JP6713864B2 - 半導体チップの製造方法及びウエハ仮固定用粘着テープ - Google Patents

半導体チップの製造方法及びウエハ仮固定用粘着テープ Download PDF

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Description

本発明は、極めて生産効率に優れる半導体チップの製造方法、及び、該半導体チップの製造方法に用いるウエハ仮固定用粘着テープに関する。
半導体チップは、通常、高純度半導体単結晶等をスライスしてウエハとした後、フォトレジストを利用してウエハ表面に所定の回路パターンを形成し、次いでウエハ裏面を研磨機により研磨して、ウエハの厚さを数十〜数百μm程度まで薄くし、最後にダイシングして個片化することにより製造されている。
半導体チップの製造工程においては、ウエハの加工時に取扱いを容易にし、破損したりしないようにするためにウエハを支持板に固定することが行われている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合に、粘着剤組成物を介して厚膜ウエハを支持板に接着することが行われる。
ウエハを支持板に接着する粘着剤組成物には、加工工程中にウエハを強固に固定できるだけの高い接着性とともに、工程終了後にはウエハを損傷することなく剥離できることが求められる。例えば、特許文献1には、アゾ化合物等の刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する接着層を有する両面接着テープを用いたウエハの処理方法が記載されている。特許文献1に記載されたウエハの処理方法では、まず、両面接着テープを介してウエハを支持板に固定する。その状態で研削工程等を行った後に刺激を与えると、気体発生剤から発生した気体がテープの表面とウエハとの界面に放出され、その圧力によって少なくとも一部が剥離される。特許文献1の両面接着テープを用いれば、ウエハを損傷することなく、かつ、糊残りもすることなく剥離できる。
一方、半導体チップの高性能化に伴い、ウエハの表面に薬液処理、加熱処理又は発熱を伴う処理を施す工程が行われるようになってきた。例えば、次世代の技術として、複数の半導体チップを積層させてデバイスを飛躍的に高性能化、小型化したTSV(Si貫通ビヤ/Through Si via)を使った3次元積層技術が注目されている。TSVは、半導体実装の高密度化ができるほか、接続距離が短くできることにより低ノイズ化、低抵抗化が可能であり、アクセススピードが飛躍的に速く、使用中に発生する熱の放出にも優れる。このようなTSVの製造では、研削して得た薄膜ウエハをバンピングしたり、裏面にバンプ形成したり、3次元積層時にリフローを行ったりする等の200℃以上の高温処理プロセスを行うことが必要となる。
近年のコスト競争の激化から、半導体チップの製造方法についても大幅な生産効率の向上が求められている。
特開2003−231872号公報
本発明は、上記現状に鑑み、極めて生産効率に優れる半導体チップの製造方法、及び、該半導体チップの製造方法に用いるウエハ仮固定用粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも、基材と該基材の一方の面に形成された粘着剤層とを有するウエハ仮固定用粘着テープを用いて、ウエハをダイシングリングの内側に固定するウエハ固定工程と、前記ダイシングリングの内側に固定されたウエハに200℃以上の加熱を伴う処理を施すウエハ処理工程を有し、前記ウエハ仮固定用粘着テープは、総厚みが200μm以下であり、かつ、250℃、3分間処理後、幅5mm、長さ100mmの短冊状にしたウエハ仮固定用粘着テープを、固定チャック間が50mmとなるように固定し、引張速度300mm/秒の条件で引張試験を行ったときに、ウエハ仮固定用粘着テープが破断したときの破断強度が18N以上である半導体チップの製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、半導体チップの生産効率の向上の手段として、従来は個片化した後の半導体チップで行われていた半導体チップの積層工程や、積層した半導体チップの接合工程等の工程を、個片化する前のウエハの状態で行うことを試みた。ここで、片面粘着テープを用いてウエハをダイシングリングに固定した状態で各工程を行えば、ウエハの取扱いを容易にし、ウエハが破損したりするのを防止できるとともに、各工程が終了した後にはそのままダイシング工程に供することができ、生産効率を大幅に向上することが期待できる。しかしながら、従来からウエハを支持板に固定するのに用いられていた粘着テープを用いてウエハをダイシングリングに固定した場合、200℃以上の加熱を伴う処理を行うと粘着テープが破損してしまうという新たな問題が発生した。粘着テープの耐久性を向上するために、粘着テープの基材の厚みを厚くすることも試みたが、基材の厚みが厚くなると高温処理時に基材が熱収縮する際の応力が大きくなって、ウエハの反りや剥がれの原因となるという問題があった。
本発明者らは、更に鋭意検討の結果、ウエハをダイシングリングに固定するウエハ仮固定用粘着テープの総厚みを200μm以下とするとともに、250℃、3分間処理後の破断強度を18N以上とすることにより、200℃以上の加熱を伴う処理を行ってもウエハ仮固定用粘着テープが破損することなく、ウエハの反りや剥がれも発生しないことを見出し、本発明を完成した。
本発明の半導体チップの製造方法では、まず、ウエハ仮固定用粘着テープを用いて、ウエハをダイシングリングの内側に固定するウエハ固定工程を行う。
図1に、ダイシングリングの内側にウエハを固定した状態の一例を示す模式図を示した。ここで図1(a)はダイシングリングの内側に固定されたウエハを上方から見た図であり、図1(b)はダイシングリングの内側に固定されたウエハの断面図である。
図1においてウエハ仮固定用粘着テープ3は、基材31と粘着剤層32とからなり、該粘着剤層32によって、ウエハ1は、ダイシングリング2の内側に固定されている。
上記ウエハ、ダイシングリングとしては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
上記ウエハ仮固定用粘着テープは、総厚みが200μm以下である。総厚みを200μm以下とすることにより、200℃以上の加熱を伴う処理時にウエハ仮固定用粘着テープの熱収縮によって発生する応力を低減させることができ、ダイシングリングの内側に固定したウエハに反りや剥がれが発生するのを防止することができる。上記総厚みは180μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましい。
なお、上記総厚みは、ウエハ仮固定用粘着テープの基材及び粘着剤層の厚みの合計を意味する。
上記ウエハ仮固定用粘着テープは、250℃、3分間処理後における破断強度が18N以上である。上記250℃、3分間処理後における破断強度が18N以上であると、総厚みが200μm以下という薄い粘着テープとして、200℃以上の加熱を伴う処理を行ってもウエハ仮固定用粘着テープが破損することがない。上記破断強度が20N以上であることが好ましい。
なお、250℃、3分間処理後における破断強度は、事前に250℃に加熱したホットプレートを用いて3分間処理したウエハ仮固定用粘着テープを、幅5mm、長さ100mmの短冊状に切断してサンプルとし、該サンプルを固定チャック間が50mmとなるように固定し、引張速度300mm/秒の条件で引張試験を行い、サンプルが破断したときの強度を意味する。なお、250℃、3分間処理後における破断伸度は、「破断したときの引張距離/初期長さ(50mm)×100」にて算出することができる。
また、上記ウエハ仮固定用粘着テープの粘着剤層が、後述する光硬化型の粘着剤を含有する場合には、該粘着剤層に紫外線等の光を照射して硬化させた後のウエハ仮固定用粘着テープが、上記破断強度を発揮するものであってもよい。その場合には、ダイシングリングの内側に固定されたウエハに200℃以上の加熱を伴う処理を施すウエハ処理工程の前に、紫外線等の光を照射して該粘着剤を硬化させることが好ましい(プレUV処理)。
上記ウエハ仮固定用粘着テープは、基材と該基材の一方の面に形成された粘着剤層とを有する。
上記基材は、上記250℃における破断強度を達成できるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール共重合体、テレフタル酸ブタンジオールポリカプロラクトン共重合等の、透明かつ耐熱性に優れる樹脂からなるシートが好適である。
上記基材は、示差走査熱量計を用いて測定した融点が200℃以上であることが好ましい。上記基材の示差走査熱量計を用いて測定した融点が200℃未満であると、ウエハ仮固定用粘着テープは耐熱性が低下し、ウエハの表面に発熱を伴う処理を施す工程時に溶融することがある。上記基材の示差走査熱量計を用いて測定した融点は、220℃以上であることがより好ましい。
なお、示差走査熱量計として、例えば、DSC 2920(TAインスツルメント社製)等が挙げられる。
上記基材の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は200μmである。上記基材の厚みが10μm未満であると、上記250℃における破断強度を達成することが困難となり、200μmを超えると、高温処理時に基材が熱収縮する際の応力が大きくなって、テープの反りやダイシングフレームからの剥がれの原因となることがある。上記基材の厚みのより好ましい下限は12μm、より好ましい上限は100μmである。
上記粘着剤層を構成する粘着剤成分は特に限定されず、非硬化型の粘着剤、硬化型の粘着剤のいずれを含有するものであってもよい。なかでも、硬化型の粘着剤が好適である。
硬化型の粘着剤を用いることにより、ウエハ固定工程においては未硬化の状態で高い粘着力を発揮して確実にウエハを固定できる一方、ウエハ処理工程を行う前に粘着剤層を硬化させることにより、高温処理時にも接着亢進しにくくなって、ウエハからウエハ仮固定用粘着テープを剥離する際に優れた剥離性を発揮することができる。
上記硬化型の粘着剤は特に限定されないが、例えば、重合性ポリマーを主成分として、光重合開始剤や熱重合開始剤を含有する光硬化型粘着剤や熱硬化型粘着剤が挙げられる。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)とを反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマーや、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマーや、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマーや、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
ただし、本発明の粘着剤組成物が高い耐熱性を発揮するためには、上記熱重合開始剤は、熱分解温度が200℃以上である熱重合開始剤を用いることが好ましい。このような熱分解温度が高い熱重合開始剤は、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーペンタH(以上いずれも日油社製)等が好適である。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化型粘着剤や熱硬化型粘着剤は、更に、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、光硬化性、熱硬化性が向上する。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化型粘着剤又は熱硬化型粘着剤は、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有してもよい。上記光硬化型粘着剤又は熱硬化型粘着剤が上記気体発生剤を含有する場合には、ウエハからウエハ仮固定用粘着テープを剥離する際に、刺激を与えて上記気体発生剤から気体を発生させることにより、より容易に、かつ、糊残りすることなくウエハからウエハ仮固定用粘着テープを剥離することができる。
上記気体発生剤は特に限定されないが、200℃以上の加熱を伴う処理に対する耐性に優れることから、フェニル酢酸、ジフェニル酢酸、トリフェニル酢酸等のカルボン酸化合物又はその塩や、1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5,5−アゾビス−1H−テトラゾール等のテトラゾール化合物又はその塩等が好適である。このような気体発生剤は、紫外線等の光を照射することにより気体を発生する一方、200℃程度の高温下でも分解しない高い耐熱性を有する。
上記気体発生剤の含有量は、上記光硬化型粘着剤成分又は熱硬化型粘着剤成分100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記気体発生剤の含有量が5重量部未満であると、刺激による二酸化炭素ガス又は窒素ガスの発生が少なくなり充分な剥離を行うことができないことがあり、50重量部を超えると、光硬化型粘着剤成分又は熱硬化型粘着剤成分へ溶けきれなくなり接着力が低下してしまうことがある。上記気体発生剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記光硬化型粘着剤又は熱硬化型粘着剤は、更に、光増感剤を含有してもよい。
上記光増感剤は、上記気体発生剤への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができる。
上記光硬化型粘着剤又は熱硬化型粘着剤は、上記光硬化型粘着剤成分又は熱硬化型粘着剤成分と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物を含有してもよい。シリコーン化合物は、耐熱性に優れることから、200℃以上の加熱を伴う処理を経ても粘着剤の焦げ付き等を防止し、剥離時には被着体界面にブリードアウトして、剥離を容易にする。シリコーン化合物が上記光硬化型粘着剤成分又は熱硬化型粘着剤成分と架橋可能な官能基を有することにより、光照射又は加熱することにより上記光硬化型粘着剤成分又は熱硬化型粘着剤成分と化学反応して上記光硬化型粘着剤成分中又は熱硬化型粘着剤成分中に取り込まれることから、被着体にシリコーン化合物が付着して汚染することがない。また、シリコーン化合物を配合することにより支持板に対する親和性が向上し、ウエハ上への糊残りを防止する効果も発揮される。
上記粘着剤組成物は、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜含有してもよい。
上記粘着剤組成物は、ヒュームドシリカ等の無機フィラー、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
本発明の半導体チップの製造方法は、上記ウエハ仮固定用粘着テープの粘着剤層が光硬化型粘着剤や熱硬化型粘着剤からなる場合には、ウエハ処理工程に先立って、上記ウエハ仮固定用粘着テープの粘着剤層に光を照射又は加熱して硬化型粘着剤成分を架橋、硬化する硬化工程を行ってもよい。光の照射又は加熱により架橋、硬化した硬化型粘着剤成分は、弾性率が上昇することから、高温によっても接着亢進しにくくなり、ウエハからウエハ仮固定用粘着テープを剥離する際の剥離性が向上する。更に、架橋、硬化して弾性率が上昇した硬い硬化型粘着剤成分中で上記気体発生剤から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、放出された気体は、被着体から粘着剤の接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。このような易剥離が実現することにより、低タクト化も期待できる。
例えば、上記光照射により架橋、硬化する光硬化型粘着剤成分として、側鎖にビニル基等の不飽和二重結合を有するポリマーと250〜800nmの波長で活性化する光重合開始剤を含有する粘着剤を用いた場合、365nm以上の波長の光を照射することにより、上記光硬化型粘着剤成分を架橋、硬化させることができる。
このような光硬化型粘着剤成分に対しては、例えば、波長365nmの光を5mW以上の照度で照射することが好ましく、10mW以上の照度で照射することがより好ましく、20mW以上の照度で照射することが更に好ましく、50mW以上の照度で照射することが特に好ましい。また、波長365nmの光を300mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、500mJ以上、10000mJ以下の積算照度で照射することがより好ましく、500mJ以上、7500mJ以下の積算照度で照射することが更に好ましく、1000mJ以上、5000mJ以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
また、例えば、上記加熱により架橋、硬化する熱硬化型粘着剤成分として、側鎖にビニル基等の不飽和二重結合を有するポリマーと50〜150℃程度の加熱で活性化する熱重合開始剤を含有する粘着剤を用いた場合、50〜150℃程度の温度にまで加熱することにより、上記熱硬化型粘着剤成分を架橋、硬化させることができる。
本発明の半導体チップの製造方法では、次いで、上記ダイシングリングの内側に固定されたウエハに200℃以上の加熱を伴う処理を施すウエハ処理工程を行う。
本発明の半導体チップの製造方法においては、総厚みが200μm以下であり、かつ、250℃における破断強度が18N以上であるウエハ仮固定用粘着テープを用いることにより、200℃以上の加熱を伴う処理によってもウエハ仮固定用粘着テープが破損することなく、ウエハ仮固定用粘着テープの熱収縮に起因するウエハの反りや剥がれが発生することもない。
上記200℃以上の加熱を伴う処理は、例えば、スパッタリング、蒸着、エッチング、化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)、レジスト塗布・パターンニング、リフロー等が挙げられる。
本発明の半導体チップの製造方法では、上記ウエハ処理工程のほか、必要な処理工程を行った後、ダイシング工程に進んで、個片化した半導体チップを得る。予めウエハをダイシングリングに固定していることから、各工程が終了した後にはそのままダイシング工程に供することができ、生産効率を大幅に向上することができる。
本発明によれば、極めて生産効率に優れる半導体チップの製造方法、及び、該半導体チップの製造方法に用いるウエハ仮固定用粘着テープを提供することができる。
ダイシングリングの内側にウエハを固定した状態の一例を示す模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)光硬化型粘着剤の調整
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、官能基含有モノマーとしてメタクリル酸ヒドロキシエチル6重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させて光硬化型粘着剤を得た。
(2)ウエハ仮固定用粘着テープの製造
得られた光硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)1重量部を混合した。
得られた粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を、片面にコロナ処理を施した厚さ25μmの透明なポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)からなる基材のコロナ処理面上に、乾燥皮膜の厚さが55μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。その後、40℃、3日間静置養生を行い、総厚みが80μmのウエハ仮固定用粘着テープを得た。
なお、用いたウエハ仮固定用粘着テープについて、以下の方法により250℃、3分間処理後における破断強度及び破断伸度を測定した。
即ち、事前に250℃に加熱したホットプレートを用いて3分間処理したウエハ仮固定用粘着テープを、幅5mm、長さ100mmの短冊状に切断してサンプルとした。該サンプルを固定チャック間が50mmとなるように固定し、引張速度300mm/秒の条件で引張試験を行い、サンプルが破断したときの強度を破断強度とした。また、「破断したときの引張距離/初期長さ(50mm)×100」にて破断伸度を算出した。
(実施例2〜13、比較例1、2)
表1に示した基材を用い、総厚みを調整した以外は、実施例1と同様にしてウエハ仮固定用粘着テープを製造した。
なお、実施例1〜8、比較例1、2ではプレUV処理を行わず、実施例9〜13ではプレUV処理を行った。
(評価)
実施例及び比較例で得られたウエハ仮固定用粘着テープについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(200℃以上の加熱を伴う処理に対する耐性の評価)
実施例及び比較例で得られたウエハ仮固定用粘着テープを直径37cmの円形に切り抜いた。円形に切り抜いたウエハ仮固定用粘着テープを用いて、1cm×1cm、厚さ100μmのシリコンチップを、外径40cm、内径35cmのSUS304製のダイシングリングの内側に固定した。
次いで、ウエハ仮固定用粘着テープ側から超高圧水銀灯を用いて、405nmの紫外線をウエハ仮固定用粘着テープ表面への照射強度が80mW/cmとなるよう照度を調節して1分間照射して、光硬化型粘着剤を架橋、硬化させた。
ダイシングリングの内側に固定されたウエハに、250度で3分間の熱処理を行い、手作業にてチップのピックアップ工程を行った。
同様の操作を10セット行い、処理工程時にウエハ仮固定用粘着テープに破れが発生したり、テープの反りやダイシングフレームからの剥がれが生じたりする等の不具合が発生した回数を測定した。
Figure 0006713864
本発明によれば、極めて生産効率に優れる半導体チップの製造方法、及び、該半導体チップの製造方法に用いるウエハ仮固定用粘着テープを提供することができる。
1 ウエハ
2 ダイシングリング
3 ウエハ仮固定用粘着テープ
31 基材
32 粘着剤層

Claims (4)

  1. 少なくとも、基材と該基材の一方の面に形成された粘着剤層とを有するウエハ仮固定用粘着テープを用いて、ウエハをダイシングリングの内側に固定するウエハ固定工程と、前記ダイシングリングの内側に固定されたウエハに200℃以上の加熱を伴う処理を施すウエハ処理工程を有し、
    前記ウエハ仮固定用粘着テープは、総厚みが200μm以下、前記基材の厚みが25μm以下であり、かつ、250℃、3分間処理後、幅5mm、長さ100mmの短冊状にしたウエハ仮固定用粘着テープを、固定チャック間が50mmとなるように固定し、引張速度300mm/秒の条件で引張試験を行ったときに、ウエハ仮固定用粘着テープが破断したときの破断強度が18N以上である
    ことを特徴とする半導体チップの製造方法。
  2. ウエハ仮固定用粘着テープの粘着剤層は、硬化型の粘着剤を含有することを特徴とする請求項1記載の半導体チップの製造方法。
  3. 少なくとも、基材と該基材の一方の面に形成された粘着剤層とを有するウエハ仮固定用粘着テープを用いてウエハをダイシングリングの内側に固定するウエハ固定工程と、前記ダイシングリングの内側に固定されたウエハに200℃以上の加熱を伴う処理を施すウエハ処理工程を有する半導体チップの製造方法に用いるウエハ仮固定用粘着テープであって、総厚みが200μm以下、前記基材の厚みが25μm以下であり、かつ、250℃、3分間処理後、幅5mm、長さ100mmの短冊状にしたウエハ仮固定用粘着テープを、固定チャック間が50mmとなるように固定し、引張速度300mm/秒の条件で引張試験を行ったときにウエハ仮固定用粘着テープが破断したときの破断強度が18N以上である
    ことを特徴とするウエハ仮固定用粘着テープ。
  4. 粘着剤層は、硬化型の粘着剤を含有することを特徴とする請求項3記載のウエハ仮固定用粘着テープ。
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