JPH09250953A - 時間または温度−時間積算値の表示材料 - Google Patents

時間または温度−時間積算値の表示材料

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JPH09250953A
JPH09250953A JP6048496A JP6048496A JPH09250953A JP H09250953 A JPH09250953 A JP H09250953A JP 6048496 A JP6048496 A JP 6048496A JP 6048496 A JP6048496 A JP 6048496A JP H09250953 A JPH09250953 A JP H09250953A
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temperature
layer
agent
time
resin
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JP6048496A
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Masato Yanagi
正人 柳
Hideyuki Ishiguro
秀之 石黒
Keiichi Sato
馨一 佐藤
Toshifumi Kamimura
敏文 上村
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)
  • Measurement Of Unknown Time Intervals (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は所定温度以上において所定時間が経過
したことを明示するための時間または温度−時間積算値
の表示材料および表示装置を提供する。 【解決手段】担持体中に担持された下記A剤を含む第1
層と、A剤と非接触状態とした下記B剤とを含む第2層
と、上記第1層と上記第2層との間に積層された第3層
からなり、該第3層が所定温度以上で軟化あるいは液状
化する樹脂あるいはワックス層である、酸化重合性色素
を重合させることで所定温度以上だけでの時間または温
度−時間積算値のみを測定し、所定温度未満ではその測
定を行わない時間または温度−時間積算値を色変化によ
って表示する材料。ただし、A剤とB剤とは、酸化重合
性色素と酸化剤の組合わせからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化重合性色素を重合
させることにより所定温度以上における時間または温度
−時間積算値を色変化として表示する材料およびその使
用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一定温度下で物品を一定期間保管
する場合に、その温度および時間を監視するための表示
材料に対する需要は年々高まってきている。すなわち、
冷凍食品・冷蔵食品・生鮮食品ならびに薬品・塗料・接
着剤などの化学品に至るまで、保存温度が明示されると
ともに、その有効期間をも限定されているのが通常であ
る。しかしながら、安価に温度ならびに時間を同時に測
定する方法および表示材料はこれまであまり市場におい
てみあたらない。
【0003】従来、色変化によって温度・時間履歴を表
示する材料としては、100℃前後の温度で数十時間の
範囲をピンクからメタリックグリーンへの変化等で表示
する共晶アセチレン系混合物を用いたパテルの米国特許
第4,189,399号(1980.2.19 発行)・米国特許
第4,208,186号(1980.6.17 発行)・米国特許
第4,276,190号(1980.6.30 発行)、室温程度
で数十日の範囲で無色から紫に発色する染料と酸あるい
はアルカリの拡散による反応を用いたキドニウス等の米
国特許第4,212,153号(1980.7.15発行)、レド
ックス染料と酸素拡散性を用いたフー等の米国特許第
3,768,976号、緑が退色することで表示する遊
離ラジカル感受性染料と過酸化物の組成物を用いたカー
タッブ等の米国特許第3,966,414号、還元剤で
脱色したトリアリールメタン染料が酸素の拡散によって
着色することを利用したブハッタチャージー等の特開昭
62−190447、酸を生成する微生物とpH指示薬
を用いた松田等の特開平5−61917がある。その
他、融点、拡散速度、酵素活性などを利用した特許が開
示されている。
【0004】これまで、色々な表示材料が提案されてい
るものの実際に上市されていない理由としては、溶液状
態で取り扱いに不便であったり、時間を測定開始する方
法が煩雑であったり不明確であったり、価格が高い等の
要因が考えられる。例えば、遊離ラジカル感受性染料と
過酸化物の組成物を用いたカータッブ等(米国特許第
3,966,414号)の発明は、染料と過酸化物をガ
ラス繊維紙上に担持させ表示材料とするために、染料と
過酸化物を溶媒中に溶解して、その溶液をガラス繊維紙
上に展開している。ここで時間計測という観点からは、
染料と過酸化物を溶解した時点で反応が始まっており、
室温以下の温度下での時間測定には現実的に適さないと
いう欠点があった。また、今までの技術に見られる色変
化は透明からある色が発色してその色濃度が増していく
ものやその反対にある色相が退色して透明になるものが
ほとんどで、明確に色調が大幅に変化する材料は見あた
らなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は所定温度以上
において所定の時間が経過したことを手軽かつ安価に表
示する材料を提供するものである。一般に、冷凍食品・
冷蔵食品・生鮮食品ならびに薬品・塗料・接着剤などの
化学品に至るまでの使用有効期限を有する物品は、保存
温度とともにその有効期間を限定されているのが通常で
あり、温度が低い場合は保存期間は長く温度が高くなる
と保存期間は極端に短くなる場合が多い。しかしなが
ら、一般的には保管場所に温度計を設置して製造年月日
と保証期限の表示によって管理しているのが現状であ
り、管理するべき物品が実際に保管温度下で何時間経過
したかは不明である。更に、チョコレート等は28℃以
上にある期間置かれるとブルームと呼ばれる現象がおこ
り商品価値が無くなったり、アイスクリームが−10℃
以上になると品質が劣化する等の所定温度以上になると
急速に劣化が進行する食品ならびに薬品が数多くあるほ
か、レトルト食品等の製造工程での殺菌法は121℃以
上で20分間の加熱を行わなければならない等の要求が
市場には数多くある。このように一つ一つの物品が所定
温度以上でどの程度時間が経過したかあるいはどの程度
の温度でどの程度時間が経過したかという所定温度以上
での熱量の総計を明確にしかも安価に表示しうる材料を
提供できる方法が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化重合
性色素を酸化剤によって重合させた場合に、重合度に応
じた色の変化が起きることを見出し、さらに重合速度が
通常の化学反応と同様にアレニウス則に従い絶対温度と
時間で規定されることから、所定温度における時間変化
および熱量の総計とも言うべき温度−時間積算値を重合
度による色の変化として表示しうることを見出した。ま
たさらに、所定温度以上で軟化あるいは液状化し、所定
温度以下では固化する樹脂あるいはワックス層を酸化重
合性色素を含有する層と酸化剤を含有する層の間に積層
することで、A剤とB剤の反応を開始したり停止する機
能を付与し、所定温度以上だけの時間または温度−時間
積算値を手軽かつ安価に色相の明確な変化で表示するこ
とを可能にする材料を提供するものである。
【0007】本発明は、担持体中に担持された下記A剤
を含む第1層と、A剤と非接触状態とした下記B剤とを
含む第2層と、上記第1層と上記第2層との間に積層さ
れた第3層からなり、該第3層が所定温度以上で軟化あ
るいは液状化する樹脂あるいはワックス層である時間ま
たは温度−時間積算値を色変化によって表示する材料
(ただし、A剤とB剤とは、酸化重合性色素と酸化剤の
組合わせからなる。)である。更に本発明は、A剤およ
び/又はB剤を含む担持体が透明基材に積層された樹脂
層である上記表示材料である。更に本発明は、A剤およ
び/又はB剤を含む担持体が透明基材に積層された印刷
層である上記表示材料である。更に本発明は、上記材料
を、第3層を形成する樹脂またはワックスの軟化あるい
は液状化温度より高い温度と低い温度の2つの温度域が
現れる環境に保持し、上記軟化あるいは液状化温度以上
で酸化重合性色素を重合反応を行い、上記温度未満では
酸化重合性色素の重合反応を停止せしめる、所定温度以
上の時間経過または温度−時間積算値を色変化によって
表示する方法である。
【発明の実施の形態】
【0008】本発明において用いられる酸化重合性色素
は、酸化剤と接触することで酸化重合が開始する。この
酸化重合反応は通常の化学反応と同様に、温度により反
応速度が規定される。更に、本発明における酸化重合性
色素は重合度によって色相が変化したり色濃度が変化
し、温度ならびに時間によって色相が規定される。すな
わち、重合速度はアレニウス則に従うため、温度と時間
を関数として酸化重合性色素の重合度が規定され、この
結果時間または温度−時間積算値を色変化として表示す
ることが可能になる。またさらに、所定温度以上で軟化
あるいは液状化し、所定温度以下では固化することで、
A剤とB剤の反応を開始したり停止する機能を有する樹
脂あるいはワックス層を積層させることで、所定温度以
上だけの時間または温度−時間積算値を手軽かつ安価に
色相の明確な変化で表示することを可能になる。
【0009】一定温度あるいは変動する温度下において
得られる熱量は、各時点での温度とその時間の積によっ
て求められる積分値として表すことができ、この温度と
時間の積分値を温度−時間積算値と定義する。例えば冷
蔵食品である肉・魚等は30゜C では12時間、20゜
C では24時間、10゜C では72時間といった具合に
保存温度によりその賞味期限あるいは有効期限は変化す
る。また実際の製品の流通を考えた場合、保存温度は程
度の差はあるものの絶えず変動していると考えて良い。
ここで問題になるのが「何度の温度で何時間放置あるい
は保存されたか」ということで、この尺度となるのが温
度−時間積算値と言うことになる。但し、温度20゜C
1時間での劣化あるいは変化が温度10゜C で何時間の
変化に相当するという問題は、アレニウス則における頻
度因子および活性化エネルギーによって規定されるので
単純な絶対温度と時間の積によって表されるものではな
い。
【0010】本発明における発色は、酸化重合性色素が
重合して、得られる重合体の重合度によって色相が変化
するもので、2−メトキシ−フェノチアジンを例に以下
のような機構によるものと考えられる。酸化剤によって
分子中の窒素原子に結合している水素原子が引き抜かれ
て重合が開始され、更に2−メトキシ−フェノチアジン
分子内の1、3、4、6、7、8、9位のいずれかの水
素原子が引き抜かれる。この分子と隣接する同様な状態
の2−メトキシ−フェノチアジン分子とが10位の窒素
原子と水素原子を引き抜かれた炭素原子を結合部位とし
て重合が進むものと類推される。実施例1の塩化銅(I
I)を酸化剤として重合させた2−メトキシ−フェノチ
アジンの重合初期のマススペクトルが図1である。反応
機構の詳細は明らかではないが、この図1から酸化剤と
2−メトキシ−フェノチアジンの反応により2−メトキ
シ−フェノチアジンが重合していることは明らかであ
る。
【0011】色相については、2−メトキシ−フェノチ
アジンの重合が進行するとともにその共役系が変化する
ために変わると考えられる。すなわち、重合度が上がる
につれて長波長化して緑から赤色へ変化していることが
予想される。この2−メトキシ−フェノチアジンの色相
と重合度およびその分布の関係については、目視による
色相と質量分析計からの分子量から、重合度2が緑、重
合度3が青、重合度4から10で赤となることが明らか
となった。また、重合度の異なる重合物の比率によって
紺色や紫色に発色していることも類推される。その他の
フェノチアジン誘導体およびフェノキサジン誘導体につ
いては、フェノチアジン骨格に結合している置換基の種
類により共役系の電子状態が大きく異なり、置換基別に
異なった色相変化が観察された。いずれにせよフェノチ
アジン誘導体およびフェノキサジン誘導体の重合度とそ
の分布によって、発現する色相は決定され、重合の進行
とともに色調が変化していく。ここで言う2−メトキシ
−フェノチアジン分子の構造および構成原子の位置は下
記式に従う。
【0012】
【化1】
【0013】本発明に用いられる酸化重合性色素は、酸
化重合して所定の重合度において所定の色相を呈するも
のであるならば何ら制限を加えるものではない。具体的
にここで言う酸化重合性色素とは、金属塩等に代表され
る酸化剤によって酸化重合し、所定重合度において所定
の色相を呈する色素のことを指し、重合前に無色であっ
ても酸化重合性色素と定義するものである。酸化重合性
色素とは、より具体的にはアニリン、フェノール、チオ
フェノール及びそれら誘導体等のベンゼン誘導体、ピロ
ール、チオフェン、フラン、セレノフェン、テルロフェ
ン及びそれら誘導体等の5員芳香族複素環式化合物、カ
ルバゾール、ジベンゾチオフェン及びそれら誘導体等の
縮合6,5,6員芳香族複素環式化合物等が挙げられる
他、下記式
【0014】
【化2】
【0015】で示される化合物が挙げられる。但し、式
中R1〜7は水素、ハロゲン、炭素原子が1個から8個
のアルキル、炭素原子が1個から8個のアルコキシ、ア
リール、置換アリール、複素環アリール、ヒドロキシ
ル、アミノ、シアノ、アルデヒド、カルボキシル、ニト
ロ、ニトロソから選ばれる原子および原子団を示し、隣
接する置換基が一体となって更に芳香環を形成してもよ
く、Xはイオウ、酸素、セレン、テルルから選ばれる原
子を示す。また、結合部位はR1〜R4については式中
の1位、2位、3位及び4位からそれぞれ選ばれるが、
一つの位置に二つ以上のR1〜R4から選ばれる置換基
が結合することはなく、それぞれの位置に一つずつ結合
する。同様にR5〜R7については式中の6位、7位、
8位及び9位から三つの位置がそれぞれ選ばれるが、一
つの位置に二つ以上のR5〜R7から選ばれる置換基が
結合することはなく、それぞれの選ばれた三つ位置に一
つずつ結合する。以上の他にR1〜R7に関しては重合
を妨げない置換基であるならば任意の置換基が可能であ
る。
【0016】より具体的にはフェノチアジン、3,7−
ジブロモフェノチアジン、2−クロロフェノチアジン、
4−メチルフェノチアジン、3,7−ジメチルフェノチ
アジン、4,6−ジメチルフェノチアジン、2−アセチ
ルフェノチアジン、3−ビニルフェノチアジン、3,7
−ジアミノ−フェノチアジン、3,7−ビス−(ジメチ
ルアミノ)−フェノチアジン、3,7−ビス−(ジエチ
ルアミノ)−フェノチアジン、2−ヒドロキシ−フェノ
チアジン、3−ホルミル−フェノチアジン、3−カルボ
キシル−フェノチアジン、3,7−ジメトキシ−フェノ
チアジン、1−ニトロ−フェノチアジン、1,3−ジニ
トロ−フェノチアジン、4−クロロ−1−ニトロ−フェ
ノチアジン等が挙げられる他、特開平3−144650
に開示されている様なR1〜R4から選ばれる2つとが
一緒に芳香族を形成するモノベンゾ−フェノチアジン、
同様にこれに加えR5〜R7から選ばれる2つとが一緒
に芳香族を形成するジベンゾ−フェノチアジン等のベン
ゾフェノチアジン類が挙げられる。さらに、フェノチア
ジン誘導体と同様にフェノキサジン、3,7−ジブロモ
フェノキサジンをはじめとするフェノキサジン誘導体も
酸化重合性色素として挙げられる。
【0017】本発明に用いられる酸化重合性色素は、単
独で使用しても良いが、二つを混合して使用してもよ
い。この場合、混合比によって色相を変化させることが
可能となる。酸化重合性色素は、担持体を形成する媒体
に対して1.0から20重量%、好ましくは2.0から
15.0重量%添加して本発明の時間表示材料を得る。
このとき、フェノチアジンおよび/又はフェノキサジン
の配合量が1.0重量%以下だと発色が薄く視認性が悪
くなる。また配合量を20重量%以上としても発色の度
合はそれ程変わらない反面、表示材料の保管中に空気酸
化によって発色してしまい、使用に適さなくなってしま
う場合がある。
【0018】本発明において酸化重合性色素を重合させ
る酸化剤とは、金属塩類、酸素酸塩、ハロゲン、キノン
類、ナフトキノン類、カルボニル化合物、酸化物、有機
過酸化物、有機過酸、ペルオキソ硫酸塩等が挙げられ
る。更に具体的に金属塩としては塩化アルミニウム、塩
化ニッケル、塩化コバルト、塩化銅、塩化鉄、塩化バナ
ジウム等が挙げられる。酸素酸塩としては、硝酸、塩素
酸塩、次亜塩素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩、クロム酸
塩、過マンガン酸塩、バナジン酸塩、ビスマス酸塩等。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等。キ
ノン類としては、ベンゾキノン、テトラクロロ−1,4
−ベンゾキノン(クロラニル)、テトラクロロ−1,2
−ベンゾキノン(o−クロラニル)、2,3−ジクロロ
−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン等。ナフト
キノン類としては、1,2−ナフトキノン、1,4−ナ
フトキノン、2,6−ナフトキノン、1,2−ナフトキ
ノン−4−スルホン酸等。カルボニル化合物としては、
アセトン、シクロヘキサノン等が挙げられ、アルミニウ
ムブトキシド等のアルミニウムアルコキシドと併用して
用いられる。酸化物としては、二酸化マンガン、二酸化
鉛、酸化銅、酸化銀等。
【0019】有機過酸化物としては、ジ−tert−ブ
チルパーオキサイド,tert−ブチルクミルパーオキ
サイド,ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパー
オキサイド類,アセチルパーオキサイド,ラウロイルパ
ーオキサイド,ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシ
ルパーオキサイド類,メチルエチルケトンパーオキサイ
ド,シクロヘキサノンパーオキサイド,3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサノンパーオキサイド,メチルシク
ロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイ
ド類,1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサンなどパーオキシケタール類,tert−ブ
チルヒドロパーオキサイド,クメンヒドロパーオキサイ
ド,1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオ
キサイド,p−メンタンヒドロパーオキサイド,ジイソ
プロピルベンゼンヒドロパーオキサイド,2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイドなどの
ヒドロパーオキサイド類,tert−ブチルパーオキシ
アセテート,tert−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート,tert−ブチルパーオキシベンゾエ
ートなどのパーオキシエステル類などがあるが,これら
の中でもベンゾイルパーオキサイドは酸化能力と保存安
定性のバランスに優れ,有機過酸化物系の酸化剤には好
適である。有機過酸としては、過安息香酸、メタクロロ
過安息香酸、モノペルオキシフタル酸、過蟻酸、過酢
酸、トリフルオロ過酢酸等が挙げられる。ペルオキソ硫
酸塩としては、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸カ
リウム等が挙げられる。ニトロ化合物としては、ニトロ
ベンゼン、ニトロセルロース等が挙げられる。そのほ
か、酸素、オゾン、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄、王水、
硝酸、濃硫酸、熱濃過塩素酸、ジメチルスルフォキシ
ド、炭酸銀等が本発明における酸化剤として挙げられ
る。この他、デヒドロゲナーゼ等の脱水素酵素を用いた
生化学的な酸化剤を本発明の酸化剤として使用すること
は何ら制限を加えるものではない。
【0020】本発明における第1層、第2層等のA剤お
よびB剤すなわち酸化重合性色素と酸化剤を担持する担
持体としては、所定の温度においてA剤およびB剤ある
いは少なくとも一方が拡散できることが可能かつ形態を
維持できるもので、なおかつ色変化を認識しうる程度の
透明性を有するものならば、いかなるものを用いても何
ら制限するものではない。具体的には、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹
脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂等、通常
のインキ、塗料等のバインダーとして使用される樹脂お
よび一般の粘着剤として用いられる粘着性ゴム系樹脂等
なら何でもよく、前記の樹脂数種類の混合系でもよい
し、ケトン系、エーテル系、アルコール系、セロソルブ
系、石油系、水系溶媒等通常使用される溶媒で希釈され
ていてもいなくてもよい。
【0021】特に粘着性ゴム系樹脂は、担持体および透
明基材とを接触する際に、接着機能を発現する点で好都
合である。具体的に粘着性ゴム系樹脂とは、Tgが室温
以下、好ましくは−10℃以下の樹脂であり、使用時の
温度範囲ではゴム状領域であることが望ましい。例とし
て、粘着性アクリル樹脂、天然および合成のシス−1、
4−ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチ
ルゴム、部分加硫ブチルゴム、スチレン−ブタジエン−
スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、ス
チレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリ
マー(SEBS)、シリコンゴム、クロロプレンゴム、
ニトリルゴム、ブタジエンゴムなどの、粘着剤用樹脂と
して用いられているものが挙げられる。
【0022】とりわけ粘着性アクリル樹脂は、組成およ
び分子量を適切に設定して、自在にTgを変化させるこ
とが可能で、A剤あるいはB剤の拡散速度を制御するこ
とができ、本発明のA剤およびB剤の媒体には好適であ
る。粘着性アクリル樹脂とは、水酸基、三級アミノ基、
カルボキシル基、アミド基、ニトリル基などの官能基を
有するものであり、一般に粘着剤用アクリル樹脂として
用いられているものである。これらの官能基を有するア
クリル樹脂は、水酸基、三級アミノ基、カルボキシル
基、アミド基、ニトリル基などを有するモノマーのうち
の一種または数種と、アルキル(メタ)アクリレート、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、ス
チレンなどのモノマーとの共重合体などである。
【0023】反応は通常のラジカル重合であり、反応方
法に何等制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合な
どの公知の重合法で行なうことができるが、反応のコン
トロールが容易であることや直接次の操作に移れること
から溶液重合が好ましい。溶媒としては、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソル
ブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど本発明の樹脂が溶解す
るものであれば何でもよく、単独でも、複数の溶媒を混
合してもよい。また、重合反応の際に使用される重合開
始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものであれば
何でもよく、とくに制限はない。
【0024】粘着性ゴム系樹脂をイソシアネートおよび
エポキシ化合物などの架橋剤を用いて部分的に架橋し
て、担持体の接触時における接着特性を改善し凝集力を
高める目的やA剤あるいはB剤の拡散速度を調節するこ
とができる。また、ポリウレタン樹脂は、グラビア印刷
等の印刷適性が良く、表示材料の生産性の面からは担持
体として好ましい材料の一つである。この様なポリウレ
タン樹脂としては、東洋インキ製造(株)製のグラビア
インキ用ウレタン樹脂の商品名「ラミスターRメジウ
ム」、「ニューLPスーパー」、「LPクィーン」等が
挙げられる。
【0025】本発明における担持体には、必要に応じて
顔料、染料、無機充填剤、銀粉、銅粉、ニッケル粉など
の金属粉、カーボンブラック、グラファイト、キシレン
樹脂やロジン系樹脂などの粘着付与剤、シランカップリ
ング剤、消泡剤、レベリング剤などを加えることができ
る。特にアエロジル、二酸化チタン、硫酸バリウムなど
の無機充填剤を添加すると、担持体の凝集力が向上した
り、担持体表面のタックが減少するほかA剤あるいはB
剤すなわち酸化重合性色素あるいは酸化剤を吸着するな
どして拡散速度を抑制する効果が発現し、温度−時間積
算値測定の範囲を広げる効果を付与することができる。
この他理由は明らかではないが、アエロジルは酸化剤と
の組合わせによっては変色する色相を変化させたり、温
度−時間積算値測定の範囲を広げるばかりではなく、逆
に短縮する効果を期待することができる。
【0026】本発明において、A剤を含む第1層と、A
剤と非接触状態としたB剤とを含む第2層と間に積層さ
れる第3層は、所定温度以上で軟化あるいは液状化する
樹脂あるいはワックス層である。この第3層は所定温度
以上で軟化あるいは液状化することでA剤を含む第1層
とB剤を含む第2層からA剤とB剤が流入してA剤とB
剤の反応が開始し、なおかつ所定温度以下では固化して
反応を停止する機能を有している。すなわち、所定温度
以上でA剤およびB剤を溶解させてなおかつA剤とB剤
の反応場として機能し、溶解後反応が進行した後も所定
温度以下に下がった場合は固化してA剤およびB剤の拡
散および移動を凍結することでそれらの反応を停止し、
更に再び所定温度以上となった場合に反応が再開される
もので、なおかつ色変化を認識しうる程度の透明性を有
するものならば、いかなるものを用いても何ら制限する
ものではない。ここで、所定温度を境界とした反応の進
行および停止は1回のみにとどまらず何回でも繰り返し
行われるものである。
【0027】具体的には、ワックス類、油脂類、アクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂
等、通常のインキ、塗料等のバインダーとして使用され
る樹脂および一般の粘着剤として用いられる粘着性ゴム
系樹脂等なら何でもよく、前記の樹脂数種類の混合系で
もよいし、ケトン系、エーテル系、アルコール系、セロ
ソルブ系、石油系、水系溶媒等通常使用される溶媒で希
釈されていてもいなくてもよい。とりわけ、ワックス
類、油脂類は明確な融点あるいは軟化点を有して所定温
度を境界に液状化あるいは軟化する性質を有してA剤あ
るいはB剤の物質移動速度を制御するとともにそれぞれ
の反応場として機能することができ、本発明の第3層に
は好適である。具体的には、カルナバワックス、キャン
デリアワックス等の植物系、みつろう、ウールファット
等の動物系、モンタンワックス等の鉱物系天然ワック
ス、パラフィンワックス、マイクロワックス等の鉱物系
石油ワックス、その他ポリエチレングリコール、混合タ
ーフェニル、ハロゲン化炭化水素、ポリエチレン等の合
成炭化水素等の合成系ワックス等が挙げられる。また、
オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸やそれらの混
合物であるカカオバター等の天然油脂類、粘着付与剤と
して使用される重合ロジンをはじめとするロジン誘導
体、テルペン樹脂などが挙げられる。これら第3層に成
膜性や可撓性を付与する目的で可塑剤やEVA等の樹脂
を添加して使用することも可能である。
【0028】本発明において、透明基材としてはポリエ
チレンやポリプロピレン等のオレフィン系フィルム、ポ
リエチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル
フィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化
ビニリデン共重合体、ポリフッ化ビリニデン、ポリ塩化
ビニル、ナイロン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸
等のプラスチックフィルム等が挙げられる。その他、色
相変化を確認できる程度の透明性を有する素材であれ
ば、いかなるものを用いても何ら制限するものではな
い。
【0029】本発明において、印刷層とはシルクスクリ
ーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等によって印
刷された樹脂を媒体とした層で、印刷様式および用いる
バインダー樹脂に関しては、印刷によって形成すること
のできる樹脂層であるならば、いかなるものを用いても
何ら制限するものではない。
【0030】本発明の用途は、特に限定されず有効期間
を有する各種製品、製造工程、流通過程ならびに使用時
等に時間−温度の管理が必要な各種製品に対して添付あ
るいは貼付するなどして使用することができる。具体的
には牛肉、豚肉、鳥肉等の食肉類や鮪、鰤、鯛、タラバ
ガニ、烏賊、牡蠣、イクラ、数の子等の魚介類等の冷凍
食品、冷蔵食品。冷凍ブロッコリー、冷凍カボチャ、冷
凍コロッケ、冷凍チャーハン等の野菜・加工食品等の冷
凍食品、牛乳、チーズ等の乳製品やトーフ、薩摩揚げ、
納豆、竹輪、蒲鉾、プリン、ジュース類に至る冷蔵食
品、大根、キュウリ、トマト等の野菜類や生花等の生鮮
品、即席麺、油菓子、和菓子、ケーキ、生菓子等の加工
食品類などの製造・流通・保管・販売等の各過程におい
て保管温度が限定されなおかつ有効期限が限定された製
品の有効期間、所定温度以上の各過程の温度−時間の管
理等が挙げられる。また、カップラーメン等のインスタ
ント麺、カレー等のレトルト食品等を熱湯で加熱調理す
る際の温度−時間管理、コーヒー、紅茶等の調理後の経
過時間の管理、レトルト食品等の製造時における加熱殺
菌等の工程管理等。また、塗料等の焼き付けオーブン、
乾燥炉等の熱処理温度−時間の管理等に使用することが
できる。
【0031】ナフタリン、パラジクロルベンゼン等の防
虫剤、忌避剤、芳香剤、脱臭剤あるいは抗性物質、ワク
チン、輸血用血液などの医薬品類等、化粧品等、樹脂合
成原料の各種モノマー類、重合開始剤類、嫌気性接着剤
等、写真フィルム、印画紙、感光紙、電池、オイル等の
化学品の製造・流通・保管・販売等の各過程において保
管温度を限定されなおかつ有効期限が限定された製品の
有効期間を管理する用途に使用することができる。この
他、移植用の臓器の保存および輸送の温度−時間管理な
どにも使用することができる。ワイン、日本酒等の貯蔵
温度の管理。メロン、柿、リンゴ、サクランボ等の高級
果物や鰆の西京漬け、千枚漬け等の漬け物類等、鯖等を
酢で処理したなれ寿司等の加工食品等の最適賞味時期を
有する食品類の食べ頃時期を表示する用途等に使用でき
る。この他本発明の用途は、時間−温度の管理が必要な
用途に使用することに対して何ら制限を加えるものでは
ない。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。例
中、部とは重量部を、%とは重量%を、それぞれ表す。
【0033】樹脂1 ブチルアクリレート 94.1部 アクリル酸 5.9部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 フラスコを反応容器として窒素雰囲気中80℃に加熱し
た上記のそれぞれの組成の混合物125部に、上記の同
組成の混合物125部を滴下し、滴下終了後、12時間
加熱還流させ、冷却し、樹脂1の溶液(固形分40%)
を得た。
【0034】実施例1 樹脂1の溶液を100部、2−メトキシ−フェノチアジ
ンの10%酢酸エチル溶液を12部とを撹拌混合し、離
型表面処理されたPETフィルム上に塗布し、90℃で
2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとしてA剤を含
む第1層を得た。次に樹脂1の溶液を100部、塩化銅
( )を2部とを撹拌分散混合し、離型表面処理された
PETフィルム上に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥さ
せ膜厚を25ミクロンとしてB剤を含む第2層を得た。
さらにカルナバワックスとEVA(85:15)の混合
物の20%トルエン−メチルエチルケトン混合溶液を1
00部、離型表面処理されたPETフィルム上に塗布
し、90℃で2分間加熱乾燥させ膜厚を5ミクロンとし
て第3層を得た。それぞれの層を塗布する際に使用した
PETフィルムを剥離した後、第1層と第3層を積層
し、更に第3層の第1層を積層した面の反対側の面に第
2層を積層して、第1層/第3層/第2層の順に積層さ
れた時間表示材料を得た。また、測定する温度下に達し
た瞬間を時間測定の開始点とした。なお、色の経時変化
は以下の条件で観察した。
【0035】(色の経時変化−その1)A剤を含む層と
B剤を含む層を接触させた時を時間測定開始時点とし
て、20℃、40℃および90℃の恒温層に時間表示材
料を保管して、経時の色変化を観察した。また、冷熱衝
撃試験器を使用して40℃と90℃の温度雰囲気に1時
間ずつ交互に移動する環境下での経時の色変化を観察し
た。 (観察結果−その1)恒温層中では、20、40℃では
4週間後においても無色のままであり、90℃では無色
→青→紫→赤茶色と色変化し48時間で赤茶色まで変色
した。冷熱衝撃試験器での色変化は無色→青→紫→赤茶
色と色変化し96時間で赤茶色まで変色した。
【0036】実施例2 樹脂1の溶液を100部、フェノチアジンの10%酢酸
エチル溶液を12部とを撹拌混合し、離型表面処理され
たPETフィルム上に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥
させ膜厚を25ミクロンとしてA剤を含む第1層を得
た。次に樹脂1の溶液を100部、ベンゾイルパーオキ
サイドの40%酢酸エチル溶液を6部とを撹拌分散混合
し、離型表面処理されたPETフィルム上に塗布し、9
0℃で2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとしてB
剤を含む第2層を得た。さらにカカオバターをホットス
テージ上でバーコーターを用いて100℃の温度で溶融
させながら固化した膜厚が5μmとなるように離型表面
処理されたPETフィルム上に塗布して第3層を得た。
それぞれの層を塗布する際に使用したPETフィルムを
剥離した後、第1層と第3層を積層し、更に第3層の第
1層を積層した面の反対側の面に第2層を積層して、第
1層/第3層/第2層の順に積層された時間表示材料を
得た。
【0037】(色の経時変化−その2)A剤を含む層と
B剤を含む層を接触させた時を時間測定開始時点とし
て、0℃、20℃および30℃の恒温層に時間表示材料
を保管して、経時の色変化を観察した。また、冷熱衝撃
試験器を使用して0℃と30℃の温度雰囲気に30分間
ずつ交互に移動する環境下での経時の色変化を観察し
た。 (観察結果−その2)恒温層中では、0、20℃では4
週間後においても無色のままであり、40℃では無色→
緑→青→紫→赤色と色変化し、5分で青、30分で紫、
5時間で赤色まで変色した。冷熱衝撃試験器での色変化
は無色→緑→青→紫→赤色と色変化し10時間で赤色ま
で変色した。
【0038】実施例3 樹脂1の溶液を100部、3,7−ジオクチル−フェノ
チアジンの10%酢酸エチル溶液を12部とを撹拌混合
し、離型表面処理されたPETフィルム上に塗布し、9
0℃で2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとしてA
剤を含む第1層を得た。次に樹脂1の溶液を100部、
tert−ブチルパーオキシベンゾエートを4部、アエ
ロジル200(日本アエロジル株式会社製二酸化ケイ
素)を16部とを撹拌分散混合し、離型表面処理された
PETフィルム上に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥さ
せ膜厚を25ミクロンとしてB剤を含む第2層を得た。
さらに東洋ペトロライト社製ポリワックス1000をホ
ットステージ上でバーコーターを用いて150℃の温度
で溶融させながら固化した膜厚が5μmとなるように離
型表面処理されたPETフィルム上に塗布して第3層を
得た。それぞれの層を塗布する際に使用したPETフィ
ルムを剥離した後、第1層と第3層を積層し、更に第3
層の第1層を積層した面の反対側の面に第2層を積層し
て、第1層/第3層/第2層の順に積層された時間表示
材料を得た。なお、色の経時変化は以下の条件で観察し
た。
【0039】(色の経時変化−その3)A剤を含む層と
B剤を含む層を接触させた時を時間測定開始時点とし
て、40℃、80℃および125℃の恒温層に時間表示
材料を保管して、経時の色変化を観察した。また、冷熱
衝撃試験器を使用して80℃と125℃の温度雰囲気に
5分間ずつ交互に移動する環境下での経時の色変化を観
察した。 (観察結果−その3)恒温層中では、40、80℃では
4週間後においても無色のままであり、125℃では無
色→黄緑→水色→青紫→赤茶色と色変化し、1分で黄
緑、20分で水色、1時間で青紫、4時間で赤色まで変
色した。冷熱衝撃試験器での色変化は無色→黄緑→水色
→青紫→赤茶色と色変化し8時間で赤色まで変色した。
【0040】
【発明の効果】本発明の時間表示材料により、所定温度
以上において所定の時間が経過したことを色相の明確な
変化によって手軽かつ安価に表示することが可能となっ
た。フェノチアジン誘導体をはじめとする酸化重合性色
素は、無色から時間とともに着色することで時間の経過
を表示することができ、有効期限を表示する材料には非
常に適している。とりわけ、2−メトキシ−フェノチア
ジン、フェノチアジン等は酸化剤と接触する前は無色で
あり、接触と同時に即座に緑色に変化して以後時間の経
過とともに青色、紫、赤茶色と変化する材料であり感覚
的に表示材料として最適である。
【0041】また、測定したい温度については、第3層
に使用する樹脂あるいはワックスの融点あるいは軟化点
によって制御することができ、時間に関しては担持体を
構成する媒体である樹脂の選択、酸化剤の種類とその配
合量によって制御することが可能であった。更に一度所
定温度以上に達した時点で時間計測が開始され、再度所
定温度未満に温度が下がった時点で第3層が固化して酸
化重合が凍結され色変化が一時停止し、また温度が所定
温度以上に達した時点で再度酸化重合が開始して色変化
が再開する。すなわち所定温度以上での温度−時間積算
値が計測することが可能になった。このことから、幅広
い温度範囲での時間測定に対し、本発明の時間表示材料
が有効であることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の反応初期の質量分析スペクトル
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G01N 31/22 122 G01N 31/22 122 (72)発明者 上村 敏文 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担持体中に担持された下記A剤を含む第
    1層と、A剤と非接触状態とした下記B剤とを含む第2
    層と、上記第1層と上記第2層との間に積層された第3
    層からなり、該第3層が所定温度以上で軟化あるいは液
    状化する樹脂あるいはワックス層である時間または温度
    −時間積算値を色変化によって表示する材料(ただし、
    A剤とB剤とは、酸化重合性色素と酸化剤の組合わせか
    らなる。)。
  2. 【請求項2】 A剤および/又はB剤を含む担持体が透
    明基材に積層された樹脂層である請求項1記載の表示材
    料。
  3. 【請求項3】 A剤および/又はB剤を含む担持体が透
    明基材に積層された印刷層である請求項1記載の表示材
    料。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の材料を、第3層を形成す
    る樹脂またはワックスの軟化あるいは液状化温度より高
    い温度と低い温度の2つの温度域が現れる環境に保持
    し、上記軟化あるいは液状化温度以上で酸化重合性色素
    を重合反応を行い、上記温度未満では酸化重合性色素の
    重合反応を停止せしめる、所定温度以上の時間経過また
    は温度−時間積算値を色変化によって表示する方法。
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