JP6943719B2 - 両面粘着テープ及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

両面粘着テープ及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、充分な粘着力で被着体を保護できるとともに高い耐熱性と糊残り抑制性能を発揮し、光を透過しない支持板を用いた場合であっても粘着剤を光硬化させることができるノンサポートタイプの両面粘着テープに関する。
半導体チップの製造工程において、ウエハや半導体チップの加工時の取扱いを容易にし、破損を防止するために粘着テープが用いられている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合、厚膜ウエハに粘着テープを貼り合わせた後に研削が行われる。
このような粘着テープに用いられる接着剤組成物には、加工工程中にウエハや半導体チップ等の被着体を強固に固定できるだけの高い接着性とともに、工程終了後にはウエハや半導体チップ等の被着体を損傷することなく剥離できることが求められる(以下、「高接着易剥離」ともいう。)。
高接着易剥離を実現した接着剤組成物として、特許文献1には紫外線等の光を照射することにより硬化して粘着力が低下する光硬化型粘着剤を用いた粘着テープが開示されている。粘着剤として光硬化型粘着剤を用いることで、加工工程中には確実に半導体を固定できるとともに、紫外線等を照射することにより容易に剥離することができる。
特開平5−32946号公報
近年、半導体製品の薄化、小型化によって、基板も100μm以下にまで薄化してきており(以下、薄化した基板のことを薄基板という。)、基板の製造において反りや損傷を防止するために粘着テープが用いられるようになった。このような薄基板の製造では、基材を有さないノンサポートタイプの両面粘着テープを介して基板の元となるポリイミドフィルム等の基材を支持板に固定し、その後配線等の処理が行われる。しかしながら、薄基板の製造に用いられる支持板はコストやリサイクル性、取り扱いの容易さからアルミニウム等の不透明な素材であることが多く、このような不透明な支持板では従来の光硬化型粘着剤を用いた両面粘着テープを硬化させることができないという問題があった。
また、薄基板の製造工程では150℃以上の熱を加える高温処理が行われるため、用いられる両面粘着テープには耐熱性と、高温下でも接着昂進しない耐接着昂進性が要求される。従来の高温処理を伴う製造工程において用いられている粘着テープは、接着昂進を抑えるためにシリコーンブリード剤が配合されている。しかしながら、ノンサポートタイプの両面粘着テープにシリコーンブリード剤を配合した場合、基材と両面粘着テープとの接着昂進は抑えられるものの、両面粘着テープと支持板との界面にもシリコーンブリード剤がブリードアウトしてしまい、支持板と両面粘着テープ間の粘着力が低下してしまうという問題もあった。また、薄基板のような電子部品や半導体装置の製造に用いられる両面粘着テープは使用されるまでに一定期間保管されることが多いため、保管中にブリードアウトが進行しやすく、問題が顕著になっていた。
本発明は、充分な粘着力で被着体を保護できるとともに高い耐熱性と糊残り抑制性能を発揮し、光を透過しない支持板を用いた場合であっても粘着剤を光硬化させることができるノンサポートタイプの両面粘着テープ及び該両面粘着テープを用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、紫外線透過性の非紫外線硬化型粘着剤層及び、前記非紫外線硬化型粘着剤層上に積層された紫外線硬化型粘着剤層を含むノンサポートタイプの両面粘着テープであって、前記紫外線硬化型粘着剤層は紫外線硬化型粘着剤成分とシリコーン化合物を含有し、前記非紫外線硬化型粘着剤層は、(A)(a)アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル92〜97重量%及び(b)カルボキシル基含有単量体3.0〜8.0重量%を構成成分として含む(メタ)アクリル系共重合体100重量部、及び(B)イソシアネート系架橋剤0.5〜5重量部含有する、両面粘着テープである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の両面粘着テープは、紫外線透過性の非紫外線硬化型粘着剤層及び、前記非紫外線硬化型粘着剤層上に積層された紫外線硬化型粘着剤層を含む。
両面粘着テープが紫外線透過性の非紫外線硬化型粘着剤層を含むことで、紫外線硬化型粘着剤層を被着体に貼り付け、紫外線硬化型粘着剤層を硬化させた後に非紫外線硬化型粘着剤層を支持板に貼り付けることが可能になるため、支持板が不透明な場合であっても紫外線硬化型の粘着剤を硬化させることができる。なお、ここで紫外線透過性とは、上記紫外線硬化型粘着剤層に含まれる紫外線重合開始剤の光吸収波長帯と、上記非紫外線硬化型粘着剤層の光を透過する波長帯が重なることを意味し、特に上記紫外線重合開始剤の光吸収波長帯と、上記非紫外線硬化型粘着剤層の吸光度0.2以下の波長帯が重なることが好ましい。
上記紫外線硬化型粘着剤層は、紫外線硬化型粘着剤成分を含有する。
上記紫外線硬化型粘着剤成分としては、例えば、重合性ポリマーを主成分とし、重合開始剤として紫外線重合開始剤を含有する紫外線硬化型粘着剤が挙げられる。上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)とを反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。なお、本明細書において重量平均分子量は通常、GPC法によって決定することができ、具体的には実施例で示される方法を用いることができる。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有モノマーや、ヒドロキシル基含有モノマーや、エポキシ基含有モノマーや、イソシアネート基含有モノマーや、アミノ基含有モノマー等が挙げられる。上記カルボキシ基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。上記ヒドロキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等が挙げられる。上記エポキシ基含有モノマーとしては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。上記イソシアネート基含有モノマーとしては、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等が挙げられる。上記アミノ基含有モノマーとしては、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられる。同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられる。同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられる。同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記紫外線重合開始剤は、例えば、200〜410nmの波長の紫外線を照射することにより活性化されるものが挙げられる。このような紫外線重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインエーテル系化合物や、ケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。上記アセトフェノン誘導体化合物としては、メトキシアセトフェノン等が挙げられる。上記ベンゾインエーテル系化合物としては、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。上記ケタール誘導体化合物としては、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等が挙げられる。これらの紫外線重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記紫外線硬化型粘着剤層は、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。上記紫外線硬化型粘着剤層がラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、紫外線硬化性が向上する。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、重量平均分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは紫外線の照射による紫外線硬化型粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その重量平均分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。上記重量平均分子量は、例えばGPC測定法を用いて決定することができ、具体的には実施例で示される方法を用いることができる。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記紫外線硬化型粘着剤層は、シリコーン化合物を含有する。
シリコーン化合物を含有することで、紫外線硬化型粘着剤層と被着体との界面にシリコーン化合物がブリードアウトするため、処理終了後に両面粘着テープを容易に剥離することができる。また、シリコーン化合物は、耐熱性に優れることから、150℃以上の加熱を伴う処理を行う場合であっても紫外線硬化型粘着剤層の焦げ付き等を抑制し、糊残りを抑制することができる。
上記シリコーン化合物は、上記紫外線硬化型粘着剤成分と架橋可能な官能基を有することが好ましい。
シリコーン化合物が紫外線硬化型粘着剤成分と架橋可能な官能基を有することで、紫外線照射によりシリコーン化合物が紫外線硬化型粘着剤成分と化学反応して紫外線硬化型粘着剤成分中に取り込まれることから、被着体にシリコーン化合物が付着することによる汚染が抑制される。上記シリコーン化合物の官能価は、例えば2〜6価、好ましくは2〜4価、より好ましくは2価である。上記官能基は紫外線硬化型粘着剤成分に含まれる官能基によって適宜決定されるが、例えば、紫外線硬化型粘着剤成分が(メタ)アクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーを主成分とする光硬化型粘着剤である場合には、(メタ)アクリル基と架橋可能な官能基を選択する。
上記(メタ)アクリル基と架橋可能な官能基は、不飽和二重結合を有する官能基であり、具体的には例えば、ビニル基、(メタ)アクリル基、アリル基、マレイミド基等を含有するシリコーン化合物を選択する。
上記シリコーン化合物は、重量平均分子量が300〜50000であることが好ましい。
シリコーン化合物の重量平均分子量が300以上であることで、その分子サイズの大きさによって非紫外線硬化型粘着剤層へのブリードアウトをより抑制できる。重量平均分子量が50000以下であることで、紫外線硬化型粘着剤層と被着体との界面にはブリードアウトして接着昂進をより抑えることができる。上記シリコーン化合物の重量平均分子量のより好ましい下限は400、更に好ましい下限は500、より好ましい上限は10000、更に好ましい上限は5000である。なお、本発明において、シリコーン化合物の重量平均分子量は、GPC分析により決定することができ、具体的には実施例で示される方法を用いることができる。
上記官能基及び重量平均分子量を有するシリコーン化合物としては、例えば、シリコンジアクリレートが挙げられる。シリコンジアクリレートを用いると、耐熱性及び剥離性がさらに良好となる。
上記シリコーン化合物の好ましい含有量は、上記重合性ポリマー100重量部に対して下限が1重量部、上限が50重量部、より好ましい下限が10重量部、より好ましい上限が40重量部である。
上記紫外線硬化型粘着剤層は、ヒュームドシリカ等の無機フィラー、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
上記紫外線硬化型粘着剤層の厚さは特に限定されないが、下限が5μm、上限が100μmであることが好ましい。上記紫外線硬化型粘着剤層の厚みが上記範囲であると充分な粘着力で被着体を保護することができ、更に剥離時の糊残りを抑制することもできる。上記紫外線硬化型粘着剤層の厚さのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は60μmである。
上記非紫外線硬化型粘着剤層は、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びカルボキシル基含有単量体を構成成分として含む(メタ)アクリル系共重合体を含有する。
アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを構成成分として用いることで充分な粘着力と紫外線透過性を持つ非紫外線硬化型粘着剤層とすることができる。また、カルボキシル基含有単量体を構成成分として用いることで、非紫外線硬化型粘着剤層の凝集力を高めてより大きな粘着力を付与することができる。更に、極性基であるカルボキシル基が低極性のシリコーン化合物の接近を阻害するため、シリコーン化合物が非紫外線硬化型粘着剤層側へブリードアウトすることを抑制できる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数の好ましい下限は8、好ましい上限は10である。
上記アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも粘着力に優れることからブチルアクリレートが好ましい。
上記カルボキシル基含有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。なかでも、高い粘着力を付与できることからアクリル酸が好ましい。
上記(メタ)アクリル系共重合体は、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを92〜97重量%、カルボキシル基含有単量体を3.0〜8.0重量%含有する。
上記アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が上記範囲であることで充分な粘着力を確保することができる。カルボキシル基含有単量体が3.0重量%以上であることで、シリコーン化合物の非紫外線硬化型粘着剤層へのブリードアウトをより抑制することができる。カルボキシル基含有単量体が8.0重量%以下であることで、(メタ)アクリル系共重合体の酸性度を適切な範囲に調整でき、シリコーン化合物の非紫外線硬化型粘着剤層へのブリードアウトをより抑制することができる。
上記(メタ)アクリル系共重合体中における上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、同様の観点から、好ましい下限が93重量%、より好ましい下限が94重量%、好ましい上限が96重量%である。上記(メタ)アクリル系共重合体中におけるカルボキシル基含有単量体の含有量は、同様の観点から、好ましい下限が4重量%、好ましい上限が7重量%、より好ましい上限が6重量%である。
上記非紫外線硬化型粘着剤は、イソシアネート系架橋剤を含有する。
架橋剤を含有することで非紫外線硬化型粘着剤層の耐薬品性を向上させることができる。また、イソシアネート系架橋剤はヒドロキシル基と反応し、カルボキシル基とは反応しないことから、架橋反応後も(メタ)アクリル系共重合体内にはカルボキシル基が多数存在する。その結果、非紫外線硬化型粘着剤層の極性が高いまま維持されるため、低極性のシリコーン化合物が非紫外線硬化型粘着剤層へブリードアウトしにくくなり、非紫外線硬化型粘着剤層の粘着力低下を抑止できる。なお、イソシアネート系以外の架橋剤、例えば、エポキシ系の架橋剤を用いた場合は、(メタ)アクリル系共重合体のカルボキシル基と反応してしまうため、架橋反応によって(メタ)アクリル系共重合体のカルボキシル基が消費される。その結果、非紫外線硬化型粘着剤層の極性が低下し、シリコーン化合物が非紫外線硬化型粘着剤層へブリードアウトしやすくなってしまうと考えられる。
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えばシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
上記イソシアネート系架橋剤の含有量は、上記(メタ)アクリル系共重合体100重量部に対して0.5〜5重量部である。
イソシアネート系架橋剤の含有量が上記範囲であることで、(メタ)アクリル系共重合体を充分に架橋することができる。上記(メタ)アクリル系共重合体100重量部に対する上記イソシアネート系架橋剤の含有量の好ましい下限は0.6重量部、より好ましい下限は0.7重量部、好ましい上限は4重量部、より好ましい上限は3重量部である。
上記非紫外線硬化型粘着剤層は、ヒュームドシリカ等の無機フィラー、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
上記非紫外線硬化型粘着剤層は、上記イソシアネート系架橋剤中のイソシアネート基に対する、(メタ)アクリル系共重合体中の水酸基の比率([−NCO/−OH]比率)が、0.3〜3.0であることが好ましい。
イソシアネート基と水酸基の比率が上記範囲にあることで、(メタ)アクリル系共重合体を充分に架橋することができ、両面粘着テープの耐薬品性をより向上させることができる。上記イソシアネート系架橋剤中のイソシアネート基に対する、(メタ)アクリル系共重合体中の水酸基の比率のより好ましい下限は0.4、より好ましい上限は2.8、更に好ましい上限は2.5である。
上記非紫外線硬化型粘着剤層の厚さは特に限定されないが、下限が5μm、上限が100μmであることが好ましい。上記非紫外線硬化型粘着剤層の厚みが上記範囲であると充分な粘着力で支持板と接着し、被着体を確実に固定することができる。上記非紫外線硬化型粘着剤層の厚さのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は60μmである。
本発明の両面粘着テープは、基材を有さないノンサポートタイプの両面粘着テープである。基材を有するサポートタイプの場合は、シリコーン化合物が支持板側の界面にブリードアウトすることはないが、ノンサポートタイプと比べてコストに劣るものとなる。
本発明の両面粘着テープは、上記非紫外線硬化型粘着剤層の上記紫外線硬化型粘着剤層が積層された面とは反対側の面に紫外線透過性の離型フィルムが積層されていることが好ましい。
非紫外線硬化型粘着剤層上に離型フィルムを有することによって、支持板への貼り付け時まで非紫外線硬化型粘着剤層を保護できるとともに両面粘着テープの取り扱い性を向上させることができる。また、離型フィルムが紫外線透過性であることによって非紫外線硬化型粘着剤層を保護したまま後述する硬化工程を行うことができる。
上記紫外線透過性の離型フィルムは、紫外線透過性であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール共重合体、テレフタル酸ブタンジオールポリカプロラクトン共重合等が挙げられる。なかでもポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
本発明の両面粘着テープは、紫外線硬化型粘着剤層と非紫外線硬化型粘着剤層が最外層(被着体と接する層)に位置していれば、紫外線硬化型粘着剤層と非紫外線硬化型粘着剤層との間に更に他の層を有していてもよい。
本発明の両面粘着テープは、上記非紫外線硬化型粘着剤層のゲル分率が60%以上であり、上記紫外線硬化型粘着剤層のゲル分率が紫外線硬化後において80%以上であることが好ましい。
非紫外線硬化型粘着剤層と紫外線硬化型粘着剤層のゲル分率が上記下限値以上であることで、両面粘着テープの耐薬品性を向上させることができる。上記非紫外線硬化型粘着剤層のゲル分率のより好ましい下限は85%、更に好ましい下限は90%、特に好ましい下限は95%である。上記非紫外線硬化型粘着剤層のゲル分率の上限は特に限定されないが99%であることが好ましい。上記紫外線硬化型粘着剤層のゲル分率のより好ましい下限は85%、更に好ましい下限は90%である。上記紫外線硬化型粘着剤層のゲル分率の上限は特に限定されないが99%であることが好ましい。なお、紫外線硬化型粘着剤層のゲル分率は硬化のゲル分率を指す。また、両面粘着テープが紫外線硬化型粘着剤層と非紫外線硬化型粘着剤層以外の層を持つ場合は、その層も上記ゲル分率を満たすことが好ましい。
本発明の両面粘着テープを製造する方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、離型処理を施したフィルム上に上記紫外線硬化型粘着剤成分の溶液を塗工、乾燥させて紫外線硬化型粘着剤層を形成し、別の離型処理を施したフィルム上に同様の方法で非紫外線硬化型粘着剤層を形成した後に、紫外線硬化型粘着剤層と非紫外線硬化型粘着剤層を貼り合わせることで製造することができる。
本発明の両面粘着テープの用途は特に限定されないが、不透明な支持板を用い、高温処理を伴う製造工程を有する半導体装置の製造における保護テープとして特に好適に用いることができる。
本発明の両面粘着テープを、紫外線硬化型粘着剤層から基板に貼りつける基板貼付工程と、紫外線を照射して前記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程と、非紫外線硬化型粘着剤層上に支持板を貼りつける支持板貼付工程と、前記基板を150℃以上の高温で処理する熱処理工程と前記基板を前記両面粘着テープから剥離する剥離工程とを含む、半導体装置の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明の半導体装置の製造方法においては、まず、紫外線硬化型粘着剤層と、紫外線透過性の非紫外線硬化型粘着剤層とを有する両面粘着テープを、上記紫外線硬化型粘着剤層側から基板に貼りつける基板貼付工程を行う。
上記基板は、半導体チップの実装先となる基板だけでなく、基板の製造の際に基礎となる基材等も含まれる。上記基材としてはポリイミドフィルム、ガラエポ基板等が挙げられる。
本発明の半導体装置の製造方法においては、次いで紫外線を照射して前記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程を行う。
紫外線硬化型粘着剤層を硬化させることで、処理終了後の基板から両面粘着テープを、糊残りを抑制しつつ、容易に剥離することができる。従来の方法では、両面粘着テープを基板と支持板に貼り付けた後で光硬化が行われていたため、支持板が光を透過しない素材である場合は光硬化を行うことができなかった。しかし、本発明の半導体装置の製造方法では、両面粘着テープを支持板に貼り付ける前に紫外線硬化型粘着剤層を硬化させるため、支持板が光を透過しない素材であっても光硬化型粘着剤を硬化させることができる。また、両面テープの非紫外線硬化型粘着剤層が紫外線透過性であることで、非紫外線硬化型粘着剤層側から紫外線硬化型粘着剤層へ紫外線を照射しても充分に紫外線硬化型粘着剤を硬化させることができる。なお、紫外線硬化型粘着剤層は基板に貼り付けた後に硬化されているため、たとえ基板の処理を行う前に紫外線硬化型粘着剤層を硬化させた場合であっても、両面粘着テープが基板から直ちに剥離することはない。
上記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる光の照射条件は用いる上記重合性ポリマーと上記紫外線重合開始剤との組み合わせによって適宜調節することができる。例えば、側鎖にビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性ポリマーと、200〜410nmの波長で活性化する紫外線重合開始剤を用いる場合、365nm以上の波長の光を照射することにより、上記紫外線硬化型粘着剤層を架橋、硬化させることができる。
このような紫外線硬化型粘着剤層に対しては、例えば、波長365nmの光を5mW以上の照度で照射することが好ましく、10mW以上の照度で照射することがより好ましく、20mW以上の照度で照射することが更に好ましく、50mW以上の照度で照射することが特に好ましい。また、波長365nmの光を300mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、500mJ以上、10000mJ以下の積算照度で照射することがより好ましく、500mJ以上、7500mJ以下の積算照度で照射することが更に好ましく、1000mJ以上、5000mJ以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
本発明の半導体装置の製造方法においては、次いで非紫外線硬化型粘着剤層上に支持板を貼りつける支持板貼付工程を行う。
本発明では、両面粘着テープの粘着剤層が紫外線硬化型粘着剤層と非紫外線硬化型粘着剤層に分かれているため、支持板貼り付け前に硬化工程を行った場合であっても非紫外線硬化型粘着剤層は硬化することがない。そのため、充分な粘着力で両面粘着テープを支持板に貼り付けることができる。なお、両面粘着テープが上記紫外線透過性離型フィルムを有する場合は、上記硬化工程終了後から上記支持板貼付工程の前までに上記離型フィルムを剥離する。
本発明の半導体装置の製造方法では、次いで、基板を150℃以上の高温で処理する熱処理工程を行う。
上記熱処理工程としては、基板製造工程やチップマウント工程が挙げられる。上記基板製造工程では通常150℃以上の熱処理が行われ、上記チップマウント工程では通常200℃以上の熱処理が行われる。本発明の半導体装置の製造方法では熱処理工程より前に紫外線硬化型粘着剤層を硬化させているため、熱処理工程において150℃以上の高温を伴う処理を行った場合であっても接着昂進が抑えられ、処理終了後に基板を容易に剥離することができる。また、紫外線硬化型粘着剤層にシリコーン化合物を含有しているため、接着昂進をより抑止することができる。
本発明の半導体装置の製造方法は、次いで、上記基板を上記両面粘着テープから剥離する剥離工程を有する
上記硬化工程において紫外線硬化型粘着剤層は架橋、硬化しているため、両面粘着テープから基板を容易に、かつ、糊残りを抑制しつつ剥離することができる。また、剥離にかかる時間が短縮されるため、生産効率を上げることができる。
本発明によれば、充分な粘着力で被着体を保護できるとともに高い耐熱性と糊残り抑制性能を発揮し、光を透過しない支持板を用いた場合であっても粘着剤を光硬化させることができるノンサポートタイプの両面粘着テープ及び該両面粘着テープを用いた半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(非紫外線硬化型粘着剤の製造)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器に(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてブチルアクリレート97重量部、カルボキシル基含有単量体としてアクリル酸3重量部及び酢酸エチル120重量部を加え、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を添加した。70℃、5時間還流させて、(メタ)アクリル系共重合体の溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系共重合体について、GPC法により、カラムとしてWater社製「2690 Separations Model」、溶媒として酢酸エチルを用い、ポリスチレン標準により重量平均分子量を測定したところ、80万であった。
得られた(メタ)アクリル系共重合体の溶液に含まれる(メタ)アクリル系共重合体の固形分100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(東ソー社製、コロネートL)を固形分比で0.7重量部を添加し、攪拌して非紫外線硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を得た([−NCO/−OH]比率:0.7)。
(紫外線硬化型粘着剤の製造)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、官能基含有モノマーとしてメタクリル酸ヒドロキシエチル6重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させて重合性ポリマーを得た。その後、得られた重合性ポリマーの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、シリコーン化合物としてシリコンジアクリレート20重量部、シリカフィラー20重量部、イソシアネート系架橋剤0.7重量部、光重合開始剤1重量部、を混合し、紫外線硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。なお、シリコンジアクリレート、シリカフィラー、イソシアネート系架橋剤、光重合開始剤は以下のものを用いた。
シリコンジアクリレート:EBECRYL 350、ダイセル・オルネクス社製、重量平均分子量1000
シリカフィラー:レオロシール MT−10、トクヤマ社製
イソシアネート系架橋剤:コロネートL、日本ウレタン工業社製
光重合開始剤:エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製
(両面粘着テープの製造)
得られた紫外線硬化型粘着剤溶液を、片面に離型処理を施した50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥皮膜の厚さが40μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させて、紫外線硬化型粘着剤層を得た。
得られた非紫外線硬化型粘着剤溶液を、片面に離型処理を施した厚さ50μmの透明なPETフィルム上に乾燥皮膜の厚さが40μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させて、非紫外線硬化型粘着剤層を得た。
得られた紫外線硬化型粘着剤層及び非紫外線硬化型粘着剤層のPETフィルムが積層していない面同士を貼り合わせて両面粘着テープを得た。
(ゲル分率の測定)
高圧水銀UV照射機を用いて、365nmの紫外線を両面粘着テープ表面への照射強度が100mW/cmとなるよう照度を調節し、非紫外線硬化型粘着剤層側から30秒間照射して、紫外線硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。その後、紫外線硬化型粘着剤層のみを0.1gこそぎ取って酢酸エチル50ml中に浸漬し、振とう機で温度23度、200rpmの条件で24時間振とうした(以下、こそぎ取った紫外線硬化型粘着剤層のことを粘着剤組成物という)。振とう後、金属メッシュ(目開き#200メッシュ)を用いて、酢酸エチルと酢酸エチルを吸収し膨潤した粘着剤組成物を分離した。分離後の粘着剤組成物を110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物の重量を測定し、下記式を用いて紫外線硬化後の紫外線硬化型粘着剤層ゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W−W)/W
(W:初期粘着剤組成物重量、W:乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物重量、W:金属メッシュの初期重量)
次いで、非紫外線硬化型粘着剤層についても同様の方法でゲル分率を測定した。結果を表1、2に示した。
(非紫外線硬化型粘着剤層の粘着力の測定)
両面粘着テープを5mm幅の短冊状に裁断して試験片を作製した。非紫外線硬化型粘着剤層がステンレス板に対向した状態となるように試験片をステンレス板に載せた後、試験片上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラーを一往復させることにより、試験片とステンレス板とを貼り合わせ、その後、23℃で24時間静置して試験サンプルを作製した。JIS Z0237に準じて、剥離速度300mm/分で180°方向の引張試験を行い、初期の180°引きはがし粘着力(N/5mm)を測定した。次いで、両面粘着テープを40℃、1ヶ月間保管したものに対して上記方法で経時の180°引きはがし粘着力を測定した。結果を表1、2に示した。
(実施例2〜6、比較例1〜4)
非紫外線硬化型粘着剤層のブチルアクリレート、アクリル酸、架橋剤の配合量及び紫外線硬化型粘着剤層のシリコンジアクリレートの配合量を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして両面粘着テープを製造し、各層のゲル分率及び非紫外線硬化型粘着剤層の粘着力を測定した。なお、エポキシ系架橋剤としては綜研化学社製E−5XMを用いた。
<評価>
実施例及び比較例で得た粘着剤組成物について、以下の方法により評価を行った。結果を表1、2に示した。
(耐熱性の評価)
両面粘着テープの紫外線硬化型粘着剤層側の面を、基板に貼り付けて積層体を得た。次いで、高圧水銀UV照射機を用いて、365nmの紫外線を半導体保護テープ表面への照射強度が100mW/cmとなるよう照度を調節して、非紫外線硬化型粘着剤層側から30秒間照射して、紫外線硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。その後、積層体の非紫外線硬化型粘着剤層をアルミニウム製の支持板にはりつけ、260℃、6分間の熱処理を合計3回行った。熱処理終了後の両面粘着テープを目視にて観察し、剥がれやボイドがなかった場合を「〇」、剥がれやボイドがあった場合を「×」として初期耐熱性の評価を行った。また、両面粘着テープを40℃、1ヶ月間保管したものについて同様の方法で経時耐熱性の評価を行った。
(糊残りの評価)
両面粘着テープの紫外線硬化型粘着剤層側の面を、基板に貼り付けて積層体を得た。次いで、高圧水銀UV照射機を用いて、365nmの紫外線を半導体保護テープ表面への照射強度が100mW/cmとなるよう照度を調節して、非紫外線硬化型粘着剤層側から30秒間照射して、紫外線硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。その後、積層体の非紫外線硬化型粘着剤層をアルミニウム製の支持板にはりつけ、240℃、1時間の熱処理を行った。熱処理終了後、基板から両面粘着テープを剥離した。剥離後の基板を目視にて観察し、糊残りがなかった場合を「〇」、糊残りがあった場合を「×」として初期糊残りを評価した。また、両面粘着テープを40℃、1ヶ月間保管したものについて同様の方法で経時糊残りの評価を行った。
(耐薬品(フラックス)性の評価)
10cm×10cmの両面粘着テープをポリイミドフィルムに張り合わせ、両面粘着テープのもう一方の表面に銅板を貼付した。こうして得られたサンプルを、洗浄剤(パインアルファST−180K)に70℃で20分間浸漬させた。サンプルを取り出し、サンプルをタオルドライした後、70℃で1時間乾燥させた。洗浄剤に浸漬する前のサンプルの重量をW、洗浄剤に浸漬、乾燥後のサンプルの重量をWとして、溶解残分比率を以下の式に従って算出した。
溶解残分比率(%)=[(W−W)/W]×100
なお、評価基準は次の通りとした。
◎:100%、○:97%以上100%未満、×:97%未満
Figure 0006943719
Figure 0006943719
本発明によれば、充分な粘着力で被着体を保護できるとともに高い耐熱性と糊残り抑制性能を発揮し、光を透過しない支持板を用いた場合であっても粘着剤を光硬化させることができるノンサポートタイプの両面粘着テープ及び該両面粘着テープを用いた半導体装置の製造方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. 紫外線透過性の非紫外線硬化型粘着剤層及び、前記非紫外線硬化型粘着剤層上に積層された紫外線硬化型粘着剤層を含むノンサポートタイプの両面粘着テープであって、
    前記紫外線硬化型粘着剤層は紫外線硬化型粘着剤成分とシリコーン化合物を含有し、
    前記非紫外線硬化型粘着剤層は、
    (A)(a)アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル92〜97重量%、及び(b)カルボキシル基含有単量体3.0〜8.0重量%を構成成分として含む(メタ)アクリル系共重合体100重量部、及び
    (B)イソシアネート系架橋剤0.5〜5重量部含有する、両面粘着テープ。
  2. シリコーン化合物は、紫外線硬化型粘着剤成分と架橋可能な官能基を有する重量平均分子量が300〜50000のシリコーン化合物である、請求項1に記載の両面粘着テープ。
  3. 非紫外線硬化型粘着剤層のゲル分率が60%以上であり、紫外線硬化型粘着剤層のゲル分率が紫外線硬化後において80%以上である、請求項1又は2のいずれかに記載の両面粘着テープ。
  4. 請求項1、2又は3のいずれかに記載の両面粘着テープを、紫外線硬化型粘着剤層から基板に貼りつける基板貼付工程と、
    紫外線を照射して前記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程と、
    非紫外線硬化型粘着剤層上に支持板を貼りつける支持板貼付工程と、
    前記基板を150℃以上の高温で処理する熱処理工程と
    前記基板を前記両面粘着テープから剥離する剥離工程と
    を含む、半導体装置の製造方法。
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