JP3516384B2 - 再剥離型粘着剤組成物 - Google Patents
再剥離型粘着剤組成物Info
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Description
板、プラスチック板等の一時的な表面保護用の粘着シー
トや半導体ウエハ等のダイシング工程の半導体固定用の
粘着シート等の粘着剤として用いられる再剥離型粘着剤
組成物に関する。
板等の表面の錆の発生(金属板の場合)や、汚れや損傷
を防ぐために、表面の保護シートとして粘着シートが一
時的に用いられたり、或いは半導体ウエハのダイシング
工程の一時的接着等への用途に粘着シートが用いられた
りしている。これらの粘着シートに用いられる粘着剤は
被着体に貼り付ける際には充分な粘着力を持ち、その後
(紫外線照射等により硬化されて)剥離する際には、粘
着力が充分に低下し、かつ被着体表面に汚染(粘着剤の
残存)が無いという性質を持つことが必要とされてい
る。
153376号公報には、3,000〜10,000の
分子量を有するウレタンアクリレート系オリゴマーから
なる放射線重合性化合物を配合した粘着剤が開示され、
剥離する際には紫外線を照射することにより被着体との
粘着力を急激に低下させようとするというものである。
また、特開平9−328663号公報には、エラストマ
ー、粘着付与剤、硬化剤、紫外線架橋性オリゴマー及び
/又はモノマー、重合開始剤を主成分とする粘着剤が同
様の目的で開示されている。
開示技術を検討した結果、特開昭62−153376号
公報開示の粘着剤では、粘着剤の再剥離時(硬化後)の
粘着力の低下は認められるものの、再剥離後に被着面に
粘着剤が残存し、更には上記の半導体ウエハのダイシン
グ工程の一時的接着用途に用いた場合には、ダイシング
時にチップが飛散したり、エキスパンド時にチップが剥
離脱落するという問題があり、また、特開平9−328
663号公報開示技術においても、同様の用途に用いた
場合には、ピックアップにかかる力が大きく、特にチッ
プが薄い場合にはチップが破損してしまう恐れがある等
の欠点が判明し、いまだ満足のいくものではなかった。
かる問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、
(a)分子中にカルボキシル基、水酸基、アミド基、グ
リシジル基、アミノ基、スルホン酸基の少なくとも1種
類の官能基を有し、かつ重量平均分子量が20万以上で
ガラス転移温度が−60〜−30℃であるアクリル系粘
着剤、(b)下記(1)式で表される構造を有するウレ
タン系オリゴマー、(c)光重合開始剤、(d)架橋剤
よりなる再剥離型粘着剤組成物が、粘着性、再剥離性、
耐汚染性、柔軟性等が良好で、上記の半導体ウエハのダ
イシング工程の一時的接着用途においてもダイシング適
性に優れ、紫外線あるいは放射線照射による硬化後の硬
化物の伸度が優れるためエキスパンド適性もよく、更に
は硬化性にも優れるためピックアップ効率等に優れ大変
有用であることを見いだし本発明を完成した。
マー単位、○はポリイソシアネート単位、−は分子量3
00以下の低分子量ポリオール、……は分子量500以
上の高分子量ポリオールをそれぞれ表す。)
明する。
は、分子中にカルボキシル基、水酸基、アミド基、グリ
シジル基、アミノ基、スルホン酸基の少なくとも1種類
の官能基を有することが必要で、具体的にはアクリル酸
系アルキルエステル系あるいはメタクリル酸系アルキル
エステル系の主モノマーと上記の官能基を含有するモノ
マーとの共重合体である。
炭素数が1〜12程度のアクリル酸アルキルエステルや
メタクリル酸アルキルエステル等が1種もしくは2種以
上用いられるが、中でもアルキル基の炭素数が4〜12
程度のアクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸アル
キルエステル等が好適に用いられる。
のアクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸te
rt−ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n
−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸n−オクチル、アクリル酸ラウリル等が挙げられ、ま
た、炭素数が4〜12程度のメタクリル酸アルキルエス
テルとしては、メタクリル酸n−酸ブチル、メタクリル
酸iso−酸ブチル、メタクリル酸tert−酸ブチ
ル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸
n−オクチル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられる。
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、アクリ
ルアミドN−グリコール酸、ケイ皮酸等のカルボキシル
基含有モノマー、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、アク
リル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピル、アクリル酸ジエチレン
グリコール、アクリル酸ポリエチレングリコール、N−
メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリル
アミド等の水酸基含有モノマー、メタクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸アリルグリシジル等のグリシジル基含
有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
(n−ブトキシアルキル)アクリルアミド、N−(n−
ブトキシアルキル)メタクリルアミド等のアミド基含有
モノマー、アクリルアミド−3−メチルブチルメチルア
ミン、ジメチルアミノアルキルアクリルアミド、ジメチ
ルアミノアルキルメタクリルアミド等のアミノ基含有モ
ノマー、オレフィンスルホン酸(エチレンスルホン酸、
アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等)、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレ
ンスルホン酸あるいはその塩等のスルホン酸基含有モノ
マーが用いられる。
マーの共重合比(重量比)は99.9/0.1〜70/
30が好ましく、該共重合比が上記範囲外では再剥離時
に粘着剤組成物が被着面に残存する恐れがあり好ましく
ない。
を逸脱しない範囲で上記以外の不飽和化合物(モノマ
ー)を共重合することも可能で、かかるモノマーとして
は、アクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−
メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシエチル、メタ
クリル酸3−メトキシエチル、アクリル酸メトキシジエ
チレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレング
リコール等のアルキルビニルエーテル類、N−アクリル
アミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリル
ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、プロピオン酸ビ
ニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、スチレン等を挙げることができる。
るにあたっては、特に制限されないが、有機溶媒中に主
モノマー、官能基を含有するモノマー、重合開始剤(ア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリ
ル、過酸化ベンゾイル等)を混合あるいは滴下し、還流
状態あるいは50〜90℃で4〜20時間重合させる方
法が好適に採用される。
均分子量は20万以上であることが必要で、好ましくは
20万〜150万、更には40万〜100万である。か
かる重量平均分子量が20万未満では、再剥離時に粘着
剤組成物が被着面に残存する等の欠点があり不適当であ
る。
移温度も−60〜−30℃であることが必要で、好まし
くは−55〜−30℃である。かかるガラス転移温度が
−60℃未満では、(b)ウレタン系オリゴマーとの相
溶性に劣り、紫外線あるいは放射線を照射した後の再剥
離時の粘着力が十分に低下しないためにこの場合も粘着
剤組成物が被着面に残存し、逆に−30℃を越えると十
分な粘着力を得ることができず不適当である。
ゴマーは、上記の(1)式で表されるもので、活性水素
含有(メタ)アクリレート系モノマーとしては、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコ
ール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−クロ
ロプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ
(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレートア
クリレート等が用いられる。
たは2、6−トリレンジイソシアネート、m−またはp
−キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンー4,4′−ジイソシア
ネート、またはその変性物や重合物、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4
−テトラメチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソ
シアネート等が用いられる。
ールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1,2−または1,3
−プロピレングリコール、1,3−または1,4−ブタ
ンジオール、1、5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール等が用いられ
る。
ールとしては、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステ
ル系ポリエステル、ポリカーボネート系ポリオール、ア
クリルポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、ポリ
オレフィン系ポリオールなどのうち、分子量が500以
上のもの、殊に500〜4000のものが用いられ、分
子量が500未満では硬化物の伸度が不足するようにな
る。
型的には、ポリイソシアネート2モルと低分子量ポリオ
ール1モルとを適当な溶媒の存在下に窒素ガスなどの不
活性ガス雰囲気下に温度50〜95℃程度で反応させ、
ついで高分子量ポリオール2モルを加えて反応させてか
ら、さらにポリイソシアネート2モルを加えて反応さ
せ、最後に活性水素含有(メタ)アクリレート系モノマ
ー2モルを加えて温度50〜80℃程度で反応させる方
法が採用される。反応に際しては適宜触媒を存在させる
ことができる。ただし、上に述べた各成分の反応モル比
は代表的な場合を示したものである。である。
ルとを反応させ、ついで高分子量ポリオール2モルを加
えて反応させ、更にポリイソシアネート2モルおよび活
性水素含有(メタ)アクリレート系モノマー2モルを加
えて反応させる方法、 ・ポリイソシアネート4モルと高分子量ポリオール2モ
ルとを反応させ、ついで低分子量ポリオール1モルと活
性水素含有(メタ)アクリレート系モノマー2モルとを
加えて反応させる方法、 ・ポリイソシアネート2モルと活性水素含有(メタ)ア
クリレート系モノマー2モルとを反応させ、ついで高分
子量ポリオール2モルを反応させ、さらにポリイソシア
ネート2モルと低分子量ポリオール1モルとを加えて反
応させる方法、なども採用される。
ソシアネート4モル、低分子量ポリオール1モル、高分
子量ポリオール2モル、活性水素含有(メタ)アクリレ
ート系モノマー2モルを基準とするが、ポリイソシアネ
ート3.5〜4.5モル、低分子量ポリオール0.5〜
1.5モル、高分子量ポリオール1.5〜2.5モル、
活性水素含有(メタ)アクリレート系モノマー1.5〜
2.5モル程度の変動は許容される。
の硬化収縮率が3〜15%であるものを選択することが
好ましく、更には4〜10%である。硬化収縮率が3%
未満では紫外線あるいは放射線を照射した後の再剥離時
の粘着力の低下が不十分であり、逆に15%を越える
と、照射後の粘着剤が硬くなり過ぎる傾向にあり、特に
半導体ウエハのダイシング工程の一時的接着用途に用い
た場合には、エキスパンドできなくなったり、エキスパ
ンドできた場合でもチップが飛散する傾向があり好まし
くない。
することができる。
−ヒドロキシイソブチルフェノン4gを入れ混合し、泡
を抜き、JIS K 5400の比重カップ法によっ液
比重を測定し、そのときの比重をd(g/cm3)とす
る。次に該液の一部を円筒形(直径5.0cm、高さ
1.0cm、内容積19.6cm3)のポリエチレンの
型枠に流し込み、紫外線を500mJ/cm2を照射し
て硬化させ、硬化物を型枠から取り外し、上記の比重カ
ップ(内容積100cm3)に入れさらに水を満たして
比重カップ全体の重量を測り、硬化後の比重s(g/c
m3)を下式(2)により求めて、硬化収縮率を下式
(3)で求める。
量(g)、c:比重カップ内の水の重量+硬化後の重量
(g)、d:硬化前の比重(g/cm3)] 上記の(b)ウレタン系オリゴマーは、ハードセグメン
トとソフトセグメントを有するもので、本発明において
は、かかる(b)ウレタン系オリゴマーを配合すること
により、紫外線あるいは放射線照射による硬化後の硬化
物の伸度が特に改善されて、エキスパンド時の伸びに優
れ、チップの飛散も防ぐことができるのである。
としては、ベンゾイン、イソプロピルベンゾインエーテ
ル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、
ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオ
キサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキ
サントン、アセトフェノンジエチルケタール、ベンジル
ジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン等が挙げられるが、ベンジルジメ
チルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オンが好ましい。
は、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキ
シ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリ
ンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエ
ーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロー
ルポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリ
グリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシ
ジルエーテル等のエポキシ系化合物、テトラメチロール
メタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリ
メチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオ
ネート、N,N′−ジフェニルメタン−4,4′−ビス
(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N′−ヘキ
サメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシ
アミド)等のアジリジン系化合物、ヘキサメトキシメチ
ルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプ
ロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミ
ン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキ
シルオキシメチルメラミン等のメラミン系化合物、2,
4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,
3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビ
ス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジ
イソシアネート付加物、トリメチロールプロパンのキシ
リレンジイソシアネート付加物、トリフェニルメタント
リイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタ
ン)トリイソシアネート等のイソシアネート系化合物等
が挙げられ、中でも、トリメチロールプロパンのトリレ
ンジイソシアネート付加物が好ましい。
〜(d)の各配合量は特に制限されないが、(b)の配
合量を(a)と(b)の合計量に対して、5〜75重量
%とすることが好ましく、更には10〜70重量%が好
ましい。かかる配合量が5重量%未満では、紫外線ある
いは放射線を照射させた後の粘着力の低下(再剥離性)
が不十分となり、特に半導体ウエハのダイシング工程の
一時的接着用途に用いた場合には、ピックアップ時にチ
ップが薄いと破損してしまうことがあり、逆に75重量
%を越えると粘着力が不十分で、特に上記の用途に用い
た場合にはダイシングの際にシリコンウエハ等の固定力
が弱過ぎてダイシング工程に耐えられないことがあり好
ましくない。
の合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部と
することが好ましく、更には1.0〜5.0重量部が好
ましい。かかる配合量が0.1重量部未満では、紫外線
あるいは放射線を照射させた後の粘着力の低下(再剥離
性)が不十分となり、特に半導体ウエハのダイシング工
程の一時的接着用途に用いた場合には、ピックアップ時
にチップが薄いと破損してしまうことがあり、逆に10
重量部を越えると、被着面に(c)光重合開始剤が残留
して汚染の原因ともなり、特に半導体ウエハのダイシン
グ工程の一時的接着用途に用いた場合には、チップ上に
該開始剤が残留する恐れがあるので好ましくない。
の合計量100重量部に対して、0.05〜10重量部
とすることが好ましく、更には0.1〜5重量%が好ま
しい。かかる配合量が0.05重量%未満では、紫外線
あるいは放射線を照射させた後の再剥離時に被着面に粘
着剤組成物が残存して汚染の原因となり、特に半導体ウ
エハのダイシング工程の一時的接着用途に用いた場合に
は、チップ上に粘着剤組成物が残留する恐れがあり、逆
に10重量%を越えると、紫外線あるいは放射線を照射
させる前に硬化が進行してしまい、紫外線あるいは放射
線の照射後の粘着力の低下が望めなくなることがあり好
ましくない。
しては、上記の(a)〜(d)を配合(混合)すればよ
く、その配合順序等は特に限定されないが、(a)、
(b)を溶剤中で混合した後、(c)や(d)を配合す
る方法が好ましい。
(d)を溶解するものであれば、特に限定されないが、
酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢
酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族化
合物等が挙げられる。しかし、溶解性、乾燥性、価格等
の点から酢酸エチル、トルエンが好適に用いられる。
得られるわけであるが、本発明の効果を損なわない範囲
において、上記(a)以外の粘着剤、ウレタン樹脂、ロ
ジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、フェノー
ル樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、
脂環族系石油樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂等
の粘着付与剤公知の添加剤や紫外線或いは放射線照射に
より呈色或いは変色を起こすような化合物を添加するこ
とができる。
材シート等に塗布されて粘着シートや粘着テープ等とし
て実用に供されることが多く、かかる粘着シートや粘着
テープ等を製造するには、まず本発明の再剥離型粘着剤
組成物をそのまま又は適当な有機溶剤により、濃度調整
し、シリコン処理等が施された基材の処理面に塗工した
り、或いは直接基材に塗工して、例えば80〜105
℃、30秒〜10分間加熱処理等により乾燥させて粘着
層を形成させることができる。
フィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビ
ニル、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリウレタン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン、ポリピロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブチレンテ
レフタレート等の透明フィルムが挙げられ、特に半導体
ウエハのダイシング工程で、エキスパンドが必要な用途
に用いる場合には、エキスパンド時の延伸性に優れるポ
リ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体等の透明或いは紫外線透過が可能な着色フィルムが好
適に用いられる。
導体ウエハのダイシング工程の一時的接着用途に有用
で、かかる用途について具体的に説明する。該用途にお
いては、本発明の再剥離型粘着剤組成物が基材に塗工さ
れた粘着シートまたは粘着テープ等に半導体ウエハ(シ
リコンウエハ)を貼り付けて固定した後、回転丸刃で半
導体ウエハをチップに切断する。その後、粘着シートま
たは粘着テープ等の基材側から紫外線あるいは放射線を
照射して硬化させる。紫外線照射を行う時の光源として
は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯カーボンアーク灯、キセ
ノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラ
ックライトなどが用いられる。高圧水銀ランプの場合は
5〜3000mJ/cm2、好ましくは10〜500m
J/cm2の条件で行われる。照射時間は、光源の種
類、光源と塗布面との距離、塗工厚、その他の条件によ
っても異なるが、通常は数秒、場合によっては数分の1
秒でもよい。電子線照射の場合には、例えば、50〜1
000Kevの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、
2〜50Mradの照射量とするのがよい。
による180度ピール強度)は、基材の種類、ウエハの
種類によっても変わるが、硬化前で150〜600g/
25mm、照射後(再剥離時)で、5〜30g/25m
m程度が好ましい。また、ウエハが大きくてエキスパン
ドがない場合には、硬化前で500〜1000g/25
mm、照射後(再剥離時)で5〜30g/25mm程度
が好ましい。尚、ウエハ以外の金属板、ガラス板、プラ
スチック板等の一時的な表面保護用途に用いる場合に
は、硬化前で200〜900g/25mm、照射後(再
剥離時)で5〜30g/25mm程度が好ましい。
トまたは粘着テープ等をエキスパンド(延伸)してチッ
プ間隔を一定間隔に広げた後、チップをニードル等で突
き上げると共に、エアピンセット等で吸着する方法等に
よりピックアップし、チップを基盤に接着し、金線で電
極を接続して製品となる半導体チップとなるのである。
時的接着用途(半導体固定用の粘着シート等)について
説明したが、本発明の再剥離型粘着剤組成物はこれに限
定されることなく、金属板、ガラス板、プラスチック
板、シリコンウエハ等の一時的な表面保護用粘着シート
などにも用いることができ、大変有用な再剥離型粘着剤
組成物である。
尚、以下の記述で「%」、「部」とあるのは特に断りの
ない限り重量基準である。
冷却器、撹拌器、滴下ロート及び温度計をとりつけ、ア
クリル酸n−ブチル74部、メタクリル酸メチル10
部、アクリル酸1.5部、アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル14.5部及び酢酸エチル80部を仕込み、加熱還
流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル0.07部を加え、酢酸エチル還流温度で3時間反応
後、アゾビスイソブチロニトリル0.07部をトルエン
5部に溶解させたものを加え、還流温度にて更に4時間
反応させ、トルエンにて希釈することにより樹脂分40
%、重量平均分子量71万、ガラス転移温度−39℃の
アクリル系粘着剤を得た。尚重量平均分子量はゲルパー
ミションクロマトグラフィー法で、ガラス転移温度は示
差走査熱量計(DSC)によって求めた。
撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備え
た四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート20
2.0g(0.91モル)、ネオペンチルグリコール4
7.3g(0.45モル)を仕込み、内温80〜90℃
で約5時間反応させ、残存イソシアネート基が6.1%
となった時点で、分子量650のポリテトラメチレング
リコール568.0g(0.87モル)、ジブチルスズ
ジラウリレート0.15gを加えてさらに5時間反応さ
せた。残存イソシアネート基が0.5%となった時点で
イソホロンジイソシアネート202g(0.91モル)
を加えて反応させ、残存イソシアネート基が2.8%と
なった時点で内温を60〜70℃に保ち、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート105.5(0.91モル)を加
えて4時間反応させて、アクリロイル基を導入した重量
平均分子量2600のウレタン系オリゴマーを得た。得
られたウレタン系オリゴマーは、上記の(1)式の構造
を有するものであった(参考までに該ウレタン系オリゴ
マーのNMRチャートを図1に、IRチャートを図2に
それぞれ示す)。また、該ウレタン系オリゴマーの硬化
収縮率は5.8%であった。 <再剥離型粘着剤組成物の調製>紫外線の遮断された部
室にて、250mlのポリエチレン容器にトルエン30
部と上記(b)ウレタン系オリゴマー20部を入れ、4
0℃にて溶解後、上記(a)アクリル系粘着剤(樹脂分
40%)の溶液50部と、(c)1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン(日本チバガイギー社製、イル
ガキュア184)1.4部、(d)トリメチロールプロ
パンのトリレンジイソシアネート付加物の55%酢酸エ
チル溶液(日本ポリウレタン社製、コロネートL−55
E)0.5部を加えて撹拌し均一な溶液(本発明の再剥
離型粘着剤組成物)を得た。
以下の要領で評価を行った。
以下の要領で粘着シートを作製した。
状態で、該再剥離型粘着剤組成物(溶液)をシリコーン
剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフィルムに乾
燥後の厚さが10μmになるように塗工し、100℃、
2分間加熱乾燥した。その後、基材となる80μmのポ
リエチレンフィルム上に転写し、40℃にて3日間エー
ジングすることにより粘着シートを作製した。
下の要領で、粘着性、再剥離性、耐汚染性、柔軟性及び
特に半導体ウエハのダイシング工程の一時的接着用途に
用いたときのダイシング適性、エキスパンド適性、ピッ
クアップ効率の評価を紫外線の遮断された部屋で行っ
た。 (粘着力)紫外線の遮断された状態で、シリコンウエ
ハ、SUS、ガラス板をそれぞれ被着体として、紫外線
照射前の180度ピール強度(g/25mm)を、JI
SZ 0237に準じて測定した。 (再剥離性)シリコンウエハ、SUS、ガラス板をそれ
ぞれ被着体として、紫外線照射(高圧水銀ランプにて2
50mJ/cm2)後の180度ピール強度(g/25
mm)を、JIS Z 0237に準じて測定した。 (耐汚染性)異物が付着していない4インチ角のシリコ
ンウエハ、SUS、ガラス板のそれぞれの表面に上記粘
着シートを貼付し、23℃、65%RHに調整された部
屋に1時間放置し、紫外線を照射した(高圧水銀ランプ
にて250mJ/cm2)後、各被着体の表面から粘着
シートを剥離し、剥離後の各被着体について、レーザ表
面検査装置を用いて、表面に残存する0.3μm以上の
異物の数を測定し、以下の通り評価した。
水銀ランプにて250mJ/cm2)後、該シートを
1.5倍に延伸した時の基材フィルムと硬化した粘着剤
組成物の状態をも目視観察して、以下の通り評価した。
れており、該組成物に割れは認められない △ −−− 基材フィルムと共に粘着剤組成物も延伸さ
れているものの、該組成物に多少の割れが認められる × −−− 粘着剤組成物に割れが生じて、ほとんど延
伸されていない (ダイシング適性)上記粘着シートを直径5インチの半
導体ウエハに貼り付けた後、10mm角のチップ状にダ
イシングを行って、その際のチップの状況を以下の通り
評価した。
が認められる × −−− 全体的にチップの飛散が認められる (エキスパンド適性)上記ダイシングの後、紫外線照射
(同上)を行い、ウエハ拡張装置を用いて、エアー圧
2.0kg/cm2でエキスパンドし、チップ間隙が1
00μmの時のチップの保持性を観察して以下の通り評
価した。
トの破断やチップの剥離(飛散)がなかったものについ
て、ダイボンダー装置にてピックアップを行う際、10
000個中にピックアップされた個数を測定し以下の通
り評価した。
うに変更した以外は同様に行って再剥離型粘着剤組成物
を得て、同様に評価を行った。
ラスコに還流冷却器、撹拌器、滴下ロート及び温度計を
とりつけ、アクリル酸n−ブチル85部、メタアクリル
酸メチル10部、アクリル酸2.5部、アクリル酸2−
ヒドロキシエチル2.5部及び酢酸エチル80部を仕込
み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブ
チロニトリル0.07部を加え、酢酸エチル還流温度で
7時間反応後、トルエンにて希釈することにより樹脂分
40%、重量平均分子量81万、ガラス転移温度−43
℃のアクリル系粘着剤を得た。
のように変更した以外は同様に行って再剥離型粘着剤組
成物を得て、同様に評価を行った。
撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備え
た四つ口フラスコに、トリレンジイソシアネート15
8.3g(0.91モル)、ネオペンチルグリコール4
7.3g(0.45モル)を仕込み、内温80〜90℃
で5時間反応させ、残存イソシアネート基が6.1%と
なった時点で、分子量650のポリテトラメチレングリ
コール568.0g(0.87モル)、ジブチルスズジ
ラウリレート0.15gを加えてさらに5時間反応させ
た。残存イソシアネート基が0.5%となった時点でト
リレンジイソシアネート158.3g(0.91モル)
を加えて反応させ、残存イソシアネート基が2.8%と
なった時点で内温を60〜70℃に保ち、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート105.5g(0.91モル)を
加えて4時間反応させて、アクリロイル基を導入した重
量平均分子量2400のウレタン系オリゴマーを得た。
得られたウレタン系オリゴマーは、実施例1と同様、上
記の(1)式の構造を有するものであった。また、該ウ
レタン系オリゴマーの硬化収縮率は6.0%であった。
(a)アクリル系粘着剤(樹脂分40%)の溶液の配合
量を65部、(b)ウレタン系オリゴマーの配合量を1
4部に変更した以外は実施例1と同様に行って再剥離型
粘着剤組成物を得て、同様に評価を行った。
ルフェニルケトン(日本チバガイギー社製、イルガキュ
ア184)1.4部に替えてベンジルメチルケタール
(日本チバガイギー社製、イルガキュア651)1.4
部を用いた以外は実施例1と同様に行って再剥離型粘着
剤組成物を得て、同様に評価を行った。
リレンジイソシアネート付加物の55%酢酸エチル溶液
(日本ポリウレタン社製、コロネートL−55E)を
1.0部に変更した以外は実施例1と同様に行って再剥
離型粘着剤組成物を得て、同様に評価を行った。
に変更した以外は同様に行って再剥離型粘着剤組成物を
得て、同様に評価を行った。
ラスコに還流冷却器、撹拌器、滴下ロート及び温度計を
とりつけ、アクリル酸n−ブチル64部、メタクリル酸
メチル30部、アクリル酸1部、メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル5部及び酢酸エチル60部を仕込み、実施
例1と同様に重合し、樹脂分40%、重量平均分子量8
3万、ガラス転移温度−17℃のアクリル系粘着剤を得
た。
に変更した以外は同様に行って再剥離型粘着剤組成物を
得て、同様に評価を行った。
ラスコに還流冷却器、撹拌器、滴下ロート及び温度計を
とりつけ、アクリル酸2−エチルヘキシル80部、メタ
クリル酸メチル10部、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル10部及び酢酸エチル60部を仕込み、加熱還流開始
後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.
07部を加え、酢酸エチル還流温度で7時間反応後、ト
ルエンにて希釈することにより樹脂分40%、重量平均
分子量26万、ガラス転移温度−66℃のアクリル系粘
着剤を得た。
に変更した以外は同様に行って再剥離型粘着剤組成物を
得て、同様に評価を行った。
ラスコに還流冷却器、撹拌器、滴下ロート及び温度計を
とりつけ、アクリル酸n−ブチル74部、メタクリル酸
メチル10部、アクリル酸1.5部、アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル14.5部及びトルエン80部を仕込
み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブ
チロニトリル0.3部を加え、トルエン還流温度で7時
間反応後、トルエンにて希釈することにより樹脂分40
%、重量平均分子量14万、ガラス転移温度−39℃の
アクリル系粘着剤を得た。
(a)アクリル系粘着剤の配合を省略した以外は同様に
行って再剥離型粘着剤組成物を得て、同様に評価を行っ
た。
(b)ウレタン系オリゴマーの配合を省略した以外は同
様に行って再剥離型粘着剤組成物を得て、同様に評価を
行った。
(b)ウレタン系オリゴマーに変えて、トリメチロール
プロパンアクリレート(硬化収縮率は12.0%)を配
合した以外は同様に行って再剥離型粘着剤組成物を得
て、同様に評価を行った。
に示す。
のアクリル系粘着剤と特定の構造を有するウレタン系オ
リゴマーを用いているため、各種被着体に対する粘着
性、(紫外線等による硬化後の)再剥離性、耐汚染性、
柔軟性(基材への追従性)等に優れ、特に半導体ウエハ
のダイシング工程の一時的接着用途に用いたときのダイ
シング適性、エキスパンド適性、ピックアップ効率等に
優れるため、該用途に非常に有用である。
MRチャート
Rチャート
Claims (4)
- 【請求項1】 (a)分子中にカルボキシル基、水酸
基、アミド基、グリシジル基、アミノ基、スルホン酸基
の少なくとも1種類の官能基を有し、かつ重量平均分子
量が20万以上でガラス転移温度が−60〜−30℃で
あるアクリル系粘着剤、(b)下記(1)式で表される
構造を有するウレタン系オリゴマー、(c)光重合開始
剤、(d)架橋剤よりなることを特徴とする再剥離型粘
着剤組成物。 =○……○−○……○= ・・・ (1) (但し、=は活性水素含有(メタ)アクリレート系モノ
マー単位、○はポリイソシアネート単位、−は分子量3
00以下の低分子量ポリオール、……は分子量500以
上の高分子量ポリオールをそれぞれ表す。) - 【請求項2】 (b)の配合量が(a)と(b)の合計
量に対して、5〜75重量%であることを特徴とする請
求項1記載の再剥離型粘着剤組成物。 - 【請求項3】 (d)の配合量が(a)と(b)の合計
量100重量部に対して、0.05〜10重量部である
ことを特徴とする請求項1または2記載の再剥離型粘着
剤組成物。 - 【請求項4】 半導体ウエハのダイシング工程の半導体
固定用粘着シートに用いられることを特徴とする請求項
1〜3いずれか記載の再剥離型粘着剤組成物。
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