JP6364200B2 - 電子部品用粘着テープ、電子部品の製造方法及びイメージセンサの製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、熱膨張性微小球を含有する粘着層を有する加熱剥離型粘着シートが開示されている。特許文献2の加熱剥離型粘着シートを一定の温度以上に加熱すると、熱膨張微小球が膨張して粘着層全体が発泡して表面に凹凸が形成され、被着体との接着面積が減少することから、容易に被着体を剥離することができる。
しかしながら、これらの粘着テープは、粘着力の低下が必ずしも充分ではなく、剥離時に電子部品を損傷してしまったり、剥離後に電子部品上に糊残りを生じてしまったりすることがあるという問題があった。
このようなCISの製造では、カバーガラスにフォトレジストによるガラスダムを形成した後、超音波洗浄工程が行われる。その後、イソプロパノール(IPA)による洗浄工程や、リフロー等の200℃以上の高温プロセスを行う工程が行われる。
同様に、機械要素部品、センサ、アクチュエータ、電子回路を1つのシリコン基板、ガラス基板、有機材料等の上に集積化したデバイスであるMEMS(メムス、Micro Electro Mechanical Systems)の製造においても、超音波洗浄工程、薬液洗浄工程、250℃程度の高温工程が行われるが、従来の粘着テープでは、工程毎に適当な粘着テープに貼り代えるほかなかった。
そこで、高い接着力を有する一方で容易に剥離でき、かつ、超音波耐性、耐薬品性、250℃程度の高温下での接着性に優れ、全ての工程を通じて電子部品を保護することができる粘着テープが求められていた。
以下に本発明を詳述する。
このような工程により製造される電子部品としては、例えば、半導体、タッチパネル、液晶ディスプレイ等が挙げられる。なかでも本発明の粘着テープは、半導体、カバーガラスを用いる半導体、イメージセンサ、MEMS等の製造に好適であり、シーモスイメージセンサの製造に最適である。
超音波洗浄工程では、通常は40〜3000kHzの周波数の超音波を5〜15分間程度当てることが行われる。従って、粘着テープには、40kHzの周波数の超音波を15分間当てても剥離しない超音波耐性が求められる。
上記水溶液は、より洗浄効果を高める目的で酸性又はアルカリ性としたりすることもある。
薬液洗浄工程に用いる薬液としては、例えば、酸性水溶液、アルカリ性水溶液や、イソプロパノール等の有機溶剤が挙げられる。
粘着テープの接着力が低い場合には、超音波洗浄工程でかかる応力に耐えきれず、粘着テープが剥離してしまうことがある。一方、粘着テープの接着力を高くすることにより超音波耐性を向上させることはできるが、接着力が高くなりすぎると、200℃以上の高温プロセスを行う工程を経たあとに電子部品から粘着テープを剥離しようとすると電子部品上に糊残りすることがある。23℃における粘着テープのガラスに対する接着力を0.01〜1N/inchの範囲内とすることにより、超音波工程における剥離の防止と、200℃以上の高温プロセスを行う工程を経たあとの剥離時の糊残り等の防止とを両立することができる。上記接着力の好ましい下限は0.03N/inch、好ましい上限は0.5N/inchであり、より好ましい下限は0.05N/inch、より好ましい上限は0.3N/inchである。
なお、ここで「少なくとも超音波洗浄工程の直前において」としたのは、上記粘着剤層が例えば後述する光硬化型粘着剤等からなる場合には、超音波洗浄工程の前に該粘着剤層を光硬化させた後の粘着テープが上記接着力を有するときにでも、本発明の効果が発揮されるためである。
なお、上記粘着剤層の貯蔵弾性率の上限は特に限定されないが、1.0×109Pa程度が実質的な上限となる。
なお、本明細書においてゲル分率とは、酢酸エチル中に浸漬したときに、溶かされずに残存している部分をゲルとし、該ゲル部分の重量と酢酸エチルに浸漬する前の重量との比(百分率)を意味する。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基オリゴマー又はモノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5,000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。このようなより好ましい多官能オリゴマー又はモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化するものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記粘着テープを電子部品に貼り付けた後、超音波洗浄工程の前に、粘着テープに光を照射又は加熱して、粘着テープのガラスに対する接着力、及び、上記粘着剤層の貯蔵弾性率を特定の範囲に調整することもできる。
シリコーン化合物は、耐熱性に優れることから、200℃以上の高温加工プロセスを経ても粘着剤の焦げ付きを防止し、剥離時には被着体界面にブリードアウトして、剥離を容易にする。
また、シリコーン化合物が上記粘着剤と架橋可能な官能基を有することにより、上記粘着剤と化学反応して上記粘着剤中に取り込まれることから、被着体にシリコーン化合物が付着して汚染することがない。
上記シリコーン化合物Aは、該官能基をシリコーン骨格の側鎖又は末端に有することが好ましい。
なかでも、D体のシリコーン骨格を有し、かつ、末端に上記粘着剤と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物を用いると、高い初期粘着力と高温加工プロセス後の剥離力とを両立しやすいことから好適である。
上記(メタ)アクリル基と架橋可能な官能基は、不飽和二重結合を有する官能基であり、具体的には例えば、ビニル基、(メタ)アクリル基、アリル基、マレイミド基等が挙げられる。
アクリル系共重合体(SKダイン 1604N、綜研化学社製)を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ヒュームドシリカ(レオロシールMT−10、トクヤマ社製)12重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)5重量部を加え、粘着下地層用の粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を調整した。
得られた酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(IRGACURE 369、BASF JAPAN社製)0.5重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)0.5重量部を加え、光硬化型粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を調整した。
光硬化型粘着剤組成物の調製において、アクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(IRGACURE 369、BASF JAPAN社製)1重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)0.5重量部を加えて光硬化型粘着組成物を調製した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得た。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、2−エチルヘキシルアクリレート51重量部、イソボロニルアクリレート37重量部、ヒドロキシエチルアクリレート19重量部、メタクリル酸1重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル180重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分40重量%、重量平均分子量30万のアクリル共重合体を得た。得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート8重量部を加えて反応させた。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(IRGACURE 369、BASF JAPAN社製)1重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)0.5重量部を加え、光硬化性粘着組成物の酢酸エチル溶液を調整した。
得られた光硬化性粘着組成物を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープを得た。
光硬化型粘着剤組成物の調製において、アクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(IRGACURE 369、BASF JAPAN社製)1重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)0.5重量部、シリコーン化合物(EBECRYL350、ダイセル・オルネクス社製)5重量部、可塑剤(UN−5500、根上工業社製)20重量部、ヒュームドシリカ(レオロシールMT−10、トクヤマ社製)12重量部を加えて光硬化型粘着組成物を調製した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得た。
光硬化型粘着剤組成物の調製において、アクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(IRGACURE 369、BASF JAPAN社製)1重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)0.5重量部、シリコーン化合物(EBECRYL350、ダイセル・オルネクス社製)5重量部、ヒュームドシリカ(レオロシールMT−10、トクヤマ社製)30重量部を加えて光硬化型粘着組成物を調製した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得た。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、メチルメタクリレート22重量部、エチルアクリレート66重量部、ヒドロキシエチルアクリレート19重量部、メタクリル酸1重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル180重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分40重量%、重量平均分子量35万のアクリル共重合体を得た。得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート8重量部を加えて反応させた。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(IRGACURE 369、BASF JAPAN社製)1重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)0.5重量部、シリコーン化合物(EBECRYL350、ダイセル・オルネクス社製)10重量部、可塑剤(UN−5500、根上工業社製)20重量部、ヒュームドシリカ(レオロシールMT−10、トクヤマ社製)12重量部を加え、光硬化型粘着組成物の酢酸エチル溶液を調整した。
得られた光硬化性粘着組成物を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープを得た。
光硬化型粘着剤組成物の調製において、アクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(IRGACURE 369、BASF JAPAN社製)1重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)0.5重量部、シリコーン化合物(EBECRYL350、ダイセル・オルネクス社製)5重量部を加えて光硬化型粘着組成物を調製した以外は実施例3と同様にして粘着テープを得た。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、2−エチルヘキシルアクリレート88重量部、ヒドロキシエチルアクリレート19重量部、メタクリル酸1重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル180重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分33重量%、重量平均分子量80万のアクリル共重合体を得た。得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート8重量部を加えて反応させた。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(IRGACURE 369、BASF JAPAN社製)1重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)0.5重量部、シリコーン化合物(EBECRYL350、ダイセル・オルネクス社製)2重量部、ヒュームドシリカ(レオロシールMT−10、トクヤマ社製)20重量部を加え、光硬化型粘着組成物の酢酸エチル溶液を調整した。
得られた光硬化性粘着組成物を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープを得た。
光硬化型粘着剤組成物の調製において、アクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(IRGACURE 369、BASF JAPAN社製)1重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)0.5重量部を加えて光硬化型粘着組成物を調製した以外は実施例6と同様にして粘着テープを得た。
光硬化型粘着剤組成物の調製において、アクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(IRGACURE 369、BASF JAPAN社製)1重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)0.5重量部、シリコーン化合物(EBECRYL350、ダイセル・オルネクス社製)2重量部、可塑剤(UN−5500、根上工業社製)20重量部を加えて光硬化型粘着組成物を調製した以外は実施例6と同様にして粘着テープを得た。
アクリル系共重合体(SKダイン 1604N、綜研化学社製)を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ヒュームドシリカ(レオロシールMT−10、トクヤマ社製)12重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)5重量部を加え、粘着下地層用の粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を調整した。
非硬化型粘着剤組成物の調製において、アクリル系共重合体(SKダイン 1495、綜研化学社製)を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ヒュームドシリカ(レオロシールMT−10、トクヤマ社製)6重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)15重量部を加えて非硬化型粘着剤組成物を調製した以外は実施例11と同様にして粘着テープを得た。
非硬化型粘着剤組成物の調製において、アクリル系共重合体(SKダイン 1495、綜研化学社製)を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)15重量部を加えて非硬化型粘着剤組成物を調製した以外は実施例11と同様にして粘着テープを得た。
光硬化型粘着剤組成物の調製において、アクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(IRGACURE 369、BASF JAPAN社製)0.3重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)0.5重量部を加えて光硬化型粘着組成物を調製した以外は実施例1と同様にして粘着テープを得た。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、2−エチルヘキシルアクリレート88重量部、ヒドロキシエチルアクリレート19重量部、メタクリル酸1重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル180重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分36重量%、重量平均分子量60万のアクリル共重合体を得た。得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート4重量部を加えて反応させた。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(IRGACURE 369、BASF JAPAN社製)1重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)0.5重量部、シリコーン化合物(EBECRYL350、ダイセル・オルネクス社製)2重量部、可塑剤(UN−5500、根上工業社製)20重量部、ヒュームドシリカ(レオロシールMT−10、トクヤマ社製)12重量部を加え、光硬化型粘着組成物の酢酸エチル溶液を調整した。
得られた光硬化性粘着組成物を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープを得た。
光硬化型粘着剤組成物の調製において、光重合開始剤(IRGACURE 369、BASF JAPAN社製)を0.25重量部にした以外は比較例1と同様にして粘着テープを得た。
光硬化型粘着剤組成物の調製において、シリコーン化合物(EBECRYL350、ダイセル・オルネクス社製)0重量部、可塑剤(UN−5500、根上工業社製)10重量部、ヒュームドシリカ(レオロシールMT−10、トクヤマ社製)3重量部を加えて光硬化型粘着組成物を調製した以外は比較例2と同様にして粘着テープを得た。
光硬化型粘着剤組成物の調製において、シリコーン化合物(EBECRYL350、ダイセル・オルネクス社製)1重量部、可塑剤(UN−5500、根上工業社製)10重量部、ヒュームドシリカ(レオロシールMT−10、トクヤマ社製)1重量部を加えて光硬化型粘着組成物を調製した以外は比較例2と同様にして粘着テープを得た。
実施例及び比較例で得られた粘着組成物及び粘着テープについて、以下の方法により評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた粘着テープを長さ76mm、幅25mmに切断した測定サンプルを、長さ76mm、幅52mm、厚さ1.1mmのスライドグラスに貼りつけて積層体を得た。
実施例1〜10、比較例1、2で得られた粘着テープの測定サンプルについては、積層体の粘着テープの基材側から高圧水銀灯にて積算光量2000mJ/cm2(405nm)の線量を照射した。実施例11〜13で得られた粘着テープの測定サンプルについては、そのまま試験に供した。
得られた積層体について、JIS K 6854−2に準拠する方法により180°剥離試験を行った。測定は、万能試験機にて、温度23℃、湿度55%、300mm/分の条件にて行った。
実施例及び比較例において粘着テープを製造する際に、被着体と接する粘着層のみを重ね合わせることで0.5mmの厚さの粘着剤積層体を作製した。得られた粘着剤積層体を5mm×24mmのサイズに切り出して、測定サンプルとした。
実施例1〜10、比較例1、2で得られた粘着テープの測定サンプルについては、粘着剤積層体の粘着下地層側から高圧水銀灯にて積算光量2000mJ/cm2(405nm)の線量を照射した。実施例11〜13で得られた粘着テープの測定サンプルについては、そのまま試験に供した。
得られた測定サンプルについて、動的粘弾性測定装置(DVA−200、アイティー計測制御社製)により下記条件にて貯蔵弾性率の測定を行った。測定は、モードが引っ張り、測定周波数が10Hz、測定開始温度が−50℃(液体窒素使用)、測定上限温度が300℃、昇温速度が10℃/min、静/動力比が1.5の条件で行った。
実施例及び比較例において粘着テープを製造する際に、粘着テープの被着体と接する粘着層(光硬化型粘着剤層又は非硬化型粘着剤層)のみを0.05g切り出して、測定サンプルとした。
実施例1〜10、比較例1、2で得られた粘着テープの測定サンプルについては、高圧水銀灯にて積算光量2000mJ/cm2(405nm)の線量を照射した。実施例11〜13で得られた粘着テープの測定サンプルについては、そのまま試験に供した。
測定サンプルを、酢酸エチルを満たしたスクリュー管中に完全に浸し、振とう器で1晩撹拌した。その後、110℃で1時間乾燥させた。酢酸エチル浸漬前の重量と、乾燥後に残存した重量との比から、ゲル分率を算出した。
実施例及び比較例で得られた粘着テープを直径20cmの円形に切断した測定サンプルを、直径20cm、厚さ0.4mmのテンパックスガラスに貼りつけて積層体を得た。
実施例1〜10、比較例1、2で得られた粘着テープの測定サンプルについては、積層体の粘着テープの基材側から高圧水銀灯にて積算光量2000mJ/cm2(405nm)の線量を照射した。実施例11〜13で得られた粘着テープの測定サンプルについては、そのまま試験に供した。
超音波洗浄機の洗浄槽に0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液を満たし、その中に積層体を完全に浸した。その後、40kHzの超音波を15分間当てた。超音波耐性として、粘着テープが剥離しなかったものを「○」、剥離したものを「×」と評価した。
Claims (6)
- 超音波洗浄工程と、該超音波洗浄工程に続いて薬液洗浄工程及び/又は200℃以上の高温プロセスを行う工程を行う電子部品の製造において電子部品の保護を行うための粘着テープであって、
基材と、該基材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とからなり、
前記粘着剤層は分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーを含有する光硬化型粘着剤又はアクリル系共重合体を含有する非硬化型粘着剤を含有し、
少なくとも前記超音波洗浄工程の直前において(前記粘着剤層が前記光硬化型粘着剤を含有する場合は、光硬化前又は光硬化後のいずれかにおいて)JIS K 6854−2に準拠した180°剥離試験により測定した23℃における前記粘着テープのガラスに対する接着力が0.01〜1N/inchであり、かつ、動的粘弾性測定の引張りモードで測定した23℃における前記粘着剤層の貯蔵弾性率が1.0×107Pa以上である
ことを特徴とする電子部品用粘着テープ。 - 粘着剤層を構成する粘着剤が光硬化型粘着剤であることを特徴とする請求項1記載の電子部品用粘着テープ。
- 光硬化型粘着剤は、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーを含有することを特徴とする請求項2記載の電子部品用粘着テープ。
- 少なくとも超音波洗浄工程の直前、かつ、光硬化型粘着剤の光硬化後においてJIS K 6854−2に準拠した180°剥離試験により測定した23℃における前記粘着テープのガラスに対する接着力が0.01〜1N/inchであり、かつ、動的粘弾性測定の引張りモードで測定した23℃における前記粘着剤層の貯蔵弾性率が1.0×10 7 Pa以上である
ことを特徴とする請求項2又は3記載の電子部品用粘着テープ。 - 半導体の製造に用いられるものであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の電子部品用粘着テープ。
- 超音波洗浄工程と、該超音波洗浄工程に続いて薬液洗浄工程及び/又は200℃以上の高温プロセスを行う工程を有する電子部品の製造方法であって、
前記超音波洗浄工程、薬液洗浄工程及び/又は200℃以上の高温プロセスを行う工程の全ての工程を通じて電子部品用粘着テープによって電子部品を保護するものであり、
前記電子部品用粘着テープは、基材と、該基材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とからなり、前記粘着剤層は分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーを含有する光硬化型粘着剤又はアクリル系共重合体を含有する非硬化型粘着剤を含有し、少なくとも前記超音波洗浄工程の直前において(前記粘着剤層が前記光硬化型粘着剤を含有する場合は、光硬化前又は光硬化後のいずれかにおいて)JIS K 6854−2に準拠した180°剥離試験により測定した23℃における前記粘着テープのガラスに対する接着力が0.01〜1N/inchであり、かつ、動的粘弾性測定の引張りモードで測定した23℃における前記粘着剤層の貯蔵弾性率が1.0×107Pa以上である
ことを特徴とする電子部品の製造方法。
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