【発明の詳細な説明】
フェニルオキサゾリジノン抗菌剤発明の背景
本発明は、ピロリジニルまたはアゼチジニル基のいずれかを有する、新規かつ
有用なフェニルオキサゾリジノン化合物を開示する。該化合物は、有用な抗菌剤
であり、多剤-耐性ブドウ球菌、レンサ球菌および腸球菌のごときグラム陽性菌好
気性細菌、ならびに、バクテロイド種(Bacteroides spp.)およびクロストリジウ
ム種(Clostridium spp.)のごとき嫌気性菌、およびマイコバクテリウム・チュー
ベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・アビウ
ム(Mycobacterium avium)およびマイコバクテリウム種(Mycobacterium spp.)
のごとき抗-酸生物を包含する、多種のヒトおよび獣医学的病原体に対して有効
である。情報開示
本発明の化合物は、主題の化合物が複数-置換ピロリジニルまたはアセチジニ
ル基を有することを除いて以下の刊行物に開示された化合物に、そのフェニルオ
キサゾリジノン環構造により関連する。本発明はユニークであって、有用な抗菌
活性を有する。
PCT/US93/03570号出願は、置換ジアジン基を含むオキサゾリジノン、および抗
菌剤としてのその使用を開示している。
PCT/US92/08267号出願は、抗菌剤として有用な置換アリールおよびヘテロアリ
ール-フェニル-オキサゾリジノンを開示している。
PCT/US89/03548号出願は、抗菌剤として有用な5'-インドリニル-5β-アミド
メチルオキサゾリジノン、3-(縮合環置換)フェニル-5β-アミドメチルオキサゾ
リジノン、3-(窒素置換)フェニル-5β-アミドメチルオキサゾリジノンを開示
している。
種々のオキサゾリジノンを開示する他の参照には、米国特許第4,801,600号、
第4,921,869号、Gregory,W.A.ら,J.Med.Chem.,32,1673-81(1989);G
regory,W.A.ら,J.Med.Chem.33,2569-78(1990);Wang,C.ら,Tetra-he
dron,45,1323-26(1989);およびBrittelliら,J.Med.Chem.,35,1156(19
92)が含まれる。
欧州特許公開352,781号は、フェニルおよびピリジル置換フェニルオキサゾリ
ジノンを開示している。
欧州特許公開316,594号は、3-置換スチリルオキサゾリジノンを開示している
。
欧州特許公開312,000号は、フェニルメチルおよびピリジニルメチル置換フェ
ニルオキサゾリジノンを開示している。発明の概要
1の態様において、本発明は、構造式I:
[式中:
Qは構造i、ii、iii、ivおよびv:
から選択され;
ここに、R1は
(a)HまたはF、
(b)OR7、
(c)SR7、
(d)NR8R9、
(e)CN、
(f)C1-C4アルコキシカルボニル、
(g)カルボキサミド、
(h)所望により、1または2以上のフッ素、ヒドロキシ、C1-C4アルコ
キシ、C1-C4アシルオキシで置換されていてもよいC1-C4アシル、
(i)NHO(C1-C6アルキル)またはNHOCH2Ph、
(j)NSO2R(ここに、Rは所望により1または2以上のF、Cl、C1-6
アルコキシまたはフェニルで置換されていてもよいC1-6アルキル);
各R2は、独立して、
(a)HまたはF、
(b)OH、
(c)OR(ここに、RはC1-C6アルキル)、
(d)C1-C4アルキル、
(e)Ph、
から選択され;
各R3は、独立して、
(a)H、
(b)所望により、F、Cl、ヒドロキシ、C1-C3アルコキシカルボニル、C1
-C3アシルオキシ、C1-C3アルキルオキシまたはN(C1-C4アルキル)2で置換
されていてもよいC1-C3アルキル、
(c)フェニル、
(d)ピリジル、
から選択され;
R4は、独立して、H、OCH3、FまたはCl;
R5は、(a)水素、
(b)所望により、1または2以上のF、Cl、ヒドロキシ、C1-C8アルコキ
シ、C1-C8アシルオキシで置換されていてもよいC1-C8アルキル、
(c)C3-C6シクロアルキル、
(d)アミノ、
(e)C1-C8アルキルアミノ、
(f)C1-C8ジアルキルアミノ、
(g)C1-C8アルコキシ;
R6は、(a)O、
(b)S、
(c)NR10、
(d)CR11R12、
(e)(OR)2(ここに、R=C1-C6アルキル)、
(f)O(CH2)mO、
(g)(SR)2(ここに、R=C1-C6アルキル)、
(h)S(CH2)mS、
(i)原子価を埋めるOHとH、HとH、HとFまたはFとF;
R7は、(a)H、
(b)所望により、1または2以上のF、Cl、-CN、ヒドロキシ、C1-C8
アルコキシ、C1-C8アシルオキシ、C1-C8アルコキシカルボニル、フェニルで
置換されていてもよいC1-C8アルキル、
(c)所望により、1または2以上のヒドロキシ、C1-C8アルコキシ、C1-
C8アシルオキシで置換されていてもよいC1-C8アシル、
(d)C1-C8アルコキシカルボニル、
(e)所望により、当該カルボキサミドの窒素上でC1-C4アルキルまたはフ
ェニルで置換されていてもよいカルボキサミド、
(f)所望により、1または2以上のハロゲン、CN、C1-C3アルコキシ、
C1-C3アルコキシカルボニル、所望により1または2以上のFまたはC1-C3ア
ルコキシで置換されていてもよいC1-C4アルキルで置換されていてもよいフェ
ニル;
R8およびR9は、独立して:
(a)H、
(b)所望により、1または2以上のF、Cl、-CN、ヒドロキシ、C1-C8
アルコキシ、C1-C8アシルオキシ、C1-C8アルコキシカルボニル、フェニルで
置換されていてもよいC1-C8アルキル、
(c)所望により、1または2以上のヒドロキシ、C1-C8アルコキシ、C1-
C8アシルオキシ、アミノ、C1-C4アシルアミノ、アミノ-C1-C4アシルアミノ
で置換されていてもよいC1-C8アシル、
(d)所望により、1または2以上のF、Cl、ヒドロキシ、C1-C8アルコキ
シ、C1-C8アシルオキシ、アミノ、C1-C4アシルアミノ、C1-C4アルコキシ
カルボニルアミノで置換されていてもよいベンゾイル、
(e)C1-C8アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、tert-ブト
キシカルボニル、
(f)所望により、当該カルボキサミドの窒素上でC1-C4アルキルまたはフ
ェニルで置換されていてもよいカルボキサミド、
(g)トリフルオロアセチル、
(h)CO(C1-C6アルキル)
から選択され;
R10は、(a)H、
(b)OR7、
(c)NHR7、
(d)所望によりフェニルで置換されていてもよいC1-C8アルキル;
R11およびR12は、独立して:
(a)H、F、
(b)所望によりハロゲン、ヒドロキシ、C1-C4アルコキシ、C1-C4アルコ
キシカルボニル、フェニルで置換されていてもよいC1-C4アルキル、
(c)C1-C8アシル、
(d)C1-C4アルコキシカルボニル、
(e)CN
から選択され;
R17は、(a)O、
(b)S;
R18およびR19は、独立して:
(a)H、
(b)所望により、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C4アルコキシで置換されて
いてもよいC1-C4アルキル、
(c)OH、
(d)所望により、ヒドロキシまたはC1-C4アルコキシで置換されていても
よいC1-C4アルコキシ、
(e)NR8R9、
(f)-OC(O)C1-C4アルキル
から選択され;
nは0または1で、mは2または3]
で示される化合物、またはその医薬上許容される塩。
1の態様において、本発明は、構造式i:
で示される化合物である。
もう1の態様において、本発明は構造式ii:
で示されるものを含む。
もう1の態様において、本発明は構造式iii:
で示されるものを含む。
なおもう1の態様において、本発明は、構造式iv:
で示される化合物である。
なおもう1の態様において、本発明は、構造式v:
で示される化合物である。
もう1の態様において、本発明は、有効量の前記の式I(i−v)で示される化
合物を、治療を要する患者に投与することによる、ヒトまたは他の恒温動物にお
ける微生物感染症の治療方法に指向される。該化合物は、経口、非経口または局
所のいずれかで医薬組成物で投与し得る。好ましくは、該化合物は、約0.1〜
約100mg/kg体重/日、より好ましくは、約3.0〜約50mg/kg体
重/日の量で投与する。発明の詳細な説明
本発明は、前記した構造式I(および式i-vに構造的に表す)で示される新規
の置換アゼチジニル-およびピロリジニル-フェニルオキサゾリジノンを開示する
。該化合物は、有用な抗菌剤であって、多種のヒトおよび獣医学的病原体、特に
、多剤耐性ブドウ球菌(staphylococci)、腸球菌(enterococci)およびレンサ球菌
(streptococci)を包含する好気性グラム-陽性細菌、ならびに、バクテロイドお
よびクロストリジウム種のごとき嫌気性生物、およびマイコバクテリウム・チュー
ベルクローシス(Mycobacteium tuberculosis)および他のマイコバクテリア種の
ごとき抗-酸性細菌に対して有効である。
R4置換基は、好ましくは、両方がフッ素、より好ましくはフッ素および水素
である。
R5置換基は、好ましくは、水素、メチル、ジクロロメチル、ヒドロキシメチ
ルまたはメトキシである。より好ましくは、R5は水素、メトキシまたはメチル
である。R5はメチルであるのが最も好ましい。
R6置換基は、好ましくはO、OCH2CH2O、NOHおよびNOCH3である
。
「アルキル」とは、直鎖または分岐鎖のいずれかとなり得る示した数の炭素原
子を有する炭素原子鎖を意味する。
「アルコキシ」とは、メトキシ(-OCH3)、エチルオキシ、ブチルオキシ他の
ごとき基を形成する酸素に結合した示した数の炭素原子、およびその異性体形を
意味する。
「アシルオキシ」とは、アセチル(CH3 CO-);ベンゾイル(C6H5CO-)の
ごとき、OH基が欠失した有機酸を形成する示した数の炭素原子を意味する。
「シクロアルキル」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル他を形成する示した数の炭素原子、およびその異性体形を意味す
る。
「Ph」とはフェニルを意味する。「カルボニル」とは-C(=O)-基である。
「アミノ」とはNH2を意味し、「アルキルアミノ」とはその1の水素位置がア
ルキルで置き換わったもので、「ジアルキルアミノ」とはその両方の水素がアル
キル基で置き換わったものである。
「医薬上許容される塩」とは、いずれかの当該分野で認識されている手段によ
って調製し得る酸付加塩である。典型的に、酸付加塩には、塩酸塩、臭化水素酸
塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、マ
レイン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、シクロヘキサンスルファミン酸塩、メタン
スルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン
酸塩、フマル酸塩および他の医薬上許容されるアミンの対イオンが包含される。アゼチジニル-フェニルオキサゾリジノン
:
本発明で特許請求する化合物のオキサゾリジノン環のC-5の好ましい絶対的
立体配置は、式iおよびiiの構造で表される。この絶対的立体配置はCahn-I
ngold-Prelog命名系下で(S)と呼称される。抗菌剤として薬理学的に活性なも
のはこの(S)-エナンチオマーである。ラセミ混合物も同様に、純粋な(S)-エナ
ンチオマーと同じ目的で有用であり;異なるのは同抗菌剤効果を生成するのには
2倍のラセミ体物質を用いなければならないことである。キラル中心が式i、i
iおよびiiiの化合物のアゼチジンフラグメントに存在する場合(RがHでな
い場合)には、ジアステレオマーが可能なことは当業者に明らかであろう。ラセ
ミ体およびエナンチオマー的に富む形のこれらのジアステレオマーも、本発明の
式i、iiおよびiiiの化合物の範囲内にある。
エナンチオマー的に純粋な形の式i、iiおよびiiiのオキサゾリジノンの
好ましい製法をチャートI-VIに図示する。チャートI-VIは、Qがi、ii
またはiiiであるコア環式構造周辺を中心に置く本発明の種々の化合物の製造
の包括的構造表示を含む。
チャートIに示すごとく、構造1の3-ヒドロキシアゼチジンを、適当な溶媒
、例えばテトラヒドロフラン(THF)中の適当な塩基、例えば水素化ナトリウム
で脱プロトン化し、ついで、アルキルハライド、例えばヨウ化メチルでアルキル
化してアゼチジンエステル2(R13=アルキル)を得ることができる。望むなら、
アリールアゼチジンエステル2(R13=所望により置換されていてもよいフェニ
ル)は、公知の方法(Taylor,C.R.,Jr.;Cale,A.D.,Jr.;Stauffer
,H.F.,Jr.米国特許第4,956,359号、1990年)を用いることによってアゼチジ
ノール1から製造し得る。1および2のベンズヒドリル基を、適当な溶媒、例え
ばメタノール中、鉱酸、例えば塩酸存在下、適当な触媒、例えば炭素上水酸化パ
ラジウム存在下の水素化分解によって除去して、アゼチジン3(R13=H、アル
キル、フェニル)を得る。構造3の化合物を、ついで適当な塩基/溶媒組合せ、
例えばアセトニトリルまたはTHF中のジメチルスルフォキシドまたはN,N-ジ
イソプロピルエチルアミン中の二塩基リン酸カリウム存在下、適当な温度、典型
的には常温〜70℃で、官能基化ニトロベンゼン4(X=ハロゲンまたはトリフ
ルオロメタンスルホン酸)と反応させて付加物5を得る。構造式iの化合物のR1
または
進展した中間体がヒドロキシであることが望ましい場合、tert-ブチルジメチル
シリル基のごとき適当な保護基は、常温にて、N,N-ジメチルホルムアミド(D
MF)のごとき適当な溶媒中、イミダール存在下にて5(R13=H)と塩化tert-ブ
チルジメチウシリルと反応させることによって付加し、5(R13=tert-ブチルジ
メチルシリル)を得る。この保護基が単なる代表的なものであって、Greene,T
.W.;Wuts,P.G.M.「Protective Groups in Organic Synthesis」第2
版;John Wiley&Sons社:New York,1991年記載のもののごとき別の保護基
も用い得ることは当業者に明らかであろう。ついで、適当な溶媒、例えばTHF
/H2O中、10%パラジウム/炭素またはW-2ラネーニッケルのごとき適当な
触媒存在下の接触還元によって、5のニトロ基を還元する。この後者の溶媒系を
用いる場合、該反応混合物は最初に濾過して触媒を除去し、ついで、中間体アニ
リンを含有する濾液を、例えば重炭酸ナトリウムおよびベンジルまたはクロロギ
酸メチルで処理して、対応するベンジル(R14=CH2Ph)またはメチル(R14=
CH3)ウレタン誘導体6を得る。ついで、ウレタン6を、-78〜-40℃のごと
き適当な温度にて、テトラヒドロフラン(THF)のごとき適当な溶媒中、n-ブ
チルリチウム(n-BuLi)、リチウム ジイソプロピルアミド(LDA)またはリ
チウム ビス(トリメチルシリル)アミドのごとき適当な塩基で脱プロトン化して
、リチウム化中間体を得、ついでこれを市販されている(-)-(R)-グリシジル酪
酸で処理する。ついで、常温に温めて、エナンチオマー的に富んだ形の5-(ヒド
ロキシメチル)オキサゾリジノン7を直接得る。
チャートIIに示すごとく、ついで、化合物7を、例えば塩化メタンスルホンニ
ル/ピリジンまたは塩化メタンスルホンニル/トリエチルアミン/ジクロロメタ
ンまたは塩化p-トルエンスルホニル/ピリジンの作用によって、対応するメシ
ラート8(R15=メチル)またはスルホン酸アリール8(R15=ArSO2、例えば
p-トルエンスルホニル)に変換する。ついで、得られたスルホン酸誘導体8を、
50-90℃の温度にて、所望により18-クラウン-6のごとき触媒存在下、N,
N-ジメチルホルムアミド(DMF)または1-メチル-2-ピリジノンのごとき非プ
ロトン性溶媒中、アジ化ナトリウムまたはアジ化カリウムのごときアジド源と反
応させてアジド9を得る。ついで、該アジドを、酢酸エチルまたはメタノールの
ごとき適当な溶媒中にて、炭素上パラジウムまたは白金触媒で水素化分解するこ
とによって還元し、対応するアミン10を得る。別法として、該アジド9は、テ
トラヒドロフランのごとき適当な溶媒中、トリフェニルホスフィンのごとき三価
リン化合物で処理し、つづいて水を添加することによっても還元し得る。中間体
アミン10は、還流温度、エタノール/H2O中にて、(還流温度にて、適当な溶
媒、例えばアセトニトリル中でスルホネート8とカリウム フラルイミドを反応
することによって得た)フタリミド誘導体11をメチルアミンで処理することに
よっても調製し得る。別法として、アミン10は、70-95℃油浴中に浸漬し
た密閉反応容器中にて、H2O/イソプロパノール/THFよりなる溶媒系中の
水酸化アンモニウム水溶液でのアンモノリシスによってメシラート8から直接調
製し得る。ついで、アミン10を当業者に公知である反応によってアシル化して
、構造12のオキサゾリジノンを得る。例えば、該アミンは、-30〜30℃の
範囲の温度にて、ピリジンのごとき塩基性溶媒中、酸塩化物または無水和物と反
応させて、アシル化化合物12(R5=所望により、置換されていてもよいアルキ
ル)を得ることができる。本発明の範囲内にある他のカルボニル基は、標準的な
アシル化技術、例えばMarch,J.「Advanced Organic Chemistry」第3版;
John Wiley&Sons社:New York,1985年;p370-375で強調されているもの
、によってアミン10に容易に付加して12のさらなる例を得ることができるこ
とは当業者に明らかであろう。R13がHであることが望ましい場合、12の選択
した例の付加したtert-ブチルジメチルシリル保護基は、Greene,T.W.;Wut
s,P.G.M.「Protective Groups in Organic Synthesis」第2版;John
Wiley&Sons社:New York,1991年に注記されているもの、特に、常温にて
アセトニトリル中のフッ化水素酸水溶液のごとき適当な条件を用いて除去して対
応するアルコールを得る。構造12(R13=H、アルキル、所望により置換され
ていてもよいフェニル)の化合物は、式Iのアゼチジン-置換オキサゾリジノン抗
菌剤の例を表しており、これは、本発明の対象である。
それ自体が構造式iの抗菌剤の例であるアゼチジン-含有オキサゾリジノン1
2は、さらに、式iのさらなる化合物およびチャートIIIに示す構造式iiの例
にも合成し得る。例えば、12(R13=H)は、アセトニトリル/ジクロロメタ
ン中のN-メチルモルホリン N-オキシドおよびモレキュラーシーブ存在下にて
それを触媒過ルテニウム酸テトラ-n-プロピルアンモニウムと反応させることに
よって対応するアゼチジノン13に酸化し得る。化合物13は、構造式iiの抗
菌剤の一例である。13のケトン基は、さらなる修飾物に反応し易い。13とロ
ーエッソン試薬またはMarch,J.「Advanced Organic Chemistry」第4版;
John Wiley&Sons社:New York,1992年;p893-894記載のごとき別の試薬
とを反応させて対応するチオケトン14(R6=S)を得る。オキシム14(例えば、
R6=NOHおよびNOCH3)は、常温にて適当な溶媒、例えばメタノール中、
適当な塩基、例えばピリジン存在下にて、13と、例えば、塩酸ヒドロキシルア
ミンまたは塩酸メトキシルアミンとを反応させることによって容易に調製される
。種々のヒドラゾン誘導体(R6=NNHR7)は、Greene,T.W.;Wuts,P.
G.M.「Protective Groups in Organic Synthesis」第2版;John Wiley
&Sons社:New York,1991年,p212-213およびMarch,J.「Advanced Org
anic Chemistry」第4版;John Wiley&Sons社:New York,1992年;p904
-905に記載のごとく、13とヒドラジンとを反応させることによって調製し得る
。イミン14(R6=N-アルキルまたはN-アリール)は、March,J.「Advance
d Organic Chemistry」第4版;John Wiley&Sons社:New York,1992年
;p896-897記載のごとく、13を第一級アミンで処理することによって合成する
。オレフィン誘導体(14:R6=CR11R12)は、当業者に知られているごとく
、13と、リンイリドなどのごとき種々のオレフィン化試薬とを反応させること
によって調製する。代表的な例は、March,J.「Advanced Organic Chemist
ry」第4版;John Wiley&Sons社:New York,1992年;p956-963に記載さ
れている。R6がCF2である場合には、これは、Tetrahedron Letters 1964年
、p1461に記載されているごとく、ケトン13とジフルオロクロロ酢酸ナトリウ
ム(NaO2CCF2Cl)およびトリフェニルホスフェートとの処理が含まれる。
得られたオレフィン結合は、接触還元または当業者に公知である他の方法によっ
て
還元して、構造式iの例を提供し得る。構造14の他の化合物、例えば環状およ
び非環式ケタールおよびジチオケタールは、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M
.「Protective Groups in Organic Synthesis」第2版;John Wiley&Son
s社:New York,1991年、p177-207記載の条件下にて、13の化合物をジオー
ル、ジチオール、アルコールまたはチオールと反応させることによって調製し得
る。化合物12(R13=H)も、当業者に公知である適当な溶媒中、適当な塩基存
在下にて、無水和物、クロロギ酸アルキル、イソシアネートなどのごとき種々の
カルボニル誘導体で12を処理することによって、種々の誘導体15(R16=所
望により置換されていてもよいアシル、アルコキシカルボニル、カルボキサミド
など)に変換し得る。化合物14および15は、構造式iおよびiiのオキサゾ
リジノン抗菌剤の例を表している。
チャートIV-VIは、構造式i(式中、R1はOR7以外の基)の例の製造法を
概説している。チャートIVに示すごとく、トリエチルアミンおよびジクロロメ
タン存在下にてアゼチジノール出発物質1と塩化メタンスルホニルとを反応させ
ることにより得たメシラート16を、種々の求核試薬と反応させる。例えば、1
6をアンモニア、第一級アミンまたは第二級アミンで処理すると、構造17の3-
アミノアゼチジンが得られる。同様にして、16をチオレートまたはシアニドで
処理すると、各々、付加物18および19が得られる。化合物19は、水素化ア
ルミニウムリチウムなどで対応する3-(3-アミノメチル)アゼチジン20に還元
し得る。化合物19は、カルボキシレート誘導体21にも変換し得る。当業者で
あれば、さらに、21のカルボキシレート基を対応するカルボキサミドまたは種
々のアシル基に変換することができ、これは、さらなる合成後には、構造式iの
抗菌剤のさらなる例を含む。化合物17および20は、適当な塩基存在下にて1
7および20をハロゲン化アルキルまたはトシラートで処理することを含む、当
業者に公知である方法によってさらにN-アルキル化し得る。別法として、選択
したアルキル基は、March,J.「Advanced Organic Chemistry」第4版;J
ohn Wiley&Sons社:New York,1992年;p898-900記載の還元アルキル化法
によって17および20の窒素に付加し得る。遊離NHが存在するアミノ中間
体17および20の場合には、これらの基を保護して、幾つかの続く反応を無事
に進行させることが必要である。該アミノ基は、必要により、Greene,T.W.;
Wuts,P.G.M.「Protective Groups in Organic Synthesis」第2版;J
ohn Wiley&Sons社:New York,1991年、p309-403記載の方法を用いて、対
応するt-ブチルカルバメート(BOC)、ベンジルカルバメート(Cbz)、トリ
フルオロアセトアミドまたはフタルイミド誘導体などに変換し得る。ついで、1
7-21のベンズヒドリル保護基を、鉱酸、例えば塩酸存在下、適当な触媒、例
えば炭素上水酸化パラジウム存在下の水素化分解によって除去して、中間アゼチ
ジン22(R1はOR7でない)を得る。
チャートVは、中間体アゼチジン22の構造式i(R1はOR7でない)の例への
合成を概説している。化学は、チャートI記載のものと実質的に同一である。化
合物22をニトロベンゼン誘導体23に最初に変換する。構造24のカルバメー
トへの還元および変換は、前記と同様に行う。チャートIに記載のごとく、中間
体24を光学的に活性な5-(ヒドロキシメチル)オキサゾリジノン25に合成す
る。ついで、チャートIIに概説する方法を適用することによって、25の構造2
6の化合物への変換が許容される。いずれもの付加保護基、例えば化合物(式中
、R1はアミノ)上のBOC基の除去は、当業者に公知である方法、例えばGreen
e,T.W.;Wuts,P.G.M.「Protective Groups in Organic Synthesis
」第2版;John Wiley&Sons社:New York,1991年記載のものによって達
成される。ついで、得られた遊離アミノ基を、望むなら、N-アルキル化または
N-アシル化して、構造26のさらなる化合物、例えば、構造式iのオキサゾリ
ジノン抗菌剤の例を得ることができる。
チャートVIは、適当な溶媒、例えばジクロロメタン中、トリエチルアミンの
ごとき適当な塩基存在下にて、塩化メタンスルホニルの作用によってヒドロキシ
アゼチジニルフェニルオキサゾリジノン中間体12(R13=OH)を対応するメシ
ラート27に変換するチャートIVに概説した化学のバリエーションを図示して
いる。メシラート16についてチャートIVに記載する同一の求核試薬置換は、
より官能基化したメシラート27で行い、化合物28-30を得ることができる
。
チャートIV記載のものと同様な方法を用いて、30を化合物31および32に
変換し得る。化合物28-32は、構造式iのオキサゾリジノン抗菌剤の例であ
り、これは本発明の対象である。化合物28-32が単なる表示例であって、そ
れ自体はさらなる化学変形に影響され易く、構造式iのさらなる例が得られるこ
とは当業者に明らかであろう。
チャートVIIは、構造式iiiの化合物の製法を概説している。構造33の
2-アゼチジノンを、適当な溶媒、例えばTHF中、適当な塩基、例えば水素化
ナトリウムで処理して脱プロトン化中間体を得、ついで、これを官能基化ニトロ
ベンゼン誘導体4(X=ハロゲン)と反応させて、付加物34を得る。適当な保護
基、.例えばGreene,T.W.;Wuts,P.G.M.「Protective Groups in Org
anic Synthesis」第2版;John Wiley&Sons社:New York,1991年記載の
ものが、化合物33の選択したR18およびR19置換基に必要であることは当業者
に明らかであろう。中間体34は、チャートIおよびIIに概説する工程を介して
、それ自体が本発明の対象である構造式iiiの例である構造35の化合物に変
換し得る。別法として、チャートIおよびIIに概説した方法を介して調製したア
ゼチジニル-置換中間体36は、適当な溶媒系、例えば酢酸エチル/水中、メタ
過ヨウ素酸ナトリウムのごとき適当な酸化剤存在下、例えば触媒四酸化ルテニウ
ムで対応するアゼチジノン35(R17=O)に酸化する。化合物35(R17はS)の
例を調製するためには、選択したアゼチジノン中間体をローエッソン試薬などと
反応させる。
本発明の一部として調製し得るアゼチジニル-フェニルオキサゾリジノンの例
は以下の通りである:
1.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-1-アゼチジニル)フェニル
]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
2.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3−ヒドロキシ-1-アゼチジニル)フェ
ニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
3.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-[N-(2-フルオロエチル)-N-メチル
アミノ]-1-アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]
アセトアミド
4.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-オキソ-1-アゼチジニル)フェニル]-
2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
5.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-(メトキシイミノ)-1-アゼチジニル)
フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
6.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-3-メチル-1-アゼチジニ
ル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
7.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-1-アゼチジ
ニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
8.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(2-オキソ-1-アゼチジニル)フェニル]-
2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
9.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-ヒドロキシ-2-オキソ-1-アゼチジ
ニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
10.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-2-オキソ-1-アゼチジ
ニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
11.N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-メチル-2-オキソ-1-アゼチジニル)フ
ェニル]-2-オキソ-(5S)-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
12.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3,3-ジメチル-2-オキソ-1-アゼチ
ジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
13.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-(ヒドロキシイミノ)-1-アゼチジ
ニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
14.N-[[3-[3-フルオロ-4-[(2R)-メチル-3-オキソ-1-アゼチジニル
)フェニル]-2-オキソ-(5S)-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
15.N-[[3-[3-フルオロ-4-[(2S)-メチル-3-オキソ-1-アゼチジニル
)フェニル]-2-オキソ-(5S)-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
16.N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-(メトキシイミノ)-(2R)-メチル-1-ア
ゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-(5S)-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミ
ド
17.N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-(メトキシイミノ)-(2S)-メチル-1-ア
ゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-(5S)-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミ
ド
18.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-(ジフルオロメチレン)-1-アゼチ
ジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
19.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-(メトキシメチレン)-1-アゼチジ
ニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
20.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-(ヒドロキシアセチル)-1-アゼチ
ジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
21.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-(メトキシアミノ)-1-アゼチジニ
ル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
22.N-[[3-[3-フルオロ-4-[2,4-ジメチル-3-オキソ-1-アゼチジニ
ル]フェニル]-2-オキソ-(5S)-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
23.N-[[3-[3-フルオロ-4-[2,4-ジメチル-3-(メトキシイミノ)-1-
アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-(5S)-オキサゾリジニル]メチル]アセトア
ミド
24.N-[[3-[3-フルオロ-4-[2,4-ジメチル-3-メトキシ-1-アゼチジ
ニル]フェニル]-2-オキソ-(5S)-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
25.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[(3S)-メトキシ-(2R)-メチル-1-
アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
26.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[(3R)-メトキシ-(2S)-メチル-1-
アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
27.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[(3S)-ヒドロキシ-(2R)-メチル-1
-アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミ
ド
28.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[(3R)-ヒドロキシ-(2S)-メチル-1
-アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミ
ド
29.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-フルオロ-1-アゼチジニル)フェニ
ル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
30.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-フルオロ-(2R)-メチル-1-アゼ
チジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
31.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-フルオロ-(2S)-メチル-1-アゼ
チジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
32.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-[(ヒドロキシアセチル)アミノ]-1
-アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミ
ド
33.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-[(メタンスルホニル)アミノ]-1-
アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
34.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-[(ホルミル)アミノ]-1-アゼチジ
ニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
35.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-[(アセチル)アミノ]-1-アゼチジ
ニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
36.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-[(メトキシカルボニル)アミノ]-1
-アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミ
ド
37.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-[(ベンジルオキシカルボニル)アミ
ノ]-1-アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセ
トアミドピロリジニル-フェニルオキサゾリジノン
:
本発明は、前記の構造式ivおよびv記載の新規な置換ピロリジニルフェニル
オキサゾリジノンを開示する。該化合物は、有用な抗菌剤であって、多種のヒト
および獣医学的病原体、特に、多剤耐性ブドウ球菌(staphylococci)およびレン
サ球菌(streptococci)を包含する好気性グラム-陽性細菌、ならびに、バクテロ
イドおよびクロストリジウム種のごとき嫌気性生物、およびマイコバクテリウム
・
チューベルクローシス(Mycobacteium tuberculosis)および他のマイコバクテリ
ア種のごとき抗-酸性細菌を包含する好気性グラム-陽性細菌に対して有効である
。
このシリーズで最も好ましい化合物は、オキサゾリジノン環のC5のCahn-I
ngold-Prelog表示に従う(S)-立体配置を有する光学的に純粋なエナンチオマー
として調製されるであろう。光学的に純粋な材料は、多種の不斉合成のうちの1
種、または、例えば、酒石酸ジベンゾイルまたは10-カンファスルホン酸のご
とき適当な光学的に活性な酸での中間体アミン11(チャートXII記載のもの)
のラセミ体修飾につづく塩基での処理で光学的に活性なアミンを得、これから塩
の選択結晶化によるラセミ体修飾からの分割によって調製し得る。抗菌剤として
薬理学的に活性であるためにこのシリーズの化合物の(S)-エナンチオマーが好
ましいが、ラセミ修飾物も純粋な(S)-エナンチオマーと同様に有用である;異
なる点は、同一の抗菌効果を誘導するには2倍のラセミ体材料が必要な点である
。加えて、キラル中心が構造式ivおよびvの化合物のピロリジン基に存在する
場合、ジアステレオマーが可能であることは当業者に明らかであろう。ラセミ体
または立体配置的に富む形のいずれかのこれらのジアステレオマーも、本発明の
式ivおよびvの化合物の範囲内である。
エナンチオマー的に純粋な形態の式ivおよびvのピロリジニルフェニルオキ
サゾリジノンの好ましい製法をチャートXI-XIXに図示する。チャートXI-
XIXは、コア環式構造(式中、Qはivまたはv)周辺を中心とする本発明の種
々の化合物製造用の包括的構造表示を含む。
チャートXIに示すごとく、市販されているか、または、文献(米国特許第4,7
53,953号)法の変形によって調製した構造1の誘導体は、水を共沸させつつ酸触
媒条件下でエチレングリコールのごときジオールで保護し、アセタール2を形成
することができる。ついで、2のN-ベンジル基を、適当な溶媒中、炭素上パラ
ジウムまたは炭素上水酸化パラジウムのごとき貴金属触媒存在下にて水素化分解
することによって除去し、ピロリジン誘導体3を得ることができる。ピロリジン
誘導体3は、適当な温度、典型的には常温〜90℃にて、適当な塩基および溶媒
の組合せ、例えばDMSO中の二塩基性リン酸カリウム中でニトロベンゼン誘
導体4(Y=ハロゲンまたはトリフルオロメタンスルホネート)で処理して、付加
物5を得ることができる。ついで、5のニトロ基を、酢酸エチルまたはテトラヒ
ドロフラン(THF)のごとき適当な溶媒中、炭素上パラジウムまたはW-ラネー
ニッケルのごとき触媒存在下の接触水素化によって還元して、アニリン誘導体6
を得る。THFをこの還元用の溶媒として用いる場合、濾過によって触媒を除去
するか、またはアニリン誘導体6を単離する必要はないが、しかし、単に、窒素
のごとき不活性ガスで反応容器を置換し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を添加し
、得られた冷却混合物をベンジルまたはクロロギ酸メチルで処理して対応するベ
ンジル(R14=CH2Ph)またはカルバミン酸メチル(R14=CH3)誘導体7を得
る。カルバメート誘導体7のいずれかは、-78℃〜-40℃のごとき適当な温度
にて、THF、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)またはその混合液のごとき
適当な溶媒中、n-ブチルリチウム、リチウム ジイソプロピル アミド(LDA)
またはリチウム ビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)のごときリチウム
塩基で脱プロトン化してリチウム化中間体を得、これを市販されている(R)-(-)
-グリシジル酪酸で直接処理する。この反応混合物を常温に温めると、非常にエ
ナンチオマー的に富んだ形で(ヒドロキシメチル)オキサゾリジノン8が得られる
。
チャートXIIに示すごとく、トリエチルアミンまたはピリジン存在下の塩化メ
タンスルホニルまたはピリジン存在下の塩化p-トルエンスルホニルで処理する
ことによって、化合物8は対応するメシラート(R15=CH3)またはトシラート(
R15=p-CH3C6H4)に変換し得る。ついで、得られたスルホネート誘導体9
は、50-90℃の範囲の温度にて、18-クラウン-6のごとき任意触媒を入れ
たDMFまたはN-メチルピロリジノン(NMP)のごとき非プロトン性二極性溶
媒中のアジ化ナトリウムまたはアジ化カリウムのごときアルカリ性金属アジ化物
で処理して、アジド10を得ることができる。アジド10は、酢酸エチル、TH
Fまたはメタノールのごとき適当な溶媒中、パラジウム、白金またはニッケル触
媒存在下の水素化分解によって、対応するアミン11に還元し得る。別法として
、アジド10は、THFのごとき溶媒中、トリフェニルホスフィンまたは他の三
価リン化合物で処理し、続いて水を添加することによって還元し得る。
アミン11は、40-90℃、DMF中または還元アセトニトリル中でカリウム
フタルイミデートでスルホネート9を処理することによって調製してフタルイミ
ド12を得ることができ、ついでこれを、例えば、還流エタノール中のメチルア
ミン水溶液で処理することによって脱プロトン化して11を得ることができる。
アミン11へのより直接的な経路は、油浴中で75-105℃に加熱した密閉試
験管中のイソプロピルアルコール-THF溶媒系中のアンモニア水溶液でスルホ
ネート9を処理することである。ついで、アミン11を当業者によく知られてい
る反応によってアシル化して、構造13の(アシルアミノメチル)オキサゾリジノ
ンを得る。例えば、アミン11は、-40-40℃の範囲の温度にて、ピリジンま
たはトリエチルアミンのごとき塩基存在下にて、酸塩化物または酸無水和物で処
理することによって、アシル誘導体13(R5=所望により置換されていてもよい
アルキル)を得ることができる。同様な条件下では、カルバメートのごとき他の
アシル誘導体を容易に調製し得ることは理解し得る。最後に、アセトン水溶液中
でp-トルエンスルホン酸のごとき水性酸で13を処理するとアセタール官能基
性を加水分解して対応するカルボニル誘導体14が得られ、これは式ivのピロ
リジノン置換抗菌剤の例を表す。式ivの化合物の他の具体例が14から調製し
得ることは当業者により理解し得る。ローエッソン試薬または硫化水素のごとき
他の別の試薬と14との反応により、チオケトン誘導体15(R6=S)が得られ
るであろう。オキシム(R6=NHOHまたはNHOCH3)は、メタノールのごと
き溶媒中、ピリジンまたは酢酸ナトリウムのごとき塩基存在下にて、塩酸ヒドロ
キシルアミンまたは塩酸メトキシアミンのいずれかで処理することによって14
から調製し得る。ヒドラゾン誘導体(R6=NNHR12)は、ヒドラジン誘導体と
14を処理することによって調製し得る。同様にして、イミン(R6=NR12)は
、第一級アミンで14を処理することによって調製し得る。オレフィン誘導体(
R6=CR11R12)は、リンイリド(ウィティッヒ試薬)、リン酸エステル(ホナー-
エモンズ試薬)または当業者に公知である他の試薬のごとき種々のオレフィン化
試薬で14を処理することによって調製し得る。接触水素化または他の方法によ
るオレフィン結合の還元が構造式vの例を供することは容易に理解される。
チャートXIII-XVは、構造式v(式中、R1=OR7、R3=Hおよびn=0)
の例の製造を概説している。チャートXIIIに示すごとく、ホウ水素化ナトリ
ウム、水素化リチウムアルミニウムなどのごとき多種の標準的ヒドリド還元剤の
いずれかで処理することによって、チャートXIに記載する中間体1をアルコー
ル16に還元する。ついで、16のベンジル保護基は、炭素上水酸化パラジウム
または10%炭素パラジウムのごとき触媒を用いた水素化分解によってつついて
除去し、アミノアルコール17を得る。17の幾つかの例が市販されているが、
高い抗菌対象のより複雑な例を含めるために、17のデ・ノボ合成の可能性を考
慮しなければならないことをここに特記しなければならない。ついで、アミノア
ルコール17が、40-90℃の範囲の温度にて、ジメチルスルフォキシドのご
とき適当な溶媒中の二塩基性リン酸カリウムのごとき適当な塩基存在下にて、4
(Y=ハロゲンまたはトリフルオロメタンスルホネート)のごときニトロベンゼン
誘導体と反応して18が得られる。18の続く変換がヒドロキシ基が保護される
ことを要することは当業者に明らかであろう。このことは、例えば、DMF、T
HFまたはジクロロメタンのごとき適当な溶媒中、イミダゾールまたはジイソプ
ロピルエチルアミンのごとき塩基存在下、所望により触媒としての4-ジメチル
アミノピリジンが存在してもよい中で、18をtert-ブチルジメチルクロロシラ
ンで処理してtert-ブチルジメチルシリルエーテル19(R=Si(CH3)2t-B
u)を製造することによって成し得る。19のニトロ基は、THFまたは酢酸エ
チルのごとき溶媒中、10%炭素パラジウムまたはW-2ラネーニッケルのごと
き触媒存在下での水素化分解によって還元して、アニリン誘導体20を得ること
ができる。アニリン誘導体20はルーチン的に単離しないが、飽和重炭酸ナトリ
ウム、および、クロロギ酸ベンジルもしくはクロロギ酸メチルのごときクロロギ
酸アルキル誘導体で直接処理して、対応するベンジル(R14=CH2Ph)または
メチル(R14=CH3)カルバメート誘導体21を得る。ついで、カルバメート誘
導体21は、-78℃〜-40℃の範囲の温度にて、THFまたはDMFまたはそ
れらの混合液のごとき溶媒中、n-ブチルリチウムまたはリチウム ジイソプロピ
ルアミド(LDA)またはリチウム ビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)
のごとき塩基によって脱プロトン化してリチウム化誘導体を得、これを市販の(R
)-(-)-グリシル酪酸で処理する。ついで、得られた混合物を常温に温めて、(ヒ
ドロキシメチル)オキサゾリジノン22を直接得る。
中間体オキサゾリジノン22を多種の方法で用いて構造式ivの化合物の種々
の具体例を調製し得ることは当業者により理解し得る。チャートXIVに示すご
とく、オキサゾリジノン22は、チャートXIIにおいて化合物8を化合物13
に変換するのに用いたものと同一の一連の反応によって、(アシルアミノメチル)
オキサゾリジノン23に変換し得る。23(R=Si(CH3)2t-Bu)の保護基
は、THF中のフッ化テトラブチルアンモニウムでの処理のごとき当業者に公知
である標準的な方法によって除去してアルコール24を得ることができ、これは
構造式vの一例である。化合物24は、当業者に公知である適当な溶媒中にて適
当な塩基および触媒を用いて、無水和物、塩化アシル、クロロギ酸 アルキルお
よびアリール、イソシアネート他のごとき種々のカルボニル誘導体で処理するこ
とによって、多種の誘導体23(R=R7=所望により置換されていてもよいアシ
ル、アルコキシカルボニル、カルボキサミドなど)に変換し得る。かくして、化
合物23および24は、構造式vのオキサゾリジノン抗菌剤の例を表す。
中間体オキサゾリジノン22の他の使用をチャートXVに説明する。示すごと
く、22(R=Si(CH3)2t-Bu)は、例えば、ジクロロメタン、THF他の
ごとき適当な溶媒中、tert-ブチルジフェニルクロロシランと、ジイソプロピル
エチルアミンのごとき適当な塩基と、4-ジメチルアミノピリジンのごとき触媒
とで処理することによって保護して、二保護誘導体25(R=Si(CH3)2t-Bu
、R1=SiPh2t-Bu)を得ることができる。二-保護誘導体25は、50-10
0℃の範囲の温度にて、種々の比率の水およびTHFの共溶媒を用いて酢酸で処
理することによって選択的に脱保護して、tert-ブチルジメチルシリルエーテル
保護基を除去し、アルコール26を得る。アルコール26は、ヨウ化メチルまた
はその置換誘導体のごときハロゲン化アルキル存在下、THF、DMF他のごと
き二極性非プロトン性溶媒中にて水素化ナトリウムのごとき適当な塩基で処理す
ることによって脱保護ヒドロキシル基上でアルキル化して、シリルエーテル25
(R=R7=直鎖または分岐鎖アルキル、R1=SiPh2t-Bu)を得ることがで
きる。ついで、25のシリコン保護基は、THFのごとき溶媒中、フッ化テトラ
ブチルアンモニウムで処理することによって除去してアルコール27(R=直鎖
または分岐鎖アルキル)を得ることができる。ついで、アルコール27は、チャー
トXIIにおいて8を13に変換するのに用いたものと同一の一連の反応によっ
て、(アシルアミノメチル)オキサゾリジノン誘導体28(R7=直鎖または分岐鎖
アルキル)に変換し得る。(アシルアミノメチル)オキサゾリジノン誘導体27は
、構造式vのオキサゾリジノン抗菌剤の一例である。
チャートXVI-XIXは、構造式v(R1は置換アミノ基)の例の製造を概説し
ている。チャートXVIは、R1=NHRでn=0である場合を概説している。
示すごとく、所望により、トリフルオロアセトアミド(R=COCF3)またはter
t-ブトキシカルボニル誘導体(R=CO2t-Bu)のいずれかとして保護されてい
てもよい、市販されているか、または当該分野でよく知られている方法によって
製造したアミノピロリジン29は、メタノールのごとき適当な溶媒中、炭素上水
酸化パラジウムのごとき適当な触媒存在下にて水素化分解して、ベンジル保護基
を除去してピロリジン30を得る。ピロリジン30は、ジメチルスルフォキシド
(DMSO)またはDMFのごとき適当な溶媒中、二塩基性リン酸カリウムのごと
き適当な塩基存在下、4のごときニトロ芳香族化合物と反応させて、置換生成物
31を得ることができる。31のニトロ基は、THFまたは酢酸エチルのごとき
適当な溶媒中、10%炭素上パラジウムまたはW-2ラネーニッケル存在下にて
水素化分解してアニリン誘導体32を得る。アニリン誘導体32はルーチン的に
単離しないが、一般的に、重炭酸ナトリウム飽和溶液と、クロロギ酸ベンジルま
たはクロロギ酸メチルのごときクロロギ酸アルキルとで直接処理して、対応する
ベンジル(R14=CH2Ph)またはメチル(R14=CH3)カルバメート誘導体33
を得る。アシル誘導体によって33が保護されている場合においては、当業者に
よく知られている適当な方法によって該保護基を除去して第一級アミン誘導体3
4を得る必要がある。ついで、アミン34は、Knappら2によって開拓された条
件下、ホルムアルデヒド存在下にてN,N-ジメチル尿素またはN,N-ジベンジ
ル尿素のごときジアルキル尿素誘導体で処理して、ジメチル(R=CH3)または
イベンジル(R=CH2Ph)トリアゾン誘導体35のいずれかを得る。ついで、
トリアゾン35は、-78°〜-40℃の範囲の温度にて、DMFまたはDMFと
THFの混合液のごとき溶媒中、n-ブチルリチウム、リチウム ジイソプロピル
アミド(LDA)またはリチウム ビス(トリメチルシリル)アミドのごとき塩基で
脱保護して、リチウム化誘導体を得ることができ、これは市販されている(R)-(-)-
グリシジル酪酸で直接処理する。ついで、得られた混合物を常温に温めて(ヒド
ロキシメチル)オキサゾリジノン36を得る。
チャートXVIIはトリアゾン誘導体36の式vの化合物への変換を記載する
。示すごとく、トリアゾン誘導体36は、チャートXIIにおいて化合物8を1
3に変換するのに用いたものと同一の方法によって、(アシルアミノメチル)オキ
サゾリジノン37に変換し得る。37のトリアゾン基は、希塩酸で加水分解する
か、または塩化アンモニウム飽和溶液で処理することによって除去して、アミン
38を得ることができる。化合物38は、当業者に公知の適当な溶媒中にて適当
な塩基および触媒を用いて、塩化アシル、アリル無水物、クロロギ酸アルキルお
よびアリール、イソシアネート他のごとき種々のカルボニル誘導体で処理するこ
とによって多種のカルボニル誘導体39(R=所望により置換されていてもよい
アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ他)に変換し得る。加えて、化合物38
は、メタノールのごときプロトン性溶媒中、水素ガス存在下にて10%炭素上パ
ラジウムのごとき触媒またはシアノホウ水素化ナトリウムのごとき試薬の存在下
で、適当なアルデヒドまたはケトンで処理することによって、多種のアルキル誘
導体40(R=所望により置換されていてもよい直鎖または分岐鎖アルキル)に変
換し得る。別法として、38は、所望により水が存在していてもよい、THFま
たはアセトニトリルのごとき適当な溶媒中、炭酸ナトリウムのごとき塩基存在下
にて所望により置換されていてもよいハロゲン化アルキルで処理し得る。かく調
製した化合物39および40は、式v(式中n=0)の化合物の例を構成する。
チャートXVIIIは、構造式v(式中、R3=H、R1=NR8R9で、n=1)
の化合物の例の製造を記載する。示すごとく、トリフルオロアセトアミド(R=
COCF3)またはtert-ブトキシカルボニル誘導体(R=CO2t-Bu)のいずれ
かとして保護されていてもよい、公知の方法1a'3によって入手可能なピロリジン
誘導体41は、メタノールのごとき適当な溶媒中、炭素上水酸化パラジウムまた
は10%炭素上パラジウムのごとき触媒存在下の水素化分解によって脱ベンジル
化する。ピロリジン42は、ジメチルスルフォキシド(DMSO)のごとき溶媒中
、二塩基性リン酸カリウムのごとき塩基存在下にて、4のごときニトロベンゼン
誘導体と反応させて、芳香族置換生成物43を得ることができる。アリールピロ
リジン43は、THFまたは酢酸エチルのごとき溶媒中、10%炭素上パラジウ
ムまたはW-2ラネーニッケルのごとき触媒存在下で水素化分解することによっ
て還元して、アニリン誘導体44を得ることができる。アニリン誘導体44はル
ーチン的に単離しないが、一般的に、重炭酸ナトリウム飽和溶液とクロロギ酸ベ
ンジルおよびクロロギ酸メチルのごときクロロギ酸アルキルとで直接処理して、
対応するベンジル(R14=CH2Ph)またはメチル(R14=CH3)カルバメート誘
導体45を得る。45をアシル誘導体として保護する場合には、当業者によく知
られている適当な手段によって該保護基を除去して第一級アミン誘導体46を得
ることが必要である。ついで、アミン46は、Knappら2によって開拓された条
件下、ホルムアルデヒド存在下にて、N,N'-ジメチル尿素またはN,N-ジベン
ジルのごときジアルキル尿素誘導体で処理して、ジメチル(R=CH3)またはジ
ベンジル(R=CH2Ph)トリアゾン誘導体47のいずれかを得る。トリアゾン
47は、-78°〜-40℃の範囲の温度にて、DMFまたはDMFとTHFとの
混合液のごとき溶媒中、n-ブチルリチウム、リチウム ジイソプロピルアミド(
LDA)またはリチウム ビス(トリメチルシリル)アミドのごとき塩基で脱保護し
て、リチウム化誘導体を得ることができ、これを市販されている(R)-(-)-グリ
シジル酪酸で直接処理する。ついで、得られた混合物を常温に温めて、(ヒドロ
キシメチル)オキサゾリジノン48を得る。
チャートXIXは、トリアゾン誘導体48の構造式vの化合物への変換を記載
する。示すごとく、トリアゾン誘導体48は、チャートXIIにおいて化合物8
を13に変換するのに用いたものと同一の方法によって、(アシルアミノメチル)
オキサゾリジノン49に変換し得る。トリアゾン基49は、希塩酸溶液での加水
分解、または塩化アンモニウム熱飽和溶液で処理することによって除去し、アミ
ン50を得ることができる。ついで、アミン50は、当業者に公知である適当な
溶媒中、適当な塩基および触媒を用いて、塩化アシル、無水和物、クロロギ酸ア
ルキルおよびアリール、イソシアネート他のごとき種々のカルボニル誘導体で処
理することによって、多種のカルボニル誘導体51(R=所望により置換されて
いてもよいアルキル、アルコキシ、アルキルアミノ他)に変換し得る。加えて、
アミン50は、メタノールのごときプロトン性溶媒中、水素ガスと10%炭素上
パラジウムのごとき触媒またはシアノホウ水素化ナトリウムのごとき試薬とが存
在する中、適当なアルデヒドまたはケトンで50を処理することによって、多種
のアルキル誘導体52(R=所望により置換されていてもよい直鎖または分岐鎖
アルキル)に変換し得る。別法として、50は、所望により水が存在していても
よいTHFまたはアセトニトリルのごとき適当な溶媒中、炭酸ナトリウムのごと
き塩基存在下、所望により置換されていてもよいハロゲン化アルキルで処理して
、52を得ることができる。かく調製した化合物51および52は、構造式v(
式中、n=1)のオキサゾリジノン抗菌剤の例を構成する。
記載した合成方法は、本来単なる代表的なものであって、別法の合成方法、例
えば、引用文献に記載されている幾つかの例も公知であることは当業者に明らか
であろう。
本発明の一部として合成し得るピロリジニル-フェニルオキサゾリジノンの例
は以下の通りである:
1.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-オキソピロリジニル)フェニル]-2-
オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
2.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-オキソ-4-メチルピロリジニル)フェ
ニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
3.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(2,4-ジメチル-3-オキソピロリジニル
)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
4.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(2,2-ジメチル-3-オキソピロリジニル
)
フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
5.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(4,4-ジメチル-3-オキソピロリジニル
)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
6.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(2,4-ジメチル-3-オキソピロリジニル
)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
7.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-イソニトロソピロリジニル)フェニル]-
2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
8.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(O-メチル-3-イソニトロソピロリジニ
ル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
9.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-ヒドロキシピロリジニル)フェニル]-
2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
10.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(シス-3-ヒドロキシ-4-メチルピロリ
ジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
11.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-ヒドロキシ-4-メチルピ
ロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
12.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシピロリジニル)フェニル]-
2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
13.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(シス-3,4-ジヒドロキシピロリジニ
ル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
14.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3,4-ジヒドロキシピロリ
ジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
15.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-(ヒドロキシアセチルアミノ)ピロ
リジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
16.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-(フェニルメトキシアセチルアミノ
)ピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミ
ド
17.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-(メトキシアセチルアミノ)ピロリ
ジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
18.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-(メトキシカルボニルアミノ)ピロ
リジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
19.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-(エトキシカルボニルアミノ)ピロ
リジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
20.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(シス-3-(フェニルメトキシアセチル
アミノ)-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メ
チル]アセトアミド
21.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(シス-3-(ヒドロキシアセチルアミノ)
-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]ア
セトアミド
22.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(シス-3-(メトキシアセチルアミノ)-
4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]ア
セトアミド
23.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(シス-3-(メトキシカルボニルアミノ)
-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]ア
セトアミド
24.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(シス-3-(エトキシカルボニルアミノ)
-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]ア
セトアミド
25.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-(フェニルメトキシアセ
チルアミノ)-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニ
ル]メチル]アセトアミド
26.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-(ヒドロキシアセチルア
ミノ)-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチ
ル]アセトアミド
27.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-(メトキシアセチルアミ
ノ)-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル
]アセトアミド
28.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-(メトキシカルボニルア
ミノ)-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチ
ル]アセトアミド
29.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-(エトキシカルボニルア
ミノ)-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチ
ル]アセトアミド
30.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-(フェニルメトキシアセチルアミノ
)メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセ
トアミド
31.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-(ヒドロキシアセチルアミノ)メチ
ルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミ
ド
32.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-(メトキシアセチルアミノ)メチル
ピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
33.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-(メトキシカルボニルアミノ)メチ
ルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミ
ド
34.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-(エトキシカルボニルアミノ)メチ
ルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミ
ド
35.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(シス-3-(フェニルメトキシアセチル
アミノ)メチル-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジ
ニル]メチル]アセトアミド
36.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(シス-3-(ヒドロキシアセチルアミノ)
メチル-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メ
チル]アセトアミド
37.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(シス-3-(メトキシアセチルアミノ)メ
チル-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチ
ル]アセトアミド
38.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(シス-3-(メトキシカルボニルアミノ)
メチル-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メ
チル]アセトアミド
39.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(シス-3-(エトキシカルボニルアミノ)
メチル-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メ
チル]アセトアミド
40.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-(フェニルメトキシアセ
チルアミノ)メチル-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾ
リジニル]メチル]アセトアミド
41.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-(ヒドロキシアセチルア
ミノ)メチル-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニ
ル]メチル]アセトアミド
42.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-(メトキシアセチルアミ
ノ)メチル-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]
メチル]アセトアミド
43.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-(メトキシカルボニルア
ミノ)メチル-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニ
ル]メチル]アセトアミド
44.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-(エトキシカルボニルア
ミノ)メチル-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニ
ル]メチル]アセトアミド
45.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[トランス-3-(フェニルメトキシ)アセ
チルアミノ-4-ヒドロキシピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジ
ニル]メチル]アセトアミド
46.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-(メトキシアセチルアミ
ノ)-4-ヒドロキシピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メ
チル]アセトアミド
47.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-(メトキシカルボニルア
ミノ)-4-ヒドロキシピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]
メチル]アセトアミド
48.(S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(トランス-3-(エトキシカルボニルア
ミノ)-4-ヒドロキシピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]
メチル]アセトアミド
抗菌活性
本発明のオキサゾリジノン抗菌剤は、種々の生物に対して有効な活性を有する
。本発明の化合物のイン・ビトロ活性は、米国ペンシルベニア州19084、ビラノ
バ、イースト・ランカスター・アベニュー771番のNational Committee for
Clinical Laboratory Standardsによって1983年1月に公開された「Methods
for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That
Grow Aerobically」に記載されている寒天希釈によって最低阻害濃度(MIC)
の測定のごとき標準的な試験方法によって評価し得る。スタフィロコッカス・ア
ウレウス(Staphylococcus aureus)およびストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcu
s pneumoniae)に対する本発明の選択した化合物の活性を表1に示
す。
アゼチジニル-フェニルオキサゾリジノン
実施例1:( S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-1-アゼチジニル)フェ ニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
工程1: 1-(ジフェニルメチル)-3-メトキシアゼチジン
乾燥テトラヒドロフラン(125mL)中の水素化ナトリウムのスラリー(油中
の60%分散液0.440g、11.0ミリモル)を窒素下、氷浴で0℃に冷却し
、固形1-(ジフェニルメチル)-3-アゼチジノール(2.393g、10.0ミリモ
ル)で5分間にわたって処理する。0℃にて30分間撹拌した後、ヨードメタン(
1.490g、0.654mL、10.5ミリモル)を添加した。添加が完了したら
、冷却浴を除去し、その反応混合物を一晩温めて常温とした。その反応混合物を
pH7リン酸緩衝液に注入し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をブ
ラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下にて濃縮した。粗
製生成物を、1-10%酢酸エチル/ジクロロメタンのグラジエントで溶出しつ
つジクロロメタンで充填したシリカゲル(300mL)上のクロマトグラフィーに
付した。適当な画分を濃縮して、標題化合物2.081g(82%)を淡黄色シロ
ップとして得た。
MS(EI)253(M+)
工程2: 3-フルオロ-4-(3-メトキシ-1-アゼチジニル)ニトロベンゼン
25%テトラヒドロフラン/エタノール(100mL)中の1-(ジフェニルメチ
ル)-3-メトキシアゼチジン(2.000g、7.91ミリモル)を、5N HCl(5
.0mL)および炭素上水酸化パラジウム(パールマン触媒、0.500g)で処理
した。その混合物を45psiのH2下にてパール装置で振盪した。16時間後
に、TLC分析(シリカゲル、6%アセトニトリル/クロロホルム)によると幾分
かの出発物質が残存していた。さらに0.500gのパールマン触媒を添加し、
水素化分解を、反応が完了したような時間まで、さらに16時間続けた。その反
応混合物をセライトR(CelitR)を通して濾過し、濾液を減圧下にて濃縮して琥
珀色油性物とした。この材料をジメチルスルフォキシド(30mL)中に溶解し、
リン酸水素ジカリシウム(6.88g、39.6ミリモル)および3,4-ジフルオロ
ニトロベンゼン(1.05mL、9.49ミリモル)で処理した。その反応混合物を
TLC分析(シリカゲル、6%アセトニトリル/クロロホルム)が反応が完了した
と明らかにする時間まで、常温にて16時間撹拌した。その反応混合物を水(1
50mL)で希釈し、クロロホルム(3×40mL)で抽出した。合わせた有機抽
出
物を水(3×25mL)およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾
過し、真空下にて濃縮して粗製生成物を得た。精製は、0-1%アセトニトリル
/クロロホルムのグラジエントで溶出しつつ、シリカゲル(100g)上のクロマ
トグラフィーによって行った。ついで、適当な分画を濃縮すると、融点57.5-
58℃およびMS(EI)226(M+)を有する明黄色固形物として標題化合物1.50
g(84%)を得た。
工程3: N-(カルボベンジルオキシ)-3-フルオロ-4-(3-メトキシ-1-アゼ チジニル)アニリン
1:1のメタノール/テトラヒドロフラン(35mL)中の3-フルオロ-4-(3-
メトキシ-1-アゼチジニル)ニトロベンゼン(1.50g、6.64ミリモル)の溶
液を、室温にて10%炭素上パラジウムおよび、ついで、ギ酸アンモニウム(1.
26g、19.9ミリモル)で処理した。20分後に、反応混合物の色が黄色から
無色に変化した。該反応混合物をセライトRを通して濾過し、その濾液を減圧下
にて濃縮した。回収した油性物を直ちに3:1のアセトン/水(25mL)に溶解
し、炭酸カリウム(2.75g、19.9ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(1.
31mL、8.30ミリモル)で処理した。30分後に、TLC分析(6%アセト
ニトリル/クロロホルム)は、反応が完了したことを明らかにした。該反応混合
物をクロロホルム(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで
洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮して紫色油性物と
した。この材料は、1-3%のアセトニトリル/クロロホルムのグラジエントで
溶出しつつ、シリカゲル(100g)上のクロマトグラフィーに付して、適当な画
分を濃縮した後に、標題化合物1.24g(56%)を融点95-96.5℃、MS(
EI)330(M+)を有する灰色がかった固形物として得た。
工程4: ( R)-[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-1-アゼチジニル)フェニル ]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メタノール
乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中のN-(カルボベンジルオキシ)-3-フル
オロ-4-(3-メトキシ-1-アゼチジニル)アニリン(0.865g、2.62ミリモ
ル)の溶液を、窒素雰囲気下で-78℃まで冷却し、n-ブチルリチウム(ヘキサン
中の1.6M溶液1.65mL、2.65ミリモル)で処理した。-78℃にて15
分間撹拌した後、その反応混合物を(R)-グリシジル酪酸(0.374mL、2.6
5ミリモル)で処理した。ついで、冷却浴を除去し、反応混合物を温めて常温と
した。1時間後に、反応が完了したことをTLC分析によって判断した。その反
応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液(0.5mL)を添加することによってク
エンチし、減圧下にて濃縮して黄色固形物とした。1-2%メタノール/クロロホ
ルムのグラジエントで溶出しつつ、シリカゲル(10g)上のクロマトグラフィー
に付し、適当な画分を濃縮した後に、標題化合物0.530g(68%)を融点1
31-132℃およびMS(EI)296(M+)を有する灰色がかった固形物として
得た。
工程5: ( R)-[[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-1-アゼチジニル)フェニ ル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]メタンスルホネート
窒素雰囲気下にて、乾燥ジクロロメタン(25mL)中の(R)-[3-[3-フルオ
ロ-4-(3-メトキシ-1-アゼチジル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル
]メタノール(0.492g、1.66ミリモル)の溶液を氷浴で0℃に冷却し、ト
リエチルアミン(0.254mL、1.83ミリモル)、ついで塩化メタンスルホニ
ル(0.141mL、1.83ミリモル)で処理した。0℃にて1時間後に、TLC
分析(10%メタノール/クロロホルム)は反応が完了したことを明らかにした。
その反応混合物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過
し、真空下にて白色固形物に濃縮した。1-3%メタノール/クロロホルムのグラ
ジエントで溶出しつつ、シリカゲル(100g)上のクロマトグラフィーに付し、
適当な画分を濃縮した後に、標題化合物0.601g(97%)を、融点122.5
-123.5℃およびMS(EI)374(M+)を有する白色固形物として得た。
工程6: ( R)-[[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-1-アゼチジニル)フェニ ル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アジド
(R)-[[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-1-アゼチジニル)フェニル]-2-オ
キソ-5-オキサゾリジニル]メチル]メタンスルホネート(0.508g、1.36
ミリモル)をN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)中のアジ化ナトリウム(0.1
06g、1.63ミリモル)と合わせた。その反応混合物を窒素雰囲気下で65℃
に加熱した。2時間後に、TLC分析(5%メタノール/クロロホルム)によると
、少量の出発メシラートがまだ残存していた。さらに0.044gのアジ化ナト
リウムを添加して、その反応物をTLCが反応が完了したことを示すまでさらに
1.5時間加熱した。その反応混合物を濾過し、真空下にて濃縮した。その残渣
をシリカゲル(25g)上のクロマトグラフィーに付し、1-3%のメタノール/
クロロホルムで溶出した。適当な画分を合わせ、真空下にて濃縮して標題化合物
0.426g(98%)を灰色がかった固形物として得た。分析試料は、3:1酢
酸エチル/ヘキサンからこの物質を再結晶化して融点111-112.5℃および
MS(EI)321(M+)を有する白色固形物を得ることによって調製した。
工程7: ( S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-1-アゼチジニル)フェ ニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
5:1メタノール/ジクロロメタン(20mL)中の(R)-[[3-[3-フルオロ-
4-(3-メトキシ-1-アゼチジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]
メチル]アジド(0.393g、1.22ミリモル)の溶液を、窒素蒸気下にて10
%炭素上パラジウム(0.030g)で処理した。ついで、その雰囲気を水素(風船
)と置き換えた。水素下にて3時間撹拌した後、TLC分析(5%メタノール/ク
ロロホルム)によって還元が完了していると判断された。その反応混合物をセラ
イトを通して濾過し、減圧下にて濃縮した。粗製5-(アミノメチル)オキサゾリ
ジノンをジクロロメタン(15mL)中に溶解し、常温、窒素雰囲気下にてピリジ
ン(0.118mL、1.46ミリモル)および無水酢酸(0.138mL、1.46
ミリモル)で処理した。2時間後に、TLCによってその反応が完了したと判断
された。その反応混合物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥
し、濾過し減圧下にて濃縮した。シリカゲル(50g)上のクロマトグラフィーに
付し、1-3%メタノール/クロロホルムのグラジエントで溶出し、適当な画分
を濃縮した後に標題抗菌剤0.281g(68%)を白色固形物として得た。2:
1酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化によって調製した分析試料は、融点16
0-161.5℃およびMS(EI)337(M+)を有する白色固形物であった。
実施例2:( S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-ヒドロキシ-1-アゼチジニル)フ ェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
工程1: 3-フルオロ-4-(3-ヒドロキシ-1-アゼチジニル)ニトロベンゼン
1-(ジフェニルメチル)-3-アゼチジノール塩酸塩(2.000g、7.29ミリ
モル)をメタノール(75mL)中に溶解し、6N HCl(1.20mL、7.29ミ
リモル)で処理した。ついで、窒素蒸気下にて、炭素上水酸化パラジウム(0.2
00g)を添加した。ついで、40psiのH2下にて、その反応混合物をパール
装置上で振盪した。16時間後に、TLC分析(5%メタノール/クロロホルム)
は出発物質が消費されたことを明らかにした。反応混合物をセライトを通して濾
過し、減圧下にて濃縮して琥珀色油性物とした。この物質をジメチルスルフォキ
シド(29mL)中に溶解し、雰囲気を窒素と置き換えた。リン酸水素二カリウム
(5.07g、29.2ミリモル)、つづいて3,4-ジフルオロニトロベンゼン(0.
966mL、8.75ミリモル)を添加した。その混合物を窒素下、常温にて撹拌
した。3時間後に、TLC分析(5%メタノール/クロロホルム)は反応が完了し
たことを明らかにした。その反応混合物を水(250mL)で希釈し、クロロホル
ム(4×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×50mL)およびブ
ラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮して黄色
固形物を得た。シリカゲル(100g)上のクロマトグラフィーに付し、3-7%
アセトニトリル/クロロホルムのグラジエントで溶出し、適当な画分を濃縮した
後に、標題化合物1.00g(65%)を融点130.5℃およびMS(EI)212
(M+)を有する橙色固形物として得た。
工程2: 4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-1-アゼチジニル]-3
-フルオロニトロベンゼン
窒素下にて、N,N-ジメチルホルムアミド(104mL)中の3-フルオロ-4-(
3-ヒドロキシ-1-アゼチジニル)ニトロベンゼン(5.51g、26.0ミリモル)
の溶液を、氷浴で0℃に冷却し、イミダゾール(1.86g、27.3ミリモル)、
ついで塩化tert-ブチルジメチルシリル(4.12g、27.3ミリモル)で処理し
た。その反応混合物を0℃にて30分間、ついで室温にて一晩撹拌した。この時
点でのTLC分析(5%メタノール/クロロホルム)は、少量の出発物質がいまだ
残存していることを明らかにした。さらなる量の塩化tert-ブチルジメチルシリ
ル(0.392g)を添加した。一晩撹拌した後に、TLC分析は反応が完了した
ことを示した。反応混合物を水(500mL)で希釈し、ジクロロメタン(4×7
0mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナ
トリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下にて濃縮して黄色固形物とした。シリカゲ
ル(200g)上のクロマトグラフィーに付し、5%および10%酢酸エチル/ヘ
キサンで溶出し、適当な画分を濃縮した後に、標題化合物6.30g(74%)を
融点98.5-99.5℃およびMS(EI)326(M+)を有する黄色固形物として
得た。
工程3: N-(カルボベンジルオキシ)-4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル) オキシ]-1-アゼチジニル]-3-フルオロアニリン
4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-1-アゼチジニル]-3-フルオ
ロニトロベンゼン(1.00g、3.07ミリモル)を、窒素雰囲気下にて3:1テ
トラヒドロフラン/水(25mL)中の10%炭素上パラジウム(0.100g)と
合わせた。吸引および充填を繰り返すことによって、雰囲気を水素(風船)と置き
換えた。2時間後に、反応溶液の最初の黄色が消失し、TLC分析(15%酢酸
エチル/ヘキサン)は反応が完了したことを明らかにした。その反応混合物をセ
ライトを通して濾過し、その濾液を直ちに窒素雰囲気下に置き、重炭酸ナトリウ
ム(1.41g、16.8ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(0.528mL、3
.
69ミリモル)で処理した。常温にて30分後に、TLC分析(15%酢酸エチル/
ヘキサン)は反応が完了したことを明らかにした。その反応混合物を減圧下で濃
縮して灰色がかった固形物とした。シリカゲル(125g)上のクロマトグラフィ
ーに付し、5-30%酢酸エチル/ヘキサンのグラジエントで溶出して、適当な
画分を濃縮した後に、標題化合物0.565g(43%)を融点91-93℃および
MS(EI)430(M+)を有する白色固形物として得た。
工程4: ( R)-[3-[4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-1-アゼチ ジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メタノール
窒素雰囲気下、乾燥テトラヒドロフラン(100mL)中のN-(カルボベンジル
オキシ)-4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-1-アゼチジニル]-3-
フルオロアニリン(6.30g、14.7ミリモル)の溶液を-78℃に冷却し、n-
ブチルリチウム(ヘキサン中の1.6M溶液9.16mL、14.7ミリモル)で処
理した。添加を完了したら、その反応混合物を-78℃にて15分間撹拌し、つ
いで(R)-グリシジル酪酸(2.21mL、14.7ミリモル)で処理した。添加が
完了した後に、冷却浴を除去し、その反応混合物を常温にて1.5時間撹拌した
。その後に、塩化アンモニウム飽和水溶液(20mL)を添加した。3分後に、重
炭酸ナトリウム飽和水溶液(10mL)をその反応混合物に添加し、減圧下にてロ
ータリーエバポレーターに付することによって有機溶媒を除去した。ジクロロメ
タン(100mL)を添加し、その混合物を水およびブラインで洗浄した。有機層
を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮した。シリカゲル(20
0g)上のクロマトグラフィーに付して、1-3%のメタノール/クロロホルムの
グラジエントで溶出し、適当な画分を濃縮した後に、標題化合物4.39g(75
%)を融点183-186℃およびMS(EI)396(M+)を有する灰色がかった
固形物として得た。
工程5: ( R)-[[3-[4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-1-アゼ チジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]メタ ンスルホネート
粗製(R)-[3-[4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-1-アゼチジニ
ル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メタノール(5.3
8g、13.6ミリモル)を乾燥ジクロロメタン(70mL)中に溶解し、氷浴で0℃
に冷却し、トリエチルアミン(2.08mL、14.9ミリモル)、ついで塩化メタ
ンスルホニル(1.15mL、14.9ミリモル)で処理した。0℃にて30分後に
、TLC分析(5%メタノール/クロロホルム)によると反応は完了していた。そ
の反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液、水およびブラインで洗浄し、硫酸
ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下にて濃縮して灰色がかった固形物とした
。粗製生成物をイソプロパノールおよびジエチルエーテルでトリチュエートする
ことによって調製した分析試料を、つづいて濾過し真空下にて乾燥して融点14
2-145℃およびMS(EI)474(M+)を有する灰色がかった固形物を得た。
工程6: ( R)-[[3-[4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-1-アゼ チジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アジ ド
粗製(R)-[[3-[4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-1-アゼチジ
ニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]メタンス
ルホネート(9.42ミリモル)を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(50mL)中
に溶解し、常温にてアジ化ナトリウム(4.42g、68.0ミリモル)で処理した
。その反応混合物を窒素下にて65℃に4時間加温した。この時点のTLC分析
(5%メタノール/クロロホルム)は、反応が完了していることを明らかにした。
この反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(3×25mL)およびブ
ラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮して琥珀
色固形物とした。シリカゲル(125g)上のクロマトグラフィーに付し、10-
20%酢酸エチル/ヘキサンのグラジエントで溶出し、適当な画分を濃縮した後
に、標題アジド2.21g(3工程につき56%)を融点121-122.5および
MS(E
I)421(M+)を有する白色固形物として得た。
工程7: ( S)-N-[[3-[4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-1-ア ゼチジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]ア セトアミド
1:1酢酸エチル/メタノール(200mL)中の(R)-[[3-[4-[3-[(tert-
ブチルジメチルシリル)オキシ]-1-アゼチジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オ
キソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アジド(2.04g、4.85ミリモル)の溶液
を、窒素蒸気下にて10%炭素上パラジウム(0.300g)で処理した。ついで
、吸引および充填を繰り返すことによって雰囲気をH2(風船)で置き換えた。3
時間後に、TLC分析(5%メタノール/クロロホルム)は還元が完了したことを
明らかにした。反応混合物をセライトを通して濾過し、濾液を減圧下にて濃縮し
て白色固形物とした。粗製5-(アミノメチル)オキサゾリジノンをジクロロメタ
ン(100mL)中に溶解し、窒素雰囲気下にて0℃に冷却し、ピリジン(0.43
1mL、5.33ミリモル)および無水酢酸(0.503mL、5.33ミリモル)で
処理した。0℃にて30分後に、TLC(5%メタノール/クロロホルム)による
とアセチル化が完了した。その反応混合物を水およびブラィンで洗浄し、硫酸ナ
トリウム上で乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮して粗製生成物を褐色固形物とし
て得た。シリカゲル(125g)上のクロマトグラフィーに付し、1-3%メタノ
ール/クロロホルムのグラジエントで溶出し、適当な画分を濃縮した後に、標題
化合物1.77g(84%)を融点183.5-184℃およびMS(EI)437(M+
)を有する白色固形物として得た。
工程8: ( S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3−ヒドロキシ-1-アゼチジニル) フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
ポリプロピレンボトル中の(S)-N-[[3-[4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリ
ル)オキシ]-1-アゼチジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリ
ジニル]メチル]アセトアミド(1.23g、2.81ミリモル)のアセトニトリル(
5
5mL)溶液を、常温にて38%フッ化水素酸水溶液(15mL)で処理した。T
LC分析は、脱保護が3時間後に完了することを明らかにした。その反応混合物
を水(15mL)で希釈し、固形重炭酸ナトリウムで中和した。さらなる水(50
mL)を添加し、その混合物をクロロホルムで抽出した。合わせた有機抽出物を
水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下にて濃
縮して標題オキサゾリジノン抗菌剤を融点174-177℃およびMS(EI)3
23(M+)を有する灰色がかった固形物として得た。
実施例3:( S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-[N-(2-フルオロエチル)-N-メ チルアミノ]-1-アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチ ル]アセトアミド
工程1: 1-(ジフェニルメチル)-3-[N-(2-フルオロエチル)-N-メチルアミ ノ]アゼチジン
1-(ジフェニルメチル)-3-(メチルアミノ)アゼチジン(5.00g、19.8ミ
リモル)を、6%水/アセトニトリル(200mL)中の炭酸カリウム(16.4g
、119ミリモル)および2-フルオロエチルトシラート(6.50g、29.8ミ
リモル)と合わせた。その混合物を窒素雰囲気下にて還流温度まで加熱した。還
流温度にて3時間後に、TLC分析(5%メタノール/クロロホルム)は少量の出
発物質が残存していることを明らかにした。さらに1.8gの2-フルオロエチル
トシラートを添加し、その反応混合物をさらに2時間還流した。その反応混合物を
常温に冷却し、減圧下にて濃縮した。シリカゲル(200g)上のクロマトグラフィ
ーに付し、1-5%アセトニトリル/クロロホルムのグラジエントで溶出し、適
当な画分を濃縮した後に、標題化合物4.07g(69%)をIR1598,1452,1362,
1029cm-1を有する琥珀色シロップとして得た。
工程2: 3-フルオロ-4-[3-[N-(2-フルオロエチル)-N-メチルアミノ]-1 -アゼチジニル]ニトロベンゼン
パールボトルを1-(ジフェニルメチル)-3-[N-(2-フルオロエチル)-N-メチ
ルアミノ]アゼチジン(3.88g、13.0ミリモル)および25%テトラヒドロ
フラン/エタノール(130mL)で満たした。ついで、炭素上水酸化パラジウム
(1.9g)を窒素蒸気下にて添加した。ついで、その混合物を45psiのH2下
でパール装置上で振盪した。20時間後に、TLC分析(5%メタノール/クロ
ロホルム)は水素化分解が完了したことを明らかにした。その反応混合物をセラ
イトを通して濾過し、減圧下にて濃縮して無色油性物とした。この物質をジメチ
ルスルフォキシド(50mL)中に溶解し、リン酸水素二カリウム(13.6、78
.0ミリモル)、つづいて3,4-ジフルオロニトロベンゼン(1.72mL、15.
6ミリモル)で処理した。ついで、その反応混合物を常温にて撹拌し、反応進行
をTLC分析(5%メタノール/クロロホルム)でモニターした。4時間後に、そ
の反応混合物をH2O(500mL)に添加し、ジクロロメタン(4×75mL)で
抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上
で乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮して黄色シロップとした。シリカゲル(200
g)上のクロマトグラフィーに付し、0-2.5%アセトニトリル/ジクロロメタ
ンのグラジエントで溶出し、適当な画分を濃縮した後、標題化合物2.87g(8
1%)を融点46.5-48℃およびMS(FAB)272(M+H+)を有する黄色固
形物として得た。
工程3: N-(カルボベンジルオキシ)-3-フルオロ-4-[3-[N-(2−フルオロ エチル)-N-メチルアミノ]-1-アゼチジル]アニリン
2:1テトラヒドロフラン/水(50mL)および酢酸(2.0mL)中の3-フル
オロ-4-[3-[N-(2-フルオロエチル)-N-メチルアミノ]-1-アゼチジニル]ニ
トロベンゼン(2.66g、9.82ミリモル)の溶液を、窒素蒸気下にて10%パ
ラジウム/炭素で処理した。吸引および充填を繰り返すことによって雰囲気をH2
(風船)で置き換えた。TLC分析(6%アセトニトリル/クロロホルム)はこの時
点で、還元が完了したことを明らかにした。反応混合物をセライトを介して濾過
した。空気への曝露は最小限とした。なぜならば、これらの条件下では紫色が急
速に発色するためである。濾液は、氷浴で冷却しておよそ0℃とし、炭酸カリウ
ム(6.8g、49ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(1.63mL、10.3ミ
リモル)で処理した。反応混合物をおよそ0℃にて1時間撹拌し、ついで30分
間にわたって室温まで温めた。この時点のTLC分析(6%アセトニトリル/ク
ロロホルム)は、反応が完了したことを明らかにした。その反応混合物を水(20
0mL)で希釈し、クロロホルムで抽出した(3×75mL)。合わせた有機抽出
物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下に
て暗褐色シロップに濃縮した。シリカゲル(200g)上のクロマトグラフィーに
付し、1-3%メタノール/クロロホルムのグラジエントで溶出し、適当な画分
を濃縮した後に、標題化合物3.71g(100%)を琥珀色シロップとして得た
。分析試料は、さらなるクロマトグラフィー精製によって調製し、融点57-5
9℃およびMS(EI)375(M+)を有する明琥珀色固形物を得ることによって
調製した。
工程4: ( R)-N-[3-[3-フルオロ-4-[3-[N-(2-フルオロエチル)-N-メ チルアミノ]-1-アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メタ ノール
窒素下、乾燥テトラヒドロフラン(40mL)中のN-(カルボベンジルオキシ)-
3-フルオロ-4-[3-[N-(2-フルオロエチル)-N-メチルアミノ]-1-アゼチジ
ニル]アニリン(3.38g、9.01ミリモル)の溶液を-78℃に冷却し、n-ブ
チルリチウム(ヘキサン中の1.6M溶液5.69mL、9.10ミリモル)で処理
した。その反応混合物を-40℃に温め、ついで-78℃に再冷却し、(R)-グリ
シジル酪酸(1.29mL、9.10ミリモル)で処理した。添加を完了したら、そ
の反応混合物を常温に温めた。1時間後に、TLC分析(5%メタノール/クロ
ロホルム)によって、反応は完了しているようであった。その反応混合物を塩化
アンモニウム飽和水溶液(1mL)でクエンチし、水(100mL)で希釈し、クロ
ロホルム(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで
洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下にて濃縮して琥珀色シロップ
とした。シリカゲル(200g)上のクロマトグラフィーに付し、1-4%メタノー
ル/クロロホルムのグラジエントで溶出し、適当な画分を濃縮した後に、標題化
合物1.69g(55%)を融点124-125℃およびMS(EI)341(M+)を
有する灰色がかった固形物として得た。
工程5: ( R)-[[3-[4-[3-[N-(2-フルオロエチル)-N-メチルアミノ]-1- アゼチジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル] メタンスルホネート
乾燥ジクロロメタン(16mL)中の(R)-N-[3-[3-フルオロ-4-[3-[N-(
2-フルオロエチル)-N-メチルアミノ]-1-アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-
5-オキサゾリジニル]メタノール(1.40g、4.11ミリモル)の溶液をトリエ
チルアミン(0.628mL、4.52ミリモル)で処理し、ついで窒素雰囲気下に
て0℃に冷却した。ついで、塩化メタンスルホニル(0.348mL、4.52ミ
リモル)を添加し、その混合物を0℃にて撹拌した。2時間後のTLC分析(5%
メタノール/クロロホルム)は、少量の出発物質が未だ残存していることを明ら
かにした。さらなる部の塩化メタンスルホニル(0.100mL、1.30ミリモ
ル)を添加し、0℃にてさらに1時間反応を続けた。その反応混合物を重炭酸ナ
トリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下にて
濃縮して標題化合物1.88g(100%)を明橙色固形物として得た。1H NM
R分析は、この物質が高品質であることを示した。分析試料は、シリカゲル(1
0g)上の粗製生成物200mgをクロマトグラフィーに付し、1-4%メタノー
ル/クロロホルムのグラジエントで溶出し、適当な画分を濃縮した後、標題化合
物99mgを、融点96.5-98℃およびMS(EI)419(M+)を有する灰色
がかった固形物として得ることによって調製した。
工程6: ( R)-[[3-[4-[3-[N-(2-フルオロエチル)-N-メチルアミノ]-1- アゼチジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル] アジド
乾燥N,N-ジメチルフロムアミド(15mL)中の(R)-[[3-[4-[3-[N-(2-
フルオロエチル)-N-メチルアミノ]-1-アゼチジニル]-3-フルオロフェニル]-
2-オキソ-5-オキサゾリジニルメチル]メタンスルホン酸塩(1.65g、3.9
4ミリモル)の溶液を、固形アジ化ナトリウム(0.768g、11.8ミリモル)
で処理した。ついで、その反応混合物を窒素雰囲気下にて65℃に加熱した。3
時間後に、TLC分析(5%メタノール/クロロホルム)は、少量の出発メシラー
トがいまだ残存していることを明らかにした。さらなる部のアジ化ナトリウム(
0.256g、3.94ミリモル)を添加し、その反応混合物を65℃にて1時間
加熱した。その反応混合物を常温まで冷却し、濾過し、減圧下にて濃縮した。そ
の残渣を、シリカゲル(100g)上のクロマトグラフィーに付し、1-4%メタ
ノール/クロロホルムのグラジエントで溶出し、適当な画分を濃縮した後に1.
24g(86%)の標題化合物を融点60-63℃およびMS(EI)366(M+)を
有する灰色がかった固形物として得た。
工程7: ( S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-[N-(2-フルオロエチル)-N-メ チルアミノ]-1-アゼチジニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチ ル]アセトアミド
メタノール(20mL)中の(R)-[[3-[4-[3-[N-(2-フルオロエチル)-N-
メチルアミノ]-1-アゼチジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサ
ゾリジニル]メチル]アジド(1.14g、3.11ミリモル)の溶液を、窒素蒸気下
にて10%パラジウム/炭素(0.114g)で処理した。繰り返して吸引および
充填することによって、その雰囲気をH2(風船)で置き換えた。2.5時間後に、
TLC分析(5%メタノール/クロロホルム)は、還元が完了したことを明らかに
した。その反応混合物をセライトを通して濾過し、その濾液を真空下にて濃縮し
て灰色がかった固形物とした。この物質をジクロロメタン(20mL)中に溶解し
、窒素下にてピリジン(0.264mL、3.27ミリモル)および無水酢酸(0.3
09mL、3.27ミリモル)で処理した。30分後に、TLC分析(5%メタノ
ール/クロロホルム)は、アセチル化が完了したことを示した。反応混合物を水
およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下にて濃縮
し
て琥珀色油性物を得た。シリカゲル(125g)上のクロマトグラフィーに付し、
1-4%メタノール/クロロホルムのグラジエントで溶出し、適当な画分を濃縮
した後に、標題オキサゾリジノン抗菌剤0.892g(75%)を融点125.5-
127℃およびMS(EI)382(M+)を有する灰色がかった固形物として得た
。
実施例4:( S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-オキソ-1-アゼチジニル)フェニ ル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
10%アセトニトリル/ジクロロメタン(100mL)中の(S)-N-[[3-[3-
フルオロ-4-(3-ヒドロキシ-1-アゼチジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサ
ゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例2、0.440g、1.36ミリモル)の
溶液を、常温にて粉末化4Åモレキュラーシーブ(0.682g)、4-メチルモル
ホリンN-オキシド(0.319g、2.72ミリモル)、ついでテトラ-n-プロピ
ルアンモニウム過ルテニウム酸塩(0.024g、0.068ミリモル)で処理した
。常温にて1.5時間撹拌した後、TLC分析(10%メタノール/クロロホルム
)は、少量の出発アルコールが未だ残存していることを明らかにした。さらなる
4-メチルモルホリン N-オキシドを添加しても、出発物質は消費されなかった
。その反応混合物を減圧下にて濃縮して暗紫色固形物とし、ついでこれをシリカ
ゲル(20g)上のクロマトグラフィーに付し、1-3.5%のメタノール/クロロ
ホルムのグラジエントで溶出し、適当な画分を濃縮した後に、標題オキサゾリジ
ノン抗菌剤0.204g(47%)を融点192-193℃およびMS(EI)321(M+
)を有する白色固形物として得た。
実施例5:( S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-[3-(メトキシイミノ)-1-アゼチジ ニル]フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
5%メタノール/ジクロロメタン(10mL)中の(S)-N-[[3-[3-フルオロ-
4-(3-オキソ-1-アゼチジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メ
チル]アセトアミド(実施例4、0.200g、0.623ミリモル)の溶液を、常
温にてピリジン(0.201mL、2.49ミリモル)、ついで塩酸メトキシルアミ
ン(0.052g、0.623ミリモル)で処理した。1.5時間後に、TLC分析(
10%メタノール/クロロホルム)は、反応が完了したことを明らかにした。そ
の反応混合物を減圧下にて濃縮し、白色固形物とした。シリカゲル(10g)上の
クロマトグラフィーに付し、1-3%メタノール/クロロホルムのグラジエント
で溶出し、適当な画分を濃縮した後に、標題オキサゾリジノン抗菌剤0.204
g(94%)を灰色がかった固形物として得た。別の合成作業は、融点189-1
92℃およびMS(EI)350(M+)を有する物質を供した。
実施例6:( S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-3-メチル-1-アゼチ ジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
工程1: 1-(ジフェニルメチル)-3-メトキシ-3-メチルアゼチジン
乾燥テトラヒドロフラン(200mL)中の1-(ジフェニルメチル)-3-メチル-
3-アゼチジニル塩酸塩(5.00g、17.2ミリモル)のスラリーを氷浴で0℃
に冷却し、窒素下にて水素化ナトリウム(油中の2.10gの60%分散液、51
.8ミリモル)で処理した。冷却浴を除去し、その混合物を還流温度まで15分間
加温した。室温に冷却した後、ヨードメタン(7.40g、3.22mL、51.8
ミリモル)を添加した。添加を完了したら、その反応混合物を還流温度に15時
間加熱した。TLC分析(9:1ヘキサン/酢酸エチル)は、メチル化が完了した
ことを明らかにした。その反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチ
した。その混合物を酢酸エチルおよび水で分離漏斗に移し、ついで酢酸エチルで
抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上
で乾燥し、濾過し、減圧下にて濃縮した。その粗製生成物をシリカゲル上のクロ
マトグラフィーに付し、9:1酢酸エチル/ヘキサンで溶出した。適当な画分を
濃縮して、標題化合物2.30g(50%)をMS(EI)267(M+)を有する無色
油性物として得た。
工程2: 3-フルオロ-4-(3-メトキシ-3-メチル-1-アゼチジニル)ニトロベ ンゼン
25%テトラヒドロフラン/エタノール中の1-(ジフェニルメチル)-3-メト
キシ-3-メチルアゼチジン(2.20g、8.2ミリモル)の溶液を、窒素蒸気下、
氷酢酸(1.60g、1.50mL、24.7ミリモル)で、ついで炭素上水酸化パ
ラジウム(0.220g)で処理した。その反応混合物を、35psiのH2下、パー
ル装置上で振盪した。この時点で、TLC分析(9:1ヘキサン/酢酸エチル)は
、反応が完了したことを明らかにした。その混合物をセライトR(酢酸エチル洗浄
)を通して濾過し、その濾液を真空下にて濃縮して油性物を得た。この物質をジ
メチルスルフォキシド(15mL)中に溶解し、その溶液を常温にてリン酸水素二
カリウム(8.60g、49.2ミリモル)および3,4-ジフルオロニトロベンゼン
(1.30g、0.086mL、8.0ミリモル)で処理した。この黄色反応混合物
を窒素雰囲気下、常温にて18時間撹拌した。その反応混合物を水で希釈し、ジ
クロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、硫
酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下にて乾燥して黄色固形物を得た。シリ
カゲル上のクロマトグラフィーに付して8:1ヘキサン/酢酸エチルで溶出し、
適当な画分を濃縮した後に、標題化合物1.80g(90%)を融点110-111
℃およびMS(EI)240(M+)を有する黄色固形物として得た。
工程3: N-(カルボベンジルオキシ)-3-フルオロ-4-(3-メトキシ-3-メチ ル-1-アゼチジニル)アニリン
25%テトラヒドロフラン/メタノール(35mL)中の3-フルオロ-4-(3-
メトキシ-3-メチル-1-アゼチジニル)ニトロベンゼン(1.60g、6.7ミリモ
ル)の溶液を、繰り返しN2で吸引および充填することにより脱気し、ついで10
%パラジウム/炭素(0.160g)で処理した。ついで、ギ酸アンモニウム(2.
10g、33.3ミリモル)を添加し、その混合物を最後に脱気した。その反応混
合物を常温下にて20分間撹拌し、その間に黄色反応混合物が無色となった。T
LC分析(2:1ヘキサン/酢酸エチル)は、反応が完了したことを明らかにした
。
反応混合物をセライトR(ジクロロメタンおよびメタノール洗浄)を通して濾過し
、その濾液を真空下にて濃縮して紫色ガムを得、これを直ちにN2下にて1:1
アセトン/水(30mL)に溶解した。その混合物を氷浴で0℃に冷却し、重炭酸
ナトリウム(1.10g、13.4ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(1.20g
、1.00mL、7.37ミリモル)で処理した。その冷却浴を3時間放散させた
。常温にてさらに2時間撹拌した後、その反応混合物をジクロロメタン(50m
L)で分離漏斗に移した。有機相を分離させ、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、
濾過し、真空下にて濃縮して紫色油性物を得た。シリカゲル上のクロマトグラフ
ィーに付し、6:1ヘキサン/酢酸エチルで溶出し、適当な画分を濃縮した後に
、放置すると融点73-75℃およびMS(EI)344(M+)を有するワックス固
形物に固化する粘性油性物として標題化合物2.04g(89%)を得た。
工程4: ( R)-[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-3-メチル-1-アゼチジニ ル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メタノール
乾燥テトラヒドロフラン(20mL)中のN-(カルボベンジルオキシ)-3-フル
オロ-4-(3-メトキシ-3-メチル-1-アゼチジニル)アニリン(1.85g、5.4
ミリモル)の溶液をドライアイス/アセトン浴で-78℃に冷却し、シリンジを介
してn-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.6M溶液3.50mL、5.7ミリモル)
で処理した。この温度にて5分後に、(R)-グリシジル酪酸塩(0.823g、0.
807mL、5.7ミリモル)をシリンジを介して添加し、その反応混合物を冷却
浴を徐々に放散させつつ一晩放置した。TLC分析(5%メタノール/クロロホ
ルム)は、出発物質Cbz誘導体が消費されたことを明らかにした。その反応混
合物を減圧下にて濃縮して、ワックス状の橙色固形物とした。その残渣を20%
メタノール/ジクロロメタン中に溶解し、飽和塩化アンモニウム、飽和重炭酸ナ
トリウムおよびブラインで順次洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥
し、濾過し、真空下にて濃縮して粗製生成物を得た。シリカゲル上の放射状クロ
マトグラフィーに付し、2%、3%および5%メタノール/クロロホルムで溶出
し、適当な画分を濃縮した後に、1H NMR分析によると非常に純粋な無色ガム
として標題化合物0.811g(48%)を得た。分析試料は、ジクロロメタン/
ジエチルエーテルから再結晶化させ、融点113-114℃およびMS(EI)3
10(M+)を有する白色固形物を得ることによって調製した。
工程5: ( R)-[[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-3-メチル-1-アゼチジニ ル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]メタンスルホネート
乾燥ジクロロメタン(10mL)中の(R)-[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-
3-メチル-1-アゼチジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メタノ
ール(0.700g、2.25ミリモル)の溶液を氷浴で0℃に冷却した。ついで、
トリエチルアミン(0.250g、0.345mL、2.48ミリモル)、ついで塩
化メタンスルホニル(0.271g、0.183mL、2.37ミリモル)を添加し
、その反応混合物を冷却浴が放散する間、N2下にて撹拌した。3時間後に、TL
C分析(5%メタノール/クロロホルム)は、メシル化が実質的に完了したことを
明らかにした。その反応混合物をさらなるジクロロメタンで希釈し、0.5N 塩
酸、重炭酸ナトリウム飽和水溶液およびブラインで洗浄した。その有機層を硫酸
ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮した。シリカゲル上の放射状クロ
マトグラフィーに付し、3%メタノール/クロロホルムで溶出し、適当な画分を
濃縮した後に、回収した出発アルコール0.022gと、MS(EI)388(M+)
を有する白色固形物として標題化合物0.700g(80%)とを得た。
工程6: ( S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-メトキシ-3-メチル-1-アゼチ ジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
2:1の水酸化アンモニウム/イソプロパノール(30mL)中の(R)-[[3-[
3-フルオロ-4-(3-メトキシ-3-メチル-1-アゼチジニル)フェニル]-2-オキ
ソ-5-オキサゾリジニル]メチル]メタンスルホネートの混合物を加熱還流(ドラ
イアイス・コンデンサー)した。7時間後のTLC分析(5%メタノール/クロロ
ホルム)は、大部分の出発物質を明らかにした。その反応をさらに46時間続け
た。常温に冷却した後、TLCは出発メシラートが実質的に消費されたことを示
した。そのその反応混合物をジクロロメタン(200mL)とともに分離漏斗に移
し、水で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下に
て濃縮した。粗製5-(アミノメチル)オキサゾリジノンを乾燥ジクロロメタン(1
0mL)中に溶解し、氷浴で0℃に冷却し、ピリジン(0.698g、0.708m
L、8.75ミリモル)および無水酢酸(0.357g、0.330mL、3.50ミ
リモル)で処理した。ついで、その冷却浴を除去し、反応混合物を常温にて一晩
撹拌した。その反応混合物をさらなるジクロロメタン(60mL)で希釈し、5%
希塩酸、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、水およびブラインで洗浄した。ついで、
その有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮して粗製ガム
を得た。シリカゲル上の放射状クロマトグラフィーに付し、1%、2%および4
%メタノール/クロロホルムで溶出して、適当な画分を濃縮した後、標題のオキ
サゾリジノン抗菌剤0.481g(78%)を白色泡状固形物として得た。凍結乾
燥試料は融点132-134℃およびMS(EI)351(M+)を有していた。
実施例7:( S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-1-アゼ チジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
工程1: 3-フルオロ-4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-1-アゼチジニル)ニトロ ベンゼン
2:1メタノール/テトラヒドロフラン(60mL)中の1-(ジフェニルメチル)-
3-メチル-3-アゼチジノール塩酸塩(3.00g、10.4ミリモル)の溶液を、
N2蒸気下にてトリエチルアミン(1.00g、1.40mL、10.4ミリモル)、
ついで水酸化パラジウム/炭素(0.300g)で処理した。その混合物を40psi
のH2下にてパール装置上で振盪した。2.5時間後のTLC分析(2:1ヘキサ
ン/酢酸エチル)は、水素化分解が完了したことを明らかにした。その反応混合
物をセライトR(ジクロロメタン洗浄)を通して濾過し、その濾液を減圧下にて濃
縮して油性物を得、これを直ちに乾燥ジメチルスルフォキシド(15mL)に採取
し、N2下、常温にてリン酸水素二カリウム(3.40g、19.8ミリモル)およ
び3.4-ジフルオロニトロベンゼン(1.60g、1.10mL、9.9ミリモル)
で処理した。その温度にて16時間撹拌した後、TLC分析(2:1ヘキサン/
酢酸エチル)は、反応が実質的に完了したことを明らかにした。その反応混合物
をジクロロメタン(100mL)および水(150mL)と共に分離漏斗に移した。
振盪した後に、その有機相を分離した。水性相をジクロロメタンで再抽出し、合
わせた有機抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下に
て濃縮して油性物とした。シリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、3:1ヘ
キサン/酢酸エチルで溶出し、適当な画分を濃縮した後に、融点109-110
℃およびMS(EI)226(M+)を有する橙色固形物として標題化合物2.15g
(98%)を得た。
工程2: 4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-3-メチル-1-アゼチ ジニル]-3-フルオロニトロベンゼン
乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(15mL)中の3-フルオロ-4-(3-ヒドロ
キシ-3-メチル-1-アゼチジニル)ニトロベンゼン(1.80g、8.0ミリモル)
の溶液を氷浴で0℃に冷却し、N2下にてイミダゾール(0.572g、8.4ミリ
モル)および塩化tert-ブチルジメチルシリル(1.30g、8.4ミリモル)で処理
した。その反応混合物を、冷却浴を徐々に放散しつつ、一晩撹拌した。ついで、
その反応混合物を、水および1:1ヘキサン/ジエチルエーテルと一緒に分離漏
斗に移した。振盪した後、層を分離し、水性相をさらなる1:1ヘキサン/ジエ
チルエーテルで再抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、
硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮して油性物とした。シリカゲ
ル上のクロマトグラフィーに付し、3%ジエチルエーテル/ヘキサンで、ついで
1:1ヘキサン/酢酸エチルで溶出して、適当な画分を濃縮した後、出発アルコー
ル0.536gおよび融点98-99.5℃およびMS(EI)340(M+)を有する
明黄色固形物として標題化合物1.90g(70%)を得た。
工程3: N-(カルボベンジルオキシ)-4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル) オキシ]-3-メチル-1-アゼチジニル]-3-フルオロアニリン
2:1メタノール/テトラヒドロフラン(30mL)中の4-[3-[(tert-ブチル
ジメチルシリル)オキシ]-3-メチル-1-アゼチジニル]-3-フルオロニトロベン
ゼン(1.70g、5.0ミリモル)の溶液を、吸引およびN2充満を繰り返すこと
によって脱気し、ついでN2下にて10%パラジウム/炭素(0.170g)で処理
した。固形ギ酸アンモニウムを添加し、その反応混合物を最後に脱気し、発熱の
知見によりその混合物を氷浴で冷却した。反応混合物の色は黄色から無色に変化
した。TLC分析(2:1ヘキサン/酢酸エチル)は、還元が完了したことを明ら
かにした。その反応混合物をセライトRを通して濾過し、その濾液を真空下にて
濃縮して固形物として中間体アニリンを得、これを直ちに1:1アセトン/水に
溶解し、氷浴で0℃に冷却し、重炭酸ナトリウム(0.840g、10.0ミリモ
ル)ついで、ギ酸クロロベンジル(0.938g、0.785mL、5.5ミリモル)
で処理した。その反応混合物を、冷却浴を徐々に放散しつつ、N2下にて一晩撹
拌させた。合計16時間後に、その反応混合物をジクロロメタン(100mL)と
一緒に分離漏斗に移した。振盪した後に、その有機相を分離し、水で洗浄し、硫
酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下にて濃縮して粗製油性物を得た。シリ
カゲル上のクロマトグラフィーに付し、9:1ヘキサン/酢酸エチルで溶出し、
適当な画分を濃縮した後に、標題化合物1.68g(76%)をMS(EI)444(M+
)を有するガムとして得た。
工程4: ( R)-[3-[4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-3-メチル -アゼチジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メタノ ール
N2下、乾燥テトラヒドロフラン(20mL)中のN-(カルボベンジルオキシ)-
4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-3-メチル-1-アゼチジニル]-3
-フルオロアニリン(1.60g、3.8ミリモル)の溶液をドライアイス/アセト
ン浴で-78℃に冷却し、シリンジを介してn-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.
5
5M溶液2.40mL、3.8ミリモル)で処理した。この温度にて5分後に、(R)-
グリシジル酪酸(0.548g、0.538mL、3.8ミリモル)を添加した。添
加が完了したら、冷却浴を除去し、その反応混合物をN2下にて放置し常温まで
温めた。この温度にて2時間後に、TLC分析(2:1ヘキサン/酢酸エチル)は
、出発物質Cbz誘導体が消費されたことを明らかにした。その反応混合物を真
空下にて濃縮し、その残渣を酢酸エチルに溶解し、水およびブラインで洗浄し、
硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮して粗製生成物を得た。シ
リカゲル上のクロマトグラフィーに付し、30%酢酸エチル/ジクロロメタンで
溶出し、適当な画分を濃縮した後に、標題5-(ヒドロキシメチル)-オキサゾリジ
ノン1.10g(71%)を融点143.5-144.5℃およびMS(EI)410(
M+)を有する白色固形物として得た。
工程5: ( R)-[[3-[4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-3-メチ ル-アゼチジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチ ル]メタンスルホネート
乾燥ジクロロメタン(15mL)中の(R)-[3-[4-[3-[(tert-ブチルジメチル
シリル)オキシ]-3-メチル-1-アゼチジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-
5-オキサゾリジニル]メタノール(1.00g、2.43ミリモル)の溶液を氷浴で
0℃に冷却し、N2下にてトリエチルアミン(0.295g、0.406mL、2.
92ミリモル)、ついで塩化メタンスルホニル(0.321g、0.217mL、2
.80ミリモル)で処理した。0℃にて2時間後に、TLC分析(5%メタノール
/クロロホルム)は、反応が完了したことを明らかにした。その反応混合物をさ
らなるジクロロメタン(75mL)と一緒に分離漏斗に移した。その有機層を0.5
N塩酸、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮して融点113-115℃およびMS(E
I)488(M+)を有する白色固形物として標題化合物1.03g(94%)を得た
。
工程6: ( R)-[[3-[4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-3-メチ ル-1-アゼチジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル] メチル]アジド
N2下にて乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(20mL)中の(R)-[[3-[4-[3
-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-3-メチル-1-アゼチジニル]-3-フル
オロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]メタンスルホネート(0
.960g、2.10ミリモル)の溶液を常温にてアジ化ナトリウム(0.273g
、4.2ミリモル)で処理した。その反応混合物を70℃に3時間加熱し、ついで
室温に冷却した。この時点のTLC分析(5%メタノール/クロロホルム)は反応
が完了したことを明らかにした。溶媒を真空下にて除去し、その残渣をジクロロ
メタン(100mL)および水に採取した。有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で
乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮して、融点127-128℃およびMS(EI)
435(M+)を有する白色固形物として標題化合物0.820g(90%)を得た。
工程7: ( S)-N-[[3-[4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-3-メ チル-1-アゼチジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル ]メチル]アセトアミド
酢酸エチル(20mL)中の(R)-[[3-[4-[3-[(tert-ブチルジメチルシリル)
オキシ]-3-メチル-1-アゼチジニル]-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オ
キサゾリジニル]メチル]アジド(0.750g、1.72ミリモル)の溶液を、吸引
およびN2充満を繰り返すことにより脱気した。ついで、その溶液をN2蒸気下に
て10%パラジウム/炭素(0.075g)で処理した。吸引および充満を繰り返
すことによってその雰囲気をH2(風船)で置き換え、その反応混合物を常温にて
撹拌した。6時間後のTLC分析(5%メタノール/クロロホルム)は、還元が完
了したことを明らかにした。その反応混合物をセライトRを通して濾過し、その
濾液を減圧下にて濃縮した。その残渣を乾燥ジクロロメタン(10mL)中に溶解
し、氷浴で0℃に冷却し、ピリジン(0.680g、0.696mL、8.60ミリ
モル)および無水酢酸(0.263g、0.243mL、2.58ミリモル)で処理し
た。冷却浴を除去し、その反応混合物をN2下、常温にて撹拌した。3時間後に
、
その反応混合物をジクロロメタン(100mL)と一緒に分離漏斗に移した。その
混合物を10%塩酸、重炭酸ナトリウム飽和水溶液およびブラインで洗浄し、硫
酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮した。シリカゲル上の放射状
クロマトグラフィーに付し、3%および、ついで5%のメタノール/クロロホル
ムで溶出し、適当な画分を濃縮した後に標題化合物0.643g(83%)を融点
137-138℃およびMS(EI)451(M+)を有する白色固形物として得た。
工程8: ( S)-N-[[3-[3-フルオロ-4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-1-アゼ チジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
ポリプロピレンボトル中のアセトニトリル(20mL)中の(S)-N-[[3-[4-[
3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-3-メチル-1-アゼチジニル]-3-フ
ルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(0.5
50g、1.22ミリモル)の溶液を、常温にて40%フッ化水素酸水溶液(5mL
)で処理した。16時間後に、TLC分析(5%メタノール/クロロホルム)は、
脱保護が実質的に完了したことを明らかにした。その反応混合物を幾分かのジク
ロロメタン(150mL)と一緒にエルレンマイアーフラスコに移した。その撹拌
混合物を炭酸ナトリウム飽和水溶液(300mL、脱気)で処理した。脱気後に、
その混合物を分離漏斗に移し、相を分離した。6N塩酸を添加することによって
水性相をpH7に中和し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物を硫
酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下にて濃縮した。シリカゲル上の放射状ク
ロマトグラフィーに付し、5%メタノール/クロロホルムで溶出し、適当な画分
を濃縮した後に、標題のオキサゾリジノン抗菌剤0.374g(91%)を融点1
52-153℃およびMS(EI)337(M+)を有する白色固形物として得た。
ピロリジノン-フェニルオキサゾリジノンの例
実施例8:( S)-N-[[3-[4-(1-アザ-5,5-ジメチル-4,6-ジオキサビシク ロ[3.3.0]オクタン-1-イル)-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-
5-オキサゾリジニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
:
3-フルオロ-1-ニトロ-4-(2,5-ジヒドロピリル)ベンゼン;
DMSO30mL中の2,4-ジニトロフルオロベンゼン2.30g(14.47
ミリモル)および二塩基性リン酸カリウム5.04g(28.93ミリモル)の溶液
を、3-ピロリン1.0g(14.47ミリモル)で処理し、つづいて60℃にて2
4時間加温した。その溶液を冷却し、クロロホルム100mLで希釈し、つづい
て水(5×75mL)で抽出した。乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮して黄色
固形物を得、これを熱酢酸エチル-ヘキサンから再結晶化させて標題化合物2.5
8g(86%)を黄色晶柱、融点132-134℃として得た。
3-フルオロ-1-ニトロ-4-(シス-3,4-ジヒドロキシピロリジニル)ベンゼン
;
アセトン60mLおよび水13mL中の前記化合物1.25g(6.02ミリモ
ル)およびN-メチルモルホリン N-オキシド881mg(7.52ミリモル)の溶
液を、tert-ブチルアルコール中の2.5%四酸化オスミニウム溶液4mLで処理
し、つづいて常温にて24時間撹拌した。その溶液と二硫酸ナトリウム500mg
、マグネソール(magnesol)2gおよび水10mLと一緒に20分間撹拌した。そ
の混合物をセライトを通して濾過し、その濾過ケーキをアセトンで洗浄した。そ
の濾液を真空下にて濃縮し、酢酸エチル100mLおよび水150mLで抽出し
た。その水性層を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥
(Na2SO4)し、真空下にて濃縮して黄色固形物を得た。この物質を熱アセトン-
ヘキサンから再結晶化させて標題化合物1.33g(91%)を融点151-153
℃を有する黄色固形物として得た。
1-(1-アザ-5,5-ジメチル-4,6-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン-1 -イル)-2-フルオロ-4-ニトロベンゼン(3)
:
ジメチルホルムアミド10mL中の前記のジオール1.27g(5.24ミリモ
ル)の溶液を、2,2-ジメトキシプロパン1.09g(1.3mL、10.49ミリ
モル)および幾分かのp-トルエンスルホン酸結晶で処理し、つづいて常温にて2
4時間撹拌した。その溶液をクロロホルム50mLで希釈し、水(5×30mL)
で抽出した。乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮して標題化合物1.45g(9
8%)をさらなる用途に十分に純粋である黄色固形物として得た。分析試料は、熱
アセトン-ヘキサンから再結晶化させることによって得た。融点113-114℃
。
1-(1-アザ-5,5-ジメチル-4,6-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン-1 - イル)-2-フルオロ-4-(フェニルメトキシカルボニル)アミノベンゼン
:
テトラヒドロフラン50mL中の前記化合物1.45g(5.14ミリモル)の溶
液を、10%炭素パラジウム260mgで処理し、つづいて一気圧にて3時間水
素化分解した。その反応容器を窒素でパージし、重炭酸ナトリウム飽和溶液20
mLで処理し、つづいて0℃まで冷却し、クロロギ酸ベンジル1.75g(1.4
7mL、10.27ミリモル)を添加した。その溶液を0℃にて30分間撹拌し、
つづいて18時間常温に加温した。その混合物を酢酸エチル50mLおよび水5
0mLで希釈し、セライトを通して濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄した
。濾液層を分離し、その有機相を水50mLおよび塩化ナトリウム飽和溶液50
mLで再抽出した。乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮して軽紫色固形物を得
、これを熱酢酸エチル-ヘキサンから再結晶化させて標題化合物1.56g(79
%)を微細な白色結晶として得た。
1H NMR(CDCl3):δ7.39,7.25,6.93,6.67,5.19,4.80,3.73,2.97,1.53,1.
37
( R)-[3-[4-(1-アザ-5,5-ジメチル-4,6-ジオキサビシクロ[3.3.0] オクタン-1-イル)-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メ タノール(5)
;
-78℃のテトラヒドロフラン48mL中の前記化合物のCbz誘導体1.36
g(3.52ミリモル)の溶液をヘキサン中のn-ブチルリチウム2.41mL(1.
6M、3.87ミリモル)で滴下処理し、つづいて-78℃にて30分間撹拌した
。ついで、その溶液をニート(R)-(+)-グリシジル酪酸558mg(0.55mL
、3.87ミリモル)で処理し、つづいて0℃にて30分間、ついで常温にて18
時間温めた。ついで、その溶液を0℃に冷却し、塩化アンモニウム飽和水溶液4
mLで処理し、つづいてジクロロメタン200mLで希釈し、水(2×50mL)
お
よび塩化アンモニウム飽和溶液(50mL)で抽出した。乾燥(Na2SO4)し、真
空下にて濃縮して茶色固形物を得、これを230-400メッシュのシリカゲル8
0g上のクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン中の2%(v/v)メタノー
ルで溶出した。これらの方法により、標題化合物840mgを灰色がかった固形
物として得た。
1H NMR(CDCl3):δ7.34,7.06,6.71,4.80,4.75,4.01,3.73,3.67,3.56,2.
95,1.50,1.36
( S)-[[3-[4-(1-アザ-5,5-ジメチル-4,6-ジオキサビシクロ[3.3.0] オクタン-1-イル)-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メ チル]メタンスルホネート
:
0℃のジクロロメタン11mL中の前記アルコール791mg(2.25ミリモ
ル)およびトリエチルアミン283mg(0.39mL、2.81ミリモル)の溶液
を、塩化メタンスルホニル296mg(0.20mL、2.58ミリモル)で処理し
、つづいて0℃にて30分間撹拌した。その混合物を常温に加温し、ジクロロメ
タン75mLで希釈し、つづいて水(2×30mL)および重炭酸ナトリウム飽和
溶液(30mL)で抽出した。乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮して、さらな
る用途に十分に純粋な灰色がかった固形物として標題のメシラート810mg(
84%)を得た。
1H NMR(CDCl3):δ7.36,7.07,6.73,4.90,4.82,4.48,4.41,4.10,3.89,3.
77,3.10,3.02,1.51,1.37
( S)-N-[[3-[4-(1-アザ-5,5-ジメチル-4,6-ジオキサビシクロ[3.3. 0]オクタン-1-イル)-3-フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル] メチル]アセトアミド
:
再密閉可能な厚壁チューブ中の1:1テトラヒドロフラン-イソプロピルアル
コール8mL中の前記メシラート810mg(1.88ミリモル)の溶液を水酸化
アンモニウム8mLで処理した。そのチューブを密閉し、100℃にて22時間
加温した。そのチューブを冷却し、その反応混合物をクロロホルムと水との間に
分配させた。その有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮して褐色固形物
520mgを得、これを用いてピリジン2mL中に溶解し、無水酢酸357mg
(0.33mL、3.50ミリモル)で処理し、つづいて常温にて18時間撹拌した
。その溶液をクロロホルム(20mL)で希釈し、水(4×20mL)で抽出した。
その有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮し、得られた固形物をクロロ
ホルム-ヘキサンから再結晶化させて、標題アセトアミド350mg(59%)を
融点195-7℃を有する灰色がかった針状結晶として得た。
実施例9:( S)-N-[[3-[4-(3,4-シス-ジヒドロキシピロリジニル)-3-フル オロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(9)
:
テトラヒドロフラン2mL中の実施例8で調製した化合物249mg(0.63
ミリモル)の溶液を、2N塩酸溶液2mLで処理し、つづいて常温にて18時間
撹拌した。その混合物を真空下にて濃縮し、その残渣を重炭酸ナトリウム飽和溶
液30mLで処理した。その混合物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、乾燥
(Na2SO4)し、真空下にて濃縮して灰色がかった固形物110mgを得た。
この物質を2mmクロマトトロン・プレート上の放射状クロマトグラフィーに
付し、ジクロロメタン中の7%(v/v)メタノールで溶出した。これらの方法に
より、標題のジオール60mg(28%)を融点183-189℃(分解)を有する
白色固形物として得た。
実施例10:( S)-N-[[3-[4-(3-ヒドロキシピロリジニル)-3-フルオロフェ ニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
:
3-フルオロ-4-(3-ヒドロキシピロリジニル)ニトロベンゼン:
ジメチルホルムアミド(30mL)中の3-ピロリジノール(1.82g)および3
,4-ジフルオロニトロベンゼン(3.0g)の溶液に、炭酸カリウム(3.94g)を
添加した。その混合物を室温にて一晩撹拌し、ついで濾過し、ジクロロメタンで
洗浄した。その濾液を合わせ、減圧下にて濃縮した。得られた残渣をシリカゲル
カラム上のクロマトグラフィーに付し、酢酸エチルの含量を増加させつつ(50
%から60%)酢酸エチル/ヘキサンで溶出した。適当な画分をプールし、減圧
下にて濃縮して標題化合物(4.83g)を得た;
1H NMR(CD3OD,270MHz)δ0.85(2H,m),2.25-2.57(4H,m),3.26(1H
,m),5.47(1H,t,J=8.6Hz),6.62(1H,dd,J=2.4,14.0Hz),6.69(1H,dd,J=2.4,8.6Hz)
3-フルオロ-4-[3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジニル]ニト ロベンゼン
:
テトラヒドロフラン(100mL)中の前記化合物(4.83g)、トリエチルア
ミン(9.5mL)およびジメチルアミノピリジン(2.79g)の混合物を、0℃に
て塩化tert-ブチルジメチルシリル(5.15g)で処理し、室温にて2日間撹拌し
た。その混合物を濾過し、不溶性の物質をジクロロメタンで洗浄した。合わせた
濾液をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下にて濃縮した。得
られた残渣をシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル/ヘ
キサン(70/30)で溶出した。適当な画分を合わせ、減圧下にて濃縮して標題
化合物(11)(6.45g)を得た;
1H NMR(CDCl3)δ0.09(6H,s),0.88(9H,s),2.02(2H,m),3.42-3.78(4H,m)
,4.52(1H,m),6.53(1H,t,J=8.9Hz),7.87(1H,dd,J=2.4,14.0Hz),7.94(1H,dd,J=2.4
,8.9Hz)
3-フルオロ-4-[3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジニル]アニ リン
;
炭素上パラジウム(10%、500mg)を、ジクロロメタン(20ml)および
メタノール(100ml)の混合溶媒中の前記化合物(5.0g)の混合物に添加した
。その混合物を1気圧水素下にて6時間撹拌し、ついで濾過し、炭素上パラジウ
ムをメタノールおよびジクロロメタンで洗浄した。合わせた濾液を減圧下にて濃
縮して標題化合物(4.52g)を得た;
1H NMR(CDCl3)δ0.08(6H,s),0.88(9H,s),1.87(1H,m),2.11(1H,m),3.05
(1H,m),3.29(2H,m),3.56(1H,m),4.48(1H,m),6.38(1H,dd,J=2.4,8.9Hz),6.44(1H,
dd,J=2.4,14.0Hz),6.61(1H,t,J=8.9Hz)
1-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4-[3-(tert-ブチルジメチルシリルオ キシ)ピロリジニル]-3-フルオロベンゼン
;
クロロギ酸ベンジル(3.0mL)を0℃のテトラヒドロフラン(50mL)中の
前記化合物(4.52g)および重炭酸ナトリウム(1.76g)の混合物に添加した
。その混合物を室温にて一晩撹拌し、ついで濾過し、テトラヒドロフランで洗浄
した。合わせた濾液を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムに付し、ヘキサン/酢酸エチル(90/10)で溶出し
た。適当な画分を一緒にして減圧下にて濃縮して、標題化合物(4.40g)を得
た;
1H NMR(CDCl3)δ0.08(6H,s),0.88(9H,s),1.87(1H,m),2.11(1H,m),3.05
(1H,m),3.29(2H,m),3.56(1H,m),4.48(1H,m),5.18(2H,s),6.59(1H,t,J=8.9Hz),6.
88(1H,dd,J=2.4,8.9Hz),7.10(1H,dd,J=2.4,14.0Hz),7.36(5H,m)
( S)-[[3-[4-[3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジニル]-3-フ ルオロフェニル]]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メタノール
;
乾燥テトラヒドロフラン(50mL)中の前記化合物(4.40g)の溶液を窒素
下にて-78℃に冷却し、5分間撹拌しつつn-BuLi7.3mL(ヘキサン中の
1.6M)で処理した。その混合物を(R)-(+)-グリシジル酪酸1.65mLで処
理し、一晩室温に徐々に温めた。硫酸アンモニウム飽和溶液(10mL)を添加す
ることによってその反応をクエンチし、その混合物をジクロロメタン(3×50
mL)で抽出した。その合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで
乾燥し、減圧下にて濃縮した。得られた残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー
に付し、酢酸エチル含量を増加させつつ(50%から70%)ヘキサン/酢酸エチ
ルで溶出した。適当な画分をプールし、減圧下にて濃縮して標題化合物(1.44g
)を得た;
1H NMR(CDCl3)δ0.08(6H,s),0.88(9H,s),1.91-2.10(2H,m),3.18(1H,m)
,3.39-3.48(2H,m),3.63(1H,m),3.78(1H,m),3.87-4.01(3H,m),4.48(1H,m),4.66(1
H,m),6.63(1H,t,J=9.5Hz),7.04(1H,dd,J=2.4Hz,9.5Hz),7.32(1H,dd,J=2.4,14.6H
z)
( S)-[[3-[4-[3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジニル]-3-フ ルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]メタンスルホネート
;
ピリジン(10mL)中の前記化合物(1.44g)の溶液に、撹拌しつつ、0℃
の塩化p-トルエンスルホニル(0.88g)を添加した。その混合物を室温にて一
晩撹拌した。水(40mL)を撹拌しつつその混合物に徐々に添加し、その混合物
をさらに1時間撹拌して結晶を得た。その結晶を濾過によって採取し、水で洗浄
し、減圧下、40℃にて一晩乾燥して標題化合物(1.96g)を得た;
1H NMR(CDCl3)δ0.09(6H,s),0.88(9H,s),1.90-2.08(2H,m),2.46(3H,s)
,3.21(1H,m),3.40-3.49(2H,m),3.65(1H,m),3.81(1H,dd,J=5.9,8.9Hz),4.03(1H,t
,J=8.9Hz),4.24(2H,m),4.49(1H,m),4.80(1H,m),6.63(1H,t,J=9.5Hz),6.96(1H,dd
,J=2.4,9.5Hz),7.23(1H,dd,J=2.4,14.6Hz),7.36(2H,d,J=7.8Hz),7.79(2H,d,J=7.
8Hz)
( S)-N-[[3-[4-[3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジニル]-3 -フルオロフェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
;
ジメチルホルムアミド(20mL)中の前記化合物(1.96g)の混合物をアジ
化ナトリウム(455mg)で処理し、60℃にて一晩加温した。室温まで冷却し
た後、その混合物を濾過し、その沈殿をジクロロメタンで洗浄した。合わせた濾
液を減圧下にて濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム上のクロマトグラフ
ィーに付し、ヘキサン/アセトン(80/20)で溶出した。適当な画分を合わせ
、減圧下にて濃縮して化合物(1.40g)を得た。乾燥テトラヒドロフラン(20
mL)中のこの化合物の溶液を、トイフェニルホスフィン(868mg)で処理し
、室温にて2時間撹拌した。その混合物を水(0.5mL)で処理し、40℃にて
4時間、ついで室温にて一晩撹拌した。その混合物を減圧下にて濃縮し、トルエ
ンと共沸させることによって乾燥させた。得られた残渣をジクロロメタン(20
mL)中に懸濁し、0℃にてピリジン(0.5mL)および無水酢酸(0.6mL)で
処理した。その混合物を室温にて一晩撹拌し、減圧下にて濃縮した。その残渣を
シリカゲルカラムに付し、メタノール含量を増加させつつ(1%から3%)メタノ
ール/ジクロロメタンで溶出した。適当な画分をプールし、減圧下にて濃縮して
標題化合物(1.502g)を得た;
1H NMR(CDCl3)δ0.08(6H,s),0.88(9H,s),1.89-2.09(2H,m),2.02(3H,s)
,3.18(1H,m),3.36-3.67(6H,m),3.71(1H,dd,J=6.8,8.9Hz),3.99(1H,t,J=8.9Hz),
4.48(1H,m),4.76(1H,m),6.20(1H,ブロード,NH),6.61(1H,t,J=9.2Hz),6.98(1H,dd
,J=2.4,9.2Hz),7.30(1H,dd,J=2.4,15.1Hz)
( S)-N-[[3-[4-(3-ヒドロキシピロリジニル)-3-フルオロフェニル]-2- オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
;
乾燥テトラヒドロフラン(8mL)中の前記化合物(1.50g)の混合物を0℃
にてフッ化テトラブチルアンモニウム(6.7mL;テトラヒドロフラン中の1.
0M)で処理し、4時間撹拌させつつ放置して室温まで温めた。その混合物を水(
50mL)で処理し、ジクロロメタン(30mL×4)で抽出した。有機層を合わ
せ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下にて濃縮した。その
残渣をシリカゲルカラムに付して、アセトン/ヘキサン(80/20)で溶出した
。適当な画分を合わせ、減圧下にて濃縮して標題化合物(0.77g)を得た;
1H NMR(DMSO-d6)δ1.78-2.00(2H,m),1.80(3H,s),3.12(1H,m),3.26-3
.54(5H,m),3.67(1H,dd,J=6.8,8.9Hz),4.04(1H,t,J=8.9Hz),4.34(1H,m),4.68(1H,
m),4.91(1H,d,J=4.1Hz,OH),6.72(1H,t,J=9.7Hz),7.07(1H,dd,J=2.4,9.7Hz),7.38
(1H,dd,J=2.4,16.2Hz),8.23(1H,t,J=5.7Hz,NH)
実施例11:( S)-N-((3-(3-フルオロ-4-(3-オキソピロリジニル)フェニル )-2-オキソ-5-オキサゾリジニル)メチル)アセトアミド
:
7-ベンジル-7-アザ-1,4-ジオキサスピロ(4,5)ノナン;
ベンゼン(70mL)中の1-N-ベンジル-3-ピロリジノン(1.92g)および
エチレングリコール(6.81g)の懸濁液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(
1.93g)を添加した。ディーン-スタークトラップによって水を共沸除去しつ
つ、その混合物を6時間還流した。室温に冷却した後、その混合物を重炭酸ナト
リウム飽和水溶液(50mL×3)で洗浄した。ついで、その水性層をジクロロメ
タン(30mL×3)で抽出した。その有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸
ナトリウム上で乾燥し、減圧下にて濃縮して標題化合物(1.57g)を得た;
1H NMR(CDCl3)δ2.06(2H,t,J=7.3Hz),2.64(2H,s),2.66(2H,t,J=7.3Hz)
,3.61(2H,s),3.89(4H,m),7.28(5H,m)
7-アザ-1,4-ジオキサスピロ(4,5)ノナン;
炭素上水酸化パラジウム(20%、200mg)をジクロロメタン(10mL)お
よびメタノール(20mL)の混合溶媒中の前記化合物(1.57g)の溶液に添加
した。その混合物を3kgf/cm2の水素下にて2日間撹拌し、ついで濾過し
、炭素上水酸化パラジウムをメタノールおよびジクロロメタンで洗浄した。合わ
せた濾液を減圧下にて濃縮して標題化合物(1.38g)を得た;
1H NMR(CDCl3)δ2.17(2H,t,J=7.3Hz),3.35(2H,s),3.52(2H,t,J=7.3Hz)
,3.99(4H,s)
4-(7-アザ-1,4-ジオキサスピロ(4,5)ノナン-7-イル)-3-フルオロニト ロベンゼン
:
前記化合物(1.38g)で出発する以外は重要でない変形を施し、実施例9の
常法に従って標題化合物(1.50g)を得た;
1H NMR(CDCl3)δ2.18(2H,t,J=7.3Hz),3.67(2H,s),3.72(2H,t,J=7.3z),
4.02(4H,s),6.53(1H,t,J=7.3Hz),7.88(1H,dd,J=2.4,14.0Hz),7.94(1H,dd,J=2.4,
8.9Hz)
4-(7-アザ-1,4-ジオキサスピロ(4,5)ノナン-7-イル)-3-フルオロ-1- (フェニルメトキシカルボニルアミノ)-ベンゼン
;
前記化合物(1.49g)で出発する以外は重要でない変形を施し、実施例9の
常法に従って標題化合物(2.44g)を得た;
1H NMR(CDCl3)δ2.16(2H,t,J=6.8Hz),3.41(2H,t,J=6.8Hz),3.46(2H,s)
,3.98(4H,s),5.18(2H,s),6.60(1H,t,J=9.2Hz),6.91(1H,dd,J=2.4,9.2Hz),7.22(1
H,dd,J=2.4,14.0Hz),7.37(5H,m)
( R)-(3-(3-フルオロ-4-(7-アザ-1,4-ジオキサスピロ(4,5)ノナン-7 -イル)フェニル)-2-オキソ-5-オキサゾリジニル)メタノール
;
乾燥ジメチルホルムアミド(25mL)中の前記化合物(2.44g)の溶液を窒
素下にて-78℃に冷却し、5分間撹拌しつつ、リチウム ビス(トリメチルシリ
ル)アミド6.6mL(テトラヒドロフラン中の1.0M)で処理した。その混合物
を(R)-(-)グリシジル酪酸0.93mLで処理し、一晩放置して徐々に室温に温
めた。水(5mL)を添加することによって、少量の過剰なリチウムビス(トリメ
チルシリル)アミドをクエンチした。その混合物を減圧下にて濃縮し、トルエン
と一緒に共沸させた。その残渣をジクロロメタン(100mL)中に懸濁し、不溶
性の物質を濾過によって除去した。その濾液を減圧下にて濃縮し、ついで得られ
た残渣をシリカゲルカラムに付し、ヘキサン/アセトン(50/50)で溶出した
。適当な画分をプールし、減圧下にて濃縮して標題化合物(1.79g)を得た;
1H NMR(DMSO-d6)δ2.07(2H,t,J=7.3Hz),3.35(4H,溶媒による信号と
重複),3.50-3.69(2H,m),3.78(1H,dd,J=7.3,9.2Hz),3.92(4H,s),4.02(1H,t,J=9.2
Hz),4.67(1H,m),5.20(1H,t,J=5.9Hz,OH),6.77(1H,t,J=10.3Hz),7.13(1H,dd,J=2.
4,10.3Hz),7.46(1H,dd,J=2.4,16.2Hz)
( R)-N-((3-(3-フルオロ-4-(7-アザ-1,4-ジオキサスピロ(4,5)ノナ ン-7-イル)フェニル)-2-オキソ-5-オキサゾリジニル)メチル)アジド
;
前記化合物(1.78g)で出発する以外は重要でない変形を施し、実施例9の
常法に従って、標題化合物(1.76g)を得た;
1H NMR(CDCl3)δ2.14(2H,t,J=7.3Hz),2.44(3H,s),3.45(2H,t,J=7.3Hz)
,3.49(2H,s),3.73-4.13(2H,m),3.98(4H,s),4.24(2H,m),4.80(1H,m),6.60(1H,t,J
=9.5Hz),6.96(1H,dd,J=2.4,9.5Hz),7.23(1H,dd,2.4,14.6Hz),7.36(2H,d,J=7.8Hz
),7.78(2H,d,J=7.8Hz)
( R)-N-((3-(3-フルオロ-4-(7-アザ-1,4-ジオキサスピロ(4,5)ノナ ン-7-イル)フェニル)-2-オキソ-5-オキサゾリジニル)メチル)アセトアミド
;
重要でない変形を施し、実施例9の常法に従って、ついでリンドラー(Lindlar
)触媒(150mg)を、ジクロロメタン(10mL)およびメタノール(40mL)
の混合溶媒中の前記化合物(17)(1.45g)の混合物に添加した。その混合物
を大気圧の水素下で2日間撹拌し、ついで濾過し、触媒をメタノールおよびジク
ロロメタンで洗浄した。合わせた濾液を減圧下にて濃縮した。得られた残渣をジ
クロロメタン(20mL)中に懸濁し、0℃にてピリジン(0.3mL)および無水
酢酸(0.7mL)で処理した。その混合物を室温にて一晩撹拌し、減圧下にて濃
縮した。その残渣をシリカゲルカラムに付し、メタノール含量を増加させつつ(
2
%から5%)メタノール/ジクロロメタンで溶出した。適当な画分をプールし、
減圧下にて濃縮して標題化合物(0.72g)を得た;
1H NMR(CDCl3)δ2.01(3H,s),2.16(2H,t,J=7.3Hz),3.43(2H,t,J=7.3Hz)
,3.47(2H,s),3.53-3.67(2H,m),3.71(1H,dd,J=6.8,9.2Hz),3.98(5H,m),4.75(1H,m
),6.27(1H,ブロード),6.61(1H,t,J=9.2Hz),6.99(1H,dd,J=2.4Hz,9.2Hz),7.33(1H
,dd,J=2.4,15.1Hz)
( S)-N-((3-(3-フルオロ-4-(3-オキソピロリジニル)フェニル)-2-オキ ソ-5-オキサゾリジニル)メチル)アセトアミド
;
アセトン(12mL)および水(3.7mL)中の前記化合物(610mg)の混合
物を、p-トルエンスルホン酸一水和物(609mg)で処理し、3時間還流した
。室温まで冷却した後に、その混合物を減圧下にて濃縮した。その残渣をトリエ
チルアミン5mLで処理し、ジクロロメタン(30mL×5)で抽出した。その有
機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下にて濃縮
した。得られた残渣をシリカゲルカラムに付し、ヘキサン/アセトン(50/5
0)で溶出した。適当な画分を合わせ、減圧下にて濃縮して標題化合物(390m
g)を得た;
1H NMR(CDCl3)δ2.03(3H,s),2.65(2H,t,J=6.8Hz),3.47-3.78(7H,m),4.
02(1H,t,J=8.9Hz),4.76(1H,m),6.18(1H,t,J=5.9Hz,NH),6.77(1H,t,J=9.2Hz),7.0
9(1H,dd,J=2.4,9.2Hz),7.43(1H,dd,J=2.4,15.1Hz)
実施例12:( S)-N-((3-(3-フルオロ-4-(3-(フェニルメトキシアセチルア ミノ)ピロリジニル)フェニル)-2-オキソ-5-オキサゾリジニル)メチル)アセト アミド
工程1: 3-フルオロ-1-ニトロ-4-(3-トリフルオロアセチルアミノ)ピロリ ジニルベンゼン
DMSO87mL中の3-(トリフルオロアセチルアミノ)ピロリジン塩酸塩4.
49g(20.54ミリモル)、3,4-ジフルオロニトロベンゼン2.97g(18.
68ミリモル)および二塩基性リン酸カリウム7.16g(41.10ミリモル)の
溶液を90℃にて18時間加温した。その混合物を冷却し、酢酸エチル300m
Lで希釈した。その溶液を水(5×100mL)で抽出し、乾燥(Na2SO4)した
。真空下にて濃縮して黄色固形物を得、これを熱酢酸エチル-ヘキサンから再結
晶化させて標題化合物5.0g(84%)を、融点165-167℃を有する黄色結
晶固形物として得た。
工程2: 3-フルオロ-1-(フェニルメトキシカルボニル)アミノ-4-(3-トリ フルオロアセチルアミノ)ピロリジニルベンゼン
酢酸エチル100mL中のニトロ化合物4.10g(12.76ミリモル)の溶液
を10%炭素パラジウム500mgで処理し、つづいて大気圧下にて4時間水素
化分解した。その混合物を、酢酸エチルで濾過ケーキを洗浄しつつ、セライトを
通して濾過した。その濾液を減圧下にて濃縮し、残渣をアセトン50mL中に溶
解し、飽和NaHCO3溶液75mLで処理し、つづいて0℃に冷却し、クロロ
ギ酸ベンジル4.36g(3.64mL、25.53ミリモル)で処理した。ついで
、溶液を18時間常温に温めた。その混合物を酢酸エチル200mLで希釈し、
水(2×50mL)で抽出し、つづいて乾燥(Na2SO4)した。真空下にて濃縮し
てベージュ色固形物を得、これを熱酢酸エチル-ヘキサンから再結晶化させて標
題Cbz誘導体4.41g(81%)を融点143-145℃を有するかすかなベー
ジュ色の針状物として得た。
工程3: 3-フルオロ-1-(フェニルメトキシカルボニル)アミノ-4-(3-(1, 3-ジメチルヘキサヒドロ-2-オキソ-1,3,5-トリアジン-5-イル)ピロリジニ ル)ベンゼン
THF36mL中のCbz誘導体1.86g(4.37ミリモル)の溶液を2NN
aOH溶液50mLで処理し、つづいて36時間加熱還流した。その溶液を冷却
し、水50mLで希釈し、つづいて酢酸エチル(4×75mL)で抽出した。合わ
せた有機層を飽和NaCl溶液で抽出し、つづいて乾燥(Na2SO4)し、真空下
にて濃縮した。得られた琥珀色の油性物をジオキサン20mLおよびトルエン
40mLに溶解し、得られた溶液をN,N'-ジメチル尿素385mg(4.37ミ
リモル)および37%ホルムアミド水溶液5mLで処理した。その混合物をおよ
そ5mLの水がディーン-スタークトラップに採取されるまで加熱還流した。そ
の溶液を冷却し、真空下にて濃縮した。残渣を230-400メッシュのシリカ
ゲル180g上のクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン中の2%(v/v)
メタノールで溶出した。これらの方法により、標題化合物1.40g(73%)を
融点192-194℃を有する微細な白色結晶として得た。
工程4: ( R)-(3-(3-フルオロ-4-(3-(1,3-ジメチルヘキサヒドロ-2-オ キソ-1,3,5-トリアジン-5-イル)ピロリジニル)フェニル)-2-オキソ-5-オ キサゾリジニル)メタノール
-50℃にてDMF10mL中のトリアゾン737mg(1.67ミリモル)の溶
液を、THF中のリチウムヘキサメチルジシラジド1.84mL(1.84ミリモ
ル)で処理した。その溶液を-50℃にて5分間撹拌し、つづいて(R)-(+)-グリ
シジル酪酸265mg(0.26mL、1.84ミリモル)を添加した。ついで、そ
の溶液を18時間常温に温めた。その混合物を真空下(およそ0.3mmHg)に
て濃縮し、その残渣を230-400メッシュのシリカゲル36g上のクロマト
グラフィーに付し、ジクロロメタン中の3%(v/v)メタノールで溶出した。こ
れらの方法により、標題化合物400mg(59%)を白色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3)δ7.36,7.05,6.65,4.72,4.27,4.18,3.95,3.77,3.46,2.8
8,2.17,1.94
工程5: ( R)-(3-(3-フルオロ-4-(3-(1,3-ジメチルヘキサヒドロ-2-オ キソ-1,3,5-トリアジン-5-イル)ピロリジニル)フェニル)-2-オキソ-5-オ キサゾリジニル)メタンスルホネート
0℃のオキサゾリジノン395mg(0.97ミリモル)およびジクロロメタン
5mL中のトリエチルアミン146mg(0.20mL、1.45ミリモル)の溶液
を塩化メタンスルホニル471mg(0.32mL)で処理した。その溶液を0℃
にて30分間撹拌し、つづいて常温に加温した。その溶液を水で処理し、その水
性層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空
下にて濃縮して標題化合物460mg(98%)を次工程における使用に適した灰
色がかった固形物として得た。
1H NMR(CDCl3)δ7.33,7.03,6.63,4.89,4.45,4.27,4.18,4.12,3.89,3.7
6,3.55,3.47,3.38,3.10,2.88,2.16,2.08,1.92
工程6: ( S)-N-((3-(3-フルオロ-4-(3-(フェニルメトキシアセチルアミ ノ)ピロリジニル)フェニル)-2-オキソ-5-オキサゾリジニル)メチル)アセトア ミド
密閉チューブ中のイソプロピルアルコール15mLおよび水酸化アンモニウム
15mL中のメシラート460mg(0.97ミリモル)の溶液を100℃にて1
8時間温めた。その混合物を冷却し、水で希釈し、つづいてクロロホルムで抽出
した。その有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮した。その残渣をピリ
ジン4mL中に溶解し、無水酢酸0.5mLで処理し、つづいて常温にて18時
間撹拌した。その混合物を真空下にて濃縮して油性物を得、これをクロロホルム
中に溶解し、水で抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮して
アセトアミド誘導体472mgを得、これを1N HCl溶液4mLに直接溶解
し、つづいて常温にて18時間撹拌した。その混合物を真空下にて濃縮し、アセ
トン4mL中に溶解し、飽和NaHCO32mLで処理し、つづいて塩化ベンジ
ルオキシアセチル217mg(0.14mL、1.18ミリモル)で処理し、つづい
て常温にて1時間撹拌した。その混合物を真空下にて濃縮し、残渣を230-4
00メッシュのシリカゲル25g上のクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタ
ン中の2%(v/v)メタノール、ついでジクロロメタン中の3%(v/v)メタノー
ルで溶出した。これらの方法により、ベンジルオキシアセトアミド誘導体生成物
189mg(40%)を白色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3)δ7.33,7.02,6.81,6.68,6.08,4.75,4.60,4.01,3.71,3.6
1,3.34,2.32,2.02,1.91
実施例13:( S)-N-((3-(3-フルオロ-4-(3-ヒドロキシアセチルアミノ)ピ ロリジニル)フェニル)-2-オキソ-5-オキサゾリジニル)メチル)アセトアミド
実施例12、工程6の方法から続けて、メタノール5mLおよびTHF5mL
中のベンジルオキシアセトアミド189mg(0.39ミリモル)の溶液を10%
炭素上パラジウム200mgで処理し、つづいて大気圧にて1時間水素化分解し
た。その溶液をメタノールで希釈し、セライトを通して濾過し、その濾過ケーキ
をメタノールで洗浄した。その濾液を真空下にて濃縮して油性物を得、これを2
30-400メッシュのシリカゲル10g上のクロマトグラフィーに付して、ジ
クロロメタン中の7%(v/v)メタノールで溶出した。これらの方法により、ヒ
ドロキシアセトアミド誘導体生成物95mg(62%)を桃色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3)δ7.41,7.10,6.78,4.77,4.53,4.10,4.00,3.77,3.57,3.3
2,2.30,1.99,1.98
実施例14:( S)-N-[[3-フルオロ-4-(シス-3-(メトキシカルボニルアミノ) -4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]ア セトアミド
:
メタノール50mL中のシス-1-フェニルメチル-3-(1,1-ジメチルエトキ
シカルボニルアミノ)-4-メチルピロリジニン(米国特許第4,753,953号比較)1.
5g(5.2ミリモル)の溶液を、Pd(OH)2/C200mgで処理し、つづいて
1気圧のH2下にて3.5時間水素化分解した。その混合物をセライトを通して濾
過し、その濾過ケーキをメタノールで洗浄した。その濾液を真空下にて濃縮して
無色油性物を得、これを次工程に直接用いた。
1H NMR(CD3OD)δ4.85,4.03,3.14,3.05,2.66,2.45,2.23,1.46,0.95
工程2: 2-フルオロ-1-ニトロ-4-[シス-3-(1,1-ジメチルエトキシカル ボニルアミノ)-4-メチルピロリジニル]ベンゼン
DMSO40mL中の前記で得た化合物および二塩基性リン酸カリウム1.8
g(10.3ミリモル)の溶液を90℃にて18時間加温した。その混合物を冷却
し、酢酸エチル125mLで希釈し、つづいて水(4×75mL)で抽出した。有
機層を乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮して、さらなる用途に十分に純粋な
黄色固形物1.75gを得た。
MS(EI)m/z399(M+)339,282,266,223,222,208,207,154,70,57
工程3: 3-フルオロ-1-ニトロ-[シス-3-(1,3-ジメチルヘキサヒドロ-2- オキソ-1,3,5-トリアジン-5-イル)-4-メチルピロリジニル]ベンゼン
トリフルオロ酢酸50mL中の前記化合物1.75g(5.17ミリモル)の溶液
を室温にて18時間撹拌した。その溶液を真空下にて濃縮し、得られた赤茶色油
性物を酢酸エチルに溶解し、飽和NaHCO3溶液で注意深く抽出した(4×)。
合わせた水性層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、
真空下にて濃縮した。その残渣をトルエン90mLおよびジオキサン45mLに
溶解し、N,N'-ジメチル尿素1.12g(12.7ミリモル)およびホルムアルデ
ヒド水溶液35mLで処理し、つづいて2.5時間加熱還流した。その混合物を
冷却し、真空下にて濃縮した。その残渣を230-400メッシュのシリカゲル
200g上のクロマトグラフィーに付し、クロロホルム中の1-2%(v/v)メ
タノールで溶出した。これらの方法により、所望の生成物3.65g(86%)を
油性黄色固形物として得た。
MS(EI)m/z351(M+)223,222,221,208,207,182,169,154,130,113
工程4: 3-フルオロ-1-(フェニルメトキシカルボニル)アミノ-[シス-3-(1 ,3-ジメチルヘキサヒドロ-2-オキソ-1,3,5-トリアジン-5-イル)-4-メチ ルピロリジニル]ベンゼン
THF200mL中の1.82g(5.17ミリモル)の溶液を10%炭素パラジ
ウム750mgで処理し、つづいてH2 45psi圧下にて3時間水素化分解した
。その混合物を-20℃に冷却し、つづいて飽和NaHCO3溶液30mLを添加
し
た。ついで、その混合物をクロロギ酸ベンジル1.10g(0.92mL、6.46
ミリモル)で処理し、つづいて18時間常温に加温した。その混合物をセライト
を通して濾過し、その濾過ケーキをメタノールおよびジクロロメタンで洗浄した
。その濾液を真空下にて濃縮し、その残渣をジクロロメタンに溶解し、水(3×
30mL)で抽出した。乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮して紫色泡状物を
得、これを230-300メッシュのシリカゲル125g上のクロマトグラフィ
ーに付し、ジクロロメタン中の1-5%メタノールで溶出した。これらの方法に
より、標題化合物1.74g(74%)を強固な泡状物として得た。
1H NMR(CDCl3)δ7.34,6.92,6.53,5.18,4.19,4.13,3.69,3.58,3.52,3.4
1,3.15,2.86,2.37,1.05
工程5: ( R)-(3-(3-フルオロ-4-(シス-3-(1,3-ジメチルヘキサヒドロ- 2-オキソ-1,3,5-トリアジン-5-イル)-4-メチルピロリジニル)フェニル)- 2-オキソ-5-オキサゾリジニル)メタノール
-78℃のTHF25mL中の前記化合物860mg(1.89ミリモル)の溶液
をヘキサン中のn-ブチルリチウム1.3mL(2.08ミリモル)で処理し、つづ
いて-50℃に温めた。-50℃にて20分間撹拌した後、(R)-(-)-グリシジル
酪酸286mg(0.28mL、1.98ミリモル)を添加した。その混合物を0℃
に30分間温め、ついで、常温に18時間温めた。その混合物を飽和NH4Cl
溶液で処理し、酢酸エチルで希釈し、ついで、水で抽出した(3×)。その水性相
を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮
して茶色油性物を得た。この物質を230-400メッシュのシリカゲル40g
上のクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン中のメタノールで溶出した。こ
れら方法により、標題化合物512mg(64%)を白色の強固な泡状物として得
た。
1H NMR(CDCl3)δ7.35,7.03,6.60,4.72,4.22,4.14,3.94,3.75,3.70,3.6
0,3.54,3.43,3.18,2.87,2.39,1.05
工程6: ( R)-(3-(3-フルオロ-4-(シス-3-(1,3-ジメチルヘキサヒドロ- 2-オキソ-1,3,5-トリアジン-5-イル)-4-メチルピロリジニル)フェニル)- 2-オキソ-5-オキサゾリジニル)メタンスルホニルオキシメタン
0℃にてジクロロメタン15mL中の前記化合物1g(2.37ミリモル)およ
びトリエチルアミン480mg(0.66mL、4.74ミリモル)の溶液を塩化メ
タンスルホニル407mg(0.28mL、3.56ミリモル)で処理した。その溶
液を0℃にて1.5時間撹拌し、つづいて加温し、ジクロロメタンで希釈し、水
で抽出した(3×)。その有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮して標題
化合物を得た。
1H NMR(CDCl3)δ7.45,7.02,6.92,4.92,4.50(,1H),4.43,4.23,4.17,3.9
1,3.83,3.65,3.50,3.29,3.11,2.89,2.48,1.12
工程7: ( S)-N-((3-フルオロ-4-(シス-3-(1,3-ジメチルヘキサヒドロ- 2-オキソ-1,3,5-トリアジン-5-イル)-4-メチルピロリジニル)フェニル)- 2-オキソ-5-オキサゾリジニル)メチル)アセトアミド
THF6mLおよびイソプロピルアルコール6mL中の前記メシラートの溶液
を濃水酸化アンモニウム6mLで処理した。その混合物を密閉チューブ中で10
0℃にて48時間加温した。その混合物を冷却し、酢酸エチルおよび水で希釈し
た。その混合物を酢酸エチルで抽出した(2×)。その混合物を飽和NaCl溶液
、ついでクロロホルムで処理した(×3)。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し
、真空下にて濃縮した。その残渣をピリジン15mL中に溶解し、0℃に冷却し
た。その溶液を無水酢酸0.5mLで処理し、つづいて常温に20時間温めた。
その混合物を真空下にて濃縮し、その残渣を230-400メッシュのシリカゲ
ル75g上のクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン中のメタノールで溶出
した。これらの方法により、標題化合物934mg(85%)を白色の強固な泡状
物として得た。
MS(FAB)m/z463(M+H),464,463,462,461,364,363,361,333,101,44
工程8: ( S)-(N)-((3-フルオロ-4-(シス-3-アミノ-4-メチルピロリジニ ル)フェニル)-2-オキソ-5-オキサゾリジニル)メチル)アセトアミド
2N HCl溶液5mL中の前記化合物875mg(1.89ミリモル)の溶液を
、常温にて20時間撹拌した。その溶液を真空下にて濃縮し、その残渣をトルエ
ンとの共沸によって乾燥した。これらの方法により、標題化合物662mg(お
よそ100%)を琥珀色の強固な泡状物として得た。
MS(FAB)m/z351(M+H),427,352,351,350,349,255,123,101,89,44
HRMS(FAB) C17H23FN4O3+H1として
計算値 351.1832
実測値 351.1840
工程9: ( S)-N-[[3-フルオロ-4-(シス-3-(メトキシカルボニルアミノ)- 4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]ア セトアミド
アセトン6mLおよび水3mL中の前記化合物150mg(0.43ミリモル)
の溶液をNaHCO3108mg(1.29ミリモル)で処理し、0℃に冷却した。
ついで、その溶液をクロロギ酸メチル89mg(73μL、0.95ミリモル)で
処理した。ついで、その溶液を酢酸エチルで希釈し、水で抽出した(3×)。乾燥
(Na2SO4)し、真空下にて濃縮して白色固形物を得、これを2mmクロマトト
ロン・プレート上の放射状クロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン中のメタ
ノールで溶出した。これらの方法により、標題化合物155mg(53%)を白色
固形物として得た。
MS(EI)m/z408(M+),409,408,364,334,333,318,289,276,215,56
実施例15:( S)-N-[[3-フルオロ-4-(シス-3-(ヒドロキシアセチルアミノ) -4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]ア セトアミド
:
工程1: ( S)-N-[[3-フルオロ-4-(シス-3-(フェニルメトキシアセチルア ミノ)-4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチ ル]アセトアミド
アセトン14mLおよび水7mL中のアミン(実施例14、工程8)300mg
(0.90ミリモル)の溶液を、NaHCO3302mg(3.60ミリモル)で処理
し、0℃に冷却した。ついで、その溶液を塩化ベンジルオキシアセチル414m
g(0.35mL、2.25ミリモル)で処理し、つづいて常温に72時間温めた。
その混合物を酢酸エチルおよび水で希釈し、その有機層を水で抽出した(3×)。
その有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮して茶色油性物を得た。この
物質を230-400メッシュのシリカゲル30g上のクロマトグラフィーに付
し、ジクロロメタン中のメタノールで溶出した。これらの方法により、標題化合
物132mg(30%)を白色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3)δ7.57,7.36,7.03,5.98,4.77,4.67,4.63,4.04,3.74,3.7
0,3.63,3.55,3.45,3.38,2.71,2.03,1.07
工程2: ( S)-N-[[3-フルオロ-4-(シス-3-(ヒドロキシアセチルアミノ)- 4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチル]ア セトアミド
メタノール25mL中の前記化合物107mg(0.21ミリモル)の溶液を、
10%炭素パラジウム100mgで処理し、つづいて1気圧にて72時間水素化
分解した。その混合物をセライトを通して濾過し、その濾液を真空下にて濃縮し
た。その残渣を2mmクロマトトロン・プレート上の放射状クロマトグラフィー
に付し、ジクロロメタン中のメタノールで溶出した。これらの方法により、標題
化合物24mg(8%)を明ベージュ色の固形物として得た。
MS(EI)m/z408(M+),408,334,333,318,289,215,70,57,56,55
実施例16:( S)-N-[[3-フルオロ-4-(シス-3-(メタンスルホニルアミノ)- 4-メチルピロリジニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]
メチル]アセトアミド
;
ジクロロメタン10mL中のアミン(実施例14、工程8)200mg(0.57
ミリモル)のスラリーを、トリエチルアミン144mg(0.20mL、1.43ミ
リモル)で処理し、つづいて得られた溶液を0℃に冷却した。その混合物を塩化
メタンスルホニル83mg(56μL、0.73ミリモル)で処理し、つづいて常
温にて18時間加温した。その混合物を酢酸エチル50mLで希釈し、つづいて
水で抽出した(3×30mL)。有機層を乾燥(Na2SO4)し、真空下にて濃縮し
て灰色がかった固形物を得、これを2mmクロマトトロン・プレート上の放射状
クロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン中のメタノールで溶出した。これら
の方法により、標題化合物11mg(45%)を白色固形物として得た。
MS(EI)m/z428(M+),429,428,384,300,280,238,236,177,70,56
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DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
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茨城県つくば市下広岡668−34
(72)発明者 宗貞 清貴
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茨城県つくば市松代3丁目1−8
(72)発明者 ブリックナー,スティーブン・ジェイ
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ジ、ドッグウッド・ドライブ1304番