JP2966991B2 - 帯鋼板の酸洗装置 - Google Patents
帯鋼板の酸洗装置Info
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- JP2966991B2 JP2966991B2 JP35844391A JP35844391A JP2966991B2 JP 2966991 B2 JP2966991 B2 JP 2966991B2 JP 35844391 A JP35844391 A JP 35844391A JP 35844391 A JP35844391 A JP 35844391A JP 2966991 B2 JP2966991 B2 JP 2966991B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は帯鋼板の酸洗装置に関す
る。ホットストリップミルで圧延された帯鋼板は、その
冷却過程において鋼板の表面に種々の酸化皮膜(スケー
ル)が形成されるが、これは次工程の冷間圧延機で圧延
される前に完全に除去しておく必要がある。本発明はこ
のような、帯状の長い薄鋼板をライン方向に配置された
複数の酸洗槽に浸漬しながら、前槽から後槽へと連続的
に通過させていく型式の酸洗装置に関する。
る。ホットストリップミルで圧延された帯鋼板は、その
冷却過程において鋼板の表面に種々の酸化皮膜(スケー
ル)が形成されるが、これは次工程の冷間圧延機で圧延
される前に完全に除去しておく必要がある。本発明はこ
のような、帯状の長い薄鋼板をライン方向に配置された
複数の酸洗槽に浸漬しながら、前槽から後槽へと連続的
に通過させていく型式の酸洗装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の酸洗装置としては特開昭63-30728
7 号公報や特開平2-133589号公報に示されたものがあ
る。特開昭63-307287 号公報記載の酸洗装置は図4に示
すように、酸洗槽50の入側と出側に大形のシールロール
51を配置し、酸液Aの液面をシールロール51の下側より
高くなるように溜めておき、帯鋼板Sを酸液Aに浸漬さ
せて矢印F方向に走行させ、酸液の溶解作用によりスケ
―ルを除去するものである。酸洗槽50内の酸液Aはオ―
バフロ―した分をタンク52に回収しつつ、ポンプ53で再
度酸液供給口54に送り循環させている。前記酸液供給口
54は酸洗槽50の出側付近に設けられている。特開平2-13
3589号公報記載の酸洗装置は図5に示すように、基本的
な構成は図4の装置と同様であって、酸液供給ヘッダ55
が酸洗槽50の入側と出側の両方に設けられている。
7 号公報や特開平2-133589号公報に示されたものがあ
る。特開昭63-307287 号公報記載の酸洗装置は図4に示
すように、酸洗槽50の入側と出側に大形のシールロール
51を配置し、酸液Aの液面をシールロール51の下側より
高くなるように溜めておき、帯鋼板Sを酸液Aに浸漬さ
せて矢印F方向に走行させ、酸液の溶解作用によりスケ
―ルを除去するものである。酸洗槽50内の酸液Aはオ―
バフロ―した分をタンク52に回収しつつ、ポンプ53で再
度酸液供給口54に送り循環させている。前記酸液供給口
54は酸洗槽50の出側付近に設けられている。特開平2-13
3589号公報記載の酸洗装置は図5に示すように、基本的
な構成は図4の装置と同様であって、酸液供給ヘッダ55
が酸洗槽50の入側と出側の両方に設けられている。
【0003】上記のごとき基本構成を有する酸洗装置で
は、帯鋼板の走行方向下流側では脱スケール反応で消費
した分の酸濃度低下により脱スケール能率が落ちてくる
という問題がある。そこで、酸洗反応速度を早めるため
に、酸洗槽50内で反応済みの酸を周囲の未反応酸と入替
えるために酸液を攪拌する攪拌装置を設けたり、あるい
は帯鋼板表面に付着している境界層を除去するための障
害物を設けていた。
は、帯鋼板の走行方向下流側では脱スケール反応で消費
した分の酸濃度低下により脱スケール能率が落ちてくる
という問題がある。そこで、酸洗反応速度を早めるため
に、酸洗槽50内で反応済みの酸を周囲の未反応酸と入替
えるために酸液を攪拌する攪拌装置を設けたり、あるい
は帯鋼板表面に付着している境界層を除去するための障
害物を設けていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが前記従来技術
では、酸洗槽内に溜められた酸液のみにより脱スケール
を行なわせるため、やはり脱スケ―ル反応で消費した分
の酸濃度低下は避けられない、という問題があった。
では、酸洗槽内に溜められた酸液のみにより脱スケール
を行なわせるため、やはり脱スケ―ル反応で消費した分
の酸濃度低下は避けられない、という問題があった。
【0005】本発明は叙上の事情に鑑み、設備費が低廉
でありながら脱スケール能力の高い酸洗装置を提供する
ことを目的とする。
でありながら脱スケール能力の高い酸洗装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1発明の酸洗装置は、
槽内の酸液中に帯鋼板を浸漬させて走行させる酸洗槽を
帯鋼板の走行方向に複数槽配設し、前記各酸洗槽に帯鋼
板の走行方向下流側に向って順次濃度の高い酸液を溜め
た酸洗装置であって、前記複数の酸洗槽にそれぞれ配設
されたサブタンクと、各サブタンクと各酸洗槽との間に
それぞれ接続された廃酸液戻り配管と、各サブタンク間
に接続されたカスケード配管と、酸洗槽の入側から出側
の間で間隔を開けて設置された新酸液供給装置と、前記
各サブタンクと、前記各新酸液供給装置の間にそれぞれ
接続された新酸液供給配管と、前記各新酸液供給配管に
それぞれ介装された新酸液供給ポンプとからなり、前記
新酸液供給装置は、帯鋼板の上面と下面から帯鋼板に酸
液を吹付ける新酸液供給ノズルで構成されていることを
特徴とする。
槽内の酸液中に帯鋼板を浸漬させて走行させる酸洗槽を
帯鋼板の走行方向に複数槽配設し、前記各酸洗槽に帯鋼
板の走行方向下流側に向って順次濃度の高い酸液を溜め
た酸洗装置であって、前記複数の酸洗槽にそれぞれ配設
されたサブタンクと、各サブタンクと各酸洗槽との間に
それぞれ接続された廃酸液戻り配管と、各サブタンク間
に接続されたカスケード配管と、酸洗槽の入側から出側
の間で間隔を開けて設置された新酸液供給装置と、前記
各サブタンクと、前記各新酸液供給装置の間にそれぞれ
接続された新酸液供給配管と、前記各新酸液供給配管に
それぞれ介装された新酸液供給ポンプとからなり、前記
新酸液供給装置は、帯鋼板の上面と下面から帯鋼板に酸
液を吹付ける新酸液供給ノズルで構成されていることを
特徴とする。
【0007】
【作用】請求項1の発明によれば、それぞれの酸洗槽に
対応するサブタンクに反応済みの廃酸液が回収される
が、酸洗槽内の酸液は次槽側ほど濃度が高いので回収さ
れる酸液も前槽側で回収された酸液よりも濃度が高い。
したがって、カスケード配管によって、次槽側の回収酸
液を前槽側のサブタンクへ送ることにより、前槽側のサ
ブタンク内の酸液の濃度が高められる。この濃度が高め
られた酸液が新酸液供給配管と新酸液供給ポンプにより
酸洗槽に間隔をあけて設けた新酸液供給装置に供給され
るので、帯鋼板が一つの酸洗槽を移動する間、何回か新
しい濃度の高い酸液に触れることになり、脱スケール時
間が短くなる。そして、新酸液供給装置を構成するノズ
ルは、帯鋼板の上面と下面から新酸液を吹付けるので、
帯鋼板表面に新酸液がまんべんなく触れることになる。
しかも、新酸液の吹き付けが、酸液中に浸漬されて走行
する帯鋼板の表面から古い酸液を剥がし取るので、新酸
液との接触が効果的に行える。よって脱スケール効果が
非常に高い。
対応するサブタンクに反応済みの廃酸液が回収される
が、酸洗槽内の酸液は次槽側ほど濃度が高いので回収さ
れる酸液も前槽側で回収された酸液よりも濃度が高い。
したがって、カスケード配管によって、次槽側の回収酸
液を前槽側のサブタンクへ送ることにより、前槽側のサ
ブタンク内の酸液の濃度が高められる。この濃度が高め
られた酸液が新酸液供給配管と新酸液供給ポンプにより
酸洗槽に間隔をあけて設けた新酸液供給装置に供給され
るので、帯鋼板が一つの酸洗槽を移動する間、何回か新
しい濃度の高い酸液に触れることになり、脱スケール時
間が短くなる。そして、新酸液供給装置を構成するノズ
ルは、帯鋼板の上面と下面から新酸液を吹付けるので、
帯鋼板表面に新酸液がまんべんなく触れることになる。
しかも、新酸液の吹き付けが、酸液中に浸漬されて走行
する帯鋼板の表面から古い酸液を剥がし取るので、新酸
液との接触が効果的に行える。よって脱スケール効果が
非常に高い。
【0008】
【実施例】つぎに本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は本発明の一実施例による酸洗装置の部分的な
側面断面図である。本実施例の酸洗装置は、酸洗槽が帯
鋼板のライン方向に2〜5槽連なって構成されるが、図
1ではある中間の槽と、その前後の接続部分のみを示し
ている。酸洗槽1は内面にレンガライニングが施されて
おり、その上側に該ライニングの保護および帯鋼板Sの
傷付き防止のために保護スキッド2が数カ所取り付けら
れている。複数個連なる各酸洗槽1の前端部および後端
部にはスキッド3が設けられており、かつ後端部のスキ
ッド3の上方に、該スキッド3に対して極くわずかな隙
間を有して、大径のシールロール4が軸支されている。
る。図1は本発明の一実施例による酸洗装置の部分的な
側面断面図である。本実施例の酸洗装置は、酸洗槽が帯
鋼板のライン方向に2〜5槽連なって構成されるが、図
1ではある中間の槽と、その前後の接続部分のみを示し
ている。酸洗槽1は内面にレンガライニングが施されて
おり、その上側に該ライニングの保護および帯鋼板Sの
傷付き防止のために保護スキッド2が数カ所取り付けら
れている。複数個連なる各酸洗槽1の前端部および後端
部にはスキッド3が設けられており、かつ後端部のスキ
ッド3の上方に、該スキッド3に対して極くわずかな隙
間を有して、大径のシールロール4が軸支されている。
【0009】酸洗槽1内には、前記シールロール4の下
面より液面Asが高くなるように酸液Aが供給され、かつ
常時この液面Asに保たれるように後述するポンプシステ
ムで酸液Aが循環供給されている。各酸洗槽1の出側に
はリンガロール6が配置されている。被処理材である帯
鋼板Sは前層出側のリンガロール5にガイドされつつ酸
洗槽1のスキッド3とシールロール4との間を通過して
槽内に入り、また槽出側のスキッド3、シールロール4
間から出て、リンガロール6に通される。リンガロール
6は酸洗槽1を出た帯鋼板Sを挟み付けて帯鋼板Sに付
着した酸洗液を絞り取るようにした装置である。これに
よって酸液が帯鋼板Sにのって隣接の酸洗槽に移送され
るのが防止される。このようにして、帯鋼板Sは次槽内
に入り順次、後続槽へと移動していく。
面より液面Asが高くなるように酸液Aが供給され、かつ
常時この液面Asに保たれるように後述するポンプシステ
ムで酸液Aが循環供給されている。各酸洗槽1の出側に
はリンガロール6が配置されている。被処理材である帯
鋼板Sは前層出側のリンガロール5にガイドされつつ酸
洗槽1のスキッド3とシールロール4との間を通過して
槽内に入り、また槽出側のスキッド3、シールロール4
間から出て、リンガロール6に通される。リンガロール
6は酸洗槽1を出た帯鋼板Sを挟み付けて帯鋼板Sに付
着した酸洗液を絞り取るようにした装置である。これに
よって酸液が帯鋼板Sにのって隣接の酸洗槽に移送され
るのが防止される。このようにして、帯鋼板Sは次槽内
に入り順次、後続槽へと移動していく。
【0010】前記酸洗槽1のそれぞれにはサブタンク8
が配設されている。また酸洗槽1の前後端外側の下部に
は酸液戻り口7が設けられ、該戻り口7とサブタンク8
との間には廃酸液戻り配管9が接続され、酸洗槽1をオ
ーバフローした酸液Aを回収するようになっている。さ
らに酸洗槽1の中間部に設けている保護スキッド2に隣
接した位置であって、帯鋼板Sの走行方向における上流
側にも酸液戻り口11が形成され、該戻り口11と前記サブ
タンク8との間にも廃酸液戻り配管12が接続されてい
る。したがって、槽中間部の酸液戻り口11からも廃酸液
が回収される。
が配設されている。また酸洗槽1の前後端外側の下部に
は酸液戻り口7が設けられ、該戻り口7とサブタンク8
との間には廃酸液戻り配管9が接続され、酸洗槽1をオ
ーバフローした酸液Aを回収するようになっている。さ
らに酸洗槽1の中間部に設けている保護スキッド2に隣
接した位置であって、帯鋼板Sの走行方向における上流
側にも酸液戻り口11が形成され、該戻り口11と前記サブ
タンク8との間にも廃酸液戻り配管12が接続されてい
る。したがって、槽中間部の酸液戻り口11からも廃酸液
が回収される。
【0011】一方、酸洗槽1の入側端部には従来装置と
同様に新酸液供給ノズル13が配置され、さらに本実施例
では酸洗槽1の中間部、たとえば前記保護スキッド2に
隣接した位置であって帯鋼板Sの走行方向に沿って酸洗
槽1を略3等分するように新酸液供給ノズル14を2基追
加して設けている。図示の実施例では、追加の新酸液供
給ノズル14を保護スキッド2の位置に対応させて同じ数
の2基を設けているが、それよりも少なくてもよく多く
てもよいが、帯鋼板Sに新酸液を均等に接触させるため
に帯鋼板Sの走行方向に沿って、略等間隔に設けるのが
望ましい。また、追加の新酸液供給ノズル14の設置台数
が多いほど帯鋼板Sに新酸液が触れる度合が多くなるの
で脱スケール時間の短縮にはに効果的である。また、前
記新酸液供給ノズル13,14 は、帯鋼板Sの上面と下面か
ら、新酸液を吹き付けるように配置するのが帯鋼板表面
に酸液がまんべんなく触れるので好ましい。前記新酸液
供給ノズル13,14 と前記サブタンク8との間には新酸液
供給配管15が接続され、その新酸液供給配管15には新酸
液供給ポンプ16が介装されている。
同様に新酸液供給ノズル13が配置され、さらに本実施例
では酸洗槽1の中間部、たとえば前記保護スキッド2に
隣接した位置であって帯鋼板Sの走行方向に沿って酸洗
槽1を略3等分するように新酸液供給ノズル14を2基追
加して設けている。図示の実施例では、追加の新酸液供
給ノズル14を保護スキッド2の位置に対応させて同じ数
の2基を設けているが、それよりも少なくてもよく多く
てもよいが、帯鋼板Sに新酸液を均等に接触させるため
に帯鋼板Sの走行方向に沿って、略等間隔に設けるのが
望ましい。また、追加の新酸液供給ノズル14の設置台数
が多いほど帯鋼板Sに新酸液が触れる度合が多くなるの
で脱スケール時間の短縮にはに効果的である。また、前
記新酸液供給ノズル13,14 は、帯鋼板Sの上面と下面か
ら、新酸液を吹き付けるように配置するのが帯鋼板表面
に酸液がまんべんなく触れるので好ましい。前記新酸液
供給ノズル13,14 と前記サブタンク8との間には新酸液
供給配管15が接続され、その新酸液供給配管15には新酸
液供給ポンプ16が介装されている。
【0012】前記サブタンク8には次槽のサブタンク8a
と接続するカスケード配管17および前槽のサブタンク8b
と接続するカスケード配管18が接続されており、各カス
ケード配管17,18 にはそれぞれカスケードポンプ20が介
装されている。酸洗槽1を複数槽接続した連続酸洗装置
では慣用技術であるが帯鋼板Sの走行方向下流側の酸洗
槽のほど濃度の高い酸液を用いているので、下流側のサ
ブタンク8aより送られてくる酸液は、酸洗槽1から回収
した酸液よりも濃度が高く、したがってサブタンク8内
で混合されると、酸洗槽1の廃酸液よりも濃度が高くな
る。この濃度が回復された酸液は、新酸液供給ポンプ16
により新酸液供給配管15を経て新酸液供給ノズル13,14
に供給される。またサブタンク8内で混合された酸液は
カスケードポンプ20によって前槽サブタンク8bへ送られ
る。なお前槽サブタンク8bに対応する酸洗槽から回収し
た酸液よりも前記サブタンク8内の酸液の濃度が高いの
で前槽サブタンク8b内の酸液の濃度も回復される。本実
施例の酸洗装置は基本的には、酸洗槽1をオーバフロー
した廃酸液を酸液戻り口7,11および廃酸液戻り配管
9,12によりサブタンク8に回収し、回収した酸液を新
酸液供給配管15および新酸液供給ポンプ16からポンプシ
ンテムで酸洗槽1内に供給して循環使用するようになっ
ている。
と接続するカスケード配管17および前槽のサブタンク8b
と接続するカスケード配管18が接続されており、各カス
ケード配管17,18 にはそれぞれカスケードポンプ20が介
装されている。酸洗槽1を複数槽接続した連続酸洗装置
では慣用技術であるが帯鋼板Sの走行方向下流側の酸洗
槽のほど濃度の高い酸液を用いているので、下流側のサ
ブタンク8aより送られてくる酸液は、酸洗槽1から回収
した酸液よりも濃度が高く、したがってサブタンク8内
で混合されると、酸洗槽1の廃酸液よりも濃度が高くな
る。この濃度が回復された酸液は、新酸液供給ポンプ16
により新酸液供給配管15を経て新酸液供給ノズル13,14
に供給される。またサブタンク8内で混合された酸液は
カスケードポンプ20によって前槽サブタンク8bへ送られ
る。なお前槽サブタンク8bに対応する酸洗槽から回収し
た酸液よりも前記サブタンク8内の酸液の濃度が高いの
で前槽サブタンク8b内の酸液の濃度も回復される。本実
施例の酸洗装置は基本的には、酸洗槽1をオーバフロー
した廃酸液を酸液戻り口7,11および廃酸液戻り配管
9,12によりサブタンク8に回収し、回収した酸液を新
酸液供給配管15および新酸液供給ポンプ16からポンプシ
ンテムで酸洗槽1内に供給して循環使用するようになっ
ている。
【0013】さて本実施例では、酸洗槽1の中間部でも
新酸液を供給するので、新酸液が反応して低濃度となっ
た酸と入れ替わるため、反応速度低下を抑えることがで
きる。以下、この点を詳述する。スケールを溶解させる
反応速度は下記(1) 式であらわされる。 v=kα{aα(1−p)t+Xo 1-P }b g/m2 ・sec ……(1) 式 ただし、a、αおよびpは実験による定数 Xo は初期酸液濃度 vは時刻tにおける反応速度 kは換算係数 bはp/(1−p)である。 酸液により溶解されたスケールの量を示す脱スケール量
は下記(2) 式であらわされる。 S=k/a・[{aα(1−p)t+Xo 1-P }C −Xo ]g/m2 ……(2) 式 ただし、cは1/(1−p)である。上記の反応速度v
と脱スケール量Sをグラフにあらわすと図3に示すとお
りであり、反応速度vは線L4で表わされ、脱スケール量
S4は斜線部の面積で表わされる。従来の酸洗装置のよう
に槽入口部で新酸液を供給しただけであると、帯鋼板に
酸液が付着し、スケールと反応し濃度が次第に低下して
反応速度vの遅くなることが示されている。
新酸液を供給するので、新酸液が反応して低濃度となっ
た酸と入れ替わるため、反応速度低下を抑えることがで
きる。以下、この点を詳述する。スケールを溶解させる
反応速度は下記(1) 式であらわされる。 v=kα{aα(1−p)t+Xo 1-P }b g/m2 ・sec ……(1) 式 ただし、a、αおよびpは実験による定数 Xo は初期酸液濃度 vは時刻tにおける反応速度 kは換算係数 bはp/(1−p)である。 酸液により溶解されたスケールの量を示す脱スケール量
は下記(2) 式であらわされる。 S=k/a・[{aα(1−p)t+Xo 1-P }C −Xo ]g/m2 ……(2) 式 ただし、cは1/(1−p)である。上記の反応速度v
と脱スケール量Sをグラフにあらわすと図3に示すとお
りであり、反応速度vは線L4で表わされ、脱スケール量
S4は斜線部の面積で表わされる。従来の酸洗装置のよう
に槽入口部で新酸液を供給しただけであると、帯鋼板に
酸液が付着し、スケールと反応し濃度が次第に低下して
反応速度vの遅くなることが示されている。
【0014】これに対し本実施例の装置では、図2に示
すように新酸液の槽中間部での供給により、その都度反
応速度vが回復する。つぎに、この点を実験例に基づき
説明する。図1に示す槽中間部の新酸液供給ノズル14を
2カ所に設けた酸洗槽1と、槽中間部の新酸液供給ノズ
ルを設けないほかは同一の酸洗槽1を用意し、両方の酸
洗槽1にサブタンク内濃度8%の酸液(HCl)を満た
し帯鋼板Sを浸漬させながら、全スケール(50.6g/m
2 )を落とすという条件で実験を行った。本発明タイプ
の新酸液供給ノズル14を2カ所追設した酸洗槽にあって
は、図2に示すように最初の新酸液供給ノズル13から供
給された酸液による反応速度vは線L1で表され、2番目
および3番目の新酸液供給ノズル14から供給される酸液
による反応速度は線L2、L3で表される。線L1で表された
部分の脱スケール量S1は16.9g/m2 であり、同様に脱
スケール量S2、S3も19.9g/m2 であるから全スケール
(50.6g/m2 )を除去するのに要する時間は17.46 秒
であった。これに対し、槽中間部に新酸液供給ノズルを
設けない酸洗槽では図3に示すように脱スケール時間は
20秒を要した。上記の例は1槽のみで全スケール(50.6
g/m2 )を落とした場合の実験例であるが、酸濃度の
異なる酸洗槽を複数個設置した連続式酸洗装置において
も、各酸洗槽について同様に脱スケール時間短縮効果が
得られる。
すように新酸液の槽中間部での供給により、その都度反
応速度vが回復する。つぎに、この点を実験例に基づき
説明する。図1に示す槽中間部の新酸液供給ノズル14を
2カ所に設けた酸洗槽1と、槽中間部の新酸液供給ノズ
ルを設けないほかは同一の酸洗槽1を用意し、両方の酸
洗槽1にサブタンク内濃度8%の酸液(HCl)を満た
し帯鋼板Sを浸漬させながら、全スケール(50.6g/m
2 )を落とすという条件で実験を行った。本発明タイプ
の新酸液供給ノズル14を2カ所追設した酸洗槽にあって
は、図2に示すように最初の新酸液供給ノズル13から供
給された酸液による反応速度vは線L1で表され、2番目
および3番目の新酸液供給ノズル14から供給される酸液
による反応速度は線L2、L3で表される。線L1で表された
部分の脱スケール量S1は16.9g/m2 であり、同様に脱
スケール量S2、S3も19.9g/m2 であるから全スケール
(50.6g/m2 )を除去するのに要する時間は17.46 秒
であった。これに対し、槽中間部に新酸液供給ノズルを
設けない酸洗槽では図3に示すように脱スケール時間は
20秒を要した。上記の例は1槽のみで全スケール(50.6
g/m2 )を落とした場合の実験例であるが、酸濃度の
異なる酸洗槽を複数個設置した連続式酸洗装置において
も、各酸洗槽について同様に脱スケール時間短縮効果が
得られる。
【0015】つぎに本発明の他の実施例を説明する。前
記実施例では酸洗槽1の槽内横壁に酸液戻り口11を形成
し廃酸液戻り配管12で廃酸液を回収するようにしたが、
廃酸液戻り配管12は大口径の配管を要し設備費が高くつ
くので、経済性を重視する場合は酸液戻り口11および廃
酸液戻り配管12を設けなくともよい。この場合、多少効
果は落ちるが、反応して薄くなった酸液を排除し、新酸
液を帯鋼板Sに接触させる方法(例えば、スプレーする
こと等)を採れば脱スケール能率の低下はわずかです
む。前記実施例はシャロー型の槽本体に適用した例であ
るが、本発明は深浸漬型の酸洗槽にも適用することが可
能である。
記実施例では酸洗槽1の槽内横壁に酸液戻り口11を形成
し廃酸液戻り配管12で廃酸液を回収するようにしたが、
廃酸液戻り配管12は大口径の配管を要し設備費が高くつ
くので、経済性を重視する場合は酸液戻り口11および廃
酸液戻り配管12を設けなくともよい。この場合、多少効
果は落ちるが、反応して薄くなった酸液を排除し、新酸
液を帯鋼板Sに接触させる方法(例えば、スプレーする
こと等)を採れば脱スケール能率の低下はわずかです
む。前記実施例はシャロー型の槽本体に適用した例であ
るが、本発明は深浸漬型の酸洗槽にも適用することが可
能である。
【0016】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、帯鋼板が一つ
の酸洗槽を移動する間、何回か新しい濃度の高い酸液に
触れることになり、しかも、新酸液供給装置を構成する
ノズルは、帯鋼板の上面と下面から新酸液を吹付けるの
で、帯鋼板表面に新酸液がまんべんなく触れることにな
る。さらに、新酸液の吹き付けが、酸液中に浸漬されて
走行する帯鋼板の表面から古い酸液を剥がし取るので、
新酸液との接触が効果的に行える。よって脱スケール効
果が非常に高くなる。
の酸洗槽を移動する間、何回か新しい濃度の高い酸液に
触れることになり、しかも、新酸液供給装置を構成する
ノズルは、帯鋼板の上面と下面から新酸液を吹付けるの
で、帯鋼板表面に新酸液がまんべんなく触れることにな
る。さらに、新酸液の吹き付けが、酸液中に浸漬されて
走行する帯鋼板の表面から古い酸液を剥がし取るので、
新酸液との接触が効果的に行える。よって脱スケール効
果が非常に高くなる。
【図1】本発明の一実施例にかかわる酸洗装置の側面断
面図である。
面図である。
【図2】本発明の酸洗装置の脱スケール時間を示すグラ
フである。
フである。
【図3】従来の酸洗装置の脱スケール時間を示すグラフ
である。
である。
【図4】従来の酸洗装置の一例を示す側面断面図であ
る。
る。
【図5】従来の酸洗装置の他の例を示す側面断面図であ
る。
る。
1 酸洗槽 2 保護スキッド 7 酸液戻り口 8 サブタンク 9 廃酸液戻り配管 11 酸液戻り口 12 廃酸液戻り配管 13 新酸液供給ノズル 14 新酸液供給ノズル 16 新酸液供給ポンプ 17 カスケード配管 18 カスケード配管
Claims (1)
- 【請求項1】槽内の酸液中に帯鋼板を浸漬させて走行さ
せる酸洗槽を帯鋼板の走行方向に複数槽配設し、前記各
酸洗槽に帯鋼板の走行方向下流側に向って順次濃度の高
い酸液を溜めた酸洗装置であって、前記複数の酸洗槽にそれぞれ配設されたサブタンクと、 各サブタンクと各酸洗槽との間にそれぞれ接続された廃
酸液戻り配管と、 各サブタンク間に接続されたカスケード配管と、 酸洗槽の入側から出側の間で間隔を開けて設置された新
酸液供給装置と、 前記各サブタンクと、前記各新酸液供給装置の間にそれ
ぞれ接続された新酸液供給配管と、 前記各新酸液供給配管にそれぞれ介装された新酸液供給
ポンプとからなり、 前記新酸液供給装置は、帯鋼板の上面と下面から帯鋼板
に酸液を吹付ける新酸液供給ノズルで構成されている こ
とを特徴とする帯鋼板の酸洗装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35844391A JP2966991B2 (ja) | 1991-12-28 | 1991-12-28 | 帯鋼板の酸洗装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35844391A JP2966991B2 (ja) | 1991-12-28 | 1991-12-28 | 帯鋼板の酸洗装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05179471A JPH05179471A (ja) | 1993-07-20 |
JP2966991B2 true JP2966991B2 (ja) | 1999-10-25 |
Family
ID=18459332
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35844391A Expired - Lifetime JP2966991B2 (ja) | 1991-12-28 | 1991-12-28 | 帯鋼板の酸洗装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2966991B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103451669B (zh) * | 2013-08-19 | 2015-06-17 | 浙江大学 | 一种酸洗液循环的不锈钢酸洗抑雾系统及其酸洗工艺 |
CN114941140B (zh) * | 2022-06-13 | 2023-11-03 | 无锡普乐士钢业有限公司 | 防止钢材外部出现过酸洗的钢材酸洗设备 |
-
1991
- 1991-12-28 JP JP35844391A patent/JP2966991B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05179471A (ja) | 1993-07-20 |
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