JP2018162452A - 表面保護フィルム - Google Patents

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真教 川村
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元 野世渓
有希 寺本
yuki Teramoto
有希 寺本
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Abstract

【課題】薄い被着体に用いる場合であっても剥離することなく被着体を充分に保護できるとともに、保護終了後には被着体を損傷することなく容易かつ高速に剥離することのできる表面保護フィルムを提供する。【解決手段】基材と、非硬化型粘着剤層と、硬化型粘着剤層とをこの順に有する表面保護フィルムであって、前記硬化型粘着剤層の厚さが0.5〜10μmであり、前記非硬化型粘着剤層と前記硬化型粘着剤層の厚さの合計が50〜150μmである表面保護フィルム。【選択図】 なし

Description

本発明は、薄い被着体に用いる場合であっても剥離することなく被着体を充分に保護できるとともに、保護終了後には被着体を損傷することなく容易かつ高速に剥離することのできる表面保護フィルムに関する。
粘着フィルムは簡便に接合が可能なことから各種産業分野に用いられている。建築分野では養生シートの仮固定、内装材の貼り合わせ等に、自動車分野ではシート、センサー等の内装部品の固定、サイドモール、サイドバイザー等の外装部品の固定等に、電気電子分野ではモジュール組み立て、モジュールの筐体への貼り合わせ等に粘着フィルムが用いられている。より具体的には例えば、光学デバイス、金属板、塗装した金属板、樹脂板、ガラス板等の部材の表面を保護するための表面保護フィルムとしても粘着フィルムが広く用いられている(例えば、特許文献1〜3)。
特開平1−129085号公報 特開平6−1958号公報 特開平8−12952号公報
特に、近年、表面保護フィルムは、液晶ディスプレイ等の光学部材を輸送の際の振動や衝撃から保護するために使用されている。光学部材には、プリズムシート、拡散フィルム等のように片側又は両側の表面に凹凸形状を有するものがあり、この凹凸形状に損傷を与えないために、光学部材の使用に先立ち、その表面を表面保護フィルムで保護している。
表面保護フィルムには、用途に応じて高い粘着力が求められる。例えば、表面に凹凸形状を有する被着体に貼着する場合、大きな接触面積を得ることができず被着体と表面保護フィルムとの界面で剥離が生じやすい。このような用途では、表面保護フィルムに特に高い粘着力が要求される。
このように表面保護フィルムには保護中に剥がれることのない高い粘着力が要求される一方、保護が必要でなくなった際には簡単に剥がすことができる軽剥離性も要求される。特に近年は技術の進歩によって部材が薄化してきており、剥離に力がかかると部材を変形させたり損傷したりしてしまうことがあるため、軽剥離性はより一層重要になってきている。しかしながら、粘着力は剥離のしやすさとトレードオフの関係にあるため、高粘着力と軽剥離性を両立することは難しく、薄い部材に対しても用いることのできる高粘着力と軽剥離性を兼ね備えた表面保護フィルムが求められていた。
本発明は、上記現状に鑑み、薄い被着体に用いる場合であっても剥離することなく被着体を充分に保護できるとともに、保護終了後には被着体を損傷することなく容易かつ高速に剥離することのできる表面保護フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、基材と、非硬化型粘着剤層と、硬化型粘着剤層とをこの順に有する表面保護フィルムであって、前記硬化型粘着剤層の厚さが0.5〜10μmであり、前記非硬化型粘着剤層と前記硬化型粘着剤層の厚さの合計が50〜150μmである表面保護フィルムである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、表面保護フィルムの粘着剤層に硬化型粘着剤を用いることを検討した。硬化型粘着剤を用いることで硬化前は高い粘着力で被着体を保護でき、保護終了後には硬化型粘着剤を硬化させることで粘着力を減少させ、容易に被着体から表面保護フィルムを剥離することができる。しかしながら、表面保護フィルムの粘着剤層に硬化型粘着剤を用いた場合、粘着力を減少させているにもかかわらず剥離後の被着体が変形してしまうという問題が発生した。
本発明者らは被着体が変形してしまう原因について検討した結果、硬化型粘着剤の収縮が原因であることを見出した。硬化型粘着剤を硬化させると、硬化によって粘着剤層が収縮する。この収縮の力によって貼り付けられている被着体も引っ張られてしまい変形が生じていた。特に近年の電子部材や光学部材等は薄化が進んでいるため、より変形しやすくなっていた。そこで、本発明者らは更に検討を進めた結果、表面保護フィルムの粘着剤層を硬化型と非硬化型の2層構造とし、2層の合計の厚みと硬化型粘着剤層の厚みを特定の範囲とすることで、硬化型粘着剤の効果による収縮の影響を抑えられることを見出した。その結果、保護中は被着体から剥がれることのない高い粘着力を発揮しながらも、保護終了後には被着体を損傷することなく容易かつ高速に表面保護フィルムを剥離できることを見出し本発明を完成させるに至った。
本発明の表面保護フィルムは、基材と、非硬化型粘着剤層と、硬化型粘着剤層とをこの順に有する。
被着体と接する層を硬化型粘着剤層とすることで、被着体保護時には被着体から表面保護フィルムが剥がれることがない一方で、保護終了後には硬化型粘着剤層を硬化させることで容易に表面保護フィルムを剥離することができる。また、本発明の表面保護フィルムは軽剥離性に優れることから、従来の表面保護フィルムよりも高速に剥離することができるため、生産性を向上させることができる。更に、基材と硬化型粘着剤層の間に非硬化型粘着剤層を設けることで、硬化型粘着剤層が硬化した際の収縮による力を低減し、被着体の変形や損傷を防ぐことができる。なお、本発明の表面保護フィルムは、被着体と接する層が硬化型粘着剤層でさえあれば上記以外の他の層を有していてもよい。
上記基材は紫外線等の光を透過することができる材料であれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステル系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の変性オレフィン系樹脂フィルム等が挙げられる。また、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。なお、より高い剥離性を発揮するためには、比較的弾性率が高い基材が好適である。また、表面保護テープ越しに被保護体の状態を確認したい用途に用いる場合には、視認性を高められることから、比較的ヘイズ値が低い基材が好適である。
上記基材は、帯電防止剤、離型剤、酸化防止剤、耐候剤、結晶核剤等の添加剤や、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エラストマー等の樹脂改質剤等を含有してもよい。
上記基材の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は25μm、より好ましい下限は50μmであり、好ましい上限は200μm、より好ましい上限は188μmである。上記基材の厚さが上記範囲であることによって取り扱い性に優れた表面保護フィルムとすることができる。
上記硬化型粘着剤層を構成する硬化型粘着剤としては、例えば、光によって硬化する光硬化型粘着剤や熱によって硬化する熱硬化型粘着剤が挙げられる。上記光硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分として光重合開始剤を含有する光硬化型粘着剤が挙げられる。上記熱硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマー主成分として熱重合開始剤を含有する熱硬化型粘着剤が挙げられる。
上記重合性ポリマーは、例えば、以下の方法により調製することができる。即ち、まず、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成する。次いで、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)とを反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマーや、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー等が挙げられる。また、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマーや、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合は、エポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられる。同官能基がヒドロキシル基の場合は、イソシアネート基含有モノマーが用いられる。同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられる。同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記硬化型粘着剤層は、酸基又は水酸基と反応しうるシリコングラフト(メタ)アクリルポリマーを含有することが好ましい。酸基又は水酸基と反応しうるシリコングラフト(メタ)アクリルポリマーを含有することで、得られる表面保護フィルムをより容易に剥離することができる。なお、ここでシリコングラフト(メタ)アクリルポリマーとは、(メタ)アクリルポリマー主鎖骨格にシリコーン鎖がグラフト重合されたポリマーであるものを指す。シリコングラフト(メタ)アクリルポリマーの市販品としては、例えば、サイマックシリーズ(東亞合成社製)等が挙げられる。
上記シリコングラフト(メタ)アクリルポリマーの含有量は特に限定されないが、上記硬化型粘着剤100重量部に対する好ましい下限は5重量部、好ましい上限は50重量部である。上記シリコングラフト(メタ)アクリルポリマーの含有量がこの範囲内であると、被着体貼り付け時には高い粘着力を発揮しながらも、被着体の表面から表面保護フィルムを剥離する際には被着体の表面に粘着剤が残存(糊残り)することを防止できる。上記シリコングラフト(メタ)アクリルポリマーの含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は40重量部である。
上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられる。例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。また、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられる。例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化型粘着剤は、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、光硬化性、熱硬化性が向上する。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による硬化型粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、特に限定されない。例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。また、これらと同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化型粘着剤層は、更に、粘着付与剤を含有してもよい。
上記粘着付与剤は特に限定されないが、軟化点が80℃以上であることが好ましく、90〜140℃であることがより好ましい。上記粘着付与剤として、例えば、脂肪族共重合体、芳香族共重合体、脂肪族芳香族共重合体、脂環式共重合体等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、重合ロジン等のロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、及び、これらの水素添加物等が挙げられる。また、ポリオレフィン樹脂との混合物として市販されている粘着付与剤を用いてもよい。これらの粘着付与剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、上記硬化型粘着剤層の剥離性、耐候性等を高めるためには、上記粘着付与剤は、水素添加物であることが好ましい。
上記粘着付与剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化型粘着剤100重量部に対する好ましい下限は3重量部、より好ましい下限は5重量部であり、好ましい上限は50重量部、より好ましい上限は40重量部である。上記粘着付与剤の含有量がこの範囲内であると、特に高い初期粘着力を発揮しながら、被着体の表面から表面保護フィルムを剥離する際に被着体の表面に粘着剤が残存(糊残り)するのを防止することができる。
上記硬化型粘着剤層は、粘着力の制御等を目的に、必要に応じて、例えば、軟化剤、酸化防止剤、接着昂進防止剤等の添加剤を含有してもよい。
上記硬化型粘着剤層は、被着体を汚染する恐れがあることから、ブリード剤等の低分子成分や溶剤を含有しないことが好ましい。
上記硬化型粘着剤が光硬化型粘着剤である場合、上記硬化型粘着剤層を硬化させる光の照射条件は用いる重合性ポリマーと光重合開始剤との組み合わせによって適宜調節することができる。例えば、側鎖にビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性ポリマーと、200〜410nmの波長で活性化する光重合開始剤を用いる場合、365nm以上の波長の光を照射することにより、上記硬化型粘着剤層を架橋、硬化させることができる。
このような硬化型粘着剤層に対しては、例えば、波長365nmの光を5mW以上の照度で照射することが好ましく、10mW以上の照度で照射することがより好ましく、20mW以上の照度で照射することが更に好ましく、50mW以上の照度で照射することが特に好ましい。また、波長365nmの光を300mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、500mJ以上、10000mJ以下の積算照度で照射することがより好ましく、500mJ以上、7500mJ以下の積算照度で照射することが更に好ましく、1000mJ以上、5000mJ以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
また、上記硬化型粘着剤が熱硬化型粘着剤であり、側鎖にビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性ポリマーと50〜150℃程度の加熱で活性化する熱重合開始剤を含有する熱硬化型粘着剤を用いた場合、50〜150℃程度の温度にまで加熱することにより、上記熱硬化型粘着剤を架橋、硬化させることができる。
上記硬化型粘着剤層の厚さは0.5〜10μmである。
上記硬化型粘着剤層の厚さが0.5μm以上であることによって、硬化時に表面保護フィルムを容易に剥離できる程度まで硬化型粘着剤層の粘着力を低下させることができる。上記硬化型粘着剤層の厚さが10μm以下であることによって、硬化型粘着剤層が硬化する際の収縮の力を抑えることができる。硬化型粘着剤層が硬化する際の収縮の力を更に抑制できる観点から、上記硬化型粘着剤層の厚さの好ましい下限は0.7μm、より好ましい下限は1.0μm、好ましい上限は3μm、より好ましい上限は2.0μmである。
上記非硬化型粘着剤層を構成する非硬化型粘着剤は、非硬化型であれば特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。なかでも、硬化型粘着剤層との密着性がよいことからアクリル系粘着剤が好ましい。
上記非硬化型粘着剤は、上記硬化型粘着剤と同様の粘着付与剤や添加剤を含有してもよい。
本発明の表面保護フィルムは上記非硬化型粘着剤層と上記硬化型粘着剤層の厚さの合計が50〜150μmである。
上記硬化型粘着剤層の厚さを満たし、かつ、上記非硬化型粘着剤層と上記硬化型粘着剤層の厚さの合計を上記の範囲とすることで、硬化型粘着剤層は硬化時に表面保護フィルムを容易に剥離できる程度まで粘着力を低下させることができ、非硬化型粘着剤層は硬化型粘着剤層が硬化する際の収縮による力を充分に低減することができる。表面保護フィルムの剥離性を更に容易にし、硬化型粘着剤層が硬化する際の収縮による力を更に充分に低減できる観点から、上記非硬化型粘着剤層と上記硬化型粘着剤層の厚さの合計の好ましい下限は60μm、より好ましい下限は70μm、好ましい上限は125μm、より好ましい上限は100μmである。
本発明の表面保護フィルムを製造する方法は特に限定されず、例えば、以下の方法で製造することができる。まず、溶媒に重合性ポリマーと、光又は熱重合開始剤と、必要に応じて各種添加剤を加えて混合することで硬化型粘着剤溶液を調製する。一方で、溶媒に非硬化型粘着剤と、必要に応じて各種添加剤を加えて混合することで非硬化型粘着剤溶液を調製する。その後、基材上に非硬化型粘着剤溶液を塗布、乾燥させて非硬化型粘着剤層を形成し次いで非硬化型粘着剤層上に硬化型粘着剤溶液を塗布、乾燥させることで本発明の表面保護フィルムを製造することができる。
本発明の表面保護フィルムは、被保護体(被着体)を保護するために用いることができる。本発明において、被保護体(被着体)は特に限定されない。例えば、光学デバイス(液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ、陰極管表示装置、表面電界ディスプレイ、電子ペーパー等)、光学フィルム(偏光板、円偏光板、位相差板等)、金属板、塗装した金属板、樹脂板、ガラス板、電気部材(ウエハ等)等が挙げられる。これらの被保護体(被着体)の加工時や輸送時等において、その部材の表面を保護するために本発明の表面保護テープを用いることができる。
本発明によれば、薄い被着体に用いる場合であっても剥離することなく被着体を充分に保護できるとともに、保護終了後には被着体を損傷することなく容易かつ高速に剥離することのできる表面保護フィルムを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(硬化型粘着剤の製造)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、アクリル酸1重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させた。更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、シリコングラフト(メタ)アクリルポリマー10重量部、光重合開始剤2重量部、ポリイソシアネート系架橋剤1.25重量部を混合して硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
なお、シリコングラフト(メタ)アクリルポリマーは、東亞合成社製の「サイマックUS−270」を用いた。光重合開始剤は、日本シイベルヘグナー社製の「エサキュアワン」を用いた。ポリイソシアネート系架橋剤は、日本ポリウレタン社製の「コロネートL45」を用いた。
(非硬化型粘着剤の製造)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器にブチルアクリレート66.9重量部、2−エチルヘキシルアクリレート30重量部、アクリル酸3重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1重量部、及び、酢酸エチル120重量部を加え、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を添加した。70℃、5時間還流させて、非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。
(表面保護フィルムの製造)
基材としてコロナ処理が施された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を乾燥皮膜の厚さが49.5μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させて非硬化型粘着剤層を形成した。乾燥後の非硬化型粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、片面にシリコン離型処理がなされた厚さ25μmのPETフィルムの離型処理面に硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を乾燥皮膜の厚さが0.5μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させて硬化型粘着剤層を形成した。得られた非硬化型粘着剤層と硬化型粘着剤層が積層されるように貼り合わせて表面保護フィルムを得た。
(実施例2、3、比較例1〜4)
硬化型粘着剤層の厚さ及び硬化型粘着剤層と非硬化型粘着剤層の合計の厚さを表1の通りとした以外は実施例1と同様にして表面保護フィルムを得た。
<評価>
実施例、比較例で得られた表面保護フィルムについて、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)初期粘着力の評価
表面保護フィルムを25mm幅に裁断した。裁断した表面保護フィルムをPMMA板に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付けた。30分間放置した後、JIS Z0237に準拠し、表面保護フィルムを300mm/minの速度で引き剥がして180度剥離強度を測定した。これを初期粘着力とした。
(2)UV照射後粘着力の評価
表面保護フィルムを25mm幅に裁断した。裁断した表面保護フィルムをPMMA板に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付けた。30分間放置した後、高圧水銀UV照射機を用いて、365nmの紫外線を表面保護フィルム表面への照射強度が50mW/cmとなるよう照度を調節して、基材側から20秒間照射して、硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。その後、JIS Z0237に準拠し、表面保護フィルムを5000mm/minの速度で引き剥がして180度剥離強度を測定した。これをUV照射後粘着力とした。
(3)剥離性の評価
「(2)UV照射後粘着力の評価」で得られたUV照射後粘着力が0.05N/25mm以下の場合を「○」、0.05N/25mmを超えるものを「×」として剥離性を評価した。
(4)被着体の変形の評価
表面保護フィルムを25mm幅に裁断した。裁断した表面保護フィルムを厚さ25μmのPETフィルムに貼り付けた。次いで、高圧水銀UV照射機を用いて、365nmの紫外線を表面保護フィルム表面への照射強度が50mW/cmとなるよう照度を調節して、基材側から20秒間照射して、硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。その後、表面保護フィルムを剥離した。剥離後のPETフィルムを平坦な面に置き、PETフィルムの反りが2mm以下の場合を「〇」、2mmより大きい場合を「×」として被着体の変形を評価した。
Figure 2018162452
本発明によれば、薄い被着体に用いる場合であっても剥離することなく被着体を充分に保護できるとともに、保護終了後には被着体を損傷することなく容易かつ高速に剥離することのできる表面保護フィルムを提供することができる。

Claims (3)

  1. 基材と、非硬化型粘着剤層と、硬化型粘着剤層とをこの順に有する表面保護フィルムであって、
    前記硬化型粘着剤層の厚さが0.5〜10μmであり、
    前記非硬化型粘着剤層と前記硬化型粘着剤層の厚さの合計が50〜150μmである
    ことを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 硬化型粘着剤層は、酸基又は水酸基と反応しうるシリコングラフト(メタ)アクリルポリマーを含有することを特徴とする請求項1記載の表面保護フィルム。
  3. 硬化型粘着剤層の厚さが0.5〜3μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の表面保護フィルム。
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