JPH1089799A - 温・冷熱生成ケミカルヒートポンプ - Google Patents

温・冷熱生成ケミカルヒートポンプ

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JPH1089799A
JPH1089799A JP24236196A JP24236196A JPH1089799A JP H1089799 A JPH1089799 A JP H1089799A JP 24236196 A JP24236196 A JP 24236196A JP 24236196 A JP24236196 A JP 24236196A JP H1089799 A JPH1089799 A JP H1089799A
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裕直 小倉
Yasushi Kanamaru
靖 金丸
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Kyushu Electric Power Co Inc
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Kyushu Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温・冷熱を反応器及び蒸発・凝縮器外部に出
力することができるCaO/Ca(OH)2系の温・冷
熱生成ケミカルヒートポンプを提供するものである。 【解決手段】 CaOを充填した反応器1と水を蒸発又
は凝縮させる蒸発・凝縮器2がジョイントバルブ3を有
するパイプ4で連結されたCaO/Ca(OH)2系ケ
ミカルヒートポンプにおいて、反応器1内に充填された
CaOと蒸発・凝縮器2で蒸発したH2Oが水和反応す
る際に発生する温熱と蒸発・凝縮器2内のH2Oが蒸発
する際に発生する冷熱とを外部へ連続的に取り出す熱交
換器9,13を反応器1及び蒸発・凝縮器2内にそれぞ
れ設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CaOとH2Oが
反応する際に発生する温熱を給湯又は暖房用に利用する
とともに、冷熱を冷凍又は冷房に利用することができる
CaO/Ca(OH)2系の温・冷熱生成ケミカルヒー
トポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】図6はCaO/Ca(OH)2系のケミ
カルヒートポンプの概念図で、ケミカルヒートポンプ
は、反応器、蒸発・凝縮器と両者を結ぶパイプにより構
成され、反応器には蓄熱材としてCaOが充填され、蒸
発・凝縮器には反応器内のCaOと反応するに見合う量
のH2Oが充填され、真空に保たれている。
【0003】放熱過程では、バルブを開けると、圧力差
により蒸発・凝縮器中の水からH2Oガスが蒸発し、蒸
発したH2Oガスがパイプを通って反応器へ移動し、反
応器中のCaOと水和反応し、Ca(OH)2が形成さ
れ、高温熱が生成し、蒸発・凝縮器には蒸発潜熱により
冷熱が生成する。
【0004】次に、蓄熱過程は、反応器に熱を加える
と、放熱過程でCaOとH2Oとが反応して生成したC
a(OH)2が脱水されてCaOが再生するとともに、
発生したH2Oガスは、ダクトを通って蒸発・凝縮器へ
移動し凝縮され、凝縮熱により、水となって溜まり、再
び温・冷熱生成前の状態に戻る。
【0005】以上のように、CaO/Ca(OH)2
のケミカルヒートポンプは、Ca(OH)2をCaOと
2Oとに戻す反応と、CaOとH2OとによりCa(O
H)2を生成する水和反応との可逆反応を利用するもの
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のCaO/Ca
(OH)2系のケミカルヒートポンプにおいては、Ca
OとH2Oが反応する際の温・冷熱の生成については、
これまで反応器及び蒸発・凝縮器内部で確認されてきた
が、反応器及び蒸発・凝縮器内部から外部へ温・冷熱を
取り出すことのできるシステムがなく、CaOとH2
が一定速度で反応を続け、さらに、一定温度の温・冷熱
を外部出力することは困難であった。
【0007】本発明は、温・冷熱を反応器及び蒸発・凝
縮器の外部に出力することができるCaO/Ca(O
H)2系の温・冷熱生成ケミカルヒートポンプを提供す
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、CaOを充填
した反応器と水を蒸発又は凝縮させる蒸発・凝縮器がジ
ョイントバルブを有するパイプで連結されたCaO/C
a(OH)2系ケミカルヒートポンプにおいて、反応器
内に充填されたCaOと蒸発・凝縮器で蒸発したH2
が水和反応する際に発生する温熱と蒸発・凝縮器内のH
2Oが蒸発する際に発生する冷熱とを外部へ連続的に取
り出す熱交換器を反応器及び蒸発・凝縮器内にそれぞれ
設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】図lは、本発明の温・冷熱生成ケ
ミカルヒートポンプの1実施例の概略図で、図2は反応
器内のコイル状の熱交換パイプ及び蓄熱用ヒーターを有
する熱交換パイプの配置を示す横断面図である。
【0010】ケミカルヒートポンプは、CaOが充填さ
れた上部の円柱型ステンレス製反応器1と、水を蒸発又
は凝縮するための下部の円柱型ステンレス製蒸発・凝縮
器2とがジョイントバルブ3を有するパイプ4で連結さ
れた縦型密閉系のケミカルヒートポンプである。また、
反応器1と蒸発・凝縮器2とは運転初期に系内を真空に
するため、真空ポンプ5に接続されている。
【0011】なお、反応器1と蒸発・凝縮器2とはグラ
スウール等の断熱材6により断熱されている。
【0012】反応器1内にはコイル状に巻かれた熱交換
パイプ7、及び蓄熱用ヒーター8を有する熱交換パイプ
9が同心円状に設置され(図2参照)、制御弁10と循
環ポンプ11を介して暖房機などの熱利用機器12に連
結され、循環ループを構成しており、制御弁10と循環
ポンプ11により流量を制御し、循環する媒体の温度を
調節する。
【0013】図3は蒸発・凝縮器内のコイル状の熱交換
パイプの1実施例の概略図で、図3−(a)は熱交換パ
イプの正面図、図3−(b)は平面図である。蒸発・凝
縮器2内には反応媒体である水が充填され、熱交換パイ
プ13が設置され、制御弁14と循環ポンプ15を介し
て冷房機などの熱利用機器16に連結され、循環ループ
を構成しており、制御弁14と循環ポンプ15を制御す
ることにより、循環する媒体の温度を制御する。
【0014】反応器に充填するCaOとしては、例え
ば、粒径が0.7〜1.0mmの広島産寒水石(CaC
3)をマッフル炉で5時間焼成して得られたCaO粒
子を用いたが、CaOはこれに限られることなく、各種
のCaOを利用することができる。
【0015】温・冷熱生成ケミカルヒートポンプは、反
応器1と蒸発・凝縮器2とをつなぐバルブ3の開放によ
り、圧力差によって蒸発・凝縮器2内の水が蒸発し、蒸
発したH2Oがパイプ4を通って反応器1へと移動す
る。この際、反応器1内では、CaOの水和反応が起こ
り発熱し、温熱が生成され、一方、蒸発・凝縮器2で
は、水の蒸発潜熱により冷熱が生成される。
【0016】生成された温熱は、熱交換パイプ7によっ
て回収され、外部に取り出され、制御弁10と循環ポン
プ11により媒体の流量を制御して温度調節しながら、
熱利用機器12に利用され、一方生成された冷熱は、熱
交換パイプ13によって回収され、外部に取り出され、
制御弁14と循環ポンプ15により媒体の流量を制御し
て温度調節しながら、熱利用機器16に利用される。
【0017】蓄熱過程においては反応器1に設置された
熱交換パイプ9の蓄熱用ヒーター8によりCa(OH)
2に熱を与え、脱水反応を行う。このとき発生した水は
蒸発・凝縮器2へ移動し、蒸発・凝縮器内の熱交換パイ
プ13により凝縮熱が奪われることにより凝縮する。
【0018】本装置における放熱実験結果の一例を図4
及び図5に示す。
【0019】この場合、反応器に粒子サイズ710〜1
000μmのCaO粒子3.lkg、蒸発・凝縮器に水
2.0リットルがそれぞれ充填され、実験開始前、反応
器は300K、蒸発・凝縮器は290Kの定常状態に保
たれている。
【0020】図4は総括反応率及び生成熱量の経時変化
を示すグラフで、図4において、実線は水和反応率Xt
及び総合生成熱量Qt、一点鎖線は生成中温熱量QM、二
点鎖線は生成冷熱量QLをそれぞれ示している。急激な
初期反応の後、約100分後からは反応速度が小さくな
っていることがわかる。
【0021】600分後での到達反応率は約60%であ
り、生成熱量は約5000kJとなっている。
【0022】図5は本発明の温・冷熱生成ケミカルヒー
トポンプの蒸発・凝縮器内水温TEV、熱交換パイプの入
口温度Tinlet及び出口温度Toutletを示すグラフで、
熱交換媒体として水を使用し、流量は制御弁及び循環ポ
ンプにて平均流量31ml/minとした。図5よりT
EVは初期に急激に低下し、開始後25分で275Kに達
していることが確認される。熱回収は25分後から開始
した。この場合熱交換媒体は約Tinlet=290KがT
outlet=28.0Kとなり回収されている。
【0023】このように本装置は、温熱源だけでなく、
冷熱源としても十分使用可能な低温熱が回収できること
がわかる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、CaO/Ca(OH)
2系のケミカルヒートポンプにおいて、CaOとH2Oと
が反応する際に発生する温熱及び冷熱を反応器及び蒸発
・凝縮器内部から外部へ取り出すことができ、さらに取
り出す場合、CaOとH2Oが一定速度で反応が続けら
れ、一定温度の温冷熱を同時に外部へ連続的に出力する
ことができ、また、温熱は給湯または暖房用に利用で
き、冷熱は冷凍または冷房に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の温・冷熱生成ケミカルヒートポンプ
の1実施例の概略図である。
【図2】 反応器内のコイル状の熱交換パイプ、及び蓄
熱用ヒーターを有する熱交換パイプの配置を示す横断面
図ある。
【図3】 蒸発・凝縮器内のコイル状の熱交換パイプの
1実施例の概略図で、図3−(a)は熱交換パイプの正
面図、図3−(b)は平面図である。
【図4】 本発明の温・冷熱生成ケミカルヒートポンプ
の放熱時の総括反応率及び生成熱量の経時変化を示すグ
ラフである。
【図5】 本発明の温・冷熱生成ケミカルヒートポンプ
の蒸発・凝縮器内水温及び熱交換パイプの出入口温度の
経時変化を示すグラフである。
【図6】温・冷熱生成ケミカルヒートポンプの概念図で
ある。
【符号の説明】
1 反応器 2 蒸発・凝縮器 3 ジョイントバルブ 4 パイプ 5 真空ポンプ 6 断熱材 7 熱交換パイプ 8 蓄熱用ヒーター 9 熱交換パイプ 10 制御弁 11 循環ポンプ 12 熱利用機器 13 熱交換パイプ 14 制御弁 15 循環ポンプ 16 熱利用機器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CaOを充填した反応器と水を蒸発又は
    凝縮させる蒸発・凝縮器がジョイントバルブを有するパ
    イプで連結されたCaO/Ca(OH)2系ケミカルヒ
    ートポンプにおいて、反応器内に充填されたCaOと蒸
    発・凝縮器で蒸発したH2Oが水和反応する際に発生す
    る温熱と蒸発・凝縮器内のH2Oが蒸発する際に発生す
    る冷熱とを外部へ連続的に取り出す熱交換器を反応器及
    び蒸発・凝縮器内にそれぞれ設けたことを特徴とする温
    ・冷熱生成ケミカルヒートポンプ。
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