JPH1194959A - 野菜または果実の最適賞味時期を表示する材料 - Google Patents

野菜または果実の最適賞味時期を表示する材料

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JPH1194959A
JPH1194959A JP25032297A JP25032297A JPH1194959A JP H1194959 A JPH1194959 A JP H1194959A JP 25032297 A JP25032297 A JP 25032297A JP 25032297 A JP25032297 A JP 25032297A JP H1194959 A JPH1194959 A JP H1194959A
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temperature
time
agent
polymerization
color
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JP25032297A
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Masato Yanagi
正人 柳
Takahiko Uesugi
隆彦 上杉
Kunio Ishii
邦夫 石井
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】野菜または果実の最適賞味時期を色変化として
表示する材料の提供。 【解決手段】下記A剤と非接触状態にある下記B剤とを
接触させて酸化重合性色素を重合することにより時間ま
たは温度−時間積算値を色変化として野菜または果実の
最適賞味時期を色変化として表示する材料。ただし、A
剤とB剤とは、酸化重合性色素と酸化剤の組合わせから
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化重合性色素を
重合することにより野菜および果実の最適賞味時期を色
変化として表示する材料に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、メロンなどの追熟型農産物の最適
賞味時期の表示は、農産物の収穫時期と気温を勘案し、
経験的に賞味時期をラベル等に表示している。しかしな
がら、収穫後の保管温度は気温変動や保管条件によって
幅広く変動して、必ずしも正確に賞味時期を表示するこ
とはできない。すなわち、その保管する温度および時間
の積算値に連動した表示材料に対する需要は年々高まっ
てきている。しかしながら、安価に温度および時間の積
算値を表示する材料はこれまであまり市場においてみあ
たらない。
【0003】従来、色変化によって温度・時間履歴を表
示する材料としては、100℃前後の温度で数十時間の
範囲をピンクからメタリックグリーンへの変化等で表示
するジアセチレン系化合物を用いたパテルの米国特許第
4,189,399号(1980.2.19 発行)・米国特許第
4,208,186号(1980.6.17 発行)・米国特許第
4,276,190号(1980.6.30 発行)、室温程度で
数十日の範囲で無色から紫に発色する染料と酸あるいは
アルカリの拡散による反応を用いたキドニウス等の米国
特許第4,212,153号(1980.7.15発行)、レドッ
クス染料と酸素拡散性を用いたフー等の米国特許第3,
768,976号、緑が退色することで表示する遊離ラ
ジカル感受性染料と過酸化物の組成物を用いたカータッ
ブ等の米国特許第3,966,414号、還元剤で脱色
したトリアリールメタン染料が酸素の拡散によって着色
することを利用したブハッタチャージー等の特開昭62
−190447、酸を生成する微生物とpH指示薬を用
いた松田等の特開平5−61917がある。その他、融
点、拡散速度、酵素活性などを利用した特許が開示され
ている。
【0004】これまで、色々な表示材料が提案されてい
るものの実際に上市されていない理由としては、温度領
域が適合していなかったり、溶液状態で取り扱いに不便
であったり、時間を測定開始する方法が煩雑かつ不明確
であったり、価格が高い等の要因が考えられる。例え
ば、遊離ラジカル感受性染料と過酸化物の組成物を用い
たカータッブ等(米国特許第3,966,414号)の
発明は、染料と過酸化物をガラス繊維紙上に担持させ表
示材料とするために、染料と過酸化物を溶媒中に溶解し
て、その溶液をガラス繊維紙上に展開している。ここで
時間計測という観点からは、染料と過酸化物を溶解した
時点で反応が始まっており、室温以下の温度下での時間
測定には現実的に適さないという欠点があった。また、
今までの技術に見られる色変化は透明からある色が発色
してその色濃度が増していくものやその反対にある色相
が退色して透明になるものがほとんどで、明確かつ大幅
に色調が変化する材料は見あたらなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、所定温度に
おいて所定時間が経過したことを色相の明確な変化によ
って手軽かつ安価に表示し、メロンなどの追熟型の野菜
または果物の最適な賞味時期を容易に感知できる表示材
料の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化重合
性色素と酸化剤からなり、重合度に応じた色の変化が起
きることを見出し、さらに重合速度が通常の化学反応と
同様にアレニウス則によって温度と時間で規定されるこ
とから、所定温度における時間変化および熱量の総計と
も言うべき温度−時間積算値を色の変化として表示しう
ることを見出した。この表示材料を追熟型の野菜または
果物に直接あるいはそれらの容器に貼付することで、追
熟型の野菜または果物の最適な賞味時期を色変化で表示
することを可能にした。
【0007】本発明は、担持体中に担持された下記A剤
を含む層と、A剤と非接触状態とした下記B剤とを含む
層からなり、それぞれの層を接触させて酸化重合性色素
を重合することにより野菜または果実の最適賞味時期を
色変化として管理する表示材料に関する。(ただし、A
剤とB剤とは、酸化重合性色素と酸化剤の組合わせから
なる。)更に本発明は、A剤を含む層および/またはB
剤を含む層が透明基材に積層された樹脂層で、最適賞味
時期の色相が印刷された台紙上に貼付した上記表示材料
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる酸化重
合性色素は、酸化剤と接触することで反応して色素の重
合反応が開始し重合して所定重合度において所定の色相
を発現させる化合物であり、重合する前は無色あるいは
有色でもかまわない。この重合反応は通常の化学反応と
同様に、温度の違いにより反応速度が規定される。更
に、本発明における酸化重合性色素は重合度によって色
相が変化したり色濃度が変化する色素であり、温度なら
びに時間によって色相が規定される。すなわち、重合速
度はアレニウス則に従うため、絶対温度と時間を関数と
して色素の重合度が規定され、この結果時間または温度
−時間積算値を色変化として表示することが可能にな
る。
【0009】一定温度あるいは変動する温度下において
得られる熱量は、各時点での温度とその時間の積によっ
て求められる積分値として表すことができ、この温度と
時間の積分値を温度−時間積算値と定義する。例えば追
熟型の果実であるメロンは、収穫後10℃では10日
後、20℃では6日後、30℃では4日後といった具合
に保存温度によりその最適賞味時期が変化する。また実
際の農産物の流通を考えた場合、保存温度は程度の差は
あるものの絶えず変動していると考えて良い。ここで問
題になるのが「何度の温度で何時間放置あるいは保存さ
れたか」ということで、この尺度となるのが温度−時間
積算値と言うことになる。但し、温度20℃1日での変
化が温度10℃で何日の変化に相当するという問題は、
アレニウス則における頻度因子および活性化エネルギー
によって規定されるので単純な絶対温度と時間の積によ
って表されるものではない。
【0010】本発明における発色は、酸化重合性色素が
重合して、得られる重合体の重合度によって色相が変化
するもので、フェノチアジンを例に以下のような機構に
よるものと考えられる。酸化剤によって分子中の窒素原
子に結合している水素原子が引き抜かれて重合が開始さ
れ、更にフェノチアジン分子内の1、3、4、5、6、
7、8、9位のいずれかの水素原子が引き抜かれる。こ
の分子と隣接する同様な状態のフェノチアジン分子とが
10位の窒素原子と水素原子を引き抜かれた炭素原子を
結合部位として重合が進むものと類推される。実施例1
のナイパーBMT(ベンゾイルパーオキサイド)を酸化
剤として重合させたフェノチアジンの重合初期のマスス
ペクトルが図1である。反応機構の詳細は明らかではな
いが、この図1から酸化剤とフェノチアジンの反応によ
りフェノチアジンが重合していることは明らかである。
色相については、フェノチアジンの重合が進行するとと
もにその共役系が変化するために変わると考えられる。
すなわち、重合度が上がるにつれて長波長化して緑から
赤色へ変化していることが予想される。
【0011】このフェノチアジンの色相と重合度および
その分布の関係については、目視による色相と質量分析
計からの分子量から、重合度2が緑、重合度3が青、重
合度4から10で赤色となることが明らかとなった。ま
た、重合度の異なる重合物の比率によって紺色や紫色に
発色していることも類推される。その他のフェノチアジ
ン誘導体およびフェノキサジン誘導体については、フェ
ノチアジン骨格に結合している置換基の種類により共役
系の電子状態が大きく異なり、置換基別に異なった色相
変化が観察された。いずれにせよフェノチアジン誘導体
およびフェノキサジン誘導体の重合度とその分布によっ
て、発現する色相は決定され、重合の進行とともに色調
が変化していく。ここで言うフェノチアジン分子の構造
および構成原子の位置は下記式に従う。
【0012】
【化1】
【0013】本発明に用いられる酸化重合性色素は、酸
化重合して所定の重合度において所定の色相を呈するも
のであるならば何ら制限を加えるものではない。具体的
にここで言う酸化重合性色素とは、金属塩等に代表され
る酸化剤によって酸化重合し、所定重合度において所定
の色相を呈する色素のことを指し、重合前に無色であっ
ても酸化重合性色素と定義するものである。酸化重合性
色素とは、より具体的にはアニリン、フェノール、チオ
フェノール及びそれら誘導体等のベンゼン誘導体、ピロ
ール、チオフェン、フラン、セレノフェン、テルロフェ
ン及びそれら誘導体等の5員芳香族複素環式化合物、カ
ルバゾール、ジベンゾチオフェン及びそれら誘導体等の
縮合6,5,6員芳香族複素環式化合物等が挙げられる
他、下記式で示される化合物が挙げられる。
【0014】
【化2】
【0015】式中、R1 〜R7 は水素、ハロゲン、炭素
原子が1個から8個のアルキル、炭素原子が1個から8
個のアルコキシ、アリール、置換アリール、複素環アリ
ール、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルデヒド、カ
ルボキシル、ニトロ、ニトロソから選ばれる原子および
原子団を示し、隣接する置換基が一体となって更に芳香
環を形成してもよく、Xはイオウ、酸素、セレン、テル
ルから選ばれる原子を示す。また、結合部位はR1 〜R
4 については式中の1位、2位、3位及び4位からそれ
ぞれ選ばれるが、一つの位置に二つ以上のR1 〜R4
ら選ばれる置換基が結合することはなく、それぞれの位
置に一つずつ結合する。同様にR5 〜R7 については式
中の6位、7位、8位及び9位から三つの位置がそれぞ
れ選ばれるが、一つの位置に二つ以上のR5 〜R7 から
選ばれる置換基が結合することはなく、それぞれの選ば
れた三つ位置に一つずつ結合する。以上の他にR1 〜R
7 に関しては重合を妨げない置換基であるならば任意の
置換基が可能である。
【0016】より具体的にはフェノチアジン、3,7−
ジブロモフェノチアジン、2−クロロフェノチアジン、
4−メチルフェノチアジン、3,7−ジメチルフェノチ
アジン、4,6−ジメチルフェノチアジン、2−アセチ
ルフェノチアジン、3−ビニルフェノチアジン、3,7
−ジアミノ−フェノチアジン、3,7−ビス−(ジメチ
ルアミノ)−フェノチアジン、3,7−ビス−(ジエチ
ルアミノ)−フェノチアジン、2−ヒドロキシ−フェノ
チアジン、3−ホルミル−フェノチアジン、3−カルボ
キシル−フェノチアジン、3,7−ジメトキシ−フェノ
チアジン、1−ニトロ−フェノチアジン、1,3−ジニ
トロ−フェノチアジン、4−クロロ−1−ニトロ−フェ
ノチアジン等が挙げられる他、特開平3−144650
に開示されている様なR1 〜R4 から選ばれる隣接する
2つが一緒に芳香族を形成するモノベンゾ−フェノチア
ジン、同様にこれに加えR5 〜R7 から選ばれる隣接す
る2つが一緒に芳香族を形成するジベンゾ−フェノチア
ジン等のベンゾフェノチアジン類が挙げられる。
【0017】さらに、フェノチアジン誘導体と同様にフ
ェノキサジン、3,7−ジブロモフェノキサジンをはじ
めとするフェノキサジン誘導体も酸化重合性色素として
挙げられる。これらフェノチアジン類及びフェノキサジ
ンの合成は、朝倉書店発行 小竹無二雄監修「大有機化
学」第17巻 複素環化合物 IV上 33頁および1
7頁に記載されている方法等で行うことができる。
【0018】本発明に用いられる酸化重合性色素は、単
独で使用しても良いが、二つを混合して使用してもよ
い。この場合、混合比によって色相を変化させることが
可能となる。酸化重合性色素は、担持体を形成する媒体
に対して1.0から20重量%、好ましくは2.0から
15.0重量%添加して本発明の時間表示材料を得る。
このとき、酸化重合性色素の配合量が1.0重量%以下
だと発色が薄く視認性が悪くなる。また配合量を20重
量%以上としても発色の度合はそれ程変わらない反面、
表示材料の保管中に空気酸化によって発色してしまい、
使用に適さなくなってしまう場合がある。
【0019】本発明において酸化重合性色素を重合させ
る酸化剤とは、金属塩類、酸素酸塩、ハロゲン、キノン
類、ナフトキノン類、カルボニル化合物、酸化物、有機
過酸化物、有機過酸、ペルオキソ硫酸塩、ニトロ化合物
等が挙げられる。更に具体的に金属塩としては塩化アル
ミニウム、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化銅、塩化
鉄、塩化バナジウム等が挙げられる。酸素酸塩として
は、硝酸、塩素酸塩、次亜塩素酸塩、ヨウ素酸塩、臭素
酸塩、クロム酸塩、過マンガン酸塩、バナジン酸塩、ビ
スマス酸塩等。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等。キノン類としては、ベンゾキノン、テト
ラクロロ−1,4−ベンゾキノン(クロラニル)、テト
ラクロロ−1,2−ベンゾキノン(o−クロラニル)、
2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾ
キノン等。ナフトキノン類としては、1,2−ナフトキ
ノン、1,4−ナフトキノン、2,6−ナフトキノン、
1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸等。カルボニル
化合物としては、アセトン、シクロヘキサノン等が挙げ
られ、アルミニウムブトキシド等のアルミニウムアルコ
キシドと併用して用いられる。酸化物としては、二酸化
マンガン、二酸化鉛、酸化銅、酸化銀等。
【0020】有機過酸化物としては、ジ−tert−ブ
チルパーオキサイド,tert−ブチルクミルパーオキ
サイド,ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパー
オキサイド類,アセチルパーオキサイド,ラウロイルパ
ーオキサイド,ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシ
ルパーオキサイド類,メチルエチルケトンパーオキサイ
ド,シクロヘキサノンパーオキサイド,3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサノンパーオキサイド,メチルシク
ロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイ
ド類,1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサンなどパーオキシケタール類,tert−ブ
チルヒドロパーオキサイド,クメンヒドロパーオキサイ
ド,1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオ
キサイド,p−メンタンヒドロパーオキサイド,ジイソ
プロピルベンゼンヒドロパーオキサイド,2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイドなどの
ヒドロパーオキサイド類,tert−ブチルパーオキシ
アセテート,tert−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート,tert−ブチルパーオキシベンゾエ
ートなどのパーオキシエステル類などがある。
【0021】有機過酸としては、過安息香酸、メタクロ
ロ過安息香酸、モノペルオキシフタル酸、過蟻酸、過酢
酸、トリフルオロ過酢酸等が挙げられる。ペルオキソ硫
酸塩としては、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸カ
リウム等が挙げられる。ニトロ化合物としては、ニトロ
ベンゼン、ニトロセルロース等が挙げられる。そのほ
か、酸素、オゾン、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄、王水、
硝酸、濃硫酸、熱濃過塩素酸、ジメチルスルフォキシ
ド、炭酸銀等が本発明における酸化剤として挙げられ
る。この他、デヒドロゲナーゼ等の脱水素酵素を用いた
生化学的な酸化剤を本発明の酸化剤として使用すること
は何ら制限を加えるものではない。
【0022】本発明における担持体としては、所定の温
度においてA剤とB剤すなわち酸化重合性色素、酸化剤
が拡散できることが可能かつ形態を維持できるもので、
なおかつ色変化を認識しうる程度の透明性を有するもの
ならば、いかなるものを用いても何ら制限するものでは
ない。さらにこれら担持体をPETフィルム等の透明基
材上に積層させて担持体とすることも可能である。具体
的には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹
脂、ビニル樹脂等、通常のインキ、塗料等のバインダー
として使用される樹脂および一般の粘着剤として用いら
れる粘着性ゴム系樹脂等なら何でもよく、前記の樹脂数
種類の混合系でもよいし、ケトン系、エーテル系、アル
コール系、セロソルブ系、石油系、水系溶媒等通常使用
される溶媒で希釈されていてもいなくてもよい。特に粘
着性ゴム系樹脂は、担持体および透明基材とを接触する
際に、接着機能を発現する点で好都合である。
【0023】具体的に粘着性ゴム系樹脂とは、Tgが室
温以下、好ましくは−10℃以下の樹脂であり、使用時
の温度範囲ではゴム状領域であることが望ましい。例と
して、粘着性アクリル樹脂、天然および合成のシス−
1、4−ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化
ブチルゴム、部分加硫ブチルゴム、スチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン
−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SI
S)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロッ
クコポリマー(SEBS)、シリコンゴム、クロロプレ
ンゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴムなどの、粘着剤
用樹脂として用いられているものが挙げられる。
【0024】とりわけ粘着性アクリル樹脂は、組成およ
び分子量を適切に設定して、自在にTgを変化させるこ
とが可能で、A剤あるいはB剤の拡散速度を制御するこ
とができ、本発明のA剤およびB剤の媒体には好適であ
る。粘着性アクリル樹脂とは、水酸基、三級アミノ基、
カルボキシル基、アミド基、ニトリル基などの官能基を
有するものであり、一般に粘着剤用アクリル樹脂として
用いられているものである。これらの官能基を有するア
クリル樹脂は、水酸基、三級アミノ基、カルボキシル
基、アミド基、ニトリル基などを有するモノマーのうち
の一種または数種と、アルキル(メタ)アクリレート、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、ス
チレンなどのモノマーとの共重合体などである。
【0025】反応は通常のラジカル重合であり、反応方
法に何等制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合な
どの公知の重合法で行なうことができるが、反応のコン
トロールが容易であることや直接次の操作に移れること
から溶液重合が好ましい。溶媒としては、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソル
ブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど本発明の樹脂が溶解す
るものであれば何でもよく、単独でも、複数の溶媒を混
合してもよい。また、重合反応の際に使用される重合開
始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものであれば
何でもよく、とくに制限はない。
【0026】粘着性ゴム系樹脂をイソシアネートおよび
エポキシ化合物などの架橋剤を用いて部分的に架橋し
て、担持体の接触時における接着特性を改善し凝集力を
高める目的やA剤あるいはB剤の拡散速度を調節するこ
とができる。また、ポリウレタン樹脂は、グラビア印刷
等の印刷適性が良く、表示材料の生産性の面からは担持
体として好ましい材料の一つである。この様なポリウレ
タン樹脂としては、東洋インキ製造(株)製のグラビア
インキ用ウレタン樹脂の商品名「ラミスターRメジウ
ム」、「ニューLPスーパー」、「LPクィーン」等が
挙げられる。
【0027】本発明における担持体には、必要に応じて
顔料、染料、無機充填剤、銀粉、銅粉、ニッケル粉など
の金属粉、カーボンブラック、グラファイト、キシレン
樹脂やロジン系樹脂などの粘着付与剤、シランカップリ
ング剤、消泡剤、レベリング剤などを加えることができ
る。特にアエロジル、二酸化チタン、硫酸バリウムなど
の無機充填剤を添加すると、担持体の凝集力が向上した
り、担持体表面のタックが減少するほかA剤あるいはB
剤すなわち酸化重合性色素あるいは酸化剤を吸着するな
どして拡散速度を抑制する効果が発現し、温度−時間積
算値測定の範囲を広げる効果を付与することができる。
この他理由は明らかではないが、アエロジルは酸化剤と
の組合わせによっては変色する色相を変化させたり、温
度−時間積算値測定の範囲を広げるばかりではなく、逆
に短縮する効果を期待することができる。
【0028】担持体を作製する方法は、A剤あるいはB
剤を担持する層にできる方法であるならば何ら制限を加
えるものではない。具体的には、粘着剤を製造する場合
に用いられるコンマコーター、リップコーター、キスコ
ーター等の塗工方法によって作製する方法。グラビアイ
ンキ、オフセットインキ、スクリーンインキ、活版イン
キ、フレキソインキ等のソースマーキングインキを担持
体としてそれぞれの印刷方法で印刷する方法。スタンプ
インキ、ノーカーボン紙インキ、インキジェット、ワイ
ヤードットインキ、タイプライターインキ、感熱用イン
キ等のオンディマンドインキを担持体としてそれぞれの
印刷方法で印刷する方法等が挙げられる。これらの方法
を単一で使用してもあるいは複数の方法を組み合わせて
使用しても何ら制限されるものではない。
【0029】本発明において、A剤とB剤を非接触状態
とする方法は、A剤を含む層とB剤を含む層を使用する
まで別々に分離し、使用時に貼り合わせるタイプ、A剤
を含む層とB剤を含む層の間に1層を設けて、使用時に
何らかのトリガーによってA剤とB剤を拡散させて反応
させる多積層タイプ、A剤あるいはB剤をマイクロカプ
セル化して分離し、使用時に加圧によりカプセルを破壊
するタイプ等が挙げられる。
【0030】本発明の表示材料の使用方法は、追熟型の
野菜または果物に直接あるいは包装容器に貼付して使用
する。貼付の方法は、粘着剤での接着、ひも付きタグ、
栞としての添付などいかなる方法を用いても何ら制限す
るものではない。また、最適賞味時期に相当する色相を
台紙に印刷し、表示材料本体の色相と台紙上の印刷され
た色相を比較することで、賞味時期をより簡便に表示す
ることが可能である。台紙上の印刷は表示材料本体上の
透明基材上に施しても良いし、専用台紙上に印刷して表
示材料を貼付してもどちらでもよく、表示材料本体の色
相と印刷された色相が容易に比較できれば、どの様な方
法を用いてもかまわない。本発明において追熟型の野菜
または果物とは具体的に、マスクメロンに代表されるメ
ロン類、キウイ、バナナ、トマト等が挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。例
中、部とは重量部を、%とは重量%を、それぞれ表す。 (樹脂1の溶液の調製) ブチルアクリレート 94.1部 アクリル酸 5.9部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 フラスコを反応容器として窒素雰囲気中80℃に加熱し
た上記のそれぞれの組成の混合物125部に、上記の同
組成の混合物125部を滴下し、滴下終了後、12時間
加熱還流させ、冷却し、樹脂1の溶液(固形分40%)
を得た。
【0032】[実施例1]樹脂1の溶液を100部、フ
ェノチアジンの10%酢酸エチル溶液を12部とを撹拌
混合し、離型表面処理されたPETフィルム上にドクタ
ーブレードにより塗布し、90℃で2分間加熱乾燥させ
膜厚を25ミクロンとしてA剤を含む層を得た。次に樹
脂1の溶液を100部、ナイパーBMT−K40(日本
油脂社製)を6部とを撹拌分散混合し、離型表面処理さ
れたPETフィルム上にドクターブレードにより塗布
し、90℃で2分間加熱乾燥させ膜厚を20ミクロンと
してB剤を含む層を得た。マスクメロンの収穫と同時に
このA剤を含む層とB剤を含む層を接触させた後、塗布
する際に使用したPETフィルムを剥離し、グラビア印
刷にて表1にある色相見本を施した50μ厚のPETフ
ィルム上に貼付し、さらにそれをひもでマスクメロンに
ぶら下げた。なお、色の経時変化とメロンの賞味官能試
験を以下の条件で行った。結果は表1に示した。
【0033】(1)表示材料の色変化とメロンの賞味官
能試験 10℃、20℃および30℃の恒温層に表示材料を貼付
したメロンを保管して、所定日数が経過した時点でサン
プリングし表示材料の色変化(色相の目視と印刷色相と
の比較)を観察し、同時に10名でメロンを試食して賞
味官能試験を行い「未熟」、「熟れている」、「熟れす
ぎ」の三段階に評価した。
【0034】[実施例2〜3]実施例1と同様に、酸化
重合性色素、樹脂1の溶液を表1に示す配合比で混合撹
拌し、PETフィルム上にドクターブレードにより塗布
し、90℃で2分間加熱乾燥させ膜厚を20ミクロンと
してA剤を含む層をPET上に得た。同様にして、酸化
剤、樹脂1の溶液、添加剤を表1に示す配合比で混合撹
拌し、PETフィルム上にドクターブレードにより塗布
し、90℃で2分間加熱乾燥させ膜厚を20ミクロンと
してB剤を含む層をPET上に得た。マスクメロンの収
穫と同時にこのA剤を含む層とB剤を含む層を接触させ
た後、グラビア印刷にて表1にある色相見本を施した5
0μ厚のPETフィルム上に貼付し、さらにそれをひも
でマスクメロンにぶら下げた。なお、表示材料の色変化
とメロンの賞味官能試験は実施例1と同様な方法で行っ
た。結果は表2に示した。ただし、表1での配合比は固
形分換算で表示してある。ここで言う固形分換算とは、
不揮発分を単純に指すのではなく塗工時の加熱乾燥後の
成分比を表しており、酸化剤等に液体の成分があったと
しても加熱乾燥後に残存している量を固形分として表示
している。
【0035】
【表1】 *日本油脂社製有機過酸化物 ナイパーBMT:ジベンゾイルパーオキサイド パーヘキサ25MT:2,5-ジメチル-2,5- ジ(m-トルイ
ルパーオキシ)ヘキサン パーブチルZ:t−ブチルパーオキシベンゾエート **日本アエロジル社製二酸化珪素
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の表示材料により、追熟型の野菜
および果物の最適賞味時期を色相の明確な変化によって
手軽かつ安価に表示することが可能となった。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の表示材料の反応初期の質量分析スペ
クトル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】担持体中に担持された下記A剤を含む層
    と、A剤と非接触状態とした下記B剤とを含む層からな
    り、それぞれの層を接触させて酸化重合性色素を重合す
    ることにより野菜または果実の最適賞味時期を色変化と
    して管理する表示材料。ただし、A剤とB剤とは、酸化
    重合性色素と酸化剤の組合わせからなる。
  2. 【請求項2】A剤を含む層および/またはB剤を含む層
    が透明基材に積層された樹脂層で、最適賞味時期の色相
    が印刷された台紙上に貼付した請求項1記載の表示材
    料。
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