JP2020094199A - 粘着テープ - Google Patents

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和泉 岡村
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Abstract

【課題】280℃に達する高温処理を伴う工程に用いた場合であっても被着体を確実に保護し、かつ、糊残りなく剥離することができる粘着テープを提供する。【解決手段】紫外線硬化型粘着剤層を有する粘着テープであって、前記紫外線硬化型粘着剤層の硬化前のゲル分率をA(%)、3000mJ/cm2の紫外線照射した後の前記紫外線硬化型粘着剤層の引張弾性率をB(MPa)としたときに以下の関係式:−5≦B−exp(A/30)を満たす、粘着テープ。【選択図】なし

Description

本発明は粘着テープに関する。
半導体チップの製造工程において、ウエハや半導体チップの加工時の取扱いを容易にし、破損を防止するために粘着テープが用いられている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合、厚膜ウエハに粘着テープを貼り合わせた後に研削が行われる。
このような粘着テープに用いられる接着剤組成物には、加工工程中にウエハや半導体チップ等の被着体を強固に固定できるだけの高い接着性とともに、工程終了後にはウエハや半導体チップ等の被着体を損傷することなく剥離できることが求められる(以下、「高接着易剥離」ともいう。)。
高接着易剥離を実現した接着剤組成物として、特許文献1には紫外線等の光を照射することにより硬化して粘着力が低下する光硬化型粘着剤を用いた粘着テープが開示されている。粘着剤として光硬化型粘着剤を用いることで、加工工程中には確実に被着体を固定できるとともに、紫外線等を照射することにより容易に剥離することができる。
特開平5−32946号公報
近年、半導体製品の薄化、小型化によって、ウエハ上に半導体チップを多数積層した半導体デバイスが製造されるようになってきている。このような多数の半導体チップが積層された半導体デバイスの製造では、熱圧着ボンディング工程によって半導体チップをウエハや半導体チップ上に固定している。しかしながら、熱圧着ボンディングでは280℃という従来の高温処理を超える高温がかかるため、従来の硬化型粘着剤を用いた粘着テープをウエハの保護に用いた場合には、粘着剤が劣化してしまい、その結果糊残りが発生してしまうことがある。また、熱圧着ボンディングでは高温に加えて圧力もかかることから、粘着剤の接着亢進が進行しやすく、糊残りがより発生しやすくなっている。更に、熱圧着ボンディング工程が行われるウエハは凹凸の大きなバンプが形成されていることが多く、凹凸の奥の部分に粘着剤が噛みこんで剥離の際に千切れてしまうことで、糊残りが一層発生しやすくなっている。
本発明は、280℃に達する高温処理を伴う工程に用いた場合であっても被着体を確実に保護し、かつ、糊残りなく剥離することができる粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、紫外線硬化型粘着剤層を有する粘着テープであって、前記紫外線硬化型粘着剤層の硬化前のゲル分率をA(%)、3000mJ/cmの紫外線照射した後の前記紫外線硬化型粘着剤層の引張弾性率をB(MPa)としたときに以下の関係式:
−5≦B−exp(A/30)
を満たす、粘着テープである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の粘着テープは、紫外線硬化型粘着剤層を有する。
粘着テープが紫外線硬化型粘着剤層を有することで、充分な粘着力で被着体に貼り付けて被着体を保護できるとともに、貼り付け後に紫外線硬化型粘着剤層を硬化させることによって、高温処理が行われる場合であっても被着体を確実に保護することができる。また、保護が不要となった後は糊残りなく容易に粘着テープを剥離することができる。
本発明の粘着テープは、上記紫外線硬化型粘着剤層の硬化前のゲル分率をA(%)、3000mJ/cmの紫外線照射した後の上記紫外線硬化型粘着剤層の引張弾性率をB(MPa)としたときに以下の関係式:−5≦B−exp(A/30)を満たす。
紫外線硬化型粘着剤層の硬化前のゲル分率と硬化後の引張弾性率が上記関係式を満たすことによって、たとえ従来の高温処理を超える高温下であっても被着体を確実に保護し、保護が不要となった後は糊残りなく容易に粘着テープを剥離することができる。高温処理後における糊残りの更なる抑制の観点から、上記関係式の左辺は0であることが好ましく、1であることがより好ましく、2であることが更に好ましい。
上記B−exp(A/30)の値の上限は特に制限されないが、実質的には例えば10以下程度であり、好ましくは9以下であり、より好ましくは8以下である。
ここで、後述する実施例と比較例についてゲル分率AをY軸、引張弾性率BをX軸としてプロットし、更にA=30×ln(B+5)及びA=30×ln(B−2)の曲線を重ね合わせたグラフを図1に示した。
ここで、A=30×ln(B+5)は、−5=B−exp(A/30)をAについて変形したものであり、この曲線より下の領域が上記関係式の範囲である。A=30×ln(B−2)は、2=B−exp(A/30)をAについて変形したものである。また、図1では、実施例1〜6、13を「○」、実施例7〜12、14を「△」、比較例を「×」で表しており、A=30×ln(B+5)を実線、A=30×ln(B−2)を点線で表している。図1に示すように、すべての実施例は曲線A=30×ln(B+5)以下、つまり、−5≦B−exp(A/30)の関係を満たしており、比較例は上記関係式を満たしていないことが分かる。また、後述するように実施例の粘着テープは耐熱性に優れるとともに被着体に糊残りし難いものであり、比較例の粘着テープは被着体に糊残りしてしまうものである。よって、上記関係式を満たすことで耐熱性に優れ、被着体に糊残りし難い粘着テープが得られることが分かる。
更に、実施例の中でも実施例1〜6、13は特に糊残りし難いものである。実施例1〜6、13は曲線A=30×ln(B−2)以下、つまり、2≦B−exp(A/30)の関係を満たし、かつ、図示しないが、曲線A=30×ln(B−8)以上、つまり、B−exp(A/30)≦8の関係を満たしていることから、上記式を満たすことでより耐熱性に優れ、被着体に糊残りし難い粘着テープが得られることが分かる。
上記ゲル分率Aは好ましい下限が10%、より好ましい下限が20%、更に好ましい下限が30%、特に好ましい下限が40%、好ましい上限が90%、より好ましい上限が80%、更に好ましい上限が70%、特に好ましい上限が60%である。
上記紫外線硬化型粘着剤層の硬化前のゲル分率が上記範囲であることで、粘着テープが被着体の凹凸にしっかりと追随して被着体との間に空気が入らないようにすることができる。その結果、空気中の酸素と熱による紫外線硬化型粘着剤層の劣化が起こり難くなるため糊残りの発生を抑えることができる。
上記ゲル分率Aは以下の方法で測定することができる。
得られた粘着テープの紫外線硬化型粘着剤層のみを0.1gこそぎ取って酢酸エチル50ml中に浸漬し、振とう機で温度23度、120rpmの条件で24時間振とうする(以下、こそぎ取った紫外線硬化型粘着剤層のことを粘着剤組成物という)。振とう後、金属メッシュ(目開き#200メッシュ)を用いて、酢酸エチルと酢酸エチルを吸収し膨潤した粘着剤組成物を分離する。分離後の粘着剤組成物を110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物の重量を測定し、下記式を用いて紫外線硬化型粘着剤層のゲル分率を算出する。
ゲル分率(%)=100×(W−W)/W
(W:初期粘着剤組成物重量、W:乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物重量、W:金属メッシュの初期重量)
上記引張弾性率Bは好ましい下限が3MPa、より好ましい下限が5MPa、好ましい上限が20MPa、より好ましい上限が15MPaである。
上記引張弾性率Bが上記範囲であることによって、熱処理後の粘着テープが千切れ難くなり、剥離の際に粘着テープが千切れて糊残りしてしまうことを抑えることができる。
なお、上記引張弾性率Bは、上記紫外線硬化型粘着剤層に高圧水銀紫外線照射機を用いて、405nmの紫外線の積算強度が3000mJ/cmになるよう紫外線照射を行った後に、JIS K 7161に基づく引張特性の試験方法によって測定することができる。
上記紫外線硬化型粘着剤層は、シリコンウエハに貼り付けて3000mJ/cmの紫外線照射後、200℃1時間加熱したあとの粘着力(加熱後の粘着力)が0.15N/inch以下であることが好ましい。
上記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させて熱処理を行った後の粘着力(加熱後の粘着力)が上記範囲であることで、接着亢進を抑えて糊残りをより抑えることができる。糊残りの更なる抑制の観点から、上記加熱後の粘着力のより好ましい上限は0.1N/inch、更に好ましい上限は0.08N/inchである。上記加熱後の粘着力の下限は特に限定されないが、意図せぬ剥離を防止する観点から、0.001N/inchであることが好ましい。
上記加熱後の粘着力は、以下のように測定することができる。
上記紫外線硬化型粘着剤層をシリコンウエハに貼付後、上記紫外線硬化型粘着剤層に高圧水銀紫外線照射機を用いて、405nmの紫外線の積算強度が3000mJ/cmになるよう紫外線照射を行う。200℃に加熱したオーブンに測定サンプルを入れ1時間静置する。その後、測定サンプルを取り出し常温まで放冷する。放冷後、JIS Z 0237:2009に準拠して、引張速度300mm/minの条件で180°剥離試験を行うことで、加熱後の粘着力を測定できる。
上記紫外線硬化型粘着剤層を構成する粘着剤は、紫外線硬化型であれば特に限定されないが、例えば、重合性ポリマーを主成分とし、重合開始剤として紫外線重合開始剤等の光重合開始剤を含有する紫外線硬化型粘着剤が挙げられる。
上記重合性ポリマーとしては、例えば、アクリルポリマー、シリコーン、ウレタン等が挙げられる。なかでも上記関係式の範囲を満たしやすいことからアクリルポリマーであることが好ましい。上記アクリルポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)とを反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。なお、本明細書において重量平均分子量は通常、GPC法によって決定することができ、例えば、40℃において溶出液としてTHF、カラムとしてHSPgel HR MB−M 6.0×150mm(Waters社製)を用いて、ポリスチレン標準により決定することができる。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有モノマーや、ヒドロキシ基含有モノマーや、エポキシ基含有モノマーや、イソシアネート基含有モノマーや、アミノ基含有モノマー等が挙げられる。上記カルボキシ基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。上記ヒドロキシ基含有モノマーとしては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等が挙げられる。上記エポキシ基含有モノマーとしては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。上記イソシアネート基含有モノマーとしては、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等が挙げられる。上記アミノ基含有モノマーとしては、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられる。同官能基がヒドロキシ基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられる。同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられる。同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記紫外線重合開始剤は、例えば、200〜410nmの波長の紫外線を照射することにより活性化されるものが挙げられる。このような紫外線重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体化合物、フォスフィンオキシド誘導体化合物、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等が挙げられる。
上記アセトフェノン誘導体化合物としては、メトキシアセトフェノン等が挙げられる。上記ベンゾインエーテル系化合物としては、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。上記ケタール誘導体化合物としては、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等が挙げられる。
これらの紫外線重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記紫外線硬化型粘着剤層は、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。上記紫外線硬化型粘着剤層がラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、紫外線硬化性が向上する。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、重量平均分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは紫外線の照射による紫外線硬化型粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その重量平均分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。上記重量平均分子量は、例えばGPC測定法を用いて決定することができる。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記紫外線硬化型粘着剤層は、紫外線硬化型粘着剤の凝集力を高める目的で架橋剤を含有していてもよい。
上記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。なかでも、より紫外線硬化型粘着剤の凝集力が高まることからイソシアネート系架橋剤が好ましい。
上記架橋剤は、上記紫外線硬化型粘着剤層中に0.1〜20重量%含有されていることが好ましい。
架橋剤が上記範囲で含有されていることで、紫外線硬化型粘着剤を適度に架橋して、高い粘着力を維持しながら紫外線硬化型粘着剤の凝集力をより高めることができる。紫外線硬化型粘着剤の高い粘着力の維持及び紫外線硬化型粘着剤の凝集力の向上の両立の点から、上記架橋剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量%、更に好ましい下限は1.0重量%、より好ましい上限は15重量%、更に好ましい上限は10重量%である。
上記紫外線硬化型粘着剤層は、離型剤を含有することが好ましい。
上記紫外線硬化型粘着剤層が離型剤を含有することで、紫外線硬化型粘着剤層と被着体との界面に離型剤がブリードアウトするため、処理終了後に粘着テープを容易かつ糊残りなく剥離することができる。上記離型剤としては、例えば、シリコーン化合物、フッ素化合物等が挙げられる。なかでも、耐熱性に優れることからシリコーン化合物が好ましい。離型剤がシリコーン化合物であると、280℃以上の加熱を伴う処理を行う場合であっても紫外線硬化型粘着剤層の焦げ付き等を抑制し、糊残りを抑制することができる。上記シリコーン化合物としては、シリコンジアクリレート等が挙げられる。
上記シリコーン化合物は、上記重合性ポリマーと架橋可能な官能基を有することが好ましい。
シリコーン化合物が重合性ポリマーと架橋可能な官能基を有することで、紫外線照射によりシリコーン化合物が重合性ポリマーと化学反応して重合性ポリマー中に取り込まれることから、被着体にシリコーン化合物が付着することによる汚染が抑制される。上記シリコーン化合物の官能価は、例えば2〜6価、好ましくは2〜4価、より好ましくは2価である。上記官能基は重合性ポリマーに含まれる官能基によって適宜決定されるが、例えば、重合性ポリマーが(メタ)アクリル酸アルキルエステル系である場合には、(メタ)アクリル基と架橋可能な官能基を選択する。
上記(メタ)アクリル基と架橋可能な官能基は、不飽和二重結合を有する官能基であり、具体的には例えば、ビニル基、(メタ)アクリル基、アリル基、マレイミド基等を含有するシリコーン化合物を選択する。
上記紫外線硬化型粘着剤層中における上記離型剤の含有量は、好ましい下限が2重量%、より好ましい下限が5重量%、更に好ましい下限が10重量%、好ましい上限が40重量%、より好ましい上限が35重量%、更に好ましい上限が30重量%である。
上記離型剤の含有量が上記範囲であることで、より耐熱性と糊残り防止性能に優れた粘着テープとすることができる。
上記紫外線硬化型粘着剤層は、ウレタンアクリレートを含有することが好ましい。
上記紫外線硬化型粘着剤層がウレタンアクリレートを含有することで、粘着テープの柔軟性が向上し、粘着テープが千切れにくくなることから、上記関係式及び上記引張弾性率Bの範囲を満たしやすくすることができる。
上記紫外線硬化型粘着剤層中における上記ウレタンアクリレートの含有量は、好ましい上限が20重量%、より好ましい上限が15重量%、更に好ましい上限が10重量%である。上記ウレタンアクリレートの含有量が上記範囲であることで、より耐熱性と糊残り抑制性能に優れた粘着テープとすることができる。上記ウレタンアクリレートの含有量の下限は特に限定されないが、粘着テープをより千切れにくくして糊残りを抑える観点から5重量%であることが好ましい。
なかでも特に、上記紫外線硬化型粘着剤層が上記アクリルポリマー、上記離型剤及び上記ウレタンアクリレートを含有し、上記紫外線硬化型粘着剤層中における上記離型剤及び上記ウレタンアクリレートの合計含有量が25重量%以下であることが好ましい。
上記紫外線硬化型粘着剤層が上記アクリルポリマーに加えて上記離型剤及び上記ウレタンアクリレートを含有することで、上記関係式、上記ゲル分率Aの範囲及び上記引張弾性率Bの範囲を満たしやすくすることができる。更に、上記離型剤及び上記ウレタンアクリレートの合計含有量が上記範囲であることで、これらの成分の熱分解によって発生するアウトガスの量を抑えられることから、耐熱性を向上させながらもアウトガスによる意図せぬ剥離を抑えることができる。
上記離型剤及び上記ウレタンアクリレートの合計含有量のより好ましい上限は20重量%、更に好ましい上限は15重量%である。
上記紫外線硬化型粘着剤層は、フィラーを含有することが好ましい。
上記紫外線硬化型粘着剤層がフィラーを含有することで弾性率が向上することから粘着テープの耐熱性を向上させることができる。上記フィラーの材料としては例えば、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、カルシウム、ホウ素、マグネシウム、ジルコニア等が挙げられる。なかでもより耐熱性が向上することからシリカであることが好ましい。
上記フィラーの平均粒子径は特に限定されないが、好ましい下限が0.06μm、より好ましい下限が0.07μm、好ましい上限が2μm、より好ましい上限が1μmである。フィラーの平均粒子径が上記範囲であることで、紫外線硬化型粘着剤に対する分散性をより向上させることができる。
上記紫外線硬化型粘着剤層中における上記フィラーの含有量は、好ましい下限が1重量%、より好ましい下限が2重量%、更に好ましい下限が3重量%、好ましい上限が20重量%より好ましい上限が15重量%、更に好ましい上限が12重量%である。
上記フィラーの含有量が上記範囲であることで、より耐熱性に優れた粘着テープとすることができる。
上記紫外線硬化型粘着剤層は、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤は単独で用いられてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
上記紫外線硬化型粘着剤層の厚さは特に限定されないが、下限が5μm、上限が150μmであることが好ましい。上記紫外線硬化型粘着剤層の厚みが上記範囲であると充分な粘着力で被着体を保護することができ、更に剥離時の糊残りを抑制することもできる。粘着力を更に向上させると共に剥離時の糊残りを更に抑制する観点から、上記紫外線硬化型粘着剤層の厚さのより好ましい下限は、10μm、より好ましい上限は100μm、更により好ましい上限は60μmである。
本発明の粘着テープは、基材を有するサポートタイプの粘着テープであってもよく、基材を有さないノンサポートタイプの粘着テープであってもよい。本発明の粘着テープがサポートタイプである場合、基材を構成する材料は耐熱性を持つ材料であることが好ましい。耐熱性を持つ材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー等が挙げられる。なかでも、耐熱性に優れることからポリエチレンナフタレートが好ましい。
上記基材の厚さは特に限定されないが、好ましい下限が25μm、より好ましい下限が50μm、好ましい上限が250μm、より好ましい上限が125μmである。上記基材がこの範囲であることで取り扱い性に優れる粘着テープとすることができる。
本発明の粘着テープは、上記紫外線硬化型粘着剤層上に基材を有し、上記基材の上記紫外線硬化型粘着剤層が積層している面とは反対側の面に、気体発生剤を含有する粘着剤層を有することが好ましい。
本発明の粘着テープを基材の片面に上記紫外線硬化型粘着剤層が積層し、もう一方の面にも粘着剤層が積層した両面粘着テープとすることで、両面粘着テープを介してガラス等の支持体とウエハ等の被着体とを接着することができる。これにより、支持体を用いた半導体デバイスの製造工程に本発明の粘着テープを用いることができる。また、粘着剤層が気体発生剤を含有することによって、工程終了後に刺激を与えて気体を発生させることで容易に支持体と粘着テープとを剥離することができる。
上記気体発生剤を含有する粘着剤層を構成する粘着剤は特に限定されず、上述した紫外線硬化型粘着剤層を構成する粘着剤と同様の粘着剤であってよく、例えば、アクリルポリマー、シリコーン、ウレタン等が挙げられる。なかでも、耐熱性に優れることからアクリルポリマーが好ましい。
上記気体発生剤は特に限定されないが、高温処理工程に用いることができることから光によって気体を発生させる気体発生剤であることが好ましい。なかでも、加熱を伴う処理に対する耐性に優れることから、フェニル酢酸、ジフェニル酢酸、トリフェニル酢酸等のカルボン酸化合物又はその塩や、1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5,5−アゾビス−1H−テトラゾール等のテトラゾール化合物又はその塩等が好適である。このような気体発生剤は、紫外線等の光を照射することにより気体を発生する一方、280℃程度の高温下でも分解しない高い耐熱性を有する。
上記気体発生剤を含有する粘着剤層は、光増感剤を含有してもよい。上記光増感剤は、上記気体発生剤への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができる。
上記光増感剤としては、例えば2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物や、ジブチルアントラセン、ジプロピルアントラセン等のアントラセン系化合物等が挙げられる。また、上記光増感剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’メチルジフェニルサルファイド等も挙げられる。これらの光増感剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記気体発生剤を含有する粘着剤層の厚さは特に限定されないが、下限が3μm、上限が100μmであることが好ましい。上記粘着剤層の厚みが上記範囲であると充分な粘着力で支持体と接着することができる。同様の観点から、上記粘着剤層の厚さのより好ましい下限は、5μm、より好ましい上限は50μmである。
上記気体発生剤を含有する粘着剤層は、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤は単独で用いられてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
本発明の粘着テープは上記基材と上記紫外線硬化型粘着剤層との間にアンカー層を有していてもよい。
上記基材と紫外線硬化型粘着剤層との間にアンカー層を有すると、紫外線硬化型粘着剤層に離型剤が含まれる場合に、離型剤が基材側にブリードアウトして紫外線硬化型粘着剤層が基材から剥離してしまうことを抑止できる。
上記アンカー層としては、例えば、アクリルポリマー、シリコーン、ウレタン等が挙げられる。なかでも、アンカー性能に優れることからアクリルポリマーが好ましい。
上記アンカー層は、必要に応じて、無機充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス等の公知の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤は単独で用いられてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
上記アンカー層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は20μmである。上記アンカー層の厚みがこの範囲内であると、上記紫外線硬化型粘着剤層と基材とのアンカー力をより向上させることができる。同様の観点から、上記アンカー層の厚みのより好ましい下限は3μm、より好ましい上限は10μmである。
本発明の粘着テープを製造する方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、離型処理を施したフィルム上に上記紫外線硬化型粘着剤成分の溶液を塗工、乾燥させて紫外線硬化型粘着剤層を形成し、基材と貼り合わせることで製造することができる。また、基材と貼り合わせずにそのままノンサポートタイプの粘着テープとすることもできる。
本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、高温かつ圧力が加わるような過酷な環境で用いた場合であっても被着体を保護して糊残りなく剥離が可能であることから、熱圧着ボンディング工程においてウエハを保護する保護テープとして好適に用いることができる。特に、280℃で短時間(例えば90秒以下、典型的には10秒〜50秒)加熱される熱圧着ボンディング等の半導体チップ積層工程に好適に用いることができる。
本発明の粘着テープを用いることのできる半導体デバイスの製造方法として、より具体的には例えば、粘着テープを介して支持体上にウエハを固定する工程及び該ウエハ上に半導体チップを熱圧着ボンディングにより積層する工程を有する半導体デバイスの製造方法が挙げられる。
上記ウエハを固定する工程において、粘着テープを介して支持体上にウエハを固定する方法は特に限定されないが、上記紫外線硬化型粘着剤層とウエハとを貼り合わせ、もう一方の粘着剤層とガラス等の支持体とを貼り合わせる方法が好ましい。上記紫外線硬化型粘着剤層は、被着体の凹凸にしっかりと追随して被着体との間に空気が入らないようにすることができ、その結果、空気中の酸素と熱による紫外線硬化型粘着剤層の劣化が起こり難いものである。また、上記紫外線硬化型粘着剤層は、熱処理後も千切れ難いものである。これらのことから、上記紫外線硬化型粘着剤層とウエハとを貼り合わせることで、凹凸の大きなバンプが形成されたウエハを用いる場合であっても、糊残りなく容易に粘着テープを剥離することができる。
上記半導体デバイスの製造方法においては、上記ウエハを固定する工程の後に他の工程を行ってから上記半導体チップを熱圧着ボンディングにより積層する工程を行ってもよい。上記他の工程としては例えば、ウエハをバックグラインドにより薄化する工程、ウエハレベルのモールド工程等が挙げられる。
上記半導体デバイスの製造方法においては、更に、上記半導体チップを熱圧着ボンディングにより積層する工程の後、上記支持体若しくは上記ウエハ又はその両方から粘着テープを剥離する工程を行ってもよい。
本発明によれば、280℃に達する高温処理を伴う工程に用いた場合であっても被着体を確実に保護し、かつ、糊残りなく剥離することができる粘着テープを提供することができる。
実施例及び比較例のゲル分率AをY軸、引張弾性率BをX軸としてプロットし、更にA=30×ln(B+5)及びA=30×ln(B−2)の曲線を重ね合わせたグラフである。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(紫外線硬化型粘着剤Aの製造)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、官能基含有モノマーとしてメタクリル酸ヒドロキシエチル6重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させて重合性ポリマー(アクリルポリマーA、水酸基価:59mgKOH/g)を得た。その後、得られたアクリルポリマーAの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、離型剤20重量部、フィラー3重量部、ウレタンアクリレート10重量部、架橋剤0.2重量部、光重合開始剤1重量部、を混合し、紫外線硬化型粘着剤Aの酢酸エチル溶液を得た。
なお、離型剤、フィラー、ウレタンアクリレート、架橋剤、光重合開始剤は以下のものを用いた。
離型剤:シリコンジアクリレート、EBECRYL 350、ダイセル・オルネクス社製、重量平均分子量1000
フィラー:シリカフィラー、レオロシール MT−10、トクヤマ社製
ウレタンアクリレート:UN−5500、根上工業社製
架橋剤:イソシアネート系架橋剤、コロネートL、日本ウレタン工業社製
光重合開始剤:イルガキュア369、BASF社製
(紫外線硬化型粘着剤Bの製造)
メタクリル酸ヒドロキシエチルの重量部を1重量部とした以外はアクリルポリマーAと同様の方法でアクリルポリマーB(水酸基価:10mgKOH/g)を得た。アクリルポリマーBを使用した以外は紫外線硬化型粘着剤Aと同様にして紫外線硬化型粘着剤Bの酢酸エチル溶液を得た。
(粘着剤層用粘着剤の製造)
紫外線硬化型粘着剤Aの製造で得られたアクリルポリマーAの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、離型剤10重量部、フィラー12重量部、ウレタンアクリレート20重量部、架橋剤1.2重量部、光重合開始剤1重量部、を混合し、粘着剤層用粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。
(アンカー層用粘着剤の製造)
アクリルポリマーの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、フィラー12重量部、架橋剤5重量部、光重合開始剤1重量部、を混合し、アンカー層用粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。
なお、アクリルポリマー、フィラー、架橋剤、光重合開始剤は以下のものを用いた。
アクリルポリマー:SKダイン 1604N、綜研化学社製
フィラー:シリカフィラー、レオロシール MT−10、トクヤマ社製
架橋剤:イソシアネート系架橋剤、コロネートL、日本ウレタン工業社製
光重合開始剤:イルガキュア369、BASF社製
(実施例1)
(粘着テープの製造)
厚み50μmの離型処理が施されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの離型処理面上に、得られた紫外線硬化型粘着剤Aの酢酸エチル溶液を、乾燥後に粘着剤層の厚みが130μmとなるように塗工した後、110℃で5分間乾燥させて紫外線硬化型粘着剤層を形成した。一方、別の厚み50μmの離型処理が施されたPETフィルムの離型処理面上に、得られた粘着剤層用粘着剤の酢酸エチル溶液を、乾燥後に粘着剤層の厚みが20μmとなるように塗工した後、110℃で5分間乾燥させて粘着剤層を形成した。さらに別の厚み50μmの離型処理が施されたPETフィルムの離型処理面上に、得られたアンカー層用粘着剤の酢酸エチル溶液を、乾燥後に粘着剤層の厚みが10μmとなるように塗工した後、110℃で5分間乾燥させてアンカー層を形成した。
次いで、片面にコロナ処理が施された厚さ25μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを基材として用意した。PENフィルムのコロナ処理面に、作製したアンカー層をラミネートし、アンカー層上のPETフィルムを剥離して基材上にアンカー層を形成した。その後、PENフィルムのアンカー層を形成した面上に、得られた紫外線硬化型粘着剤層を貼り合わせ、PENフィルムのアンカー層を形成した面とは反対側の面上に、得られた粘着剤層を貼り合わせて、紫外線硬化型粘着剤層/アンカー層/基材/粘着剤層の構造を有する粘着テープを得た。
(ゲル分率Aの測定)
得られた粘着テープの紫外線硬化型粘着剤層のみを0.1gこそぎ取って酢酸エチル50ml中に浸漬し、振とう機で温度23度、120rpmの条件で24時間振とうした(以下、こそぎ取った紫外線硬化型粘着剤層のことを粘着剤組成物という)。振とう後、金属メッシュ(目開き#200メッシュ)を用いて、酢酸エチルと酢酸エチルを吸収し膨潤した粘着剤組成物を分離した。分離後の粘着剤組成物を110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物の重量を測定し、下記式を用いて硬化前の紫外線硬化型粘着剤層のゲル分率Aを算出した。
ゲル分率A(%)=100×(W−W)/W
(W:初期粘着剤組成物重量、W:乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤組成物重量、W:金属メッシュの初期重量)
(引張弾性率Bの測定)
上記紫外線硬化型粘着剤層の厚さが260μmである測定サンプルを作製した。次いで、高圧水銀紫外線照射機を用いて、405nmの紫外線を測定サンプル表面への照射強度が100mW/cmとなるよう照度を調節して、30秒間照射して、紫外線硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。硬化後の測定サンプルについて、JIS K 7161に基づく引張特性の試験方法を行った。引張部分の試験片の幅が10mm、引張部分の試験片の長さが30mmとして、オートグラフ(引っ張り試験機AG−ISMS、島津製作所社製)に測定サンプルをセットした。引張速度300mm/minで引張試験を行い、応力−ひずみ曲線を得た。引張弾性率Bは得られた応力−ひずみ曲線に対し、下記式を用いて算出した。
引張弾性率B(MPa)=(σ2−σ1)/(ε2−ε1)
σ1:ひずみε1=0.002で測定された引張応力(MPa)
σ2:ひずみε2=0.2で測定された引張応力(MPa)
得られた引張弾性率Bと上記ゲル分率Aの測定で得られたゲル分率Aの値から式B−exp(A/30)の値を求めた。
(加熱後の粘着力の測定)
得られた粘着テープを25mm×100mmのサイズにカットし、シリコンウエハ(8インチシリコンダミーウエハ(725μm厚、P型、結晶方位(100))、アイテス社製)に粘着テープの紫外線硬化型粘着剤層側を貼り付けた。次いで、高圧水銀紫外線照射機を用いて、405nmの紫外線を紫外線硬化型粘着剤層表面への照射強度が100mW/cmとなるよう照度を調節して、紫外線硬化型粘着剤層側から30秒間照射して、紫外線硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。その後、200℃に加熱したオーブンに測定サンプルを入れ1時間静置した。その後、測定サンプルを取り出し常温まで放冷した。放冷後、JIS Z 0237:2009に準拠して、引張速度300mm/minの条件で180°剥離試験を行い、加熱後の粘着力(N/inch)を測定した。
(実施例2〜5、14)
離型剤、フィラー、ウレタンアクリレート及び架橋剤の配合量を表1の通りとした以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
(実施例6)
紫外線硬化型粘着剤Aのかわりに紫外線硬化型粘着剤Bを用いたことと、離型剤、フィラー、ウレタンアクリレート及び架橋剤の配合量を表1の通りとしたこと以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て各測定を行った。
(実施例7〜12、比較例1〜6)
離型剤、フィラー、ウレタンアクリレート及び架橋剤の配合量を表1、2の通りとした以外は実施例6と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。
(実施例13)
粘着剤層用粘着剤の製造の際に気体発生剤としてビステトラゾール・ピぺラジン塩(セルテトラBHT−PIPE、永和化成工業社製)を10重量部加えた以外は実施例1と同様にして粘着テープを得て、各測定を行った。なお、該気体発生剤は254nmの紫外線を照射したときに気体を発生する。
<評価>
実施例及び比較例で得た粘着テープについて、以下の方法により評価を行った。結果を表1、2に示した。なお、粘着剤層の剥離性の評価については実施例1と実施例13についてのみ行った。
(糊残りの評価(280℃))
粘着テープの紫外線硬化型粘着剤層側とシリコンウエハ(バンプ径φ=20μm、バンプ間距離30μm、バンプ高さ45μm)とを貼り合わせ、粘着テープの粘着剤層とガラス製の支持体とを貼り合わせた。次いで、高圧水銀紫外線照射機を用いて、405nmの紫外線を粘着テープ表面への照射強度が100mW/cmとなるよう照度を調節して、支持体側から30秒間照射して、紫外線硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。その後、280℃、30秒間の熱処理を行い、放冷した後に粘着テープを剥離した。粘着テープ剥離後のシリコンウエハを光学顕微鏡にて観察し、糊残りの面積がシリコンウエハ全体の5%以下であった場合を「S」、5%より大きく15%未満であった場合を「A」、15%以上40%未満であった場合を「B」、40%以上であった場合を「C」として糊残りを評価した。
(糊残りの評価(240℃))
粘着テープの紫外線硬化型粘着剤層側とシリコンウエハ(バンプ径φ=20μm、バンプ間距離30μm、バンプ高さ45μm)とを貼り合わせ、粘着テープの粘着剤層とガラス製の支持体とを貼り合わせた。次いで、高圧水銀紫外線照射機を用いて、405nmの紫外線を粘着テープ表面への照射強度が100mW/cmとなるよう照度を調節して、支持体側から30秒間照射して、紫外線硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。その後、240℃、10分間の熱処理を行い、放冷した後に粘着テープを剥離した。粘着テープ剥離後のシリコンウエハを光学顕微鏡にて観察し、糊残りの面積がシリコンウエハ全体の5%以下であった場合を「S」、5%より大きく15%未満であった場合を「A」、15%以上40%未満であった場合を「B」、40%以上であった場合を「C」として糊残りを評価した。
(耐熱性(加熱による重量減少)の評価)
高圧水銀紫外線照射機を用いて、405nmの紫外線を粘着テープ表面への照射強度が100mW/cmとなるよう照度を調節して、紫外線硬化型粘着剤層に30秒間照射して、紫外線硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)(STA7200、日立ハイテクサイエンス社製)を使用し、硬化させた紫外線硬化型粘着剤層の熱重量を測定した。5℃/分の速度で30℃から280℃まで昇温したあと、280℃10分加熱後の重量減少を測定した。熱処理前と比べて減少した重量の割合が17.5%未満である場合を「○」、17.5%以上である場合を「△」として耐熱性を評価した。
(粘着剤層の剥離性の評価)
得られた粘着テープを25mm×100mmのサイズにカットし、ガラス(テンパックス、SCHOTT社製)に粘着テープの粘着剤層側を貼り付けた。次いで、高圧水銀紫外線照射機を用いて、405nmの紫外線を粘着剤層表面への照射強度が100mW/cmとなるよう照度を調節して、粘着剤層側から30秒間照射して、粘着剤層を架橋、硬化させた。この際、254nmの紫外線が粘着テープに照射されないように、PENフィルム(テオネックスQ83C、帝人フィルムソリューション社製)を粘着テープの上にかぶせた状態で紫外線照射をおこなった。その後、200℃、1時間の熱処理を行い放冷した。放冷後、実施例1については、JIS Z 0237:2009に準拠して、引張速度300mm/minの条件で180°剥離試験を行い、加熱後の粘着力(N/inch)を測定した。実施例13については、放冷後、高圧水銀紫外線照射機を用いて、254nmの紫外線を粘着剤層表面への照射強度が100mW/cmとなるよう照度を調節して、粘着剤層側から120秒間照射して気体発生させた後に上記加熱後の粘着力を測定した。
実施例1においては粘着剤層のガラスに対する接着力は、加熱処理後で0.4N/inchであった。粘着剤層用粘着剤に気体発生剤を添加し、加熱処理後に気体発生をさせた実施例13の接着力は0.05N/inchであり、実施例1よりも軽い力で剥離可能であった。
Figure 2020094199
Figure 2020094199
本発明によれば、280℃に達する高温処理を伴う工程に用いた場合であっても被着体を確実に保護し、かつ、糊残りなく剥離することができる粘着テープを提供することができる。

Claims (7)

  1. 紫外線硬化型粘着剤層を有する粘着テープであって、
    前記紫外線硬化型粘着剤層の硬化前のゲル分率をA(%)、3000mJ/cmの紫外線照射した後の前記紫外線硬化型粘着剤層の引張弾性率をB(MPa)としたときに以下の関係式:
    −5≦B−exp(A/30)
    を満たす、粘着テープ。
  2. 前記紫外線硬化型粘着剤層は、シリコンウエハに貼り付けて3000mJ/cmの紫外線照射後、200℃1時間加熱したあとの粘着力が0.15N/inch以下である、請求項1記載の粘着テープ。
  3. 前記紫外線硬化型粘着剤層がアクリルポリマー、離型剤及びウレタンアクリレートを含有し、
    前記紫外線硬化型粘着剤層中の離型剤及びウレタンアクリレートの合計含有量が25重量%以下である、請求項1又は2記載の粘着テープ。
  4. 前記紫外線硬化型粘着剤層がアクリルポリマー、離型剤、ウレタンアクリレート及びフィラーを含有し、
    前記紫外線硬化型粘着剤層中の離型剤の含有量が2〜40重量%、ウレタンアクリレートの含有量が20重量%以下、フィラーの含有量が1〜20重量%である、請求項1、2又は3記載の粘着テープ。
  5. 前記紫外線硬化型粘着剤層の硬化前のゲル分率Aが10〜90%である、請求項1、2、3又は4記載の粘着テープ。
  6. 前記紫外線硬化型粘着剤層上に基材を有し、前記基材の前記紫外線硬化型粘着剤層が積層している面とは反対側の面に、気体発生剤を含有する粘着剤層を有する、請求項1、2、3、4又は5記載の粘着テープ。
  7. 粘着テープを介して支持体上にウエハを固定する工程及び該ウエハ上に半導体チップを熱圧着ボンディングにより積層する工程を有する半導体デバイスの製造方法に用いる、請求項1、2、3、4、5又は6記載の粘着テープ。
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