JPH10330177A - 金属−グラファイト複合体及びそれを用いた放熱体 - Google Patents

金属−グラファイト複合体及びそれを用いた放熱体

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JPH10330177A
JPH10330177A JP9141921A JP14192197A JPH10330177A JP H10330177 A JPH10330177 A JP H10330177A JP 9141921 A JP9141921 A JP 9141921A JP 14192197 A JP14192197 A JP 14192197A JP H10330177 A JPH10330177 A JP H10330177A
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graphite
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metal thin
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宗次 土屋
Toshiharu Hoshi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グラファイトシートの特性である良好な導電
性と熱伝導性を基本にしながら、電気を伝えながら放熱
する応用時への適用性を向上させることを目的とする。 【解決手段】 本発明は、有機物高分子を摂氏1800
度以上の高温で熱処理することによって得られ、延在す
る両面を有し、炭素原子同士の結合面1aが前記両面と
略同一方向に存在するグラファイトシート1の少なくと
も一方の面に炭素原子と反応性のある第1の金属薄膜2
を設けた金属−グラファイト複合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属−グラファイト複
合体及びそれを用いた放熱体に関し、特にグラファイト
シートを利用した新規な金属−グラファイト複合体及び
それを用いた放熱体を提供するものである。具体的に
は、その優れた導電性のみならず優れた熱伝導性をも利
用して、放熱特性のよい複合体等を提供するものであ
り、発熱の多い高出力素子への電流供給時等種々の応用
が可能なものである。
【0002】
【従来の技術】通常、導電材料としては銅やアルミニウ
ム等の金属材料が使われている。これらの材料は、通常
の使用においては十分な機能を持ち広く使われている。
【0003】しかしながら、高出力半導体レーザのよう
に、きわめて小さな領域に大きな電流を流すことが必要
な素子においては、局所的に大きな熱の発生が避けられ
ず、その放熱は電流供給リード線では到底まかなうこと
ができないため、放熱の機構を電流供給の機構とは別途
に組み込む必要があり、素子作成および使用に当たって
の大きな妨げになっている。
【0004】具体的には、例えば半導体レーザチップの
活性層に近い面をシリコンあるいは酸化ベリリウム、炭
化シリコン、ダイヤモンドといった熱伝導性の比較的よ
い結晶性物質の小片に接着させ(この構造はいわゆるサ
ブマウントと呼ばれる。)、放熱をよくしようというこ
とが行われている。
【0005】さらに、高出力動作が必要な場合には、効
率よく冷却するためにペルチエ素子の冷却側に、半導体
レーザチップの活性層側を張り付けることなども実際に
行われている。
【0006】他方、炭素質材料は、軽量耐熱材料とし
て、あるいは高強度材料として各種の構造材料として使
われている。
【0007】このような炭素材料のなかで炭素原子が6
角形の網の目状に結合したグラファイトは、その高い熱
伝導性を利用した放熱・伝熱材料としての用途が広がろ
うとしている。
【0008】特に高分子のフィルムを高温で熱処理・炭
化して作製したシート状のグラファイトは、大きな面積
のものを容易に作ることができるとともに、極めて高い
熱伝導率を持ち、柔軟性に富んでいるため、熱伝達用の
材料として放熱や均熱を必要とするところに用いられて
いる。ところが、このグラファイトシートは、比較的高
い電導度を持つことも知られているが、この性質をも用
いた用途は、まだ開発されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】例えば、半導体レーザ
について検討すれば、活性領域と呼ばれる極めて小さな
領域に電子と光を閉じこめ、レーザ発振を起こさせる。
そのために高い電流密度を必要とし、結果として局所的
に大きな発熱がある。
【0010】この発熱は、発振効率を非常に悪くする。
実際の半導体レーザ素子においても、十分な電流供給と
放熱が行えないために、素子が本来持っている性能を十
分引き出すことができない場合もしばしばあるだけでな
く、時には熱により素子が破壊されることすらもある。
【0011】このようなことは、なにも半導体レーザに
限らず、大きな電流や電流密度を必要とする素子及び装
置においては、常につきまとう課題である。
【0012】また、半導体レーザでいえば、表面から高
々数ミクロンの所に活性層のある表面側をサブマウント
に接着させるために、活性層から出る光がサブマウント
に邪魔されないようにする必要があり、組立歩留まりを
落とす原因にもなる。
【0013】以上、半導体レーザを例として説明した
が、半導体素子のみならず、大出力動作の素子やデバイ
スにおいては、電流供給と熱放散をいかに効率的に行う
かが、その素子やデバイスの性能、ひいてはそれを用い
る機器の性能を決めてしまうきわめて重要な課題といえ
る。
【0014】一方、グラファイトシートは、柔軟性を有
しかつ熱伝導度は大きいが、その表面が非常に反応性に
乏しいことから、一般的には半田付け等の操作は困難で
もある。特別な場合、例えば、摂氏500度以上の高温
にすれば、チタン系や亜鉛系の接着材があることが知ら
れており、特にチタンを成分として含む銀ろう系接着剤
が炭素を接着するために用いら得る。
【0015】しかし、この材料を用いるためには、真空
ないし不活性ガス中で摂氏850度以上での作業が必要
とされる。これでは、一般の電気装置・機器組立には適
用できない。
【0016】以上のような点が、優れた熱伝導と導電性
を持つというグラファイトシートのメリットを実際に利
用する上で大きな課題となっていた。
【0017】本発明は、このような課題を解決するもの
で、グラファイトシートの特性である良好な導電性と熱
伝導性を基本にしながら、その使いやすさ、例えば電気
を伝えながら放熱する応用時への適用性を向上させるこ
とを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、有機物高分子を摂氏1800度以上の高
温で熱処理することによって得られ、延在する両面を有
し、炭素原子同士の結合面が前記両面と略同一方向に存
在するグラファイトシートの少なくとも一方の面に炭素
原子と反応性のある第1の金属薄膜を設けた金属−グラ
ファイト複合体である。
【0019】このような構成により、グラファイトシー
トの特性である良好な導電性と熱伝導性を基本にしなが
ら、その使いやすさ、例えば電気を伝えながら放熱する
応用時への適用性を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】請求項1記載の本発明は、有機物
高分子を摂氏1800度以上の高温で熱処理することに
よって得られ、延在する両面を有し、炭素原子同士の結
合面が前記両面と略同一方向に存在するグラファイトシ
ートの少なくとも一方の面に炭素原子と反応性のある第
1の金属薄膜を設けた金属−グラファイト複合体であ
る。
【0021】この構成により、主として炭素原子同士の
結合面の方向に良好に放熱しながら、その方向とは略垂
直な方向にも良好な導電性を呈し、かつグラファイトシ
ートと金属薄膜とが良好な接着性をも実現する。そし
て、金属薄膜が設けられているので、これにより半田付
け等の作業が可能である。
【0022】ここで、反応性とは、グラファイトをバル
クの物質として考えると、金属−グラファイト間で反応
をしない温度領域でも、ミクロには反応が起こり、グラ
ファイト、つまり炭素原子と金属が接着することをい
う。
【0023】更に、請求項2に記載のように、第1の金
属薄膜と反対側のグラファイトシートの表面に第2の金
属薄膜が設けられていても、請求項1に記載の発明と同
様の作用を呈するとともに、両面方向から同様の電気的
特性をも得る。
【0024】一方、請求項3に記載のように、更に、第
1の金属薄膜に積層して、第2の金属薄膜が設けられて
いてもよく、炭素原子と反応性の劣る金属薄膜を表面に
形成し得る。
【0025】ここで、グラファイトと反応しない、ある
いはしにくい金属としては、インジウム等の金属が挙げ
られる。
【0026】また、一方、請求項4に記載のように、更
に、第1の金属薄膜に積層して、絶縁層が設けられてい
てもよく、グラファイトシートの所望部分を表面を電気
的に絶縁し得る。
【0027】もちろん、請求項5に記載のように、絶縁
層は、第1の金属薄膜の少なくとも一部に設けられた構
成であってもよく、露出した金属薄膜から導電性を得る
一方で、設けられた絶縁層で絶縁性を得てもよい。
【0028】また、一方、請求項6記載のように、第1
の金属薄膜は、グラファイトシートの両面に設けられ、
絶縁層は、前記両面に設けられた第1の金属薄膜に各々
積層して設けられる構成であってもよく、この場合に
は、主として炭素原子同士の結合面の方向に良好に放熱
しながら、その方向とは略垂直な方向には良好な絶縁性
を呈し、電気的に短絡が起こらない。
【0029】そして、以上において、請求項7に記載の
ように、グラファイトシートは、有機物高分子フィルム
を出発材料とし、熱処理後圧延処理されて得られること
が好適である。
【0030】この構成により、炭素原子同士の結合面
が、グラファイトシートの両面と略同一方向に存在し得
る。
【0031】更に、請求項8に記載のように、第1の金
属薄膜に用いられる金属は、炭素と化合物を作るような
金属元素又は前記金属元素を主たる成分として含む合金
であることが好適であり、確実にグラファイトシートの
表面に結合し得る。
【0032】より具体的には、選ばれる金属としてはニ
ッケルやコバルト、チタンなど炭素との間で反応しやす
い金属及びそれらの金属元素を主たる成分として含む合
金が選ばれるが、金属自体の安定性や他の金属とのなじ
みの良さ等からニッケルなどがより好ましい。
【0033】更に、請求項9に記載のように、第1の金
属薄膜は、真空蒸着、スパッタ蒸着、又はメッキにより
グラファイトシート上に直接付着されていることがで
き、簡便かつ確実にグラファイトシートの表面に結合し
得る。
【0034】ここで、特に、真空蒸着やスパッタ蒸着等
が、グラファイトシートへの不純物の混入がなく好まし
い。
【0035】また、蒸着の際にグラファイトを加熱して
おくことは、密着性を向上する上で好ましく、この手法
には限らないが、密着性を向上させておけば、その後の
半田付け等の作業の効率を高め得る。
【0036】更に、請求項10に記載のように、第1の
金属薄膜の形成されたグラファイトシートは、更に熱処
理されていることが好ましく、金属原子と炭素原子の反
応が進みさらに強固に接着する。
【0037】そして、請求項11に記載されているよう
に、請求項1から10のいずれかに記載の金属−グラフ
ァイト複合体の少なくとも一部に連絡した放熱体からの
熱を、グラファイトシートの炭素原子同士の結合面の方
向に放熱する放熱体を構成し得る。
【0038】以下、本発明の各実施の形態について、説
明をしていく。 (実施の形態1)まず、本発明の第1の実施の形態につ
いて説明する。
【0039】図1は、本実施の形態の断面模式図であ
る。図1において、1はグラファイトシートであって、
炭素原子同士の結合面1aはシートの面にほぼ平行にな
っている。
【0040】ここで、本実施形態にいうグラファイトシ
ートというのは、例えば、原料高分子フィルムとして
は、ポリフェニレンオキサジアゾール、ポリベンゾチア
ゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサ
ゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリチアゾー
ル、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミドから選択さ
れ、円筒状グラファイト質炭素に巻き付け不活性ガス中
あるいは真空中摂氏1800度以上の温度で加熱して炭
化(グラファイト化)し、炭化(グラファイト化)後に
ローラーなどで圧延することにより、炭素原子同士の結
合面がシートの面にほぼ平行にしたものをいう。ここ
で、このグラファイトシートは、柔軟性をも有するもの
である。もちろん、ほぼ同特性のものが得られれば、特
にこれらの態様に限定されるものではない。
【0041】そして、この面の片方に金属層2が形成さ
れている。この金属としては鉄や、ニッケル、コバル
ト、チタン等炭素と反応しやすく、その金属の炭化物を
作るようなものが選ばれる。特に、これらの金属のうち
で、反応性や大気中での安定性使いやすさを双方兼ね備
えたものが好適であり、ニッケル等がより好ましい。
【0042】この金属層2を形成する方法としては、真
空蒸着やスパッタ蒸着、化学的気相堆積、メッキ等が用
いられる。蒸着や堆積の際には、好ましくは蒸着される
グラファイトは摂氏100度以上に加熱されることが好
ましく、加熱温度の上限は金属の融点であるが、実質的
には装置の性能で決まり、好ましくは摂氏300度から
500度である。
【0043】また、形成される金属層2の厚さは特に制
限されるものではなく、目的や用途によって決められる
ものであり、典型的には50nmから数十μmである。
【0044】ここで、本実施の形態においては、グラフ
ァイトシートを摂氏330度にした状態で、電子ビーム
加熱による真空蒸着法によってニッケルを200nmの
厚さに形成した。
【0045】そして、このようにして形成したニッケル
−グラファイト複合体を短冊状に切断し、半田により銅
のワイヤを接着した。
【0046】このように接着した短冊状のグラファイト
シートと銅ワイヤとを30g以上の力で引っ張ったが、
剥離することはなく、十分な接着強度を持っていること
がわかった。
【0047】比較のために、同じ条件でグラファイトシ
ートに金を蒸着したものに銅ワイヤを半田付けしたとこ
ろ、金が半田に溶け、グラファイトシートから剥がれて
しまった。このことから、金属の種類の選択がきわめて
重要であることがわかる。
【0048】更に、金属薄膜2が形成されたグラファイ
トシート1の図1における上下方向に電気抵抗を測定し
たところ、0.1オーム以下であり、極めて低い抵抗を
示し、導電性もよいことをがわかった。
【0049】従って、本実施の形態では、主として炭素
原子同士の結合面の方向に良好に放熱し得るような構成
を実現しながら、その方向とは垂直方向にも良好な導電
性を呈し、かつグラファイトシートと金属薄膜とが良好
な接着性をも実現し、そして、金属薄膜が設けられてい
るので、これにより良好な半田付け等の作業ができたこ
とがわかる。
【0050】(実施の形態2)図2は、実施の形態2の
断面模式図であり、図2(a)において、1は実施の形
態と同様のグラファイトシートである。
【0051】本実施の形態では、グラファイトシート1
の両面に第1、第2の金属層21、22が各々形成され
ている。この金属の種類は、いずれも炭素と反応しやす
く、その金属の炭化物を作るようなものが選ばれるが、
それらは必ずしも同一のものである必要はなく、又その
厚さも同じである必要はなく、それぞれの面の使用目的
によって作り分け、使い分けることができる。
【0052】ここで、本実施においては、グラファイト
シート1の両面にニッケルを150nm蒸着した。これ
を5mmx5mmの小片に切断し、図2(b)に示すよ
うに、両面にニッケル層21、22が形成されたグラフ
ァイトシート1の小片の片方の面を半田層32で基体で
ある銅のブロック5に接着し、他の面上に半導体レーザ
チップ3の活性層3a側を半田層31でマウントした。
【0053】そして、このレーザチップ3の基体4と活
性層3a側と反対側の基板側に、各々不図示の電極リー
ド線を付け、電流を流してレーザ発振させた。
【0054】この状態で、半導体レーザ3に供給する電
流を増加させていくと、活性領域の温度が上がるために
発振波長が長波長側にずれていくが、そのずれは、本実
施の形態のグラファイトシートの代わりにシリコンを用
いた通常のものに比べて、半分以下であった。
【0055】従って、半導体レーザに電流注入を可能と
するとともに、発生する熱を効率的にグラファイトシー
ト面に広げ、局所的な温度上昇を防ぐことができ、安定
に高出力動作をさせることができたことがわかる。
【0056】なお、以上の説明では半導体レーザに適用
した例で説明したが、実際はこれに限られるものではな
く、熱の発生が大きな素子への電流供給や、アースをと
ると同時に熱を放散するためのリード等が、通常と同様
に半田等で容易に電気的接合ができるものである。
【0057】(実施の形態3)図3は、実施の形態3の
断面模式図であり、図3において、1は実施の形態1と
同様のグラファイトシートであって、その片面にまず炭
素と反応しやすく炭化物を作る第1の金属の薄膜層2
3、更にその上に第2の金属層24が形成されている。
【0058】ここで、この第2の金属層24としては、
必ずしも炭素と反応しやすいものである必要はない。
【0059】というのは、炭素と反応しやすく炭化物を
作る金属層を介して、別の金属の薄膜を形成することに
より、任意の金属についても、簡単には剥がすことので
きない様な、強固な層をグラファイトシートの上に形成
することができることになるからである。もちろん、積
層する金属層は2層に限定されるものではなく、より多
層とすることも可能である。
【0060】ここで、本実施の形態においては、330
度でグラファイトシートの上にまず、ニッケル層を10
0nm、続いて金層を200nm、いずれも電子ビーム
加熱蒸着法により形成した。
【0061】ついで、このようにして形成した2層の金
属層を持つグラファイトシートを短冊状に切断し、銅の
ワイヤを半田で接着した。
【0062】そして、短冊状のグラファイトシートと、
銅のワイヤの間30g以上の力をかけて引っ張ったが、
金属層はグラファイトから剥がれることはなく、十分な
接着強度を持っていることが示された。
【0063】更に、電気抵抗を測定したところ、0.1
オーム以下で極めて低い抵抗を示し、導電性もよいこと
をがわかった。
【0064】従って、本実施の形態では、実施の形態1
の効果に加え、任意の金属層をも付加し得て、炭化物と
の反応性の制限無く、外側の金属層の材料が選択できる
効果をも有する。
【0065】(実施の形態4)図4は、実施の形態4の
断面模式図であって、図4において、1は実施の形態1
と同様のグラファイトシートであって、その片面にニッ
ケル層の金属層25が形成され、更にその上にフォトレ
ジスト層の絶縁層5が形成されている。
【0066】このフォトレジスト層5は、通常のフォト
リソグラフィーによって一部が除去され、適当な熱処理
によりフォトレジスト層を固化させている。
【0067】このような構造にすることにより、最上層
に部分的に除去された穴部を有する絶縁層5をも形成す
ることができる。
【0068】この絶縁層5としては、AZ−1400
(シフレ社製)のフォトレジストを用いたが、これ以外
に、その他のフェノール樹脂等の適当な有機物分子層
や、無機物質たとえば酸化シリコン等を用いることもで
きる。
【0069】もちろん、絶縁層5は、金属層23の上で
あることから、接着剤を用いて高分子の薄膜を絶縁層と
して接着することもできる。
【0070】そして、この絶縁層5により電気的な短絡
を防ぐことができ、この絶縁層5に設けた穴の部分で電
気的な接続を行うことができる。
【0071】例えば、実施の形態2で説明した半導体レ
ーザ等の素子を設ける部分をこの穴部分に対応させれ
ば、そこでは十分な導電性を呈し、絶縁層5の部分でそ
のワイヤ部等を支えるような態様で応用ができることに
なる。
【0072】なお、本実施の形態の絶縁層5の上に、別
の導電層を所望の部分に形成することも、もちろん可能
である。
【0073】従って、本実施の形態では、実施の形態2
の効果に加え、不要な部分での短絡を防止し得るという
効果をも併せ持つことがわかる。
【0074】更に、付け加えれば、グラファイトシート
の両面を金属を介して絶縁性の物質で覆うことにより、
電気的には絶縁性であって、高い熱伝導性を持つ構成要
素として用いることができ、導電性が不要の場合には好
適な構成となる。この場合も、もちろん一部に穴部を設
け、導電性を維持してもよい。
【0075】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、主とし
て炭素原子同士の結合面の方向に良好に放熱しながら、
その方向とは略垂直な方向にも良好な導電性を呈し、か
つグラファイトシートと金属薄膜とが良好な接着性をも
実現し、金属薄膜が設けられているが故に半田付け等の
作業をも容易とするため、電気的にエネルギが付与され
て動作し熱を発する動作素子等と組み合わせて効果的に
用いることができる構成要素を実現することができる。
【0076】この場合、この動作素子については、確実
に電気的なエネルギが印加されながら自己の発熱による
悪影響も効果的に抑制されることができる。
【0077】更に、別種の金属や絶縁体との組合せによ
り、より複雑な素子配置や配線パターンに対応すること
をも可能とし、その応用範囲はきわめて広いものがある
といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の金属−グラファイト複
合体の断面模式図
【図2】本発明の実施の形態2の金属−グラファイト複
合体の断面模式図
【図3】本発明の実施の形態3の金属−グラファイト複
合体の断面模式図
【図4】本発明の実施の形態4の金属−グラファイト複
合体の断面模式図
【符号の説明】
1 グラファイトシート 2 金属層 3 半導体レーザチップ 4 基体 5 絶縁層 21 金属層 22 金属層 23 金属層 24 金属層 25 金属層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物高分子を摂氏1800度以上の高
    温で熱処理することによって得られ、延在する両面を有
    し、炭素原子同士の結合面が前記両面と略同一方向に存
    在するグラファイトシートの少なくとも一方の面に炭素
    原子と反応性のある第1の金属薄膜を設けた金属−グラ
    ファイト複合体。
  2. 【請求項2】 更に、第1の金属薄膜と反対側のグラフ
    ァイトシートの表面に第2の金属薄膜が設けられた請求
    項1記載の金属−グラファイト複合体。
  3. 【請求項3】 更に、第1の金属薄膜に積層して、第2
    の金属薄膜が設けられた請求項1記載の金属−グラファ
    イト複合体。
  4. 【請求項4】 更に、第1の金属薄膜に積層して、絶縁
    層が設けられた請求項1記載の金属−グラファイト複合
    体。
  5. 【請求項5】 絶縁層は、第1の金属薄膜の少なくとも
    一部に設けられた請求項4記載の金属−グラファイト複
    合体。
  6. 【請求項6】 第1の金属薄膜は、グラファイトシート
    の両面に設けられ、絶縁層は、前記両面に設けられた第
    1の金属薄膜に各々積層して設けられる請求項4記載の
    金属−グラファイト複合体。
  7. 【請求項7】 グラファイトシートは、有機物高分子フ
    ィルムを出発材料とし、熱処理後圧延処理されて得られ
    る請求項1から6のいずれかに記載の金属−グラファイ
    ト複合体。
  8. 【請求項8】 第1の金属薄膜に用いられる金属は、炭
    素と化合物を作るような金属元素又は前記金属元素を主
    たる成分として含む合金である請求項1から7のいずれ
    かに記載の金属−グラファイト複合体。
  9. 【請求項9】 第1の金属薄膜は、真空蒸着、スパッタ
    蒸着、又はメッキによりグラファイトシート上に直接付
    着されている請求項1から8のいずれかに記載の金属−
    グラファイト複合体。
  10. 【請求項10】 第1の金属薄膜の形成されたグラファ
    イトシートは、更に熱処理されている請求項1から9の
    いずれかに記載の金属−グラファイト複合体。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれかに記載の
    金属−グラファイト複合体の少なくとも一部に連絡した
    放熱体からの熱を、グラファイトシートの炭素原子同士
    の結合面の方向に放熱する放熱体。
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