JPH08327467A - 時間表示材料 - Google Patents

時間表示材料

Info

Publication number
JPH08327467A
JPH08327467A JP7185122A JP18512295A JPH08327467A JP H08327467 A JPH08327467 A JP H08327467A JP 7185122 A JP7185122 A JP 7185122A JP 18512295 A JP18512295 A JP 18512295A JP H08327467 A JPH08327467 A JP H08327467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
time
radical
pigment
dye
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7185122A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Yanagi
正人 柳
Makoto Doi
誠 土肥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP7185122A priority Critical patent/JPH08327467A/ja
Publication of JPH08327467A publication Critical patent/JPH08327467A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Color Printing (AREA)
  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】所定温度において所定時間が経過したことを明
示する時間または温度−時間積算値表示材料を提供す
る。 【解決手段】担持体中に担持されたラジカル発生剤とラ
ジカルと反応することによって色変化する色素および/
又は色素前駆体、例えばフェノチアジン系発色色素の組
合わせからなり、時間または温度−時間積算値を色変化
として表示する時間表示材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジカル発生剤と
ラジカルと反応することによって色変化する色素および
/又は色素前駆体を接触させることにより時間または温
度−時間積算値を色変化として表示する表示材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、一定温度下で物品を一定期間保管
および加熱する場合に、その温度および時間を監視する
ための表示材料に対する需要は年々高まってきている。
すなわち、生鮮食品類、菓子等の常温保管食品類ならび
に塗料・接着剤などの化学品に至るまで、保存温度が明
示されるとともに、その有効期間をも限定されているの
が通常である。また、レトルト食品に代表される調理済
み食品等を加熱する場合等、一定温度以上で一定時間の
加熱が必要とされている。しかしながら、安価に温度な
らびに時間を同時に測定する表示材料はこれまであまり
市場において見当たらない。
【0003】従来、色変化によって温度・時間履歴を表
示する材料としては、100℃前後の温度で数十時間の
範囲をピンクからメタリックグリーンへの変化等で表示
する共晶アセチレン系混合物を用いたパテルの米国特許
第4,189,399号(1980.2.19発行)・米国特許
第4,208,186号(1980.6.17発行)・米国特許
第4,276,190号(1980.6.30発行)、室温程度
で数十日の範囲で無色から紫に発色する染料と酸あるい
はアルカリの拡散による反応を用いたキドニウス等の米
国特許第4,212,153号(1980.7.15発行)、レド
ックス染料と酸素拡散性を用いたフー等の米国特許第
3,768,976号、緑が退色することで表示する遊
離ラジカル感受性染料と過酸化物の組成物を用いたカー
タッブ等の米国特許第3,966,414号、還元剤で
脱色したトリアリールメタン染料が酸素の拡散によって
着色することを利用したブハッタチャージー等の特開昭
62−190447、酸を生成する微生物とpH指示薬
を用いた松田等の特開平5−61917がある。その
他、融点、拡散速度、酵素活性などを利用した特許が開
示されている。
【0004】これまで、色々な表示材料が提案されてい
るものの実際に上市されていない理由としては、溶液状
態で取り扱いに不便であったり、時間を測定開始する方
法が煩雑であったり不明確であったり、価格が高い等の
要因が考えられる。例えば、米国特許第3,966,4
14号に開示されているカータッブ等の発明は、染料と
過酸化物をガラス繊維紙上に担持させ表示材料としたも
のであるが、時間計測という面においては染料と過酸化
物を溶解した時点で反応が始まっており、室温以下の温
度下での時間測定には現実的に適さないという欠点があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は所定温度にお
いて所定時間が経過したことまたは温度−時間積算値を
色相の明確な変化によって手軽かつ安価に表示すること
を可能にする時間または温度−時間積算値の表示材料お
よび表示装置を提供するものである。すなわち、使用前
の室温および冷蔵温度では、ラジカルの発生がほとんど
行われないかあるいはラジカル発生剤および色素あるい
は色素前駆体の担持体中での拡散が制御されることで色
変化の反応が始まらず、なおかつ室温以上の所定温度に
達した時点で時間測定が開始され、単純かつ明解に測定
を始めることができる。
【0006】一般に、冷凍食品・冷蔵食品・生鮮食品な
らびに塗料・接着剤などの化学品に至るまでの使用有効
期限を有する物品は、保存温度とともにその有効期間を
限定されているのが通常であり、温度が低い場合は保存
期間が長く温度が高くなると保存期間は極端に短くなる
場合が多い。しかしながら、一般的には保管場所に温度
計を設置して製造年月日と保証期限の表示によって管理
しているのが現状であり、管理すべき物品が実際に何度
で何時間経過したかは不明である。このように一つ一つ
の物品が所定の温度下でどの程度時間が経過したかある
いはどの程度の温度でどの程度時間が経過したかという
熱量の総計である温度−時間積算値を明確にしかも安価
に表示しうる材料を提供できる方法が求められていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ラジカル
発生剤とラジカルと反応することによって色変化する色
素および/又は色素前駆体からなり、ラジカル濃度に応
じた色の変化が起きることを見出し、さらにラジカル濃
度がアレニウス則によって温度と時間で規定されるこ
と、場合によっては担持体の物質移動度を制御すること
で、所定温度における時間変化または温度−時間積算値
を色の変化として表示しうることを見出した。
【0008】本発明は、ラジカル発生剤と、ラジカルと
反応することによって色変化する色素および/又は色素
前駆体とを担持体中に担持してなる、時間または温度−
時間積算値を色変化として表示する表示材料である。更
に本発明は、担持体が透明基材に積層された樹脂層であ
る上記表示材料である。更に本発明は、樹脂層が接着性
の材料から構成される層である上記表示材料である。更
に本発明は、樹脂層が印刷層である上記表示材料であ
る。更に本発明は、ラジカル発生剤が有機過酸化物であ
る上記表示材料である。更に本発明は、色素および/又
は色素前駆体がフェノチアジン系発色色素である上記表
示材料である。更に本発明は、担持体がラジカル発生剤
の分解触媒を含む上記表示材料である。更に本発明は、
ラジカル発生剤の分解触媒がアミンおよび/又は金属化
合物である上記表示材料である。
【発明の実施の形態】
【0009】本発明において用いられるラジカル発生剤
は、その分解温度の違いにより所定温度でのラジカル発
生量が規定され、希望する温度ならびに時間によって最
適なラジカル発生剤を設定することで、ラジカルに接触
することによって発色する色素および/又は色素前駆体
の色相を変化させる時間を決定できる。すなわち、ラジ
カル発生剤の分解速度はアレニウス則に従うため、温度
と時間を関数としてラジカル発生量が規定され、この結
果、時間または温度−時間積算値を表示することが可能
になる。
【0010】一定温度あるいは変動する温度下において
得られる熱量は、各時点での温度とその時間の積によっ
て求められる積分値として表すことができ、この温度と
時間の積分値を温度−時間積算値と定義する。例えば冷
蔵食品である肉・魚等は30℃では12時間、20℃で
は24時間、10℃では72時間といった具合に保存温
度によりその正味期限あるいは有効期限は変化する。ま
た実際の製品の流通を考えた場合、保存温度は程度の差
はあるものの絶えず変動していると考えて良い。ここで
問題になるのが「何度の温度で何時間放置あるいは保存
されたか」ということで、この尺度となるのが温度−時
間積算値ということになる。但し、温度20℃1時間で
の劣化あるいは変化が温度10℃で何時間の変化に相当
するかという問題は、アレニウス則における頻度因子お
よび活性化エネルギーによって規定されるので単純な絶
対温度と時間の積によって表されるものではない。
【0011】ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、
アゾ化合物、ハロゲン化炭素化合物などが挙げられる。
具体的に有機過酸化物としては,ジ−tert−ブチル
パーオキサイド,tert−ブチルクミルパーオキサイ
ド,ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキ
サイド類,アセチルパーオキサイド,ラウロイルパーオ
キサイド,ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパ
ーオキサイド類,メチルエチルケトンパーオキサイド,
シクロヘキサノンパーオキサイド,3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサノンパーオキサイド,メチルシクロヘ
キサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド
類,1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シク
ロヘキサンなどパーオキシケタール類,tert−ブチ
ルヒドロパーオキサイド,クメンヒドロパーオキサイ
ド,1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオ
キサイド,p−メンタンヒドロパーオキサイド,ジイソ
プロピルベンゼンヒドロパーオキサイド,2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイドなどの
ヒドロパーオキサイド類,tert−ブチルパーオキシ
アセテート,tert−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート,tert−ブチルパーオキシベンゾエ
ートなどのパーオキシエステル類などがあるが,これら
の中でもベンゾイルパーオキサイドはラジカル発生能力
と保存安定性のバランスに優れ,ラジカル発生剤には好
適である。
【0012】アゾ化合物としては、2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル
ブチロニトリル)などのアゾニトリル類、2,2’−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライドな
どのアゾアミジン類、2,2’−アゾビス(2−メチル
プロピオンアミド)ジヒドレートなどのアゾアミド類、
2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)などのアゾ
アリル類が挙げられる。ハロゲン化炭素化合物として
は、四臭化炭素などのポリハロゲン化合物が挙げられ
る。ラジカル発生剤は、担持体を形成する媒体に対して
1.0から20重量%、好ましくは2.0から15.0
重量%添加して本発明の時間表示材料を得る。
【0013】本発明のラジカルと反応することによって
色変化する色素および/又は色素前駆体は、ラジカルに
よって分子中の水素原子が引き抜かれやすい性質を持っ
ており、その際に色の変化が認められる。この発色の機
構としては、フェノチアジンを例にして下記のような機
構が類推される。
【0014】
【化1】
【0015】まず、フェノチアジン分子中の水素原子が
引き抜かれ窒素原子がラジカルとなる。次にラジカルが
硫黄原子に移動し、硫黄原子の原子価が2価から4価に
変わる。そして共役が両側のベンゼン環に伸び、可視光
部の光吸収率が変化し色相が変わる。この他、「カラー
ケミカル事典」(CMC出版)に記載されている様にフ
リーラジカル写真などで用いられる反応が本発明におい
て用いられる。すなわち、ラジカルによって水素原子を
引き抜かれて起こる連鎖反応によって青色を呈するラジ
カル−ジフェニルアミン系化合物、ラジカル−トリフェ
ニルメタン系化合物の反応等によって色が変わる。さら
に、同じく「カラーケミカル事典」にあるBell&H
owell法によるラジカル−色素前駆体−増感剤系の
反応によっても色が変わる。
【0016】本発明に用いられるラジカルに接触するこ
とによって発色する色素および/又は色素前駆体として
は、フェノチアジンを始めとするフェノチアジン系発色
色素、フェノキサジンを始めとするフェノキサジン系色
素、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイト
グリーン、クリスタルバイオレット、ロイコクリスタル
バイオレットラクトン等のトリフェニルメタン系化合
物、4−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン等の
キノリン系染料が挙げられる。特にフェノチアジンはラ
ジカルと接触した直後は緑色で、ラジカルとの反応が進
行するにつれ赤色に変化する特徴を有し、物品の有効期
限を表示する材料としては感覚的に認知しやすく最も好
都合な物質の一つである。また、フェノキサジンは無色
から黄土色に変化する点でフェノチアジンと同様に、物
品の有効期限を表示する材料としては感覚的に認知しや
すく最も好都合な物質の一つである。また、ある期間以
降に有効性を指し示す用途には、無色から青色に変化す
るロイコマラカイトグリーンが、物品の有効期限を表示
する材料としては感覚的に認知しやすく最も好都合な物
質の一つである。また、これら色素および/または色素
前駆体に他の顔料および染料を添加して色相を調整する
ことも可能である。
【0017】ラジカルと反応することによって色変化す
る色素および/又は色素前駆体は、担持体を形成する媒
体に対して1.0から20重量%、好ましくは2.0か
ら15.0重量%添加して本発明の時間表示材料を得
る。このとき、色素および/又は色素前駆体の配合量が
1.0重量%以下だと被試験物中にラジカルが十分にあ
ったとしても発色が薄く視認性が悪くなる。色素および
/又は色素前駆体を添加する量によって検出できるラジ
カル濃度に限界があり、添加量が少ない場合ある一定値
以上のラジカル濃度での、発色後の色調の変化がなくな
ってしまい、正確な時間表示ができない。よって、期待
する表示時間に合わせた量の色素および/又は色素前駆
体の添加が必要となる。経験則としてラジカル発生剤に
ベンゾイルパーオキサイド、色素および/又は色素前駆
体にフェノチアジンを用いた場合、ベンゾイルパーオキ
サイド1重量%に対してフェノチアジン0.3から1.
5重量%の添加が望ましい。また、フェノチアジンの配
合量を20重量%以上としても発色の度合はそれ程変わ
らない反面、インジケーター保管中に空気酸化によって
発色してしまい、使用に適さなくなってしまう場合があ
る。
【0018】本発明において、透明基材としてはポリエ
チレンやポリプロピレン等のオレフィン系フィルム、ポ
リエチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル
フィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化
ビニリデン共重合体、ポリフッ化ビリニデン、ポリ塩化
ビニル、ナイロン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、等のプラスチックフィルム等が挙げられる。その
他、色相変化を確認できる程度の透明性を有する素材で
あれば、いかなるものを用いても何ら制限するものでは
ない。
【0019】本発明において、印刷層とはシルクスクリ
ーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等によって印
刷された樹脂を媒体とした層で、印刷様式および用いる
バインダー樹脂に関しては、印刷によって形成すること
のできる樹脂層であるならば、いかなるものを用いても
何ら制限するものではない。本発明において、ラジカル
発生剤の分解触媒はラジカル発生剤の分解速度を速める
目的で添加され、同一のラジカル発生剤を用いた場合で
もこの分解触媒の添加量でその分解速度を制御すること
が可能となる。すなわち、所定温度における色相の変化
する時間または温度−時間積算値を設定することができ
る。
【0020】具体的には、アミン類および金属化合物が
分解触媒として挙げられる。すなわち、アミン類として
は、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、
N,N−ジメチルアニリン、N−フェニルジエタノール
アミン、N−フェニルジイソプロパノールアミン、ジメ
チル−p−トルイジン、ジエチル−m−トルイジン、ト
リエタノールアミン、4−フェニルモルホリン、4,
4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N−フ
ェニル−2−ナフチルアミン、N,N−ジベンジルアニ
リン、N,N−ジベンジル−2−アミノエタノール等、
金属化合物としてはリチウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、バリウム、セリウム、ジルコニウム、バナジウ
ム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、スズ、鉛等の金属のラウリル塩、ナフテン酸
塩、オクチル酸塩、オレイン酸塩、オクテン酸塩等の脂
肪酸塩、ロジン塩等の樹脂酸塩、アセチルアセトネート
錯塩等のキレート化合物等から1種または2種以上を用
いることができる。特にアミン類又は金属化合物のうち
どちらか、あるいはその両方を併用するのが望ましい。
アミン類および/又は金属化合物は、色素および/又は
色素前駆体100重量部に対して1〜200重量部、好
ましくは10〜100重量部添加する。これにより本発
明の時間表示材料の表示する温度ならびに時間または温
度−時間積算値の範囲が大幅に広がる。
【0021】本発明において、ラジカル発生剤およびラ
ジカルと反応することによって色変化する色素および/
又は色素前駆体を含む担持体を構成する媒体としては、
所定の温度においてラジカル発生剤および色素および/
又は色素前駆体が拡散できることが可能かつ形態を維持
できるもので、なおかつ色変化を認識しうる程度の透明
性を有するものならば、いかなるものを用いても何ら制
限するものではない。具体的には、アクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、
シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂等、通常のイ
ンキ、塗料等のバインダーとして使用される樹脂および
一般の粘着剤として用いられる粘着性ゴム系樹脂等なら
何でもよく、前記の樹脂数種類の混合系でもよいし、ケ
トン系、エーテル系、アルコール系、セロソルブ系、石
油系、水系溶媒等通常使用される溶媒で希釈されていて
もいなくてもよい。
【0022】特に粘着性ゴム系樹脂は、担持体および透
明基材とを接触する際に、接着機能を発現する点で好都
合である。具体的に粘着性ゴム系樹脂とは、Tgが室温
以下、好ましくは−10℃以下の樹脂であり、使用時の
温度範囲ではゴム状領域であることが望ましい。例とし
て、粘着性アクリル樹脂、天然および合成のシス−1、
4−ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチ
ルゴム、部分加硫ブチルゴム、スチレン−ブタジエン−
スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、ス
チレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリ
マー(SEBS)、シリコンゴム、クロロプレンゴム、
ニトリルゴム、ブタジエンゴムなどの、粘着剤用樹脂と
して用いられているものが挙げられる。とりわけ、粘着
性アクリル樹脂は、構造、分子量とも自在に設定して自
在にTgを変化させることが可能でラジカル発生剤およ
び色素および/又は色素前駆体の拡散速度を律速するこ
とができ、本発明のラジカル発生剤および色素および/
又は色素前駆体の媒体には好適である。粘着性アクリル
樹脂とは、水酸基、三級アミノ基、カルボキシル基、ア
ミド基、ニトリル基などの官能基を有するものであり、
一般に粘着剤用アクリル樹脂として用いられているもの
である。これらの官能基を有するアクリル樹脂は、水酸
基、三級アミノ基、カルボキシル基、アミド基、ニトリ
ル基などを有するモノマーのうちの一種または数種と、
アルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ビニルエーテル、スチレンなどのモノマー
との共重合体などである。
【0023】粘着剤用アクリル樹脂の合成は通常のラジ
カル重合であり、反応方法に何等制限はなく、溶液重
合、塊状重合、乳化重合などの公知の重合法で行なうこ
とができるが、反応のコントロールが容易であることや
直接次の操作に移れることから溶液重合が好ましい。溶
媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、トルエン、セロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル
など本発明の樹脂が溶解するものであれば何でもよく、
単独でも、複数の溶媒を混合してもよい。また、重合反
応の際に使用される重合開始剤もベンゾイルパーオキサ
イド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有機過
酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始
剤など公知のものであれば何でもよく、とくに制限はな
い。
【0024】粘着性ゴム系樹脂をイソシアネートおよび
エポキシ化合物などの架橋剤を用いて部分的に架橋し
て、担持体の接触時における接着特性を改善し凝集力を
高める目的やラジカル発生剤と色素および/又は色素前
駆体の拡散速度を調節することができる。また、ポリウ
レタン樹脂は、グラビア印刷等の印刷適性が良く、表示
材料の生産性の面からは担持体を構成する媒体として好
ましい材料の一つである。この様なポリウレタン樹脂と
しては、東洋インキ製造(株)製のグラビアインキ用ウ
レタン樹脂の商品名「ラミスターRメジウム」、「ニュ
ーLPスーパー」、「LPクィーン」等が挙げられる。
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。例
中、部とは重量部を、%とは重量%を、それぞれ表す。
【0025】樹脂1 ブチルアクリレート 94.1部 アクリル酸 5.9部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成比
の混合物125部に、上記の同組成比の混合物125部
を滴下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却
し、樹脂1の溶液(固形分40%)を得た。
【0026】樹脂2 ブチルアクリレート 92.0部 アクリルアミド 2.8部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.2部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成比
の混合物125部に、上記の同組成比の混合物125部
を滴下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却
し、樹脂2の溶液(固形分40%)を得た。
【0027】樹脂3 ブチルアクリレート 38.8部 イソブチルアクリレート 38.8部 メチルアクリレート 15.9部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 6.5部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成比
の混合物125部に、上記の同組成比の混合物125部
を滴下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却
し、樹脂3の溶液(固形分40%)を得た。
【0028】樹脂4 2−エチルヘキシルアクリレート 100.0部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成比
の混合物125部に、上記の同組成比の混合物125部
を滴下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却
し、樹脂4の溶液(固形分40%)を得た。
【0029】樹脂5 メチルアクリレート 100.0部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成比
の混合物125部に、上記の同組成比の混合物125部
を滴下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却
し、樹脂5の溶液(固形分40%)を得た。
【0030】実施例1 樹脂1の溶液を100部、フェノチアジンの10%酢酸
エチル溶液を12部、ベンゾイルパーオキサイドの40
%酢酸エチル溶液を5部とを撹拌混合し、離型表面処理
されたPETフィルム上に塗布し、90℃で2分間加熱
乾燥させ膜厚を25ミクロンとし、塗布する際に使用し
たPETフィルムを剥離し、表示材料1とした。なお、
色の経時変化は以下の条件で観察した。結果は表2に示
した。
【0031】(1)色の経時変化 測定温度に達した時を時間測定開始時点として、20
℃、40℃、および100℃の恒温層に表示材料を保管
して、経時の色変化を観察した。
【0032】実施例2〜16、18〜21および比較例
1〜2 実施例1と同様に、色素および/又は色素前駆体の10
%酢酸エチル溶液、ラジカル発生剤の分解触媒の10%
酢酸エチル溶液、樹脂の溶液を表1にある配合比で混合
撹拌し、離型表面処理されたPETフィルム上に塗布
し、90℃で2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンと
し、塗布する際に使用したPETフィルムを剥離し、表
示材料とした。なお、色の経時変化は実施例1と同様な
方法で観察した。結果は表2に示した。ただし、表1で
の配合比は固形分換算で表示した。
【0033】実施例17 東洋インキ製造(株)製グラビアインキ用ウレタン樹脂
ラミスターRメジウム(固形分40%)の溶液を100
部、フェノチアジンの10%酢酸エチル溶液を12部、
ベンゾイルパーオキサイドの40%キシレン溶液を5部
とを撹拌混合し、グラビア印刷して透明PETフィルム
上に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミ
クロンとし、表示材料17とした。なお、色の経時変化
は実施例1と同様な方法で観察した。結果は表2に示し
た。ただし、表1での配合比は固形分換算で表示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【発明の効果】本発明の表示材料により、所定温度にお
いて所定時間が経過したことまたは温度−時間積算値を
色相の明確な変化によって手軽かつ安価に表示すること
が可能となった。すなわち、本発明により使用する温度
域が室温以上の場合において、所定温度に達するまで色
変化の反応が始まらず、室温での保存が可能であり、な
おかつ所定温度に達した時点が時間または温度−時間積
算値測定の開始点となり、単純かつ明解に測定を始める
ことができるようになった。フェノチアジンおよびフェ
ノキサジンは、無色から時間とともに着色することで時
間の経過を表示することができ、有効期限を表示する材
料には非常に適している。とりわけ、フェノチアジンは
初期は無色であり、測定温度に達すると徐々に緑色に変
化して以後時間の経過とともに青色、紫、赤色と変化す
る材料であり感覚的に表示材料として最適である。ま
た、測定したい温度ならびに時間については、担持体を
構成する媒体である樹脂の選択、ラジカル発生剤の種
類、ラジカル発生剤の分解触媒とその配合量によって制
御することが可能であった。このことから、幅広い温度
範囲での時間測定または温度−時間積算値測定に対し、
本発明の表示材料が有効であることがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01K 11/16 B41M 5/12 101

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル発生剤と、ラジカルと反応する
    ことによって色変化する色素および/又は色素前駆体と
    を担持体中に担持してなる、時間または温度−時間積算
    値を色変化として表示する表示材料。
  2. 【請求項2】 担持体が透明基材に積層された樹脂層で
    ある請求項1記載の表示材料。
  3. 【請求項3】 樹脂層が接着性の材料から構成される層
    である請求項2記載の表示材料。
  4. 【請求項4】 樹脂層が印刷層である請求項2記載の表
    示材料。
  5. 【請求項5】 ラジカル発生剤が有機過酸化物である請
    求項1記載の表示材料。
  6. 【請求項6】 色素および/又は色素前駆体がフェノチ
    アジン系発色色素である請求項1記載の表示材料。
  7. 【請求項7】 担持体がラジカル発生剤の分解触媒を含
    む請求項1記載の表示材料。
  8. 【請求項8】 ラジカル発生剤の分解触媒がアミンおよ
    び/又は金属化合物である請求項7記載の表示材料。
JP7185122A 1995-03-31 1995-07-21 時間表示材料 Pending JPH08327467A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7185122A JPH08327467A (ja) 1995-03-31 1995-07-21 時間表示材料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-75280 1995-03-31
JP7528095 1995-03-31
JP7185122A JPH08327467A (ja) 1995-03-31 1995-07-21 時間表示材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08327467A true JPH08327467A (ja) 1996-12-13

Family

ID=26416429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7185122A Pending JPH08327467A (ja) 1995-03-31 1995-07-21 時間表示材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08327467A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5756356A (en) Method of indicating time or temperature-time accumulated value as color change, and materials therefor
EP0349270B1 (en) Pressure-sensitive adhesives
KR101253362B1 (ko) 폴리디아세틸렌 중합체 블렌드를 포함하는 감압성 접착제
JP2009280824A (ja) 接着剤組成物
JP5639438B2 (ja) 感温性粘着剤
JP2007254619A (ja) 再剥離性着色粘着フィルム
JPH08327467A (ja) 時間表示材料
JPH08325554A (ja) 時間表示材料
JP3006472B2 (ja) 時間表示方法および表示材料
JPH09113500A (ja) 時間表示材料
JPH0926363A (ja) 温度−時間積算値表示用テープ
JPH09113381A (ja) 時間および温度の表示材料
JP2988347B2 (ja) 時間または温度−時間積算値の表示方法およびその材料
JPH09126887A (ja) 紫外線照射量表示材料
JPH0954174A (ja) 時間表示材料
JPH08327468A (ja) 時間表示材料
JPH0989687A (ja) インスタント食品用インジケーター
JPH10148685A (ja) 時間または温度−時間積算値の表示材料
JPH09229782A (ja) 時間または温度−時間積算値の表示方法およびその材料
JPH09257596A (ja) インスタント食品用インジケータ
JPH10319148A (ja) 時間または温度−時間積算値の表示方法およびその表示材料
JPH09257595A (ja) 時間または温度−時間積算値の表示材料
JPH09250953A (ja) 時間または温度−時間積算値の表示材料
JPH09166502A (ja) 時間または温度−時間積算値の表示材料
JPH11153497A (ja) 調理における最適加熱温度−時間を管理する表示材料および食品包装材