JPH1110753A - 段ボール紙の折曲げ用罫線および罫入れ装置 - Google Patents

段ボール紙の折曲げ用罫線および罫入れ装置

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JPH1110753A
JPH1110753A JP9167475A JP16747597A JPH1110753A JP H1110753 A JPH1110753 A JP H1110753A JP 9167475 A JP9167475 A JP 9167475A JP 16747597 A JP16747597 A JP 16747597A JP H1110753 A JPH1110753 A JP H1110753A
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folding
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Takayuki Takeuchi
孝之 竹内
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Nippon Die Steel Co Ltd
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Nippon Die Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度に折曲げることができる罫線を提供す
る。 【解決手段】 折曲げ時に内側となる面からの押し潰し
によって直線状の折曲げ基線部11を形成する。その折
曲げ基線部11の両側に押し潰しによって傾斜状の補助
線部12a、12bを折曲げ基線部11の長さ方向に所
要の間隔をおいて設け、折曲げ基線部11の両側の補助
線部12a、12bを逆向きに傾斜させ、上記補助線部
12a、12bにより折曲げ基線部11の両側部分の強
度を弱めて折曲げの容易化を図り、折曲げ基線部11に
沿う折曲げ精度の向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、段ボール紙の折
曲げ位置に入れられる罫線および罫入れ装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、段ボール箱は、図8(II)に示
すブランクA1 からの折曲げによって形成される。ブラ
ンクA1 は、図8(I)に示すように、平行2条の横罫
線50を有する矩形段ボール紙A0 からの打抜きによっ
て形成される。その打抜きと同時に、複数の縦罫線5
1、52、53、54が設けられ、各縦罫線51、5
2、53、54は、段ボール紙A0 を形成する波状の中
芯2の山の長さ方向に延びている。
【0003】ブランクA1 は、普通、フォルダグルアに
供給され、そのフォルダグルアによって縦罫線51、5
3が折曲げられる。また、ブランクA1 に設けられたジ
ョイントフラップ4は、塗布された接着剤を介してブラ
ンクA1 の端部に接着される。その接着によって、図8
(III )に示すような扁平な段ボール箱Bが形成され、
この段ボール箱Bは横罫線50からの折曲げによって立
体的に組立てられる。
【0004】寸法精度の高い段ボール箱Bを製造するに
は、ブランクA1 に設けられた縦罫線51、52、5
3、54に沿って精度よく折曲げる必要がある。
【0005】ここで、縦罫線51、52、53、54
が、図9に示すように、ブランクA1の中芯2における
隣接する山2a間の2等分位置に設けられていると、そ
の縦罫線を挟む左右の形状は対称形であるため、左右部
分の強度は略等しく、上記縦罫線51、52、53、5
4に沿って比較的精度よく折曲げることができる。
【0006】ところで、縦罫線51、52、53、54
の形成位置は、中芯2aの隣接する山の2等分位置に設
けられることはきわめて希であり、その2等分位置より
左右に片寄った位置に設けられることが多い。この場
合、縦罫線51、52、53、54を対称線とする左右
部分での形状は非対称となるため、左右部分での強度が
相違する。このため、縦罫線51、53に沿って段ボー
ル紙を折曲げた場合、その折曲げ位置は強度の弱い方に
片寄りが生じて精度よく折曲げることができず、図10
(I)に示すように、上下の幅寸法が相違する段ボール
箱B1 が形成されたり、あるいは図10(II)に示すよ
うに、ジョイントフラップ4の接着代に過不足のある段
ボール箱B2 が形成され、寸法精度の高い段ボール箱を
形成することができない。
【0007】段ボール紙A0 に縦罫線を入れる罫入れ装
置として、罫線刃の両側に沿って帯状部材を設け、上記
罫線刃の押し込みによる罫入れ時に、上記帯状部材によ
って罫入れ部の両側部分を押し潰すようにしたものが従
来から知られている。
【0008】しかし、上記罫入れ装置においては、帯状
部材の平坦な表面全体で段ボール紙を押し込むため、罫
線刃による罫入れ位置の両側部分を完全に押し潰すこと
ができず、この場合にも、罫入れ部の両側部の強度が相
違し、寸法精度の高い段ボール箱を形成することはでき
ない。
【0009】上記のような問題点を解決するため、特開
平9−70905号に記載された発明においては、段ボ
ール紙に形成される罫線を本線部と、その本線部に沿っ
て設けられた隣接部とで形成し、上記本線部と隣接部の
それぞれを折曲げ時に内側となる面からの押し潰しによ
って形成している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本線部と隣
接部とから罫線においては、上記隣接部が本線部に対し
て直交し、本線部の長さ方向に所要の間隔をおいて設け
られているため、隣接部での折曲げ強度と、隣接部間で
の折曲げ強度とに差が生じ、長さ方向の強度は不均一で
ある。このため、本線部が中芯の隣接する山の2等分位
置から左右にずれが生じている場合に、隣接部間の強度
は本線部の両側において異なり、フォルダグルアによっ
て本線部を端から順に折曲げていく場合に、折曲げ位置
が強度の弱い部分に移行していくことが考えられ、寸法
精度の高い段ボール箱を形成するうえにおいて改善すべ
き点が残されている。
【0011】この発明の課題は、きわめて高精度に折曲
げることができる罫線および罫入れ装置を提供すること
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明に係る罫線においては、段ボール紙の折
曲げ時に内側となる面からの押し潰しによって形成され
た直線状の折曲げ基線部と、折曲げ時に内側となる面か
らの押し潰しによって上記折曲げ基線部の両側に沿って
所要の間隔をおいて設けられた傾斜状の一対の補助線部
とから成り、上記折曲げ基線部の両側の補助線部を逆向
きに傾斜させた構成を採用している。
【0013】ここで、折曲げ基線部の両側に設けられた
補助線部の外端間の長さは、段ボール紙の波状中芯にお
ける山のピッチ以上として、折曲げ基線部の両側に位置
する中芯の山が上記補助線部によって確実に押し潰され
るようにしておく。
【0014】上記補助線部の外端間の長さは、好ましく
は上記山のピッチの2倍以上として、折曲げ基線部が山
の頂部と対応する位置に設けられた場合に、その両側の
山が補助線部で押し潰されるようにしておくのが好まし
い。
【0015】また、補助線部は、隣接する補助線部にオ
ーバーラップさせて、補助線部により折曲げ基線部の両
側部が全長にわたって略均一に押し潰されるようにして
おくのがよい。
【0016】この発明に係る罫入れ装置においては、平
板状のアンビルに対して相対的に移動されるダイボード
に直線状の罫線刃と、その罫線刃の両側に沿って長く延
びる帯状部材とを取付け、上記アンビルとダイボードと
を相対的に移動させ、両部材間に供給された段ボール紙
を上記罫線刃によって罫入れしつつ上記帯状部材によっ
てその罫入れ部の両側を押し潰すようにした段ボール紙
の罫入れ装置において、前記帯状部材の表面側に前記罫
線刃に対して傾斜する突条を帯状部材の長さ方向に所要
の間隔をおいて設け、一対の帯状部材に形成された上記
突条を互に逆向きに傾斜させた構成を採用している。
【0017】上記帯状部材は、コルクや合成ゴム、ある
いはその混合物から成る弾性を有するものであってもよ
い。
【0018】また、前記アンビルに、逆罫入れ用の直線
状の膨出条を表面に有する帯板を、その膨出条が前記罫
線刃と対向するように取付けてもよい。
【0019】さらに、この発明に係る罫入れ装置におい
ては、アンビルシリンダに対向して設けられたダイシリ
ンダに円筒状のダイボードを取付け、そのダイボードに
取付けられた帯状の罫入れ部材にダイボードの周方向に
延びる罫入れ用の突刃と、その両側に押し潰し用の一対
の段部とを設け、上記アンビルとダイシリンダを逆回転
し、その間に送り込まれてくる段ボール紙を上記突刃に
よって罫入れすると共にその両側部を段部で押し潰すよ
うにした罫入れ装置において、前記罫入れ部材における
一対の段部表面側に、前記突刃に対して傾斜する突条を
罫入れ部材の長さ方向に所要の間隔をおいて設け、一対
の段部における突条を逆向きに傾斜させた構成を採用し
ている。
【0020】
【発明の実施の形態】以上、この発明の実施の形態を図
1乃至図7に基づいて説明する。
【0021】図1および図2に示すように、段ボール紙
1は、波状の中芯2と、その表裏に接着されたライナー
3とから成り、その段ボール紙1に折曲げ用の罫線10
が設けられている。
【0022】罫線10は折曲げ基線部11と、その両側
に沿って所要の間隔をおいて設けられた一対の補助線部
12a、12bとから成る。折曲げ基線部11および補
助線部12は、折曲げ時に内側となる面からの押し潰し
によって形成され、上記折曲げ基線部11が中芯2に形
成された山2aの長さ方向に延びている。
【0023】補助線部12a、12bは、上記折曲げ基
線部11に対して傾斜し、一対の補助線部12a、12
bは互に逆向きに傾斜している。また、補助線部12
a、12bは隣接する補助線部に対してオーバーラップ
している。L0 はオーバーラップ量を示す。
【0024】一対の補助線部12a、12bの外端間の
長さL1 は、中芯2の山2aのピッチP以上とされてい
る。このため、折曲げ基線部11が隣接する山2aの2
等位置からずれている場合でも、一対の補助線部12
a、12bによって折曲げ基線部11の隣接する山2a
が押し潰される。ここで、補助線部12a、12bの深
さは折曲げ基線部11と同一深さであってもよく、それ
より浅くてもよい。また、一対の補助線部12a、12
bは図示のように折曲げ基線部11を対称線として左右
対称に設けてもよく、左側の補助線部12aと右側の補
助線部12bとを折曲げ基線部11の長さ方向に位置を
ずらして形成してもよい。
【0025】折曲げ基線部11および補助線部12a、
12bの幅寸法や深さ、補助線部12a、12bのピッ
チおよび傾斜角は、段ボール紙1の種類に応じて適宜に
決定する。
【0026】上記のように、折曲げ基線部11の両側に
沿って相対的に逆向きに傾斜する補助線部12a、12
bを所要の間隔をおいて設けたことにより、折曲げ基線
部11の強度は補助線部12a、12bの形成部位にお
ける強度より弱いため、段ボール紙1を折曲げ基線部1
1に沿って折曲げることにより、段ボール紙1は上記折
曲げ基線部11を折れ筋として折曲げられる。
【0027】段ボール紙1の折曲げが進むと、図2(I
I)に示すように、折曲げ基線部11の両側部が互に干
渉し始める。
【0028】このとき、折曲げ基線部11の両側部にお
ける中芯2の山2aは、補助線部12a、12bによっ
て押し潰されて強度的に弱く、その補助線部12a、1
2bは、隣接する補助線部12a、12bに対して折曲
げ基線部11の長さ方向にオーバーラップしているた
め、折曲げ基線部11の両側部の強度は長さ方向におい
て略平均化し、かつ両側部の強度は略同じ大きさとされ
る。
【0029】このため、折曲げが進み、折曲げ基線部1
1の両側部が互に緩衝し始めても、その緩衝部の強度は
弱いため、容易に折曲げることができると共に、両側緩
衝部の強度が略同じであるため、折れ筋にずれが生じる
のを防止することができ、図2(III )に示すように、
折曲げ基線11に沿ってきわめて高精度に折曲げること
ができる。
【0030】上記段ボール紙1をフォルダグルアに供給
し、その段ボール紙1を図1の矢印方向に移送させつ
つ、折曲げ基線部11をその移送方向の先端から順に折
曲げる場合、一対の補助線部12a、12bは相反する
方向に傾斜しているため、折曲げ時の応力は補助線部1
2a、12bと折曲げ基線部11の交差部に集中し、上
記折曲げ基線部11に沿ってきわめて高精度に折曲げる
ことができる。
【0031】図3に示すように段ボール紙1の折曲げ時
に外側となる面に折曲げ基線部11に対向して逆罫線1
3を設けておくと、その逆罫線13と折曲げ基線部11
との間の強度はさらに弱くなるため、上記折曲げ基線部
11に沿ってより高精度に折曲げることができる。
【0032】図4(I)は、罫入れ装置の実施の形態を
示す。この罫入れ装置は、平板状のアンビル20と、そ
のアンビル20に対向配置されたダイプレート21とを
有し、アンビル20とダイプレート21とは相対的に移
動されるようになっている。
【0033】ダイプレート21の下面にはダイボード2
2が取付けられ、そのダイボード22に帯状の罫線刃2
3が植え込まれている。
【0034】罫線刃23の刃先部23aはダイボード2
2の下面より下方に突出し、その突出部の両側に沿って
帯状部材24a、24bが取付けられている。
【0035】図5(I)、(II)に示すように、帯状部
材24a、24bは、ゴム、コルクあるいはその両者の
混合物等を素材とする弾性体から成り、その表面は傾斜
面25とされている。傾斜面25にはその長さ方向に所
要の間隔をおいて傾斜溝26が形成され、隣接する傾斜
溝26間に傾斜状の突条27が設けられている。
【0036】突条27は、隣接する突条27と帯状部材
24a、24bの長さ方向にオーバーラップしている。
また、突条27は、他方の帯状部材に形成された突条2
7に対して逆向きに傾斜している。ここで、罫線刃23
の両側の突条27は、上記罫線刃23を対称線として左
右対称に設けてもよく、罫線刃23の長さ方向に位置を
ずらして形成してもよい。
【0037】いま、アンビル20上に段ボール紙1を供
給した状態において、そのアンビル20とダイプレート
21を相対的に接近する方向に移動させることにより、
図4(II)に示すように、段ボール紙1は罫線刃23に
よって押し潰されて筋状に罫入れされる。また、罫入れ
部の両側は帯状部材24a、24bにより押し潰される
と共に、突条27によって傾斜状の押し潰し溝が入れら
れ、図4(II)に示すように、折曲げ基線部11と補助
罫線部12a、12bとが設けられている。
【0038】図6(I)は、罫入れ装置の他の例を示
す。この罫入れ装置は、ダイプレート21に取付けられ
たダイボード22に罫線刃23と、金属から成る一対の
帯状部材30、30とを植込み、各押し潰し部材30、
30と罫線刃23との間にスペーサ31を圧入してい
る。
【0039】また、図6(II)に示すように、帯状部材
30に円弧状端面32を形成し、その円弧状端面32の
長さ方向に所要の間隔をおいて傾斜溝33を形成し、隣
接する傾斜溝33間に傾斜状の突条34を設けている。
【0040】ここで、突条34は隣接する突条34に対
して帯状部材30の長さ方向においてオーバーラップし
ており、その突条34は他方の帯状部材30に形成され
た突条34に対して逆向きに傾斜している。一対の突条
34は、罫線刃23を対称線として左右対称に設けても
よく、罫線刃23の長さ方向に位置をずらして形成して
もよい。
【0041】さらに、アンビル20には上記罫線刃23
と対向する位置に合成樹脂から成る帯板35を、その背
面に設けられた接着剤層36を介して取付け、上記帯板
35の表面に、上記罫線刃23と対向して直線状の膨出
条37を設けている。
【0042】上記罫入れ装置において、アンビル20上
に段ボール紙1を供給して、そのアンビル20とダイプ
レート21を相対的に接近する方向に移動させることに
より、段ボール紙1の表面側は罫線刃23と帯状部材3
0とで押し潰され、裏面側は膨出条37で押し潰され、
図3に示す段ボール紙1が形成される。
【0043】図7(I)は、罫入れ装置のさらに他の実
施の形態を示す。この罫入れ装置は、アンビルシリンダ
40と、その上方に配置されたダイシリンダ41とを有
し、上記ダイシリンダ41の外周に取付けられたダイボ
ード42に合成樹脂から成る帯状の罫入れ部材43を接
着等の手段を介して取付けている。
【0044】罫入れ部材43には、図7(II)に示すよ
うに、幅方向の中央に罫入れ用の突刃44と、その突刃
44の両側に押し潰し用の一対の段部45とが設けら
れ、各段部45の表面長さ方向に所要の間隔をおいて傾
斜溝46が形成され、隣接する傾斜溝46間に突刃44
に対して傾斜する突条47が設けられている。
【0045】突条47は隣接する突条47に対して段部
45の長さ方向にオーバーラップしており、その突条4
7は他方の段部45に形成された突条47に対して逆向
きに傾斜している。
【0046】上記の構成から成る罫入れ装置において、
アンビルシリンダ40およびダイシリンダ41を矢印方
向に回転し、その両シリンダ40、41間に段ボール紙
1を送り込むことにより、段ボール紙1は罫入れされ、
図1に示す段ボール紙1が形成される。
【0047】なお、図4、図6および図7に示す実施の
形態において、実際にはダイボード22、42には打抜
き刃が取付けられ、その打抜き刃によって段ボール紙1
は所定の形状に打抜かれると同時に罫入れが施される。
【0048】
【発明の効果】以上のように、この発明においては、折
曲げ基線部の両側に逆向きに傾斜する一対の補助線部を
設けたことにより、折曲げ基線部を折れ筋として段ボー
ル紙を折り曲げるとき、折曲げ応力は一対の補助線部と
折曲げ基線部の交差部に集中し、上記折り曲げ基線に沿
って精度よく折曲げることができる。
【0049】また、一対の補助線部の外端間の長さを段
ボール紙の中芯に形成された山のピッチ以上としたこと
により、折曲げ基線部の位置が中芯の隣接する山の2等
分位置よりずれがある場合でも、補助線部のそれぞれは
折曲げ基線部の両側の山を完全に押し潰して強度を弱
め、しかも、補助線部は隣接する補助線部に対して折曲
げ基線の長さ方向にオーバーラップしているため、補助
線部が入れた部分の強度は全長にわたって略均一化さ
れ、折曲げ基線部の両側部の強度の同一化を図ることが
できる。
【0050】このため、折曲げ基線部に沿う折曲げによ
って、その基線部の両側部分が互に干渉しても、両側部
分の強度は略同一であるため、折れ筋にずれが生じるこ
とが少なく、折曲げ基線部に沿ってきわめて高精度に折
曲げることができる。
【0051】さらに、ダイボードに取付けた罫線刃の両
側に押し潰し部材を設け、各押し潰し部材に傾斜状の突
条を設けたことによって、折曲げ基線部と、その両側に
傾斜状の補助線部とから成る罫線を段ボール紙に対して
簡単に形成することができる。
【0052】また、ダイシリンダに取付けられるダイボ
ードに罫入れ部材を取付け、その罫入れ部材に設けた一
対の段部表面に傾斜状の突条を設けたことにより、上記
と同様に折曲げ基線部と補助線部とから成る罫線を段ボ
ール紙に対して簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る罫線を施した段ボール紙の正面
【図2】(I)は図1の拡大断面図、(II)は折曲げの
途中を示す断面図、(III )は完全な折曲げ状態を示す
断面図
【図3】逆罫線を施した段ボール紙の断面図
【図4】(I)はこの発明に係る罫入れ装置の実施の形
態を示す断面図、(II)は罫入れ状態を示す断面図
【図5】(I)は同上のダイボードを示す斜視図、(I
I)は押し潰し部材を示す斜視図
【図6】(I)は罫入れ装置の他の実施の形態を示す断
面図、(II)は(I)のダイボードの一部を示す斜視図
【図7】(I)は罫入れ装置のさらに他の実施の形態を
示す断面図、(II)は押し潰し部材の斜視図
【図8】(I)、(II)、(III )に段ボール箱の形成
過程を段階的に示す正面図
【図9】ブランクの断面図
【図10】(I)、(II)は不良の段ボール箱を示す正
面図
【符号の説明】
11 折曲げ基線部 12a、12b 補助線部 20 アンビル 22 ダイボード 23 罫線刃 24a、24b 帯状部材 27 突条 35 帯板 40 アンビルシリンダ 41 ダイシリンダ 42 ダイボード 43 罫入れ部材 44 突刃 45 段部 47 突条
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本線部と隣
接部とからなる罫線においては、上記隣接部が本線部に
対して直交し、本線部の長さ方向に所要の間隔をおいて
設けられているため、隣接部での折曲げ強度と、隣接部
間での折曲げ強度とに差が生じ、長さ方向の強度は不均
一である。このため、本線部が中芯の隣接する山の2等
分位置から左右にずれが生じている場合に、隣接部間の
強度は本線部の両側において異なり、フォルダグルアに
よって本線部を端から順に折曲げていく場合に、折曲げ
位置が強度の弱い部分に移行していくことが考えられ、
寸法精度の高い段ボール箱を形成するうえにおいて改善
すべき点が残されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【発明の実施の形態】以、この発明の実施の形態を図
1乃至図7に基づいて説明する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 段ボール紙の折曲げ時に内側となる面か
    らの押し潰しによって形成された直線状の折曲げ基線部
    と、折曲げ時に内側となる面からの押し潰しによって上
    記折曲げ基線部の両側に沿って所要の間隔をおいて設け
    られた傾斜状の一対の補助線部とから成り、上記折曲げ
    基線部の両側の補助線部を逆向きに傾斜させた段ボール
    紙の折曲げ用罫線。
  2. 【請求項2】 前記折曲げ基線部の両側に設けられた補
    助線部の外端間の長さを、段ボール紙の波状中芯におけ
    る山のピッチ以上とした請求項1に記載の段ボール紙の
    折曲げ用罫線。
  3. 【請求項3】 前記補助線部を隣接する補助線部に対し
    前記折曲げ基線部の長さ方向にオーバーラップさせた請
    求項1又は2に記載の段ボール紙の折曲げ用罫線。
  4. 【請求項4】 平板状のアンビルに対して相対的に移動
    されるダイボードに直線状の罫線刃と、その罫線刃の両
    側に沿って長く延びる帯状部材とを取付け、上記アンビ
    ルとダイボードとを相対的に移動させ、両部材間に供給
    された段ボール紙を上記罫線刃によって罫入れしつつ上
    記帯状部材によってその罫入れ部の両側を押し潰すよう
    にした段ボール紙の罫入れ装置において、前記帯状部材
    の表面側に前記罫線刃に対して傾斜する突条を帯状部材
    の長さ方向に所要の間隔をおいて設け、一対の帯状部材
    に形成された上記突条を互に逆向きに傾斜させたことを
    特徴とする段ボール紙の罫入れ装置。
  5. 【請求項5】 前記帯状部材が弾性体から成ることを特
    徴とする請求項4に記載の段ボール紙の罫入れ装置。
  6. 【請求項6】 前記アンビルに、逆罫入れ用の直線状の
    膨出条を表面に有する帯板を、その膨出条が前記罫線刃
    と対向するように取付けたことを特徴とする請求項4又
    は5に記載の段ボール紙の罫入れ装置。
  7. 【請求項7】 アンビルシリンダに対向して設けられた
    ダイシリンダに円筒状のダイボードを取付け、そのダイ
    ボードに取付けられた帯状の罫入れ部材にダイボードの
    周方向に延びる罫入れ用の突刃と、その両側に押し潰し
    用の一対の段部とを設け、上記アンビルとダイシリンダ
    を逆回転し、その間に送り込まれてくる段ボール紙を上
    記突刃によって罫入れすると共にその両側部を段部で押
    し潰すようにした罫入れ装置において、前記罫入れ部材
    における一対の段部表面側に、前記突刃に対して傾斜す
    る突条を罫入れ部材の長さ方向に所要の間隔をおいて設
    け、一対の段部における突条を逆向きに傾斜させたこと
    を特徴とする段ボール紙の罫入れ装置。
  8. 【請求項8】 前記一対の突条の外端間の長さを段ボー
    ル紙の中芯に形成された山のピッチ以上としたことを特
    徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の段ボール紙
    の罫入れ装置。
  9. 【請求項9】 前記突条を、隣接する突条に対してオー
    バーラップさせたことを特徴とする請求項4乃至8のい
    ずれかに記載の段ボール紙の罫入れ装置。
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