JP7056413B2 - 硬化物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化物の製造方法に関する。
活性エネルギー線重合技術は、その速い重合速度、一般に無溶剤であることによる良好な作業性、省エネルギー化等の利点を有しているため、建装材料、包装材料、印刷材料、表示材料、電気電子部品材料、光学デバイス、ディスプレイなどの分野において、その利用分野は拡大傾向にある。
上記の活性エネルギー線重合組成物には、良好な光硬化性を有することが要求されるが、多くの用途において、酸素に起因する硬化阻害により、硬化が不十分となり、要求される膜物性を達成できないことが最大の課題となっている。
酸素による硬化阻害に関しては、様々な研究機関により検討がなされており、1)添加剤を使用する方法、2)物理的に酸素を遮断する方法が知られている。
添加剤による重合阻害を抑制する方法として、リン化合物、イオウ化合物(チオール、ジスルフィド等)、アミン化合物の添加が知られている。
特許文献1に開示されている2,2,6,6-テトラメチルピペリジン骨格を有する添加剤を配合する方法では、溶存酸素を捕捉することで硬化阻害を抑制すると考えられている。しかし、添加剤を配合する方法では、硬化膜中に低分子が残留し、硬化膜の黄変や、膜の強靭性の低下、化合物のマイグレ・ブリードが発生するという問題があった。
また、添加剤を使用せずに、物理的な酸素の遮断により重合阻害を抑制する方法として不活性ガスやポリビニルアルコール層や水層の利用が知られている。
不活性ガスを使用する方法では装置が大型であるため初期投資が大きいという問題があった。
また、特許文献2に開示されているポリビニルアルコール層を利用する方法では、アルカリ溶液での処理が必要となるため、製造工程が増えてしまうという問題があった。
また、特許文献3に開示されている冷却水を利用する方法では、冷却水を被塗物に吹き付け、水中に被塗物を漬けた状態で紫外線照射することで水が酸素遮断効果を持ち、硬化性が向上すると報告されている。しかし、水中に漬けながら硬化させるため水中にモノマーや開始剤が溶出してしまい、所望の膜厚を得難いという問題があった。また、硬化後水をふき取る必要があり、製造工程が増えてしまうという問題があった。したがって、簡便な製造工程で硬化阻害抑制による高感度化と膜物性の維持を両立するには至っていないのが現状である。
特開2016-138161号公報 特開2006-146061号公報 特公昭59-045431号公報
本発明は、簡便な製造工程で優れた硬化速度を有する活性エネルギー線重合性組成物の硬化物を提供することを目的とする。
本発明は、活性エネルギー線重合性組成物を基材に塗布した塗工物に、活性エネルギー線を照射して硬化物を形成する硬化物の製造方法であり、塗工物を露点以下に冷却し、表面に空気中の水分を結露または凝固させた状態で活性エネルギー線を照射することを特徴とする硬化物の製造方法に関する。
また、本発明は、塗工物を露点以下かつ0℃以下に冷却し、表面に空気中の水分を凝固させた状態で活性エネルギー線を照射することを特徴とする、前記硬化物の製造方法に関する。
また、本発明は、塗工物を液化ガスに漬けるまたは晒すことによって露点以下かつ-30℃以下に冷却し、表面に空気中の水分を凝固させた状態で活性エネルギー線を照射することを特徴とする、前記硬化物の製造方法に関する。
本発明により、簡便な製造工程で優れた硬化速度を有する活性エネルギー線重合性組成物の硬化物を提供することができた。
以下、本発明の実施形態について説明する。
なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、及び「(メタ)アクリロイルオキシ」とは、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、並びに「アクリロイルオキシ及び/又はメタクリロイルオキシ」を表すものとする。また、「活性エネルギー線重合性組成物」は「重合性組成物」と略記することがある。
本発明は、活性エネルギー線重合性組成物を基材に塗布した塗工物を露点以下に冷却し、表面に空気中の水分を結露または凝固させ、空気中の酸素を遮断した状態で活性エネルギー線を照射することで、酸素による重合阻害を抑制した状態で硬化を行うことを特徴とした、硬化物の製造方法に関するものである。
ここで、「活性エネルギー線」とは、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、及び放射線を含む、化学反応を生じさせるための活性化に必要なエネルギーを提供できる、広義のエネルギー線を意味する。特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、上記活性エネルギー線は、紫外線を含む光エネルギー線であることが好ましい。
ここで、「塗工物」とは、基材に塗布した状態の活性エネルギー線重合性組成物を意味する。また、「硬化物」とは「塗工物」に活性エネルギー線を照射し、重合性組成物の反応が進行し硬化した状態を意味する。
ここで、「冷却」とは、活性エネルギー線重合性組成物を基材に塗布した塗工物を冷却することを意味する。冷却処理は活性エネルギー線照射直前に実施することが好ましく、活性エネルギー線照射直前の塗工物の温度範囲は、照射庫内の露点以下であれば良く、活性エネルギー線照射時に塗工物表面に空気中の水分が結露または凝固した状態であれば良い。
ここで、「結露」とは、空気中の水分が冷却させた塗工物表面で冷やされ、水の膜を形成した状態を意味する。「凝固」とは空気中の水分が冷却させた塗工物表面で冷やされ、水の膜が形成し、さらに、凝固点温度以下に冷やされることで氷の膜が形成した状態を意味する。
冷却の温度範囲としては露点以下かつ0℃以下に冷却し、塗工物表面に空気中の水分が凝固した状態が好ましい。さらに露点以下かつ―30℃以下に冷却し、塗工物表面に空気中の水分が凝固した状態がより好ましいが、露点以下であれば特にこれらに限定されるものではない。
冷却処理方法としては、冷蔵庫、冷凍庫などの利用、または液化ガス等の使用が好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。ただし、冷却水に浸すなど、塗工物の溶出が発生する方法は好ましくない。
0℃以下への冷却は冷凍庫の使用や、液体窒素や液体ヘリウム等の液化ガスの蒸気に晒す、直接浸す等の方法が好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。
-30℃以下への冷却としては液体窒素や液体ヘリウム等の液化ガスに晒すもしくは浸す方法などが好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。液化ガスに浸す冷却方法では、塗工物の固化が瞬時に生じるため塗工物の溶出は発生しない。
本発明の硬化物の製造方法では、冷却処理により発生させた水の膜により、空気中の酸素を遮断することができるため、硬化速度を向上することができる。また、水の膜は、空気中のわずかな水分から成るため、活性エネルギー線照射時に発生する熱で蒸発するため拭き取り工程を必要としない簡便な製造工程である。
本発明の方法を実施するにあたり、対象となる活性エネルギー線重合性組成物を構成する各成分について、以下に具体的に説明する。
<ラジカル重合性化合物(A)>
重合性化合物は、分子中に重合可能な骨格を少なくとも一つ以上を有する化合物を意味する。また、これらは、いずれも常温、常圧で液体ないし固体のモノマー、オリゴマーないしポリマーの化学形態を持つものである。
このような重合性化合物(A)の例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸およびそれらの塩、エステル、酸アミドや酸無水物があげられ、さらには、ウレタンアクリレート、アクリロニトリル、スチレン誘導体、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ポリウレタンなどがあげられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なかでも、ラジカル重合により高速硬化が可能な(メタ)アクリレートが好ましく、さらに分子中に水酸基、アミノ基、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。
分子中に水酸基を有する(メタ)アクリレート(A1)は反応速度の向上や重合硬化収縮の抑制の点で好ましい。
分子中に水酸基を有する(メタ)アクリレート(A1)としては、分子中に少なくとも1 つのヒドロキシ基を有し且つ1つの(メタ)アクリル酸を含有するヒドロキシ基含有単官能(メタ)アクリレート(A1-1)、分子中に少なくとも1つのヒドロキシ基を有し且つ複数の(メタ)アクリル酸を含有するヒドロキシ基含有多官能(メタ)アクリレート(A1-2)等が挙げられる。なかでも、光硬化性組成物がより硬度の大きい硬化体を形成することができるという点で、ヒドロキシ基含有多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
以下に、分子中に少なくとも1つのヒドロキシ基を有し且つ1つの(メタ)アクリル酸を含有するヒドロキシ基含有単官能(メタ)アクリレート(A1-1)の具体例を挙げる。
ヒドロキシ基含有単官能アクリレート類の例:
2-ヒドロキシエチルアクリレート、1-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、4 -ヒドロキシブチルアクリレート、6 -ヒドロキシへキシルアクリレート、8 -ヒドロキシオクチルアクリレート、10 -ヒドロキシデシルアクリレート、12 -ヒドロキシラウリルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-クロロプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-アリルオキシプロピルアクリレート、2-アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、2,3-ジヒドロキシプロピルアクリレート。
ヒドロキシ基含有単官能メタクリレート類の例:
2-ヒドロキシエチルメタクリレート、1-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4 -ヒドロキシブチルメタクリレート、6 -ヒドロキシへキシルメタクリレート、8 -ヒドロキシオクチルメタクリレート、10 -ヒドロキシデシルメタクリレート、12 -ヒドロキシラウリルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-クロロプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アリルオキシプロピルメタクリレート、2-メタクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、2,3-ジヒドロキシプロピルメタクリレート。
以下に、分子中に少なくとも1つのヒドロキシ基を有し且つ複数の(メタ)アクリル酸を含有するヒドロキシ基含有多官能(メタ)アクリレート(A1-2)の具体例を挙げる。
ヒドロキシ基含有多官能アクリレート類の例:
グリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート。または、二プロペン酸(1-メチル1,2-エタンジイル)ビス[オキシ(2-ヒドロキシ-3,1-プロパンジイル)]、二プロペン酸[1,6ヘキサンジイルビス[オキシ(2-ヒドロキシ-3,1-プロパンジイル)]]等のジエポキシ化合物にアクリル酸を付加させたエポキシアクリレート化合物。
ヒドロキシ基含有多官能メタクリレート類の例:グリセロールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタメタクリレート。または、二プロペン酸2-メチル(1-メチル1,2-エタンジイル)ビス[オキシ(2-ヒドロキシ-3,1-プロパンジイル)]、二プロペン酸2-メチル[1,6ヘキサンジイルビス[オキシ(2-ヒドロキシ-3,1-プロパンジイル)]]等のジエポキシ化合物にメタクリル酸を付加させたエポキシメタクリレート化合物。
分子中にアミノ基を有する(メタ)アクリレート(A2)は反応速度の向上や重合硬化収縮の抑制の点で好ましい。
以下に、分子中に少なくとも1 つのアミノ基を有し且つ一つの(メタ)アクリル酸を含有するアミノ基含有単官能(メタ)アクリレート(A2)の具体例を挙げる。
アミノ基含有単官能アクリレート類の例:
N-メチルアミノエチルアクリレート、N-エチルアミノエチルアクリレート、N-プロピルアミノエチルアクリレート、N-ブチルアミノエチルアクリレート、N-トリブチルアミノエチルアクリレート、テトラメチルピペリジニルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ペンタメチルピペリジニルアクリレート、4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イルアクリレート。
アミノ基含有単官能メタクリレート類の例:N-メチルアミノエチルメタクリレート、N-エチルアミノエチルメタクリレート、N-プロピルアミノエチルメタクリレート、N-ブチルアミノエチルメタクリレート、N-トリブチルアミノエチルメタクリレート、テトラメチルピペリジニルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレート、ペンタメチルピペリジニルメタクリレート、4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イルメタクリレート。
分子中にエチレンオキサイド基を有する(メタ)アクリレート(A3)は、硬化物に可とう性が付与できる点で好ましい。分子中にエチレンオキサイド基を有する(メタ)アクリレート(A3)としては、分子中に少なくとも1つのエチレンオキサイド基を有し且つ1つの(メタ)アクリル酸を含有するエチレンオキサイド基含有単官能(メタ)アクリレート(A3-1)、分子中に少なくとも1つのエチレンオキサイド基を有し且つ複数の(メタ)アクリル酸を含有するエチレンオキサイド基含有多官能(メタ)アクリレート(A3-2)等が挙げられる。なかでも、光硬化性組成物がより硬度の大きい硬化体を形成することができるという点で、エチレンオキサイド基含有多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
以下に、分子中に少なくとも1つのエチレンオキサイド基を有し且つ1つの(メタ)アクリル酸を含有するエチレンオキサイド基含有単官能(メタ)アクリレート(A3-1)の具体例を挙げる。
エチレンオキサイド基含有単官能アクリレート類の例:
メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#600アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#1000アクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、p-ノニルフェノキシエチルアクリレート、p-ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、グリシジルアクリレート。
エチレンオキサイド基含有単官能メタクリレート類の例:
メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート、メトキシポリエチレングリコール#600メタクリレート、メトキシポリエチレングリコール#1000メタクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、エチルカルビトールメタクリレート、2-エチルヘキシルカルビトールメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェノキシエチレングリコールメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、p-ノニルフェノキシエチルメタクリレート、p-ノニルフェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、グリシジルメタクリレート。
以下に、分子中に少なくとも1つのエチレンオキサイド基を有し且つ複数の(メタ)アクリル酸を含有するエチレンオキサイド基含有単官能(メタ)アクリレート(A3-2)の具体例を挙げる。
エチレンオキサイド基含有多官能アクリレート類の例:
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート、ポリエチレングリコール#300ジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ポリエチレングリコール#1000ジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε-カプロラクトン変性トリアクリレート。
エチレンオキサイド基含有多官能メタクリレート類の例:
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#300ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#1000ジメタクリレート、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性ビスフェノールFジメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジメタクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε-カプロラクトン変性トリメタクリレート。
分子中にプロピレンオキサイド基を有する(メタ)アクリレート(A4)は、硬化物に可とう性が付与できる点で好ましい。分子中にプロピレンオキサイド基を有する(メタ)アクリレート(A4)としては、分子中に少なくとも1 つのプロピレンオキサイド基を有し且つ1つの(メタ)アクリル酸を含有するプロピレンオキサイド基含有単官能(メタ)アクリレート(A4-1)、分子中に少なくとも1つのプロピレンオキサイド基を有し且つ複数の(メタ)アクリル酸を含有するプロピレンオキサイド基含有多官能(メタ)アクリレート(A4-2)等が挙げられる。なかでも、光硬化性組成物がより硬度の大きい硬化体を形成することができるという点で、プロピレンオキサイド基含有多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
以下に、分子中に少なくとも1つのプロピレンオキサイド基を有し且つ1つの(メタ)アクリル酸を含有するプロピレンオキサイド基含有単官能(メタ)アクリレート(A4-1)の具体例を挙げる。
プロピレンオキサイド基含有単官能アクリレート類の例:
メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート。
プロピレンオキサイド基含有単官能メタクリレート類の例:
メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリプロピレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート。
以下に、分子中に少なくとも1つのプロピレンオキサイド基を有し且つ複数の(メタ)アクリル酸を含有するプロピレンオキサイド基含有多官能(メタ)アクリレート(A4-2)の具体例を挙げる。
プロピレンオキサイド基含有多官能アクリレート類の例:
ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールFジアクリレート、グリセリンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート。
プロピレンオキサイド基含有多官能メタクリレート類の例:
ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジメタクリレート、PO変性ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性ビスフェノールFジメタクリレート、グリセリンPO変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリメタクリレート。
重合性化合物(A)としては、分子内に水酸基、アミノ基、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基を有する(メタ)アクリレートが好ましいが、分子内に水酸基、アミノ基、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基を有さない上記以外の(メタ)アクリレート(A5)を用いてもよい。上記以外の(メタ)アクリレート(A5)としては、分子中に1つの(メタ)アクリル酸を含有する単官能(メタ)アクリレート(A5-1)、分子中に2つの(メタ)アクリル酸を含有する二官能(メタ)アクリレート(A5-2)、分子中に3つ以上の(メタ)アクリル酸を含有する多官能(メタ)アクリレート(A5-3)等が挙げられる。なかでも、光硬化性組成物がより硬度の大きい硬化体を形成することができるという点で、多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
以下に、分子内に水酸基、アミノ基、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基を有さず、かつ1つの(メタ)アクリル酸を含有する単官能(メタ)アクリレート(A5-1)の具体例を挙げる。
単官能アクリレート類の例:
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルアクリレート、1H-ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,6-ジブロモ-4-ブチルフェニルアクリレート、2,4,6-トリブロモフェノキシエチルアクリレート、β-カルボキシエチルアクリレート、こはく酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、2-アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2-アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2-アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2-アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート
単官能メタクリレート類の例:
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H-ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、2,6-ジブロモ-4-ブチルフェニルメタクリレート、2,4,6-トリブロモフェノキシエチルメタクリレート、β-カルボキシエチルメタクリレート、こはく酸モノメタクリロイルオキシエチルエステル、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート、2-メタクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2-メタクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2-メタクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2-メタクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート
以下に、分子内に水酸基、アミノ基、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基を有さず、かつ2つの(メタ)アクリル酸を含有する二官能(メタ)アクリレート(A5-2)の具体例を挙げる。
二官能アクリレート類の例:
1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート。
二官能メタクリレート類の例:
1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9-ノナンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート。
以下に、分子内に水酸基、アミノ基、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基を有さず、かつ3つ以上の(メタ)アクリル酸を含有する多官能(メタ)アクリレート(A5-3)の具体例を挙げる。
多官能アクリレート類の例:
トリメチロールプロパントリアクリレート、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-s-トリアジン、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)ホスフェート。
多官能メタクリレート類の例:
トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,3,5-トリメタクリロイルヘキサヒドロ-s-トリアジン、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、トリス(メタクリロイルオキシ)ホスフェート。
本発明に用いる重合性化合物(A)としてはラジカル重合により高速硬化が可能な(メタ)アクリレートが好ましいが、(メタ)アクリレート以外の重合性基を有する化合物を用いてもよい。
以下に、本発明に用いる(メタ)アクリレート以外のラジカル重合性化合物(A)の具体例を挙げる。
酸アミド類の例:
アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N,N-ジエチルメタクリルアミド、N-イソプロピルメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン。
スチレン類の例:
スチレン、p-ヒドロキシスチレン、p-クロロスチレン、p-ブロモスチレン、p-メチルスチレン、p-メチルオキシスチレン、p-t-ブチルオキシスチレン、p-t-ブチルオキシカルボニルスチレン、p-t-ブチルオキシカルボニルオキシスチレン、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン。
他のビニル化合物の例:
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルピロリドンなど。
上記のラジカル重合性化合物(A)は、以下に示すメーカーの市販品として、容易に入手することができる。例えば、共栄社油脂化学工業(株)社製の「ライトアクリレート」、「ライトエステル」、「エポキシエステル」、「ウレタンアクリレート」および「高機能性オリゴマー」シリーズ、新中村化学(株)社製の「NKエステル」および「NKオリゴ」シリーズ、日立化成工業(株)社製の「ファンクリル」シリーズ、東亞合成化学(株)社製の「アロニックスM」シリーズ、大八化学工業(株)社製の「機能性モノマー」シリーズ、大阪有機化学工業(株)社製の「特殊アクリルモノマー」シリーズ、三菱レイヨン(株)社製の「アクリエステル」および「ダイヤビームオリゴマー」シリーズ、日本化薬(株)社製の「カヤラッド」および「カヤマー」シリーズ、(株)日本触媒社製の「アクリル酸/メタクリル酸エステルモノマー」シリーズ、日本合成化学工業(株)社製の「NICHIGO-UV紫光ウレタンアクリレートオリゴマー」シリーズ、信越酢酸ビニル(株)社製の「カルボン酸ビニルエステルモノマー」シリーズ、(株)興人社製の「機能性モノマー」シリーズなどが挙げられる。
さらに、重合性化合物(A)は、以下に示す文献に記載のものもあげることができる。例えば、山下晋三ら編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年、大成社)や加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」、(1985年、高分子刊行会)、ラドテック研究会編、赤松清編、「新・感光性樹脂の実際技術」、(1987年、シーエムシー)、遠藤剛編、「熱硬化性高分子の精密化」、(1986年、シーエムシー)、滝山榮一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)、ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、(2002年、シーエムシー)が挙げられる。
重合性化合物(A)は、一種のみ用いても、所望とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合したものを用いても構わない。
<活性エネルギー線重合開始剤(B)>
本発明に用いる重合性組成物は、各種活性化エネルギー線の照射によって重合反応が進行し、硬化可能である。しかし、上記重合性組成物は、必要に応じて活性エネルギー線重合開始剤(B)を含んでもよい。活性エネルギー線重合開始剤(B)を使用することによって、重合反応を促進することができる。本発明の一実施形態において、上記活性化エネルギーは紫外線であることが好ましく、紫外線の照射によって重合反応を進行させる場合、重合性組成物は、活性エネルギー線重合開始剤(B)を含むことが好ましい。
活性エネルギー線重合開始剤(B)としては、従来公知の重合開始剤を用いることが可能である。具体的には、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルメチルケタール、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン、オリゴ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン}、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン等のアセトフェノン類;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;
2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン類;
その他フェニルグリオキシリックメチルエステル等が挙げられる。
より具体的には、イルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー500、イルガキュアー1000、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー1700、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー819、イルガキュアー784、イルガキュアー261、イルガキュアーOXE-01(CGI124)、CGI242(BASF社製)、アデカオプトマーN1414、アデカオプトマーN1717、Esacure1001M(Lamberti社製)、特公昭59-1281号公報、特公昭61-9621号公報ならびに特開昭60-60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59-1504号公報ならびに特開昭61-243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43-23684号公報、特公昭44-6413号公報、特公昭47-1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物公報、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36-22062号公報、特公昭37-13109号公報、特公昭38-18015号公報ならびに特公昭45-9610号公報記載のオルト-キノンジアジド類、特公昭55-39162号公報、特開昭59-140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59-142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1-54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61-151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85~第277頁(1988年)ならびに特開平2-182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3-209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2-157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55-127550号公報ならびに特開昭60-202437号公報記載の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59-107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5-255347号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開昭54-99185号公報、特開昭63-264560号公報ならびに特開平10-29977記載のアミノケトン化合物、特開2001-264530号公報、特開2001-261761号公報、特開2000-80068号公報、特開2001-233842号公報、特表2004-534797号公報、特開2006-342166、特開2008-094770、特開2009-40762、特開2010-15025、特開2010-189279、特開2010-189280公報、特表2010-526846、特表2010-527338、特表2010-527339、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)ならびに特開昭61-24558号公報記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
これらは単独または複数の組み合わせで使用することが可能であり、硬化物に求める特性に応じて、任意に混合使用が可能であり、これらの光重合開始剤(B)を用いる場合の使用量は、重合性組成物の総量100質量部に対して0.01~50質量部の範囲で含有され、0.1~10質量部の範囲で含有されるのが好ましい。
更に、活性エネルギー線重合開始剤(B)の性能を向上させるために、活性エネルギー線増感剤を併用しても良い。活性エネルギー線増感剤としては、代表的なものを例記すれば、ベンゾフェノン誘導体、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン誘導体、ベンジルやカンファーキノンなどに代表される1,2-ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ-ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体などが挙げられ、その他さらに具体例には大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す色素や増感剤が挙げられ、これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。
上記、増感剤の中でチオキサントン誘導体としては、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン等を挙げることができ、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4,4’-ジメチルベンゾフェノン、4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができ、クマリン類としては、クマリン1、クマリン338、クマリン102等を挙げることができ、ケトクマリン類としては、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノクマリン)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
<色材(C)>
本発明に用いる重合性組成物は、上記成分に加えて、色材(C)を含有しても良い。本明細書において、色材(C)は、染料や顔料が分散された材料の総称である。色材(C) を使用することによって、含有される染料や顔料によって、意匠性だけで無く、熱特性、電気特性、あるいは光学特性等の様々な機能性を付与することが可能となる。
色材(C)は、染料や顔料を分散樹脂で高濃度に分散させて使用される。このような染料や顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料または有彩色の有機顔料や染料が使用できる。
例えば、有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、
リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、
アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系有機顔料、
キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系有機顔料、
ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系有機顔料、
イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系有機顔料、
ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、
キノフタロンエローなどのキノフタロン系有機顔料、
イソインドリンエローなどのイソインドリン系有機顔料、
その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等の有機顔料類が挙げられる。
例えば、染料としては、アゾ系染料、ローダミン系染料、キノリン系染料、チアジン系染料、チアゾール系染料、キサンテン系染料、ニグロシン染料等が挙げられる。
これら色素誘導体であれば、特に問題無く使用できる。
色材(C)のうち、分散樹脂としては、一般的なアクリル系樹脂が使用され、場合によっては界面活性剤や上記の化合物(A)等も併用使用される。上記アクリル系樹脂は、ラジカル重合可能な骨格やカチオン重合可能な骨格を有しておらず、化合物(A)には含まれない。分散樹脂は、染料や顔料100質量部に対し、不揮発分換算で10~60質量部の範囲で使用する事が好ましい。また、化合物(A)を併用使用する場合には、染料や顔料100質量部に対し、不揮発分換算で100~800質量部の範囲で使用する事が好ましい。
染料や顔料の分散安定化のために、必要に応じて極性樹脂を使用することも可能である。
このような極性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸-(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、酢酸ビニル-クロトン酸共重合体、酢酸ビニル-(メタ)アクリル酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸-マレイン酸共重合体、ポリイタコン酸等の親水性のビニル系共重合体樹脂;
例えば、多価カルボン酸とポリオールの重縮合反応により得られるポリエステル樹脂であり、極性基の導入により樹脂全体が極性/非極性のバランスをとられたポリエステル樹脂;
メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、エチルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボシキメチルスセルロース、アルカリ金属カルボキシメチルセルロース、アルカリ金属セルロース硫酸塩、セルロースグラフト重合体等のセルロース誘導体;
ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等のポリペプチド類;
長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ステアリルアミンアセテート等のアミドエステル塩;
等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
分散樹脂として市販されている極性樹脂としては、例えば、アビシア社製「Anti-Terra-U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti-Terra-203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk-101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK-P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレン TG-710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH-290、SP-1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS-860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
<添加剤(D)>
本発明に用いる重合性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で有れば、前記したような成分の他に各種添加剤(D)を適宜配合することが可能である。例えば、重合硬化収縮率低減、熱膨張率低減、寸法安定性向上、弾性率向上、粘度調整、熱伝導率向上、強度向上、靭性向上、着色向上等の観点から有機又は無機の充填剤を配合できる。このような充填剤としては、ポリマー、セラミックス、金属、金属酸化物、金属塩等を用いることができ、形状については粒子状、繊維状等特に限定されない。なお、上記ポリマーの配合に当っては、柔軟性付与剤、可塑剤、難燃化剤、保存安定剤、チクソトロピー付与剤、分散安定剤、流動性付与剤、消泡剤等、充填剤としてではなくポリマーブレンド、ポリマーアロイとして、重合性組成物中に溶解、半溶解又はミクロ分散させることも可能である。
<活性エネルギー線重合性組成物の製造>
本発明に用いる重合性組成物は、必要に応じて、上記、化合物(A)、開始剤(B)、色材(C)、その他の各種添加剤(D)を配合後、均一に混合することによって製造することができる。
重合性組成物を攪拌・混合する際には、減圧装置を備えた1軸または多軸エクストルーダー、ニーダー、ディソルバーのような汎用の機器を使用し、攪拌・混合することにより調製してもよい。攪拌・混合する際の温度は、通常、10~60℃に設定されるのが好ましい。
本発明に用いる重合性組成物は、液状、ペースト状及びフィルム状のいずれの形態でも使用することができる。
なお、本発明における重合性組成物は、実質的に有機溶剤を含まないことが好ましいが、有機溶剤を含有することも可能である。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサン、トルエン、キシレンその他の炭化水素系溶媒等の有機溶剤や、水をさらに添加して、重合性組成物の粘度を調整することもできるし、重合性組成物を加熱して粘度を低下させることもできる。
本発明に用いる重合性組成物を印字や塗布する基材は、ガラス、プラスチック、金属及び紙からなる群から適宜選択することができる。さらに、複数の基材から構成される複合基材も選択することができる。これらの基材は、板、フィルム、紙のように平坦な形状のものでもよいし、立体的な形状のものでもよい。プラスチック製のフィルムとしては、透明であるものが好ましい。
プラスチックの基材としては、たとえば、ポリエステル系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリアクリル系ポリマー等の透明ポリマーが挙げられる。ポリエステル系ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。セルロース系ポリマーとしては、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。ポリアクリル系ポリマーとしては、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
プラスチックの基材として、ポリスチレン系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、ポリ塩化ビニル系ポリマー、及びポリアミド系ポリマー等の透明ポリマーも挙げられる。ポリスチレン系ポリマーとしては、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体ポリマー等が挙げられる。ポリオレフィン系ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィンポリマー、エチレン・プロピレン共重合体ポリマー等が挙げられる。ポリアミド系ポリマーとしては、ナイロンや芳香族ポリアミドポリマー等が挙げられる。
本発明の硬化物製造方法では、加熱工程を経ないので耐熱性の低いフィルムも利用が可能であり、使用する基板に特に制限はない。耐熱性の低いフィルムとしてはたとえば、ポリエチレン、硬質塩化ビニールシート等が挙げられる。
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。また、特に断りのない限り、実施例および比較例中、「部」および「%」は、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
<色材(C)分散体の製造>
[製造例1、2]
活性エネルギー線重合性組成物と分散樹脂とを攪拌し、分散樹脂が完全に溶解したことを確認した後、顔料を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで攪拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約2時間分散して製造した。製造した色材(C)の分散体(顔料分散体)の配合(数値は質量部を表す)を表1に示す。表1において、空欄は、配合なしを意味している。
Figure 0007056413000001
<実施例>
[実施例1~18][比較例1~8]
<重合性組成物の製造>
[配合例1~11]
酸素濃度が10%以下に置換された遮光された300mlのガラス瓶に、活性エネルギー線重合性組成物を表2に示す比率で仕込み、攪拌機にて十分に攪拌を行い、十分に脱泡を行った後、配合例に示す重合性組成物を得た。尚、表2において、空欄は、配合なしを表す。表2で使用した略号の説明を、表3に示す。
Figure 0007056413000002
Figure 0007056413000003
<重合性組成物および硬化物の評価>
表2に示した重合性組成物について、以下の方法で硬化物を製造するとともに、硬化速度、膜質量減少率を測定し、評価を行った。評価結果を表4に示す。硬化物の製造は全て、温度23℃、湿度70%の環境で行っており、露点は17度である。
[実施例1~11]
《硬化速度》
アプリケータを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に重合性組成物を塗布膜厚が5μm厚となるように塗布し、塗布後のPETフィルムを液体窒素中に1分間浸漬することで-40℃に冷却し、塗工物表面に空気中の水分が凝固した状態で、ベルトコンベア式の紫外線照射装置(メタルハライドランプ100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード9m/分で0.1J/cm2(波長 :365nm)の紫外線を照射した。照射後の硬化物の表面を指触により、べたつきがなくなるまで照射を繰り返し、べたつきがなくなるまでの照射回数の合計を測定することにより硬化速度を以下の4段階で評価した。べたつきがなくなるまでの照射回数の合計が少ないほど硬化性が良好であると判断できる。評価「×」以外であれば、実際の使用時に特に問題ない。
◎:1~3回。 全く問題なし。
○:4~6回。 問題なし。
△:7~9回。 実用上、使用可。
×:10回以上。実用上、問題あり。
《膜質量減少率》
アプリケータを用いて、PETフィルム上に重合性組成物を塗布膜厚が5μm厚となるように塗布し、塗布物の質量を電子天秤にて測定した。塗布後のPETフィルムを液体窒素中に1分間浸漬することで-40℃に冷却し、塗工物表面に空気中の水分が凝固した状態で、ベルトコンベア式の紫外線照射装置(メタルハライドランプ100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード9m/分で0.6J/cm2(波長 :365nm)の紫外線を照射した。照射後の硬化物質量を測定し、冷却・硬化前後の質量減少を以下の3段階で評価した。評価「×」以外であれば、実際の使用時に特に問題ない。
◎:0%。 全く問題なし。
△:0%超過15%未満。実用上、使用可。
×:15%以上。実用上、問題あり。
[実施例12~15]
《硬化速度》
アプリケータを用いて、PETフィルム上に重合性組成物を塗布膜厚が5μm厚となるように塗布し、塗布後のPETフィルムを庫内温度-15℃の冷凍庫中に1分間静置し、塗工物表面に空気中の水分が凝固した状態で、ベルトコンベア式の紫外線照射装置(メタルハライドランプ100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード9m/分で0.1J/cm2(波長 :365nm)の紫外線を照射した。照射後の硬化物の表面を指触により、べたつきがなくなるまで照射を繰り返し、べたつきがなくなるまでの照射回数の合計を測定することにより硬化速度を以下の4段階で評価した。べたつきがなくなるまでの照射回数の合計が少ないほど硬化性が良好であると判断できる。評価「×」以外であれば、実際の使用時に特に問題ない。
◎:1~3回。 全く問題なし。
○:4~6回。 問題なし。
△:7~9回。 実用上、使用可。
×:10回以上。実用上、問題あり。
《膜質量減少率》
アプリケータを用いて、PETフィルム上に重合性組成物を塗布膜厚が5μm厚となるように塗布し、塗布物の質量を測定した。塗布後のPETフィルムを庫内温度-15℃の冷凍庫中に1分間静置し、塗工物表面に空気中の水分が凝固した状態で、ベルトコンベア式の紫外線照射装置(メタルハライドランプ100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード9m/分で0.6J/cm2(波長 :365nm)の紫外線を照射した。照射後の硬化物質量を測定し、冷却・硬化前後の質量減少を以下の3段階で評価した。評価「×」以外であれば、実際の使用時に特に問題ない。
◎:0%。 全く問題なし。
△:0%超過15%未満。実用上、使用可。
×:15%以上。実用上、問題あり。
[実施例16]
《硬化速度》
アプリケータを用いて、PETフィルム上に重合性組成物を塗布膜厚が5μm厚となるように塗布し、塗布後のPETフィルムを庫内温度2℃の冷蔵庫中に1分間静置し、塗工物表面に空気中の水分が結露した状態で、ベルトコンベア式の紫外線照射装置(メタルハライドランプ100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード9m/分で0.1J/cm2(波長 :365nm)の紫外線を照射した。照射後の硬化物の表面を指触により、べたつきがなくなるまで照射を繰り返し、べたつきがなくなるまでの照射回数の合計を測定することにより硬化速度を以下の4段階で評価した。べたつきがなくなるまでの照射回数の合計が少ないほど硬化性が良好であると判断できる。評価「×」以外であれば、実際の使用時に特に問題ない。
◎:1~3回。 全く問題なし。
○:4~6回。 問題なし。
△:7~9回。 実用上、使用可。
×:10回以上。実用上、問題あり。
《膜質量減少率》
アプリケータを用いて、PETフィルム上に重合性組成物を塗布膜厚が5μm厚となるように塗布し、塗布物の質量を測定した。塗布後のPETフィルムを庫内温度2℃の冷蔵庫中に1分間静置し、塗工物表面に空気中の水分が結露した状態で、ベルトコンベア式の紫外線照射装置(メタルハライドランプ100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード9m/分で0.6J/cm2(波長 :365nm)の紫外線を照射した。照射後の硬化物質量を測定し、冷却・硬化前後の質量減少を以下の3段階で評価した。評価「×」以外であれば、実際の使用時に特に問題ない。
◎:0%。 全く問題なし。
△:0%超過15%未満。実用上、使用可。
×:15%以上。実用上、問題あり。
[実施例17~18]
《硬化速度》
アプリケータを用いて、ポリエチレン(PE)フィルム上に重合性組成物を塗布膜厚が5μm厚となるように塗布し、塗布後のPEフィルムを液体窒素中に1分間浸漬することで-40℃に冷却し、塗工物表面に空気中の水分が凝固した状態で、ベルトコンベア式の紫外線照射装置(メタルハライドランプ100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード9m/分で0.1J/cm2(波長 :365nm)の紫外線を照射した。照射後の硬化物の表面を指触により、べたつきがなくなるまで照射を繰り返し、べたつきがなくなるまでの照射回数の合計を測定することにより硬化速度を以下の4段階で評価した。べたつきがなくなるまでの照射回数の合計が少ないほど硬化性が良好であると判断できる。評価「×」以外であれば、実際の使用時に特に問題ない。
◎:1~3回。 全く問題なし。
○:4~6回。 問題なし。
△:7~9回。 実用上、使用可。
×:10回以上。実用上、問題あり。
《膜質量減少率》
アプリケータを用いて、PE上に重合性組成物を塗布膜厚が5μm厚となるように塗布し、塗布物の質量を測定した。塗布後のPEフィルムを液体窒素中に1分間浸漬することで-40℃に冷却し、塗工物表面に空気中の水分が凝固した状態で、ベルトコンベア式の紫外線照射装置(メタルハライドランプ100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード9m/分で0.6J/cm2(波長 :365nm)の紫外線を照射した。照射後の硬化物質量を測定し、冷却・硬化前後の質量減少を以下の3段階で評価した。評価「×」以外であれば、実際の使用時に特に問題ない。
◎:0%。 全く問題なし。
△:0%超過15%未満。実用上、使用可。
×:15%以上。実用上、問題あり。
[比較例1~3]
《硬化速度》
アプリケータを用いて、PETフィルム上に重合性組成物を塗布膜厚が5μm厚となるように塗布し、ベルトコンベア式の紫外線照射装置(メタルハライドランプ100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード9m/分で0.1J/cm2(波長 :365nm)の紫外線を照射した。照射後の硬化物の表面を指触により、べたつきがなくなるまで照射を繰り返し、べたつきがなくなるまでの照射回数の合計を測定することにより硬化速度を以下の4段階で評価した。べたつきがなくなるまでの照射回数の合計が少ないほど硬化性が良好であると判断できる。評価「×」以外であれば、実際の使用時に特に問題ない。
◎:1~3回。 全く問題なし。
○:4~6回。 問題なし。
△:7~9回。 実用上、使用可。
×:10回以上。実用上、問題あり。
《膜質量減少率》
アプリケータを用いて、PETフィルム上に重合性組成物を塗布膜厚が5μm厚となるように塗布し、塗布物の質量を測定した。ベルトコンベア式の紫外線照射装置(メタルハライドランプ100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード9m/分で0.6J/cm2(波長 :365nm)の紫外線を照射した。照射後の硬化物質量を測定し、硬化前後の質量減少を以下の3段階で評価した。評価「×」以外であれば、実際の使用時に特に問題ない。
◎:0%。 全く問題なし。
△:0%超過15%未満。実用上、使用可。
×:15%以上。実用上、問題あり。
[比較例4~8]
《硬化速度》
アプリケータを用いて、PETフィルム上に重合性組成物を塗布膜厚が5μm厚となるように塗布し、塗布後のPETフィルムを深さ5mm、0.3℃の氷水中に浸漬した状態で、ベルトコンベア式の紫外線照射装置(メタルハライドランプ100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード9m/分で0.1J/cm2(波長 :365nm)の紫外線を照射した。照射後、硬化物についた水滴をふき取った後、硬化物の表面を指触によりべたつきがなくなるまで照射を繰り返し、べたつきがなくなるまでの照射回数の合計を測定することにより硬化速度を以下の4段階で評価した。べたつきがなくなるまでの照射回数の合計が少ないほど硬化性が良好であると判断できる。評価「×」以外であれば、実際の使用時に特に問題ない。
◎:1~3回。 全く問題なし。
○:4~6回。 問題なし。
△:7~9回。 実用上、使用可。
×:10回以上。実用上、問題あり。
-:硬化物が得られず、測定不可能。実用上、問題あり。
《膜質量減少率》
アプリケータを用いて、PETフィルム上に重合性組成物を塗布膜厚が5μm厚となるように塗布し、塗布物の質量を測定した。塗布後のPETフィルムを深さ5mm、0.3℃の氷水中に浸漬した状態で、ベルトコンベア式の紫外線照射装置(メタルハライドランプ100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード9m/分で0.6J/cm2(波長 :365nm)の紫外線を照射した。照射後、硬化物についた水滴をふき取った後、硬化物質量を測定し、硬化前後の質量減少を以下の3段階で評価した。評価「×」以外であれば、実際の使用時に特に問題ない。
◎:0%。 全く問題なし。
△:0%超過15%未満。実用上、使用可。
×:15%以上。実用上、問題あり。
Figure 0007056413000004
表4において、「硬化速度」は重合速度を評価している。重合速度が遅く、未反応の二重結合が組成物中に多く存在すると、光照射後にも膜にべたつきが残る。「膜質量減少率」は硬化物製造中の塗工物の質量減少率を評価している。
本発明の製造方法にて重合硬化させた場合は、表4に示すように優れた硬化速度を示し、かつ膜質量減少も全く起きなかった(実施例1~18)。これに対して、本発明以外の製造方法にて重合硬化させた場合は、冷却工程を経ずに硬化させた場合は硬化速度が遅く(比較例1~3)、冷却水に浸漬させて硬化させた場合は膜質量減少が生じ(比較例4~8)、使用困難であることがわかる。特に親水基を有するモノマーや粘度の低いモノマーを用いた場合、水中に塗工物が溶出し、硬化物を得るのが困難であった(比較例4、5、7、8)。

Claims (2)

  1. 活性エネルギー線重合性組成物を基材に塗布した塗工物に、活性エネルギー線を照射して硬化物を形成する硬化物の製造方法であり、塗工物を露点以下かつ0℃以下に冷却し、表面に空気中の水分を凝固させた状態で活性エネルギー線を照射することを特徴とする硬化物の製造方法。
  2. 塗工物を液化ガスに漬けるまたは晒すことによって露点以下かつ-30℃以下に冷却し、表面に空気中の水分を凝固させた状態で活性エネルギー線を照射することを特徴とする、請求項1記載の硬化物の製造方法。
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