JPH09113381A - 時間および温度の表示材料 - Google Patents

時間および温度の表示材料

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JPH09113381A
JPH09113381A JP7273808A JP27380895A JPH09113381A JP H09113381 A JPH09113381 A JP H09113381A JP 7273808 A JP7273808 A JP 7273808A JP 27380895 A JP27380895 A JP 27380895A JP H09113381 A JPH09113381 A JP H09113381A
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JP
Japan
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temperature
agent
time
color
radical
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JP7273808A
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English (en)
Inventor
Masato Yanagi
正人 柳
Hideyuki Ishiguro
秀之 石黒
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所定温度における時間変化または温度−時間積
算値、所定温度への到達をそれぞれ色変化として表示す
る表示材料および表示装置を提供する。 【解決手段】担持体中に担持されたA剤と非接触状態と
したB剤からなり、それぞれのA剤とB剤を接触させ反
応させることにより時間または温度−時間積算値を色変
化として表示する表示部(1)と、所定温度まで到達し
たことを色変化として表示する表示部(2)とを一体に
してなる表示材料。ただし、A剤とB剤とは、ラジカル
発生剤とラジカルと反応することによって色変化する色
素および/又は色素前駆体の組合わせからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジカル発生剤と
ラジカルと反応することによって色変化する色素および
/又は色素前駆体を接触させることにより時間または温
度−時間積算値を色変化として表示すると同時に、所定
温度に達したことを色変化として表示する表示材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、一定温度下で物品を一定期間保管
する場合に、その温度および時間を監視するための表示
材料に対する需要は年々高まってきている。すなわち、
冷凍食品・冷蔵食品・生鮮食品ならびに塗料・接着剤な
どの化学品に至るまで、保存温度が明示されるととも
に、その有効期間をも限定されているのが通常である。
しかしながら、安価に温度ならびに時間を同時に測定す
る表示材料さらに所定温度に達したことを同時に表示す
る材料はこれまであまり市場においてみあたらない。ま
た、保管温度が非常に短時間でも所定温度以上達する
と、有効期間が著しく短縮する物品もあり、先に述べた
温度−時間積算値の他に所定温度以上に温度が達したか
否かを確認する必要が求められる場合がある。例えばア
イスクリームのような物は、一度融けてしまうと再度凍
結しても風味や食感が失われてしまい商品としての価値
を失ってしまう。この他、レトルト食品の製造上の殺菌
工程では最低120℃以上で、なおかつ30分間加熱し
なければならない等の条件があり、所定温度以上に達し
たか否かという問題が、温度−時間積算値とともに重要
となっている。
【0003】従来、色変化によって温度・時間履歴を表
示する材料としては、100℃前後の温度で数十時間の
範囲をピンクからメタリックグリーンへの変化等で表示
する共晶アセチレン系混合物を用いたパテルの米国特許
第4,189,399号(1980.2.19 発行)・米国特許
第4,208,186号(1980.6.17 発行)・米国特許
第4,276,190号(1980.6.30 発行)、室温程度
で数十日の範囲で無色から紫に発色する染料と酸あるい
はアルカリの拡散による反応を用いたキドニウス等の米
国特許第4,212,153号(1980.7.15発行)、レド
ックス染料と酸素拡散性を用いたフー等の米国特許第
3,768,976号、緑が退色することで表示する遊
離ラジカル感受性染料と過酸化物の組成物を用いたカー
タッブ等の米国特許第3,966,414号、還元剤で
脱色したトリアリールメタン染料が酸素の拡散によって
着色することを利用したブハッタチャージー等の特開昭
62−190447、酸を生成する微生物とpH指示薬
を用いた松田等の特開平5−61917がある。その
他、融点、拡散速度、酵素活性などを利用した特許が開
示されている。
【0004】これまで、色々な表示材料が提案されてい
るものの実際に上市されていない理由としては、溶液状
態で取り扱いに不便であったり、時間を測定開始する方
法が煩雑であったり不明確であったり、価格が高い等の
要因が考えられる。例えば、遊離ラジカル感受性染料と
過酸化物の組成物を用いたカータッブ等(米国特許第
3,966,414号)の発明は、本発明の組成物と似
ている。彼らは染料と過酸化物をガラス繊維紙上に担持
させ表示材料とするために、染料と過酸化物を溶媒中に
溶解して、その溶液をガラス繊維紙上に展開している。
ここで時間計測という観点からは、染料と過酸化物を溶
解した時点で反応が始まっており、室温以下の温度下で
の時間測定には現実的に適さないという欠点があった。
【0005】また、所定温度に達したことを表示する材
料としては、特公平3−71057等の他、市場におい
ても日油技研工業(株)のサーモラベル、サーモペイン
ト、サーモクレヨン等の商品が市場においてみられる。
しかしながら、これらは所定温度に達したことは表示で
きるものの、どの程度の時間その温度に曝されたかは表
示することはできない。
【0006】このように、温度−時間積算値と所定温度
に達したか否かを同時に表示する安価な材料は、今まで
に見あたらない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は所定温度にお
いて所定時間が経過したことをまたは温度−時間積算値
を色相の明確な変化によって表示するとともに、所定温
度に達したことを手軽かつ安価に表示することを可能に
する時間および温度の表示材料を提供するものである。
すなわち、本発明はラジカル発生剤とラジカルと反応す
ることによって色変化する色素および/又は色素前駆体
からなる表示部(1)により温度−時間積算値を色相の
変化で表示し、同時に表示部(2)により所定温度に達
したことを色変化によって表示することができる。
【0008】一般に、冷凍食品・冷蔵食品・生鮮食品な
らびに塗料・接着剤などの化学品に至るまでの使用有効
期限を有する物品は、保存温度とともにその有効期間を
限定されているのが通常でり、温度が低い場合は有効保
存期間は長く温度が高い場合は保存期間は極端に短くな
る場合が多い。しかしながら、一般的には保管場所に温
度計を設置して製造年月日と保証期限の表示によって管
理しているのが現状であり、管理するべき物品が実際に
何度で何時間経過したかあるいは所定温度以上に達した
か否かは不明である。このように一つ一つの物品が所定
の温度下でどの程度時間が経過したかあるいはどの程度
の温度でどの程度時間が経過したかという熱量の総計で
ある温度−時間積算値、ならびに所定温度に達したこと
を明確にしかも安価に表示しうる材料を提供できる方法
が求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ラジカル
発生剤とラジカルと反応することによって色変化する色
素および/又は色素前駆体からなり、ラジカル濃度に応
じた色の変化が起きることを見出し、さらにラジカル濃
度がアレニウス則によって温度と時間で規定されること
から、所定温度における時間変化または熱量の総計とも
言うべき温度−時間積算値を色の変化として表示しうる
ことを見出した。さらにこの材料と温度管理用示温材を
組み合わせることで、温度−時間積算値と同時に所定温
度に達したことを確認できる表示材料を見いだした。
【0010】本発明は、担持体中に担持されたA剤と非
接触状態としたB剤からなり、それぞれのA剤とB剤を
接触させ反応させることにより時間または温度−時間積
算値を色変化として表示する表示部(1)と、所定温度
まで到達したことを色変化として表示する表示部(2)
とを一体にしてなる表示材料(ただし、A剤とB剤と
は、ラジカル発生剤とラジカルと反応することによって
色変化する色素および/又は色素前駆体の組合わせから
なる。)である。
【発明の実施の形態】
【0011】本発明において用いられるラジカル発生剤
は、その分解温度の違いにより所定温度でのラジカル発
生量が規定され、希望する温度ならびに時間によって最
適なラジカル発生剤を設定することで、ラジカルに接触
することによって発色する色素および/又は色素前駆体
の色相を変化させる時間を決定できる。すなわち、ラジ
カル発生剤の分解速度はアレニウス則に従うため、温度
と時間を関数としてラジカル発生量が規定され、この結
果時間または温度−時間積算値を表示することが可能に
なる。
【0012】一定温度あるいは変動する温度下において
得られる熱量は、各時点での温度とその時間の積によっ
て求められる積分値として表すことができ、この温度と
時間の積分値を温度−時間積算値と定義する。例えば冷
蔵食品である肉・魚等は30゜C では12時間、20゜
C では24時間、10゜C では72時間といった具合に
保存温度によりその賞味期限あるいは有効期限は変化す
る。また実際の製品の流通を考えた場合、保存温度は程
度の差はあるものの絶えず変動していると考えて良い。
ここで問題になるのが「何度の温度で何時間放置あるい
は保存されたか」ということで、この尺度となるのが温
度−時間積算値と言うことになる。但し、温度20゜C
1時間での劣化あるいは変化が温度10゜C で何時間の
変化に相当するという問題は、アレニウス則における頻
度因子および活性化エネルギーによって規定されるので
単純な絶対温度と時間の積によって表されるものではな
い。
【0013】ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、
アゾ化合物、ハロゲン化炭素化合物などが挙げられる。
具体的に有機過酸化物としては,ジ−tert−ブチル
パーオキサイド,tert−ブチルクミルパーオキサイ
ド,ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキ
サイド類,アセチルパーオキサイド,ラウロイルパーオ
キサイド,ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパ
ーオキサイド類,メチルエチルケトンパーオキサイド,
シクロヘキサノンパーオキサイド,3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサノンパーオキサイド,メチルシクロヘ
キサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド
類,1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シク
ロヘキサンなどパーオキシケタール類,tert−ブチ
ルヒドロパーオキサイド,クメンヒドロパーオキサイ
ド,1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオ
キサイド,p−メンタンヒドロパーオキサイド,ジイソ
プロピルベンゼンヒドロパーオキサイド,2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイドなどの
ヒドロパーオキサイド類,tert−ブチルパーオキシ
アセテート,tert−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート,tert−ブチルパーオキシベンゾエ
ートなどのパーオキシエステル類などがあるが,これら
の中でもベンゾイルパーオキサイドはラジカル発生能力
と保存安定性のバランスに優れ,ラジカル発生剤には好
適である。アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブ
チロニトリル)などのアゾニトリル類、2,2’−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライドなど
のアゾアミジン類、2,2’−アゾビス(2−メチルプ
ロピオンアミド)ジヒドレートなどのアゾアミド類、
2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)などのアゾ
アリル類が挙げられる。ハロゲン化炭素化合物として
は、四臭化炭素などのポリハロゲン化合物が挙げられ
る。ラジカル発生剤は、担持体を形成する媒体に対して
1.0から20重量%、好ましくは2.0から15.0
重量%添加して本発明の時間および温度の表示材料を得
る。
【0014】本発明において、ラジカルと反応すること
によって色変化する色素および/又は色素前駆体は、ラ
ジカルによって分子中の水素原子が引き抜かれやすい性
質を持っており、その際に色の変化が認められることを
利用し、本発明の時間表示材料を得た。この発色の機構
としては、フェノチアジンを例にして化1のような機構
が類推される。
【0015】
【化1】
【0016】まず、フェノチアジン分子中の水素原子が
引き抜かれ窒素原子がラジカルとなる。次にラジカルが
硫黄原子に移動し、硫黄原子の原子価が2価から4価に
変わる。そして共役が両側のベンゼン環に伸び、可視光
部の光吸収率が変化し色相が変わる。この他、「カラー
ケミカル事典」(CMC出版)に記載されている様にフ
リーラジカル写真などで用いられる反応が本発明におい
て用いられる。すなわち、ラジカルによって水素原子を
引き抜かれて起こる連鎖反応によって青色を呈するラジ
カル−ジフェニルアミン系化合物、ラジカル−トリフェ
ニルメタン系化合物の反応等によって色が変わる。さら
に、同じく「カラーケミカル事典」にあるBell&H
owell法によるラジカル−色素前駆体−増感剤系の
反応によっても色が変わる。
【0017】本発明に用いられるラジカルに接触するこ
とによって発色する色素および/又は色素前駆体として
は、フェノチアジンを始めとするフェノチアジン系発色
色素、フェノキサジンを始めとするフェノキサジン系色
素、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイト
グリーン、クリスタルバイオレット、ロイコクリスタル
バイオレットラクトン等のトリフェニルメタン系化合
物、4−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン等の
キノリン系染料が挙げられる。好ましくは、フェノチア
ジンはラジカルと接触した直後は緑色で、ラジカルとの
反応が進行するにつれ赤色に変化する特徴を有し、物品
の有効期限を表示する材料としては感覚的に認知しやす
く最も好都合な物質の一つである。また、フェノキサジ
ンは無色から黄土色に変化する点でフェノチアジンと同
様に、物品の有効期限を表示する材料としては感覚的に
認知しやすく最も好都合な物質の一つである。また、あ
る期間以降に有効性を指し示す用途には、無色から青色
に変化するロイコマラカイトグリーンが、物品の有効期
限を表示する材料としては感覚的に認知しやすく最も好
都合な物質の一つである。ラジカルと反応することによ
って色変化する色素および/又は色素前駆体は、担持体
を形成する媒体に対して1.0から20重量%、好まし
くは2.0から15.0重量%添加して本発明の時間表
示材料を得る。このとき、色素および/又は色素前駆体
の配合量が1.0重量%以下だと被試験物中にラジカル
が十分にあったとしても発色が薄く視認性が悪くなる。
色素および/又は色素前駆体を添加する量によって検出
できるラジカル濃度に限界があり、添加量が少ない場合
ある一定値以上のラジカル濃度での、発色後の色調の変
化がなくなってしまい、正確な時間表示ができない。よ
って、期待する表示時間に合わせた量の色素および/又
は色素前駆体の添加が必要となる。経験則としてラジカ
ル発生剤にベンゾイルパーオキサイド、色素および/又
は色素前駆体にフェノチアジンを用いた場合、ベンゾイ
ルパーオキサイド1重量%に対してフェノチアジン0.
3から1.5重量%の添加が望ましい。また、フェノチ
アジンの配合量を20重量%以上としても発色の度合は
それ程変わらない反面、インジケーター保管中に空気酸
化によって発色してしまい、使用に適さなくなってしま
う場合がある。
【0018】本発明において、ラジカル発生剤の分解速
度を速める目的でラジカル発生剤の分解触媒を添加する
ことができ、同一のラジカル発生剤を用いた場合でもこ
の分解触媒の添加量によってその分解速度を制御するこ
とが可能となる。すなわち、所定温度における色相の変
化する時間を任意に設定することが可能となる。具体的
には、アミン類および金属化合物が分解触媒として挙げ
られる。すなわち、アミン類としては、N,N−ジメチ
ルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルアニ
リン、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェニル
ジイソプロパノールアミン、ジメチル−p−トルイジ
ン、ジエチル−m−トルイジン、トリエタノールアミ
ン、4−フェニルモルホリン、4,4’−ビス(ジエチ
ルアミノ)ベンゾフェノン、N−フェニル−2−ナフチ
ルアミン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジベ
ンジル−2−アミノエタノール等、金属化合物としては
リチウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、セ
リウム、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、マン
ガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、スズ、鉛等
の金属のラウリル塩、ナフテン酸塩、オクチル酸塩、オ
レイン酸塩、オクテン酸塩等の脂肪酸塩、ロジン塩等の
樹脂酸塩、アセチルアセトネート錯塩等のキレート化合
物等から1種または2種以上を用いることができる。特
にアミン類又は金属化合物のうちどちらか、あるいはそ
の両方を併用するのが望ましい。アミン類および/又は
金属化合物は、ラジカル発生剤100重量部に対して
0.1〜200重量部、好ましくは1〜100重量部添
加する。これにより本発明の時間および温度の表示材料
の表示する温度ならびに時間の範囲が大幅に広がる。
【0019】本発明において、ラジカル発生剤およびラ
ジカルと反応することによって色変化する色素および/
又は色素前駆体を含む担持体を構成する媒体としては、
所定の温度においてラジカル発生剤および色素および/
又は色素前駆体が拡散できることが可能かつ形態を維持
できるもので、なおかつ色変化を認識しうる程度の透明
性を有するものならば、いかなるものを用いても何ら制
限するものではない。具体的には、アクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、
シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂等、通常のイ
ンキ、塗料等のバインダーとして使用される樹脂および
一般の粘着剤として用いられる粘着性ゴム系樹脂等なら
何でもよく、前記の樹脂数種類の混合系でもよいし、ケ
トン系、エーテル系、アルコール系、セロソルブ系、石
油系、水系溶媒等通常使用される溶媒で希釈されていて
もいなくてもよい。特に粘着性ゴム系樹脂は、担持体お
よび透明基材とを接触する際に、接着機能を発現する点
で好都合である。具体的に粘着性ゴム系樹脂とは、Tg
が室温以下、好ましくは−10℃以下の樹脂であり、使
用時の温度範囲ではゴム状領域であることが望ましい。
例として、粘着性アクリル樹脂、天然および合成のシス
−1、4−ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン
化ブチルゴム、部分加硫ブチルゴム、スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SI
S)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロッ
クコポリマー(SEBS)、シリコンゴム、クロロプレ
ンゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴムなどの、粘着剤
用樹脂として用いられているものが挙げられるである。
とりわけ、粘着性アクリル樹脂は、構造、分子量とも自
在に設定して自在にTgを変化させることが可能でラジ
カル発生剤および色素および/又は色素前駆体の拡散速
度を制御することができ、本発明のラジカル発生剤およ
び色素および/又は色素前駆体の媒体には好適である。
粘着性アクリル樹脂とは、水酸基、三級アミノ基、カル
ボキシル基、アミド基、ニトリル基などの官能基を有す
るものであり、一般に粘着剤用アクリル樹脂として用い
られているものである。これらの官能基を有するアクリ
ル樹脂は、水酸基、三級アミノ基、カルボキシル基、ア
ミド基、ニトリル基などを有するモノマーのうちの一種
または数種と、アルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、スチレン
などのモノマーとの共重合体などである。反応は通常の
ラジカル重合であり、反応方法に何等制限はなく、溶液
重合、塊状重合、乳化重合などの公知の重合法で行なう
ことができるが、反応のコントロールが容易であること
や直接次の操作に移れることから溶液重合が好ましい。
溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、トルエン、セロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなど本発明の樹脂が溶解するものであれば何でもよ
く、単独でも、複数の溶媒を混合してもよい。また、重
合反応の際に使用される重合開始剤もベンゾイルパーオ
キサイド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケト
ンパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有
機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系
開始剤など公知のものであれば何でもよく、とくに制限
はない。粘着性ゴム系樹脂をイソシアネートおよびエポ
キシ化合物などの架橋剤を用いて部分的に架橋して、担
持体の接触時における接着特性を改善し凝集力を高める
目的やラジカル発生剤と色素および/又は色素前駆体の
拡散速度を調節することができる。また、ポリウレタン
樹脂は、グラビア印刷等の印刷適性が良く、表示材料の
生産性の面からは担持体を構成する媒体として好ましい
材料の一つである。この様なポリウレタン樹脂として
は、東洋インキ製造(株)製のグラビアインキ用ウレタ
ン樹脂の商品名「ラミスターRメジウム」、「ニューL
Pスーパー」、「LPクィーン」等が挙げられる。
【0020】本発明において、担持体を塗工する際に透
明基材上に行う場合がある。この場合に用いられる透明
基材としてはポリエチレンやポリプロピレン等のオレフ
ィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート等に代表
されるポリエステルフィルム、セロファン、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリフッ化ビ
リニデン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、等のプラスチックフィルム等が
挙げられる。その他、色相変化を確認できる程度の透明
性を有する素材であれば、いかなるものを用いても何ら
制限するものではない。
【0021】本発明において、担持体を印刷層としても
良いが、その際の印刷層とはシルクスクリーン印刷、グ
ラビア印刷、オフセット印刷等によって印刷された樹脂
を媒体とした層で、印刷様式および用いるバインダー樹
脂に関しては、印刷によって形成することのできる樹脂
層であるならば、いかなるものを用いても何ら制限する
ものではない。
【0022】本発明の表示部(1)において担持体中に
担持されたA剤とB剤を非接触状態とする方法として
は、以下の様なものが挙げられる。A剤とB剤をそれぞ
れ別々の担持体中に担持させておき、測定を開始する際
にそれぞれの担持体を積層させるタイプ。A剤とB剤を
それぞれ別々の担持体中に担持させた後に積層し、少な
くとも一方の担持体が保存温度中ではA剤もしくはB剤
の物質移動を押さえることが可能で、測定温度以上で測
定を開始させるタイプ。A剤とB剤をそれぞれ別々の担
持体中に担持させておき、所定温度以上でA剤あるいは
B剤を拡散させることが可能となる隔膜層を介在させ、
A剤を含む担持体層/隔膜層/B剤を含む担持体層の順
で積層させるタイプ。A剤もしくはB剤のどちらかをマ
イクロカプセル化させてそれぞれを非接触状態として担
持体中に担持させておき、測定を開始する際に圧力など
を加えマイクロカプセルを破壊して、測定を開始するタ
イプ。以上種々の方法が挙げられるが、担持体中に担持
されたA剤と非接触状態としたB剤が、何らかの操作に
よってA剤とB剤を接触させ反応させることが可能とな
る方法であるならば、本発明の表示部(1)において使
用することができ何ら制限を加えるものではない。
【0023】本発明において表示部(2)に用いる表示
材料としては、所定温度のワックスならびに顔料あるい
は染料等の着色剤を溶解あるいは分散させ、その上に濾
紙を積層させた材料等が使用できる。すなわち、所定温
度に達するとワックスが融解し、その中に溶解あるいは
分散してあった着色剤が濾紙を着色して所定温度に達し
たことを確認することができる。この他、温度管理用示
温材として市販されている日油技研工業(株)製のサー
モラベル、サーモペイント、サーモクレヨン等の商品を
本発明の表示部(2)として使用することができる。ま
た、この表示部(2)は温度−時間積算値を表示する表
示部(1)の表面に接着するかもしくは同一基材上の隣
に並べて、本発明の時間および温度の表示材料とする。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。例
中、部とは重量部を、%とは重量%を、それぞれ表す。
【0025】樹脂1 ブチルアクリレート 94.1部 アクリル酸 5.9部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成の
混合物125部に、上記の同組成の混合物125部を滴
下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却し、樹
脂1の溶液(固形分40%)を得た。
【0026】樹脂2 エチルメタクリレート 100.0部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成の
混合物125部に、上記の同組成の混合物125部を滴
下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却し、樹
脂2の溶液(固形分40%)を得た。
【0027】実施例1 樹脂1の溶液を100部、フェノチアジンの10%酢酸
エチル溶液を12部とを撹拌混合し、離型表面処理され
たPETフィルム上に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥
させ膜厚を25ミクロンとしてA剤を含む層を得た。次
に樹脂1の溶液を100部、ベンゾイルパーオキサイド
の40%酢酸エチル溶液を5部とを撹拌混合し、離型表
面処理されたPETフィルム上に塗布し、90℃で2分
間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとしてB剤を含む層
を得た。このA剤を含む層とB剤を含む層を接触させた
後、塗布する際に使用したPETフィルムを剥離して表
示部(1)とし、表示部(2)として日油技研工業
(株)製のサーモラベル スーパーミニ3K−40を用
い表示部(1)の表面に接着して、時間および温度の表
示材料時間1とした。また、接触させた瞬間を時間測定
の開始点とし、40℃の恒温漕中での色変化を観察し
た。その結果、72時間後にA剤を含む層とB剤を含む
層を積層した表示材料が赤色に変色し、サーモラベルは
40℃、45℃、50℃の表示部分のうち40℃の部分
が白色から黒色に変化しており最高温度が約40℃に達
していたことがわかった。
【0028】実施例2 樹脂1の溶液を100部、フェノチアジンの10%酢酸
エチル溶液を12部とを撹拌混合してPETフィルム上
に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥させ膜厚が25ミク
ロンの第1層とした。さらに樹脂2の溶液を100部、
t−ブチルベンゾエートの40%酢酸エチル溶液を5部
とを撹拌混合してPETフィルム上に塗布し、90℃で
2分間加熱乾燥させ膜厚が25ミクロンの第2層とし、
先に塗工したPET上の第1層と貼り合わせ、更に片方
のPET面上に粘着剤層を塗工して表示部(1)とし
た。表示部(2)として日油技研工業(株)製のサーモ
ラベル−H 5H−75を用い、表示部(1)のPET
フィルム表面の一部分に接着した。この結果、サーモラ
ベル−Hを一部分に接着したPETフィルム/第1層/
第2層/PETフィルム/粘着剤層の5層からなる時間
および温度の表示材料2が得られた。この表示材料をイ
ンスタントカップ麺の蓋に貼り付けた。カップの蓋を剥
離してカップ麺に沸騰したお湯を注いだ後、再度蓋をし
て表示材料の色変化を観察した。その結果、お湯を注い
だ後1分後から徐々に赤色に着色し、3分後に濃い赤色
となりその後は色変化しなかった。また、サーモラベル
は75、80、85、90、95℃の表示部分の中で7
5、80、85℃の部分が白色から黒色に変化しており
最高温度が85℃に達していたことがわかった。
【0029】実施例3 樹脂1の溶液を100部、フェノチアジンの10%酢酸
エチル溶液を12部とを撹拌混合してPETフィルム上
に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥させ膜厚が25ミク
ロンの第1層とした。さらに樹脂1の溶液を100部、
t−ブチルベンゾエートの40%酢酸エチル溶液を10
部とを撹拌混合してPETフィルム上に塗布し、90℃
で2分間加熱乾燥させ膜厚が25ミクロンの第2層とし
た。さらに離型処理されたPETフィルム上に、樹脂2
の溶液を塗布して90℃で2分間加熱乾燥させ膜厚が3
0μの隔離層とした。先に塗工したPET上の第1層と
この隔離層を貼り合わせた後塗工時に用いた隔離層を支
持していたPETを剥離してその面に第2層を貼り合わ
せ、更に片方のPET面上に粘着剤層を塗工して表示部
(1)とした。表示部(2)として日油技研工業(株)
製のサーモラベル−H 5H−100そのPETフィル
ム表面の一部分に接着した。この結果、サーモラベル−
Hを一部分に接着したPETフィルム/第1層/隔離層
/第2層/PETフィルム/粘着剤層の6層からなる時
間および温度の表示材料3が得られた。この表示材料を
120℃に設定した加熱殺菌釜中に入れて、表示材料の
色変化を観察した。その結果、釜中に入れた後25分後
から徐々に赤色に着色し、30分後に濃い赤色となりそ
の後は色変化しなかった。また、サーモラベルは10
0、105、115、125、135℃の表示部分の中
で100、105、115、125℃の部分が白色から
黒色に変化しており最高温度が125℃に達していたこ
とがわかった。
【0030】
【発明の効果】所定温度における時間変化または温度−
時間積算値を色の変化として表示すると同時に所定温度
の到達を色変化として手軽かつ安価に表示することが可
能となった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担持体中に担持されたA剤と非接触状態
    としたB剤からなり、それぞれのA剤とB剤を接触させ
    反応させることにより時間または温度−時間積算値を色
    変化として表示する表示部(1)と、所定温度まで到達
    したことを色変化として表示する表示部(2)とを一体
    にしてなる表示材料(ただし、A剤とB剤とは、ラジカ
    ル発生剤とラジカルと反応することによって色変化する
    色素および/又は色素前駆体の組合わせからなる。)。
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