JP2007109862A - 粘着テープの剥離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体ウエハや半導体チップに貼り付けた粘着テープを、半導体ウエハや半導体チップを破損したり、糊残りしたりすることなく、容易かつ確実に剥離することができる粘着テープの剥離方法を提供する。
【解決手段】光重合開始剤を含有する光硬化型粘着剤層を有する粘着テープが貼付された半導体ウエハ又は半導体チップに光を照射することにより、前記光硬化型粘着剤層を硬化させ、前記半導体ウエハ又は前記半導体チップから前記粘着テープを剥離する粘着テープの剥離方法であって、照射する光は、ピーク波長が前記光重合開始剤の硬化の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長域内にあり、かつ、波長幅が100nm以下で粘着テープの剥離方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体ウエハや半導体チップに貼り付けた粘着テープを、半導体ウエハや半導体チップを破損したり、糊残りしたりすることなく、容易かつ確実に剥離することができる粘着テープの剥離方法に関する。
ICやLSI等の半導体チップは、通常、純度の高い棒状の半導体単結晶等をスライスして半導体ウエハとした後、フォトレジストを利用して半導体ウエハ表面に所定の回路パターンを形成し、次いで半導体ウエハ裏面を研削機により研削して、厚さを100〜300μm程度まで薄くした後、最後にダイシングしてチップ化することにより、製造されている。
ここで、研削時には、ウエハ表面に粘着シート類(研削用テープ)を貼り付けて、ウエハの破損を防止したり研削加工を容易にしたりしている。また、ダイシング時には、ウエハ裏面側に粘着シート類(ダイシングテープ)を貼り付けて、ウエハを接着固定した状態でダイシングし、形成されたチップをダイシングテープのフィルム基材側よりニードルで突き上げてピックアップし、ダイパッド上に固定させている。
このような研削用テープやダイシングテープとして用いる粘着テープには、研削やダイシングの際に半導体ウエハや半導体チップが位置ずれしたりするのを確実に防止するために、に高い粘着力が求められる。一方、研削やダイシングの後には、半導体ウエハや半導体チップを破損したり、糊残りしたりすることなく、容易に粘着テープを剥離できることが求められている。
これに対して、光硬化型粘着剤層を有する粘着テープを研削用テープやダイシングテープとして用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1)。光硬化型粘着剤は、例えば、紫外線等の光により架橋する架橋成分を含有する粘着剤からなるものであり、光を照射することにより粘着剤層の全体が架橋、硬化して、ゴム状領域のtanδの減少が著しくなり、粘着力が大きく低下する。従って、このような粘着テープを用いれば、研削やダイシング時には高い粘着力で確実に接着できる一方、光を照射することにより半導体ウエハや半導体チップを破損したり、糊残りしたりすることなく、容易に粘着テープを剥離できるとされている。
しかしながら、実際には、紫外線を照射した後にも、設計した程には光硬化型粘着剤層の粘着力が低下せずに、半導体ウエハや半導体チップから粘着テープを剥離できなかったり、糊残りが生じたりすることがあった。
特公平1−56112号公報
本発明は、半導体ウエハや半導体チップに貼り付けた粘着テープを、半導体ウエハや半導体チップを破損したり、糊残りしたりすることなく、容易かつ確実に剥離することができる粘着テープの剥離方法を提供することを目的とする。
本発明は、光重合開始剤を含有する光硬化型粘着剤層を有する粘着テープが貼付された半導体ウエハ又は半導体チップに光を照射することにより、前記光硬化型粘着剤層を硬化させ、前記半導体ウエハ又は前記半導体チップから前記粘着テープを剥離する粘着テープの剥離方法であって、照射する光は、ピーク波長が前記光重合開始剤の硬化の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長域内にあり、かつ、波長幅が100nm以下である粘着テープの剥離方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、光を照射したにもかかわらず、光硬化型粘着剤層の粘着力が充分に低下せずに、半導体ウエハや半導体チップから粘着テープを剥離できなかったり、糊残りが生じたりする原因が、光の照射により発生した熱にあることを突き止めた。光硬化型粘着剤層を硬化させるための光としては、取扱い等の面から紫外線が用いられることが一般的であるが、通常用いられる紫外線照射装置は光硬化型粘着剤層を硬化させる波長、具体的には含有する光重合開始剤の吸収波長を含む広い波長の紫外線を照射するものが用いられる。しかしながら、光硬化型粘着剤の反応機構を詳細に検討すると、光重合開始剤の吸収波長に比べて実際に重合の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長の幅は狭いものである。従って、従来の粘着テープの剥離方法では、照射した光エネルギーの多くは重合の開始のトリガーとなる反応には利用されず、熱エネルギーに変換されて、いたずらに粘着テープの温度を上昇させるのに消費されていた。
図2に、従来の粘着テープの剥離方法を説明する模式図を示した。図2(a)は、ある光重合開始剤の吸収特性を表す吸光度チャートである。この光重合開始剤は紫外領域に広い吸収波長域1を有する。しかしながら、この吸収波長域1の光のうち、実際に重合の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長域2は365nm付近に集中している。ここに従来では、極めてブロードな波長の光3’を照射していた(図2(b))。光3’は、反応波長域2をカバーすることから、光硬化反応自体は引き起こされるものの、多くは重合の開始のトリガーとなる反応には利用されずに、熱エネルギーに変換され粘着テープの温度上昇を引き起こしていた。
本発明者らは、更に鋭意検討の結果、用いる光重合開始剤について、重合の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長域を詳細に調べたうえで、粘着テープの剥離時には、ピーク波長が用いる光重合開始剤の硬化の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長域内にあり、かつ、波長幅が50nm以下である光を照射すれば、確実に光硬化反応を起こすことができると同時に、いたずらに粘着テープの温度を上昇させることがないことから、照射部位の温度上昇を抑えて粘着剤層の表面が軟化することを防止することができ、その結果、確実に粘着テープを剥離することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
図1に、本発明の粘着テープの剥離方法を説明する模式図を示した。図1(a)は、ある光重合開始剤の吸収特性を表す吸光度チャートである。この光重合開始剤は紫外領域に広い吸収波長域1を有し、実際に重合の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長域2を有する。本発明の粘着テープの剥離方法では、中心波長が該反応波長域と一致し、かつ、極めてシャープな波長の光3を照射する(図1(b))。これにより、光硬化反応は確実に引き起こされるとともに、ほとんどの光エネルギーが重合の開始のトリガーとなる反応に利用されることから、熱エネルギーに変換され粘着テープの温度上昇を引き起こすことがない。
本発明の粘着テープの剥離方法においては、前提として、用いる光重合開始剤の重合の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長域を正確に把握することが重要である。
このための方法としては、例えば、測定対象となる光重合開始剤を含有する光重合性組成物に対して、特定の波長の光のみを透過する干渉フィルタを介して光照射を行い、光照射後の組成物のゲル分率等を測定することにより、およその反応波長域を測定する方法が挙げられる。なお、本明細書においてゲル分率とは、粘着剤中の非架橋分を除く架橋した粘着剤成分の比率を意味する。
例えば、メレスグリオ社製UV水銀線フィルターセットは、バンド幅が20nmで、254nmから365nmの範囲をカバーする6種類の干渉フィルタからなる。現在では、このような狭バンド幅の干渉フィルタが数多く市販されている。このように狭バンド幅の干渉フィルタを組み合わせて測定を行えば、光重合開始剤の重合の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長域を、少なくとも10nm単位で決定することができる。
本発明の粘着テープの剥離方法では、このようにして決定された光重合開始剤の重合の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長域に合わせて、剥離時に照射する光の波長を決定する。具体的には、照射する光は、ピーク波長が用いる光重合開始剤の硬化の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長域内にあり、かつ、波長幅が100nm以下である。
照射する光のピーク波長が用いる光重合開始剤の硬化の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長域外であると、確実な硬化反応を引き起こすことができず、剥離ができない。
照射する光の波長幅が100nmを超えると、反応に消費されない光エネルギーが多くなり、熱エネルギーに変換されて粘着テープの温度を上昇させる。好ましくは50nm以下である。
上記照射する光の光源としては特に限定されず、例えば、紫外線発生器と、上述のような狭バンド幅の干渉フィルタとを組み合わせたもの等が挙げられる。
本発明の粘着テープの剥離方法の対象となる光硬化型粘着剤層を有する粘着テープとしては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、光重合開始剤を含んでなる光硬化型粘着剤を用いたもの等が挙げられる。
このような光硬化型粘着剤からなる粘着剤層は、光の照射により粘着剤層の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下する。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記多官能オリゴマー又はモノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5,000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。このようなより好ましい多官能オリゴマー又はモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化型粘着剤層は、アゾ化合物やアジド化合物等の光を照射することにより気体を発生する気体発生剤を含有していてもよい。このような気体発生剤を含有する光硬化型粘着剤層に光を照射すれば、架橋、硬化により粘着力が低下することに加え、気体発生剤から発生した気体が、粘着剤層と被着体との界面の少なくとも一部を剥離することから、粘着テープの剥離がより容易かつ確実となる。
上記光硬化型粘着剤層が気体発生剤を含有する場合には、確実に気体発生剤から気体が発生するように、剥離時には特に高強度の光(紫外線)を照射することになる。本発明の粘着テープの剥離方法は、このように高強度の紫外線を照射する場合に特に有効である。
上記半導体ウエハ又は半導体チップとしては特に限定されず、例えば、従来公知の方法により調製されたものを用いることができ、例えば、半導体単結晶等をスライスして得たウエハの表面にフォトレジストを利用して回路パターンを形成した後、所定の厚さにまで研削したもの等;これをダイシングしてなる半導体チップ等が挙げられる。
本発明の粘着テープの剥離方法が行われるのは特に限定されないが、例えば、半導体ウエハを上記粘着テープを研削用テープとして用いて支持板等に固定した状態で研削した後や、研削後の半導体ウエハを上記粘着テープをダイシングテープとして用いて固定した状態でダイシングを行った後に、不要となった粘着テープを半導体ウエハや半導体チップから剥離する際が考えられる。
本発明によれば、半導体ウエハや半導体チップに貼り付けた粘着テープを、半導体ウエハや半導体チップを破損したり、糊残りしたりすることなく、容易かつ確実に剥離することができる粘着テープの剥離方法を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)光重合開始剤の反応波長域の決定
光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651を選択した。
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、U324A(新中村化学社製)40重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部、ポリイソシアネート0.5重量部を混合し粘着剤(1)の酢酸エチル溶液を調製した。
ブチルアクリレート 79重量部
エチルアクリレート 15重量部
アクリル酸 1重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
粘着剤(1)の酢酸エチル溶液を、片面にコロナ処理を施した厚さ75μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥皮膜の厚さが約15μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。これを、2cm×2cmに切断したものを準備し、検体とした。
光源として浜松ホトニクス社製紫外線照射機LC5−01(照射波長250nm〜480nm)を用い、これにメレオグリス社製、UV水銀線フィルターセットからバンド幅20nm、中心波長が254、280、313、334、365nm及び400nmである7枚の干渉フィルタを組み合わせて、紫外線を照射強度3000mW/cmの強度で検体に光照射を行った。
光照射後の各検体について、以下の手順にて光照射後のゲル分率を測定した。
結果を表1に示した。
<ゲル分率の測定>
重量がAとなるように秤量した粘着剤を、酢酸エチルに溶解し、金属メッシュを濾過した後、そのメッシュ上残渣分を加熱乾燥させて溶剤を乾燥除去した乾燥残渣の重量Bを求めた。このA及びBの値から下記式(1)によりゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=乾燥残渣の重量B/粘着剤の重量A×100 (1)
Figure 2007109862
表1より、イルガキュア651の反応波長域は、320〜380nm付近であることが判った。
(2)粘着テープの調製
粘着剤(1)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)30重量部、及び、2,4−ジエチルチオキサントン3.6重量部を混合して、気体発生剤を含有する粘着剤(2)を調製した。
粘着剤(1)の酢酸エチル溶液を、片面にコロナ処理を施した厚さ75μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥皮膜の厚さが約15μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、粘着剤(1)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置養生を行い、気体非発生タイプの粘着テープを得た
粘着剤(2)の酢酸エチル溶液を、片面にコロナ処理を施した厚さ75μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥皮膜の厚さが約15μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、粘着剤(2)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置養生を行い、気体発生タイプの粘着テープを得た。
(3)半導体チップの製造と粘着テープの剥離
得られた2種類の粘着テープをダイシングテープとして用い、その各々について、回路が形成された厚さ50μmのシリコンウエハに常温常圧で貼り付けた。次いで、シリコンウエハを5mm×5mmにダイシングして半導体チップを得た。
光源として浜松ホトニクス社製紫外線照射機LC5−01(照射波長250nm〜480nm)を用い、これにメレオグリス社製、UV水銀線フィルターセットからバンド幅20nm、中心波長が365nmである干渉フィルタを組み合わせて、半導体チップに紫外線を照射強度3000mW/cmの強度で1秒間照射した後、ニードルで突き上げる方法により10個の半導体チップを取り上げ、半導体チップを破損したりすることなくピックアップできた半導体チップの率(ピックアップ率)及びチップ表面の糊汚染を目視にて評価した。また、熱電対を粘着テープの粘着剤層中に置いて、紫外線照射時の最高温度を測定した。
結果を表2に示した。
(比較例1)
光源として浜松ホトニクス社製紫外線照射機LC5−01(照射波長250nm〜480nm)を用い、干渉フィルタを介することなく、半導体チップに紫外線を照射強度3000mW/cmの強度で1秒間照射した以外は実施例1と同様にして、半導体チップを破損したりすることなくピックアップできた半導体チップの率(ピックアップ率)及びチップ表面の糊汚染を目視にて評価及び紫外線照射時の最高温度を測定した。
結果を表2に示した。
Figure 2007109862
本発明によれば、半導体ウエハや半導体チップに貼り付けた粘着テープを、半導体ウエハや半導体チップを破損したり、糊残りしたりすることなく、容易かつ確実に剥離することができる粘着テープの剥離方法を提供することができる。
本発明の粘着テープの剥離方法を説明する模式図である。 従来の粘着テープの剥離方法を説明する模式図である。
符号の説明
1 光重合開始剤の吸収波長域
2 光重合開始剤の重合の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長域
3、3’ 照射光

Claims (2)

  1. 光重合開始剤を含有する光硬化型粘着剤層を有する粘着テープが貼付された半導体ウエハ又は半導体チップに光を照射することにより、前記光硬化型粘着剤層を硬化させ、前記半導体ウエハ又は前記半導体チップから前記粘着テープを剥離する粘着テープの剥離方法であって、
    照射する光は、ピーク波長が前記光重合開始剤の硬化の開始のトリガーとなる反応を引き起こす反応波長域内にあり、かつ、波長幅が100nm以下である
    ことを特徴とする粘着テープの剥離方法。
  2. 照射する光の波長幅が50nm以下であることを特徴とする請求項1記載の粘着テープの剥離方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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