JP2988347B2 - 時間または温度−時間積算値の表示方法およびその材料 - Google Patents

時間または温度−時間積算値の表示方法およびその材料

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  • Measurement Of Unknown Time Intervals (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノチアジンおよび
/又はフェノキサジンを重合させることにより時間また
は温度−時間積算値を色変化として表示する方法および
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一定温度下で物品を一定期間保管
する場合に、その温度および時間を監視するための表示
材料に対する需要は年々高まってきている。すなわち、
冷凍食品・冷蔵食品・生鮮食品ならびに塗料・接着剤な
どの化学品に至るまで、保存温度が明示されるととも
に、その有効期間をも限定されているのが通常である。
しかしながら、安価に温度ならびに時間を同時に測定す
る方法および表示材料はこれまであまり市場においてみ
あたらない。
【0003】従来、色変化によって温度・時間履歴を表
示する材料としては、100℃前後の温度で数十時間の
範囲をピンクからメタリックグリーンへの変化等で表示
する共晶アセチレン系混合物を用いたパテルの米国特許
第4,189,399号(1980.2.19 発行)・米国特許
第4,208,186号(1980.6.17 発行)・米国特許
第4,276,190号(1980.6.30 発行)、室温程度
で数十日の範囲で無色から紫に発色する染料と酸あるい
はアルカリの拡散による反応を用いたキドニウス等の米
国特許第4,212,153号(1980.7.15発行)、レド
ックス染料と酸素拡散性を用いたフー等の米国特許第
3,768,976号、緑が退色することで表示する遊
離ラジカル感受性染料と過酸化物の組成物を用いたカー
タッブ等の米国特許第3,966,414号、還元剤で
脱色したトリアリールメタン染料が酸素の拡散によって
着色することを利用したブハッタチャージー等の特開昭
62−190447、酸を生成する微生物とpH指示薬
を用いた松田等の特開平5−61917がある。その
他、融点、拡散速度、酵素活性などを利用した特許が開
示されている。
【0004】これまで、色々な表示材料が提案されてい
るものの実際に上市されていない理由としては、溶液状
態で取り扱いに不便であったり、時間を測定開始する方
法が煩雑であったり不明確であったり、価格が高い等の
要因が考えられる。例えば、遊離ラジカル感受性染料と
過酸化物の組成物を用いたカータッブ等(米国特許第
3,966,414号)の発明は、染料と過酸化物をガ
ラス繊維紙上に担持させ表示材料とするために、染料と
過酸化物を溶媒中に溶解して、その溶液をガラス繊維紙
上に展開している。ここで時間計測という観点からは、
染料と過酸化物を溶解した時点で反応が始まっており、
室温以下の温度下での時間測定には現実的に適さないと
いう欠点があった。また、今までの技術に見られる色変
化は透明からある色が発色してその色濃度が増していく
ものやその反対にある色相が退色して透明になるものが
ほとんどで、明確に色調が大幅に変化する材料は見あた
らなかった。
【0005】
【発明者が解決しようとする課題】本発明は所定温度に
おいて所定時間が経過したことを二つの担持体を接触さ
せるという単純な操作により反応を開始させ、色相の明
確な変化によって手軽かつ安価に表示することを可能に
する時間または温度−時間積算値を表示する方法、なら
びに時間表示材料および時間表示装置を提供するもので
ある。すなわち、本発明は使用する温度域が室温以下の
場合においても、二つの担持体を接触させるまでは反応
が始まらず、室温での保存が可能であり、なおかつ接触
した時点が時間測定の開始点となり、単純かつ明解に測
定を始めることができる。一般に、冷凍食品・冷蔵食品
・生鮮食品ならびに塗料・接着剤などの化学品に至るま
での使用有効期限を有する物品は、保存温度とともにそ
の有効期間を限定されているのが通常であり、温度が低
い場合は保存期間は長く温度が高くなると保存期間は極
端に短くなる場合が多い。しかしながら、一般的には保
管場所に温度計を設置して製造年月日と保証期限の表示
によって管理しているのが現状であり、管理するべき物
品が実際に保管温度下で何時間経過したかは不明であ
る。このように一つ一つの物品が所定の温度下でどの程
度時間が経過したかあるいはどの程度の温度でどの程度
時間が経過したかという熱量の総計を明確にしかも安価
に表示しうる材料を提供できる方法が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、フェノチ
アジンおよび/又はフェノキサジンを酸化剤によって重
合させた場合に、重合度に応じた色の変化が起きること
を見出し、さらに重合速度が通常の化学反応と同様にア
レニウス則に従い温度と時間で規定されることから、所
定温度における時間変化および熱量の総計とも言うべき
温度−時間積算値を重合度による色の変化として表示し
うることを見出した。本発明は、A剤と非接触状態にあ
る下記B剤とを接触させてフェノチアジンおよび/又は
フェノキサジンを重合させることにより時間または温度
−時間積算値を色変化として表示する方法である(ただ
し、A剤とB剤とは、フェノチアジンおよび/又はフェ
ノキサジンと酸化剤の組合わせからなる。)。更に本発
明は、担持体中に担持されたA剤を含む層と、A剤と非
接触状態としたB剤とを含む層からなり、それぞれの層
を接触させてフェノチアジンおよび/又はフェノキサジ
ンを重合させることにより時間または温度−時間積算値
を色変化として表示する表示材料である。更に本発明
は、A剤を含む層および/又はB剤を含む層が接着性の
材料から構成される層である上記表示材料である。更に
本発明は、A剤を含む層および/又はB剤を含む層が透
明基材に積層された樹脂層である上記表示材料である。
更に本発明は、透明基材に積層された樹脂層が印刷層で
ある上記表示材料である。更に本発明は、酸化剤が金属
塩類、酸素酸塩、ハロゲン、キノン類、ナフトキノン
類、カルボニル化合物、酸化物である上記表示材料であ
る。
【発明の実施の形態】
【0007】本発明において用いられるフェノチアジン
および/又はフェノキサジンは、酸化剤と接触すること
で酸化重合が開始する。この酸化重合反応は通常の化学
反応と同様に、絶対温度により反応速度が規定される。
更に、本発明におけるフェノチアジンおよび/又はフェ
ノキサジンは重合度によって色相が変化したり色濃度が
変化し、温度ならびに時間によって色相が規定される。
すなわち、重合速度はアレニウス則に従うため、温度と
時間を関数としてフェノチアジンおよび/又はフェノキ
サジンの重合度が規定され、この結果時間または温度−
時間積算値を色変化として表示することが可能になる。
【0008】一定温度あるいは変動する温度下において
得られる熱量は、各時点での温度とその時間の積によっ
て求められる積分値として表すことができ、この温度と
時間の積分値を温度−時間積算値と定義する。例えば冷
蔵食品である肉・魚等は30゜C では12時間、20゜
C では24時間、10゜C では72時間といった具合に
保存温度によりその賞味期限あるいは有効期限は変化す
る。また実際の製品の流通を考えた場合、保存温度は程
度の差はあるものの絶えず変動していると考えて良い。
ここで問題になるのが「何度の温度で何時間放置あるい
は保存されたか」ということで、この尺度となるのが温
度−時間積算値と言うことになる。但し、温度20゜C
1時間での劣化あるいは変化が温度10゜C で何時間の
変化に相当するという問題は、アレニウス則における頻
度因子および活性化エネルギーによって規定されるので
単純な絶対温度と時間の積によって表されるものではな
い。
【0009】本発明における発色は、フェノチアジンお
よび/又はフェノキサジンが酸化重合して、得られる重
合体の重合度によって色相が変化するもので、フェノチ
アジンを例に以下のような機構によるものと考えられ
る。酸化剤によって分子中の窒素原子に結合している水
素原子が引き抜かれて酸化重合が開始され、更にフェノ
チアジン分子内の1、2、3、4、6、7、8、9位の
いずれかの水素原子が引き抜かれる。この分子と隣接す
る同様な状態のフェノチアジン分子とが10位の窒素原
子と水素原子を引き抜かれた炭素原子を結合部位として
重合が進むものと類推される。実施例1の塩化銅(II)
を酸化剤として重合させたフェノチアジンの重合初期の
マススペクトルが図1である。反応機構の詳細は明らか
ではないが、この図1から酸化剤とフェノチアジンの反
応によりフェノチアジンが重合していることは明らかで
ある。色相については、フェノチアジンの重合が進行す
るとともにその共役系が変化するために変わると考えら
れる。すなわち、重合度が上がるにつれて長波長化して
緑から赤色へ変化していることが予想される。この色相
と重合度およびその分布の関係については、目視による
色相と質量分析計からの分子量から、重合度2が緑、重
合度3が青、重合度4から10で赤となることが明らか
となった。また、重合度の異なる重合物の比率によって
紺色や紫色に発色していることも類推される。いずれに
せよフェノチアジンの重合度とその分布によって、発現
する色相は決定され、重合の進行とともに色調が変化し
ていく。ここで言うフェノチアジン分子の構造および構
成原子の位置は下記式に従う。
【化1】
【0010】本発明に用いられるフェノチアジンおよび
フェノキサジンは、単独で使用しても良いが、二つを混
合して使用してもよい。この場合、混合比によって色相
を変化させることが可能となる。フェノチアジンおよび
/又はフェノキサジンは、担持体を形成する媒体に対し
て1.0から20重量%、好ましくは2.0から15.
0重量%添加して本発明の時間表示材料を得る。このと
き、フェノチアジンおよび/又はフェノキサジンの配合
量が1.0重量%以下だと発色が薄く視認性が悪くな
る。また配合量を20重量%以上としても発色の度合は
それ程変わらない反面、表示材料の保管中に空気酸化に
よって発色してしまい、使用に適さなくなってしまう場
合がある。
【0011】本発明において酸化剤とは、金属塩類、酸
素酸塩、ハロゲン、キノン類、ナフトキノン類、カルボ
ニル化合物、酸化物等が挙げられる。更に具体的に金属
塩としては塩化アルミニウム、塩化ニッケル、塩化コバ
ルト、塩化銅、塩化鉄、塩化バナジウム等が挙げられ
る。酸素酸塩としては、硝酸、塩素酸塩、次亜塩素酸
塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩、クロム酸塩、過マンガン酸
塩、バナジン酸塩、ビスマス酸塩等。ハロゲンとして
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等。キノン類として
は、ベンゾキノン、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノ
ン(クロラニル)、テトラクロロ−1,2−ベンゾキノ
ン(o−クロラニル)、2,3−ジクロロ−5,6−ジ
シアノ−1,4−ベンゾキノン等。ナフトキノン類とし
ては、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、
2,6−ナフトキノン、1,2−ナフトキノン−4−ス
ルホン酸等。カルボニル化合物としては、アセトン、シ
クロヘキサノン等が挙げられ、アルミニウムブトキシド
等のアルミニウムアルコキシドと併用して用いられる。
酸化物としては、二酸化マンガン、二酸化鉛、酸化銅、
酸化銀等。そのほか、酸素、オゾン、塩素、臭素、ヨウ
素、硫黄、王水、硝酸、濃硫酸、熱濃過塩素酸、ジメチ
ルスルフォキシド等が本発明における酸化剤として挙げ
られる。この他、デヒドロゲナーゼ等の脱水素酵素を用
いた生化学的な酸化剤を本発明の酸化剤として使用する
ことは何ら制限を加えるものではない。
【0012】本発明における担持体としては、所定の温
度においてA剤とB剤すなわちフェノチアジンおよび/
又はフェノキサジン、酸化剤が拡散できることが可能か
つ形態を維持できるもので、なおかつ色変化を認識しう
る程度の透明性を有するものならば、いかなるものを用
いても何ら制限するものではない。具体的には、アクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂
等、通常のインキ、塗料等のバインダーとして使用され
る樹脂および一般の粘着剤として用いられる粘着性ゴム
系樹脂等なら何でもよく、前記の樹脂数種類の混合系で
もよいし、ケトン系、エーテル系、アルコール系、セロ
ソルブ系、石油系、水系溶媒等通常使用される溶媒で希
釈されていてもいなくてもよい。
【0013】特に粘着性ゴム系樹脂は、担持体および透
明基材とを接触する際に、接着機能を発現する点で好都
合である。具体的に粘着性ゴム系樹脂とは、Tgが室温
以下、好ましくは−10℃以下の樹脂であり、使用時の
温度範囲ではゴム状領域であることが望ましい。例とし
て、粘着性アクリル樹脂、天然および合成のシス−1、
4−ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチ
ルゴム、部分加硫ブチルゴム、スチレン−ブタジエン−
スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、ス
チレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリ
マー(SEBS)、シリコンゴム、クロロプレンゴム、
ニトリルゴム、ブタジエンゴムなどの、粘着剤用樹脂と
して用いられているものが挙げられる。 とりわけ粘着
性アクリル樹脂は、組成および分子量を適切に設定し
て、自在にTgを変化させることが可能で、A剤あるい
はB剤の拡散速度を制御することができ、本発明のA剤
およびB剤の媒体には好適である。粘着性アクリル樹脂
とは、水酸基、三級アミノ基、カルボキシル基、アミド
基、ニトリル基などの官能基を有するものであり、一般
に粘着剤用アクリル樹脂として用いられているものであ
る。これらの官能基を有するアクリル樹脂は、水酸基、
三級アミノ基、カルボキシル基、アミド基、ニトリル基
などを有するモノマーのうちの一種または数種と、アル
キル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ビニルエーテル、スチレンなどのモノマーとの
共重合体などである。
【0014】反応は通常のラジカル重合であり、反応方
法に何等制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合な
どの公知の重合法で行なうことができるが、反応のコン
トロールが容易であることや直接次の操作に移れること
から溶液重合が好ましい。溶媒としては、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソル
ブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど本発明の樹脂が溶解す
るものであれば何でもよく、単独でも、複数の溶媒を混
合してもよい。また、重合反応の際に使用される重合開
始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものであれば
何でもよく、とくに制限はない。
【0015】粘着性ゴム系樹脂をイソシアネートおよび
エポキシ化合物などの架橋剤を用いて部分的に架橋し
て、担持体の接触時における接着特性を改善し凝集力を
高める目的やA剤あるいはB剤の拡散速度を調節するこ
とができる。また、ポリウレタン樹脂は、グラビア印刷
等の印刷適性が良く、表示材料の生産性の面からは担持
体として好ましい材料の一つである。この様なポリウレ
タン樹脂としては、東洋インキ製造(株)製のグラビア
インキ用ウレタン樹脂の商品名「ラミスターRメジウ
ム」、「ニューLPスーパー」、「LPクィーン」等が
挙げられる。
【0016】また、ガラスビン等の何らかの透明容器内
にA剤およびB剤すなわちフェノチアジンおよび/又は
フェノキサジン、酸化剤を入れ、ケトン系、エーテル
系、アルコール系、セロソルブ系、石油系、水系溶媒等
通常使用される溶媒で希釈して色変化を確認することも
可能で、このような方法も本発明において何ら制限する
ものではない。
【0017】本発明において、透明基材としてはポリエ
チレンやポリプロピレン等のオレフィン系フィルム、ポ
リエチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル
フィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化
ビニリデン共重合体、ポリフッ化ビリニデン、ポリ塩化
ビニル、ナイロン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸
等のプラスチックフィルム等が挙げられる。その他、色
相変化を確認できる程度の透明性を有する素材であれ
ば、いかなるものを用いても何ら制限するものではな
い。
【0018】本発明において、印刷層とはシルクスクリ
ーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等によって印
刷された樹脂を媒体とした層で、印刷様式および用いる
バインダー樹脂に関しては、印刷によって形成すること
のできる樹脂層であるならば、いかなるものを用いても
何ら制限するものではない。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。例
中、部とは重量部を、%とは重量%を、それぞれ表す。
【0020】樹脂1 ブチルアクリレート 94.1部 アクリル酸 5.9部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 フラスコを反応容器として窒素雰囲気中80℃に加熱し
た上記のそれぞれの組成の混合物125部に、上記の同
組成の混合物125部を滴下し、滴下終了後、12時間
加熱還流させ、冷却し、樹脂1の溶液(固形分40%)
を得た。
【0021】樹脂2 メチルアクリレート 100.0部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 フラスコを反応容器として窒素雰囲気中80℃に加熱し
た上記のそれぞれの組成の混合物125部に、上記の同
組成の混合物125部を滴下し、滴下終了後、12時間
加熱還流させ、冷却し、樹脂2の溶液(固形分40%)
を得た。
【0022】実施例1 樹脂1の溶液を100部、フェノチアジンの10%酢酸
エチル溶液を12部とを撹拌混合し、離型表面処理され
たPETフィルム上にドクターブレードにより塗布し、
90℃で2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとして
A剤を含む層を得た。次に樹脂1の溶液を100部、塩
化銅(II)を2部とを撹拌分散混合し、離型表面処理さ
れたPETフィルム上にドクターブレードにより塗布
し、90℃で2分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンと
してB剤を含む層を得た。このA剤を含む層とB剤を含
む層を接触させた後、塗布する際に使用したPETフィ
ルムを剥離し、時間表示材料1とした。また、接触させ
た瞬間を時間測定の開始点とした。なお、色の経時変化
は以下の条件で観察した。結果は表2に示した。
【0023】(1)色の経時変化 A剤を含む層とB剤を含む層を接触させた時を時間測定
開始時点として、0℃、20℃および100℃の恒温層
に時間表示材料を保管して、経時の色変化を観察した。
【0024】実施例2〜7および比較例1〜2 実施例1と同様に、フェノチアジンおよび/又はフェノ
キサジンの10%酢酸エチル溶液、樹脂の溶液を表1に
ある配合比で混合撹拌し、離型表面処理されたPETフ
ィルム上にドクターブレードにより塗布し、90℃で2
分間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとしてA剤を含む
層を得た。同様にして、酸化剤、樹脂の溶液を表1にあ
る配合比で混合撹拌し、離型表面処理されたPETフィ
ルム上にドクターブレードにより塗布し、90℃で2分
間加熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとしてB剤を含む層
を得た。このA剤を含む層とB剤を含む層を接触させ
て、時間表示材料とした。接触させた瞬間を時間測定の
開始点とした。なお、色の経時変化は実施例1と同様な
方法で観察した。結果は表2に示した。ただし、表1で
の配合比は固形分換算で表示してある。
【0025】実施例8 樹脂1の溶液を100部、フェノチアジンの10%酢酸
エチル溶液を12部とを撹拌混合し、離型表面処理され
たPETフィルム上に塗布し、90℃で2分間加熱乾燥
させ膜厚を25ミクロンとしてA剤を含む層を得た。次
に東洋インキ製造(株)製グラビアインキ用ウレタン樹
脂ラミスターRメジウム(固形分40%)を100部、
塩化銅(II)を2部とを撹拌分散混合し、グラビア印刷
して透明PETフィルム上に塗布し、90℃で2分間加
熱乾燥させ膜厚を25ミクロンとしてB剤を含む層を得
た。このA剤を含む層とB剤を含む層を接触させて、時
間表示材料Xとした。接触させた瞬間を時間測定の開始
点とした。なお、色の経時変化は実施例1と同様な方法
で観察した。結果は表2に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明の時間表示方法および時間表示材
料により、所定温度において所定時間が経過したことを
二つの担持体を接触させるという単純な操作によりフェ
ノチアジンおよび/又はフェノキサジンの重合反応を開
始させ、色相の明確な変化によって手軽かつ安価に表示
することが可能となった。 フェノチアジンおよびフェ
ノキサジンは、無色から時間とともに発色することで時
間の経過を表示することができ、有効期限を表示する材
料には非常に適している。とりわけ、フェノチアジンは
酸化剤と接触する前は無色であり、接触と同時に即座に
緑色に変化して以後時間の経過とともに青色、紫、赤色
と変化する材料であり感覚的に表示材料として最適であ
る。また、測定したい温度ならびに時間については、担
持体を構成する媒体である樹脂の選択、酸化剤の種類と
その配合量によって制御することが可能であった。この
ことから、幅広い温度範囲での時間測定に対し、本発明
の時間表示方法ならびに材料が有効であることがわかっ
た。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の反応初期の質量分析スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−113500(JP,A) 特開 平9−96572(JP,A) 特開 平9−54174(JP,A) 特開 平9−26363(JP,A) 特開 平8−327467(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01K 11/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A剤と非接触状態にある下記B剤とを接
    触させてフェノチアジンおよび/又はフェノキサジンを
    重合させることにより時間または温度−時間積算値を色
    変化として表示する方法(ただし、A剤とB剤とは、フ
    ェノチアジンおよび/又はフェノキサジンと酸化剤の組
    合わせからなる)。
  2. 【請求項2】 担持体中に担持された下記A剤を含む層
    と、A剤と非接触状態とした下記B剤とを含む層からな
    り、それぞれの層を接触させてフェノチアジンおよび/
    又はフェノキサジンを重合させることにより時間または
    温度−時間積算値を色変化として表示する表示材料(た
    だし、A剤とB剤とは、フェノチアジンおよび/又はフ
    ェノキサジンと酸化剤の組合わせからなる)。
  3. 【請求項3】 A剤を含む層および/又はB剤を含む層
    が接着性の材料から構成される層である請求項2記載の
    時間または温度−時間積算値を表示する表示材料。
  4. 【請求項4】 A剤を含む層および/又はB剤を含む層
    が透明基材に積層された樹脂層である請求項2または3
    記載の時間または温度−時間積算値を表示する表示材
    料。
  5. 【請求項5】 透明基材に積層された樹脂層が印刷層で
    ある請求項4記載の時間または温度−時間積算値を表示
    する表示材料。
  6. 【請求項6】 酸化剤が金属塩類、酸素酸塩、ハロゲ
    ン、キノン類、ナフトキノン類、カルボニル化合物、酸
    化物から選ばれる一種である請求項2記載の時間または
    温度−時間積算値を表示する表示材料。
JP7321346A 1995-12-11 1995-12-11 時間または温度−時間積算値の表示方法およびその材料 Expired - Fee Related JP2988347B2 (ja)

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