JP6719199B2 - 座屈補剛ブレース - Google Patents

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Description

本発明は、ブレース鋼材が座屈補剛された座屈補剛ブレースに関する。
ブレース鋼材に設けられた補剛部材により、ブレース鋼材の座屈を抑制する座屈補剛ブレースがある。例えば、特許文献1には、鋼製のブレース材が内側に挿入された補剛部材としての鋼管によりブレース材の座屈を抑制する座屈補剛ブレースが開示されている。また、例えば、特許文献2には、アンボンド平鋼ブレースが内蔵され、アンボンド平鋼ブレースの座屈を抑制する補剛部材としてのプレキャスト製の鉄筋コンクリート壁が開示されている。
しかし、これらの補剛部材は、鋼製やコンクリート製で重いので取り扱い難く、建物の架構に取り付ける際の施工性が悪い。また、鋼製やコンクリート製の補剛部材が設けられた座屈補剛ブレースの重量は重く、このような座屈補剛ブレースが設けられた建物の重量も重くなるので、建物の耐震性能上において不利になってしまう。
特開2012−112098号公報 特開平6−101292号公報
本発明は係る事実を考慮し、座屈補剛ブレースの軽量化を図ることを課題とする。
第1態様の発明は、建物の架構に取り付けられたブレース鋼材と、前記ブレース鋼材の弱軸方向に対して前記ブレース鋼材の両側に設けられ、前記ブレース鋼材の座屈を抑制する木質の補剛部材と、を有する座屈補剛ブレースである。
第1態様の発明では、建物の架構が地震等により変形したときに、ブレース鋼材が、軸力を受けるとともに、補剛部材によって座屈することなくこの軸力に抵抗したり又は振動エネルギーを吸収したりしてブレースとして機能する。これによって、建物の架構の変形を低減することができる。また、補剛部材は木質なので、座屈補剛ブレースの軽量化を図ることができる。
第2態様の発明は、第1態様の座屈補剛ブレースにおいて、前記補剛部材は、前記架構内に配置された板状の壁部材であり、最外層の繊維方向が上下方向となっている。
第2態様の発明では、補剛部材を壁として用いることができる。また、補剛部材の最外層の繊維方向を上下方向とすることにより、ブレース鋼材の弱軸方向への変形を補剛部材により効果的に拘束し、ブレース鋼材の座屈抑制効果を向上させることができる。
第3態様の発明は、第1又は第2態様の座屈補剛ブレースにおいて、前記補剛部材は、前記ブレース鋼材の弱軸方向へ前記補剛部材を貫通するボルトで拘束されている。
第3態様の発明では、ボルトで木質の補剛部材を拘束することで、ブレース鋼材の弱軸方向への変形を補剛部材により効果的に拘束し、ブレース鋼材の座屈抑制効果を向上させることができる。
本発明は上記構成としたので、座屈補剛ブレースの軽量化を図ることができる。
本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレースを示す正面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 図1のC−C断面図である。 本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレースの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレースの変形例を示す正面図である。 図7(a)及び図7(b)は、本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレースの変形例を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレースの変形例を示す断面図である。 図9(a)、図9(b)及び図9(c)は、本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレースの変形例を示す正面図である。 図10(a)は、図9(a)のD−D断面図であり、図10(b)は、図9(b)のE−E断面図であり、図10(c)は、図9(c)のF−F断面図である。 本発明の実施形態に係る支持部材を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るブレース鋼材の梁への接合方法を示す正面図である。 本発明の実施形態に係るブレース鋼材の梁への接合方法を示す正面図である。
図を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。まず、本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレースについて説明する。
図1の正面図に示すように、本実施形態の座屈補剛ブレース10は、2つのブレース鋼材12と、木質の補剛部材14とを有して構成されている。
ブレース鋼材12は、平鋼からなり、建物16の鉄骨造の柱梁架構18内に斜めに配置されて、柱梁架構18に取り付けられている。
柱梁架構18は、左右に配置された角形鋼管からなる柱20、22と、上下に配置されたH形鋼からなる梁24、26とを有して構成されており、ブレース鋼材12の上端部が梁24の下フランジ下面に溶接接合され、ブレース鋼材12の下端部が梁26の上フランジ上面に溶接接合されている。柱梁架構18では、梁24と梁26との間のスパンが、柱20と柱22との間のスパンよりも短くなっている。すなわち、上下方向がスパンの短い方向になっている。
梁24、26の上フランジ上面には、鉄筋コンクリートにより形成された床スラブ28、30が設けられており、ブレース鋼材12の下端部が床スラブ30中に埋設されている。
図1に示すように、補剛部材14は、柱梁架構18内に配置された板状の壁部材であり、外縁部全周に渡って補剛部材14の端面と柱梁架構18の内面との間に隙間を有する、正面視にて略矩形の形状になっている。この隙間は、大地震等により建物16が大きく揺れて柱梁架構18の層間変形角度が所定角度以上になったときに、柱梁架構18が補剛部材14に接触する大きさになっている。また、ブレース鋼材12の上端部付近においては、ブレース鋼材12の上端部を梁24の下フランジ下面に溶接接合するために、この隙間の大きさが大きくなっている。
図1のA−A断面図である図2に示すように、補剛部材14は、ひき板を並べた層(本例では、層32A、32B、32C、32D、32E、32F、32Gからなる7つの層)を、ひき板の繊維方向がこの層ごとに略直交するように重ねるとともに接着剤により接着して一体化した、所謂、CLT(Cross Laminated Timber)によって形成されている。なお、層32A、32B、32C、32D、32E、32F、32Gは、接着剤以外のもので一体化してもよい。例えば、ボルトによって層32A、32B、32C、32D、32E、32F、32Gを一体化してもよい。
図1及び図2に示すように、補剛部材14は、最外層となる層32A、32Gの繊維方向が、ブレース鋼材12の上端部が梁24に接合されている接合部からブレース鋼材12の下端部が梁26に接合された接合部へ渡る方向となるように配置されている。すなわち、補剛部材14の最外層となる層32A、32Gの繊維方向が上下方向34(梁24と梁26との間のスパンと、柱20と柱22との間のスパンとの短い方のスパンの方向)となっている。補剛部材14は、奇数の層(層32A、32B、32C、32D、32E、32F、32Gからなる7つの層)によって構成されているので、補剛部材14をCLTとしても最外層となる層32A、32Gの両方の繊維方向をともに上下方向34とすることができる。
ブレース鋼材12は、補剛部材14の内部に形成され、補剛部材14の上端面から下端面へ斜めに貫通する収容孔36内に配置されている。これにより、ブレース鋼材12の弱軸方向38に対してブレース鋼材12の両側に設けられている補剛部材14によって、ブレース鋼材12の弱軸方向38への変形に対するブレース鋼材12の座屈を抑制することができ、ブレース鋼材12の強軸方向52に対してブレース鋼材12の両側に設けられている補剛部材14によって、ブレース鋼材12の強軸方向52への変形に対するブレース鋼材12の座屈を抑制することができる。収容孔36は、例えば、層32Dに溝を形成することにより構成することができる。
図1及び図2に示すように、補剛部材14は、ブレース鋼材12の弱軸方向38へ補剛部材14を貫通するボルト40と、ナット42とにより弱軸方向38に対して拘束されている。ボルト40とナット42とは、ブレース鋼材12の上端部、中間部及び下端部付近に複数設けられている。
図2に示すように、ブレース鋼材12の弱軸方向38に対してブレース鋼材12に対向する収容孔36の内面44には、絶縁材46が設けられている。絶縁材46は、補剛部材14(内面44)に対してブレース鋼材12を滑り易くして、ブレース鋼材12と補剛部材14(内面44)との縁を切り、補剛部材14(内面44)に対してブレース鋼材12をスムーズに動かすために設けられている。これにより、ブレース鋼材12に軸力を均等に掛けることができる。絶縁材46は、板状のものでもよいし、塗料状のものでもよい。
図2に示すように、ブレース鋼材12の上端面と下端面に対向する収容孔36の内面48には、保護材50が設けられている。保護材50は、ブレース鋼材12の強軸方向52への変形や収容孔36の施工誤差に起因して生じる、補剛部材14(内面48)に対するブレース鋼材12の接触や干渉を避けるために設けられている。保護材50には、スポンジなどのクッション材等を用いることができる。
また、絶縁材46とブレース鋼材12との間、及び保護材50とブレース鋼材12との間には、所定の大きさの隙間が形成されている。すなわち、ブレース鋼材12は、収容孔36の内周面(内面44、48)に付着していないアンボンドで補剛部材14の内部に設けられている。
図1のB−B断面図である図3に示すように、補剛部材14の下端部は、支持部材54によって梁26の上フランジに固定されている。支持部材54は、T形鋼により構成されており、ラグスクリュー等のネジ56により支持部材54のフランジ部58を補剛部材14の下端部に固定することによって、補剛部材14の下端部に取り付けられている。そして、この支持部材54のウェブ部60を梁26の上フランジ上面に略鉛直に設けられた鋼製の接合プレート62に溶接接合することによって、補剛部材14の下端部は梁26の上フランジに固定されている。
支持部材54は、床スラブ30のコンクリート打設前に、補剛部材14を梁26上に鉛直支持するとともに、補剛部材14の倒れや、柱梁架構18の面外方向64に対する補剛部材14のズレを抑制する。
図1のC−C断面図である図4に示すように、補剛部材14の上端部は、保持部材66によって梁24の下フランジに保持されている。保持部材66は、補剛部材14の厚さ方向68に対して補剛部材14を両側から挟み込むようにして梁24の下フランジ下面に略鉛直に設けられた一対の鋼製の保持プレート70により構成されている。
保持部材66は、補剛部材14の倒れや、柱梁架構18の面外方向64に対する補剛部材14のズレを抑制する。
次に、本発明の実施形態に係る座屈補剛ブレースの作用と効果について説明する。
本実施形態の座屈補剛ブレース10では、図1及び図2に示すように、建物16の柱梁架構18が地震等により変形したときに、ブレース鋼材12が、軸力を受けるとともに、補剛部材14によって座屈することなくこの軸力に抵抗してブレースとして機能する。これによって、建物16の柱梁架構18の変形を低減することができる。
また、図1及び図2に示すように、本実施形態の座屈補剛ブレース10を構成する補剛部材14は木質なので、座屈補剛ブレース10の軽量化を図ることができる。これにより、座屈補剛ブレース10が取り扱い易くなり、建物16の柱梁架構18に取り付ける際の施工性が向上する。また、このような軽量の座屈補剛ブレース10が設けられた建物16の重量も軽くなるので、建物16の耐震性能上において有利になる。
さらに、本実施形態の座屈補剛ブレース10を構成する補剛部材14は木質なので、高い精度での補剛部材14の加工が容易である。さらに、本実施形態では、補剛部材14をCLTにより形成しているので、より高い精度で補剛部材14を加工することができる。
また、図1及び図2に示すように、本実施形態の座屈補剛ブレース10を構成する補剛部材14は木質なので、補剛部材14の表面に仕上げ材を貼り付ける等の仕上げを施さないで済ませることができる。
さらに、本実施形態の座屈補剛ブレース10では、図1に示すように、補剛部材14を壁として用いることができる。また、補剛部材14の外縁部全周に渡って補剛部材14の端面と柱梁架構18の内面との間に隙間を有しているので、柱梁架構18内に補剛部材14を容易に配置することができる。また、この隙間が補剛部材14の寸法誤差を吸収することができるので、補剛部材14の加工精度を落とすことができる。
また、本実施形態の座屈補剛ブレース10では、図1に示すように、補剛部材14の外縁部全周に渡って補剛部材14の端面と柱梁架構18の内面との間に隙間を有しているので、地震等により建物16が揺れて柱梁架構18が変形したときに、柱梁架構18の変形を補剛部材14により拘束せずに、補剛部材14をブレース鋼材12の座屈補剛材として有効に機能させることができる。また、大地震等により建物16が大きく揺れて柱梁架構18の層間変形角度が所定角度以上になったときに、柱梁架構18が補剛部材14に接触して、ブレース鋼材12とともに補剛部材14に地震力を負担させることができる。すなわち、補剛部材14を耐震壁として機能させることができる。
さらに、本実施形態の座屈補剛ブレース10では、図2に示すように、補剛部材14の最外層である層32A、32Gの繊維方向を上下方向34とすることにより、ブレース鋼材12の弱軸方向38(補剛部材14の面外方向)への変形を補剛部材14により効果的に拘束し、ブレース鋼材12の座屈抑制効果を向上させることができる。
また、本実施形態の座屈補剛ブレース10では、図2に示すように、ボルト40及びナット42で木質の補剛部材14を拘束することにより、ブレース鋼材12の弱軸方向38(補剛部材14の面外方向)への変形を補剛部材14により効果的に拘束し、ブレース鋼材12の座屈抑制効果を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、本実施形態では、図2に示すように、7つの層32A、32B、32C、32D、32E、32F、32Gを一体化したCLTによって補剛部材14を形成した例を示したが、補剛部材は、木質の部材であればよく、ひき板を並べた層の幾つを一体化して形成してもよいし(図5の断面図には、6つの層32A、32B、32C、32D、32E、32Fを一体化したCLTによって補剛部材14を形成した例が示されている)、LVL(Laminated Veneer Lumber)によって形成してもよい。また、収容孔36は、補剛部材14のどの層に形成してもよい。
また、補剛部材14は、複数の壁部材に分割されていてもよい。分割された壁部材は、一体化してもよいし、一体化しなくてもよい。補剛部材14を耐震壁として機能させる場合には、分割された壁部材は一体化する。このように、補剛部材14を、複数の壁部材に分割することにより、建物16の柱梁架構18に座屈補剛ブレース10を取り付ける際の施工性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、図1に示すように、補剛部材14を、柱梁架構18内に配置された板状の壁部材とした例を示したが、補剛部材14に開口部が形成されていてもよい。例えば、図6の正面図に示す座屈補剛ブレース122のように、補剛部材14に三角形状の開口部72A、72B、72Cが形成されていてもよい。また、この開口部の形状、大きさ、配置は、図7(a)、(b)の正面図に示す座屈補剛ブレース124、126の開口部74A、74B、74C、76A、76Bのように、どのようにしてもよい。
また、本実施形態では、図1に示すように、大地震等により建物16が大きく揺れて柱梁架構18の層間変形角度が所定角度以上になったときに柱梁架構18が補剛部材14に接触する大きさの隙間を、補剛部材14の外縁部全周に渡って補剛部材14の端面と柱梁架構18の内面との間に有している例を示したが、この隙間を、大地震等により建物16が大きく揺れて柱梁架構18の層間変形角度が所定角度以上になっても柱梁架構18が補剛部材14に接触しない大きさにしてもよい。また、この隙間を無くして、補剛部材14を耐震壁として常時機能するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、図2に示すように、補剛部材14の内部に形成された収容孔36内にブレース鋼材12を配置した例を示したが、図8の断面図に示す座屈補剛ブレース128のように、ブレース鋼材12の弱軸方向38に対して補剛部材14がブレース鋼材12の両側にのみ設けられている構成であってもよい。この場合、絶縁材46とブレース鋼材12との間に所定の大きさの隙間を形成するために、層32Cと層32Eとの間にスペーサー部材78を介在させる。ブレース鋼材12の強軸方向52への変形は、ボルト40の軸部によって拘束され、これによって、ブレース鋼材12の強軸方向52への変形に対するブレース鋼材12の座屈を抑制することができる。
また、本実施形態では、図1に示すように、補剛部材14を、柱梁架構18内に配置された板状の壁部材とした例を示したが、ブレース鋼材の弱軸方向に対してブレース鋼材の両側に木質の補剛部材が設けられていれば、補剛部材は壁以外の部材であってもよく、図9(a)の正面図及び図9(a)のD−D断面図である図10(a)に示す座屈補剛ブレース80、図9(b)の正面図及び図9(b)のE−E断面図である図10(b)に示す座屈補剛ブレース82、並びに図9(c)及び図9(c)のF−F断面図である図10(c)に示す座屈補剛ブレース84のように、ブレース鋼材86、88、90を取り囲むようにして、軸状に形成された木質の補剛部材92、94、96を設けるようにしてもよい。ブレース鋼材86は平鋼からなり、ブレース鋼材88はH形鋼からなり、ブレース鋼材90は溝形鋼からなる。ブレース鋼材86、88、90は、補剛部材92、94、96に付着していないアンボンドで補剛部材92、94、96の内部に設ける。また、図2に示したように、ブレース鋼材86、88、90と補剛部材92、94、96との間に、絶縁材や保護材を設けるのが好ましい。
さらに、本実施形態では、図2に示すように、ブレース鋼材12を平鋼とした例を示したが、ブレース鋼材は、溝形鋼、H形鋼等の耐震ブレースとして機能できる強度を有する部材であればよい。また、ブレース鋼材を、振動エネルギーを吸収する制振ブレースとして機能できる部材(例えば、耐力差を有するブレース鋼材)としてもよい。ブレース鋼材を制振ブレースとして機能できる部材とすれば、建物16の柱梁架構18が地震等により変形したときに、ブレース鋼材が、軸力を受けるとともに、補剛部材によって座屈することなく振動エネルギーを吸収してブレースとして機能し、これによって、建物16の柱梁架構18の変形を低減することができる。
また、本実施形態では、図1に示すように、ブレース鋼材12の上端部、中間部及び下端部付近にボルト40とナット42を複数設けた例を示したが、ボルト40とナット42は、ブレース鋼材12のどの部分の付近に設けてもよく、ブレース鋼材12の全長に渡って設けてもよい。ボルト40とナット42は、補剛部材14が面外変形し易い箇所に設けるのが好ましい。接着剤の接着力で補剛部材14の十分な一体化が図れれば、ボルト40及びナット42は無くてもよい。
さらに、本実施形態では、支持部材54によって補剛部材14の下端部を梁26の上フランジに固定した例を示したが、支持部材は、床スラブ30のコンクリート打設前に補剛部材14を鉛直支持するとともに、補剛部材14の倒れや、柱梁架構18の面外方向64に対する補剛部材14のズレを抑制することができるものであればよい。
例えば、図11の断面図に示す支持部材98によって補剛部材14の下端部を梁26の上フランジに固定してもよい。支持部材98は、T形鋼104と、T形鋼104のフランジ部106上面に略鉛直に設けられた一対の鋼製の挟持プレート100とにより構成されており、補剛部材14の下端部が、フランジ部106上面に載置されるとともに、補剛部材14の厚さ方向68に対して補剛部材14の両側から挟持プレート100で挟み込まれて支持部材98に保持されている。そして、この支持部材98のウェブ部108を梁26の上フランジ上面に略鉛直に設けられた鋼製の接合プレート62に溶接することによって、補剛部材14の下端部は梁26の上フランジに固定されている。
また、本実施形態では、座屈補剛ブレース10が鉄骨造の柱梁架構18に取り付けられている例を示したが、本実施形態の座屈補剛ブレース10は、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、CFT造(Concrete-Filled Steel Tube:充填形鋼管コンクリート構造)、それらの混合構造など、さまざまな構造や規模の柱梁架構に対して適用することができる。
例えば、図12及び図13の正面図に示すように、柱梁架構110を構成する梁112が鉄筋コンクリート造の場合には、梁112を貫通するボルト114によって梁112に固定された鋼製のガセットプレート116にブレース鋼材12の端部をボルト接合したり、梁112に埋設されたアンカー鉄筋118によって梁112に固定された接合プレート120にブレース鋼材12の端部を溶接接合したりすることにより、柱梁架構110にブレース鋼材12を取り付けることができる。
さらに、本実施形態の座屈補剛ブレース10は、建物の新築工事や耐震改修工事等において設けることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10、80、82、84、122、124、126、128 座屈補剛ブレース
12、86、88、90 ブレース鋼材
14、92、94、96 補剛部材
16 建物
18、110 柱梁架構(架構)
38 弱軸方向
40 ボルト

Claims (3)

  1. 建物の架構に取り付けられたブレース鋼材と、
    前記架構内において前記架構の内面との間に隙間をあけて配置された板状の壁部材からなり、前記ブレース鋼材の弱軸方向に対して前記ブレース鋼材の両側に設けられ、前記ブレース鋼材の座屈を抑制する木質の補剛部材と、
    を有し、
    前記補剛部材の上端部及び下端部は、それぞれ支持部材によって前記架構を構成する梁に固定され、
    前記補剛部材は、互いに重ねて一体化された複数のひき板を繊維方向が層毎に略直交するように重ねて一体化されて構成されていると共に最外層の前記ひき板の繊維方向が上下方向となっている
    座屈補剛ブレース。
  2. 前記補剛部材は、前記ブレース鋼材を間に挟んで前記ブレース鋼材の弱軸方向へ前記補剛部材を貫通する一対のボルトで拘束され、
    一対の前記ボルトの間に前記ブレース鋼材が配置されている、
    請求項1に記載の座屈補剛ブレース。
  3. 前記ブレース鋼材と前記補剛部材との間には、前記ブレース鋼材と前記補剛部材の接触を抑制するクッション材が設けられ、
    前記ブレース鋼材の上端部及び下端部は、それぞれ前記梁のみに梁合されている、
    ている、
    請求項1又は請求項2に記載の座屈補剛ブレース。
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