JP2920018B2 - 燃料電池式発電装置 - Google Patents

燃料電池式発電装置

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JP2920018B2
JP2920018B2 JP4096336A JP9633692A JP2920018B2 JP 2920018 B2 JP2920018 B2 JP 2920018B2 JP 4096336 A JP4096336 A JP 4096336A JP 9633692 A JP9633692 A JP 9633692A JP 2920018 B2 JP2920018 B2 JP 2920018B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は燃料電池の空気極の排
出ガス側および改質器の排出燃焼ガス側に熱回収装置を
取り付けた燃料電池式発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池式発電装置は発電効率か高いと
共に、環境保全性が良好で、かつ、排出ガスの熱利用も
可能であることから、都市部に適合した優れた発電装置
として市場への導入が進められている。例えば都市ガス
を使用した燃料電池式発電装置では、都市ガスを水素を
主成分とする改質ガスに変換する改質器や、改質ガス中
の水素と空気中の酸素とを反応させて直流電力を取り出
す燃料電池等を有しているが、この場合、改質器はその
内部温度が例えば800℃に保持され、燃料電池はその
内部温度が例えば200℃に保持されて反応の促進が図
られている。したがって、改質器および燃料電池から排
出される排出ガスは高温で大きな熱エネルギーを有して
おり、熱交換器等を介してその熱が種々に回収され、利
用されている。
【0003】図5は例えばエネルギー・資源学会第9回
研究発表会講演論文集(3ー1ホテルプラザ・オンサイ
ト型燃料電池の運転研究P67〜P69)にて報告され
た従来の熱回収装置付き燃料電池式発電装置を示してい
る。
【0004】図において、1は燃料極1a、空気極1b
および冷却器1cを積層して構成され、電気化学反応に
より電力を取り出す燃料電池、2は燃焼部2aとこの燃
焼部2aによって加熱される反応部2bとを有する改質
器、3は改質器2の燃焼部2aおよび燃料電池1の空気
極1bにそれぞれ空気を供給する空気ブロア、4は改質
器2の燃焼部2aから排出される燃焼排ガスでこの燃焼
部2aに供給する燃焼用空気を予熱する第1の熱交換手
段としての第1空気予熱器、5は燃料電池1の空気極1
bから排出される空気排ガスでこの空気極1bに供給さ
れる空気を予熱する第2の熱交換手段としての第2空気
予熱器、6は空気ブロア3から第1および第2空気予熱
器4,5までの空気供給配管、7および8は予熱空気配
管である。
【0005】9は改質器2の燃焼部2aから排出された
燃焼排ガス用の燃焼排ガス配管、10は燃料電池1の空
気極1bから排出された空気排ガス用の空気排ガス配
管、11は第1空気予熱器4から排出された燃焼排ガス
と第2空気予熱器5から排出された空気排ガスとの混合
したガス(以下混合排ガスという)を流す混合排ガス配
管、12は混合排ガスの有する熱を温水として回収する
第3の熱交換手段としての温水器、13は混合排ガスの
大気放出配管、14は温水器12にて凝縮した混合排ガ
ス中の凝縮水回収用の配管、15は温水器12へ水を供
給する水供給配管、16は温水器12から温水を取り出
す温水配管、17は温水配管16にて供給される温水を
利用する熱利用設備、18は温水器12にて回収した混
合排ガス中の水を処理してこの水を発電装置の必要箇所
に供給する水処理装置である。
【0006】つぎにこの燃料電池式発電装置の動作を説
明する。改質器2の燃焼部2aでは第1空気予熱器4に
て予熱された空気ブロア3からの空気が供給されること
により所定の燃料が燃焼され、この燃焼によって、反応
部2bの温度が改質に適した所定温度に保持されてい
る。そしてこの燃焼部2aから排出される例えばその温
度が500℃の燃焼ガスは燃焼排ガス配管9を通って第
1空気予熱器4に送られて、例えばその温度が300℃
になるまで熱が回収される。なお、反応部2bにおいて
都市ガス等から作られた所定の改質ガスは所定の処理が
なされた後、燃料電池1の燃料極1aに供給される。
【0007】また、燃料電池1の空気極1bには第2空
気予熱器5にて予熱された空気ブロア3からの空気が供
給され、この空気中の酸素と燃料極1a中の改質ガスと
の電気化学反応によりこの燃料電池1から電力が取り出
されると共に、空気極1b側には水が生成される。そし
て空気極1bから排出された一部酸素が消費された空気
と生成水(スチーム)とからなる例えばその温度が20
0℃の空気排ガスは空気排ガス配管10を通って第2空
気予熱器5に送られて、例えばその温度が90℃になる
まで熱が回収される。そして燃焼排ガスと空気排ガスと
は混合排ガス配管11内に集められて約160℃の混合
排ガスとなる。なお、この混合排ガス中には改質器2の
燃焼部2aでの燃焼反応と燃料電池1での電気化学反応
とによって生成された約30%のスチームを含んでい
る。
【0008】そして上記混合排ガスは混合排ガス配管1
1を通って温水器12に送られて温水側に熱が回収さ
れ、大気放出配管13から外部に放出されると共に、混
合排ガス中のスチームは凝縮され水処理装置18側に回
収される。ここで、混合排ガスの温度を下げれば下げる
ほど混合排ガスから回収できる熱量および凝縮水の量を
増加させることができるが、この場合、熱利用設備17
との関係上、混合排ガスの温水器12出口温度は約50
℃(約12%のスチームを含有)まで下げられ、外部か
ら水を補給することなく、水処理装置18で回収した水
のみを使用してこの燃料電池式発電装置の運転ができる
ようになっている。なお、水供給配管15により温水器
12に供給される給水温度は約25℃であり、温水器1
2から温水配管16側に取り出される温水温度は約70
℃となる。そしてこの約70℃の温水が熱利用設備17
において給湯用等の熱源として利用される。
【0009】一方、このような燃料電池式発電装置にお
いては混合排ガスからの回収熱を利用して熱利用設備1
7の吸収式冷凍装置等を作動させ装置内の空調(冷房)
を行なうことが望まれる。この場合、吸収式冷凍装置等
では80℃〜90℃以上の熱源が要求されるため、前記
混合排ガスにより80℃で供給された温水を90℃以上
に加熱する必要が生じる。なお、吸収式冷凍装置は、例
えば、アンモニア蒸気を冷却しつつこれをアンモニア水
に吸収させる吸収器と、このアンモニア水を加圧するポ
ンプと、加圧されたアンモニア水を加熱して高圧のアン
モニアガスを発生させる発生器と、このアンモニアガス
を冷却してアンモニア液として凝縮させる凝縮器と、ア
ンモニア液の膨張弁と、アンモニア液を蒸発させこのア
ンモニア液に冷凍効果を発揮させる蒸発器等とから構成
されるもので、例えば吸収器の加熱用熱源として混合排
ガスからの回収熱が利用される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
燃料電池式発電装置の混合排ガス配管11中に吸収式冷
凍装置等の熱源となる熱回収装置を設けると、この熱回
収装置出口の混合排ガス温度が上昇し、この混合排ガス
から充分に熱回収ができないという課題があった。この
ため、混合排ガスから充分に凝縮水を回収できず、装置
内に補給水が必要になってくると共に、大気放出配管1
3から放出される混合排ガスが大気に触れて白煙を生じ
させるという課題があった。また、この白煙を防止する
ため例えば冷却塔等の冷却設備を設ければ設備費が上昇
してしまうという課題があった。
【0011】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、混合排ガスの熱回収を充分
になすことができ、かつ、熱利用設備の吸収式冷凍装置
等にも必要な熱量が供給できる燃料電池式発電装置を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係る燃料電池式発電装置は、燃料電池と、前記燃料電池
に改質ガスを供給する改質器と、改質器から排出される
燃焼排ガスから熱を回収する第1の熱交換手段と、燃料
電池の空気極から排出される空気排ガスから熱を回収す
る第2の熱交換手段と、第1および第2の熱交換手段か
ら排出される燃焼排ガスと空気排ガスとの混合排ガスか
ら熱を回収する第3の熱交換手段と、前記第3の熱交換
手段での混合排ガスから生じる凝縮水を処理して回収す
る水処理装置とを有する燃料電池式発電装置において、
第3の熱交換手段を、混合排ガスの高温側に設けられた
高温側熱交換手段と低温側に設けられた低温側熱交換手
段とから構成し、混合排ガスからの熱回収を、高温側熱
交換手段と低温側熱交換手段とにより行わせて、2段階
の温度の熱源として利用できるようにしたものである。
【0013】この発明の第2の発明に係る燃料電池式発
電装置は、第3の熱交換手段を、混合排ガスの高温側に
設けられた高温側熱交換手段と低温側に設けられた低温
側熱交換手段とから構成すると共に、第1の熱交換手段
の燃焼排ガス側に流量調整手段を有するバイパス通路を
設けたものである。
【0014】この発明の第3の発明に係る燃料電池式発
電装置は、第3の熱交換手段を、混合排ガスの高温側に
設けられた高温側熱交換手段と低温側に設けられた低温
側熱交換手段とから構成すると共に、第1の熱交換手段
の燃焼排ガス側および第2の熱交換手段の空気排ガス側
にそれぞれ流量調整手段を有するバイパス通路を設けた
ものである。
【0015】この発明の第4の発明に係る燃料電池式発
電装置は、第1の熱交換手段の燃焼排ガス側に流量調整
手段を有するバイパス通路を設け、改質器の反応部の温
度を検出する温度検出器を設け、かつ、温度検出器の検
出温度により流量調整手段を制御してバイパス通路を流
通する燃焼排ガス流量を調整する制御手段を設けたもの
である。
【0016】
【作用】まず、この発明の第1の発明の作用を説明す
る。第1の熱交換手段により冷却された改質器から排出
される燃焼排ガスと、第2の熱交換手段により冷却され
た燃料電池の空気極から排出される空気排ガスとは、混
合排ガスとして合流される後、第3の熱交換手段により
熱が回収されて冷却される。そして第3の熱交換手段に
おいてはこの混合排ガスから凝縮水が生じるが、この凝
縮水は水処理装置に回収され、装置内で利用される。こ
の場合、凝縮水のみで装置の運転を行なうために混合排
ガスは所定の低温度まで冷却する必要があると共に、第
3の熱交換手段で得られた回収熱で高温の熱源が必要と
される吸収式冷凍装置等を運転する必要がある。
【0017】そこで第3の熱交換手段を高温側熱交換手
段と低温側熱交換手段との2つから構成し、高温側熱交
換手段により高温側の混合排ガスから吸収式冷凍装置等
用の熱源となる高温の熱を回収し、低温側交換手段によ
り低温側の混合排ガスから充分に熱を回収して混合排ガ
スの温度を所定の低温度まで下げ、混合排ガスから必要
な凝縮水を回収し、混合排ガスのもつ熱量を2段階で取
り出すようにした。
【0018】次に、この発明の第2、第3、第4の発明
の作用を説明する。これらの発明では第3の熱交換手段
の高温側熱交換手段にて混合排ガスから一時的に多量の
熱量を得ることができるようにして、吸収式冷凍装置等
の起動時に要求される熱量を確保できるようにした。
【0019】すなわち、第2の発明では、第1の熱交換
手段の燃焼排ガス側のバイパス通路に設けられた流量調
整手段を開き、冷却されない燃焼排ガスを第3の熱交換
手段の高温側交換手段に導入して、混合排ガスの温度を
上げることにより、この高温側熱交換手段により多量の
熱量を得ることができる。また、第3の発明では、第1
の熱交換手段の燃焼排ガス側のバイパス通路に設けられ
た流量調整手段とともに、第2の熱交換手段の空気排ガ
ス側のバイパス通路に設けられた流量調整手段をも開
き、冷却されない燃焼排ガスおよび空気排ガスを第3の
熱交換手段の高温側熱交換手段に導入して、混合排ガス
の温度を上げることにより、この高温側熱交換手段によ
り多量の熱量を得ることができる。
【0020】さらに、第4の発明では、温度検出器の検
出温度に基づいて、制御手段により第1の熱交換手段の
燃焼排ガス側のバイパス通路に設けられた流量調整手段
を開け、燃焼排ガスを第1の熱交換手段を介さずに第3
の熱交換手段の高温側交換手段に導入して、混合排ガス
の温度を上げることにより、高温側熱交換手段により多
量の熱量を得ることができる。なお、流量調整手段を制
御手段により開ける方法としては例えばこの温度検出器
の反応部の温度の設定値を下げてやればよい。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。
【0022】実施例1.図1はこの発明の第1の発明に
係る一実施例を示す燃料電池式発電装置の系統図であ
り、図において図5に示した従来の燃料電池式発電装置
と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を
省略する。
【0023】図において、20は第3の熱交換手段の高
温側熱交換手段として第1温水器であり、混合排ガス配
管11の上流側を流れる高温の混合排ガスを有する熱を
高温温水側に熱回収し、この高温温水を熱利用設備17
に供給するものである。21は第3の熱交換手段の低温
側熱交換手段としての第2温水器であり、混合排ガス配
管11の下流側を流れる低温の混合排ガスが有する熱を
低温温水側に熱回収し、この低温温水を熱利用設備17
に供給するものである。22は第1温水器20に温水を
供給する温水供給配管、23は第1温水器20にて加熱
された温水を高温温水として取り出す高温温水配管、2
4は第2温水器21にて凝縮した混合排ガス中の水の回
収用配管、25は第2温水器21へ水を供給する水供給
配管、26は第2温水器21にて加熱された水を低温温
水として取り出す低温温水配管である。
【0024】つぎに上記燃料電池式発電装置の動作につ
いて説明する。改質器2の燃焼部2aでは第1空気予熱
器4にて予熱された空気が供給されて燃焼が行なわれ、
この燃焼によって、反応部2bの温度が改質に適した所
定温度に保持される。そしてこの燃焼部2aから排出さ
れる燃焼排ガスは第1空気予熱器4により例えば500
℃から300℃まで冷却される。また、燃料電池1の空
気極1bには第2空気予熱器5にて予熱された空気が供
給され、この空気中の酸素と改質器2から供給された燃
料極1a中の改質ガスとにより燃料電池1から電力が取
り出されると共に、空気極1b側には水が生成される。
そして空気極1bから排出される空気排ガスは第2空気
予熱器5により例えば200℃から90℃まで冷却され
る。そして燃焼排ガスと空気排ガスは混合排ガス配管1
1内に集められて約30%のスチームを含む約160℃
の混合排ガスとなる。
【0025】次に上記混合排ガスは第1温水器20に送
られ、この第1温水器20に温水供給配管22を介して
供給される約80℃の温水を約90℃以上の高温温水に
加熱して、そのガス温度が160℃から例えば100℃
まで下げられる。すなわち、熱利用設備17側に高温温
水配管23を介して90℃以上の温水が供給できること
となり、熱利用設備17側ではこの高温温水を利用して
吸収式冷凍装置等の運転が可能となる。さらに、上記混
合排ガスは第2温水器21に送られ、この第2温水器2
1に水供給管25を介して供給される約25℃の水を約
65℃の低温温水に加熱して、そのガス温度が100℃
から約50℃まで下げられて、大気放出配管13から低
温状態で放出される。
【0026】したがって、この第2温水器21により、
混合排ガス中のスチームが凝縮水として水処理装置18
側に回収され、この凝縮水により燃料電池式発電装置に
必要な水が補給水無しで確保できることとなると共に、
低温温水配管26を介して熱利用設備17側に供給され
た約65℃の低温温水により、熱利用設備17側では給
湯用の熱源等が確保できることとなる。
【0027】実施例2.図2はこの発明の第2の発明に
係る一実施例の燃料電池式発電装置の系統図である。
【0028】熱利用設備17側の吸収式冷凍装置等は一
般に起動時に定格運転中の1.2〜1.5倍の熱量を必
要とするため、起動時の一時的な熱量を確保できないと
定格容量の小さな装置しか設置できない。そこでこの実
施例2では第1空気予熱器4の燃焼排ガス配管9側に混
合排ガス配管11と連通するバイパス配管27を設け、
このバイパス配管27を流れる燃焼排ガスの流量を調整
できる流量調整手段としての第1調整弁28をバイパス
配管27に設けて、第1温水器20により吸収式冷凍装
置等の起動時に一時的に多量に要求される熱量を確保で
きるようにした。なお、他の構成機器は実施例1の燃料
電池式発電装置と同一である。
【0029】改質器2の燃焼部2aから排出される例え
ば500℃の燃焼排ガスは、通常運転時にはすべて第1
空気予熱器4に通されその温度が例えば300℃まで下
げられた後、混合排ガス配管11に供給されるが、吸収
式冷凍装置等の起動時等の必要な場合には第1調整弁2
8を明けて、500℃の燃焼ガスの一部を第1空気予熱
器4を介さずに混合排ガス配管11に供給して混合排ガ
スの温度を上げ、第1温水器20の高温温水の温度を上
げることができるようにして、吸収式冷凍装置等の起動
時の熱量をまかなうことができるようにした。したがっ
て、定格容量の大きな吸収式冷凍装置等の使用が可能と
なる。
【0030】実施例3.図3はこの発明の第3の発明に
係る一実施例の燃料電池式発電装置の系統図である。
【0031】この実施例3では、実施例2と同様に、第
1空気予熱器4の燃焼排ガス配管9側に混合排ガス配管
11と連通するバイパス配管27を設け、このバイパス
配管27に燃焼排ガスの流量を調整できる流量調整手段
としての第1調整弁28を設けると共に、第2空気予熱
器5の空気排ガス配管10側に混合排ガス配管11と連
通するバイパス配管29を設け、このバイパス配管29
に空気排ガスの流量を調整できる流量調整手段としての
第2調整弁30を設けて、この第2調整弁30と第1調
整弁28とにより、吸収式冷凍装置等の起動時に一時的
に多量に要求される熱量を第1温水器20により確保で
きるようにした。なお、他の構成機器は実施例1の燃料
電池式発電装置と同一である。
【0032】燃料電池1の空気極1bから排出される例
えば200℃の空気排ガスは通常運転時にはすべて第2
空気予熱器5に通されその温度が例えば90℃まで下げ
られた後、混合排ガス配管11に供給されるが、必要時
に、第2調整弁30を開けて、200℃の空気排ガスの
一部を第2空気予熱器5を介さずに混合排ガス配管11
に供給すれば混合排ガスの温度を上げることができる。
したがって、吸収式冷凍装置等の起動時に、バイパス配
管27に設けられた第1調整弁28を開けると共に、こ
の第2調整弁30を開ければ、実施例2の場合より混合
排ガスの温度を上げることができ、第1温水器20で回
収される高温温水の温度もこれに見合った分だけ上げる
ことができるようになる。したがって、この実施例3に
おいても実施例2の燃料電池式発電装置と同様な効果が
得られる。
【0033】実施例4.図4はこの発明の第4の発明に
係る一実施例の燃料電池式発電装置の系統図である。
【0034】この実施例4では実施例1の燃料電池式発
電装置のバイパス配管27中に設けられた第1調整弁2
8を、改質器2の反応部2bの温度にしたがって開閉制
御可能とするために、改質器2の反応部2bに反応部温
度を検知する温度検出器31を設けると共に、この温度
検出器31からの温度信号に基づいて第1調整弁28を
開閉制御する制御手段としての温度コントローラ32を
設けた。なお、他の構成機器は実施例1の燃料電池式発
電装置と同一である。
【0035】温度コントローラ32は改質器2の反応部
2bの温度が設定値より高ければ第1調整弁28を開け
させ、改質器2の反応部2bの温度が設定値より低け
ば第1調整弁28を閉じさせて反応部2bの温度を調整
するためものである。すなわち、改質器2の反応部2b
の温度が上がり第1調整弁28が開いてバイパス配管2
7を通る燃焼排ガス量が増加すれば、第1空気予熱器4
に導入される燃焼排ガス量が減少し、第1空気予熱器4
にて改質器2の燃料部2bに供給される空気側に回収さ
れる熱量が減少し、燃焼部2aにおける熱発生量が減少
して、反応部2bの温度は下降することとなり、逆に、
反応部2bの温度が下がり第1調整弁28が閉じてバイ
パス配管27を通る燃焼ガスが遮断されれば、第1空気
予熱器4にて空気側に回収される熱量が増加し、燃焼部
2aにおける熱発生量が増加して、反応部2bの温度は
上昇することとなる。
【0036】したがって、吸収式冷凍装置等の起動時に
は、温度コントローラ32の温度設定値を反応部2bの
温度の下限値まで下げ、この温度設定値を温度検出器3
1で検出される実際の反応部2bの温度の指示値より小
さくして第1調整弁28を開けるようにすれば、混合排
ガス配管11中に約500℃の高温燃焼ガスの一部が流
入して混合排ガスの温度が上昇し、第1温水器20で回
収される高温温水の温度を上げることができるようにな
って、この第1温水器20により吸収式冷凍装置等の起
動時の熱量をまかなうことができるようになる。したが
って、この実施例4においても実施例2の燃料電池式発
電装置と同様の効果が得られる。
【0037】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0038】この発明の第1の発明によれば、燃料電池
と、燃料電池に改質ガスを供給する改質器と、改質器か
ら排出される燃焼排ガスから熱を回収する第1の熱交換
手段と、燃料電池の空気極から排出される空気排ガスか
ら熱を回収する第2の熱交換手段と、第1および第2の
熱交換手段から排出される燃焼排ガスと空気排ガスの混
合排ガスから熱を回収する第3の熱交換手段と、第3の
熱交換手段での混合排ガスから生じる凝縮水を処理して
回収する水処理装置とを有する燃料電池式発電装置にお
いて、第3の熱交換手段を、混合排ガスの高温側に設け
られた高温側熱交換手段と低温側に設けられた低温側熱
交換手段とから構成し、混合排ガスからの熱回収を、高
温側熱交換手段と低温側熱交換手段とにより行わせて、
2段階の温度の熱源として利用できるようにしたので、
混合排ガスの排熱を2段階の温度レベルで取り出せ、必
要な凝縮水を得ることができる所定の低温度まで混合排
ガスの熱回収を充分になすことができ、かつ、所定の高
温熱源が要求される吸収式冷凍装置等にも必要な熱量を
供給できる。
【0039】また、この発明の第2の発明によれば、第
3の熱交換手段を、混合排ガスの高温側に設けられた高
温側熱交換手段と低温側に設けられた低温側熱交換手段
とから構成すると共に、第1の熱交換手段の燃焼ガス側
に流量調整手段を有するバイパス通路を設けたので、第
3の熱交換手段の高温側熱交換手段にて混合排ガスから
一時的に多量の熱量を得ることができるようになり、吸
収式冷凍装置等の起動時に要求される熱量を高温側熱交
換手段にて確保でき、定格値の大きな排熱機器が使用で
きるという効果も得ることができる。
【0040】さらに、この発明の第3の発明によれば、
第3の熱交換手段を、混合排ガスの高温側に設けられた
高温側熱交換手段と低温側に設けられた低温側熱交換手
段とから構成すると共に、第1の熱交換手段の燃料排ガ
ス側および第2の熱交換手段の空気排ガス側にそれぞれ
流量調整手段を有するバイパス通路を設けたので、第3
の熱交換手段の高温側熱交換手段にて混合排ガスから一
時的に多量の熱量を得ることができるようになり、吸収
式冷凍装置等の起動時に要求される熱量を高温側熱交換
手段にて確保できるという効果も得ることができる。
【0041】また、この発明の第4の発明によれば、第
1の熱交換手段の燃焼排ガス側に流量調整手段を有する
バイパス通路を設け、改質器の反応部の温度を検出する
温度検出器を設け、かつ、この温度検出器の検出温度に
より流量調整手段を制御してバイパス通路を流通する燃
焼排ガス流量を調整する制御手段を設けたので、第3の
熱交換手段の高温側熱交換手段にて混合排ガスから一時
的に多量の熱量を得ることができるようになり、吸収式
冷凍装置等の起動時に要求される熱量を高温側熱交換手
段にて確保できるという効果も得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す燃料電池式発電装置
の系統図である。
【図2】この発明の実施例2を示す燃料電池式発電装置
の系統図である。
【図3】この発明の実施例3を示す燃料電池式発電装置
の系統図である。
【図4】この発明の実施例4を示す燃料電池式発電装置
の系統図である。
【図5】従来の燃料電池式発電装置の一例を示す系統図
である。
【符号の説明】
1 燃料電池 1a 燃料極 1b 空気極 2 改質器 4 第1空気予熱器(第1の熱交換手段) 5 第2空気予熱器(第2の熱交換手段) 17 熱利用設備 20 第1温水器(高温側熱交換手段) 21 第2温水器(低温側熱交換手段) 27 バイパス配管(バイパス通路) 28 第1調整弁(流量調整手段) 29 バイパス配管(バイパス通路) 30 第2調整弁(流量調整手段) 31 温度検出器 32 温度コントローラ(制御手段)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池と、前記燃料電池に改質ガスを
    供給する改質器と、前記改質器から排出される燃焼排ガ
    スから熱を回収する第1の熱交換手段と、前記燃料電池
    の空気極から排出される空気排ガスから熱を回収する第
    2の熱交換手段と、前記第1および第2の熱交換手段か
    ら排出される前記燃焼排ガスと前記空気排ガスとの混合
    排ガスから熱を回収する第3の熱交換手段と、前記第3
    の熱交換手段での前記混合排ガスから生じる凝縮水を処
    理して回収する水処理装置とを有する燃料電池式発電装
    置において、前記第3の熱交換手段は、前記混合排ガス
    の高温側に設けられた高温側熱交換手段と低温側に設け
    られた低温側熱交換手段とから構成され、前記混合排ガ
    スからの熱回収を、前記高温側熱交換手段と前記低温側
    熱交換手段とにより行わせて、2段階の温度の熱源とし
    て利用できるようにしたことを特徴とする燃料電池式発
    電装置。
  2. 【請求項2】 燃料電池と、前記燃料電池に改質ガスを
    供給する改質器と、前記改質器から排出される燃焼排ガ
    スから熱を回収する第1の熱交換手段と、前記燃料電池
    の空気極から排出される空気排ガスから熱を回収する第
    2の熱交換手段と、前記第1および第2の熱交換手段か
    ら排出される前記燃焼排ガスと前記空気排ガスとの混合
    排ガスから熱を回収する第3の熱交換手段と、前記第3
    の熱交換手段での前記混合排ガスから生じる凝縮水を処
    理して回収する水処理装置とを有する燃料電池式発電装
    置において、前記第3の熱交換手段を、前記混合排ガス
    の高温側に設けられた高温側熱交換手段と低温側に設け
    られた低温側熱交換手段とから構成すると共に、前記第
    1の熱交換手段の前記燃焼排ガス側に流量調整手段を有
    するバイパス通路を設けたことを特徴とする燃料電池式
    発電装置。
  3. 【請求項3】 燃料電池と、前記燃料電池に改質ガスを
    供給する改質器と、前記改質器から排出される燃焼排ガ
    スから熱を回収する第1の熱交換手段と、前記燃料電池
    の空気極から排出される空気排ガスから熱を回収する第
    2の熱交換手段と、前記第1および第2の熱交換手段か
    ら排出される前記燃焼排ガスと前記空気排ガスとの混合
    排ガスから熱を回収する第3の熱交換手段と、前記第3
    の熱交換手段での前記混合排ガスから生じる凝縮水を処
    理して回収する水処理装置とを有する燃料電池式発電装
    置において、前記第3の熱交換手段を、前記混合排ガス
    の高温側に設けられた高温側熱交換手段と低温側に設け
    られた低温側熱交換手段とから構成すると共に、前記第
    1の熱交換手段の前記燃焼排ガス側および前記第2の熱
    交換手段の前記空気排ガス側にそれぞれ流量調整手段を
    有するバイパス通路を設けたことを特徴とする燃料電池
    式発電装置。
  4. 【請求項4】 燃料電池と、前記燃料電池に改質ガスを
    供給する改質器と、前記改質器から排出される燃焼排ガ
    スから熱を回収する第1の熱交換手段と、前記燃料電池
    の空気極から排出される空気排ガスから熱を回収する第
    2の熱交換手段と、前記第1および第2の熱交換手段か
    ら排出される前記燃焼排ガスと前記空気排ガスとの混合
    排ガスから熱を回収する第3の熱交換手段と、前記第3
    の熱交換手段での前記混合排ガスから生じる凝縮水を処
    理して回収する水処理装置とを有する燃料電池式発電装
    置において、前記第1の熱交換手段の前記燃焼排ガス側
    に流量調整手段を有するバイパス通路を設け、前記改質
    器の反応部の温度を検出する温度検出器を設け、かつ、
    前記温度検出器の検出温度により前記流量調整手段を制
    御して前記バイパス通路を流通する燃焼排ガス流量を調
    整する制御手段を設けたことを特徴とする燃料電池式発
    電装置。
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