JP2015129434A - 既存柱の補強構造 - Google Patents
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Abstract
Description
図5に示した従来の補強構造は、断面形状をL字状にした4枚の鋼板1を用いている。そして、これら鋼板1における一方の片の長さを他方の片の長さよりも長くして、長い片を囲い片1aとし、短い片を重ね片1bとしている。
そして、これら複数の鋼板1で図示していない既存柱の周囲を所定の間隔を保って囲むとともに、それら鋼板1を既存柱の長手方向に積層していく。
このように帯状シート3を巻いた鋼板1と既存柱との間に形成された間隔にグラウト材を充填して当該既存柱を補強する。
さらに、鋼板1の積層過程において上記ずれが発生しないとしても、図示していない補強柱に地震力が作用したとき、鋼板1の積層位置がずれることもあるので、このときのずれ力と鋼板1のエッジの切断力とが相まって帯状シート3を切断することもある。
この発明の目的は、積層作業の効率を上げるとともに、鋼板1の積層部分の強度を確保できる既存柱の補強構造を提供することである。
また、所定の補強用枠板の内側であって、その上層方向あるいは下層方向のいずれか一方あるいは両方向にむかって、補強用枠板の積層のずれを防止する少なくとも1つの位置決め部材を突出させ、上層に位置する補強用枠板と下層に位置する補強用枠板とを、上記位置決め部材に沿わせながら積層する。
さらに、上記補強用枠板の積層部分をまたぐ位置であって、少なくとも上記位置決め部材に対応する位置であって、上記補強用枠板の外側にシートを接着し、このシートと上記位置決め部材との間で、上記補強用枠板を挟持している。
また、単位補強用枠板群を構成する補強用枠板の枚数は、特に限定されない。ただし、既存柱が4角形の場合には、その周囲を囲うために少なくとも2枚の補強用枠板が必要とされる。
さらに、上記補強用枠板の内側とは、既存柱を囲う補強用枠板において柱表面に対面する補強用枠板の面側をいう。上記補強用枠板の外側とは、上記内側に対して上記補強用枠板の裏面側をいう。
なお、上記位置決め部材としては、上層の補強用枠板に対して添え板として機能するものであれば、断面形状は板状である必要はない。例えば、丸棒あるいは多角柱状であってもよい。
また、各補強用枠板間で位置ずれが生じないので、補強用枠板のエッジによって帯状シートが損傷したりしない。
このようにした上記補強用枠板2と既存柱との間には、間隔を設けるとともに、この間隔にグラウト材を充填して既存柱の補強構造を完成する。
ただし、ここまでの構成は従来と同じである。
また、上記補強用枠板2は、必ずしも鋼板である必要はなく、例えば強化プラスチックなどを用いてもよい。
したがって、例えば、下層に位置する補強用枠板2に上層の補強用枠板2を積層するときには、図2に示すように、上層の補強用枠板2を板状の位置決め部材4に沿わせれば、下層の補強用枠板2と上層の補強用枠板2とを正確に積層することができる。
上記のように補強用枠板2を積層した状態で、固定手段であるボルト5を用いて、位置決め部材4と上層の補強用枠板2とを固定すれば、下層の補強用枠板2と上層の補強用枠板2とを正確に積層した状態を保ちながら、それらを一体化することができる。
上記のように上層に位置する補強用枠板2の積層方向下方に位置決め部材4を突出させた場合には、固定手段であるボルト5を用いて、位置決め部材4と下層の補強用枠板2とを固定することになる。
上記のように縦シート6を接着した状態で、今度は、上記帯状シート3を単位補強用枠板2の周囲に巻き回す。この帯状シート3は、求める補強強度に応じて一重巻きでもよいし、2層あるいは3層のように何重にも重ね巻きしてもよい。
ただし、帯状シート3は、それを1回巻き回すごとに接着剤で接着する。
なお、この接着には、縦シート6を接着するときと同じ接着剤を用いる。また、繊維からなるシートは、それが引き裂けやすい方向と、引き裂けにくい方向とを持っているのが通常である。
一方、上記帯状シート3は、単位補強用枠板群a1,a2を構成する各補強用枠板2に、それらを周方向に引き離す力が作用したとき、当該帯状シート3が引き裂かれ難くなるように接着される。
したがって、当該補強柱に地震力が作用したとしても、補強用枠板2同士がずれたり、あるいは積層した補強用枠板2が分離したりしない。
第2実施形態は、断面形状をL字状にした4枚の補強用枠板7を用いている。そして、これら補強用枠板7には、周方向の両縁に柱表面へ向かって、それぞれリブ7aを形成している。
上記のようにした補強用枠板7は、上記リブ7a同士を、周方向において隣接する補強用枠板7と突き合せ、4枚の補強用枠板7を一組にした筒状の単位補強用枠板群b1及びb2を構成する。
このように積層方向上方に突出させれば、上記所定の補強用枠板7における板状の位置決め部材4に、上層の補強用枠板7を沿わせることにより、下層の補強用枠板7と上層の補強用枠板7とを正確に積層することができる。
なお、上記位置決め部材4は、積層方向下方に突出させるようにしてもよいし、積層方向の上方あるいは下方の両方向に突出させてもよい。
その他の構成は第1実施形態と同じである。
2 補強用枠板
a1,a2 単位補強用枠板群
3 帯状シート
4 位置決め部材
5 固定手段であるボルト
6 縦シート
7 補強用枠板
7a リブ
b1,b2 単位補強用枠板群
Claims (3)
- 上記既存柱に沿って複数の補強用枠板を積層するとともに、その積層した補強用枠板と既存柱との間に形成した間隔にグラウト材を充填する既存柱の補強構造において、
所定の上記補強用枠板の内側であって、その上層方向あるいは下層方向のいずれか一方あるいは両方向にむかって、補強用枠板の積層のずれを防止する少なくとも1つの位置決め部材を突出させ、
上層に位置する補強用枠板と下層に位置する補強用枠板とを、上記位置決め部材に沿わせながら積層するとともに、上記補強用枠板の積層部分をまたぐ位置であって、少なくとも上記位置決め部材に対応する位置であって、上記補強用枠板の外側にシートを接着し、このシートと上記位置決め部材との間で、上記補強用枠板を挟持する構成にした既存柱の補強構造。 - 上記シートは、縦シートの上から、上記補強用枠板の周方向に巻いた帯状シートを接着し、上記位置決め部材に対応する位置において両シートが縦横に接着される構成にした請求項1に記載された既存柱の補強構造。
- 上記位置決め部材に沿わせた上記補強用枠板を、固定手段を介して上記位置決め部材に固定した請求項1又は2に記載された既存柱の補強構造。
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