JPH10511145A - 工業的及び非工業的繊維製品並びに包装材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、工業的及び非工業的繊維製品、及び包装材料に関し、この製品は完全に生物学的に分解可能であり、かつ非常に良好な機械的特性を有している。前記製品は熱可塑性で加工可能なデンプン及び場合により熱可塑性デンプンをベースとする生物学的に分解可能なポリマー混合物の押出成形体から製造される。例えばこのようにして製造された糸を、その強度を高めるために、合成物質産業において常用の方法で延伸する。この糸もしくは繊維は開放、半開放又は密な構造を有する種々の種類の織物の製造に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】 工業的及び非工業的繊維製品並びに包装材料 本発明は繊維製品及び包装材料、その製法並びに繊維製品の多くの工業的及び 非工業的使用に関する。 工業的使用分野並びに非工業的使用分野からの繊維、繊維複合材料並びに包装 材料などは天然の原料から、並びに半合成及び完全合成、例えば合成物質から仕 上げられている。 服飾繊維並びに衛生用品との関連においていわゆる皮膚認容性の重要な論証を も含めて、特にいわゆるワンウェー製品もしくはいわゆる使い捨て製品を問題な く廃棄物処理することを可能にする生物学的分解性の論証も明らかに増加してい る。この際衛生用品、挿入物質、脱脂綿、ネット、フリース等が重要である。こ れらの製品においては一部比較的値段の高い綿花又は半合成材料、例えばセルロ ース、ビスコース等を使用しており、完全合成材料は皮膚認容性が悪く、あまり 需要がない。天然原料の生物学的分解性が通常十分であるということは事実であ るが、これと共に一般にこれらの材料の機械的特性が優れていないというマイナ スの点も重要である。しかしながら、著しく良好な機械的特性を有する合成原料 は不良な皮膚認容性及び悪い分解性のために設定された問題に対する解決を提供 しない。 従って、本願の課題は良好な生物学的分解性を有し、場合により良好な皮膚認 容性を有し、かつ少なくとも容認できる機械的特性を提供する、工業的及び非工 業的使用のための、並びに包装材料として使用するための繊維原料を達成するこ とである。 公知技術水準から、例えば繊維原料をそれから完成することのできる化学繊維 の製造が公知である。この化学繊維の製造においては、これを直接溶融物から、 又は多くの中間工程を介して糸に紡糸し、引き続き強度を高めるために延伸する 。更に、合成物質産業からは熱可塑性合成工材の延伸も公知である。しかしなが ら、これら全ての公知合成物質繊維は著しい量の生物学的に完全には分解不可能 な成分、特に一定の特性、例えば特に機械的特性を付与するための成分を含有す る。 ＥＰ−Ａ−５４１０５０号明細書中には、デンプン繊維を溶融紡糸法により製 造することが提案されており、この際このために特に変性及び／又は非変性デン プンを使用している。変性デンプンとは一方では分解したデンプンを表し、他方 では化学的に修飾されたデンプンを表す。このデンプン成分は一連のその他のポ リマー成分と混合され、かつ繊維に加工されている。分解されたデンプンから製 造された繊維は、劣悪な機械的特性を提供するので繊維製品の製造には不適当で あり、かつ繊維材料としての化学的に修飾されたデンプンは一般に不十分な生物 学的分解性を示す。 従って、本願のもう１つの課題は、良好な生物学的分解性を有し、場合により 良好な皮膚認容性であり、かつ少なくとも容認できる機械特性を提供する繊維原 料を製造するための原材料、例えば特に糸、繊維、モノフィラメント等を達成す ることである。 本発明による工業的並びに非工業的使用のための繊維製品並びに包装材料は請 求項１に明記されている。 更に、強度の高い糸、繊維並びにモノフィラメント等の製法は特に請求項９に 明記されて、提案されている。 工業的並びに非工業的使用のための繊維製品、包装材料、並びにこのために必 要な出発材料、例えば糸、繊維、モノフィラメント、フリース、脱脂綿、織物、 ネット等は少なくとも１種のポリマー混合物を含有し、この混合物は熱可塑性で 加工可能なデンプンを包含する。 ＷＯ９０／０５１６１からは、可塑化材料を用いて天然デンプンから熱可塑性 で加工可能なデンプン又は短期熱可塑性デンプンを製造することが公知である。 この際、天然のデンプンの分解及び可塑化を水の遮断下に実施すること、すなわ ち熱可塑性デンプンの製造の際にデンプン／可塑化剤混合物の重量に対して水含 量が明らかに５重量％を下回り、有利に１〜２重量％ を下回ることが重要である。可塑化剤としては特にグリセリン及びソルビトール が好適であるが、デンプンの溶解度パラメーターの範囲にある溶解度パラメータ ーを示す他の添加剤を使用することもできる。更に、可塑性デンプンの充填剤と してゼラチン、蛋白質、多糖類、セルロース誘導体、合成ポリマー及び／又はゼ ラチンフタレートを添加することも提案されている。熱可塑性で加工可能なデン プンは特に繊維、フィルム又はネット材の製造に好適である。 熱可塑性デンプンの製造は前記ＷＯ９０／０５１６１中に十分に記載されてい るので、この明細書中においてはこの技術水準に関しては反復しない。 本発明により請求した繊維製品、包装材料並びにそれらの出発原料物質の製造 のために、純粋な熱可塑性デンプンの他にも、いわゆるポリマー混合物又はポリ マーブレンドが好適であり、これは熱可塑性デンプンの他に次の成分を含有する ： − 相間媒介体としてポリオレフィン並びにブロックコポリマー、 − ポリオレフィン並びにエチレンアクリレートマレイン酸無水物コポリマー、 − セルロース誘導体、例えばセルロースエーテル、セルロースエステル又はセ ルロースアセテート−ブチレート混合エステル、 − 疎水性で生物学的に分解可能なポリマー、例えば 脂肪族ポリエステル、疎水性の蛋白質又はポリビニルアルコール、 − 常用のジオールから及び芳香族及び脂肪族ジカルボン酸から製造された、芳 香族ポリエステル及び／又はポリエステルコポリマー、 − ポリエステルアミド。 熱可塑性デンプンに関するポリマー混合物との関連において、相間媒介体とし てのポリオレフィン並びにブロックポリマーはＷＯ９１／１６３７５に開示され ている。 熱可塑性デンプンを基礎とするポリマー混合物との関連において、ポリオレフ ィン並びにエチレンアクリレートマレイン酸無水物コポリマーはＷＯ９２／２０ ７４０に開示されている。 熱可塑性デンプン並びにセルロース誘導体からなるポリマー混合物はＥＰ−Ａ −５４２１５５中に詳細に記載されている。 熱可塑性デンプン並びに生物学的に分解性の疎水性ポリマーを基礎とするポリ マー混合物はＥＰ−Ａ−５９６４３７中に詳細に記載されている。 本発明はその解決において、原料、例えば糸もしくは強度の高い糸、繊維、モ ノフィラメント、綿状薄片等を熱可塑性で加工可能なデンプン及び／又は場合に より熱可塑性デンプンを基礎とする、生物学的に分解可能なポリマー混合物の押 出成形体から製造するとい う基本的思想から出発する。こうして、そのように製造された本発明による原料 は完全に生物学的に分解可能である。 熱可塑性デンプンと他の有利なポリマー成分との組合せは、熱可塑性デンプン のすでに比較的良好な機械的特性を更に改良し、かつ場合により使用目的に適合 させることを目的としている。特に、熱可塑性デンプンと前記の他の、有利にポ リマー混合成分との組合せは、熱可塑性デンプンのすでに有利な特性を、更に使 用要求に最適化することを目的としている。こうして、特に熱可塑性デンプン及 び脂肪族並びに芳香族ポリエステル、ポリエステルウレタン等からなるポリマー 混合物は特に好適であるとして明確にされている。場合により、例えば芳香族ポ リエステルのような、単独では生物学的に分解性ではないポリマー、例えば他の 混合成分、例えば脂肪族ポリエステル及び熱可塑性デンプンとの組合せにおいて それにより生物学的に分解可能であるポリマーも、混合成分として重要である。 特に、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ 安息香酸、ポリヒドロキシ酪酸ヒドロキシ吉草酸コポリマー及び類似の物質は特 に熱可塑性デンプンとの良好な混合成分として明確にされている。特に、脂肪族 ジカルボン酸及び脂肪族ジオールを基礎とする脂肪族ポリエステル、例えばポリ ブチレンスクシネート−アジペート及びポリエチレン スクシネート−アジペートのホモポリマー又はコポリマーを挙げることができる 。本発明に定義した繊維原料、例えば繊維製品を製造するための熱可塑性デンプ ンのための混合成分は次の材料である： − ゼラチン、蛋白質、ゼイン、多糖類、セルロース誘導体、ポリラクチド、ポ リビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアクリレート、糖アルコール 、シェラック、カゼイン、ポリアセタール、ポリエステルウレタン、脂肪族ジオ ール及び芳香族ジカルボン酸からのコポリエステル、脂肪酸誘導体、レシチン、 キトサン、ポリエステルアミド。 更に、本発明により定義された繊維原料及び製品を製造するための出発材料に 天然繊維、例えば綿、ウール、シサル麻、ラミー麻、亜麻又は亜麻属植物繊維を 添加してもよい。 勿論、この出発材料に、繊維、モノフィラメント、糸等の製造に一般的である ような、その他の添加物もしくは付加物質を添加することも可能である。 工業的及び非工業的繊維製品のための並びに包装材料のための、繊維、モノフ ィラメント、糸、フィルム等の製造のために好適である、可能でかつ有利なポリ マー混合物の例は次に示した表１中に記載されている。この際、７つの記載され た実施例は熱可塑性デンプンの製造のために使用される成分と、本発明により提 案したポリマー混合物を製造するための熱可塑性デン プンへの混合成分を包含する。更に、この表は加工条件及び特に、ポリマー混合 物の製造の際に支配する押出機中の水含量を包含し、この含量は全て０．１重量 ％より少量である。最後に、実施例で製造したポリマー混合物の有利な適用可能 性を表中に記載した。勿論、この表は単にいくつかの例を包含しているだけで、 全て冒頭に記載した成分は工業的、非工業的繊維製品並びに包装材料のための出 発材料の製造のための熱可塑性デンプンと混合するために好適である。 次に、本発明により定義された繊維製品の製造に好適な原料、例えば高い強度 を有する糸もしくは繊維、の製造を例として詳細に記載する。 押出機中で変性された出発物質をフィルムとして引き出し、糸に切断するか又 は直接糸として引き出し、 その強度を高めるために延伸し、かつ引き続き巻き取るか、又はインライン法で 直接織物等に加工する。本発明による糸の最適な加工温度は、特に延伸の間は約 ３０〜４０℃であり、こうしてその加工温度が通常１００℃である熱可塑性合成 工材より著しく低い。約３０〜４０℃の延伸の際に、マクロ分子は引裂強度の上 昇、透明性の増大及び水及び水蒸気の作用に対する安定性の上昇に作用する配向 性を獲得する。意外にもこの処理により糸の最大引裂力は同じ横断面積の延伸し ていない糸に比較して約１０倍上昇した。 押出機中で変性された、熱可塑性の加工性デンプン、又は熱可塑性デンプンを 基礎とする生物学的に分解性のポリマー混合物からなる出発物質の混合物を先ず 例えばＤＥ−Ｂ−４２２８０１６中に記載されているようにフィルムに加工し、 かつ引き続き糸に切断しかつ延伸するか、又はインライン法で直接多孔ノズルを 介して単一糸に押出成形し、かつ直接引き続き延伸する。この糸の延伸は一軸で 、室温又は最高６０℃までの温度で、しかし有利には３０〜４０℃で、空気中又 は他の媒体中で、例えば水及び／又は溶剤からなる延伸浴中で、又は他のガス媒 体中で実施する。延伸比もしくは圧延比は主に１：５〜１：２０であり、有利に は１：８である。出発物質混合物のフィルムとしての押出成形において次の加工 の可能性がある：フィルム押出成形装置（袋型フィルム又は平面フィルム）の直 後に、このフィルムを連続的にインラインで個々の糸に切断し、引き続きこの生 じた糸を前記方法パラメーターによりインラインで延伸し、かつそれぞれを高い 引裂抵抗の細いテープとしてスプール上に巻き取る。このように得られた生物学 的に分解性の細いテープをこの細いテープ状で直接使用するか、又は巻き取った 単一スプールから出発して１工程で織物、ネット、繊維又はロープに加工するこ ともできる。更に、得られた単一スプールから２工程法でビーム巻取り工程の中 間工程を介して前記織物、ネット、繊維又はロープを製造することもできる。 フィルム出発材料を、ロール製品として１工程で糸に切断し、これをインライ ンで前記方法パラメーターにより延伸し、かつ一緒にビームに巻取ることもでき る。多くの高い引裂抵抗の単一糸からなる、生じたワープビームを更なる工程で 織物、ネット、繊維又はロープに加工することもできる。 同様に、前記工程パラメーターにより、１軸延伸したフィルムを出発材料とし て（ロール製品として）使用することもできる。このフィルムを機械上で１工程 で個々の高い引裂抵抗の糸に切断し、かつ織物、ネット、繊維又はロープに加工 するか、又は細いテープとして単独で巻き取る。 更なる加工可能性によれば、このロール型のフィルム出発材料を１工程で糸に 切断し、前記工程パラメー ターにより延伸し、かつ引き続きインラインで同じ機械上で織物、ネット、繊維 又はロープに加工するか、又は細いテープとして巻き取る。 本発明による糸の有利な特性は実施したフィルム引張試験により明らかになる 。熱可塑性デンプン及び分解可能な脂肪族ポリエステル（BIOFLEX BF 102）から なる生物学的に分解性の工材から製造した、寸法５０ｍｍ／２ｍｍ／０.０２５ ｍｍの長さ／幅／厚さを有するフィルム切片を温度３５℃で比１：８に延伸した 。多くの引張試験により、このフィルム切片の引裂強度もしくは引張強度が、加 重した引裂力１２.８〜１４.８Ｎにおいて２１６〜２５０Ｎ／ｍｍ²であること が確認された。これに対して、比較として試験した延伸していないフィルム切片 の引裂強度は引裂力１.３〜１.９Ｎで僅かに約２５.１〜３８.１Ｎ／ｍｍ²であ る。次に実施したフィルム引張試験１及び２は、それぞれこれらに属する、延伸 した糸に関する表１及び２（Ｆｉｇ.１及び２）によりその結果を明らかにする 、その際ｈは試料の厚さ、Ａｏは試料横断面積、Ｆmaxは試料切片の最大引裂力 であり、δmaxは試料切断面に対する最大引裂強度であり、Ｓ−（Ｆ_max）は試料 の伸張値をｍｍで表した値であり、ε−（Ｆ_max）は元の測定長さの％における 伸張である。比較実施例３は表３（Ｆｉｇ.３）により、非延伸糸の引張荷重に おける結果を示しており、この際付加的に伸張が開始する引張力（ Ｆ_伸張）及びその際作用する延伸応力も調べた。 １．延伸フィルムでのフィルム引張実験（Ｆｉｇ.１） 実験パラメーター： 試料幅 ＝２ｍｍ 測定長さ ＝５０ｍｍ（加圧プレートの 間隔に相当する） 測定開始における前力 ＝０.２Ｎ 破断基準 ＝２Ｎ 前力までの速度 ＝５００ｍｍ／分 試験速度 ＝５００ｍｍ／分 ３つの試料全てを３５℃の温度で１：８に延伸した。 実験結果 ２．延伸フィルムでのフィルム引張実験（Ｆｉｇ.２）。 実験パラメーター： 実験パラメーターは１.のフィルム引張実験のパラメーターに相応する。 実験結果 ３．非延伸フィルムでのフィルム引張実験（Ｆｉｇ.３）。 実験パラメーター： 実験パラメーターは１.のフィルム引張実験のパラメーターに相応する。 実験結果 これらの実験が示すように、本発明による繊維もしくは糸を、化学繊維の製造 の際には常用の延伸法を用いて処理することができる。糸の延伸はすでに３５℃ で非常に効果的であり、かつ引裂強度を明らかに改良する。更に、延伸も含めて 、糸の全ての製造を連続的にかつ１工程で経過する方法で実施することができる 。完全に生物学的に分解可能な工材からなる本発明による糸もしくは繊維は例え ば自然に対する造作及び造園への適用のための最終製品としての細いテープ及び ／又はモノフィラメントとして（植物用テープ等）、包装材料として（包装用ひ も及び包装用テープ等）又は完全に生物学的に分解可能なネット、織物、繊維又 はロープに加工するためのワープビーム又は単一スプール上の中間製品としての 製造の際に好適である。更に、特に強度の高い、完全に生物学的に分解可能な繊 維及び／又はロープを細いテープ及び／又はモノフィラメントのねじり又は加撚 により製造することができる。この特に強度の高いテープ及び／又はロープは全 ての種類のネット、織物及び繊維に加工することができる。 この種類の製品に関する適用は例えば： − 例えば、ジャガイモ、レモン、タマネギ等、遊び道具、家庭用品並びに他の 全ての種類の製品のための開放、半開放又は密な構造の包装袋（網状サックもし くはネットサック等）、 − 営林分野又は造園における植林／植物を新たに植える際の全ての種類の木又 は植物のための、例えば野生生物による噛み傷に対し又は浸食保護のための簡易 保護囲い、 − 戸及び窓のための蝿用ネット又は蚊用ネット、 − 木用包囲材（例えば、樅の木など）及び造園及び自然に対する造作における 球状根用ネット、 − 引裂強度の高いごみ袋、 − 全ての種類のフィルター製織布、 − 破断環状バンド、包囲用環状バンド等の形の溶接可能な環状バンドの形成、 − スポーツ分野でのネット（バトミントン、卓球、バレーボールなど）、 − 家庭での動物飼育、例えば兎小屋、鳩小屋などのための網状組織、 − 人保護、落石保護、浸食保護のための、全ての種類の保護ネット、ブドウ畑 の造作、農業及び造園における全ての種類の保護ネット、 − 建築市場のためのネットロール製品（家庭大工用需要）、 − 養魚及び漁業／内水面漁業用の製品、 − 例えば、テーブル掛け、風よけ、日除け、カバー、厚手の日除けなどの全て の種類の繊維、 − 農業用繊維、例えば早期収穫のための地面カバー、風及び日光保護、 − 乾燥フリースとしての繊維（エヤー・レイド・ペーパー）、 − 熱結合性フリース物質、 − 繊維包装用バンド、例えば段ボール箱用環状バンド、パレット用環状バンド など、 − クリーンルーム中での防御服又は使い捨て衣服、例えばフード、手袋、靴カ バー、つなぎ及び上っ張り。 繊維分野での本発明による糸の更なる適用例はおむつ製品への加工である。そ のような完全に生物学的に分解可能なおむつは次のように製造することができる 。 外側のカバーは軟質セルロース層上に被覆された、例えばＤＥ−Ｂ−４２２８ ０１６中に記載されているような生物学的に分解性のフィルムを形成する。ＳＡ Ｐ−製品（デンプングラフトポリマーとしての超吸収体）を含有し、かつ強力な 吸水性に調節された、更なる軟質セルロース層を挿入する。中心核は生物学的に 分解可能な材料からなるフリースからなる。前記のような構造のおむつは、前製 品がロール製品として存在し、個々の層をシール工程により一緒に合わせること により達せられるので、高い生産速度で製造することができる。例えば、ロール 材料からおむつの形及びおむつの大きさを押し抜きにより製造する。伸縮性の足 部末端部及び腹部末端部への縁及びゴム紐の固定は熱 接着により実施する。粘着テープ又は面ファスナーをおむつの前部と背部とを固 定するために使用する。 本発明による糸もしくは繊維はスピン繊維又はフィラメント繊維のような粗な 材料としても製造することができ、フリース物質、フェルト及び繊維複合材に加 工することができる。繊維フリースの固定は繊維を針状交絡、網状交絡、交絡、 溶融又はシールすることにより実施する。このフリースに付加的に糸、織物又は ニットで、例えば同種の又は同種ではない分解可能な材料、例えばセルロース繊 維、綿花、パンヤ、シサルアサ、アマ、大麻、ジュート、デカンヘンプ、ラミー 、ココヤシからの植物繊維及びウール又は絹からの繊維、で強化することもでき る。これらの前記フリース、フェルト及び繊維複合材はフィルター、合成皮革、 例えばダスター布、雑巾、おむつのような使い捨て製品、工業用単離材又は例え ば防御服のような既成服用繊維の製造のために使用することができる。 更なる繊維、繊維半製品及び完成品及びこれから製造された完成製品は例えば 、線状製品、例えば糸、綱、結びひも、ひも、ロープ、撚糸；面状製品、例えば 接着製品、フェルト、針状フェルト、ニット製品及び編み物製品、又は嵩高な製 品、例えば綿状薄片、ワタ、フィルターマット及び研摩用ワタである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｄ０１Ｆ 6/92 ３０８ Ｄ０１Ｆ 6/92 ３０８Ｅ Ｄ０２Ｇ 3/06 Ｄ０２Ｇ 3/06 // Ｃ０８Ｊ 5/18 Ｃ０８Ｊ 5/18 (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＵ，ＣＡ，ＣＮ，ＪＰ，Ｋ Ｒ，ＳＧ，ＵＳ (72)発明者 ハーラルト シュミット ドイツ連邦共和国 Ｄ−46446 エメリッ ヒ シュピリングシャー ヴェーク 51

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．熱可塑性デンプンを含有する、少なくとも１種の生物学的に分解可能なポリ マー混合物を含有する、工業的並びに非工業的使用のための繊維製品において、 このポリマー混合物が熱可塑性デンプンの他に次の成分： − 相間媒介体としてのポリオレフィン並びにブロックコポリマー、 − ポリオレフィン並びにエチレン−アクリレート−マレイン酸無水物コポリ マー、 − 疎水性で生物学的に分解可能なポリマー、及び／又は − ポリラクチド、ポリビニルアセテート、ソルビトールを除く糖アルコール 、シェラック、カゼイン、レシチン、キトサン、キサンタン及び／又はポリエス テルアミド、 少なくとも１種を含有する繊維製品。 ２．包装材料として使用するための請求項１記載の繊維製品。 ３．熱可塑性デンプンが、天然デンプンを少なくとも１種の可塑化剤を用いて分 解、もしくは可塑化し、その際同時に水含量をデンプン／可塑化剤混合物に対し て５重量％より下に減少させることにより得られるデンプンである請求項１又は ２記載の繊維製品 。 ４．熱可塑性デンプンがグリセリン、ソルビトール及び／又はこれらの混合物を 可塑化剤としてもしくは可塑剤として含有する請求項１から３までのいずれか１ 項記載の繊維製品。 ５．ポリマー混合物が熱可塑性デンプンの他に、セルロースエステル、セルロー スエーテル及び／又はセルロース−アセテート−ブチレート混合エステルを含有 する請求項１から４までのいずれか１項記載の繊維製品。 ６．疎水性の生物学的に分解可能なポリマーが、次の成分： − 脂肪族ポリエステル、 − ポリグリコン酸、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、 ポリヒドロキシ安息香酸、ポリエステルポリウレタンをベースとする脂肪族コポ リエステル、 − 脂肪族ジオール及び芳香族ジカルボン酸からなるポリエステル、 − 疎水性蛋白質、 から選択されている請求項１から５までのいずれか１項記載の繊維製品。 ７．脂肪族ポリエステルがポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒド ロキシ酪酸−ヒドロキシ吉草酸コポリマー及び／又はポリ乳酸である請求項 ６記載の繊維製品。 ８．疎水性蛋白質が、１００％加水分解されていない、ゼイン及び／又はポリビ ニルアルコールである請求項６記載の繊維製品。 ９．ポリマー混合物が付加的に次の成分： セルロース誘導体、ゼラチン、多糖類、ポリアクリレート及び／又は脂肪酸誘 導体、 を含有する請求項１から８までのいずれか１項記載の繊維製品。 10．ポリマー混合物が少なくとも１種の次の添加物： 天然染料、疎水性化剤、乳化剤、グアルゴム、架橋剤、充填剤及び／又は膨潤 −又は可塑化剤、 を含有する請求項１から９項までのいずれか１項記載の繊維製品。 11．ポリマー混合物が、天然の繊維、例えば綿花、ウール、シサルアサ、ラミー 、アマ又はアマ属植物繊維を含有する請求項１から１０記載の繊維材料。 12．請求項１から１１までのいずれか１項で定義されたポリマー混合物から少な くとも部分的に完成されている繊維、糸、フリース、フィルム、綿状薄片、ワタ 、織物、ネット、フェルト及び／又はこれらの組合せから主になるか、もしくは 完成している繊維製品。 13．請求項１から１１で定義されたポリマー混合物を繊維工業において公知の方 法で押出成形し、かつ相 応して加工することを特徴とする請求項１から１２記載の繊維製品を製造するた めの糸、繊維、モノオレフィンの製法。 14．工程： ａ）ポリマー混合物をフィルムとして連続的に押出成形し、 ｂ）このフィルムを切断し糸とし、 ｃ）この糸を延伸比１：４〜１：２０で延伸し、かつ ｄ）この糸を巻き取り、かつ場合により更に織物に加工する、強度の高い糸を 製造するための請求項１３記載の方法。 15．工程： ａ）熱可塑性で加工性のデンプン及び場合により生物学的に分解可能なポリマ ー混合物を糸として連続的に押出成形し、 ｂ）この糸を延伸比１：４〜１：２０で延伸し、かつｃ）糸を巻き取り、かつ 場合により織物に加工する、強度の高い糸を製造するための請求項１３記載の方 法。 16．延伸を６０℃を下回る温度で実施する請求項１４又は１５記載の方法。 17．延伸を３０〜４０℃の間の温度範囲で実施する請求項１６記載の方法。 18．延伸をガス状又は液状媒体中で実施する請求項１ ３から１７までのいずれか１項記載の方法。 19．糸を空中又は水中で延伸する請求項１６又は１７記載の製法。 20．延伸を一軸で実施する請求項１４から１９までのいずれか１項記載の製法。 21．工程ａ）〜ｄ）もしくはａ）〜ｃ）を連続的に及び１工程で実施する請求項 １４から２０までのいずれか１項記載の製法。 22．糸を連続的にかつ１工程で直接織物に加工することを特徴とする請求項１４ から２０までのいずれか１項記載の製法。 23．請求項１４から２２までのいずれか１項記載の方法により最終生成物として 得られる強度の高い糸の、自然に対する造作及び造園における、及び／又は包装 材料としての、又は開放、半開放又は密な構造の、完全に生物学的に分解可能な ネット、織物、フェルト、フリース、綿状薄片、ワタ、繊維又はロープを製造す るための、使用。 24．請求項１から１２までのいずれか１項記載の繊維製品の衛生用品の製造のた めの使用。 25．おむつ、各種の帯、失禁用製品並びにベッドの芯を製造するための請求項１ から１２までのいずれか１項記載の繊維製品の使用。 26．熱可塑性デンプン又は熱可塑性デンプンをベースとしたポリマー混合物から なる繊維から主になるフ リース上に、セルロース綿状薄片からなる層もしくは軟質セルロース層を担持し 、引き続きこのセルロース層上に場合により乾燥紙からなる更なるセルロースフ リース並びに熱可塑性デンプン又は熱可塑性デンプンをベースとする混合物から なる綿状薄片層又はワタ層を担持し、並びに最後に、再び熱可塑性デンプン又は 熱可塑性デンプンをベースとするポリマー混合物からなるカバー層を担持するが 、この際請求項１から１１までの１項に定義されたポリマー混合物が少なくとも 製造すべき衛生用品の成分として存在する、衛生用品の製法。