JPH10280177A - 横型酸洗装置 - Google Patents

横型酸洗装置

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JPH10280177A
JPH10280177A JP10662997A JP10662997A JPH10280177A JP H10280177 A JPH10280177 A JP H10280177A JP 10662997 A JP10662997 A JP 10662997A JP 10662997 A JP10662997 A JP 10662997A JP H10280177 A JPH10280177 A JP H10280177A
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JP
Japan
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pickling
tank
steel strip
acid solution
roll
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JP10662997A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Murayama
量彦 村山
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 横型酸洗装置の境界層厚さの積分値を小さく
し、酸洗能力の低下を抑制する。 【解決手段】 酸洗槽1内の酸液に浸漬された状態で鋼
帯に張力を付与して搬送する横型酸洗装置において、鋼
帯5の上下部交互にスキッドまたは槽内ロール9、10
を設けたことによって、鋼帯5上下面の境界層がスキッ
ドまたは槽内ロール9、10によって分断され、境界層
厚さの積分値が小さくなり、酸化スケールの表面および
クラック内への酸液からの熱伝達および酸液の補給が促
進され、酸洗性能を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯表面に生成し
た酸化スケール皮膜を連続的に酸洗除去する鋼帯酸洗装
置、特に槽深さの浅い複数の酸洗槽内を鋼帯が張力を付
与されて水平方向に順次通過する横型酸洗装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱延鋼帯は、高温で熱間圧延されるた
め、その表面には酸化鉄被膜すなわち酸化スケールが形
成される。鋼帯表面に生成した酸化スケール皮膜を除去
する酸洗装置としては、ダム式のものが一般的に用いら
れていた。
【0003】ダム式酸洗装置は、図7、図8に示すとお
り、鋼板溶接構造物71にゴムライニングを介して耐酸
磁器れんが72を内張りした酸洗槽本体73を上部に鋼
帯支持用スキッドを形成した仕切り74によって複数に
仕切り、カバー75で上部を密閉し、内部に酸液76を
貯留したもので、鋼帯77は矢印で示すとおり、入口側
支持ロール78から酸洗槽本体73の第1槽に入り、槽
内に貯留された酸液76中をループをなして進行し、仕
切り74を乗り越えて第2槽内に入る。この第2槽内で
も第1槽内と同様に酸液76中をループをなして進行
し、以下同様に第3槽、第4槽を順次する。この間に鋼
帯77表面に付着した酸化スケール被膜は、順次除去さ
れ、絞りロール79で鋼帯77表面に付着した酸液が除
去されたのち、水洗槽80で水洗されて次工程に搬送さ
れる。
【0004】最近においては、上記ダム式に対して熱エ
ネルギー消費量節減の観点から、酸洗槽深さの浅い浅浴
浸漬式(ローバス型、シャロ型)や、槽深さが浅くて、
かつ槽内の酸洗液を撹拌させることにより酸洗処理時間
の短縮を図った噴流撹拌式(タービュランス型、噴流
型)も使用されている。これらの槽深さの浅いものは、
横型と総称され、鋼帯は酸洗槽の前後に設けられたリン
ガーロールの間で張力を付与され、酸洗液に完全浸漬の
状態で酸洗槽を順次通過する。
【0005】横型酸洗装置の代表的なタービュランス型
酸洗装置は、図9、図10に示すとおり、酸洗槽101
が通常3〜5槽連設されており、タンク102内の酸液
がポンプ103により加圧されてメインヘッダ104お
よびサイドヘッダ105から各酸洗槽101内に噴射さ
れる。各酸洗槽101内に噴射された酸液は、導管10
6を経由してタンク102に戻り、再び各酸洗槽101
内に循環噴射される。隣設する酸洗槽101、101間
には、鋼帯107に張力を付与し、かつ酸液が槽間を移
動するのを防止するために、上下一対のリンガーロール
108が設けられている。また、酸洗槽101、101
間だけでなく入側酸洗槽101の入口部分および出側酸
洗槽101の出口部分には、同様のリンガーロール10
8が設けられている。また、各酸洗槽101の槽底に
は、鋼帯107が直接槽底れんが109に接触するのを
防止すると共に、酸液の撹拌効果を高めることを目的と
して、天然石や磁器れんが等の耐食性ならびに耐摩耗性
に優れた材料からなる複数のスキッド110が、鋼帯1
07の搬送方向に所定間隔で敷設されている。
【0006】酸洗ラインの高速化に伴い酸洗処理時間の
短縮を図ったタービュランス型、噴流型等の噴流撹拌式
横型酸洗装置においては、槽深さが浅く、かつ酸洗槽内
の酸液を撹拌させるため、図11(b)に示すとおり、
鋼帯の移動に追従して酸液に流れを生じさせる領域の鋼
帯面からの距離を示す境界層厚さが酸洗槽の長さ方向に
大きくなり、酸化スケールの表面およびクラック内への
酸液からの熱伝達および酸液の補給が停滞し、酸洗能力
を低下させるという問題点が発生している。
【0007】酸洗ラインの高速化に伴う酸洗能力低下の
防止対策としては、仕切りによって複数の槽に仕切られ
た酸洗槽の各分割槽毎に、少なくとも一対以上のスキッ
ドまたはロールを鋼帯を挟み込むように設けた酸洗装置
(特開昭62−116791号公報)、酸洗槽内の酸液
に浸漬された状態でリンガーロール対の間を張力を付与
されて鋼帯が水平方向に搬送される横型酸洗装置におい
て、リンガーロール対の間で鋼帯を下方から支持する鋼
帯支持ローラを酸洗槽の槽底上に配置した横型酸洗装置
(特開平4−247889号公報)、鋼帯が通過する両
端を開放した横型酸洗槽の上部および下部より酸液を流
入し、両端あるいは片側の開放端より該酸液が流出する
構造の酸洗槽を複数個直列に配置して鋼帯の連続的な酸
洗を行う装置において、前記各酸洗槽毎に、それぞれ独
立した酸液貯蔵タンクと酸液回収装置とを有する酸洗装
置(特公平6−26730号公報)が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭62−11
6791号公報に開示の酸洗装置は、前記ダム式の酸洗
装置であって、スキッドまたはロールを設ける目的は、
鋼帯の浮上を抑制することにある。タービュランス型酸
洗装置においては、各酸洗槽内を搬送される鋼帯に張力
が付加されているが、槽長に比較して鋼帯の自重が大き
いため、酸洗槽の前後に設けたリンガーロール対の間で
鋼帯にループを生じるのが避けられないため、鋼帯の浮
上を抑制する必要はない。また、タービュランス型と類
似の噴流型や同様に深さの浅い浅浴浸漬式のローバス型
やシャロ型においても、程度の差があるものの事情は同
じである。
【0009】また、槽深さの浅い横型酸洗装置において
は、特開昭62−116791号公報に開示のようにス
キッドまたはロール対を鋼帯を挟み込むように設ける
と、スキッドまたはロール対間から下流側のスキッドま
たはロール対間への酸液補給が少なく、各スキッドまた
はロール対間に酸液補給用のノズルおよび酸液を排出す
るための出口を設置する必要が生じる。横型酸洗装置に
設けられたスキッドまたはロール対は、タービュランス
型等の噴流撹拌式では酸液の撹拌効果を高める役割ばか
りでなく、酸液を酸洗槽内に保持する役割も果たしてい
る。
【0010】横型酸洗装置に特開昭62−116791
号公報に開示のようにスキッドまたはロール対を鋼帯を
挟み込むように設けた場合は、酸洗槽前後に設けたリン
ガーロールとスキッドまたはロール対の距離が近いと、
酸液の撹拌効果を減少させ、距離が遠すぎると酸液を酸
洗槽内に保持する役割を果たさなくなる。
【0011】また、特開平4−247889号公報に開
示の横型酸洗装置は、リンガーロール対の間で鋼帯を下
方から支持する鋼帯支持ローラによって鋼帯下面の境界
層が切られ、境界層厚さの積分値は小さくなるが、鋼帯
上面は支持ローラがないため境界層厚さが大きくなり、
鋼帯表面酸化スケールの表面およびクラック内への酸液
からの熱伝達および酸液の補給が停滞し、酸洗能力を低
下させるという欠点を有している。
【0012】さらに、特公平6−26730号公報に開
示の横型酸洗装置は、各酸洗槽毎にそれぞれ独立した酸
液貯蔵タンクと酸液回収装置とを有しているため、任意
に酸液を供給および回収でき、各酸洗槽毎に酸液濃度バ
ランスを取ることができ、酸液原単位が向上すると共
に、酸液の昇温・保温用の原単位を低減できるが、鋼帯
の移動に追従して酸液に流れを生じさせる領域の鋼帯面
からの距離を示す境界層厚さの積分値が大きくなり、酸
化スケールの表面およびクラック内への酸液からの熱伝
達および酸液の補給が停滞し、酸洗能力を低下させると
いう問題点が発生している。
【0013】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解
消し、横型酸洗装置の境界層厚さの積分値を小さくで
き、酸洗能力の低下を抑制できる横型酸洗装置を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の横型
酸洗装置は、酸洗槽内の酸液に浸漬された状態で鋼帯に
張力を付与して搬送する横型酸洗装置において、鋼帯の
上下部交互にスキッドまたはロールを設けたこととして
いる。このように、鋼帯を上下部交互に挟むようにスキ
ッドまたはロールを設けることによって、スキッドまた
はロールによって境界層が分断され、境界層厚さの積分
値が小さくなり、酸化スケールの表面およびクラック内
への酸液からの熱伝達が十分に行われると共に、図3
(a)、(b)に示すような酸液の移動が生じ、酸洗槽
内全体への十分な酸液の補給が行われ、高効率で酸洗処
理を行うことができる。
【0015】また、本発明の請求項2の横型酸洗装置
は、最入側と最出側のスキッドまたはロールを、鋼帯下
部に設けたこととしている。このように、最入側と最出
側のスキッドまたはロールを、鋼帯下部に設けたことに
よって、酸洗槽内の酸液の流出を抑制して槽内に保持し
つつ、噴流撹拌効果を高めることができる。
【0016】さらに、本発明の請求項3の横型酸洗装置
は、酸洗槽内の酸液に浸漬された状態で鋼帯に張力を付
与して搬送する横型酸洗装置において、酸液噴流ノズル
を酸洗槽の長手方向に複数箇所設けると共に、鋼帯を挟
んでスキッドまたはロール対を設けたこととしている。
このように、酸液噴流ノズルを酸洗槽の長手方向に複数
箇所設けたことによって、鋼帯を挟むスキッドまたはロ
ール対による酸液の移動阻止が緩和され、酸洗効率の低
下を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明を適用できる横型酸洗装置
としては、タービュランス型、噴流型の噴流撹拌式酸洗
装置、ローバス型、シャロ型の浅浴浸漬式酸洗装置を挙
げることができる。
【0018】本発明において鋼帯を挟むように上下部交
互に設けるスキッドまたはロールは、耐酸性に優れ、か
つ鋼帯よりも軟質なゴム、テフロン、ポリプロピレン、
ABS樹脂、ポリアミド等の合成樹脂とすることによっ
て、鋼帯と接触時に鋼帯の表面に疵を発生させることも
ない。前記スキッドまたはロールのうちリンガーロール
に最も近いものは、下部のスキッドまたはロールとする
ことによって、酸洗槽内の酸液を保持しつつ、噴流撹拌
効果を高めることができる。
【0019】本発明におけるスキッドまたはロールの上
下部交互配置とは、上部、下部の順に規則的に交互に配
列したもの、あるいは下部、上部、下部、下部、上部、
下部の順に配列したもの、下部、下部、上部、下部、下
部、上部の順に配列したもの、下部、下部、上部、上
部、下部、下部、上部、下部、下部の順に配列したもの
等、規則的あるいは不規則的に上下部に配列することを
意味する。
【0020】前記スキッドの場合は、酸洗槽の槽れんが
に立設した耐酸れんが、磁器れんがを積み上げた先端に
形成する。また、ロールの場合は、酸洗槽の槽れんがに
立設された左右一対の耐酸れんが、磁器れんがを積み上
げたブラケット、鋼に耐酸ゴム被覆したロールを、ブラ
ケット間に水平に横架された鋼製丸棒にテフロン等の耐
酸性合成樹脂や耐酸性硬質ゴムを被覆した軸体あるいは
Ti−Pd製丸棒からなる軸体に回転自在に遊嵌したス
リーブタイプ、あるいは通常のロールタイプでもよい。
【0021】上記各酸洗槽内の鋼帯の上部ロールは、該
酸洗槽前後のリンガーロールによって決まる理想的な鋼
帯通過面より若干上方に設置される。また、各酸洗槽内
の下部ロールは、該酸洗槽前後のリンガーロールによっ
て決まる理想的な鋼帯通過面より若干下方に設置され
る。酸洗槽内に設置するロールの直径は、長寿命化の点
では大径ロールが有効であるが、槽深さが浅いので、下
部ロール直径は120〜150mm程度、下部ロール直
径は70〜100mm程度が好ましい。
【0022】酸洗槽内の鋼帯の上部ロールの配設ピッチ
は、7mを超えると境界層厚さが大きくなり、酸化スケ
ールの表面およびクラック内への酸液からの熱伝達が低
下して所期の効果が得られない。なお、上部ロールの配
設ピッチは、2m未満となっても本発明の目的、効果に
支障はないが、本数が増えることによって設備費、維持
管理等の問題が発生する。また、酸洗槽内の下部ロール
の配設ピッチは、2m未満では本発明の目的、効果に支
障はないが、本数が増えることによって設備費、維持管
理等の問題が発生し、3.5mを超えると鋼帯下面のル
ープ量が増大することによって槽底れんがと接触してす
りきずが発生する恐れがあるから、2〜3.5mが好ま
しい。
【0023】
【実施例】
実施例1 以下に本発明の横型酸洗装置の詳細を実施の一例を示す
図1〜図2に基づいて説明する。図1は下部、上部の順
に規則的に槽内ロールを設けたタービュランス型の噴流
撹拌式の本発明横型酸洗装置の酸洗槽の横断面図、図2
は下部ロール設置の説明図で、(a)図はブラケットの
側面図、(b)図は下部ロールの断面図である。
【0024】図1ないし図2において、1は槽底れんが
2と上部カバー3と図示しない側壁れんがによって角筒
状の管路を形成する酸洗槽である。各酸洗槽1の入口部
および出口部には、酸液を槽内に向けて噴射するメイン
ヘッダ4が設けられており、側壁れんがには酸液を鋼帯
5の進行方向と直交する方向に噴射する複数のサイドヘ
ッダ6が設けられている。7は最上流側に位置する酸洗
槽1の入口部分、最下流側に位置する酸洗槽1の出口部
分および隣接する酸洗槽1、1間に配設した上下一対の
リンガーロールである。
【0025】9、10は各酸洗槽1内に鋼帯5を挟んで
上下交互に所定間隔で配設した槽内ロールで、槽底れん
が2または上部カバー3に立設した左右一対のブラケッ
ト11、11間に水平に横架した軸体12に回転自在に
遊嵌されている。上部の槽内ロール10は、前後のリン
ガーロール7、7によって決まる理想的な鋼帯通過面よ
り若干上方に設置され、下部の槽内ロール9は、前後の
リンガーロール7、7によって決まる理想的な鋼帯通過
面より若干下方に設置されている。鋼帯5は、リンガー
ロール対7、7によって張力を付与され、ループの生じ
た状態で各酸洗槽1の入口部および出口部のメインヘッ
ダ4および複数のサイドヘッダ6から噴射される酸液と
接触しながら、各酸洗槽1内の酸液中を下部の槽内ロー
ル9、上部の槽内ロール10に接触しながら、またはそ
の近傍を順次通過し、表面の酸化スケールが除去される
よう構成されている。
【0026】上記のとおり構成したことによって、リン
ガーロール対7、7によって張力を付与され、ループの
生じた状態で各酸洗槽1に導入された鋼帯5は、各酸洗
槽1の入口部および出口部のメインヘッダ4および複数
のサイドヘッダ6から噴射される酸液と接触しつつ、各
酸洗槽1内に充満した酸液中を順次搬送され、表面の酸
化スケールが順次除去される。この場合、各酸洗槽1内
には、鋼帯5を挟んで上下交互に所定間隔で下部の槽内
ロール9と上部の槽内ロール10が配設されているか
ら、下部の槽内ロール9および上部の槽内ロール10に
よって境界層が分断され、下部の槽内ロール9および上
部の槽内ロール10近傍では境界層の厚さが小さくな
り、境界層の厚さの積分値が小さくなって酸化スケール
の表面およびクラック内への酸液からの熱伝達が十分に
行われると共に、酸洗槽1内全体への十分な酸液の撹拌
が行われ、酸洗処理効果を高めることができる。
【0027】実施例2 本発明の別の横型酸洗装置の詳細を実施の一例を示す図
3〜図5に基づいて説明する。図3は下部、下部、上
部、下部、下部、上部、下部の順に配設した槽内ロール
設置部の酸液の流れを示すもので、(a)図は概略側面
図、(b)図は概略平面図、図4は下部ロールの説明図
で、(a)図はブラケットの側面図、(b)図は下部ロ
ールの断面図、図5は本発明の下部、下部、上部、下
部、下部、上部、下部の順に槽内ロール設置の横型酸洗
装置と酸洗槽における長手方向の境界層厚さとの関係を
示すもので、(a)図は酸洗槽の長手方向側面図、
(b)図は(a)図に対応する槽長さと上部境界層厚さ
との関係を示すグラフである。
【0028】図3ないし図5において、21は槽底れん
が22と上部カバー23と図示しない側壁れんがによっ
て角筒状の管路を形成する酸洗槽である。各酸洗槽21
の入口部および出口部には、酸液を槽内に向けて噴射す
るメインヘッダ24が設けられている。25は鋼帯、2
6は最上流側に位置する酸洗槽21の入口部分、最下流
側に位置する酸洗槽21の出口部分および隣接する酸洗
槽21、21間に配設した上下一対のリンガーロールで
ある。
【0029】27は下部の槽内ロール、28は上部の槽
内ロールで、各酸洗槽21内に鋼帯25を挟んで所定間
隔で下部、下部、上部、下部、下部、上部、下部の順
に、槽底れんが22または上部カバー23に立設した左
右一対のブラケット29、29間に水平に回転自在に横
架されている。上部の槽内ロール28は、前後のリンガ
ーロール26、26によって決まる理想的な鋼帯通過面
より若干上方に設置され、下部の槽内ロール27は、前
後のリンガーロール26、26によって決まる理想的な
鋼帯通過面より若干下方に設置されている。鋼帯25
は、リンガーロール対26、26によって張力を付与さ
れ、ループの生じた状態で各酸洗槽21の入口部および
出口部のメインヘッダ24から噴射される酸液と接触し
ながら、各酸洗槽21内の酸液中を下部の槽内ロール2
7、上部の槽内ロール28に接触しながら、またはその
近傍を順次通過し、図3に示すとおり、鋼帯25の上下
面部では矢印Aで示すとおり、下部の槽内ロール27、
27間および上部の槽内ロール28、28間で、鋼帯2
5の上下面部以外の鋼帯近傍部分では矢印Bで示すとお
り、入口側から出口側へ、鋼帯25の上下面部以外の鋼
帯から遠い部分では矢印Cで示すとおり、出口側から入
口側への酸液の移動が生じ、酸洗槽1内全体への十分な
酸液の撹拌が行われ、酸洗処理効果を高めて表面の酸化
スケールが除去されるよう構成されている。
【0030】上記のとおり構成したことによって、リン
ガーロール対26、26によって張力を付与され、ルー
プの生じた状態で各酸洗槽21に導入された鋼帯25
は、各酸洗槽21の入口部および出口部のメインヘッダ
24から噴射される酸液と接触しつつ、各酸洗槽21内
に充満した酸液中を順次搬送され、表面の酸化スケール
が順次除去される。この場合、各酸洗槽21内には、鋼
帯25を挟んで所定間隔で下部の槽内ロール27、下部
の槽内ロール27、上部の槽内ロール28、下部の槽内
ロール27、下部の槽内ロール27、上部の槽内ロール
28、下部の槽内ロール27の順に配設されているか
ら、下部の槽内ロール27および上部の槽内ロール28
によって境界層が分断され、下部の槽内ロール27およ
び上部の槽内ロール28近傍では境界層の厚さが小さく
なり、例えば、上部の槽内ロール28側では、図5
(b)に示すとおり、上部の槽内ロール28によって境
界層が分断され、境界層の厚さの積分値が小さくなって
酸化スケールの表面およびクラック内への酸液からの熱
伝達が十分に行われると共に、鋼帯25の上下面部では
図3(a)に矢印Aで示すとおり、下部の槽内ロール2
7、27間および上部の槽内ロール28、28間で、鋼
帯25の上下面部以外の鋼帯近傍部分では矢印Bで示す
入口側から出口側へ、鋼帯25の上下面部以外の鋼帯か
ら遠い部分では矢印Cで示す出口側から入口側への酸液
の移動が生じ、酸洗槽21内全体への十分な酸液の撹拌
が行われ、酸洗処理効果を高めることができる。
【0031】実施例3 全長32mの酸洗槽3槽を第1槽塩酸濃度3%、第2槽
塩酸濃度8%、第3槽塩酸濃度13%で連設したタービ
ュランス型の噴流撹拌式酸洗装置において、板厚1.2
〜7mm、板幅600〜1880mmの低炭素熱延鋼帯
を、酸洗速度Max300m/minで通板して酸洗し
た場合の鋼板と酸液の相対速度と、ダム式酸洗装置に対
する酸洗時間比との関係を求めた。その結果を図6にX
で示す。
【0032】また、前記タービュランス型の噴流撹拌式
酸洗装置の各酸洗槽の槽底れんがに2.8m間隔で立設
した左右一対の耐酸れんがのブラケット間に水平に横架
したTi−Pd製丸棒からなる軸体に、外径120m
m、長さ2000mmのポリプロピレン樹脂管からなる
ロールを回転自在に遊嵌すると共に、上部カバーに5.
6m間隔で立設した左右一対の耐酸れんがのブラケット
間に水平に横架したTi−Pd製丸棒からなる軸体に、
外径80mm、長さ2000mmのポリプロピレン樹脂
管からなるロールを回転自在に遊嵌した本発明の横型酸
洗装置において、板厚1.2〜7mm、板幅600〜1
880mmの低炭素熱延鋼帯を、酸洗速度Max300
m/minで通板して酸洗した場合の鋼板と酸液の相対
速度と、ダム式酸洗装置に対する酸洗時間比との関係を
求めた。その結果を図6にYで示す。
【0033】図6に示すとおり、本発明の横型酸洗装置
を用いたYは、タービュランス型の噴流撹拌式酸洗装置
を用いたXに比較し、酸洗性能を向上させることができ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明の請求項1の横型酸洗装置は、鋼
帯の上下部交互にスキッドまたはロールを設けたことに
よって、鋼帯上下面の境界層がスキッドまたはロールに
よって分断され、境界層厚さの積分値が小さくなり、酸
化スケールの表面およびクラック内への酸液からの熱伝
達および酸液の補給が促進され、酸洗性能を向上させる
ことができる。
【0035】また、本発明の請求項2の横型酸洗装置
は、各酸洗槽の最上流側および最下流側のスキッドまた
はロールを下部とすることによって、酸洗槽内の酸液を
保持しつつ、噴流による撹拌効果を付与でき、酸洗性能
をさらに向上させることができる。
【0036】さらに、本発明の請求項3の横型酸洗装置
は、酸液噴流ノズルを酸洗槽の長手方向に複数箇所設け
ると共に、鋼帯の上下部にスキッドまたはロール対を設
けることによって、鋼帯上下面の境界層がスキッドまた
はロールによって分断され、境界層厚さの積分値が小さ
くなり、酸化スケールの表面およびクラック内への酸液
からの熱伝達および酸液の補給が促進され、酸洗性能を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タービュランス型の噴流撹拌式の本発明横型酸
洗装置の酸洗槽の横断面図である。
【図2】下部ロール設置の説明図で、(a)図はブラケ
ットの側面図、(b)図は下部ロールの断面図である。
【図3】下部、下部、上部、下部、下部、上部、下部の
順に配設した槽内ロール設置部の酸液の流れを示すもの
で、(a)図は概略側面図、(b)図は概略平面図であ
る。
【図4】下部ロール設置の説明図で、(a)図はブラケ
ットの側面図、(b)図は下部ロールの断面図である。
【図5】本発明の下部、下部、上部、下部、下部、上
部、下部の順に槽内ロール設置の横型酸洗装置と酸洗槽
における長手方向の境界層厚さとの関係を示すもので、
(a)図は酸洗槽の長手方向側面図、(b)図は(a)
図に対応する槽長さと上部境界層厚さとの関係を示すグ
ラフである。
【図6】実施例3における鋼板と酸液の相対速度と、ダ
ム式酸洗装置に対する酸洗時間比との関係を示すグラフ
である。
【図7】ダム式酸洗装置の全体概略側断面図である。
【図8】ダム式酸洗装置の酸洗槽の拡大側断面図であ
る。
【図9】タービュランス型酸洗装置の全体概略側断面図
である。
【図10】図9のH−H矢視図である。
【図11】噴流撹拌式酸洗装置と槽長さ方向の境界層厚
さの関係を示すもので、(a)図は噴流撹拌式酸洗装置
の酸洗槽の拡大側断面図、(b)図は槽長さ方向の長さ
と境界層厚さの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1、21、101 酸洗槽 2、22、109 槽底れんが 3、23 上部カバー 4、24、104 メインヘッダ 5、25、77、107 鋼帯 6、105 サイドヘッダ 7、26、108 リンガーロール 9、10、27、28 槽内ロール 11、29 ブラケット 12 軸体 71 鋼板溶接構造物 72 耐酸磁器れんが 73 酸洗槽本体 74 仕切り 75 カバー 76 酸液 78 入口側支持ロール 79 絞りロール 80 水洗槽 102 タンク 103 ポンプ 106 導管 110 スキッド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸洗槽内の酸液に浸漬された状態で鋼帯
    に張力を付与して搬送する横型酸洗装置において、鋼帯
    の上下部交互にスキッドまたはロールを設けたことを特
    徴とする横型酸洗装置。
  2. 【請求項2】 最入側と最出側のスキッドまたはロール
    を、鋼帯下部に設けたことを特徴とする請求項1記載の
    横型酸洗装置。
  3. 【請求項3】 酸洗槽内の酸液に浸漬された状態で鋼帯
    に張力を付与して搬送する横型酸洗装置において、酸液
    噴流ノズルを酸洗槽の長手方向に複数箇所設けると共
    に、鋼帯の上下部にスキッドまたはロール対を設けるこ
    とを特徴とする横型酸洗装置。
JP10662997A 1997-04-08 1997-04-08 横型酸洗装置 Pending JPH10280177A (ja)

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