JPH1077683A - 鋼板の接合構造およびこの鋼板の接合構造を適用した構造物の補強構造 - Google Patents

鋼板の接合構造およびこの鋼板の接合構造を適用した構造物の補強構造

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JPH1077683A
JPH1077683A JP23344796A JP23344796A JPH1077683A JP H1077683 A JPH1077683 A JP H1077683A JP 23344796 A JP23344796 A JP 23344796A JP 23344796 A JP23344796 A JP 23344796A JP H1077683 A JPH1077683 A JP H1077683A
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JP
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steel plate
steel
fiber sheet
sheet
joint
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JP23344796A
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Inventor
Tetsuo Maeda
哲郎 前田
Toshihiro Ando
敏弘 安東
Kinpei Iwata
金平 岩田
Sadamu Ono
定 小野
Masamitsu Eto
正満 江渡
Tomohiro Nomura
朋宏 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Denka Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Denki Kagaku Kogyo KK
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の鋼板の接合構造においては、溶接作業
を必要とするなど、作業効率に問題があった。 【解決手段】 互いの端部2a、2aを突き合わされて
隣接された鋼板2、2の端部2a、2a間にわたって、
炭素繊維シート(繊維シート)5をアクリル系接着剤に
より固定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板の接合構造に
関するものであり、また、このような鋼板の接合構造を
適用した構造物の補強構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼板の接合は、接合部分において引っ張
り強度等の機械的強度が要求される場合には、溶接によ
りなされることが、一般的である。
【0003】このような接合の一例は、鋼板を利用した
構造物の補強構造に見ることができる。
【0004】一般に、建築構造物や土木構造物等の構造
物は、柱・梁等からなる躯体を備えて構成されており、
特に近年においては、これら躯体に対して耐震性を付与
する構造、すなわち耐震補強構造が、ますます重要視さ
れている。
【0005】このような背景のもとに、構造物に対して
耐震性を付与する手段が、各種提供されており、特にコ
ンクリート構造物に対しては、コンクリート構造物の躯
体の周囲を複数の鋼板で被覆する方法が知られている。
この補強方法は、柱・梁等に加わる圧縮等の負荷による
径方向への膨出力に対して特に有効であり、また既設の
構造物にも適用できる利点がある。
【0006】この場合、複数の鋼板を用いて柱・梁等の
躯体の周囲を被覆するために、必然的に鋼板どうしの端
部を接合する必要が生じる。しかも、この場合の接合
は、耐震性付与の観点から、高い引っ張り強度を保証し
なければならないものであり、従来より、溶接による接
合が採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような溶接による鋼板の接合構造であると、多数の熟練
した溶接工を確保しなければならないという問題点があ
った。また、溶接による鋼板の接合は、個々のケースご
とに品質、特に強度的にばらつきが生じ易いとともに、
作業に時間がかかるという不都合があった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、短時間で容易に接合を達成し得るとともに、強度的
なばらつきが少なく高品質でありかつ高強度な接合を達
成し得る鋼板の接合構造を提供することを目的とする。
また、このような鋼板の接合構造を応用することによ
り、高耐震構造を実現し得るとともに、高度な技能を必
要とせずに容易に施工できかつ安定した品質で施工で
き、さらに、短期間かつ低コストで施工し得る構造物の
補強構造を提供することも、また、本発明の目的であ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の鋼板の接
合構造においては、互いの端部どうしを突き合わされて
隣接された鋼板、または、互いの端部どうしをオーバー
ラップさせて配置された鋼板の端部間にわたって、繊維
シートをアクリル系接着剤により固定したことを特徴と
している。請求項2記載の鋼板の接合構造においては、
請求項1記載の鋼板の接合構造において、前記鋼板の端
部間には、複数枚の前記繊維シートが重ね合わせて固定
されていることを特徴としている。請求項3記載の鋼板
の接合構造においては、請求項1または2記載の鋼板の
接合構造において、前記鋼板の端部間にわたって、曲げ
補強鋼板が固定されていることを特徴としている。請求
項4記載の鋼板の接合構造においては、隣接する鋼板の
互いの端部どうしがオーバーラップさせて配置され、こ
れら端部間にアクリル系繊維シートが介装されるととも
に、該繊維シートの両面にそれぞれ前記端部が接着剤に
より固定されていることを特徴としている。請求項5記
載の鋼板の接合構造においては、請求項1ないし4のい
ずれかに記載の鋼板の接合構造において、前記繊維シー
トは、炭素繊維シートであることを特徴としている。
【0010】請求項6記載の構造物の補強構造において
は、構造物の補強構造であって、前記構造物の表面側を
鋼板により覆い、該鋼板の端部間に請求項1ないし5の
いずれかに記載の鋼板の接合構造を適用したことを特徴
としている。請求項7記載の構造物の補強構造において
は、請求項6記載の構造物の補強構造において、前記構
造物は、コンクリート構造物であり、前記コンクリート
構造物の表面に対して間隙を有して前記鋼板を配置し、
前記間隙に充填材を充填したことを特徴としている。
【0011】請求項1記載の発明においては、鋼板の端
部間にわたって繊維シートがアクリル系接着剤により固
定されているので、鋼板の端部どうしを引き離すように
作用する力に対して、繊維シートの引っ張り強度により
対抗することができ、鋼板どうしの高強度な接合が得ら
れる。請求項2記載の発明においては、複数枚の繊維シ
ートが重ね合わせて固定されていることにより、繊維シ
ートの引っ張り強度がより高められる。よって、鋼板の
端部どうしを引き離すように作用する力に対して、より
強力に対抗することができ、鋼板どうしのさらに高強度
な接合が得られる。請求項3記載の発明においては、鋼
板の端部間にわたって、曲げ補強鋼板が固定されている
ので、曲げ補強鋼板の機械的強度を利用して、鋼板の端
部間において曲げ変形に対する抵抗性が確保される。請
求項4記載の発明においては、鋼板の端部間に繊維シー
トが介装されるとともに、この繊維シートの両面にそれ
ぞれ端部がアクリル系接着剤により固定されているの
で、繊維シートにより、鋼板どうしの高強度な接合が得
られる。請求項5記載の発明においては、繊維シート
が、引っ張り強度に優れた炭素繊維シートであるので、
接合部分の引っ張り強度が高められる。
【0012】請求項6記載の発明においては、鋼板の接
合部分に上記のような高強度の接合構造が適用されてい
ることにより、高強度な補強構造を得ることができる。
請求項7記載の発明においては、構造物が、コンクリー
ト構造物であり、コンクリート構造物の表面に対して間
隙を有して鋼板を配置し、間隙に充填材を充填したこと
により、鋼板がコンクリート構造物に対して堅固に固定
され、より有効な補強が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の鋼板の接合構造お
よびこの鋼板の接合構造を適用した構造物の補強構造の
実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0014】〔第1実施形態〕図1は、本発明の第1実
施形態を示すもので、図1において、符号1はコンクリ
ート構造物からなる柱(構造物)、1aは柱の表面、2
は鋼板、2aは鋼板の対向端部(端部)、3・4は鋼板
どうしの対向部、5は炭素繊維シート(繊維シート)を
示している。
【0015】この場合、鋼板2の対向端部2a、2a間
に対して本発明による鋼板の接合構造が適用され、鉄筋
コンクリート製の柱1に対して本発明による構造物の補
強構造が適用されている。
【0016】柱1の表面1aには、この表面1a自身を
覆った状態で鋼板2がアクリル系接着剤により固定され
ている。そして、鋼板2は、対向部3、4において互い
の対向端部2aどうしを突き合わせて対向されている。
対向部3、4においては、対向端部2aの延在方向に炭
素繊維シート5がアクリル系接着剤により固定されてい
る。
【0017】炭素繊維シート5は、複数枚のものが互い
に重ね合わせられて固定されている。
【0018】次に、上記構成を有する構造物の補強構造
の施工方法について説明する。まず、柱1の表面1aに
アクリル系接着剤を塗布し、この接着剤が硬化する前に
鋼板2を表面1a全体を覆うように貼り付け、その後接
着剤を硬化させる。
【0019】そして、鋼板2の対向部3、4に炭素繊維
シート5を接着剤により貼り付ける。この場合の炭素繊
維シート5の貼り付けは、ある炭素繊維シートの上に重
ねて他の炭素繊維シートを接着剤により貼り付け、この
操作を所定枚数について繰り返すという要領で行う。以
上により、柱1に対する補強構造の施工を完了する。
【0020】本実施形態におけるアクリル系接着剤は、
低温硬化性や湿潤面・油面への接合強度が大きいという
効果を有する。アクリル系接着剤とは、アクリル系単量
体またはその混合物を重合開始剤により硬化する接着剤
をいう。アクリル系単量体とは、(メタ)アクリル酸や
(メタ)アクリル酸エステルをいう。使用する(メタ)
アクリル酸エステルの種類には特に制限はないが、例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレートおよびジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート等の単官能(メタ)アクリレート、並びに、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メ
タ)アクリレートおよびトリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート
が挙げられる。これらを単独でまたは2種以上を混合し
て使用できる。
【0021】本実施形態におけるアクリル系接着剤は、
熱重合反応により硬化させても良いが、土木建築工事現
場でアクリル系接着剤を硬化させる場合、熱重合反応を
発生させるのに必要な安定した熱源を確保し、またその
熱源を管理することが困難なおそれがある。そのため、
より簡単な方法でアクリル系接着剤を硬化させるために
は、重合開始剤と分解促進剤を併用し、常温で硬化させ
ることが好ましい。このような重合開始剤としては、ラ
ジカル重合開始剤の有機過酸化物またはアゾ化合物を使
用することが好ましい。有機過酸化物としては特に制限
はなく、例えば、メチルケトンパーオキシドや過酸化ベ
ンゾイル等の有機過酸化物、過硫酸カリウムや過硫酸ア
ンモニウム等の無機過酸化物等が挙げられる。アゾ化合
物としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等が
挙げられる。また、分解促進剤は、重合開始剤の分解を
促進する化合物であり、例えば、ジエチルチオ尿素等の
チオ尿素誘導体、N,N−ジエチル−p−トルイジン等
のアミン類、ナフテン酸コバルトやオクチル酸コバルト
等の有機酸金属塩、銅アセチルアセトネート等の有機金
属キレート化合物等が挙げられる。
【0022】本実施形態においては、アクリル系接着剤
に、アクリル系単量体以外の他の単量体を併用しても良
い。他の単量体には、特に制限はなく、例えば、スチレ
ン、アクリロニトリル、酢酸ビニルおよびアクリルアミ
ド等の単官能単量体、並びに、ジビニルベンゼン、トリ
アリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレート
等の多官能単量体を単独でまたは2種以上を混合して使
用できる。
【0023】さらに、アクリル系接着剤には、接合強度
を大きくするために、ゴム成分を使用しても良い。ゴム
成分には、特に制限はないが、例えば、ポリブタジエン
ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブテンゴム、SBRゴ
ム、NBRゴム、クロロプレンゴム、ERRゴム、アク
リルゴム、シリコーンゴム、EVAおよびポリウレタン
ゴム等が挙げられる。また、ゴム成分のアクリル系接着
剤への溶解度を調節するために、MBS樹脂等のグラフ
ト共重合体を使用しても良い。
【0024】アクリル系接着剤は、重合開始剤を含むア
クリル系単量体の混合物と、分解促進剤を含むアクリル
系単量体の混合物との2液に分け、炭素繊維シート(繊
維シート)5を鋼板2に接着する際に、2液を混合して
硬化させる2液型のアクリル系接着剤とすることが、施
工を容易とし得る点で好ましい。
【0025】本実施形態における鋼板2の対向端部2
a、2a間の接合構造によれば、隣接する鋼板2、2の
対向端部2a、2a間にわたって炭素繊維シート5がア
クリル系接着剤により固定されているので、対向端部2
a、2aどうしを引き離すように作用する力に対して、
炭素繊維シート5の引っ張り強度により対抗することが
でき、鋼板2、2どうしを対向端部2a、2aにおいて
高強度に接合することができる。また、接着剤により固
定するだけであるので、高度な技術を要することがな
く、短時間で容易に接合を達成することができるととも
に、強度的なばらつきを生じさせず高品質に接合するこ
とができる。
【0026】また、この接合構造によれば、複数枚の炭
素繊維シート5が重ね合わせて固定されていることによ
り、炭素繊維シート5の引っ張り強度をより高めること
ができる。よって、鋼板2、2の対向端部2a、2aど
うしを引き離すように作用する力に対して、より強力に
対抗することができ、鋼板2、2どうしを対向端部2
a、2aにおいてさらに高強度に接合することができ
る。
【0027】加えて、本実施形態における鉄筋コンクリ
ート製の柱1に対する補強構造によれば、鋼板2、2の
接合部分に上記のような高強度の接合構造が適用されて
いることにより、高強度な補強構造を得ることができ
る。しかも、柱1の表面1aが鋼板2により覆われてい
るので、柱1に加わる長さ方向の圧縮等の負荷による径
方向への膨出力に対する強度を高めることができ、高耐
震構造を実現することができる。また、高度な技能を必
要とせずに容易に施工できかつ安定した品質で施工で
き、さらに、短期間かつ低コストで施工することができ
る。
【0028】また、対向部3、4の引っ張り強度は、炭
素繊維シート5の寸法、重ね合わせ枚数、接着剤の塗布
量等により決定され、作業者の技量等を問わず再現性が
高い。したがって、補強構造の品質(強度)にばらつき
が生じにくい。
【0029】〔第2実施形態〕図2および図3は、本発
明の第2実施形態を示すものである。本実施形態が、上
記第1実施形態と相違するのは、 鋼板2、2が柱1の表面1aに対して間隙を有して表
面1a側に配置され、この間隙は、モルタル(充填材)
充填層10とされていること、 対向端部2a、2aにおいて、対向端縁2b、2bど
うしが隙間を開けて突き合わされていること、 鋼板2、2の対向端部2a、2a間の柱1側にわたっ
て、曲げ補強鋼板11が固定用ボルト11bにより固定
されていること、 炭素繊維シート5を鋼板2、2に対して接着するに際
して、接着剤硬化層5aが対向端縁2b、2bには設け
られず、対向端縁2b、2b以外の部分に設けられてい
ること、すなわち、炭素繊維シート5が対向端縁2b、
2bに対して縁切りされていること、 である。
【0030】この場合、曲げ補強鋼板11は、一方の鋼
板2に対しては、溶接箇所11aにおける溶接により固
定され、他方の鋼板2に対しては、固定用ボルト11b
により固定されている。この際の固定方法は、これに限
らず、アクリル系接着剤等他の手法を用いても構わな
い。
【0031】アクリル系接着剤硬化層5aを、対向端縁
2b、2b以外の部分のみに設ける方法としては、例え
ば、対向端縁2b、2b以外の部分のみにアクリル系接
着剤を塗布する方法、あるいは、対向端縁2b、2bの
部分に一旦マスキングテープを貼り付けて全面にアクリ
ル系接着剤をべた塗りした後マスキングテープを剥して
対向端縁2b、2b以外の部分のみにアクリル系接着剤
を残す方法、等がある。
【0032】本実施形態においては、上記第1実施形態
と同様の作用効果を奏することができる。加えて、本実
施形態における接合構造によれば、鋼板2、2の対向端
部2a、2a間にわたって、曲げ補強鋼板11が固定用
ボルト11bで固定されているので、曲げ補強鋼板11
の機械的強度を利用して、鋼板2、2の対向端部2a、
2a間において曲げ変形に対する抵抗性を確保して、接
合部分の機械的強度を高めることができる。
【0033】また、本実施形態における補強構造によれ
ば、柱1の表面1aに対して間隙を有して鋼板2を配置
し、間隙にモルタルを充填してモルタル充填層10とす
ることにより、鋼板2を柱1に対して堅固に固定するこ
とができ、補強をより有効とすることができる。さら
に、炭素繊維シート5が対向端縁2b、2bに対して縁
切りされていることにより、対向端縁2b、2b間に相
対運動が生じた場合でも、この相対運動の影響が直接的
に炭素繊維シート5に伝達されることを防止することが
できる。いわば、対向端縁2b、2b間に発生した力を
逃がすことのできる構造が実現されている。また、鋼板
2の対向端縁2b、2bどうしの間に隙間がある場合に
おいても、対向端部2a、2a間にわたって炭素繊維シ
ート5を固定することにより、モルタルを充填するに際
してのもれ防止を図ることができる。
【0034】〔第3実施形態〕図4は、本発明の第3実
施形態を示すもので、接合構造に関する実施形態であ
る。本実施形態においては、隣接する鋼板2、2の互い
の端部2a、2aがオーバーラップされて配置され、こ
れら端部2a、2a間に炭素繊維シート(繊維シート)
5が介装されているとともに、炭素繊維シート5の両面
にそれぞれ端部2a、2aが接着剤硬化層5aを介して
固定されている。
【0035】接着剤の種類、接着条件、等は、上述の実
施形態と同様である。
【0036】本実施形態においては、上記の実施形態と
同様に、炭素繊維シート5により、鋼板2、2の高強度
な接合を得ることができる。
【0037】〔第4実施形態〕図5は、本発明の第4実
施形態を示すもので、接合構造に関する実施形態であ
る。本実施形態においては、互いの端部2a、2aをオ
ーバーラップさせて固定用ボルト11bで仮留めを行っ
て配置された鋼板2、2の端部2a、2a間にわたっ
て、炭素繊維シート(繊維シート)5がアクリル系接着
剤硬化層5aを介して固定されている。
【0038】アクリル系接着剤の種類、接着条件、等
は、上述の実施形態と同様である。
【0039】本実施形態においては、上記の実施形態と
同様に、炭素繊維シート5により、鋼板2、2の高強度
な接合を得ることができる。
【0040】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、以下の形態とすることもできる。 a)本発明の鋼板の接合構造を剛性の大きい鋼板に代え
て、高強度な接合を得る目的で溶接接合を行っていた他
の任意の金属板、例えば、銅板、ステンレス板等に適用
すること。 b)本発明の鋼板の接合構造を剛性の大きい鋼板に代え
て、高強度な接合を得る目的でボルト・ナット締め等に
よる接合を行うことを余儀なくされていた他の任意の板
体、例えば、FRC板、FRP板等に適用すること。 c)本発明の構造物の補強構造を柱1に対して適用する
ことに代えて、梁等他の構造物に対して適用すること。 d)本発明の構造物の補強構造をコンクリート構造物に
対して適用することに代えて、他の任意の形態の構造物
に対して適用すること。 e)本発明の補強構造を図示のような四角柱形状のコン
クリート構造物に対して適用することに代えて、円柱形
状、五角柱形状等任意の形状のコンクリート構造物に対
して適用すること。また、角部が面取りされたコンクリ
ート構造物に対しても適用することができる。 f)繊維シートとして、炭素繊維シート5を使用するこ
とに代えて、アラミド系、ポリオレフィン系、アクリル
系、ビニロン系、ガラス系および炭素系、等の他の繊維
シートを使用すること。 g)充填材としてモルタルを使用することに代えて、セ
メントペースト等、他の任意の充填材を使用すること。
あるいは、アクリル系等、任意の接着剤を使用するこ
と。
【0041】
【発明の効果】本発明の鋼板の接合構造および構造物の
補強構造によれば、以下の効果を奏する。請求項1記載
の鋼板の接合構造によれば、隣接する鋼板の端部間にわ
たって繊維シートがアクリル系接着剤により固定されて
いるので、鋼板の端部どうしを引き離すように作用する
力に対して、繊維シートの引っ張り強度により対抗する
ことができ、鋼板どうしを高強度に接合することができ
る。また、アクリル系接着剤により固定するだけである
ので、高度な技術を要することがなく、短時間で容易に
接合を達成することができるとともに、強度的なばらつ
きを生じさせず高品質に接合することができる。この場
合、接着剤がアクリル系接着剤であり、アクリル系接着
剤は、低温硬化性を有するものであることから、付加的
な加熱を行うことなく接着作業を達成することができ、
作業をより容易に達成することができる。また、接着剤
がアクリル系接着剤であり、アクリル系接着剤は、湿潤
面・油面への接合強度が大きいものであることから、適
用対象が広いという利点がある。また、湿潤面・油面で
あっても適用可能であることから、接着面の前処理を省
略あるいは簡略化することができ、作業を一層容易に達
成することができる。請求項2記載の鋼板の接合構造に
よれば、複数枚の繊維シートが重ね合わせて固定されて
いることにより、繊維シートの引っ張り強度をより高め
ることができる。よって、鋼板の端部どうしを引き離す
ように作用する力に対して、より強力に対抗することが
でき、鋼板どうしを、さらに高強度に接合することがで
きる。請求項3記載の鋼板の接合構造によれば、鋼板の
端部間にわたって、曲げ補強鋼板が固定されているの
で、曲げ補強鋼板の機械的強度を利用して、鋼板の端部
間において曲げ変形に対する抵抗性を確保して、接合部
分の機械的強度を高めることができる。請求項4記載の
鋼板の接合構造によれば、鋼板の端部間に繊維シートが
介装されるとともに、この繊維シートの両面にそれぞれ
端部がアクリル系接着剤により固定されているので、繊
維シートにより、鋼板どうしの高強度な接合を得ること
ができる。請求項5記載の鋼板の接合構造によれば、繊
維シートが、引っ張り強度に優れた炭素繊維シートであ
るので、接合部分の引っ張り強度を高めることができ
る。
【0042】請求項6記載の構造物の補強構造によれ
ば、鋼板の接合部分に上記のような高強度の接合構造が
適用されていることにより、高強度な補強構造を得るこ
とができ、高耐震構造を実現することができる。また、
高度な技能を必要とせずに容易に施工できかつ安定した
品質で施工でき、さらに、短期間かつ低コストで施工す
ることができる。この場合、接着剤がアクリル系接着剤
であり、アクリル系接着剤は、低温硬化性を有するもの
であることから、付加的な加熱を行うことなく接着作業
を達成することができ、作業をより容易に達成すること
ができる。また、接着剤がアクリル系接着剤であり、ア
クリル系接着剤は、湿潤面・油面への接合強度が大きい
ものであることから、適用対象が広いという利点があ
る。また、湿潤面・油面であっても適用可能であること
から、接着面の前処理を省略あるいは簡略化することが
でき、作業を一層容易に達成することができる。請求項
7記載の構造物の補強構造によれば、構造物が、コンク
リート構造物であり、コンクリート構造物の表面に対し
て間隙を有して鋼板を配置し、間隙に充填材を充填した
ことにより、鋼板がコンクリート構造物に対して堅固に
固定され、補強をより有効とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】 本発明の第2実施形態を示す断面図である。
【図3】 図2の一部を拡大して示す断面図である。
【図4】 本発明の第3実施形態を示す断面図である。
【図5】 本発明の第4実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 柱(構造物) 1a 表面 2 鋼板 2a 対向端部(端部) 2b 対向端縁 3 対向部 4 対向部 5 炭素繊維シート(繊維シート) 5a アクリル系接着剤硬化層 11 曲げ補強鋼板 11a 溶接箇所 11b 固定用ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 金平 群馬県渋川市中村1135番地 電気化学工業 株式会社渋川工場内 (72)発明者 小野 定 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 江渡 正満 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 野村 朋宏 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いの端部どうしを突き合わされて隣接
    された鋼板、または、互いの端部どうしをオーバーラッ
    プさせて配置された鋼板の端部間にわたって、繊維シー
    トをアクリル系接着剤により固定したことを特徴とする
    鋼板の接合構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鋼板の接合構造におい
    て、 前記鋼板の端部間には、複数枚の前記繊維シートが重ね
    合わせて固定されていることを特徴とする鋼板の接合構
    造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の鋼板の接合構造
    において、 前記鋼板の端部間にわたって、曲げ補強鋼板が固定され
    ていることを特徴とする鋼板の接合構造。
  4. 【請求項4】 隣接する鋼板の互いの端部どうしがオー
    バーラップさせて配置され、これら端部間に繊維シート
    が介装されるとともに、該繊維シートの両面にそれぞれ
    前記端部がアクリル系接着剤により固定されていること
    を特徴とする鋼板の接合構造。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の鋼
    板の接合構造において、 前記繊維シートは、炭素繊維シートであることを特徴と
    する鋼板の接合構造。
  6. 【請求項6】 構造物の補強構造であって、 前記構造物の表面側を鋼板により覆い、該鋼板の端部間
    に請求項1ないし5のいずれかに記載の鋼板の接合構造
    を適用したことを特徴とする構造物の補強構造。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の構造物の補強構造におい
    て、 前記構造物は、コンクリート構造物であり、 前記コンクリート構造物の表面に対して間隙を有して前
    記鋼板を配置し、前記間隙に充填材を充填したことを特
    徴とする構造物の補強構造。
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