JP7100957B2 - 半導体保護テープ - Google Patents

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Description

本発明は、高温処理時において半導体保護テープの熱収縮による半田の変形を防止することができる半導体保護テープに関する。
半導体チップの製造工程において、ウエハの加工時の取扱いを容易にし、破損を防止するために半導体保護テープが用いられている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合、厚膜ウエハに半導体保護テープを貼り合わせた後に研削が行われる。
近年の半導体チップの高性能化に伴い、半導体保護テープを貼り付けたままウエハの表面に薬液処理、加熱処理又は発熱を伴う処理を施す工程が行われるようになってきた。例えば、次世代の技術として、複数の半導体チップを積層させてデバイスを飛躍的に高性能化、小型化したTSV(Si貫通ビヤ/Through Si via)を使った3次元積層技術が注目されている。TSVは、半導体実装の高密度化ができるほか、接続距離が短くできることにより低ノイズ化、低抵抗化が可能であり、アクセススピードが飛躍的に速く、使用中に発生する熱の放出にも優れる。このようなTSVの製造では、研削して得た薄膜ウエハをバンピングしたり、裏面にバンプを形成したり、3次元積層時にリフローを行ったりする等の200℃以上の高温処理プロセスを行うことが必要となる。そのため、半導体保護テープには耐熱性が求められるようになってきており、種々の耐熱性半導体保護テープが提案されている(例えば特許文献1、2)。
特開2015-126063号公報 特開2014-216534号公報
しかしながら、従来の耐熱性の半導体保護テープを用いた場合、半田付けを行うリフロー工程において、半導体保護テープの貼り付けられた面にある半田が変形してしまい、接続信頼性が低下してしまうという問題があった。
基材層と粘着剤層とを有する半導体保護テープに高温処理が行われると、基材層が高温によって収縮する。基材層が収縮すると、粘着剤層と粘着剤層によって貼り合わされたウエハ上の半田も基材層の収縮方向に引っ張られ、高温によって軟化した半田が変形してしまう(図1(b))。この問題に対し、基材層に熱収縮の小さな物質を用いることで半田の変形を抑えることが考えられたが、この方法でも半田の変形を抑えるのには充分でなかった。
本発明は、上記現状に鑑み、高温処理時において半導体保護テープの熱収縮による半田の変形を防止することができる半導体保護テープを提供することを目的とする。
本発明は、基材層と光硬化型粘着剤層とを有する半導体保護テープであって、前記光硬化型粘着剤層を光硬化した後の半導体保護テープの250℃における10分間の熱収縮率が、流れ方向(MD)、垂直方向(TD)ともに1.5%以下である半導体保護テープである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは鋭意検討の結果、基材層に熱収縮の小さな物質を用いることに加えて、粘着剤層に光硬化型粘着剤を用い、高温処理前に光硬化させることによって、半田の変形を防止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の半導体保護テープは、基材層と光硬化型粘着剤層とを有するものであって、該光硬化型粘着剤層を光硬化した後の半導体保護テープの250℃における10分間の熱収縮率(以下、光硬化後の半導体保護テープの熱収縮率ともいう。)が、流れ方向(MD)、垂直方向(TD)ともに1.5%以下である。光硬化後の半導体保護テープの流れ方向と垂直方向の熱収縮率を1.5%以下とすることで、高温処理前に光硬化型粘着剤層に光を照射して硬化させておくことにより、その後の高温処理時における半田の変形を防ぐことができる。上記光硬化後の半導体保護テープの熱収縮率は、例えば、後述する基材層と光硬化型粘着剤層とを組み合わせ、かつ、高温処理前に光硬化型粘着剤層を光硬化させることによって達成することができる。
従来の半導体保護テープでは、高温処理による基材層の熱収縮が大きく、高温処理後の半導体保護テープは、図1(a)に示すように、熱収縮によって多数のしわができていた。そして、その結果、基材層の熱収縮に引っ張られて図1(b)に示すような半田の変形が起こっていた。しかしながら、本願発明の半導体保護テープでは、高温処理前に光硬化型粘着剤層に光を照射して硬化させておくことにより、その後に高温処理を行った後でも図2(a)に示すように半導体保護テープのしわが少なく、熱収縮が小さい。また、半導体保護テープの熱収縮が小さくなったことによって、半田の変形もほとんど起こらない(図2(b))。
なお、本明細書において「MD(Machine Direction)」とは、フィルムの製造の際に製造装置から押し出される方向を意味し、「TD(Transverse Direction)」とはMDに対して垂直な方向を意味する。
また、本明細書中における「250℃における10分間の熱収縮」とは、JISK7133に準拠してサンプリング、評線間距離の測定、算出を行った値を意味する。ただし加熱に関しては、あらかじめ250℃に熱したホットプレートを準備し、そのホットプレートを用いて10分間の加熱を行う。
また、本明細書において「光硬化型粘着剤層を光硬化した後」とは、上記光硬化型粘着剤層に光を照射することにより完全に硬化させた後を意味する。
ここで、光硬化型粘着剤層を光硬化させるための光照射の条件は、光硬化型粘着剤層に含有される光硬化型粘着剤の種類により適宜選択すればよい。例えば、後述する重合性ポリマーを主成分とし、250~800nmの波長の光を照射することにより活性化する光重合開始剤を含有する光硬化型粘着剤を用いた場合には、365nm以上の波長の光を好ましくは5mW以上、より好ましくは10mW以上、更に好ましくは20mW以上、特に好ましくは50mW以上の照度で照射することにより、光硬化させることができる。また、波長365nmの光を300mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、500mJ以上、10000mJ以下の積算照度で照射することがより好ましく、500mJ以上、7500mJ以下の積算照度で照射することが更に好ましく、1000mJ以上、5000mJ以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
より具体的には例えば、超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線を光硬化型粘着材層の表面への照射強度が80mW/cmとなるよう照度を調節して2分間照射することにより、光硬化型粘着剤層を光硬化させる。
本発明の半導体保護テープは基材層を含有する。
上記基材層は、上記半導体保護テープの熱収縮率を満たすものなら特に限定されないが、光を透過又は通過するものであることが好ましい。中でも、熱収縮が小さく、光を透過することからポリエチレンナフタレートがより好ましい。
上記基材層の250℃における10分間の熱収縮率(以下、基材層の熱収縮率ともいう。)は、流れ方向(MD)、垂直方向(TD)ともに5.0%以下であることが好ましい。上記基材層の熱収縮率が5.0%以下であることによって、得られる半導体保護テープの熱収縮率を上記範囲に調節しやすくなる。上記基材層の熱収縮率のより好ましい範囲は4.0%以下、更に好ましい範囲は3.0%以下である。
上記基材層の熱収縮率の範囲を満たす基材層の市販品としては、例えば、テオネックス(ポリエチレンナフタレート、帝人デュポンフィルム社製)等が挙げられる。
上記基材層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は200μmである。上記基材層の厚さがこの範囲であることによって、得られる半導体保護テープの取扱い性とウエハの保護性を向上させることができる。
本発明の半導体保護テープは光硬化型粘着剤層を含有する。
本発明の半導体保護テープは、光硬化型粘着剤層を含有することで、光硬化によって粘着剤層の弾性率を上げることができる。即ち、光硬化前は常温においてウエハに対する充分な粘着力を発揮しつつも、光硬化後は高い弾性率によって半導体保護テープの熱収縮を抑え、その結果、半田の変形を抑えることができる。このように、本発明は単に基材層の熱収縮率を小さくするだけでなく、高温処理前に粘着剤層を光硬化させ、粘着剤層の弾性率を上げることで、半導体保護テープの熱収縮を抑えて半田の変形を防止することができる。
上記光硬化型粘着剤層は、光硬化後の光硬化型粘着剤層を、25℃から250℃まで10℃/minの昇温速度で測定したときの引っ張り貯蔵弾性率の極小値が1.0MPa以上であることが好ましい。上記条件で測定した引っ張り貯蔵弾性率が1.0MPa以上であることで、得られる半導体保護テープの熱収縮率を上記範囲に調節しやすくなる。上記引っ張り貯蔵弾性率のより好ましい範囲は1.2MPa以上、更に好ましい範囲は1.5MPa以上である。
なお、ここで「引っ張り貯蔵弾性率」とは、粘弾性測定機(型式「DVA-200」、アイティー計測制御社製)を用いて、昇温速度10℃/分、引っ張り、つかみ幅24mm、10Hzで300℃まで昇温して得られる値である。
上記光硬化型粘着剤層を構成する粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分として、光重合開始剤を含有する光硬化型粘着剤が挙げられる。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という。)と反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2~18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万~200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記光重合開始剤は、例えば、250~800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5-シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化型粘着剤層は、更に、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、光硬化性が向上する。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2~20個のものである。
上記光硬化型粘着剤層は、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有してもよい。上記光硬化型粘着剤層が上記気体発生剤を含有する場合には、リフロー工程後に保護が不要となったときに、刺激を与えて上記気体発生剤から気体を発生させることにより、より容易に、かつ、糊残りすることなく半導体保護テープをウエハから剥離することができる。
上記気体発生剤は特に限定されず、例えば、アゾ化合物、アジド化合物等の従来公知の気体発生剤を用いることができるが、リフロー工程中に気体が発生して剥離しないように、ケトプロフェンや2-キサントン酢酸等のカルボン酸化合物又はその塩や、1H-テトラゾール、5,5’-ビステトラゾールジアンモニウム塩、5,5’-ビステトラゾールアミンモノアンモニウム塩等のテトラゾール化合物又はその塩等の耐熱性に優れる気体発生剤を用いることが好ましい。
上記光硬化型粘着剤層中の上記気体発生剤の含有量は特に限定されないが、上記光硬化型粘着剤層100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記気体発生剤の含有量がこの範囲内にあると、充分な剥離性向上効果が得られる。上記気体発生剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記光硬化型粘着剤層には、以上の成分のほか、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、帯電防止剤、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
また、樹脂の安定性を高めるために熱安定剤、酸化防止剤を配合させてもよい。このような添加剤は、例えばフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、有機スズ系安定剤、鉛系安定剤等が挙げられる。これらの添加剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化型粘着剤層の厚さは特に制限されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は600μmである。上記光硬化型粘着剤層の厚さが上記範囲内であることにより、得られる半導体保護テープの粘着能力と剥がしやすさを両立させることができる。
本発明の半導体保護テープの製造方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、上記重合性ポリマーと上記光重合開始剤、必要に応じてその他の配合成分とを混合、攪拌して光硬化型粘着剤溶液を調製し、続いて、この光硬化型粘着剤溶液を離型処理したPETフィルムに塗工乾燥させて粘着剤層を形成し、得られた光硬化型粘着剤層を基材の片面に転着させる方法、基材に直接塗工乾燥させる方法等が挙げられる。
本発明の半導体保護テープの用途は、半導体チップの製造工程において半導体の表面に貼付して半導体を保護する用途であれば特に限定されないが、半田突起電極が形成された半導体の該突起電極が形成された側の面に貼付して、リフロー等の200℃以上の高温処理プロセスを行う用途に特に好適である。
本発明の半導体保護テープは、光硬化型粘着剤層を光硬化した後には、高温処理時における熱収縮率が極めて小さい。半田突起電極が形成された半導体の該突起電極が形成された側の面に本発明の半導体保護テープを貼付し、光照射して光硬化型粘着剤層を光硬化した後にリフロー等の200℃以上の高温処理プロセスを行えば、半導体保護テープの貼り付けられた面にある半田突起電極が変形したりすることがなく、接続信頼性が低下してしまうことがない。
本発明によれば、高温処理時において半導体保護テープの熱収縮による半田の変形を防止することができる半導体保護テープを提供することができる。
従来の粘着剤層の半導体保護テープを用いて、リフロー工程を行った後の半導体保護テープ(a)の写真と、光学顕微鏡を用いて5000倍の倍率で観察したウエハ上の半田を模式的に示した図(b)である。 本発明の半導体テープを用いて、粘着剤層の光硬化後にリフロー工程を行った後の半導体保護テープ(a)の写真と、光学顕微鏡を用いて5000倍の倍率で観察したウエハ上の半田を模式的に示した図(b)である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)基材層熱収縮率の測定
テオネックスフィルムQ83(ポリエチレンナフタレートフィルム、厚さ25μm、帝人デュポン社製)をあらかじめ250℃に加熱したホットプレートを用いて250℃、10分間加熱した。その後、基材層のMDとTDの長さを測定し、加熱前の長さに対する基材層熱収縮率を求めた。なお、サンプリング、評線間距離の測定、算出はJIS K7133に準拠して行った。
(2)光硬化型粘着剤組成物Aの製造
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、ブチルアクリレート79重量部、エチルアクリレート15重量部、アクリル酸1重量部、2-ヒドロキシアクリレート5重量部、酢酸エチル100重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt-ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分50重量%、重量平均分子量70万の官能基含有(メタ)アクリル系酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2-イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させて光硬化型粘着剤Aの酢酸エチル溶液を得た。
得られた光硬化型粘着剤Aの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)1重量部、可塑剤(根上工業社製、UN-5500)20重量部、及び、架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートL-45)0.5重量部を混合して光硬化型粘着剤組成物Aの酢酸エチル溶液を調製した。
(3)半導体保護テープの製造
テオネックスフィルムQ83を基材として、該基材の片面に得られた光硬化型粘着剤組成物Aの酢酸エチル溶液を、乾燥皮膜の厚さが200μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、10分間加熱して塗工溶液を乾燥させた後、乾燥粘着剤表面にシリコン離型処理PETフィルムをラミネートし、その後、40℃、3日間静置養生を行い、基材層と光硬化型粘着剤層Aとを有する半導体保護テープを得た。
(4)光硬化型粘着剤層の引っ張り貯蔵弾性率の測定
測定用サンプルとして、光硬化型粘着剤組成物Aの酢酸エチル溶液を、片面にシリコン離型処理を施したPETフィルムのシリコン処理面上に、乾燥皮膜の厚さが500μmとなるようにドクターナイフで塗工し、そのまま常温で10分間静置し溶剤をある程度蒸発させ、引き続き110℃、10分間加熱して塗工溶液を乾燥させた後、乾燥粘着剤表面に片面にシリコン離型処理を施したPETフィルムのシリコン処理面をラミネートし、40℃、3日間静置養生を行い、接着テープを得た。得られた接着テープを縦5.0cm、横5.0cmの四角形状に切断して、これを測定用サンプルとした。
次いで、超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線を測定用サンプルの表面への照射強度が80mW/cmとなるよう照度を調節して2分間照射して、測定用サンプルを光硬化させた。光硬化後の測定用サンプルについて、さらに縦4.0cm、横0.5cmにカットして弾性率測定用サンプルとした。
弾性率測定用サンプルを用い、粘弾性測定機(型式「DVA-200」、アイティー計測制御社製)を用いて、昇温速度10℃/分、引っ張り、つかみ幅24mm、10Hzで300℃まで連続昇温して測定を行った。測定値の中から、25℃から250℃の間における最小の引っ張り貯蔵弾性率の値を得た。
(5)半導体保護テープの熱収縮率の測定
得られた半導体保護テープの光硬化型粘着剤層の表面に、超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線を照射強度が80mW/cmとなるよう照度を調節して2分間照射して、光硬化型粘着剤層を光硬化させた。
光硬化後の半導体保護テープを、あらかじめ250℃に加熱したホットプレートを用いて250℃、10分間加熱を行った。その後、半導体保護テープのMDとTDの長さを測定し、加熱前の長さに対するテープ熱収縮率を求めた。なお、サンプリング、評線間距離の測定、算出はJIS K7133に準拠して行った。
(実施例2)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、ブチルアクリレート79重量部、エチルアクリレート15重量部、アクリル酸1重量部、2-ヒドロキシアクリレート5重量部、酢酸エチル100重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt-ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分50重量%、重量平均分子量70万の官能基含有(メタ)アクリル系酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2-イソシアナトエチルメタクリレート2.0重量部を加えて反応させて光硬化型粘着剤Bの酢酸エチル溶液を得た。
得られた光硬化型粘着剤Bの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)1重量部、可塑剤(根上工業社製、UN-5500)20重量部、及び、架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートL-45)0.5重量部を混合して光硬化型粘着剤組成物Bの酢酸エチル溶液を調製した。
得られた光硬化型粘着剤組成物Bを用いた以外は実施例1と同様にして、基材層と光硬化型粘着剤層Bとを有する半導体保護テープを製造した。また、実施例1と同様の方法により、光硬化後の光硬化型粘着剤層の引っ張り貯蔵弾性率、及び、光硬化後の半導体保護テープの熱収縮率を測定した。
(比較例1)
実施例1と同様の方法により半導体保護テープを製造した。
ただし、「(4)光硬化型粘着剤層の引っ張り貯蔵弾性率の測定」及び「(5)半導体保護テープの熱収縮率の測定」においては、光硬化型粘着剤層の光硬化を行わずに測定を行った。
(比較例2)
基材層にテオネックスフィルムQ51(ポリエチレンナフタレートフィルム、厚さ25μm、帝人デュポン社製)を用いた以外は比較例1と同様にして、半導体保護テープの製造と測定を行った。
(比較例3)
基材層にテオネックスフィルムQ51(ポリエチレンナフタレートフィルム、厚さ25μm、帝人デュポン社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、半導体保護テープの製造と測定を行った。
(評価)
実施例及び比較例で得られた半導体保護テープについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(半田変形の評価)
半導体保護テープの粘着剤層側の面を、80μm高さの半田突起電極が片面に形成されたシリコンウエハの、突起電極が形成された側の面に貼り付けて積層体を得た。次いで、超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線を片面粘着テープ表面への照射強度が80mW/cmとなるよう照度を調節して2分間照射して、光硬化型粘着剤成分を架橋、硬化させた。
得られた積層体のウエハのもう一方の面に他の半導体チップを重ね、その状態でリフロー炉に入れて、260℃、6分間の熱処理を合計3回行い、導電接続を行った。
熱処理工程後、めくるようにして片面粘着テープを剥離した。
半導体テープ剥離後のシリコンウエハ上の突起電極を、光学顕微鏡を用いて5000倍の倍率で観察し、半田電極頭頂部の横方向移動が半田電極円周直径の5%未満の場合を「○」、5%以上の場合を「×」として半田変形を評価した。ただし、横方向の移動が5%未満でも、縦方向に半田電極がつぶれたり、原形をとどめていなかったりしたものも「×」と評価した。一般的に、電極が5%以上の位置ずれを起こすと次の工程での通電ができなくなる。
なお、比較例1、2については、光硬化型粘着剤層の光硬化を行わずにリフローを行い、半田変形の評価を行った。
Figure 0007100957000001
本発明によれば、高温処理時において半導体保護テープの熱収縮による半田の変形を防止することができる半導体保護テープを提供することができる。

Claims (2)

  1. 半導体チップの製造工程において、半田突起電極が形成された半導体の該突起電極が形成された側の面に貼付して、光硬化した後に200℃以上の高温処理プロセスを行う用途に用いられる基材層と光硬化型粘着剤層とを有する半導体保護テープであって、
    前記光硬化型粘着剤層を光硬化した後の前記半導体保護テープの250℃における10分間の熱収縮率が、流れ方向(MD)、垂直方向(TD)ともに1.5%以下であり、
    前記光硬化型粘着剤層を構成する粘着剤はアクリル系粘着剤であり、
    前記基材層の250℃における10分間の熱収縮率が、流れ方向(MD)、垂直方向(TD)ともに5.0%以下であり、
    光硬化後の前記光硬化型粘着剤層を、25℃から250℃まで10℃/minの昇温速度で測定したときの引っ張り貯蔵弾性率の極小値が1.0MPa以上であ
    ことを特徴とする半導体保護テープ。
  2. 前記基材層がポリエチレンナフタレートを含有することを特徴とする請求項1記載の半導体保護テープ。
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