JP2021011557A - 活性エネルギー線重合性組成物および重合性化合物 - Google Patents

活性エネルギー線重合性組成物および重合性化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、活性エネルギー線照射による顕著な高速重合を示し、かつ保存安定性が良好であるだけでなく、黒色色材を含んだ場合も高速重合性に優れた、分子内部に長鎖アルキル構造を有する重合性化合物およびそれを含んでなる活性エネルギー線重合性組成物を提供することを目的とする。また、該組成物の硬化物を提供することを目的とする。【解決手段】上記課題は、一般式(1)で表される重合性化合物(A)と、活性エネルギー線重合開始剤(B)とを含有してなる活性エネルギー線重合性組成物によって、解決される。また、前記重合性化合物(A)以外の重合性化合物(C)をさらに含む活性エネルギー線重合性組成物によって、解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、活性エネルギー線重合性組成物およびその硬化物ならびにそれらを得るための化合物に関する。
活性エネルギー線重合技術は、その速い重合速度、一般に無溶剤であることによる良好な作業性、省エネルギー化等の利点を有しているため、建築材料、包装材料、印刷材料、表示材料、電気電子部品材料、光学デバイス、ディスプレイなどの分野において、その利用分野は拡大傾向にある。
上記の活性エネルギー線重合組成物には、良好な光硬化性を有することが要求されるが、多くの用途において、酸素に起因する硬化阻害により、硬化が不十分となり、要求される膜物性を達成できないことが最大の課題となっている。
酸素による硬化阻害の抑制方法に関しては、様々な研究機関により検討がなされており、1)開始剤の濃度を高くさせる方法、2)添加剤を使用する方法、3)物理的に酸素を遮断する方法が知られている。
開始剤の濃度を高くする方法は、重合反応中に酸素阻害を受けても、重合に寄与できるラジカル量を確保することが可能となる。しかしながら、重合後の硬化塗膜中に残留する開始剤やその分解物等の滲み出しや揮発による臭気、黄変が問題となる。
添加剤による酸素阻害を抑制する方法として、リン化合物、イオウ化合物(チオール、ジスルフィド等)(特許文献1)が知られている。リン化合物は酸素原子を捕捉することで酸素阻害を抑制するが、その有効性は添加後24時間程度に限られ、保存安定性に課題がある。イオウ化合物は連鎖移動により不活性ラジカルから活性ラジカルを生成することで酸素阻害を抑制する。しかしながら、チオールに代表されるイオウ化合物は強い臭気があり、作業環境の悪化が問題となる。また、イオウ化合物はラジカル重合性化合物と混合すると、経時で付加重合反応(ゲル化)を起こす等、保存安定性にも課題がある。
また、添加剤を使用せずに、物理的な酸素の遮断により重合阻害を抑制する方法として不活性ガスやポリビニルアルコール層や水層の利用が知られている。不活性ガスを使用する方法では装置が大型であるため初期投資が大きいという問題があった。また、特許文献2に開示されているポリビニルアルコール層を利用する方法では、アルカリ溶液での処理が必要となるため、製造工程が増えてしまうという問題があった。したがって、簡便な製造工程で硬化阻害抑制による高感度化と膜物性の維持を両立するには至っていないのが現状である。
さらに、硬化物が色材、特に黒色色材を含んだ場合、紫外線等の活性エネルギー線の大部分が顔料に吸収されるため、硬化が不十分となり、要求される膜物性を達成できないことが課題となっている。このような背景に対して、光硬化と湿気硬化を組み合わせることにより黒色硬化膜中での反応を進行させる方法が知られているが、保存安定性と硬化性の両立に課題がある。また、特許文献3に開示されている黒色顔料として銅の酸化物と、他の鉄等の金属酸化物からなる材料を用いる方法では、光重合性モノマー及び光重合開始剤と混合しておくと、ゲル化してしまい保存安定性に課題がある。したがって、硬化物が黒色色材を含んだ場合も、保存安定性と硬化速度を両立するには至っていないのが現状である。
特開昭64−13144号公報 特開2006−146061号公報 特開平9−160243号公報
本発明の目的は、活性エネルギー線照射による顕著な高速重合を示し、かつ保存安定性が良好であるだけでなく、黒色色材を含んだ場合も高速重合性に優れた、分子内部に長鎖アルキル構造を有する重合性化合物およびそれを含んでなる活性エネルギー線重合性組成物を提供することにある。また、該組成物の硬化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、分子内部に長鎖アルキル構造を有する重合性化合物を用いた活性エネルギー線重合性組成物が、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の実施態様は、下記一般式(1)で表される重合性化合物(A)と、活性エネルギー線重合開始剤(B)とを含有してなる活性エネルギー線重合性組成物に関する。
一般式(1)
一般式(1)中、R、Rは、それぞれ独立に酸素原子、あるいは−NH−結合基を表す。また、mは2、4の整数を表し、nは16、18の整数を表す。ただし、RおよびRが酸素原子であるとき、m+nの値は、20または22である。
請求項1記載の重合性化合物(A)以外の重合性化合物(C)をさらに含む、請求項1に記載の活性エネルギー線重合性組成物に関する。
さらに、色材(D)を含む請求項1または2記載の重合性組成物に関する。
請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線重合性組成物を硬化して得られる硬化物に関する。
前記一般式(1)で表される重合性化合物に関する。
本発明により、活性エネルギー線照射により顕著な高速重合を示し、かつ保存安定性が良好であるだけでなく、黒色色材を含んだ場合も高速重合性に優れた、分子内部に長鎖アルキル構造を有する重合性化合物を含んでなる活性エネルギー線重合性組成物を提供することが出来た。
図1は、合成例1で得られた化合物(1−1)のH−NMRスペクトルである。
図2は、合成例8で得られた化合物(1−8)のH−NMRスペクトルである。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、及び「(メタ)アクリロイルオキシ」とは、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、並びに「アクリロイルオキシ及び/又はメタクリロイルオキシ」を表すものとする。また、「活性エネルギー線重合性組成物」は「重合性組成物」、「活性エネルギー線重合開始剤(B)」は「重合開始剤(B)」と、それぞれ略記することがある。
本発明は、一般式(1)で表される重合性化合物(A)である。または、本発明は、活性エネルギー線重合性組成物であって、一般式(1)で表される重合性化合物(A)と、活性エネルギー線重合開始剤(B)とを含有してなることを特徴とする。
ここで、「活性エネルギー線」とは、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、及び放射線を含む、化学反応を生じさせるための活性化に必要なエネルギーを提供できる、広義のエネルギー線を意味する。特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、上記活性エネルギー線は、紫外線を含む光エネルギー線であることが好ましい。
<一般式(1)で表される重合性化合物(A)>
一般式(1)で表される重合性化合物(A)は、分子内部に長鎖アルキル構造を持つことを特徴とする重合性化合物である。長鎖アルキル構造により分子間相互作用を生じ、色材の有無によらず、硬化速度の向上、保存安定性の向上に寄与する。
一般式(1)
一般式(1)中、R、Rは、それぞれ独立に酸素原子、あるいは−NH−結合基を表す。また、mは2、4の整数を表し、nは16、18の整数を表す。ただし、RおよびRが酸素原子であるとき、m+nの値は、20または22である。
重合性化合物(A)は、長鎖アルキル構造を有するジカルボン酸(E)と、水酸基を有するアクリル酸(F―1)もしくは、アミノ基を有するアクリル酸(F―2)との反応生成物である。なお、水酸基を有するアクリル酸(F―1)およびアミノ基を有するアクリル酸(F―2)をアクリル酸(F)と総称する。
長鎖アルキル構造を有するジカルボン酸(E)としては、具体的には、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、が挙げられる。
水酸基を有するアクリル酸(F―1)としては、具体的にはアクリル酸2―ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルが挙げられる。
アミノ基を有するアクリル酸(F―2)としては、具体的にはアクリル酸2−アミノエチル、アクリル酸4−アミノブチルが挙げられる。
前記重合性化合物(A)を製造させる際における長鎖アルキル構造を有するジカルボン酸(E)、アクリル酸(F)の量比は、特に限定されるものではないが、脱水反応の後に未反応のカルボン酸基が残存しにくいという点で、アクリル酸(F)中の水酸基もしくはアミノ基のモル数の合計が、長鎖アルキル構造を有するジカルボン酸(E)のカルボン酸基1モルに対して、0.5〜1.5モルとなる量であることが好ましく、0.8〜1.2 モルとなる量であることがより好ましい。
前記重合性化合物(A)は、後述する重合性化合物(C)と合わせた重合性化合物の総量(A+C)100質量部中30〜100質量%で含有され、50〜100質量%で含有されるのが好ましい。
<活性エネルギー線重合開始剤(B)>
本発明の重合性組成物は、各種活性化エネルギー線の照射によって重合反応が進行し、硬化可能である。本発明の一実施形態において、上記活性化エネルギーは紫外線であることが好ましく、本発明の重合性組成物は、活性エネルギー線重合開始剤(B)を含む。
活性エネルギー線重合開始剤(B)としては、従来公知の重合開始剤を用いることが可能である。具体的には、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン類;
その他フェニルグリオキシリックメチルエステル等が挙げられる。
より具体的には、Omnirad651、Omnirad184、Omnirad1173、Omnirad500、Omnirad1000、Omnirad2959、Omnirad907、Omnirad369E、Omnirad379EG、Omnirad1700、Omnirad819、Omnirad784(IGM Resins社製)、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアーOXE−01、イルガキュアーOXE−02(BASF社製)、アデカオプトマーN1414、アデカオプトマーN1717、Esacure1001M(Lamberti社製)、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報ならびに特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号公報ならびに特開昭61−243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭47−1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物公報、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報ならびに特公昭45−9610号公報記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号公報、特開昭59−140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2−157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号公報ならびに特開昭60−202437号公報記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5−255347号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開昭54−99185号公報、特開昭63−264560号公報ならびに特開平10−29977記載のアミノケトン化合物、特開2001−264530号公報、特開2001−261761号公報、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166、特開2008−094770、特開2009−40762、特開2010−15025、特開2010−189279、特開2010−189280公報、特表2010−526846、特表2010−527338、特表2010−527339、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)ならびに特開昭61−24558号公報記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
これらは単独または複数の組み合わせで使用することが可能であり、硬化物に求める特性に応じて、任意に混合使用が可能であり、重合性化合物の総量100質量部に対して0.01から20質量%の範囲で含有され、0.1〜10質量%の範囲で含有されるのが好ましい。
更に、活性エネルギー線重合開始剤(B)の性能を向上させるために、活性エネルギー線増感剤を併用しても良い。活性エネルギー線増感剤としては、代表的なものを例記すれば、ベンゾフェノン誘導体、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン誘導体、ベンジルやカンファーキノンなどに代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体などが挙げられ、その他さらに具体例には大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す色素や増感剤が挙げられ、これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。
上記、増感剤の中でチオキサントン誘導体としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができ、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができ、クマリン類としては、クマリン1、クマリン338、クマリン102等を挙げることができ、ケトクマリン類としては、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
<重合性化合物(C)>
本発明の活性エネルギー線重合性組成物は、前記重合性化合物(A)以外の重合性化合物(C)を使用しても良い。重合性化合物(C)は、分子中に重合可能な骨格を少なくとも一つ以上を有する化合物を意味する。また、これらは、いずれも常温、常圧で液体ないし固体のモノマー、オリゴマーないしポリマーの化学形態を持つものである。
このような重合性化合物(C)の例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸およびそれらの塩、エステル、酸アミドや酸無水物があげられ、さらには、ウレタンアクリレート、アクリロニトリル、スチレン誘導体、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ポリウレタンなどがあげられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なかでも、ラジカル重合により高速硬化が可能な(メタ)アクリル酸が好ましい。
以下に、本発明におけるラジカル重合性化合物(C)の具体例を挙げる。
アクリレート類の例:
単官能アルキルアクリレート類の例:
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート。
単官能含ヒドロキシアクリレート類の例:
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート。
単官能含ハロゲンアクリレート類の例:
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加アクリレート。
単官能含エーテル基アクリレート類の例:
2−メチルオキシエチルアクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ブチルオキシエチルアクリレート、メチルオキシトリエチレングリコールアクリレート、メチルオキシポリエチレングリコール#400アクリレート、メチルオキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルオキシトリプロピレングリコールアクリレート、メチルオキシポリプロピレングリコールアクリレート、エチルオキシジエチレングリコールアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、クレジルポリエチレングリコールアクリレート、p−ノニルフェノキシエチルアクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、グリシジルアクリレート。
単官能含カルボキシルアクリレート類の例:
β−カルボキシエチルアクリレート、こはく酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能アクリレート類の例:
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、モルホリノエチルアクリレート、トリメチルシロキシエチルアクリレート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート。
二官能アクリレート類の例:
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート、ポリエチレングリコール#300ジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル)エーテル、ビス(4−アクリロキシポリエチルオキシフェニル)プロパン、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノベンゾエート、ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、水素化ビスフェノールAジアクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、PO変性ビスフェノールFジアクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート。
三官能アクリレート類の例:
グリセリンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレートトリプロピオネート。
四官能以上のアクリレート類の例:
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルテトラアクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)ホスフェート。
メタクリレート類の例:
単官能アルキルメタクリレート類の例:
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート。
単官能含ヒドロキシメタクリレート類の例:
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート。
単官能含ハロゲンメタクリレート類の例:
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加メタクリレート。
単官能含エーテル基メタクリレート類の例:
2−メチルオキシエチルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ブチルオキシエチルメタクリレート、メチルオキシトリエチレングリコールメタクリレート、メチルオキシポリエチレングリコール#400メタクリレート、メチルオキシジプロピレングリコールメタクリレート、メチルオキシトリプロピレングリコールメタクリレート、メチルオキシポリプロピレングリコールメタクリレート、エチルオキシジエチレングリコールメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、クレジルポリエチレングリコールメタクリレート、p−ノニルフェノキシエチルメタクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、グリシジルメタクリレート。
単官能含カルボキシルメタクリレート類の例:
β−カルボキシエチルメタクリレート、こはく酸モノメタクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能メタクリレート類の例:
ジメチルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、トリメチルシロキシエチルメタクリレート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート。
二官能メタクリレート類の例:
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#300ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)エーテル、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノベンゾエート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエチルオキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性ビスフェノールAジメタクリレート、水素化ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性ビスフェノールFジメタクリレート、PO変性ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメチロールジメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジメタクリレート。
三官能メタクリレート類の例:
グリセリンPO変性トリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリメタクリレート、1,3,5−トリメタクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレートトリプロピオネート。
四官能以上のメタクリレート類の例:
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、オリゴエステルテトラメタクリレート、トリス(メタクリロイルオキシ)ホスフェート。
アリレート類の例:
アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、イソシアヌル酸トリアリレート。
酸アミド類の例:
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン。
スチレン類の例:
スチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−メチルスチレン、p−メチルオキシスチレン、p−t−ブチルオキシスチレン、p−t−ブチルオキシカルボニルスチレン、p−t−ブチルオキシカルボニルオキシスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン。
他のビニル化合物の例:
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなど。
上記の重合性化合物(C)は、以下に示すメーカーの市販品として、容易に入手することができる。例えば、共栄社油脂化学工業(株)社製の「ライトアクリレート」、「ライトエステル」、「エポキシエステル」、「ウレタンアクリレート」および「高機能性オリゴマー」シリーズ、新中村化学(株)社製の「NKエステル」および「NKオリゴ」シリーズ、日立化成工業(株)社製の「ファンクリル」シリーズ、東亞合成化学(株)社製の「アロニックスM」シリーズ、大八化学工業(株)社製の「機能性モノマー」シリーズ、大阪有機化学工業(株)社製の「特殊アクリルモノマー」シリーズ、三菱レイヨン(株)社製の「アクリエステル」および「ダイヤビームオリゴマー」シリーズ、日本化薬(株)社製の「カヤラッド」および「カヤマー」シリーズ、(株)日本触媒社製の「アクリル酸/メタクリル酸エステルモノマー」シリーズ、日本合成化学工業(株)社製の「NICHIGO−UV紫光ウレタンアクリレートオリゴマー」シリーズ、信越酢酸ビニル(株)社製の「カルボン酸ビニルエステルモノマー」シリーズ、(株)興人社製の「機能性モノマー」シリーズなどが挙げられる。
また以下に示す環状化合物も重合性化合物(C)として挙げられる。
三員環化合物の例:
ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第17巻、3169頁(1979年)記載のビニルシクロプロパン類、マクロモレキュラー・ケミー・ラピッド・コミュニケーション(Makromol.Chem.Rapid Commun.)、第5巻、63頁(1984年)記載の1−フェニル−2−ビニルシクロプロパン類、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第23巻、1931頁(1985年)およびジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第21巻、4331頁(1983年)記載の2−フェニル−3−ビニルオキシラン類、日本化学会第50春期年会講演予稿集、1564頁(1985年)記載の2,3−ジビニルオキシラン類。
環状ケテンアセタール類の例:
ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第20巻、3021頁(1982年)およびジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第21巻、373頁(1983年)記載の2−メチレン−1,3−ジオキセパン、ポリマー・プレプレプリント(Polym.Preprints)、第34巻、152頁(1985年)記載のジオキソラン類、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第20巻、361頁(1982年)、マクロモレキュラー・ケミー(Makromol.Chem.)、第183巻、1913頁(1982年)およびマクロモレキュラー・ケミー(Makromol.Chem.)、第186巻、1543頁(1985年)記載の2−メチレン−4−フェニル−1,3−ジオキセパン、マクロモレキュルズ(Macromolecules)、第15巻、1711頁(1982年)記載の4,7−ジメチル−2−メチレン−1,3−ジオキセパン、ポリマー・プレプレプリント(Polym.Preprints)、第34巻、154頁(1985年)記載の5,6−ベンゾ−2−メチレン−1,3−ジオセパン。
さらに、重合性化合物(C)は、以下に示す文献に記載のものもあげることができる。例えば、山下晋三ら編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年、大成社)や加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」、(1985年、高分子刊行会)、ラドテック研究会編、赤松清編、「新・感光性樹脂の実際技術」、(1987年、シーエムシー)、遠藤剛編、「熱硬化性高分子の精密化」、(1986年、シーエムシー)、滝山榮一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)、ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、(2002年、シーエムシー)が挙げられる。
重合性化合物(C)は、一種のみ用いても、所望とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合したものを用いても構わない。
重合性化合物(C)は、重合性化合物(A+C)の総量100質量部中70質量%未満含有され、50質量%未満含有されるのが好ましい。
<色材(D)>
本発明の重合性組成物には、着色組成物として用いるために目的に応じて色材(D)を添加することが可能である。色材(D)としては、従来公知の顔料を用いることが可能である。また、所望の色相をえる目的で、耐熱性、耐候性を低下させない範囲で染料を含有してもよい。これらは所望の色濃度・色相を得るために、単独または2種以上を自由に混合して用いることができる。
顔料としては、例えば、有機顔料、無機顔料、又はカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等)を用いることができ、顔料は2種以上を混合して用いることができる。
有機顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ系顔料(例えば、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等)、フタロシアニン系顔料(例えば、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等)、アントラキノン系顔料(例えば、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等)、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、又は金属錯体系顔料等が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カーボンブラック、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、又はコバルトバイオレット等が挙げられる。
カーボンブラックとしては、例えば、デグサ社製「Special Black350、250、100、550、5、4、4A、6」「PrintexU、V、140U、140V、95、90、85、80、75、55、45、40、P、60、L6、L、300、30、3、35、25、A、G」、キャボット社製「REGAL400R、660R、330R、250R」「MOGUL E、L」、三菱化学社製「MA7、8、11、77、100、100R、100S、220、230」「#2700、#2650、#2600、#200、#2350、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750、#650、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#332、#30、#25、#20、#10、#5、CF9、#95、#260」等が挙げられる。
また、以下に、本発明の重合性組成物に使用可能な顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示す。
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、291、295、296等を挙げることができることができるがこれらに限定されるものではない。
黄色顔料では、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、192、193、194、196、198、199、213、214、231、233等が挙げられることができるがこれらに限定されるものではない。
オレンジ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、73等などを用いることができるがこれらに限定されるものではない。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、37、45、48、50、51、54、55、58、59、62、63などを挙げることができるがこれらに限定されない。
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50などを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
黒色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、6、7、12、20、31などを用いることができるがこれらに限定されるものでない。
これらの顔料は、2種以上を任意の割合にて混合して用いることができる。
これら顔料の含有量は、重合性化合物全量100質量部に対して、0.01〜100重量部であり、好ましくは1〜60重量部である。
顔料の粒子径は、用途によって適宜調整されるものであるが、可視光の吸収係数(スペクトルの適正さ)及び透明性の点から、可視光の波長に対して充分小さいことが好ましい。すなわち、顔料は、平均一次粒子径が0.5μm以下、特に0.3μm以下であることが好ましく、さらに0.1μm以下であることがより好ましい。なお、一次粒子径とは、最小単位の顔料粒子の直径をいい、電子顕微鏡で測定される。
顔料の一次粒子径は、既知の分散装置、例えば、サンドミル、ニーダー、2本ロール等を用いて適正な範囲内に制御することができる。
また、本発明の重合性組成物に顔料を添加する場合において、顔料の分散性および重合性組成物の保存安定性を向上させる目的で顔料誘導体や顔料分散剤を用いることができる。
ここで、顔料誘導体とは有機色素に置換基を導入した化合物である。有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないフタルイミド系、ナフタレン系、ナフトキノン系、アントラセン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。
顔料誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開平06−306301号公報、特開2001−220520号公報、特開2003−238842号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
顔料分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレン TG−710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000GR、32000、33000、39000、41000、53000」、日光ケミカル社製「ニッコール T106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、822、824」等が挙げられる。
上記顔料誘導体および顔料分散剤の添加量は特に限定されるものではないが、好ましくは顔料100重量部に対して0.1〜40重量部であり、より好ましくは0.1〜30重量部である。
所望の色相を得るために含有してもよい染料としては、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料などが挙げられる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11,C.I.アシッドオレンジ7,C.I.アシッドレッド37,C.I.アシッドレッド180,C.I.アシッドブルー29,C.I.ダイレクトレッド28,C.I.ダイレクトレッド83,C.I.ダイレクトイエロー12,C.I.ダイレクトオレンジ26,C.I.ダイレクトグリーン28,C.I.ダイレクトグリーン59,C.I.リアクティブイエロー2,C.I.リアクティブレッド17,C.I.リアクティブレッド120,C.I.リアクティブブラック5,C.I.ディスパースオレンジ5,C.I.ディスパースレッド58,C.I.ディスパースブルー165,C.I.ベーシックブルー41,C.I.ベーシックレッド18,C.I.モルダントレッド7,C.I.モルダントイエロー5,C.I.モルダントブラック7などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
アントラキノン系染料としては、例えば、C.I.バットブルー4,C.I.アシッドブルー40,C.I.アシッドグリーン25,C.I.リアクティブブルー19,C.I.リアクティブブルー49,C.I.ディスパースレッド60,C.I.ディスパースブルー56,C.I.ディスパースブルー60などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
この他、フタロシアニン系染料としては、例えばC.I.パッドブルー5などが、キノンイミン系染料としては、例えばC.I.ベーシックブルー3,C.I.ベーシックブルー9などが、キノリン系染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー33,C.I.アシッドイエロー3,C.I.ディスパースイエロー64などが、ニトロ系染料として、例えばC.I.アシッドイエロー1,C.I.アシッドオレンジ3,C.I.ディスパースイエロー42などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
これらの染料の含有量は、重合性化合物全量100質量部に対して、0.01〜100重量部であり、好ましくは1〜60重量部であるが、上述した通り、耐熱性や耐候性の観点から使用量が多くなりすぎることは好ましくない。
色材(D)は重合性化合物全量100質量部に対して、0.01〜100質量%含有することが好ましく、1〜60質量%含有することがより好ましい。
本発明の重合性組成物は、液状、ペースト状及びフィルム状のいずれの形態でも使用することができる。
なお、本発明における重合性組成物は、実質的に有機溶剤を含まないことが好ましいが、有機溶剤を含有することも可能である。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサン、トルエン、キシレンその他の炭化水素系溶媒等の有機溶剤や、水をさらに添加して、重合性組成物の粘度を調整することもできるし、重合性組成物を加熱して粘度を低下させることもできる。
本発明の重合性組成物には、上記に挙げた重合性化合物(A)、活性エネルギー線重合開始剤(B)、重合性化合物(C)、色材(D)、活性エネルギー線増感剤、有機溶剤以外にも目的に応じて添加物を添加することが可能である。例えば、印刷インキとして用いるために樹脂、重合禁止剤、レべリング剤、酸化防止剤、無機微粒子などを添加することが可能である。また、カラーフィルター用レジストとして用いるために、アルカリ可溶性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、レべリング剤、酸化防止剤、無機微粒子などを添加することが可能である。
<色材(D)分散体の製造>
色材(D)の分散体は、重合性化合物及び/又は溶剤中に、顔料分散剤や分散助剤(色素誘導体や界面活性剤)と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。このとき、2種以上の色材(D)を同時に分散しても良いし、別々に分散したものを混合しても良い。染料等、色材(D)の溶解性が高い場合、具体的には使用する重合性化合物及び/又は溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
<活性エネルギー線重合性組成物の製造>
本発明の重合性組成物は、一般式(1)で表される重合性化合物(A)および活性エネルギー線重合開始剤(B)を必須成分とし、更に必要に応じて、重合性化合物(C)、色材(D)および/またはその分散体、有機溶剤を配合後、均一に混合することによって製造することができる。
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。また、特に断りのない限り、実施例および比較例中、「部」および「%」は、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
実施例中のH−NMR測定はすべて、JEOL社製のJNM−ECX400Pを用いて重水素化クロロホルム(クロロホルム―d)中で行った。
<一般式(1)で表される重合性化合物(A)の合成>
実施例1:化合物(1−1)の合成
攪拌機、温度計を備えた反応容器中で、ジカルボン酸(E)としてオクタデカン二酸0.05モル、脱水縮合剤として1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)0.11モルをアセトニトリル200mlに溶解した。さらにアクリル酸(F)としてアクリル酸4―ヒドロキシブチル0.11モルを加えて60℃で6時間加熱した。酢酸エチル、水混合溶液で抽出し、酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過、溶媒除去し、目的の化合物(1−1)を取り出した。化合物(1−1)のH−NMRスペクトルを図1に示す。
<実施例2〜7:化合物(1−2)〜(1−7)の合成>
実施例1で使用したジカルボン酸(E)、アクリル酸(F)を、表1に示す種類に変更した以外は、実施例1と同様に化合物(1−2)〜(1−7)をそれぞれ合成した。得られた化合物(1−2)〜(1−7)はH−NMRで構造を確認した。
<実施例8:化合物(1−8)の合成>
攪拌機、温度計を備えた反応容器中で、ジカルボン酸(E)としてオクタデカン二酸0.05モル、脱水縮合剤として1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)0.06モルをアセトニトリル200mlに溶解した。さらにアクリル酸(F)としてアクリル酸2―ヒドロキシエチル0.06モルを加えて60℃で6時間加熱した。酢酸エチル、水混合溶液で抽出し、酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過、溶媒除去し、中間体(1−8’)を取り出した。中間体(1−8’)0.03モル、脱水縮合剤として1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)0.04モルをアセトニトリル200mlに溶解した。さらに2種類目のアクリル酸(F)としてアクリル酸2―アミノエチル0.03モルを加えて60℃で6時間加熱した。酢酸エチル、水混合溶液で抽出し、酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過、溶媒除去し、目的の化合物(1−8)を取り出した。化合物(1−8)のH−NMRスペクトルを図2に示す。
<実施例9〜11:化合物(1−9)〜(1−11)の合成>
実施例8で使用したジカルボン酸(E)、アクリル酸(F)を、表1に示す種類に変更した以外は、実施例8と同様に化合物(1−9)〜(1−11)をそれぞれ合成した。得られた化合物(1−9)〜(1−11)はH−NMRで構造を確認した。
表1中の略号は、それぞれ、2HEAはアクリル酸2―ヒドロキシエチル、4HBAはアクリル酸4―ヒドロキシブチル、2AEAはアクリル酸2−アミノエチル、4ABAはアクリル酸4−アミノブチルを表す。
<色材(D)分散体の作製>
まず、顔料と顔料分散剤と2−フェノキシエチルアクリレートとからなるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック顔料分散体を作製した。
<色材分散体(D−1)の作製>
色材分散体(D−1)の配合を表2に示す。2−フェノキシエチルアクリレートと顔料分散剤とを混合攪拌し、顔料分散剤が完全に溶解したことを確認した後、顔料を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで攪拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約2時間分散して色材分散体(D−1)を作製した。
<色材分散体(D−2)〜(D−4)の作製>
色材分散体(D−2)〜(D−4)について、表2に示す種類、配合比に変更した以外は、色材(D−1)分散体と同様の製造方法で、それぞれ色材分散体(D−2)〜(D−4)を作製した。
<活性エネルギー線重合性組成物の調製:実施例21〜41、比較例1〜5>
酸素濃度が10%以下に置換された遮光された300mlのガラス瓶に、表3に示す組成および配合比で、一般式(1)で表される重合性化合物(A)、その他重合性化合物(C)、重合開始剤(B)、リン化合物、色材分散体を仕込み、攪拌機にて十分に攪拌および脱泡を行い活性エネルギー線重合性組成物(X−1)〜(X−21)、比較用活性エネルギー線重合性組成物(CX−1)〜(CX−5)を得た。尚、表3において、空欄は、配合なしを表す。
表3中の略号を以下に示す。
LA:ラウリルアクリレート
NDDA:1,9−ノナンジオールジアクリレート
PEG#400DA:NKエステルA−400(新中村化学工業株式会社)
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド
Omnirad907:2―メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
TPP:トリフェニルホスフィン
<活性エネルギー線重合性組成物の評価>
表3に示した活性エネルギー線重合性組成物について、以下の方法で硬化速度、保存安定性の評価を行った。
<硬化速度試験:実施例21〜41、比較例1〜5>
80℃に加熱したホットプレート上で、アプリケータを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に活性エネルギー線重合性組成物を塗布膜厚が10μm厚となるように塗布し、塗布膜を作製した。塗工物をベルトコンベア式の紫外線照射装置(メタルハライドランプ100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード10m/分で0.2J/cm(波長 :365nm)の紫外線を照射した。照射後の硬化物の表面を指触により、べたつきがなくなるまで照射を繰り返し、硬化速度を以下の4段階で評価した。照射回数が少ないほど硬化性に優れている。
◎:1〜3回。
○:4〜6回。
△:7〜9回。(実施可能)
×:10回以上。(使用困難)
<保存安定性試験:実施例21〜41、比較例1〜5>
表3示した活性エネルギー線重合性組成物10mgを40℃に加熱し、1週間静置した後、エタノール10mLを添加し、1時間40℃で静置した。静置後、活性エネルギー線重合性組成物が可溶か不溶かを目視にて判断することで保存安定性を2段階で評価した。不要物の全く残っていない場合は溶解、一部でも不溶物が残っていた場合は不溶と判断した。
◎:溶解。
×:不溶。(使用困難)
本発明の活性エネルギー線重合性組成物を活性エネルギー線にて重合硬化させた場合は、表3に示すように硬化速度および保存安定性において優れた結果を示した(実施例21〜41)。特に、化合物(1−1)から(1−3)を使用した場合に、最も優れた結果を示した(実施例21、22、23)。また、色材分散体を混合した場合にも優れた硬化速度を示した(実施例38〜41)。これに対して、本発明以外の活性エネルギー線重合性組成物を活性エネルギー線にて重合硬化させた場合は、硬化速度が実施例よりも劣っており(比較例1、2、4、5)、リン化合物としてTPPを使用した場合には、保存安定性に課題があり(比較例3)、使用困難であることがわかった。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される重合性化合物(A)と、活性エネルギー線重合開始剤(B)とを含有してなる活性エネルギー線重合性組成物。

    一般式(1)

    (一般式(1)中、R、Rは、それぞれ独立に酸素原子、あるいは−NH−結合基を表す。また、mは2、4の整数を表し、nは16、18の整数を表す。ただし、RおよびRが酸素原子であるとき、m+nの値は、20または22である。)
  2. 請求項1記載の重合性化合物(A)以外の重合性化合物(C)をさらに含む、請求項1に記載の活性エネルギー線重合性組成物。
  3. さらに、色材(D)を含む請求項1または2記載の重合性組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線重合性組成物を硬化して得られる硬化物。
  5. 前記一般式(1)で表される重合性化合物。
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Title
AVCI,DUYGU ET AL.: "Synthesis and photopolymerization kinetics of new flexible diacrylate and dimethacrylate crosslinker", POLYMER, vol. 44, no. 4, JPN6023002294, 2003, pages 963 - 968, XP004401542, ISSN: 0004970429, DOI: 10.1016/S0032-3861(02)00899-6 *

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