JP2018147988A - 半導体チップの製造方法 - Google Patents

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【課題】ウエハを充分に保持して確実にダイシングを行うことができるとともに、高温処理を伴う工程を有する場合であっても半導体チップへの糊残りを防止できる半導体チップの製造方法を提供する。【解決手段】キャリアテープに保持された積層ウエハ2の反対側の面に硬化型粘着剤層11と基材12とを有するダイシングテープ1を貼り付ける工程と、積層ウエハからキャリアテープを剥離させるキャリアテープ剥離工程と、ダイシングテープに刺激を与えて粘着剤層を硬化させる工程と、積層ウエハとダイシングテープの積層体に200℃以上の熱を加える加熱工程と、積層ウエハをダイシングして半導体チップを得るダイシング工程と、半導体チップをダイシングテープから剥離する工程とを有する。硬化型粘着剤層はダイシングテープ硬化工程後の23℃における引っ張り貯蔵弾性率が1×106Pa以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、ウエハを充分に保持して確実にダイシングを行うことができるとともに、高温処理を伴う工程を有する場合であっても半導体チップへの糊残りを防止できる半導体チップの製造方法に関する。
半導体チップは、通常、高純度半導体単結晶等をスライスしてウエハとした後、フォトレジストを利用してウエハ表面に所定の回路パターンを形成し、次いでウエハ裏面を研磨機により研磨して、ウエハの厚さを数十〜数百μm程度まで薄くし、最後にダイシングして個片化することにより製造されている。このようなダイシング工程においては、半導体ウエハは、ダイシングテープと呼ばれる粘着テープに貼付して固定した状態でダイシングされて、個々の半導体チップに成形される(例えば、特許文献1等)。
一方、半導体チップの高性能化に伴い、ウエハの表面に薬液処理、高温処理又は発熱を伴う処理を施す工程が行われるようになってきた。例えば、次世代の技術として、複数の半導体チップを積層させてデバイスを飛躍的に高性能化、小型化したTSV(Si貫通ビヤ/Through Si via)を使った3次元積層技術が注目されている。TSVは、半導体実装の高密度化ができるほか、接続距離が短くできることにより低ノイズ化、低抵抗化が可能であり、アクセススピードが飛躍的に速く、使用中に発生する熱の放出にも優れる。
このようなTSVの製造では、積層したウエハをダイシングする工程において、200度以上の温度による高温処理が行われる。しかしながら、従来のTSVの製造方法では、ダイシングテープを貼り付けたまま高温処理を行うと、ダイシングテープが溶融したり、接着昂進を起こしたりするため、ダイシング工程後に切り出された半導体チップをダイシングテープからピックアップする際に半導体チップに糊残りが生じてしまうという問題があった。
特開平05−114647号公報
本発明は、上記現状に鑑み、ウエハを充分に保持して確実にダイシングを行うことができるとともに、高温処理を伴う工程を有する場合であっても半導体チップへの糊残りを防止できる半導体チップの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、キャリアテープに保持された積層ウエハの前記キャリアテープが貼られた面とは反対側の面に硬化型粘着剤を含有する硬化型粘着剤層と基材とを有するダイシングテープを貼り付けるダイシングテープ貼り付け工程と、前記積層ウエハからキャリアテープを剥離させるキャリアテープ剥離工程と、前記ダイシングテープに刺激を与えて前記硬化型粘着剤層を硬化させるダイシングテープ硬化工程と、前記積層ウエハとダイシングテープの積層体に200℃以上の熱を加える加熱工程と、前記積層ウエハをダイシングして半導体チップを得るダイシング工程と、前記半導体チップをダイシングテープから剥離するダイシングテープ剥離工程とを有する半導体チップの製造方法であって、前記硬化型粘着剤層は前記ダイシングテープ硬化工程後の23℃における引っ張り貯蔵弾性率が1×10Pa以上である半導体チップの製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、鋭意検討した結果、ダイシングテープの粘着剤に硬化型粘着剤を用い、高温処理前にダイシングテープを硬化させることで高温処理を行った後でも糊残りなくダイシングテープを剥離できることを見出し本発明を完成させるに至った。
本発明の半導体チップの製造方法では、まず、キャリアテープに保持された積層ウエハの上記キャリアテープが貼られた面とは反対側の面に硬化型粘着剤を含有する硬化型粘着剤層と基材とを有するダイシングテープを貼り付けるダイシングテープ貼り付け工程を行う。
図1に、積層ウエハにダイシングテープが貼りつけられた状態の一例を示す模式図を示した。
図1においてダイシングテープ1は、硬化型粘着剤層11と基材12とからなり、該硬化型粘着剤層11によって、積層ウエハ2は、リングフレーム3の内側に固定されている。また、積層ウエハ2のダイシングテープが貼られていない面には積層ウエハの形成工程においてウエハを支持していたキャリアテープ4が積層されている。また、積層ウエハ2のキャリアテープが積層された面にはバンプ5が形成されている。
上記積層ウエハ2、リングフレーム3は特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
上記硬化型粘着剤層は前記ダイシングテープ硬化工程後の23℃における引っ張り貯蔵弾性率が1×10Pa以上である。
硬化後の引っ張り貯蔵弾性率がこの範囲であることによって、積層ウエハを確実に保持できるとともに、ダイシングを確実に行うことができる。更に、ダイシング終了後には、ダイシングテープを糊残りすることなく、容易に剥離することができる。上記硬化型粘着剤層の硬化後の引っ張り貯蔵弾性率の好ましい範囲は1×10Pa以上である。なお、引っ張り貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定の引っ張りモード角周波数10Hzで測定を行い、23℃での貯蔵弾性率の値を測定することで求めることができる。また、硬化後の硬化型粘着剤層の引っ張り貯蔵弾性率は、フィラーの使用やガラス転移温度の高い硬化型粘着剤を用いることによって調節することができる。
上記硬化型粘着剤としては、光照射により架橋、硬化する光硬化型粘着剤や加熱により架橋、硬化する熱硬化型粘着剤が挙げられる。
上記光硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分として、光重合開始剤を含有する光硬化型粘着剤が挙げられる。
上記熱硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分として、熱重合開始剤を含有する熱硬化型粘着剤が挙げられる。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)とを反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマーや、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマーや、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマーや、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーペンタH(以上いずれも日油社製)等が好適である。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化型粘着剤や熱硬化型粘着剤は、更に、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、光硬化性、熱硬化性が向上する。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化型粘着剤はガラス転移温度が50℃以下であることが好ましい。上記ガラス転移温度のより好ましい上限は0℃である。上記ガラス転移温度の下限は特に限定されないが、−60℃以上であることが好ましい。
上記硬化型粘着剤層は、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有してもよい。上記硬化型粘着剤が上記気体発生剤を含有する場合には、ダイシング後の半導体チップからダイシングテープを剥離する際に、刺激を与えて上記気体発生剤から気体を発生させることにより、より容易に、かつ、糊残りすることなくダイシングテープを剥離することができる。
上記気体発生剤は特に限定されないが、加熱を伴う処理に対する耐性に優れることから、フェニル酢酸、ジフェニル酢酸、トリフェニル酢酸等のカルボン酸化合物又はその塩や、1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5,5−アゾビス−1H−テトラゾール等のテトラゾール化合物又はその塩等が好適である。このような気体発生剤は、紫外線等の光を照射することにより気体を発生する一方、200℃程度の高温下でも分解しない高い耐熱性を有する。
上記気体発生剤の含有量は、上記硬化型粘着剤100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記気体発生剤の含有量が5重量部未満であると、刺激による二酸化炭素ガス又は窒素ガスの発生が少なくなり充分な剥離を行うことができないことがあり、50重量部を超えると、硬化型粘着剤へ溶けきれなくなり接着力が低下してしまうことがある。上記気体発生剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記硬化型粘着剤は、更に、光増感剤を含有してもよい。
上記光増感剤は、上記気体発生剤への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができる。
上記硬化型粘着剤は、上記硬化型粘着剤と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物を含有してもよい。シリコーン化合物は、耐熱性に優れることから、200℃以上の加熱を伴う処理を経ても粘着剤の焦げ付き等を防止し、剥離時には被着体界面にブリードアウトして、剥離を容易にする。シリコーン化合物が上記硬化型粘着剤と架橋可能な官能基を有することにより、光照射又は加熱することにより上記硬化型粘着剤と化学反応して上記硬化型粘着剤中に取り込まれることから、被着体にシリコーン化合物が付着して汚染することがない。また、シリコーン化合物を配合することにより半導体チップ上への糊残りを防止する効果も発揮される。
上記硬化型粘着剤層は、フィラーを含有することが好ましい。
上記硬化型粘着剤層がフィラーを含有することで、硬化後の硬化型粘着剤層の引っ張り貯蔵弾性率を上記範囲に調節しやすくなる。上記フィラーとしては、ヒュームドシリカ等が挙げられる。
上記フィラーの1次粒子径は、5nm以上であることが好ましい。上記フィラーの1次粒子径がこの範囲であることによって、上記硬化型粘着剤層の硬化後の引っ張り貯蔵弾性率を上記範囲に調節しやすくなる。上記フィラーの粒子径のより好ましい下限は10nmである。上記フィラーの1次粒子径の上限は特に限定されないが、20nm以下であることが好ましい。
上記硬化型粘着剤層は、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜含有してもよい。
上記硬化型粘着剤層は、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。
上記硬化型粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は100μmである。上記粘着剤層の厚みがこの範囲内にあると、充分な粘着力で積層ウエハに貼着でき、処理中の積層ウエハを保護することができる。上記粘着剤層の厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は50μmである。
上記基材としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール共重合体、テレフタル酸ブタンジオールポリカプロラクトン共重合等の、透明かつ耐熱性に優れる樹脂からなるシートが挙げられる。なかでも、耐熱性に優れることからポリエチレンナフタレートが好ましい。
上記基材の厚みは特に制限されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は200μmである。上記基材の厚みがこの範囲内にあると、充分に積層ウエハの補強ができるとともに、工程終了後にはダイシングテープを容易に剥離することができる。
本発明の半導体チップの製造方法は、次いで上記積層ウエハからキャリアテープを剥離させるキャリアテープ剥離工程を行う。
積層ウエハはダイシングテープによって補強されているため、キャリアテープを剥離する際も充分に積層ウエハを保護できる。
本発明の半導体チップの製造方法は、次いで上記ダイシングテープに刺激を与えて上記硬化型粘着剤層を硬化させるダイシングテープ硬化工程を行う。
硬化型粘着剤層を光の照射又は加熱により架橋、硬化させることによって硬化型粘着剤層の弾性率が上昇するため、高温によっても接着昂進しにくくなり、ダイシング後にダイシングテープを剥離する際は半導体チップに糊残りすることなく容易に剥離を行うことができる。また、23℃における硬化型粘着剤層の硬化後の引っ張り貯蔵弾性率が上記の範囲であることで、ダイシングを確実に行うことができる。
上記硬化型粘着剤が光硬化型粘着剤であり、側鎖にビニル基等の不飽和二重結合を有するポリマーと250〜800nmの波長で活性化する光重合開始剤を含有する粘着剤を用いた場合、365nm以上の波長の光を照射することにより、上記光硬化型接着剤を架橋、硬化させることができる。
このような光硬化型接着剤に対しては、例えば、波長365nmの光を5mW以上の照度で照射することが好ましく、10mW以上の照度で照射することがより好ましく、20mW以上の照度で照射することが更に好ましく、50mW以上の照度で照射することが特に好ましい。また、波長365nmの光を300mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、500mJ以上、10000mJ以下の積算照度で照射することがより好ましく、500mJ以上、7500mJ以下の積算照度で照射することが更に好ましく、1000mJ以上、5000mJ以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
また、上記硬化型粘着剤が熱硬化型粘着剤であり、側鎖にビニル基等の不飽和二重結合を有するポリマーと50〜150℃程度の加熱で活性化する熱重合開始剤を含有する粘着剤を用いた場合、50〜150℃程度の温度にまで加熱することにより、上記熱硬化型接着剤を架橋、硬化させることができる。
本発明の半導体チップの製造方法は、次いで上記積層ウエハとダイシングテープの積層体に200℃以上の熱を加える加熱工程を行う。
この加熱工程によってバンプのリシェイプが行われる。従来の製造方法では加熱工程によってダイシングテープの粘着剤層が溶融したり、接着昂進を起こしたりしていたため、ダイシングテープを剥離する際に積層ウエハに糊残りが生じていた。本発明は加熱工程の前に硬化型粘着剤層を硬化し、弾性率を上昇させているため、熱処理による粘着剤層の溶融や接着昂進を抑えることができる。
本発明の半導体チップの製造方法は、次いで上記積層ウエハをダイシングして半導体チップを得るダイシング工程を行う。
上記ダイシングの方法は特に限定されず、例えば、ダイシング装置(例えば、ディスコ社製のDFD6361)を用いて上記粘着シートごと上記積層ウエハを個々の半導体チップに分割する方法等が挙げられる。このとき、ダイシングを1段階で行っても2段階(ステップカット)で行ってもよいが、プロセスとして簡便な1段階が望ましい。
上記ダイシング工程は、図2に示すように積層ウエハ2、粘着剤層11、を貫通して基材12の一部に達する深さまで切り込みが行われることが好ましい。これによって、ダイシング後のチップシフトやヒゲ状の切削屑等の汚染を抑制することができる。
ここで、ダイシング時にウエハを確実に保持するためにはダイシングテープはウエハの凹凸に追従できる程度の柔軟性が必要となる。しかし、ウエハを確実に保持するために硬化型粘着剤の柔軟性を高くした場合、たとえダイシングテープを硬化したとしても、硬化型粘着剤層の柔軟性によって基材まで切り込みを入れられないことがあり、ダイシング不良となることがある。本発明の半導体チップの製造方法では、硬化後の硬化型粘着剤層の引っ張り貯蔵弾性率が1×10Pa以上であるため、確実にダイシングブレードを基材の一部まで切り込ませることができ、ダイシング不良を防止することができる。
上記ダイシング工程において上記積層ウエハをダイシングする方法として、レーザー光を照射する方法を用いてもよい。レーザー光の照射により上記半導体パッケージをダイシングする場合、レーザー光は上記基材を貫通しないように照射される。
本発明の半導体チップの製造方法は、次いで得られた上記半導体チップをダイシングテープから剥離するダイシングテープ剥離工程を行う。
本発明の半導体チップの製造方法では加熱工程前にダイシングテープを硬化させているため、ダイシングテープを糊残りなく容易に剥離することができる。また、ダイシングテープの硬化型粘着剤層が上記気体発生剤を含有する場合には、剥離に先立って光を照射することにより該気体発生剤から気体が発生して、その圧力により更に容易に半導体チップを剥離することができる。
本発明によれば、ウエハを充分に保持して確実にダイシングを行うことができるとともに、高温処理を伴う工程を有する場合であっても半導体チップへの糊残りを防止できる半導体チップの製造方法を提供することができる。
積層ウエハにダイシングテープが貼りつけられた状態の一例を示す模式図である。 ダイシング工程の様子を模式的に表した図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)硬化型粘着剤の調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、官能基含有モノマーとしてメタクリル酸ヒドロキシエチル6重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させて重合性ポリマーAを得た。その後、得られた重合性ポリマーの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、シリコーンアクリレート(EBECRYL 350、ダイセル・オルネクス社製)20重量部、シリカフィラー(レオロシール MT−10、トクヤマ社製)20重量部、化学架橋剤(コロネートL−45、積水フーラー社製)0.5重量部、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)1重量部を混合し、硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。
(2)ダイシングテープの製造
「(1)硬化型粘着剤の調製」で得られた硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、片面にコロナ処理を施した厚さ25μmの透明なポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)からなる基材のコロナ処理面上に、乾燥皮膜の厚さが40μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。その後、40℃、3日間静置養生を行い、総厚みが65μmのダイシングテープを得た。
(3)硬化後の硬化型粘着剤層の引っ張り貯蔵弾性率の測定
「(1)硬化型粘着剤の調製」で得られた硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、片面に離形処理を施した厚さ50μmの透明なPETフィルムの離形処理面上に、乾燥後の硬化型粘着剤層の厚さが50μmとなるようにドクターナイフで塗工し、反対側に離形処理を施した厚さ50μmの透明なPETフィルムを貼り合わせた。次いで、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた後、40℃、3日間静置養生を行った。その後、PETフィルムを剥離し、粘着剤同士を折り重ね400μm厚の粘着テープとし、縦0.6cm、横1.0cmの長方形状に切断して、これを評価用サンプルとした。
次いで、超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をテープ表面への照射強度が80mW/cmとなるよう照度を調節して2分間照射して、硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。硬化後の硬化型粘着剤層について、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製のDVA−200)を用いて動的粘弾性測定の引っ張りモード角周波数10Hzで測定を行い、23℃における貯蔵弾性率の値を得た。結果を表1に示した。
(4)ダイシング性の評価
あらかじめ100μm厚に削った200mmφのSiウエハを、300mmφのSUS製のリングフレームと一緒に「(2)ダイシングテープの製造」で作製したダイシングテープにラミネートし、リングフレームサイズにカットした。次いで、ダイシングテープ側から超高圧水銀灯を用いて、405nmの紫外線をダイシングテープ表面への照射強度が80mW/cmとなるよう照度を調節して1分間照射して、硬化型粘着剤層を架橋、硬化させた。その後、200度で30分間の熱処理を行った。放冷後、ダイサー(DFD6361、ディスコ社製)を用いて10mm×10mmのチップサイズになるようにダイシングを行った。
また、Siウエハの代わりに200mmφ×1mm厚みで成形されたモールド樹脂の円盤サンプルを用いて同様の処理を行った。
ダイシングを行った後、チップがテープから飛び出してしまったサンプルの割合(チップ飛び)を計算し、ダイシング性の評価とした。結果を表1に示した。
(5)糊残りの評価
「(4)ダイシング性の評価」で得られたSiウエハのダイシング後サンプル及びモールド樹脂円盤のダイシング後サンプルからダイシングテープを剥離した。ダイシングテープを剥離した半導体チップの表面を目視にて観察して、糊残りが存在しなかった場合を「◎」、糊残りが全体の面積の5%未満であった場合を「○」、糊残り全体の面積の5%以上であった場合を「×」と評価した。
結果を表1に示した。
(比較例1、2)
硬化型粘着剤の製造に用いるシリカフィラーの量を表1に記載の通りとした以外は、実施例1と同様にしてダイシングテープを製造し、測定と評価を行った。なお、比較例1については「(4)ダイシング性の評価」において硬化型粘着剤層の硬化を行わなかった。
Figure 2018147988
本発明によれば、ウエハを充分に保持して確実にダイシングを行うことができるとともに、高温処理を伴う工程を有する場合であっても半導体チップへの糊残りを防止できる半導体チップの製造方法を提供することができる。
1 ダイシングテープ
11 硬化型粘着剤層
12 基材
2 積層ウエハ
3 リングフレーム
4 キャリアテープ
5 バンプ

Claims (1)

  1. キャリアテープに保持された積層ウエハの前記キャリアテープが貼られた面とは反対側の面に、硬化型粘着剤を含有する硬化型粘着剤層と基材とを有するダイシングテープを貼り付けるダイシングテープ貼り付け工程と、
    前記積層ウエハからキャリアテープを剥離させるキャリアテープ剥離工程と、
    前記ダイシングテープに刺激を与えて前記硬化型粘着剤層を硬化させるダイシングテープ硬化工程と、
    前記積層ウエハとダイシングテープの積層体に200℃以上の熱を加える加熱工程と、
    前記積層ウエハをダイシングして半導体チップを得るダイシング工程と、
    前記半導体チップをダイシングテープから剥離するダイシングテープ剥離工程
    とを有する半導体チップの製造方法であって、
    前記硬化型粘着剤層は、前記ダイシングテープ硬化工程後の23℃における引っ張り貯蔵弾性率が1×10Pa以上である
    ことを特徴とする半導体チップの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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