JP3909907B2 - 半導体ウエハ加工用粘着シ―ト類と加工方法 - Google Patents

半導体ウエハ加工用粘着シ―ト類と加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線硬化型である半導体ウエハ加工用粘着シ―ト類と、これを用いた半導体ウエハ加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、半導体集積回路は、高純度シリコン単結晶などをスライスしてウエハとしたのち、ウエハ表面にICなどの所定の回路パタ―ンをエツチング形成して集積回路を組み込み、ついでウエハ裏面を研削機により研削して、ウエハの厚さを100〜600μm程度まで薄くし、最後にダイシングしてチツプ化することにより、製造されている。ここで、上記研削時には、ウエハ表面に粘着シ―ト類を貼り付けて、ウエハの破損を防止したり、研削加工を容易にしている。また、上記ダイシング時には、ウエハ裏面側に粘着シ―ト類を貼り付けて、ウエハを接着固定した状態でダイシングし、形成されるチツプをフイルム基材側よりニ―ドルで突き上げてピツクアツプし、ダイパツド上に固定させている。
【0003】
このような目的で用いられる粘着シ―ト類は、研削加工やダイシング加工中に剥離しない程度の粘着力が必要である一方、研削加工後や、ダイシング後のピツクアツプ時には、容易に剥離でき、また半導体ウエハを破損しない程度の低い粘着力であることが要求され、さらにウエハ表面やウエハ裏面に糊残りを生じず、これらの面を汚染しないものであることが望まれる。
【0004】
近年、半導体ウエハは大口径化、薄型化の傾向にあり、また酸によるウエハ裏面のエツチング工程が加わつてきている。このような状況において、上記の粘着シ―ト類に、加工中の耐水性、加工中や剥離時の非破損性、酸によるエツチング時の耐酸性、剥離容易性、非汚染性などの各種特性のバランスを保たせることが難しくなつている。また、ダイシング工程では、半導体パツケ―ジでLOC構造のものや、ダイパツドの面積がチツプよりも小さい構造のものが増加しており、これらのパツケ―ジでは今までのパツケ―ジと異なり、チツプの裏面が直接封止樹脂に接触しているため、半導体ウエハの裏面とパツケ―ジとの密着性が損なわれないように、ウエハ裏面の低汚染性がより重要になつている。
【0005】
半導体ウエハ加工用粘着シ―ト類として、現在、最も注目されているものは、放射線硬化型の粘着シ―ト類、つまり、フイルム基材の片面に放射線硬化型粘着剤層を設けてなる粘着シ―ト類である。この種の粘着シ―ト類は、常態時には強い粘着力を有しているため、これをウエハ表面または裏面に貼り合わせることにより、研削加工やダイシング加工時の水圧に耐える大きな粘着力が得られ、また粘着剤組成の選択などによつて良好な耐酸性も期待でき、一方、上記加工後には光などの放射線を照射して、上記粘着剤層を硬化させると、その粘着力が著しく低下して、良好な剥離容易性とウエハの非破損性が得られ、またウエハの非汚染性にも比較的良好な結果が得られるなどの利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、この放射線硬化型の粘着シ―ト類は、光を照射して硬化させたときに強い臭気を発生し、作業者に不快な気持ちをいだかせたり、健康衛生の面でも決して好ましいものとはいえなかつた。また、剥離後のウエハの非汚染性は、他の粘着シ―ト類に比べて格段にすぐれているが、糊残りによるミクロンオ―ダまたはサブミクロンオ―ダの汚染はいぜんとして発生することがあり、この汚染がダイシング加工でのウエハ裏面の場合、半導体パツケ―ジをハンダリフロ―した際に、チツプ裏面と封止樹脂との境界での剥離の原因となり、半導体集積回路の長期的な信頼性が損なわれるという問題があつた。
【0007】
本発明は、このような事情に照らし、放射線硬化型である半導体ウエハ加工用粘着シ―ト類として、研削加工やダイシング加工などの加工時には大きな粘着力を示して加工目的を果たし、加工後剥離する際には放射線の照射による硬化にてウエハの破損などを生じることなく容易に剥離できるとともに、上記の硬化後に強い臭気を発生せず、また糊残りによるミクロンオ―ダまたはサブミクロンオ―ダの汚染がみられない、とくにウエハ裏面の上記汚染に起因したチツプ裏面と封止樹脂との境界での剥離などの心配のない上記粘着シ―ト類と、これを用いた半導体ウエハ加工方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、鋭意検討した結果、放射線硬化型粘着剤層中には通常ベンゾフエノン、チオキサントンなどの公知の光重合開始剤を含ませるようにしているが、この公知の開始剤に代えて高分子量の特定の光重合開始剤を含ませるようにしたときに、放射線照射後の強い臭気がなくなり、また糊残りによるミクロンオ―ダまたはサブミクロンオ―ダの汚染がみられなくなることを見い出し、本発明を完成するに至つたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、放射線透過性のフイルム基材の片面に、ベースポリマー100重量部あたり放射線重合性化合物1〜300重量部とともに分子量が1,000〜100,000であるポリマ―化した光重合開始剤0.1〜10重量部を含有する放射線硬化型粘着剤層が設けられてなることを特徴とするシ―ト状やテ―プ状などの半導体ウエハ加工用粘着シ―ト類(請求項1)と、半導体ウエハに、上記構成の粘着シ―ト類を貼り付けて、所要のウエハ加工を施し、ついで、放射線の照射により上記粘着シ―ト類の放射線硬化型粘着剤層を硬化させたのち、上記粘着シ―ト類を剥離することを特徴とする半導体ウエハ加工方法(請求項2)とに係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における放射線硬化型粘着剤層は、ベ―スポリマ―に放射線重合性化合物とともに特定の光重合開始剤を含ませてなるものであり、通常はこれにさらにポリイソシアネ―ト化合物、アルキルエ―テル化メラミン化合物、エポキシ系化合物、シランカツプリング剤などの公知の架橋剤を含ませてなるものである。また、必要により、半導体ウエハへの粘着力をコントロ―ルするため、タツキフアイア、粘着調整剤、界面活性剤、その他の改質剤および慣用成分を含ませることもできる。ただし、界面活性剤や界面活性を示す化合物などは、半導体ウエハの加工という観点より、なるべく少ない方が好ましい。
【0011】
ベ―スポリマ―は、とくに限定されず、従来公知のものを広く使用できる。たとえば、天然ゴムや各種の合成ゴムなどのゴム系ポリマ―、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとこれと共重合可能な他の不飽和単量体との共重合体からなるアクリル系ポリマ―などがある。これらのベ―スポリマ―は、分子内に放射線にて重合する炭素−炭素二重結合を持つたものであつてもよい。
【0012】
放射線重合性化合物は、放射線の照射により硬化して三次元網状化する、分子中に放射線重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する、分子量が通常10,000以下の低分子量化合物である。放射線の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率良くなされるように、分子量が5,000以下でかつ分子内の放射線重合性の炭素−炭素二重結合の数が2〜6個であるものが好ましい。
【0013】
このような放射線重合性化合物としては、たとえば、トリメチロ―ルプロパントリアクリレ―ト、テトラメチロ―ルメタンテトラアクリレ―ト、ペンタエリスリト―ルトリアクリレ―ト、ペンタエリスリト―ルテトラアクリレ―ト、ジペンタエリスリト―ルモノヒドロキシペンタアクリレ―ト、ジペンタエリスリト―ルヘキサアクリレ―ト、1,4−ブチレングリコ―ルジアクリレ―ト、1,6−ヘキサンジオ―ルジアクリレ―ト、ポリエチレングリコ―ルジアクリレ―ト、特公平5−25907号公報(とくに、この公報の従来技術の欄)に記載されているようなオルガノポリシロキサン組成物、市販のオリゴエステルアクリレ―ト、ウレタンアクリレ―トなどが挙げられる。
【0014】
これらの放射線重合性化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。使用量は、ベ―スポリマ―100重量部に対し、1〜300重量部とするのがよい。1重量部未満では、放射線硬化型粘着剤層の放射線の照射による三次元網状化が不十分となり、粘着シ―ト類をウエハから剥離する際の剥離性に劣り、またウエハを汚染するおそれがある。300重量部を超えると、放射線を照射する前の粘着剤層の厚み精度が悪くなるなどの問題がある。
【0015】
光重合開始剤としては、ポリマ―化したもの、通常は、分子量が1,000〜100,000、好ましくは2,000〜100,000のものが用いられる。このような高分子量の光重合開始剤を用いると、光などの放射線を照射して粘着剤層を硬化させる際に、この粘着剤層が発熱したときでも、熱による揮散や分解などに起因した臭気の発生がみられなくなり、また粘着剤層が適度な凝集力を有するものとなつて、剥離時にウエハへの糊残りが少なくなり、従来のようなミクロンオ―ダまたはサブミクロンオ―ダのウエハ汚染が防がれる。
【0016】
このような光重合開始剤としては、ベンゾイン型、カルボニル型などを用いるのが好ましく、これらの基が高分子中に複数個あるもの、たとえば、ポリビニルベンゾイン系、ポリビニルケトン系などが好適に用いられる。市販品としては、シ―ベルヘグナ―(販売元)の「ESACURE KIP100」、「ESACURE KIP150」などが挙げられる。「ESACURE KIP150」は、下記の構造式(1)で表される、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フエニル]プロパノン}である。
【0017】
【化1】
Figure 0003909907
【0018】
上記以外の光重合開始剤として、下記の構造式(2)で表されるもの〔J.Polyme.Sci Apolymer chem 24.875(‘86)〕、下記の構造式(3)または(4)で表されるもの(特開昭50−130886号公報、ジ―ワコ―ポレ―シヨン)、下記の構造式(5)で表されるもの〔Tetrahedron Lett 323(‘74)〕、下記の構造式(6)で表されるもの〔Eur.Polymer J.14.317(‘78)〕、下記の構造式(7)で表されるもの〔J.Polyme.Sci chem,ed.,19.855(‘81)〕などを用いることもできる。
【0019】
【化2】
Figure 0003909907
【0020】
【化3】
Figure 0003909907
【0021】
【化4】
Figure 0003909907
【0022】
【化5】
Figure 0003909907
【0023】
【化6】
Figure 0003909907
【0024】
【化7】
Figure 0003909907
【0025】
このような光重合開始剤は、ベ―スポリマ―100重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは1〜10重量部の割合で使用するのがよい。0.1重量部未満では、粘着剤層の放射線の照射による三次元網状化が不十分となり、良好な剥離性が得られなかつたり、ウエハ汚染の原因となる。また、10重量部を超えて使用しても、それに見合つた効果が得られないばかりか、ウエハにこの光重合開始剤が残留するおそれがある。
【0026】
なお、上記特定の光重合開始剤とともに、イソプロピルベンゾインエ―テル、イソブチルベンゾインエ―テル、ベンゾフエノン、ミヒラ―ズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタ―ル、α−ヒドロキシクロロヘキシルフエニルケトン、2−ヒドロキシメチルフエニルプロパンなどの他の光重合開始剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で併用してもよい。また、必要により、これらの光重合開始剤とともに、トリエチルアミン、テトラエチルペンタアミン、ジメチルアミノエタノ―ルなどのアミン化合物を光重合促進剤として併用することもできる。
【0027】
本発明においては、フイルム基材の片面に、上記のベ―スポリマ―、放射線重合性化合物および特定の光重合開始剤、必要により架橋剤およびその他の配合剤成分を含ませた放射線硬化型粘着剤を、直接塗布し加熱乾燥するか、あるいは、剥離紙上に一旦塗布し乾燥したのちフイルム基材の片面に転写することにより、厚さが通常5〜100μmとなる放射線硬化型粘着剤層を形成して、シ―ト状、テ―プ状などの半導体ウエハ加工用粘着シ―ト類とする。その際、上記の粘着剤層を配合成分の異なる多層構造としてもよい。
【0028】
フイルム基材としては、剥離時にフイルム基材側から放射線を照射するため、放射線透過性であることが必要で、またウエハ加工時の衝撃緩和能や洗浄水などに耐える強度を有していることが必要で、これらに適した材質および厚さが選択される。なお、このようなフイルム基材の粘着剤層形成面には、粘着剤層の投錨性を向上させるため、コロナ処理しておくのが望ましい。
【0029】
このようなフイルム基材には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ―ト、ポリブチレンテレフタレ―ト、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリウレタン、ポリメチルペンテン、ポリブタジエンなどのフイルムが挙げられる。これらの厚さは、通常30〜500μm、好ましくは40〜300μmである。
【0030】
本発明において、上記構成の粘着シ―ト類を用いて、半導体ウエハの加工を行うには、まず、半導体ウエハの表面または裏面に、上記構成の粘着シ―ト類を貼り付け、この状態で、常法によりウエハ裏面の研削加工、ダイシング加工などの所要のウエハ加工を施せばよい。その際、上記粘着シ―ト類が大きな粘着力を有するため、加工中に剥離などの支障をきたさず、所望の加工目的を達成でき、またウエハの破損などの不都合を生じることもない。
【0031】
この加工後、粘着シ―ト類のフイルム基材側から、光(紫外線)、電子線などの放射線を照射して、上記粘着シ―ト類の放射線硬化型粘着剤層を硬化させる。この硬化により粘着力が著しく低下するため、ウエハより上記粘着シ―ト類を容易に剥離でき、ダイシング加工ではその後のピツクアツプ作業を容易に行える。しかも、上記硬化後に強い臭気を発生することがなく、作業者に不快な気持ちをいだかせたり、健康衛生上の問題を引き起こす心配はない。また、剥離後に糊残りによるミクロンオ―ダまたはサブミクロンオ―ダの汚染がみられず、したがつて、従来のようなウエハ裏面の上記汚染に起因したチツプ裏面と封止樹脂との境界での剥離などの不都合を招くこともない。
【0032】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0033】
実施例1
アクリル酸n−ブチル80部、アクリル酸エチル15部およびアクリル酸5部からなるモノマ―混合物を、酢酸エチル150部およびアゾイソブチロニトリル0.1部を用いて、窒素気流下60℃にて12時間溶液重合を行い、重量平均分子量が56万のアクリル系ポリマ―溶液Aを得た。
【0034】
この溶液Aに、アクリル系ポリマ―100部に対し、放射線重合性化合物としてウレタンアクリレ―ト100部、架橋剤としてポリイソシアネ―ト化合物2部およびエポキシ系化合物0.5部、ポリマ―化した光重合開始剤として市販品である「ESACURE KIP150」(シ―ベルヘグナ―販売元)3部を、均一に混合して、放射線硬化型粘着剤溶液を調製した。
【0035】
この放射線硬化型粘着剤溶液を、厚さが50μmのポリエステルフイルムからなるセパレ―タの片面に、乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布し、120℃で3分乾燥したのち、厚さが100μmのポリエチレンフイルムからなるフイルム基材にラミネ―トして、半導体ウエハ加工用粘着シ―トを作製した。
【0036】
実施例2
実施例1のアクリル系ポリマ―溶液Aに、アクリル系ポリマ―100部に対し、放射線重合性化合物としてペンタエリスリト―ルヘキサアクリレ―ト80部、架橋剤としてトリレンジイソシアネ―ト3部、ポリマ―化した光重合開始剤(実施例1と同じもの)5部を、均一に混合して、放射線硬化型粘着剤溶液を調製した。また、これを用いて実施例1と同様にして、半導体ウエハ加工用粘着シ―トを作製した。
【0037】
実施例3
アクリル酸2−エチルヘキシル30部、アクリル酸メチル70部およびアクリル酸10部からなるモノマ―混合物を、酢酸エチル200部およびベンゾイルパ―オキサイド0.2部を用いて、窒素気流下60℃にて12時間溶液重合を行い、重量平均分子量が80万のアクリル系ポリマ―溶液Bを得た。
【0038】
この溶液Bに、アクリル系ポリマ―100部に対し、放射線重合性化合物としてペンタエリスリト―ルテトラアクリレ―ト50部、架橋剤としてトリレンジイソシアネ―ト3部、ポリマ―化した光重合開始剤として市販品である「ESACURE KIP100」(シ―ベルヘグナ―販売元)5部を、均一に混合して、放射線硬化型粘着剤溶液を調製した。また、これを用いて実施例1と同様にして、半導体ウエハ加工用粘着シ―トを作製した。
【0039】
実施例4
実施例3のアクリル系ポリマ―溶液Bに、アクリル系ポリマ―100部に対し、放射線重合性化合物としてウレタンアクリレ―ト120部、架橋剤としてトリレンジイソシアネ―ト3部、ポリマ―化した光重合開始剤(実施例3と同じもの)5部を、均一に混合して、放射線硬化型粘着剤溶液を調製した。また、これを用いて実施例1と同様にして、半導体ウエハ加工用粘着シ―トを作製した。
【0040】
比較例1
ポリマ―化した光重合開始剤3部に代えて、α−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン(分子量204.3)10部を用いた以外は、実施例1と同様にして、放射線硬化型粘着剤溶液を調製した。また、これを用いて実施例1と同様にして、半導体ウエハ加工用粘着シ―トを作製した。
【0041】
比較例2
ポリマ―化した光重合開始剤5部に代えて、α−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン(分子量204.3)5部を用いた以外は、実施例2と同様にして、放射線硬化型粘着剤溶液を調製した。また、これを用いて実施例1と同様にして、半導体ウエハ加工用粘着シ―トを作製した。
【0042】
比較例3
ポリマ―化した光重合開始剤5部に代えて、2,4−ジエチルチオキサントン(分子量250)5部を用いた以外は、実施例3と同様にして、放射線硬化型粘着剤溶液を調製した。また、これを用いて実施例1と同様にして、半導体ウエハ加工用粘着シ―トを作製した。
【0043】
比較例4
ポリマ―化した光重合開始剤5部に代えて、2,4−ジエチルチオキサントン(分子量250)10部を用いた以外は、実施例4と同様にして、放射線硬化型粘着剤溶液を調製した。また、これを用いて実施例1と同様にして、半導体ウエハ加工用粘着シ―トを作製した。
【0044】
以上の実施例1〜4および比較例1〜4の各半導体ウエハ加工用粘着シ―トについて、放射線照射による硬化後の臭気発生の有無と、半導体ウエハに貼り付けて放射線を照射したのちに剥離したときのウエハ汚染性を、下記の方法により、調べた。結果は、表1に示されるとおりであつた。
【0045】
<臭気およびウエハ汚染性の測定>
半導体ウエハ加工用粘着シ―トを、セパレ―タを剥がして、4インチミラ―ウエハに貼り付け、1時間静置し、高圧水銀ランプ〔日東電工(株)製の紫外線照射装置UM−110、照射強度46mJ/cm2 ・秒〕を用いて、10秒間、紫外線を照射して(照射量460mJ/cm2 )、粘着剤層を硬化させた。
【0046】
硬化後の臭気発生の有無を調べ、臭気が感じられない場合を○、強い臭気を感じる場合を×、と評価した。また、硬化後に粘着シ―トをウエハより剥離して、レ―ザ―表面検査装置〔日立電子エンジニアリング(株)製のLS−5000〕にて、ミラ―ウエハ上に残留する0.28μm以上のパ―テイクルの数を調べ、この数が10個以下であれば、ウエハ汚染性が低いと評価した。
【0047】
Figure 0003909907
【0048】
上記の表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜4の半導体ウエハ加工用粘着シ―トは、紫外線照射による硬化後の臭気発生がみられず、しかも、ウエハ汚染性が非常に低いものであることがわかる。また、上記試験とは別に、実施例1〜4の各半導体ウエハ加工用粘着シ―トを用いて、実際に半導体ウエハの研削加工やダイシング加工を行つたところ、常態での粘着力が大きいため、加工中に剥離などの支障をきたさず、また加工後に紫外線を照射して剥離すると、ウエハの破損などを生じることなく容易に剥離できた。その際、紫外線照射後の臭気は感じられず、ウエハの非汚染性も満足できることが判明した。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、研削加工やダイシング加工などの加工時には大きな粘着力を示して所期の加工目的を果たし、加工後剥離する際には放射線の照射による硬化にてウエハの破損などを生じることなく容易に剥離できるとともに、上記の硬化後に強い臭気を発生せず、また糊残りによるミクロンオ―ダまたはサブミクロンオ―ダの汚染がみられない、とくにウエハ裏面の上記汚染に起因したチツプ裏面と封止樹脂との境界での剥離などの心配のない、放射線硬化型の半導体ウエハ加工用粘着シ―ト類を提供でき、また、これを用いた半導体ウエハ加工方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. 放射線透過性のフイルム基材の片面に、ベースポリマー100重量部あたり放射線重合性化合物1〜300重量部とともに分子量が1,000〜100,000であるポリマ―化した光重合開始剤0.1〜10重量部を含有する放射線硬化型粘着剤層が設けられてなることを特徴とする半導体ウエハ加工用粘着シ―ト類。
  2. 半導体ウエハに、請求項1に記載の半導体ウエハ加工用粘着シ―ト類を貼り付けて、所要のウエハ加工を施し、ついで、放射線の照射により上記粘着シ―ト類の放射線硬化型粘着剤層を硬化させたのち、上記粘着シ―ト類を剥離することを特徴とする半導体ウエハ加工方法。
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