JPH0617008A - 粘着剤組成物 - Google Patents

粘着剤組成物

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JPH0617008A
JPH0617008A JP17444792A JP17444792A JPH0617008A JP H0617008 A JPH0617008 A JP H0617008A JP 17444792 A JP17444792 A JP 17444792A JP 17444792 A JP17444792 A JP 17444792A JP H0617008 A JPH0617008 A JP H0617008A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 初期粘着力が高く、保存安定性に優れ、しか
も硬化後における剥離性の良い粘着剤組成物を提供す
る。 【構成】 本発明の粘着剤組成物は、ペルオキシ基が存
在するように重合されたアクリル重合体100重量部
と、1分子中に3個以上のアクリロイル基を有する単量
体35〜150重量部と、この単量体100重量部に対
し光開始剤0.1〜30重量部とを含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の被着材料、例え
ば金属板、プラスチック樹脂板、ガラス板、各種のプラ
スチックフィルム、各種の金属箔、半導体ウェハ、機械
部品、電気部品等の表面保護及び一時的な固定に用いて
好適な紫外線又は電子線硬化型の粘着剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、表面保護用及び部品の一時的
な固定用の粘着剤組成物として、天然ゴム、各種の合成
ゴムを加流させた組成物や、カルボキシル基、水酸基、
メチロール基、エポキシ基等の反応性官能基を有するア
クリル共重合体をポリイソシアネート、有機金属化合
物、メラミン樹脂等で架橋反応させた組成物が使用され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来例においては、次のような問題があった。すなわ
ち、紙、樹脂積層紙、プラスチックフィルム等に上記組
成の粘着剤を塗布し架橋させた粘着テープを部品の表面
保護又は固定用として用いた場合には、粘着剤が一般に
具備する弾性と流動性とにより、被着材に貼着後に、 (1) 時間の経過と共に粘着力が増大する。 (2) 積み重ねておくと被着材の凹凸部に粘着剤が流入し
粘着力が増大する。 (3) 加工工程で熱、圧力、温度等の処理が必要な場合に
は粘着力の増大が更に著しい。 従って、一時的な固定等の初期の目的を達成した後にテ
ープを剥離する場合には、粘着力の増加に伴い、粘着テ
ープの基材の破壊、被着材の破損、被着材への粘着剤の
転着等が生じ、この結果、製品の不良、作業性の低下と
いった問題が生じていた。また、かかる被着材の部品が
ゆがんでいたり、平滑でない場合、これらを貼着後に酸
やアルカリ液に浸漬すると、粘着テープの浮き、剥離、
液の侵入等の問題が生じていた。
【0004】そこで、近年、このような問題を解決する
ため、電子線により硬化して粘着力を低下させるように
した粘着剤組成物が案出されている(例えば特開昭62
−10180号公報、特開昭62−138576号公
報、特開平1−2498号公報、特開平1−11058
4号公報、特開平1−252685号公報等参照)。し
かしながら、かかる従来例の場合、初期の粘着力及び凝
集力があまり高くなく、また、接着状態における保存
性、安定性、さらには電子線照射後の剥離性等について
満足できるものが得られなかった。
【0005】本発明は従来例のかかる点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、初期粘着力が高
く、保存安定性に優れ、しかも硬化後における剥離性の
良い粘着剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の粘着剤組成物
は、一般式
【化3】 で示されるアクリル系エステル(a)を主体とする単量
体100重量部に対して、上記アクリル系エステル
(a)と共重合可能で水酸基、カルボシキル基、エポキ
シ基、アミノ基及び誘導体、酸無水物のうちの少なくと
も1つの基を有する反応性不飽和単量体(b)0〜29
重量部、一般式
【化4】 で示され二重結合を有するペルオキシ化合物(c)0.
5〜15重量部で、かつ上記反応性単量体(b)とペル
オキシ化合物(c)の合計量が上記アクリル系エステル
(a)100重量部に対して0.5〜30重量部、及び
改質用反応性単量体が上記アクリル系エステル(a)と
反応性不飽和単量体(b)とペルオキシ化合物(c)の
合計量100重量部に対して0〜100重量部の組成か
らなり、上記ペルオキシ化合物(c)のペルオキシ基が
存在するように重合されたアクリル重合体100重量部
と、1分子中に3個以上のアクリロイル基を有する単量
体35〜150重量部とを含むものである。
【0007】上記粘着剤組成物の主体となるアクリル系
エステル(a)は、一般式
【化5】 で示されるアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステ
ルであって、具体的には、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、ブチルアクリレート、2−メチルアクリ
レート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメ
タクリレート、ドデシルメタクリレートなどがあげられ
る。
【0008】また、上記反応性不飽和単量体(b)は、
分子内に、水酸基−OH、カルボキシル基−COOH、 アミノ基−NH2 及びその誘導体等の反応性基の少なく
とも1つと二重結合とを有する単量体であって、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、N−メチロールアクリ
ルアミド、グリシジルメタクリルアミド、アリルグリシ
ジルエーテル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、2−ヒドロキシメタクリレート、無水マ
イレン酸などがあげられる。
【0009】さらに、上記ペルオキシ化合物(c)は、
一般式
【化6】 で示される化合物であって、例えば、t−ブチルペルオ
キシビニルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシビニ
ルカーボネート、t−ブチルペルオキシジイソプロペニ
ルカーボネート、t−ブチルペルオキシアクリルカーボ
ネート、t−ヘキシルペルオキシアリルカーボネートな
どがあげられる。このペルオキシ化合物を上記アクリル
系エステルと共重合することにより、得られる共重合体
に架橋機能が付与される。
【0010】さらにまた、本発明の粘着剤組成物には、
上記単量体(a)、(b)及び(c)の成分以外に、他
の改質用反応性単量体として、例えば酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ブトオキシエチルアクリレート、アク
リロニトリル、スチレン、シクロヘキシルアクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレートなどを、上記単量体
(a)、(b)及び(c)から構成される重合体100
重量部中に100重量部まで添加することができる。
【0011】上述の各単量体を所定の割合で混合し、適
当な溶剤中において重合開始剤の存在下、ペルオキシ化
合物(c)の分解を引き起こさない程度の、比較的低い
温度の重合条件で、常法にしたがって共重合させること
により上記アクリル重合体は得られる。ここで使用可能
な重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤やペルオキシ
系重合開始剤等であるが、共重合成分として配合されて
いるペルオキシ化合物が分解しない程度の低い温度でも
充分な重合反応を進めることのできるものを選ぶ必要が
ある。
【0012】好ましいアゾ系重合開始剤としては、例え
ば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2,4)ジメチルバレロニトリル、1,1′アゾビス
(シクロヘキサン)カルボニトリル、2,2′−アゾビ
ス(4メトオキシ2,4−ジメチルチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス(2−シクロプロピルプロピ
オニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロ
ニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1
−カルボニトリル)等があげられる。
【0013】好ましいペルオキシ系重合開始剤として
は、例えば、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブ
チルペルオキシネオデカノレート、t−ブチルペルオキ
シイソブチレート、クミルペルオキシネオデカノレー
ト、t−ブチルペルオキシ(2−エチルヘキサノエー
ト)ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ
ド、デカノイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシ
ド、メタートルオールペルキシドなどがあげられる。
【0014】一方、1分子中に3個以上のアクリロイル
基を有する単量体としては、例えば、一般式
【化7】 で示される化合物が好ましい。このような化合物として
は、例えば、テトラメチロールメタントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
ブタントリアクリレート、トリメチロールペンタントリ
アクリレート及び上記アクリレートのエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシドの付加物などがあげられる。
【0015】また、1分子中に3個以上のアクリロイル
基を有する単量体としては、例えば、一般式
【化8】 で示され、エーテル結合を介してアクリロイル基を3個
以上有する化合物も好ましい。このような化合物として
は、例えばジペンタエリスリットトリアクリレート、ジ
ペンタエリスリットテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリットペンタアクリレート、ジペンタエリスリットヘ
キサアクリレート及び上記のエチレンオキサイド又はプ
ロピレンオキサイドの付加物があげられる。
【0016】さらに、本発明の粘着剤組成物には、光開
始剤を添加することもできる。その添加量は、1分子中
に3個以上のアクリロイル基を有する単量体100重量
部に対して0.1〜30重量部とすることが好ましい。
【0017】かかる光開始剤としては、波長200〜4
00nmの光を吸収し分解してラジカルを発生するもの
が好ましく、具体的には、ベンゾフェノン、フェニルベ
ンゾイルカルビノール、フェルニルベンゾイルメチルエ
チルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、2,2′−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン、2−メチル〔4−(メチルチオ)フェニル〕−
2−モルフォリノ−1−プロパノン、メチル−0−ベン
ゾイルベンゾエート、2,2′−ジエトキシアセトフェ
ノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン
−1−オン、2,4,6トリメチルベンゾイルキスフィ
ンオキサイド、メチルフェニル2−エチルアンスラキノ
ン、デトラメチルチウラムモノサルファイド、3,
3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボ
ニル)ベンゾフェノン等アセトフェノン系、ベンゾイン
系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系、アシルホス
フィンオキサイド系の光開始剤があげられる。
【0018】また、上記光開始剤には、例えばジエチル
アミノメチルメタクリレート、トリイソプロパノールア
ミン、4,4′−ジエチルアミノフェノン等の光開始助
剤を併用することもできる。
【0019】尚、本発明の粘着剤組成物には、二重結合
を1分子中に1〜2個有する不飽和化合物又はウレタン
アクリレート若しくはポリエステルアクリレートのオリ
ゴマーを改質的に使用可能であり、また、シリコンアク
リレート、フッ素含有アクリレート等による改質も可能
である。
【0020】紫外線又は電子線透過基材としては、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、アクリル
フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエステルフィ
ルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、フッ素フィルム等
が使用可能である。
【0021】
【作用】第1の発明のアクリル重合体は、重合体中にペ
ルオキシ基がペンダントされているため、加熱により架
橋構造が形成される。そして、このペルオキシ基は、1
分子中に3個以上のアクリロイル基即ち二重結合を有す
る単量体と一部反応し、紫外線又は電子線硬化前の凝集
性の改良及び粘着力の向上に有効に作用する。さらに、
この粘着剤に電子線を照射することにより、上記単量体
中の二重結合が反応し、粘着剤組成物の架橋反応が形成
され、その接着力が低下する。一方、光開始剤を添加し
た第2の発明に係る粘着剤組成物においては、紫外線を
照射することにより光開始剤が分解してラジカルが発生
し、上記単量体の二重結合と反応して架橋構造が形成さ
れる。また、アクリル重合体中に残存しているペルオキ
シ基が紫外線により分解し、アクリル重合体の架橋およ
び上記単量体の二重結合との架橋反応が形成され、その
結果、二重結合含有化合物とアクリル重合体との結合が
起こり、粘着剤組成物の接着力が低下する。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明
する。
【0023】〔ポリマーの調整〕ポリマー1(P1) 3つ口フラスコに酢酸エチル100g、アゾビスイソブ
チロニトリル0.05g、ノルマルブチルアクリレー
ト、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、t−ブチルペルオ
キシアリールカーボネートの重合性単量体を各々77.
0g、10.0g、10.0g、3.0g仕込む。その
後、この3つ口フラスコに温度計、冷却器、攪拌羽根を
取り付け反応系内を65℃に保持し、N2 ガス置換を行
いながら7時間重合反応を行い粘着性ポリマーを調製し
た。そして、トルエン130gを加え最終溶液とした。
上記の共重合体の性状は、外観透明、固形分29%、粘
度8000c.p.s /25℃であった。また、この共重合
体の重量平均分子量Mw は944000、数平均分子量
nは235000であった。
【0024】ポリマー2(P2) 3つ口フラスコに酢酸エチル100g、アゾビスイソブ
チロニトリル0.05g、ノルマルブチルアクリレート
80.0g、アクリル酸メチル13.0g、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート2.0g、t−ブチルペルオ
キシアリールカーボネート5.0gを仕込む。その後、
この3つ口フラスコに温度計、冷却器、攪拌羽根を取り
付け反応系内を65℃に保持し、N2 ガス置換を行いな
がら7時間重合反応を行い粘着性ポリマーを調製した。
そして、トルエンで希釈し最終溶液とした。上記の共重
合体の性状は、外観透明、固形分27.5%、粘度17
00c.p.s /25℃であった。また、この共重合体の重
量平均分子量Mw は1160000、数平均分子量M n
は230000であった。
【0025】ポリマー1A(P1A) ポリマー1の比較例として、次のポリマーを調製した。
3つ口フラスコに酢酸エチル100g、アゾビスイソブ
チロニトリル0.05gn−ブチルアクリレート77
g、アクリル酸メチル、酢酸ビニル10gを仕込む。そ
の後、この3つ口フラスコに温度計、冷却器、攪拌羽根
を取り付け反応系内温度を65℃に保持し、N2 ガス置
換を行いながら7時間重合反応を行い粘着性ポリマーを
得た。そして、トルエンで希釈し最終溶液とした。この
共重合体の性状は、外観透明、粘度5000c.p.s /2
5℃、固形分29.5%、重量平均分子量Mw は124
000、数平均分子量Mn は320000であった。
【0026】ポリマー3(P3) 3つ口フラスコに酢酸エチル100g、アゾビスイソブ
チロニトリル0.10g、n−ブチルアクリレート87
g、アクリル酸メチル3.5g、アクリル酸6.5g、
t−ブチルペルオキシアリールカーボネート3.0gを
仕込む。その後、このフラスコに温度計、冷却器、攪拌
羽根を取り付け反応系内を60℃に保持し、N2 ガス置
換を行いながら7時間重合反応後トルエンで希釈して最
終了ポリマー溶液とした。上記共重合体の性状は、外観
透明、粘度3000c.p.s /25℃、固形分42.0%
であった。また、この共重合体の重量平均分子量Mw
440000、数平均分子量Mn は35000であっ
た。
【0027】ポリマー3A(P3A) ポリマー3の比較例として次のポリマーを調製した。ポ
リマー3の単量体からt−ブチルペルオキシアリールカ
ーボネートを省いたポリマーをポリマー3と全く同じ方
法により粘着性ポリマーを調製した。この共重合体の性
状は、外観透明、粘度6600c.p.s /25℃、固形分
40.3%であった。また、このポリマーの重量平均分
子量Mw は6805000、数平均分子量Mn は130
5000であった。
【0028】実施例のポリマー(P1,P2,P3)及
び比較例のポリマー(P1A,P3A)の粘着剤として
の性能を表1に示す。この場合、実施例のポリマー溶液
及び比較例のポリマー溶液を乾燥時の粘着剤層の厚みが
20〜25μmとなるように塗布し、150℃の温度下
で5分間乾燥して試験片を作成した。
【0029】
【表1】
【0030】《実施例1〜6及び比較例1,2》次に本
発明に係る紫外線硬化型粘着剤組成物の実施例及び比較
例の配合組成物の具体例について説明する。表2及び表
3に実施例1〜6及び比較例1,2の配合をそれぞれ示
す。尚、表中のジペンタエリスリットヘキサアクリレー
ト、テトラメチロールメタントリアクリレート及びテト
ラメチロールメタンテトラアクリレートのケン化価は、
それぞれ50mgKOH/g、485mgKOH/g及
び619mgKOH/gである。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】〔試験片の作成〕厚み125μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムに、ポリエス
テル樹脂(商品名コロネートL、日本ポリウレタン工業
社製)を樹脂層の厚みが1〜3μmとなるように塗布
し、130℃の温度下で30秒間乾燥して、プライマー
樹脂層を形成した。そして、このプライマー樹脂層上に
実施例1〜6及び比較例1,2の組成液を硬化樹脂組成
物が20〜30μmの厚みになるように塗布し、135
℃の温度下で5分間乾燥した。これにより、常態で粘着
性を有し紫外線照射で硬化可能な粘着剤層が形成され、
この試料を評価用の試験片とした。
【0034】〔粘着力評価用試験片の作成〕上述の試験
片の粘着剤層表面に厚み25μmのポリイミドフィルム
(商品名カプトン、東レ−デュポン社製)を貼り合わ
せ、幅2cm×長さ20cmに切断して粘着評価用の試
験片を作成した。
【0035】〔剥離力の測定〕初期粘着力(A) PETフィルム、プライマー層、粘着剤層、ポリイミド
フィルムの一端を剥離し、引張試験機を用い毎分300
mmの速さで180度剥離を行ってその際の剥離力を測
定した。この値を初期粘着力(A)とした。
【0036】紫外線照射後の粘着力(B) 上述の試験片(幅2cm×長さ20cm)のPETフィ
ルム面側から紫外線を照射して粘着剤層を硬化させ、粘
着力(A)の場合と同様に引張試験機を用いて剥離力を
測定した。
【0037】この場合、樹脂の硬化は、1灯のメタルハ
ライドランプを用い、120W/cm2 、高さ15c
m、照射速度1m/分の条件で紫外線を照射して行っ
た。この条件下において125μmのPETフィルムを
透過して粘着剤組成物に照射された積算光量は、330
nm〜390nmで1.2J/cm2 である。尚、以下
の試験片の場合も同様に照射を行った。
【0038】上述の試験片を温度60℃に240時間放
置して剥離力を測定し、粘着力(C)とした。また、同
試験片を温度40℃、湿度90%RHに240時間放置
して剥離力を測定し、粘着力(E)とした。さらに、こ
れらの試験片に対し上述の方法により紫外線を照射し、
その後の剥離力を測定してそれぞれ粘着力(D)(F)
とした。かかる測定により接着状態での安定性を評価し
た。
【0039】上述の試験片のポリイミドフィルムの代わ
りに剥離紙を貼り合わせたものを作成し、光を吸収しな
いようにして温度60℃下に240時間放置した。その
後、上述の方法により紫外線未照射、照射後の剥離力を
測定し、それぞれ粘着力(G),(H)とした。これら
の測定結果を表4に示す。表4から理解されるように、
上記ポリマーP1,P2及びP3を用いた実施例1〜6
は、紫外線照射前の粘着力が高い一方、照射後の粘着力
が低くなっている。
【0040】
【表4】
【0041】《実施例7〜16》上述のポリマー3を用
い、1分子中に二重結合を4個と6個有する単量体の配
合量を変化させた場合およびイソシアネート化合物(コ
ロネートL)で架橋させた場合の実施例を表5及び表6
に示す。
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】表5及び表6から理解されるように、本発
明に用いられるアクリルポリマーの樹脂分100重量部
に対し、二重結合が1分子中に3個以上有する多官能化
合物を35〜150重量部配合することにより、それぞ
れ紫外線未照射状態における、初期粘着力(A)、接着
状態(60℃、40℃×90%RH)の粘着力(C),
(E)及び製品安定性(60℃)の粘着力(G)につい
て、200g/2cm以上の値が得られた。すなわち、
この粘着力が200g/2cm以上あれば部品や貼り合
わせ品を固定するに必要十分な粘着力となる。
【0045】一方、紫外線透過性のポリエステルフィル
ム側から紫外線を照射することにより、光開始剤が分解
してラジカルが発生し、これが二重結合と反応すること
により架橋構造が形成され、また、アクリルポリマーに
残存しているペルオキシ基が紫外線により分解してこの
ポリマーの架橋及び二重結合との架橋構造が形成され、
これにより多官能化合物とポリマーとの結合が生ずる。
この結果、表5及び表6から理解されるように、粘着剤
組成物の接着力が低下し、固定部品や貼り合わせ品を破
損することなく容易に剥離することが可能になる。尚、
かかる部品等を容易に剥離するための剥離力は、部品等
の物理的強度により異なるものであるが、作業性の観点
からすると150g/2cm以下であることが好まし
い。
【0046】《比較例3,4》ポリマー3を用い、1分
子中に二重結合を1〜2個有する不飽和単量体を使用し
て上記実施例と同様の方法により試験片を作成し、粘着
力(A),(B)の測定を行った。その結果を表7に示
す。この場合、1分子中に二重結合を1個有する不飽和
単量体としては下記示性式で示される東亜合成社製のM
111を用いた。
【化9】 また、1分子中に二重結合を2個有するものとしては
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(NKエステ
ルA−HD、新中村化学社製)を用いた。さらに、この
結果に基づいて不飽和単量体中の二重結合数と初期粘着
力及び紫外線硬化後の粘着力との関係を求めた。その結
果を図1に示す。表7及び図1から明らかなように、不
飽和単量体中の二重結合の数が1〜2個の場合は紫外線
照射前の初期粘着力が低い一方紫外線硬化後の粘着力が
高く、上記実施例のような紫外線照射による剥離力の低
下は期待できない。
【0047】
【表7】
【0048】《実施例17〜26》光開始剤(2,2′
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)の濃度を変
えた実施例を作成し、上述の粘着力(A)〜(H)を測
定した。その結果を表8に示す。この場合、光開始剤の
濃度は、多官能単量体を100としたときの重量比で示
す。すなわち、(光開始剤/多官能単量体)×100で
示される。表8から理解されるように、1分子中にアク
リロイル基を3個以上有する不飽和単量体100重量部
に対し光開始剤を0.1〜28.0重量部添加すること
により、初期粘着力が高く、かつ、安定した粘着剤組成
物を得ることができる。
【0049】
【表8】
【0050】《実施例27〜30》ところで、ポリマー
3は官能基としてペルオキシ基以外にカルボキシル基を
含有している。また、テトラメチロールメタンテトラア
クリレートとテトラメチロールメタントリアクリレート
の混合物(65:35重量比)の反応性単量体はケン化
価が572mgKOH/1kg(NKエステルA−TM
M3、新中村化学社製)であり、ジペンタエリスリット
ヘキサアクリレート(M−400、東亜合成社製)のケ
ン化価は50mgKOH/gである。従って、活性水素
と反応するような架橋剤として、例えばイソシアネート
基、アジリジニル基、メチロール基、アルコオキシ基含
有の有機金属化合物等は、カルボキシル基、水酸基等と
容易に反応する。このため、光硬化性の粘着剤組成物を
紫外線透過性フィルムに塗布、乾燥することにより、紫
外線照射前の状態では架橋剤によりポリマーとポリマ
ー、不飽和単量体とポリマー、不飽和単量体と不飽和単
量体との結合が形成される。
【0051】この結果、架橋剤(コロネートL)を配合
した場合、表9に示す実施例27〜30及び前記実施例
から明らかなように、初期粘着力、接着後の老化、フィ
ルム安定性および紫外線照射後の剥離力の低下に関し優
れた粘着剤組成物を得ることができる。
【0052】
【表9】
【0053】《実施例31〜33》光開始剤としてα−
ヒドロキシアセトフェノン、α−アミノアセトフェノン
及び光開始助剤としてイソプロピルチオキサントンを用
いた実施例を表10に示す。表10から理解されるよう
に、本実施例においても、上記実施例と同様に高い初期
粘着力及び安定性を示している。
【0054】
【表10】
【0055】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、初期
粘着力が高く、保存安定性に優れ、しかも硬化後におけ
る剥離性の良い粘着剤組成物を提供することができる。
この結果、被着材や部品等にゆがみが生じていたり平滑
でない場合であっても部品等を確実に固定することがで
きるとともに、酸,アルカリ液の侵入を防止でき、しか
も初期凝集力が高いので粘着剤のはみ出し、抜き作業性
が向上する。さらに、紫外線硬化後の抜き、剥離作業能
率を向上させることができるとともに、被着材、部品が
薄く弱い場合であってもこれらの裂け、折れ、割れ等を
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の粘着剤組成物における二重
結合数と初期粘着力及び紫外線硬化後の粘着力との関係
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027 21/304 321 B 8728−4M

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 で示されるアクリル系エステル(a)を主体とする単量
    体100重量部に対して、 上記アクリル系エステル(a)と共重合可能で水酸基、
    カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基及び誘導体、酸
    無水物のうちの少なくとも1つの基を有する反応性不飽
    和単量体(b)0〜29重量部、 一般式 【化2】 で示され二重結合を有するペルオキシ化合物(c)0.
    5〜15重量部で、 かつ上記反応性単量体(b)とペルオキシ化合物(c)
    の合計量が上記アクリル系エステル(a)100重量部
    に対して0.5〜30重量部、 及び改質用反応性単量体が上記アクリル系エステル
    (a)と反応性不飽和単量体(b)とペルオキシ化合物
    (c)の合計量100重量部に対して0〜100重量部
    の組成からなり、 上記ペルオキシ化合物(c)のペルオキシ基が存在する
    ように重合されたアクリル重合体100重量部と、 1分子中に3個以上のアクリロイル基を有する単量体3
    5〜150重量部とを含むことを特徴とする粘着剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 1分子中に3個以上のアクリロイル基を
    有する単量体100重量部に対し光開始剤を0.1〜3
    0重量部添加してなることを特徴とする請求項1記載の
    粘着剤組成物。
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