JP3041886U - 打抜型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば段ボールシートのような紙器組立用板
材に正確な折り目を形成する罫押し刃を備える打抜型を
提供する。 【解決手段】 罫押し刃３の高さを切刃２の高さから圧
縮された段ボールシート５の厚み５ａと、カッティング
シート７上で、かつ前記罫押し刃３に対向する位置にに
設けられる受け部６の厚み６ａとを差し引いた高さとす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、例えば段ボールシート上に折り目となる正確な罫線および所定の形 状に裁断する切抜線を形成する打抜型に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、段ボール製の包装容器等の製凾に際しては、段ボール製板材としてのブ ランクを打抜型の切刃で所定の形状に裁断するとともに、罫押し刃によりそのブ ランクに折曲げ部もしくは畳込部となる罫線を形成し、これら罫線に沿って折曲 げもしくは畳込みを行って所定部を糊付けすることにより凾体を形成するように されている。この場合、ブランク上に正確でかつ折曲げに有用な罫線を圧刻する ために、罫押し刃と共働してブランク上に罫線を形成するテープ状の罫線形成体 が受け型の盤面上に貼着される。

【０００３】 従来の打抜型１００により、切抜線および罫線が形成される状態図が図２（ａ ）に示されている。この従来の打抜型１００は、切刃１０１および罫押し刃１０ ２を有し、これら切刃１０１および罫押し刃１０２のそれぞれの上端部がベニヤ 板にて形成される上型１０３に装着されるように構成されている。また、切抜線 および罫線が形成される段ボールシート１０４はカッティングプレート１０５上 に設置されている。こうして、前記カッティングプレート１０５が上型１０３側 に移動して、段ボールシート１０４上に切刃１０１および罫押し刃１０２が押し つけられて切抜線および罫線が形成される。

【０００４】 ここで、罫押し刃１０２の高さは、切刃１０１の高さから段ボールシート１０ ４を圧縮したときの厚み（もしくは、一枚のボール紙の厚み）を差し引いた高さ を標準としている。例えば、切刃１０１の高さが２３．６ｍｍであり、段ボール シート１０４を圧縮したときの厚みが０．８ｍｍの場合、罫押し刃１０２の高さ は２２．８ｍｍに設定される。

【０００５】 一方、罫線を形成する際に平坦なカッティングプレート上の段ボールシートを 罫押し刃で押しつぶすのでは、段ボールシートの中芯の位置等の影響により折曲 げ位置が不確実になり折曲げ不良が生じるため、カッティングプレート上に貼り つけて、折曲げ位置を正確にするテープが種々考案されている。例えば、特願平 ９−５９２０４号においては罫押し刃と略同幅の凸状の受け部を有するような形 状のテープが提案されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述のような形状のテープを用いて段ボールシートに罫線を形 成する場合、罫押し刃の高さをテープを用いない場合と同じ高さに設定すると、 テープの厚みが考慮されていないため、罫押し刃とテープとの間隔が狭くなる。 このため、段ボールシートが強く挟まれて、その段ボールシートの罫線位置の両 面に切れが生じてしまうという問題点がある。

【０００７】 また、従来の打抜型１００により切抜線および罫線が形成された段ボールシー ト１０４は、その段ボールシート１０４の平面図を示す図２（ｂ）に見られるよ うに、段ボールシート１０４の上型１０３側のライナー１０４ａが罫押し刃１０ ２により強く引っ張られるため、罫線付近に罫線割れ１０６が生じるという問題 点もある。

【０００８】 本考案は、このような問題点を解消するためになされたもので、例えば段ボー ルシートのような紙器組立用板材に正確な折り目を形成する罫押し刃を備える打 抜型を提供することを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段および作用・効果】

本考案による罫線形成体は、前記目的を達成するために、下型盤面と共働して 所定の形状に裁断する切抜線を紙器組立用板材に形成する切刃と、前記下型盤面 上に備えられる罫線形成体と共働して所要角度に折り曲げる罫線を紙器組立用板 材に形成する罫押し刃とを有する打抜型において、 前記罫押し刃の高さが、前記切刃の高さから圧縮後の紙器組立用板材の厚みと罫 線形成体の厚みとを差し引いた高さであることを特徴とするものである。

【００１０】 本考案においては、罫押し刃の高さが従来から用いられている罫押し刃の高さ （切刃の高さから圧縮された紙器組立用板材の厚みが差し引かれた高さ）より、 罫線形成体の厚み分低くされている。このような打抜型を用いて、例えば段ボー ルシートのような紙器組立用板材には、罫押し刃と下型盤面上に設けられている 罫線形成体とに挟まれて罫線が形成されるとともに、切刃と下型盤面とに挟まれ て切抜線が形成される。

【００１１】 このように、切刃と下型盤面とにより紙器組立用板材に切抜線が形成される際 に、罫押し刃と罫線形成体との間には、圧縮された紙器組立用板材の厚み分が確 保されている。したがって、罫線を形成する際に圧力をかけすぎることがなくな るため、紙器組立用板材の罫線位置に切れ等の損傷が生じるのを防止することが できる。また、形成される罫線位置付近に発生する割れも防止することができる 。

【００１２】

【考案の実施の形態】

次に、本考案による打抜型の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ 説明する。

【００１３】 図１（ａ）には、本考案の一実施例に係る打抜型の断面図が示されており、図 １（ｂ）には、本実施例の打抜型により段ボールシート上に罫線および切抜線を 形成する状態図が示されている。

【００１４】 本実施例の打抜型１においては、切抜線を形成する切刃２および罫線を形成す る罫押し刃３のそれぞれの上端部がベニヤ板にて形成される上型４に装着されて いる。前記罫押し刃３の高さは、切刃２の高さから段ボールシート５が圧縮され た時の厚み５ａと凸状の受け部（罫線形成体）６（図１（ｂ）参照）の厚み６ａ とを差し引いた高さに設定されている。

【００１５】 一方、打抜型１に対向する位置にはカッティングプレート（下型盤面）７が設 けられ、このカッティングプレート７上の罫押し刃３に対向する位置には、前記 受け部６が貼着されている。このカッティングプレート７上および前記受け部６ 上には、切抜線８および罫線９が形成される段ボールシート５が設置されている 。

【００１６】 前述のように構成されている打抜型１側に前記カッティングプレート７を移動 させることにより、段ボールシート５が切刃２とカッティングプレート７との間 に挟まれて切抜線８が形成され、罫押し刃３と受け部６との間に挟まれて罫線９ が形成される。

【００１７】 このように、罫押し刃３の高さが受け部６の厚みを考慮して設定されているた め、罫線９を形成する際の罫押し刃３と受け部６との間には、圧縮された段ボー ルシート５の厚み５ａが確保されている。このため、折曲げ位置を正確にする受 け部６を備えて罫線９を形成する場合に発生する段ボールシート５の罫線９の位 置に発生する切れや罫線９の位置付近に発生する割れ（罫線割れ）の損傷を防止 することができる。したがって、段ボールシート５上に切れや罫線割れを生じさ せず、かつ折曲げ精度の良い罫線を形成することができる。

【００１８】 本実施例において、例えば凸状の受け部６の厚みが０．８ｍｍ，圧縮された段 ボールシートの厚みが０．８ｍｍ，切刃の高さが２３．６ｍｍである場合、罫押 し刃の高さは２２．０ｍｍに設定される。ただし、これらの数値に限定されるも のではない。

【００１９】 本実施例において、受け部６は罫押し刃と略同幅の凸状の受け部とされている が、これに限られず、例えば、罫押し刃より幅の広い凸状の受け部等厚みを有す る受け部であればよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（ａ）は、本考案の一実施例に係る打抜型
の断面図であり、図１（ｂ）は、本実施例の打抜型によ
り段ボールシート上に罫線および切抜線を形成する状態
図である。

【図２】図２（ａ）は、従来の打抜型により切抜線およ
び罫線が形成される状態図であり、図２（ｂ）は、切抜
線および罫線が形成された段ボールシートの平面図であ
る。

【符号の説明】

１ 打抜型 ２ 切刃 ３ 罫押し刃 ４ 上型 ５ 段ボールシート ６ 受け部 ７ カッティングプレート ８ 切抜線 ９ 罫線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下型盤面と共働して所定の形状に裁断す
   る切抜線を紙器組立用板材に形成する切刃と、前記下型
   盤面上に備えられる罫線形成体と共働して所要角度に折
   り曲げる罫線を前記紙器組立用板材に形成する罫押し刃
   とを有する打抜型において、前記罫押し刃の高さが、前
   記切刃の高さから圧縮後の紙器組立用板材の厚みと罫線
   形成体の厚みとを差し引いた高さであることを特徴とす
   る打抜型。