100
μm 程度である。マイクロカプセル壁にアミノ樹脂が残
存する場合には、さらに水溶性のポリアルデヒド化合
物、水溶性のポリエポキシ化合物を添加し反応させ、マ
イクロカプセル壁を補強することができる。
【0031】水溶性のポリアルデヒド化合物としては、
グルタルアルデヒド、マロンジアルデヒド、マレインジ
アルデヒド、ジアルデヒドベンゼンなどであり、水溶性
のポリエポキシ化合物としては、水溶性エポキシ樹脂と
して市販されている種々のポリエポキシ化合物である。
このようにして補強されたマイクロカプセル壁にアルデ
ヒド基、エポキシ基が残存する場合には、さらにポリア
ミン、アミノアルコキシシラン等で補強することができ
る。このような補強により、マイクロカプセル壁の強度
を自由に制御することができる。このようにして得られ
たマイクロカプセルは濾別され、水、メタノール、エタ
ノールで洗浄され、乾燥され、B剤を内包したマイクロ
カプセルが得られる。
【0032】このようにして得られたマイクロカプセル
は、加圧することによりマイクロカプセルを潰して内包
するB剤を放出させるか、あるいは所定温度以上もしく
は外界のpHなどの要因によってマイクロカプセル壁の
物質透過性を上昇させることで内包する物質を系内に放
出させることが可能である。このようにマイクロカプセ
ルを潰すかあるいはカプセル壁の物質透過速度を上昇さ
せることで、A剤とB剤すなわち酸化重合性色素と酸化
剤が接触することが可能となり重合が始まり、時間測定
を開始することができる。
【0033】担持体中に担持されたA剤とB剤を非接触
状態とする方法としては、以上の様なものが挙げられる
が、担持体中に担持されたA剤と非接触状態としたB剤
が、何らかの操作によってA剤とB剤を接触させ反応さ
せることが可能となる方法であるならば、本発明におい
て使用することができ何ら制限を加えるものではない。
【0034】本発明において、透明基材としてはポリエ
チレンやポリプロピレン等のオレフィン系フィルム、ポ
リエチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル
フィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化
ビニリデン共重合体、ポリフッ化ビリニデン、ポリ塩化
ビニル、ナイロン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸
等のプラスチックフィルム等が挙げられる。その他、色
相変化を確認できる程度の透明性を有する素材であれ
ば、いかなるものを用いても何ら制限するものではな
い。
【0035】本発明において、印刷層とはシルクスクリ
ーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等によって印
刷された樹脂を媒体とした層で、印刷様式および用いる
バインダー樹脂に関しては、印刷によって形成すること
のできる樹脂層であるならば、いかなるものを用いても
何ら制限するものではない。
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。例
中、部とは重量部を、%とは重量%を、それぞれ表す。
【0036】樹脂1 ブチルアクリレート 94.1部 アクリル酸 5.9部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 フラスコを反応容器として窒素雰囲気中80℃に加熱し
た上記のそれぞれの組成の混合物125部に、上記の同
組成の混合物125部を滴下し、滴下終了後、12時間
加熱還流させ、冷却し、樹脂1の溶液(固形分40%)
を得た。
【0037】樹脂2 メチルアクリレート 100.0部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 フラスコを反応容器として窒素雰囲気中80℃に加熱し
た上記のそれぞれの組成の混合物125部に、上記の同
組成の混合物125部を滴下し、滴下終了後、12時間
加熱還流させ、冷却し、樹脂2の溶液(固形分40%)
を得た。
【0038】2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−
1,4−ベンゾキノンを内包するマイクロカプセル フラスコを反応容器としてポリビニルアルコール1部お
よび水100部を毎分225回転の速度で回転する撹拌
翼で撹拌しながら、これに2,3−ジクロロ−5,6−
ジシアノ−1,4−ベンゾキノン5部、キシレン10部
およびトリレンジイソシアネート5部を添加し分散さ
せ、分散させて5分後にテトラエチレンペンタミン1部
を添加し2時間撹拌を続け、トリレンジイソシアネート
とテトラエチレンペンタミン、ポリビニルアルコールお
よび水とが反応して生成したマイクロカプセル壁を有す
る2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベン
ゾキノンのマイクロカプセルの分散液を得た。得られた
分散液122部に、グルタルアルデヒド2部を添加して
2時間撹拌し、次にN−(2−アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン2部を添加し、分散液
のpHが約11となるようにアンモニア水を加え撹拌を
6時間続けた後、濾別してエタノールで洗浄し、50℃
の温風で乾燥して2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ
−1,4−ベンゾキノンを内包するマイクロカプセルを
得た。得られたマイクロカプセル中には2,3−ジクロ
ロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンが約10
%含まれ、マイクロカプセルの平均粒径は15μm であ
った。
【0039】実施例1 樹脂1の溶液を100部、2−メトキシ−フェノチアジ
ンの10%酢酸エチル溶液を12部とを撹拌混合し、離
型表面処理されたPETフィルム上に塗布し、90℃で
2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとしてA剤を含
む第1層を得た。次に樹脂1の溶液を100部、塩化銅
( )を2部とを撹拌分散混合し、離型表面処理された
PETフィルム上に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥さ
せ膜厚を25ミクロンとしてB剤を含む第2層を得た。
さらに三菱レーヨン社製アクリル樹脂ダイヤナールBR
−90の40%酢酸エチル溶液を100部、離型表面処
理されたPETフィルム上に塗布し、90℃で2分間加
熱乾燥させ膜厚を5ミクロンとしてA剤またはB剤を拡
散させる第3層を得た。それぞれの層を塗布する際に使
用したPETフィルムを剥離した後、第1層と第3層を
積層し、更に第3層の第1層を積層した面の反対側の面
に第2層を積層して、第1層/第3層/第2層の順に積
層された時間表示材料1を得た。また、測定する温度下
に達した瞬間を時間測定の開始点とした。なお、色の経
時変化は以下の条件で観察した。結果は表1に示した。
【0040】(1)色の経時変化 A剤を含む層とB剤を含む層を接触させた時を時間測定
開始時点として、0℃、20℃および100℃の恒温層
に時間表示材料を保管して、経時の色変化を観察した。
【0041】実施例2 樹脂1の溶液を100部、3,7−ジオクチル−フェノ
チアジンの10%酢酸エチル溶液を12部とを撹拌混合
し、離型表面処理されたPETフィルム上に塗布し、9
0℃で2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとしてA
剤を含む第1層を得た。次に樹脂1の溶液を100部、
tert−ブチルパーオキシベンゾエートを2部とを撹
拌分散混合し、離型表面処理されたPETフィルム上に
塗布し、90℃で2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロ
ンとしてB剤を含む第2層を得た。さらに三菱レーヨン
社製アクリル樹脂ダイヤナールBR−90の40%酢酸
エチル溶液を100部、離型表面処理されたPETフィ
ルム上に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥させ膜厚を5
ミクロンとしてA剤またはB剤を拡散させる第3層を得
た。それぞれの層を塗布する際に使用したPETフィル
ムを剥離した後、第1層と第3層を積層し、更に第3層
の第1層を積層した面の反対側の面に第2層を積層し
て、第1層/第3層/第2層の順に積層された時間表示
材料2を得た。また、測定する温度下に達した瞬間を時
間測定の開始点とした。なお、色の経時変化は実施例1
と同様な条件で観察した。結果は表1に示した。
【0042】実施例3 樹脂1の溶液を100部、2−アセチル−フェノチアジ
ンの10%酢酸エチル溶液を12部とを撹拌混合し、離
型表面処理されたPETフィルム上に塗布し、90℃で
2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとしてA剤を含
む第1層を得た。次に樹脂1の溶液を100部、塩化銅
( )を2部とを撹拌分散混合し、離型表面処理された
PETフィルム上に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥さ
せ膜厚を25ミクロンとしてB剤を含む第2層を得た。
第1層を塗布する際に使用したPETフィルムを剥離し
た後、スペーサー材としてレーヨン50%不織布(坪量
10g/m2 、大王製紙社製)を積層し、更にスペーサ
ー材の第1層を積層した面と反対側の面に第2層を積層
して、第1層/スペーサー材/第2層の順に積層された
時間表示材料3を得た。また、加圧ローラーで加圧した
瞬間を時間測定の開始点とした。なお、色の経時変化は
実施例1と同様な条件で観察した。結果は表1に示し
た。
【0043】実施例4 樹脂1の溶液を100部、3,7−ジブロモ−フェノチ
アジンの10%酢酸エチル溶液を12部、2,3−ジク
ロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンを内包
するマイクロカプセルを20部とを撹拌混合し、離型表
面処理されたPETフィルム上に塗布し、90℃で2分
間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとし、塗布する際に
使用したPETフィルムを剥離し、時間表示材料4とし
た。また、加圧ロールで加圧してマイクロカプセルを潰
した瞬間を時間測定の開始点とした。なお、色の経時変
化は実施例1と同様な条件で観察した。結果は表1に示
した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の時間表示材料により、所定温度
において所定時間が経過したことを加熱あるいは加圧等
の単純な操作により反応を開始させ、色相の明確な変化
によって手軽かつ安価に表示することが可能となった。
フェノチアジンおよびフェノキサジン誘導体をはじめと
する酸化重合性色素は、無色から時間とともに着色する
ことで時間の経過を表示することができ、有効期限を表
示する材料には非常に適している。とりわけ、2−メト
キシ−フェノチアジンは酸化剤と接触する前は無色であ
り、接触と同時に即座に緑色に変化して以後時間の経過
とともに青色、紫、赤茶色と変化する材料であり感覚的
に表示材料として最適である。また、測定したい温度な
らびに時間については、担持体を構成する媒体である樹
脂の選択、酸化剤の種類とその配合量によって制御する
ことが可能であった。このことから、幅広い温度範囲で
の時間測定に対し、本発明の時間表示材料が有効である
ことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の反応初期の質量分析スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01K 11/12 G01K 11/12 Q G04F 1/00 G04F 1/00 13/00 13/00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担持体中に担持された下記A剤を含む第
    1層と、A剤と非接触状態とした下記B剤とを含む第2
    層と、A剤またはB剤を拡散させる第3層を上記第1層
    と上記第2層との間に積層させてなり、酸化重合性色素
    を重合させることで時間または温度−時間積算値を色変
    化として表示する材料(ただし、A剤とB剤とは、酸化
    重合性色素と酸化剤の組合わせからなる。)。
  2. 【請求項2】 担持体中に担持された下記A剤を含む第
    1層と、担持体中に担持された下記B剤とを含む第2層
    と、上記第1層と上記第2層の間に配置され、両層を非
    接触状態とするが外圧により接触させ得るスペーサー材
    とからなり、酸化重合性色素を重合させることで時間ま
    たは温度−時間積算値を色変化として表示する材料(た
    だし、A剤とB剤とは、酸化重合性色素と酸化剤の組合
    わせからなる。)。
  3. 【請求項3】 担持体中に下記A剤と、マイクロカプセ
    ル化した下記B剤とを担持し、A剤とB剤とが接触する
    ことによりフェノチアジンおよび/又はフェノキサジン
    を重合させることで時間または温度−時間積算値を色変
    化として表示する材料(ただし、A剤とB剤とは、酸化
    重合性色素と酸化剤の組合わせからなる。)。
  4. 【請求項4】 A剤および/又はB剤を含む担持体が透
    明基材に積層された樹脂層である請求項1または2また
    は3記載の時間または温度−時間積算値を表示する表示
    材料。
  5. 【請求項5】 A剤および/又はB剤を含む担持体が透
    明基材に積層された印刷層である請求項1または2また
    は3記載の時間または温度−時間積算値を表示する表示
    材料。
  6. 【請求項6】 酸化重合性色素が下記式 【化1】 (但し、式中R1はハロゲン、炭素原子が1個から8個
    のアルキル、アルコキシ、アリール、置換アリール、ア
    ルデヒド、カルボキシル、複素環アリール、ヒドロキシ
    ル、アミノ、シアノ、アルデヒド、カルボキシルから選
    ばれる原子および原子団からなり、R2〜7は水素、ハ
    ロゲン、炭素原子が1個から8個のアルキル、アルコキ
    シ、アリール、置換アリール、複素環アリール、ヒドロ
    キシル、アミノ、シアノ、アルデヒド、カルボキシルか
    ら選ばれる原子および原子団からなり、またXはイオ
    ウ、酸素、セレン、テルルから選ばれる原子からなる化
    合物である。)。で示される化合物である請求項1また
    は2または3記載の時間または温度−時間積算値を表示
    する表示材料。
  7. 【請求項7】 酸化剤が金属塩類、酸素酸塩、ハロゲ
    ン、ジメチルスルフォキシド、キノン類、ナフトキノン
    類、カルボキニル化合物、酸化物、有機過酸化物、有機
    過酸、ペルオキソ硫酸塩である請求項2記載の時間また
    は温度−時間積算値を表示する表示材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017033489A1 (ja) * 2015-08-27 2017-03-02 株式会社日立製作所 温度履歴表示体

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WO2017033489A1 (ja) * 2015-08-27 2017-03-02 株式会社日立製作所 温度履歴表示体

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