JP5233614B2 - 樹脂組成物及びこれを用いた転写フィルム - Google Patents

樹脂組成物及びこれを用いた転写フィルム Download PDF

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本発明は、自動車部品、家電製品等の表面保護や表面意匠等を目的に使用されるインサート成型法による転写フィルム用の新規で有用な熱硬化性と光硬化性とを有する樹脂組成物及びこれを用いた転写フィルムに関するものである。
近年、光硬化性樹脂は、その作業性、生産性、硬化塗膜物性等により、塗料、インキ、接着剤分野等の各分野で用途が拡大している。例えば、自動車分野、家電分野、建材分野では、プラスチック基材に意匠性を付与したり、基材保護のため塗装やフィルムの貼付などによってプラスチック基材表面に光硬化樹脂を用いたハードコートが施されている。特に近年では、環境保全の観点から有機溶剤を排出しないフィルムの貼付による意匠性付与、基材保護の要求が高まっている。その中でインサート成型法によるフィルムの貼付、いわゆる転写フィルムによるプラスチック基材の意匠性付与、基材保護が広く行われるようになってきた。このような転写フィルムのハードコート剤には、転写時にはクラックを防止するために可とう性が要求され、転写して光硬化させた後には高硬度が要求される。しかしながら、従来から市販されている光硬化性のハードコード剤では、この可とう性と高硬度の相反する特性を両立することが非常に困難であった。そこで、熱可塑性樹脂と光硬化性成分を含有する光硬化性樹脂の技術が提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、この方法では、非架橋である熱可塑性樹脂を含有するため、転写時のクラック発生や、転写後に光硬化した際のハードコート性が十分満足するものとは言えなかった。こうした状況の中、硬化システムとして光硬化と熱硬化とを併用する方法も提案されつつある(例えば、特許文献2)。しかし、この方法では、耐擦り傷性は優れるもののブロッキング性に劣るという問題があった。
特許第2779590号公報 特許第3092513号公報
本発明は、前記の課題を解消し、転写フィルム作製時のブロッキング性、転写時の可とう性、及び転写、光硬化後の耐傷付性(耐擦り傷性)とを合わせもつ、極めて実用性の高い熱硬化性および光硬化性を有する樹脂組成物及びこれを用いた転写フィルムを提供するものである。
本発明は、[1]少なくともヒドロキシル基とカルボキシル基を有する重合体(A)、ポリイソシアネート(B)及び1分子中に3個以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するプレポリマー(C)を含有する樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[2]少なくともヒドロキシル基とカルボキシル基を有する重合体(A)が、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体とカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体とを含む重合性単量体混合物を共重合させて得られる重合体である上記[1]に記載の樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[3]少なくともヒドロキシル基とカルボキシル基を有する重合体(A)の水酸基価が5〜100mgKOH/g、酸価が2〜50mgKOH/g、重量平均分子量が30,000〜300,000、ガラス転移温度が60〜150℃である上記[1]又は[2]に記載の樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[4]さらに、光ラジカル開始剤(D)を含有してなる上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[5]上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の樹脂組成物を離型性基体フィルム上に塗布して得られる転写フィルムに関する。
本発明によれば、転写フィルム作製時のブロッキング性、転写時の可とう性、及び転写、光硬化後の耐傷付性に優れる熱硬化性および光硬化性を有する樹脂組成物が得られ、インサート成型法による転写フィルム用分野において非常に有用である。
本発明の樹脂組成物は、少なくともヒドロキシル基とカルボキシル基を有する重合体(A)、ポリイソシアネート(B)及び1分子中に3個以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するプレポリマー(C)を含有するものであり、これにより、熱硬化性および光硬化性を有し、本発明の諸特性を達成することができる。
本発明で用いる少なくともヒドロキシル基とカルボキシル基を有する重合体(A)は、塗膜特性が良好で、製造が容易な点から、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体と、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体とを含む重合性単量体混合物を重合して得られるものが好ましい。特に、アクリル酸及びその誘導体、並びにメタクリル酸及びその誘導体等のアクリル化合物を原料に用いて得られる重合体が、ブロッキング性の点で好ましい。
前記のヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体としては、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、それらのラクトン変性物等が挙げられる。アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のアルキル基の炭素数が1〜6のものが挙げられる。メタクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のアルキル基の炭素数が1〜6のものが挙げられる。また、前記アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラクトン変性物の具体例としては、ε−カプロラクトン等のラクトンで変性した、ラクトン変性アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体の配合割合は、全重合性単量体混合物の1〜25質量%であることが好ましく、4〜15質量%であることがより好ましい。
前記、カルボキシル基と不飽和二重結を有する重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。これらの重合性単量体は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
全重合性単量体混合物中のカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体の使用量は、熱硬化性および光硬化性樹脂組成物の硬化性とポットライフの点から全重合性単量体混合物の0.25〜8質量%であることが好ましく、0.5〜4質量%であることがより好ましい。
本発明では、前記ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体及びカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体の他に、これら以外の不飽和二重結合を有する重合性単量体を併用することができる。
このような重合性単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル、アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル、メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダートアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらの重合性単量体は、1種類を単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
前記重合性単量体の中では、合成時の重合安定性の点からアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステルから選ばれる少なくとも1種類の重合性単量体を使用することが好ましい。これらの重合性単量体の使用量は全重合性単量体混合物の67〜98.75質量%であることが好ましく、81〜95.5質量%であることがより好ましい。
前記重合性単量体混合物を重合させ、少なくともヒドロキシル基とカルボキシル基を有する重合体(A)を得る方法としては、通常のラジカル重合方法を利用することができ、特にその方法は制限されるものではない。好ましくは、有機溶剤と重合開始剤の存在下で行われる。好ましい反応温度は50℃〜200℃であり、特に好ましい反応温度は70℃〜150℃である。反応時間は3〜10時間とするのが好ましい。
前記ラジカル重合方法において、有機溶剤として芳香族系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤等を使用することができる。芳香族系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられ、ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等が挙げられ、エーテル系溶剤としては、例えば、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられ、単独又は2種類以上の有機溶剤を併用してもよい。
また、前記ラジカル重合法において、重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジシクロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられる。
アゾ系化合物としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニル)、2,2’−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
重合に際して、前記各重合性単量体は、予め混合物とした上で反応系に添加してもよいし、別に反応系に添加してもよく、また、この混合物を分割して反応系に添加してもよい。
重合開始剤の使用量は、重合体(A)の目的とする分子量により決められるものであるが、通常、重合体(A)の重合に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体の総量に対し、0.1〜10質量%とすることが好ましい。
また、必要に応じて、連鎖移動剤を用いて分子量調整をしてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明において、少なくともヒドロキシル基とカルボキシル基を有する重合体(A)の水酸基価は5〜100mgKOH/gであることが好ましい。ヒドロキシル基価が5mgKOH/g未満では、反応性が低下し、架橋点が少なくなり得られる塗膜の可とう性が不十分となりクラックが発生する傾向にあり、100mgKOH/gを超えると得られる塗膜のブロッキング性が低下する傾向にある。
また、重合体(A)の酸価は2〜50mgKOH/gであることが好ましい。酸価が2mgKOH/g未満では、樹脂組成物の反応性が著しく低下し、50mgKOH/gを超えると、樹脂組成物の反応性が高すぎるため、ポットライフが著しく低下し、使用する際に支障をきたす。
また、重合体(A)の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロトグラフィー法によるポリスチレン換算値)は、30,000〜300,000であることが好ましく、40,000〜200,000であることがより好ましい。重量平均分子量が30,000未満であると、得られる樹脂組成物の可とう性が低下し、クラックが発生する傾向にあり、300,000を超えると、得られる樹脂組成物の外観が低下する傾向にある。
また、重合体(A)のガラス転移温度は60〜150℃であることが好ましく、70〜120℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が60℃未満では高温時のブロッキング性が著しく低下し、ガラス転移温度が150℃を超えると得られる樹脂組成物の可とう性が低下し、クラックが発生する傾向にある。
酸価は、例えばJIS K1557により、水酸基価は、水酸化リチウム−アルミニウム法、ガラス転移温度は、示差走査熱量計などを用いて測定することができ、この他に、一般に用いられている方法を採用し測定することができる。
本発明で使用するポリイソシアネート(B)としては、有機溶剤に可溶なポリイソシアネート化合物が用いられる。
このようなポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート化合物ならびにこれらのアダクト体、ビューレット体及びイソシアヌレート体が挙げられる。ポリイソシアネートの中で反応性、ブロッキング性の点からヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が好ましい。
少なくともヒドロキシル基とカルボキシル基を有する重合体(A)とポリイソシアネート(B)の混合比率は、重合体(A)のヒドロキシル基と、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基の当量比(−OH/−NCO)が、1.0/0.5〜1.0/2.0となる割合で前記ポリイソシアネートを使用することが好ましく、1.0/1.0となる割合で使用することがより好ましい。
本発明で使用する1分子中に3個以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するプレポリマー(C)としては、得られる樹脂組成物の耐傷付性、ブロッキング性の観点から、重合性不飽和二重結合を1個以上有するヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート化合物と、1分子中にイソシアネート基とイソシアヌレート環状構造とを有するポリイソシアネート化合物との反応により得られる1分子中に3個以上の重合性不飽和二重結合を有するプレポリマーが好ましい。特に、ブロッキング性の点からはポリイソシアネート化合物としてイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体が好ましい。
本発明の樹脂組成物において、プレポリマー(C)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、30〜60質量部とすることが好ましい。ここで、プレポリマー(C)の含有量が30質量部未満では得られる樹脂組成物の耐傷付性が著しく低下する。一方、プレポリマー(C)の含有量が60質量部を超えると溶剤乾燥後の未硬化状態では耐ブロッキング性が不十分となる。
本発明の樹脂組成物を光硬化させる場合の光ラジカル開始剤(D)としては、特に制限されるものではなく公知のものを使用できる。例えば、ベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4−ジエチルチオキサトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、カンファーキノン、アントラセン、ベンジル、フェニルメチルグリオキシレートなどが挙げられる。これらの光ラジカル開始剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、光ラジカル開始剤(D)の配合量としては、樹脂組成物のプレポリマー(C)100質量部に対して0.5〜5質量部とすることが好ましい。光ラジカル開始剤の配合量が0.5質量部未満では得られる樹脂組成物の硬化性が不足し、擦り傷性が低下する。一方、光ラジカル開始剤の配合量が5質量部を超えると塗膜が黄変し、外観が損なわれる。
本発明の樹脂組成物の光硬化速度を促進させるために、前記光ラジカル開始剤と光増感剤とを併用しても良い。増感剤として例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸−2−ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリブチルホスフィンなどが挙げられ、これらの増感剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、無機フィラー、有機フィラー等を含有するものであってもよい。無機フィラーとしては、例えば、シリカ、ナノシリカ、ナノアルミナ等が挙げられ、有機フィラーとしては、有機ビーズ等を使用することができる。
また、本発明の樹脂組成物は、必要に応じて各種添加剤、例えば、可塑剤、顔料沈降防止剤、塗面調整剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、pH調整剤、消泡剤、硬化促進剤等を使用前に添加することも可能である。
本発明の樹脂組成物は、通常の塗工方法に従い、各種基材や物品の表面等の塗装に供することができる。塗工に際しては、例えば、エアスプレ−塗装機、エアレススプレ−塗装機、ロールコーター、バーコーター、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、フローコート、コンマコート、ディップコート等を用いて塗工することができる。
本発明は、前述した樹脂組成物を離型性基体フィルム上に塗布して転写フィルムを得ることができる。この転写フィルムに使用される離型性基体フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体などのポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂フィルム、シリコーン樹脂などが挙げられる。
本発明の転写フィルムにおいては、転写前の熱硬化膜を作製する方法として、離型性基体フィルムに乾燥膜厚が1〜50μmになるように塗工後、40〜120℃で1〜30分間加熱乾燥することが好ましい。加熱することで乾燥時間を短縮することができる。加熱乾燥条件は、使用する有機溶剤の種類と離型性基体フィルムの耐熱性等を考慮して適宜選択される。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」及び「%」は、特に限りのない限り、それぞれ質量部及び質量%を意味する。
(実施例1)
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管および撹拌機を備えた1リットル四つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン210部及びメタクリル酸メチル60部を仕込み80℃に昇温した。その後メタクリル酸メチル220.5部、メタクリル酸ブチル3部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15部、メタクリル酸1.5部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.9部を均一に溶解攪拌した混合液を2時間掛けて滴下し、さらに80℃で2時間保温した。その後、メチルイソブチルケトン225部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部を均一に溶解攪拌した混合液を1時間掛けて滴下し、さらに80℃で4時間保温した。その後、50℃に冷却し、メチルイソブチルケトンを265部加えて加熱残分を30質量%に調整した重合体(A)の溶液を得た(得られた重合体(A)は、水酸基価20mgKOH/g、酸価3.25mgKOH/g、重量平均分子量130,000、ガラス転移温度101℃であった。)。
ポリイソシアネート(B)であるヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名デュラネートE405−70B)を重合体(A)のヒドロキシル基と、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基の当量比が1.0/1.0になるように71.4部配合し、1分子中に3個以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するプレポリマー(C)として、平均光官能基数が9個の多官能ウレタンアクリレート(日立化成工業株式会社製 商品名ヒタロイド7903−3、加熱残分50質量%、酢酸ブチル溶液品)を300部加え、プレポリマー(C)の含有量が、重合体(A)の100質量部に対して50質量部となるようにして、光ラジカル開始剤(チバスペシャルティカミカルズ社製 商品名 イルガキュア184)を12質量部配合した。
(実施例2)
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管および撹拌機を備えた1リットル四つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン210部及びメタクリル酸メチル60部を仕込み80℃に昇温した。その後メタクリル酸メチル166.5部、メタクリル酸ブチル3部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル69部、メタクリル酸1.5部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.9部を均一に溶解攪拌した混合液を2時間掛けて滴下し、さらに80℃で2時間保温した。その後、メチルイソブチルケトン225部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部を均一に溶解攪拌した混合液を1時間掛けて滴下し、さらに80℃で4時間保温した。その後、50℃に冷却し、メチルイソブチルケトンを265部加えて加熱残分を30質量%に調整した重合体(A)の溶液を得た(得られた重合体(A)は、水酸基価99mgKOH/g、酸価3.25mgKOH/g、重量平均分子量130,000、ガラス転移温度91℃であった。)。
ポリイソシアネート(B)であるヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体(旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名デュラネートE405−70B)を(A)成分のヒドロキシル基と、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基の当量比が1.0/0.5になるように176.7部配合し、プレポリマー(C)として、平均光官能基数が9個の多官能ウレタンアクリレート(日立化成工業株式会社製 商品名ヒタロイド7903−3)を180部加え、プレポリマー(C)の含有量が重合体(A)の100質量部に対して50質量部となるように配合して、光ラジカル開始剤(チバスペシャルティカミカルズ社製 商品名 イルガキュア184)を12部配合した。
(実施例3)
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管および撹拌機を備えた1リットル四つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン210部及びメタクリル酸メチル30部を仕込み80℃に昇温した。その後、メタクリル酸t−ブチル253.5部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15部、メタクリル酸1.5部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部を均一に溶解攪拌した混合液を2時間掛けて滴下し、さらに、100℃で2時間保温した。その後、メチルイソブチルケトン225部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部を均一に溶解攪拌した混合液を1時間掛けて滴下し、さらに、80℃で4時間保温した。その後、50℃に冷却し、メチルイソブチルケトンを265部加えて加熱残分を30質量%に調整した重合体(A)の溶液を得た(得られた重合体(A)は、水酸基価20mgKOH/g、酸価3.25mgKOH/g、重量平均分子量67,000、ガラス転移温度113℃であった。)。
ポリイソシアネート(B)であるヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体(旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名デュラネートE405−70B)を重合体(A)のヒドロキシル基と、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基の当量比が1.0/1.0になるように71.4部配合し、プレポリマー(C)として、平均光官能基数が9個の多官能ウレタンアクリレート(日立化成工業株式会社製 商品名ヒタロイド7903−3、加熱残分50質量%、酢酸ブチル溶液品)を300部加え、ウレタンアクリレート(C)の含有量が重合体(A)の100質量部に対して50質量部となるようにして、光ラジカル開始剤(チバスペシャルティカミカルズ社製 商品名 イルガキュア184)を12部配合した。
(比較例1)
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管および撹拌機を備えた1リットル四つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン210部を仕込み80℃に昇温した。その後メタクリル酸メチル300部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.9部を均一に溶解攪拌した混合液を2時間掛けて滴下し、さらに、80℃で2時間保温した。その後、メチルイソブチルケトン225部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部を均一に溶解攪拌した混合液を1時間掛けて滴下しさらに、80℃で4時間保温した。その後50℃に冷却し、メチルイソブチルケトンを265部加えて加熱残分を30質量%に調整した重合体(A)の溶液を得た(得られた重合体(A)は、水酸基価0mgKOH/g、酸価0mgKOH/g、重量平均分子量130,000、ガラス転移温度105℃であった。)。
これに、プレポリマー(C)として、平均光官能基数が9個の多官能ウレタンアクリレート(日立化成工業株式会社製 商品名ヒタロイド7903−3、加熱残分50質量%、酢酸ブチル溶液品)を300部加え、プレポリマー(C)の含有量が重合体(A)の100質量部に対して50質量部となるように配合して、光ラジカル開始剤(チバスペシャルティカミカルズ社製 商品名 イルガキュア184)を12部配合した。
(比較例2)
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管および撹拌機を備えた1リットル四つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン210部及びメタクリル酸メチル60部を仕込み80℃に昇温した。その後、メタクリル酸メチル220.5部、メタクリル酸ブチル18部、メタクリル酸1.5部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.9部を均一に溶解攪拌した混合液を2時間掛けて滴下し、さらに、80℃で2時間保温した。その後、メチルイソブチルケトン225部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部を均一に溶解攪拌した混合液を1時間掛けて滴下し、さらに、80℃で4時間保温した。その後50℃に冷却し、メチルイソブチルケトンを265部加えて加熱残分を30質量%に調整した重合体(A)の溶液を得た(得られた重合体(A)は、水酸基価0mgKOH/g、酸価3.25mgKOH/g、重量平均分子量130,000、ガラス転移温度101℃であった。)。
ポリイソシアネート(B)であるヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体(旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名デュラネートE405−70B)を重合体(A)の水酸基と(B)成分のイソシアネート基の当量比が1.0/1.0になるように71.4部配合し、プレポリマー(C)として、平均光官能基数が9個の多官能ウレタンアクリレート(日立化成工業株式会社製 商品名ヒタロイド7903−3、加熱残分50質量%、酢酸ブチル溶液品)を120部加え、プレポリマー(C)の含有量が重合体(A)の100質量部に対して20質量部となるように配合して、光ラジカル開始剤(チバスペシャルティカミカルズ社製 商品名 イルガキュア184)を12部配合した。
(比較例3)
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管および撹拌機を備えた1リットル四つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン210部及びメタクリル酸メチル60部を仕込み80℃に昇温した。その後、メタクリル酸メチル30部、メタクリル酸ブチル193.5部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15部、メタクリル酸1.5部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2部を均一に溶解攪拌した混合液を2時間掛けて滴下し、さらに、80℃で2時間保温した。その後、メチルイソブチルケトン225部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部を均一に溶解攪拌した混合液を1時間掛けて滴下し、さらに、80℃で4時間保温した。その後、50℃に冷却し、メチルイソブチルケトンを265部加えて加熱残分を30質量%に調整した重合体(A)の溶液を得た(得られた重合体(A)は、ヒドロキシル基価20mgKOH/g、酸価3.25mgKOH/g、重量平均分子量100,000、ガラス転移温度44℃であった。)。
ポリイソシアネート(B)であるヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体(旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名デュラネートE405−70B)を重合体(A)の水酸基と、(B)成分のイソシアネート基の当量比が1.0/1.0になるように71.4部配合し、(C’)として、1,6ヘキサンジオールジアクリレートモノマーを50部加え、1,6ヘキサンジオールジアクリレートモノマー(C’)の含有量が重合体(A)の100質量部に対して50質量部となるようにして、光ラジカル開始剤(チバスペシャルティカミカルズ社製 商品名 イルガキュア184)を12部配合した。
[実施例1〜3及び比較例1〜3]
上記で得られた樹脂組成物について、以下の評価を行った。その結果を表1に纏めて示した。
(熱硬化性)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社、ピューレックスA53 片面離型処理フィルム)上にバーコータ#12で乾燥膜厚が5μmとなるように塗布して100℃で1分間乾燥し、塗膜を得た。塗膜表面のタックの有無を指触によって、以下の判定基準で評価した。
「○」:タックなし 「△」:ややベタ付きあり 「×」:べた付きあり
(光硬化性)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社、ピューレックスA53 片面離型処理フィルム)上にバーコータ#12で乾燥膜厚が5μmとなるように塗布して100℃で1分間乾燥した後、次いで高圧水銀灯80W/cm(2灯)で照射量200mJ/cmの活性エネルギーを照射し塗膜を得た。得られた塗膜をメチルエチルケトンで往復5回ラビングし、塗膜外観を目視によって、以下の判定基準で評価した。
「○」:外観変化なし 「△」:やや傷付きあり 「×」:溶解する
(耐ブロッキング性)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社、ピューレックスA53 片面離型処理フィルム)上にバーコータ#12で乾燥膜厚が5μmとなるように塗布して100℃で1分間乾燥し、塗膜を得た。得られた塗膜上にポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理をしていない面を重ね、500g/cmの荷重を加え、60℃の雰囲気下に24時間放置後、塗膜とポリエチレンテレフタレートフィルムとを剥がしたときの状態を確認した。判定は以下の基準で行った。
「◎」:塗膜とポリエチレンテレフタレートフィルムとの付着なし。塗膜外観変化なし。
「○」:塗膜とポリエチレンテレフタレートフィルムとの付着なし。塗膜に一部痕跡あり。
「△」:塗膜とポリエチレンテレフタレートフィルムとの付着なし。塗膜に痕跡あり。
「×」:塗膜とポリエチレンテレフタレートフィルムとの付着あり。塗膜に痕跡あり。
(耐傷付き性)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社、ピューレックスA53 片面離型処理フィルム)上にバーコータ#12で乾燥膜厚が5μmになるように塗布して100℃で1分間乾燥した後、次いで高圧水銀灯80W/cm(2灯)で照射量200mJ/cmの活性エネルギーを照射し塗膜を得た。得られた塗膜をスチールウール(#0000、超極細)で往復10回擦り、塗膜外観を目視によって、以下の判定基準で評価した。
「○」:外観変化なし 「△」:やや傷付きあり 「×」:明らかに傷あり
(耐クラック性)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社、ピューレックスA53 片面離型処理フィルム)上にバーコータ#12で乾燥膜厚が5μmになるように塗布して100℃で1分間乾燥し塗膜を得た。得られた塗膜を屈曲性試験機によって塗膜のクラックの状態を以下の判定基準で評価した。
「○」:心棒2mmでクラックなし
「△」:心棒5mmでクラックなし
「×」:心棒10mmでクラックなし
Figure 0005233614
表1に示したように、実施例1〜3の樹脂組成物を用いて得られた塗膜は、熱硬化性、光硬化性、耐ブロッキング性、耐傷付き性、耐クラック性に優れていることが確認された。
これに対して、ポリイソシアネートを含有しない比較例1の場合は熱硬化性、耐傷付き性、耐クラック性が不十分であり、重合体(A)にヒドロキシル基を有さない比較例2の場合は、熱硬化性、光硬化性、耐傷付き性、耐クラック性が不十分であり、また、(C)成分のアクリロイル基が2個の比較例3は熱硬化性、耐ブロッキング性、耐傷付き性が不十分であった。
以上、説明した通り、本発明の樹脂組成物によれば、熱硬化性、光硬化性、耐ブロッキング性、耐傷付き性、耐クラック性に優れていることが確認された。従って、本発明の樹脂組成物はインサート成型法による転写フィルム用分野において非常に有用である。

Claims (5)

  1. 少なくともヒドロキシル基とカルボキシル基を有する重合体(A)、ポリイソシアネート(B)及び1分子中に3個以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するプレポリマー(C)を含有する、転写フィルム用の樹脂組成物。

  2. 少なくともヒドロキシル基とカルボキシル基を有する重合体(A)が、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体とカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体とを含む重合性単量体混合物を共重合させて得られる重合体である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 少なくともヒドロキシル基とカルボキシル基を有する重合体(A)の水酸基価が5〜100mgKOH/g、酸価が2〜50mgKOH/g、重量平均分子量が30,000〜300,000、ガラス転移温度が60〜150℃である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. さらに、光ラジカル開始剤(D)を含有してなる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の樹脂組成物を離型性基体フィルム上に塗布して得られる転写フィルム。
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