JP3319398B2 - 横型酸洗装置 - Google Patents

横型酸洗装置

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  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯表面に生成し
た酸化スケール皮膜を、連続的に酸洗除去する鋼帯の酸
洗装置、特に槽深さの浅い複数の酸洗槽内を鋼帯に張力
を与えて水平方向に搬送する横型酸洗装置に関する。
【0002】
【従来の技術】酸洗装置は、鋼帯表面に生成した酸化ス
ケール皮膜を酸洗除去するもので、ダム式が一般的に用
いられていた。ダム式酸洗装置は、上部に鋼帯支持用ス
キッドを形成した仕切りによって、酸洗槽本体を複数に
仕切り、カバーで上部を密閉し、内部に酸液を貯留した
ものである。
【0003】最近においては、上記ダム式に対して熱エ
ネルギー消費量節減の観点から、酸洗槽の槽深さが浅い
浅浴浸漬式(ローバス型、シャロ型)や、槽深さが浅
く、かつ槽内の酸洗液を撹拌することにより酸洗処理時
間の短縮を図った噴流撹拌式(タービュランス型、噴流
型)も使用されている。これらの槽深さの浅いものは、
横型と総称され、酸洗槽の前後に設けた上下一対のリン
ガーロールにより鋼帯に張力を与え、鋼帯全体が酸洗液
に浸漬した状態で酸洗槽を順次通過する。
【0004】噴流撹拌式横型酸洗装置は、酸洗ラインの
高速化に伴い、タービュランス型、噴流型等の酸洗処理
時間の短縮を図ったものである。この噴流撹拌式横型酸
洗装置においては、槽深さが浅く、かつ酸洗槽内の酸液
を撹拌するため、鋼帯の移動に追従して酸液が流れを生
じる領域の鋼帯面からの距離を示す境界層厚さが、酸洗
槽の長さ方向に大きくなる。大きくなった境界層厚さ
は、酸化スケールの表面およびクラック内への酸液から
の熱伝達および酸液の補給を停滞させ、酸洗能力を低下
するという問題を生じる。
【0005】酸洗ラインの高速化に伴う酸洗能力低下の
防止対策としては、特開昭62−116791号公報や
特開平4−247889号公報に開示の酸洗装置が知ら
れている。特開昭62−116791号公報に開示の酸
洗装置は、仕切りによって複数の槽に仕切った酸洗槽の
各分割槽毎に、鋼帯を挟み込むように少なくとも一対以
上のスキッドまたはロールを設け、鋼帯の浮き上りを防
止するとともに、酸洗槽入口の酸液レベルと酸洗槽出口
の酸液レベルの差を低下するものである。また、特開平
4−247889号公報に開示の酸洗装置は、酸洗槽内
の酸液に浸漬した状態でリンガーロール対の間を、鋼帯
に張力を与えて水平方向に搬送する横型酸洗装置のリン
ガーロール対の間で、鋼帯を下方から支持する鋼帯支持
ローラを酸洗槽の槽底上に配置し、鋼帯の酸洗槽底面と
の接触による損傷を防止するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭62−11
6791号公報、特開平4−247889号公報に開示
の酸洗装置では、酸洗槽内に設置するロールの鋼帯幅方
向の適正な長さについて開示していない。鋼帯の最大板
幅に近いロールを使用した場合は、鋼帯とロールとの不
均一な接触によってロールに捻じれが生じて回転不良が
発生し、ロール周方向の偏摩耗が発生する。また、板幅
方向に自由度のあるロールの場合は、鋼帯とロールの不
均一な接触によって、ロールに板幅方向の片寄りが発生
し、ロールの端面がロール軸支持部と接触する。通常、
ロールの材質は、ロール軸支持部に比較して軟質である
ため、ロールの端面にロール軸支持部との接触による摩
耗が発生する。
【0007】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解
消し、ロールが鋼帯と不均一に接触した場合において
も、ロール周方向の偏摩耗やロール端面の摩耗発生を防
止できる横型酸洗装置を提供することである。
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段】 本発明の横型酸洗装置
は、幅方向に分割した分割ロールを、酸洗槽内の鋼帯上
下部に設置する。このように、幅方向に分割した分割ロ
ールは、酸洗槽内の鋼帯上下部に設置することによっ
て、分割ロールにより境界層が分断され、境界層厚さの
積分値が小さくなり、酸化スケールの表面およびクラッ
ク内への酸液からの熱伝達が十分に行われると共に、酸
液の移動が生じ、酸洗槽内全体への十分な酸液の補給が
行われ、高効率で酸洗処理を行うことができる。また、
分割ロールが鋼帯と不均一に接触して捻じれが発生して
も、幅方向に分割した分割ロールのうちの一つに限定さ
れるため、捻じれが小さい。この結果、捻じれの発生に
よるロールの回転不良が抑制される。また、鋼帯とロー
ルの不均一な接触によるロールの片寄りは、分割ロール
の各ロールの胴長の1/2以下に限定されるため、ロー
ル端面がロール軸支持部と接触するのが防止でき、ロー
ル端面の摩耗が抑制できる。この結果、ロール取替え負
荷の適正化と、ロール運用管理の適正化とを図ることが
できる。なお、鋼帯の幅方向に自由度のあるスリーブタ
イプの分割ロールでは、ロールの片寄りが各ロール間の
摩耗により生じた隙間で吸収される。
【0010】本発明における分割ロールの幅方向の分割
は、設備仕様上通板可能な鋼帯の最大板幅を、設備仕様
上通板可能な鋼帯の最小板幅で除算した値の小数点第1
位を切上げた整数以上に分割する。あるいは、設備仕様
上通板可能な鋼帯の最大板幅を、設備仕様上通板可能な
鋼帯の最小板幅で除算した値の小数点第1位を、切下げ
た整数または四捨五入した整数の2倍以上10倍以下の
数に、ロールを分割する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を適用する横型酸洗装置と
しては、タービュランス型、噴流型の噴流撹拌式酸洗装
置、ローバス型、シャロ型の浅浴浸漬式酸洗装置を挙げ
ることができる。
【0012】酸洗槽内に設置する下部ロールと鋼帯の不
均一な接触は、例えば、分割していない下部ロールの場
合、図4(a)に示すように、鋼帯5の片側の端部がロ
ール21と接触するとき、矢印で示す方向にロール21
が片寄り、ブラケット13とロール端面が接触してロー
ル21の端面に摩耗が生じる。図4(b)に示すよう
に、鋼帯5の端部とロール21の不均一接触の程度が悪
いと、ロール21が回転できずに固定され、ロール周方
向の偏摩耗が生じる。
【0013】一方、分割ロールの場合は、例えば、図4
(c)に示すように、鋼帯5の片側の端部がロール12
fと接触するとき、矢印で示す方向にロール12fが片
寄る。しかし、分割ロール12fの片寄りは、鋼帯端部
がロール12fの中央に位置すると止まるため、ロール
胴長の1/2以上片寄ることはない。したがって、ロー
ル12fの片寄りは、鋼帯と接触しているロール12f
の中央に鋼帯5の端部が位置する程度の片寄りであり、
スリーブタイプや通常のロールタイプであっても、分割
ロール12の端面とブラケット13とが接触することは
なく、分割ロール端面に摩耗が生じることはない。
【0014】本発明における分割ロールは、設備仕様上
通板可能な鋼帯の最大板幅を、設備仕様上通板可能な鋼
帯の最小板幅で除算した値の小数点第1位を切上げた整
数以上に幅方向に分割する。あるいは、設備仕様上通板
可能な鋼帯の最大板幅を設備仕様上通板可能な鋼帯の最
小板幅で除算した値の小数点第1位を、切下げた整数ま
たは四捨五入した整数の2倍以上10倍以下の数に幅方
向に分割する。このように分割した分割ロールは、個々
のロール胴長が設備仕様上通板可能な鋼帯の最小板幅以
下となり、鋼帯が設備仕様上通板可能な最小板幅であっ
ても、鋼帯が少なくとも2個のロールと接触する。この
ため、鋼帯と接触する2個のロールは、通常鋼帯の形状
が悪い場合幅方向端部の形状が悪いために、点または線
でロール軸と接触し捻じれることがないので、回転しや
すい。
【0015】分割ロールの幅方向の分割数が、設備仕様
上通板可能な鋼帯の最大板幅を、設備仕様上通板可能な
鋼帯の最小板幅で除算した値の小数点第1位を切上げた
整数未満では、鋼帯の形状が悪いと鋼帯と数か所で接触
してロール全体が沈み込み、または捻じれ量が大きくな
り、ロールの回転不良が発生することもあり、鋼帯にス
リ疵がつく原因となる。また、最大分割数は、取替え作
業時の負荷が増大しない上限値、例えば、10分割以下
が好ましい。分割ロールの分割数が、設備仕様上通板可
能な鋼帯の最大板幅を設備仕様上通板可能な鋼帯の最小
板幅で除算した値の小数点第1位を、切下げた整数また
は四捨五入した整数の2倍未満では、鋼帯の形状が悪い
と鋼帯と数か所で接触してロール全体が沈み込み、また
は捻じれ量が大きくなり、ロールの回転不良が発生する
こともあり、鋼帯にスリ疵がつく原因となる。また、前
記整数の10倍を超えると、ロール数が増えるため、取
替え作業時の負荷が増大すると共に、管理面からも難し
くなる。
【0016】本発明において鋼帯を挟むように設ける分
割ロールの材質は、耐酸性に優れ、かつ鋼帯よりも軟質
なゴムや、テフロン、ポリプロピレン、ポリウレタン、
ABS樹脂、ポリアミドなどの合成樹脂とすれば、鋼帯
と接触時に鋼帯の表面に疵が発生することはない。前記
分割ロールのうちリンガーロールに最も近いものは、下
分割ロールすることによって、酸洗槽内の酸液を
保持しつつ、噴流撹拌効果を高めることができる。
【0017】本発明における分割ロールは、分割ロール
対で鋼帯を挟み込むように設けることもできるし、上下
部交互に設けることもできる。しかし、鋼帯を上下部交
互に挟むように分割ロールを設けることによって、酸液
の移動が生じ、酸洗槽内全体への十分な酸液の補給が行
われ、高効率で酸洗処理を行うことができる。また、分
割ロールにより境界層が分断され、境界層厚さの積分値
が小さくなり、酸化スケールの表面およびクラック内へ
の酸液からの熱伝達が十分に行われる。
【0018】分割ロール対を上下部交互に設けるには、
上部、下部の順に規則的に交互に配列し、あるいは下
部、上部、下部、下部、上部、下部の順に配列したも
の、下部、下部、上部、下部、下部、上部の順に配列し
たもの、下部、下部、上部、上部、下部、下部、上部、
下部、下部の順に配列したもの等、規則的あるいは不規
則的に上下部に配列する。
【0019】酸洗槽内へのロールの設置は、酸洗槽の槽
れんがに耐酸れんがまたは磁器れんがを積み上げて形成
した左右一対のブラケット間に、鋼製丸棒をテフロン等
の耐酸性合成樹脂や耐酸性硬質ゴムで被覆した軸体ある
いはTi−V製丸棒からなる軸体を水平に架ける。そし
て、分割ロールがスリーブタイプの場合は、前記軸体に
該軸体外径より大きい内径の合成樹脂製や鋼を耐酸ゴム
で被覆した分割ロールを、回転自在に遊びを持って嵌め
合わせる。分割ロールが通常のロールタイプの場合は、
前記軸体を前記ブラケット間に遊びを持たせて回転自在
に設け、合成樹脂製や鋼を耐酸ゴムで被覆した分割ロー
ルを軸体に嵌め合わせて固定する。
【0020】上記各酸洗槽内の上部の分割ロールは、該
酸洗槽前後のリンガーロールにより与えられた張力によ
って決まる理想的な鋼帯通過面より若干上方に設置す
る。また、各酸洗槽内の下部の分割ロールは、該酸洗槽
前後のリンガーロールにより与えられた張力によって決
まる理想的な鋼帯通過面より若干下方に設置する。酸洗
槽内に設置する分割ロールの外径は、長寿命化の点では
大径ロールが有効であるが、槽深さが浅いので、例え
ば、下部の分割ロールは120〜150mm程度、上部
の分割ロールは70〜100mm程度が好ましい。
【0021】酸洗槽内の鋼帯上部に設ける分割ロールの
間隔は、7mを超えると、鋼帯の移動に追従して酸液が
流れを生じる領域の鋼帯面からの距離を示す境界層厚さ
が大きくなり、酸化スケールの表面およびクラック内へ
の酸液からの熱伝達が低下して所期の効果が得られな
い。2m未満となると、本発明の目的、効果に支障はな
いが、本数が増えることによって設備費、維持管理等の
問題が発生する。したがって、2〜7mが好ましい。
【0022】また、酸洗槽内の鋼帯下部に設ける分割ロ
ールの間隔は、2m未満となると、本発明の目的、効果
に支障はないが、本数が増えることによって設備費、維
持管理等の問題が発生する。3.5mを超えると鋼帯下
面のループ量が増大することにより、鋼帯が槽底れんが
と接触してすりきずの発生する恐れがある。したがっ
て、2〜3.5mが好ましい。
【0023】
【実施例】実施例1 以下に本発明の横型酸洗装置の詳細を実施の一例を示す
図1〜図2に基づいて説明する。図1は、酸洗槽内に分
割ロールを設けたタービュランス型の噴流撹拌式の本発
明の横型酸洗装置の酸洗槽の概略横断面図、図2は、下
部分割ロールの説明図で、(a)図はブラケットの側面
図、(b)図は下部分割ロールの断面図である。
【0024】図1〜図2において、酸洗槽1は、槽底れ
んが2と上部カバー3と図示しない側壁れんがによっ
て、角筒状の通路を形成したものである。各酸洗槽1の
入口部および出口部には、酸液を槽内に向けて噴射する
メインヘッダ4を設けている。側壁れんがには、酸液を
鋼帯5の進行方向と直交する方向に噴射する複数のサイ
ドヘッダ6を設けている。上下一対のリンガーロール7
は、最上流側に位置する酸洗槽1の入口部分、最下流側
に位置する酸洗槽の出口部分および隣接する酸洗槽1、
1間に配設している。
【0025】各酸洗槽1内の上下の分割ロール11、1
2は、鋼帯5を挟んで上下交互に所定間隔で設ける。上
下の分割ロール11、12は、例えば、設備仕様上通板
可能な鋼帯の最大板幅を、設備仕様上通板可能な鋼帯の
最小板幅で除算した値の小数点第1位を、切上げた整数
以上である8個に分割したものである。上下の分割ロー
ル11、12は、槽底れんが2または上部カバー3に所
定間隔で耐酸れんがを積み上げた左右一対のブラケット
13、13を設け、該左右一対のブラケット13、13
間に耐酸ゴムで被覆した丸鋼からなる軸体14を水平に
架け、8分割したポリプロピレン製の分割ロール11、
12を回転自在に遊びを持たせて嵌め合わせてなる。上
部の分割ロール11の位置は、前後のリンガーロール対
7、7により与えられた張力によって決まる理想的な鋼
帯通過面より若干上方である。下部の分割ロール12の
位置は、前後のリンガーロール7、7により与えられた
張力によって決まる理想的な鋼帯通過面より若干下方で
ある。
【0026】鋼帯5は、リンガーロール対7、7によっ
て張力が与えられ、ループの生じた状態で各酸洗槽1の
入口部および出口部のメインヘッダ4および複数のサイ
ドヘッダ6から噴射する酸液と接触しつつ、各酸洗槽1
内に充満した酸液中を、下部の分割ロール12、上部の
分割ロール11に接触しながら、またはその近傍を順次
通過し、表面の酸化スケールを除去するよう構成する。
【0027】上記のとおり構成したことによって、鋼帯
5は、リンガーロール対7、7によって張力が与えら
れ、ループの生じた状態で各酸洗槽1に入り、各酸洗槽
1の入口部および出口部のメインヘッダ4および複数の
サイドヘッダ6から噴射する酸液と接触しつつ、各酸洗
槽1内に充満した酸液中を順次進行し、表面の酸化スケ
ールが除去される。
【0028】この場合、各酸洗槽1内には、鋼帯5を挟
んで上下交互に所定間隔で下部の分割ロール12と上部
の分割ロール11を設けたから、酸洗槽1内全体の酸液
の移動が十分に行われ、酸洗処理効果を高めることがで
きる。また、下部の分割ロール12と上部の分割ロール
11によって境界層が分断される。この結果、下部の分
割ロール12および上部の分割ロール11近傍では、境
界層の厚さが小さくなって、境界層の厚さの積分値が小
さくなる。このため、酸化スケールの表面およびクラッ
ク内への酸液からの熱伝達が十分に行われ、酸化スケー
ルが効率的に除去できる。
【0029】例えば、前記図4(c)に示すように、鋼
帯5の形状不良が発生し、鋼帯5の片側の板端が分割ロ
ール12fと接触したときは、矢印で示す方向に分割ロ
ール12fが片寄りする。しかし、分割ロール12fの
片寄りは、ロール胴長の1/2の位置よりは片寄ること
はないので、各ロール間の摩耗により生じた隙間で片寄
り分が吸収でき、分割ロール12の端面とブラケット1
3とが接触することはなく、分割ロール12端面が摩耗
することはない。
【0030】実施例2 試験には、全長32mの酸洗槽3槽を第1槽塩酸濃度3
%、第2槽塩酸濃度8%、第3槽塩酸濃度13%で連続
して設けたタービュランス型の噴流撹拌式酸洗装置を用
いた。従来の横型酸洗装置としては、各酸洗槽の槽底れ
んがに、2.8m間隔で耐酸れんがの左右一対のブラケ
ットを設け、このブラケット間に水平に架けた耐酸ゴム
を被覆した丸鋼の軸体に、外径120mm、長さ200
0mmのポリプロピレン樹脂管からなるロールを回転自
在にはめ合わせた。また、上部カバーには、5.6m間
隔で耐酸れんがの左右一対のブラケットを設け、このブ
ラケット間に水平に架けた耐酸ゴムを被覆した丸鋼の軸
体に、外径120mm、長さ2000mmのポリプロピ
レン樹脂管からなるロールを回転自在にはめ合わせた改
造前のものを用いた。
【0031】本発明の横型酸洗装置としては、各酸洗槽
の槽底れんがに、2.8m間隔で耐酸れんがの左右一対
のブラケットを設け、このブラケット間に水平に架けた
耐酸ゴムを被覆した丸鋼の軸体に、設備仕様上通板可能
な鋼帯の最大板幅1880mmを、設備仕様上通板可能
な鋼帯の最小板幅600mmで除して得られた値(3.
133)の小数点第1位を切下げた整数(3)の3倍の
数(9)に分割した外径120mm、胴長222mmの
ポリプロピレン樹脂管からなる9個の分割ロールを回転
自在に遊びを持たせて嵌め合わせた。また、上部カバー
には、5.6m間隔で耐酸れんがの左右一対のブラケッ
トを設け、このブラケット間に水平に架けた耐酸ゴムを
被覆した丸鋼の軸体に、外径120mm、胴長222m
mのポリプロピレン樹脂管からなる9個の分割ロールを
回転自在に遊びを持たせて嵌め合わせた改造後のものを
用いた。
【0032】試験は、前記改造前と改造後のタービュラ
ンス型の噴流撹拌式酸洗装置を用い、板厚1.2〜7.
0mm、板幅600〜1880mmの低炭素熱延鋼帯
を、酸洗速度Max300m/minで通板して酸洗し
た場合において、1ケ月当たりのロール取替え本数を調
査した。その結果を図3に示す。なお、分割ロールの場
合は、1セット9個で1本としてカウントした。
【0033】図3に示すとおり、従来のロールを用いた
改造前の横型酸洗装置では、ロール取替え本数が12.
6本/月であった。これに対し、本発明の分割ロールを
用いた改造後の横型酸洗装置では、ロール取替え本数が
5.5本/月と、半分以下に減少している。
【0034】
【0035】
【発明の効果】 本発明の横型酸洗装置は、酸洗槽内に設
ける分割ロールを、鋼帯上下部に配置することによっ
て、鋼帯と不均一に接触して捻じれが発生しても、捻じ
れの発生は幅方向に分割された分割ロールのうちの一個
のみとなる。この結果、捻じれが軽減してロールの回転
不良を抑制できる。また、鋼帯の幅方向に自由度のある
ロールの場合は、鋼帯とロールの不均一な接触によりロ
ールの片寄りが発生しても、各ロール間の隙間で吸収さ
れ、ロール端面がロール軸支持部と接触することが防止
でき、ロール端面の摩耗が抑制できる。この結果、ロー
ル取替え負荷の適正化と、ロール運用管理の適正化とを
図ることができる。
【0036】本発明の横型酸洗装置は、酸洗槽内に設け
る分割ロールの分割数を、設備仕様上通板可能な鋼帯の
最大板幅を、設備仕様上通板可能な鋼帯の最小板幅で除
算した値の小数点第1位を、切上げた整数以上とする。
あるいは、分割ロールの分割数は、設備仕様上通板可能
な鋼帯の最大板幅を、設備仕様上通板可能な鋼帯の最小
板幅で除算した値の小数点第1位を、切下げた整数また
は小数点第1位を四捨五入した整数の2倍以上10倍以
下とする。このように分割した分割ロールは、鋼帯が設
備仕様上通板可能な最小板幅であっても、少なくとも2
個以上のロールが接触するため、鋼帯の形状が悪くて
も、軸体とロールは線または点で接触するので、ロール
の回転不良が抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸洗槽内に分割ロールを設けたタービ
ュランス型の噴流撹拌式の横型酸洗装置の酸洗槽の概略
横断面図である。
【図2】下部分割ロール設置の説明図で、(a)図はブ
ラケットの側面図、(b)図は下部分割ロールの断面図
である。
【図3】実施例2における従来例と本発明例との1ケ月
当たりのロール取替え本数の対比を示すグラフである。
【図4】鋼帯とロールの不均一な接触によるロール状態
を示すもので、(a)図は鋼帯とロールの不均一な接触
によりロールの片寄りが発生する状態図、(b)図は鋼
帯とロールの不均一な接触によりロールに捻じれが生
じ、回転不良が発生する状態図、(c)図は鋼帯と分割
ロールの不均一な接触によりロールに片寄りが発生する
状態図である。
【符号の説明】
1 酸洗槽 2 槽底れんが 3 上部カバー 4 メインヘッダ 5 鋼帯 6 サイドヘッダ 7 リンガーロール 11、12 分割ロール 13 ブラケット 14 軸体 21 ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23G 3/02 B21B 45/06 C21D 1/00 115 C21D 9/56 101

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸洗槽内の酸液に浸漬した状態で、鋼帯
    に張力を与えて搬送する横型酸洗装置において、酸洗槽
    内の鋼帯上下部に、幅方向に分割した分割ロールを設置
    したことを特徴とする横型酸洗装置。
  2. 【請求項2】 分割ロールの分割数が、設備仕様上通板
    可能な鋼帯の最大板幅を、設備仕様上通板可能な鋼帯の
    最小板幅で除算した値の小数点第1位を切上げた整数以
    上であることを特徴とする請求項1記載の横型酸洗装
    置。
  3. 【請求項3】 分割ロールの分割数が、設備仕様上通板
    可能な鋼帯の最大板幅を、設備仕様上通板可能な鋼帯の
    最小板幅で除算した値の小数点第1位を、切下げた整数
    または四捨五入した整数の2倍以上10倍以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の横型酸洗装置。
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