JPH10298390A - プラスチック基材用光硬化性組成物 - Google Patents

プラスチック基材用光硬化性組成物

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JPH10298390A
JPH10298390A JP10771697A JP10771697A JPH10298390A JP H10298390 A JPH10298390 A JP H10298390A JP 10771697 A JP10771697 A JP 10771697A JP 10771697 A JP10771697 A JP 10771697A JP H10298390 A JPH10298390 A JP H10298390A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック基材に対する付着性が良好で、
かつ硬化性、耐アルコール性、耐ブロッキング性、及び
作業性に優れた、無溶剤型の光硬化性組成物を提供す
る。 【解決手段】 メチルメタクリレート(M1)10〜80重
量%、水酸基含有(メタ)アクリレート(M2)1〜30重
量%、およびこれらと共重合可能な他のビニル系単量体
(M3)5〜89重量%を共重合して得られる、重量平均
分子量が1,000〜10,000であるアクリル系共
重合体(A)40〜80重量部と、1分子中に少なくと
も1個の(メタ)アクリロイル基を有するビニル系光重
合性単量体(B)20〜60重量部からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PET樹脂、AB
S樹脂、アクリル樹脂等のプラスチック基材上に塗布す
る際の作業性が良好で、かつ硬化性、付着性、耐アルコ
ール性、耐ブロッキング性、及び作業性に優れた、無溶
剤型のインクバインダー用に好適な光硬化性組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック基材用のインクバインダー
用組成物としては、溶剤系高分子樹脂もしくは溶剤系重
合体とイソシアナートとの併用による2液反応タイプの
熱硬化型のものや、ビニル系オリゴマー、単量体、光重
合開始剤などを主成分とする光硬化型のものがある。し
かしながら、このような溶剤系重合体とイソシアナート
との併用系の熱硬化型樹脂組成物は、溶剤揮発工程やイ
ソシアナートの反応工程が必要であり、生産性が低く、
イソシアナートの毒性の点からも好ましいものではな
く、一方、光硬化型樹脂組成物は、生産性は高いもの
の、やはり溶剤を含むために材料コストが高く、また硬
化塗膜の付着性、外観、耐折り曲げ性等の性能が十分で
はないのが現状である。
【0003】さらに、熱硬化型、光硬化型に拘わらず、
溶剤を使用した樹脂組成物は、それ自体が作業環境や地
球環境の面からも好ましいものではない。
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PE
T樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂等のプラスチック基
材上に塗布する際の作業性が良好で、かつ硬化性、付着
性、耐アルコール性、耐ブロッキング性に優れた、無溶
剤型の光硬化性組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、メチルメタク
リレート(M1)10〜80重量%、水酸基含有(メタ)ア
クリレート(M2)1〜30重量%、およびこれらと共重合
可能な他のビニル系単量体(M3)5〜89重量%を共重合
して得られる、重量平均分子量が1,000〜10,00
0であるアクリル系共重合体(A)(固形分)40〜8
0重量部と、1分子中に少なくとも1個の(メタ)アク
リロイル基を有するビニル系光重合性単量体(B)20
〜60重量部を含むプラスチック基材用光硬化性組成物
を提供することにある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の光硬化性組成物は、特定
のモノマーを溶液重合してなるアクリル系共重合体
(A)と、1分子中に少なくとも(メタ)アクリロイル
基を1個有するビニル系光重合性単量体(B)を含む無
溶剤型の光硬化性組成物であり、以下、これらの各成分
について詳細に説明する。
【0006】本発明に用いられるアクリル系共重合体
(A)は、メチルメタクリレート(M1)、水酸基含有(メ
タ)アクリレート(M2)、およびこれらと共重合可能な他
のビニル系単量体(M3)を共重合して得られる、重量平均
分子量が1,000〜10,000のアクリル系共重合体
であり、本発明の光硬化性組成物を低粘度化して無溶剤
型の光硬化性組成物とするための必須成分である。
【0007】このアクリル系共重合体(A)を得るため
に用いられるメチルメタアクリレート(M1)は、得られる
硬化塗膜に優れた耐アルコール性と耐ブロッキング性を
バランスよく付与するための成分である。(M1)成分の使
用範囲は、その塗工条件に応じて適宜選択すればよい
が、使用量が少ないと硬化塗膜に粘着性がでる傾向にあ
り、多量に使用すると硬化塗膜が脆くなったり、硬化塗
膜のプラスチック基材に対する付着性が低下する傾向に
あるため、10〜80重量%の範囲、特に30〜75重
量%の範囲が好ましい。
【0008】本発明に用いられるアクリル系共重合体
(A)を得るために用いられる水酸基含有(メタ)アク
リレート(M2)は、硬化塗膜のプラスチック基材に対する
付着性を付与するための成分である。
【0009】この(M2)成分の具体例としては、例えば、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートのεカプロラクトン1モル付加
物、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのε
カプロラクトン1モル付加物、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートのεカプロラクトン2モル付加物
などが挙げられる。
【0010】これらの中でも、特に2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートは、得られる硬化塗膜のプラスチック
基材に対する付着性と耐ブロッキング性をバランスよく
付与できることから特に好ましい。
【0011】(M2)成分は、各種プラスチック基材に応じ
た好適な付着度となるよう適量用いればよいが、(M2)成
分の使用量が少ないと、得られる硬化塗膜のプラスチッ
ク基材への付着性が十分でなく、一方使用量が多すぎる
と組成物粘度が高くなり、作業性を損なう傾向にあるの
で、1〜30重量%の範囲、特に10〜20重量%の範
囲が好ましい。
【0012】また、本発明に用いられるアクリル系共重
合体(A)を得るために用いられる、メチルメタアクリ
レート(M1)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(M2)と
共重合可能な他のビニル系単量体(M3)は、塗工作業性が
良好でプラスチック基材に対する付着性、耐アルコール
性、耐ブロッキング性など最適な性能バランスを付与す
る成分である。
【0013】この(M3)成分の具体例としては、例えば、
エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メ
タ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
タジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン
誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエ
チレン不飽和ニトリル類;N−メトキシメチルアクリル
アミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等のN−ア
ルコキシ置換アミド類、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート等のエチレン性不飽和塩基性単量体、グリシジル
(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アク
リレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポ
キシ基含有単量体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、
ビニル安息香酸、フマール酸、イタコン酸、マレイン
酸、シトラコン酸、β−カルボキシエチル(メタ)アク
リレート、β−カルボキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドサクシネ
ート、β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドヘキサ
ヒドロフタレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
アシッドサクシネート等が挙げられる。これら(M3)成分
は、必要に応じて単独あるいは2種以上を併用して使用
することができる。
【0014】これらのビニル系単量体の中でも、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート
は、硬化塗膜の付着性、耐アルコール性、耐ブロッキン
グ性、作業性等の各種性能のバランスが良好であり特に
好ましい。
【0015】この(M3)成分の使用量は、少ないと得られ
る硬化塗膜が脆くなり、プラスチック基材に対する付着
性を十分に付与できない傾向にあり、一方多いと(M1)成
分の減少による耐アルコール性の低下や、(M2)成分の減
少による付着性の低下を招く傾向にあるため、5〜89
重量%の範囲、特に10〜60重量%の範囲が好まし
い。
【0016】本発明に用いられる(A)成分は、本発明
の光硬化性組成物100重量部中、固形分量で40〜8
0重量部の範囲で用いられ、より好ましくは50〜70
重量部の範囲で用いられる。この(A)成分の量が40
重量部より少ない場合には、硬化塗膜のプラスチック基
材に対する付着性が著しく低下する傾向にあり、また、
80重量部を超える場合には、光硬化性が不十分とな
り、得られる硬化塗膜の耐アルコール性が不十分となる
傾向にある。
【0017】アクリル系共重合体(A)の重量平均分子
量は、通常1,000〜10,000の範囲、特に好ま
しくは3,000〜5,000の範囲である。重量平均
分子量が1,000より低い(A)成分を含む組成物で
は、プラスチック基材に対する付着性が十分でなく、一
方、重量平均分子量が10,000より高い(A)成分
を含む組成物は、その粘度が著しく上昇する傾向にあ
り、作業性の点から好ましくない。
【0018】また、アクリル系共重合体(A)のガラス
転移温度(以下、Tgと示す)は特に限定されるもので
はないが、硬化塗膜同士の貼り付き防止に優れた効果を
発揮するのは、耐ブロッキング性が良好なTgが40〜
80℃の範囲である。これは、(A)成分のTgが40
℃より低いと得られる硬化塗膜の耐ブロッキング性が不
十分であり、また、Tgが80℃より高いと硬化塗膜の
プラスチック基材に対する付着性が低下する傾向にあ
る。
【0019】本発明の(B)成分である1分子中に少な
くとも1個の(メタ)アクリロイル基を有するビニル系
光重合性単量体は、組成物に優れた硬化性及び作業性を
付与し、また得られる硬化塗膜のプラスチック基材への
付着性を付与する成分である。
【0020】この(B)成分の具体例としては、例え
ば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリロイル
基を1個有するモノマー;1,4−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールピバリン酸エス
テルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリプロピレングリコールジアクリレート等の
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリロイル基を2個有するモノマー;そして
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジ
トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エ
チレンオキサイド付加トリメチロールプロパンのトリ
(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加トリ
メチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、エチ
レンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンのテトラ
(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ジト
リメチロールプロパンのテトラ(メタ)アクリレート、
エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールのテトラ
(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ペン
タエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、エチ
レンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのペンタ
(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ジペ
ンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート、エ
チレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのヘキサ
(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ジペ
ンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート等、
(メタ)アクリロイル基を3つ以上有するモノマー等が
挙げられる。
【0021】これらのモノマーは、単独又は2種以上を
併用して用いることができる。このうち、特に2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモル
ホリン、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレートが好ましい。な
お、本発明の光硬化性組成物は、(B)成分中に、1分
子中に1〜2個の(メタ)アクリロイル基を有するモノ
マーを80%以上含むことが、プラスチック基材への付
着性がより優れ、なおかつ低粘度の組成物が得られると
いう点で好ましい。
【0022】本発明に用いられる(B)成分は、本発明
の光硬化性組成物100重量部中20〜60重量部の範
囲で用いられ、より好ましくは30〜50重量部の範囲
で用いられる。この(B)成分の量が20重量部より少
ない場合には、硬化性が不十分となり、また、60重量
部を超える場合には、硬化塗膜のプラスチック基材に対
する付着性が著しく低下する傾向にある。
【0023】本発明の光硬化性組成物は、まず、溶液重
合法により予めアクリル系共重合体(A)を調製し、そ
の中に含まれる溶媒を減圧下である程度除去した後にビ
ニル系光重合性単量体(B)を加えて、(A)成分中の
溶媒をほぼ完全に除去することにより得られる。(A)
成分の溶液重合時に用いる溶媒としては、例えば、イソ
プロパノール、N−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、トルエン、キシレン等の有機溶剤が挙げられるが、
特に重合温度を高く設定でき、溶剤の除去が比較的容易
であるトルエン、キシレンが好ましい。
【0024】なお、本発明の光硬化性組成物は、作業環
境や地球環境等の点から、無溶剤型組成物として用いる
ことができるが、用途に応じた最適な粘度にするため、
有機溶剤で適宜希釈して使用することは可能である。こ
の有機溶剤の具体例としては、例えば、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メ
トキシエチル等のエステル類;ジエチルエーテル、エチ
レングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、3−メトキシ−1−プロパノール、
ジオキサンなどのエーテル類;トルエン、キシレン等の
芳香族類;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素類などを挙げることができ
る。
【0025】また、本発明の光硬化性組成物には、その
性能が低下しない範囲で、使用目的に応じて、公知の紫
外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、染料、帯電防止剤、光
触媒系化合物等の添加剤を、適宜添加してもよい。
【0026】本発明の光硬化性組成物は活性エネルギー
線により硬化させることができるが、この活性エネルギ
ー線としては、例えば紫外線、電子線、ガンマー線等が
挙げられる。このうち、例えば、活性エネルギー線とし
て紫外線を用いる場合には、通常組成物中に光重合開始
剤と、光増感剤または光促進剤のいずれか1種以上から
なる光触媒系化合物を含有させることが好ましい。
【0027】この光触媒系化合物としては、公知のもの
を任意選択して使用することができる。光重合開始剤の
具体例としては、例えば、ベンゾインモノメチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノ
ン、ベンジルメチルケタール、2,2−ジエトキシアセ
トフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン
−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシ
ベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフ
ィンオキシド等を挙げることができる。光増感剤として
は、例えば、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエ
チルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサ
ントン等が挙げられる。また、光促進剤の具体例として
は、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−
ジメチル安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息
香酸2−n−ブトキシエチル、安息香酸2−ジメチルア
ミノエチル等を挙げることができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を用いて、本発明をさらに詳細
に説明する。なお、本実施例中の評価方法は下記の通り
である。
【0029】〈アクリル系共重合体(A)含有溶液の評
価方法〉 粘度:25℃で2時間保持後、B型粘度計にて測定し
た。 重量平均分子量:40℃での粘度を、ゲルパーミュエー
ションクロマトグラフィー(スチレン換算)で測定し
た。 ガラス転移温度(Tg):真空理工(株)製、熱分析シ
ステム(MTS−9000)により測定した。 固形分(%):サンプルをアルミ皿に入れ、105℃で
1.5時間保持後の重量を測定し、加熱前の重量に対す
る加熱後の重量比を%で示した。
【0030】〈組成物及び硬化塗膜の評価方法〉 付着性:硬化塗膜にセロテープ(ニチバン社製)を貼り
つけた後、一気に剥離し、硬化塗膜の付着状態を目視に
て判定した。その際、剥離しなかった硬化塗膜には、ク
ロスカットをカッターで入れて、前と同様の方法で硬化
塗膜の付着状態を目視にて判定した。 ◎:剥離なし ○:クロスカットでやや剥離、ノーカットで剥離なし △:ノーカットでやや剥離 ×:ノーカットで全て剥離 耐アルコール性:50%水性エタノール中に、硬化塗膜
を形成した試験片を24時間浸漬後、硬化塗膜の外観を
目視にて判定した。 ○:変化なし △:やや曇化 ×:白化 耐ブロッキング性:硬化塗膜を形成した面同士を重ね合
わせた2枚の試験片に、100g/cm2の荷重をか
け、40℃、85%RHの条件下で24時間保持後、硬
化塗膜同士のブロッキングの状態を評価した。 ○:ブロッキングなし △:ややブロッキングあり ×:ブロッキングがあり不良 作業性:光硬化性組成物としてのハンドリング性、塗装
のしやすさを評価した。 ○:良好 △:やや扱いにくい ×:不良
【0031】[実施例1] アクリル系共重合体(A-1)含有溶液の合成:温度計、
滴下ロート、撹拌機、冷却管及び温度制御装置を備えた
4つ口フラスコに、トルエン100gを入れて110℃
に昇温した後、メチルメタクリレート59g、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート36g、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート5g、アゾビスイソブチロニトリル3
g及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)7gからなる混合物を、5時間かけて該フラスコ中
に滴下し重合させ、アクリル系共重合体含有溶液(A-
1)を得た。この物性値は、表1に示す。 光硬化性組成物の調製:得られたアクリル系共重合体含
有溶液(A-1)(固形分50%)140gから、70%
分のトルエン分を除去した後、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート30gを加え、減圧下で残存トルエン
を完全に除去した。この中に、光重合開始剤として1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イ
ルガキュア184、日本チバガイギー(株)製)4g、
およびレベリング剤(商品名:L−7001、日本ユニ
カー(株)製))0.2gを加えて光硬化性組成物を調
製した。 硬化塗膜の形成:このようにして得られた光硬化性組成
物を、バーコーター(#4)を用いてアクリル板に塗装
し、高圧水銀灯を用いた紫外線照射装置(三菱レイヨン
エンジニアリング(株)製、UV−2503、80W/
cm、1灯;ランプ高20cm、コンベア速度5m/m
in.)を用いて、照射光量200mJ/cm2で塗膜
を硬化させた。得られた硬化塗膜の評価結果は、表3に
示す。
【0032】[実施例2〜実施例6]実施例1と同様に
してアクリル共重合体含有溶液(A-2)、(A-3)を合成
した。この物性値は表1に示す。その後、これらを用い
て実施例1と同様にして表3に示す組成の光硬化性組成
物を調製し、実施例1と同様にして硬化塗膜を形成し、
その膜特性の評価結果は表3に示す。 [比較例1〜比較例6]実施例1と同様にしてアクリル
共重合体(A-4)〜(A-7)含有溶液を合成した。この物性
値は表2に示す。次に、先に合成したアクリル共重合体
含有溶液(A-1)及びアクリル共重合体含有溶液(A-4)
〜(A-7)を用いて表4に示す光硬化性組成物を調製
し、実施例1と同様にして硬化塗膜を形成した。得られ
た硬化塗膜の評価結果は表4に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明の光硬化性組成物
は、低粘度でかつ付着性が良好な(A)成分を必須成分
として用いることにより、硬化性が良好で、プラスチッ
ク基材に対する付着性、耐アルコール性、耐ブロッキン
グ性、及び作業性に優れた硬化塗膜を形成することがで
き、また、溶剤の使用を必須としないことから環境面で
も優れたものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルメタクリレート(M1)10〜80重
    量%、水酸基含有(メタ)アクリレート(M2)1〜30重
    量%、およびこれらと共重合可能な他のビニル系単量体
    (M3)5〜89重量%を共重合して得られる、重量平均分
    子量が1,000〜10,000であるアクリル系共重合
    体(A)(固形分)40〜80重量部と、1分子中に少
    なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有するビニル
    系光重合性単量体(B)20〜60重量部を含む、プラ
    スチック基材用光硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル系共重合体(A)のガラス転移
    温度(Tg)が、40〜80℃の範囲であることを特徴
    とする、請求項1記載のプラスチック基材用光硬化性組
    成物。
  3. 【請求項3】 ビニル系光重合性単量体(B)が、1分
    子中に1〜2個の(メタ)アクリロイル基を有するビニ
    ル系光重合性単量体を80重量%以上含むことを特徴と
    する、請求項1又は請求項2記載のプラスチック基材用
    光硬化性組成物。
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