JP2792420B2 - 連続溶融めっき用トップロール - Google Patents
連続溶融めっき用トップロールInfo
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- JP2792420B2 JP2792420B2 JP34164593A JP34164593A JP2792420B2 JP 2792420 B2 JP2792420 B2 JP 2792420B2 JP 34164593 A JP34164593 A JP 34164593A JP 34164593 A JP34164593 A JP 34164593A JP 2792420 B2 JP2792420 B2 JP 2792420B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、連続溶融めっきライ
ンにおいて、めっき後の鋼帯が最初に接触するトップロ
ールに関するものである。
ンにおいて、めっき後の鋼帯が最初に接触するトップロ
ールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の表面処理鋼板、例えば溶融亜鉛め
っき鋼板等は、耐食性に優れていることから、家庭用電
気製品、建築材料、自動車外装材等様々な分野で使用さ
れているが、それに伴ってユーザーからの品質要求も日
増しに高くなってきている。特に自動車用鋼板等は、極
めて微小な表面疵がクレームの対象となるなど、製造技
術のレベル向上は必須となっている。
っき鋼板等は、耐食性に優れていることから、家庭用電
気製品、建築材料、自動車外装材等様々な分野で使用さ
れているが、それに伴ってユーザーからの品質要求も日
増しに高くなってきている。特に自動車用鋼板等は、極
めて微小な表面疵がクレームの対象となるなど、製造技
術のレベル向上は必須となっている。
【0003】上記連続溶融亜鉛めっきラインは、図4に
示すとおり、連続炉31にて、機械的性質やめっき浴へ
の侵入温度を調整された鋼帯32は、スナウト33を介
してめっき槽34内のめっき浴中に侵入する。めっき浴
中に侵入した鋼帯32は、めっき浴中に浸漬配置された
非駆動のシンクロールと呼ばれるパス周回ロール35に
より方向を変えられ、めっき浴上方に引き揚げられる。
めっき浴から引き揚げられた鋼帯32は、ワイピングノ
ズル36によりめっき金属の付着量が調整される。次い
で、めっき金属の付着量が調整された鋼帯32は、合金
化処理のための加熱炉37を経由し、または経由するこ
となく、空気または気水による冷却装置38により冷却
され、トップロール39を経由して冷却装置40を通り
空冷された後、水冷タンク41内へ浸漬冷却される。
示すとおり、連続炉31にて、機械的性質やめっき浴へ
の侵入温度を調整された鋼帯32は、スナウト33を介
してめっき槽34内のめっき浴中に侵入する。めっき浴
中に侵入した鋼帯32は、めっき浴中に浸漬配置された
非駆動のシンクロールと呼ばれるパス周回ロール35に
より方向を変えられ、めっき浴上方に引き揚げられる。
めっき浴から引き揚げられた鋼帯32は、ワイピングノ
ズル36によりめっき金属の付着量が調整される。次い
で、めっき金属の付着量が調整された鋼帯32は、合金
化処理のための加熱炉37を経由し、または経由するこ
となく、空気または気水による冷却装置38により冷却
され、トップロール39を経由して冷却装置40を通り
空冷された後、水冷タンク41内へ浸漬冷却される。
【0004】上記連続溶融亜鉛めっきラインにおいて
は、めっき鋼帯の通板に多くのプロセスロールが使用さ
れており、安定通板のために、それらのロールには所定
の初期クラウンが付与されているのが一般的である。上
記プロセスロールのうちトップロールは、上記の通り安
定通板のために初期クラウンが付与されているが、種々
の温度・板幅・板厚を有するめっき鋼帯が搬送されるた
め、ロール表面に熱クラウンが発生する。その結果、ト
ップロールは、ロール表面と鋼帯との接触が不完全とな
って鋼帯の平坦不良(耳波・中伸び)の発生や蛇行とい
った現象を生じる。
は、めっき鋼帯の通板に多くのプロセスロールが使用さ
れており、安定通板のために、それらのロールには所定
の初期クラウンが付与されているのが一般的である。上
記プロセスロールのうちトップロールは、上記の通り安
定通板のために初期クラウンが付与されているが、種々
の温度・板幅・板厚を有するめっき鋼帯が搬送されるた
め、ロール表面に熱クラウンが発生する。その結果、ト
ップロールは、ロール表面と鋼帯との接触が不完全とな
って鋼帯の平坦不良(耳波・中伸び)の発生や蛇行とい
った現象を生じる。
【0005】この対策としては、従来からトップロール
表面の粗度変更やロール冷却等が施されている。従来よ
り行われているトップロールにおける熱クラウンの抑制
方法としては、ロールを水冷することによって熱クラウ
ンを抑制する方法が知られている。このロールの冷却方
法としては、図5に示すとおり、トップロール51の一
方より冷却水52を導入して反対側に導出する内部貫通
タイプ、図6に示すとおり、トップロール61の両側か
ら冷却水62を導入してトップロール61の中央部から
両側に流出させるタイプ、あるいは図7に示すとおり、
トップロール71の一方より冷却水72を導入し、スパ
イラル状に通過させて反対側に流出させるタイプが採用
されている。この図5〜図7に示す各方式での温度勾配
および熱クラウンは、図8ないし図10に示すとおりと
なる。
表面の粗度変更やロール冷却等が施されている。従来よ
り行われているトップロールにおける熱クラウンの抑制
方法としては、ロールを水冷することによって熱クラウ
ンを抑制する方法が知られている。このロールの冷却方
法としては、図5に示すとおり、トップロール51の一
方より冷却水52を導入して反対側に導出する内部貫通
タイプ、図6に示すとおり、トップロール61の両側か
ら冷却水62を導入してトップロール61の中央部から
両側に流出させるタイプ、あるいは図7に示すとおり、
トップロール71の一方より冷却水72を導入し、スパ
イラル状に通過させて反対側に流出させるタイプが採用
されている。この図5〜図7に示す各方式での温度勾配
および熱クラウンは、図8ないし図10に示すとおりと
なる。
【0006】また、ロール熱クラウンの抑制および表面
粗度の維持を図るべく、トップロール直前において冷却
媒体を用いてめっき鋼板の冷却を行なった後、該めっき
鋼板をトップロールに接触させ、該トップロール表面に
溶融めっき金属に不活性で、かつ回転するトップロール
との接触摩耗により微粉末となる先端が刃物状のカーボ
ン・滑石等の接触体を密着させてトップロール表面に溶
融めっき金属が付着するのを防止し、表面ロールに与え
る熱クラウン量を減少させ、かつロール表面粗度を保護
する方法(特開昭51−77538号公報)、1本のト
ップロールではなく、内部を冷却された複数本の冷却ロ
ールで鋼板を冷却させながら鋼帯の進行方向を90度タ
ーンさせることで、該冷却ロール群とめっき鋼板との接
触孤長を小さくさせることにより、ロール−鋼板間の熱
クラウンの影響を最小限にする方法(特開昭59−18
5767号公報)等が提案されている。しかしながら、
特開昭51−77538号公報、特開昭59−1857
67号公報に開示の方法においては、鋼帯の巾方向全巾
にわたっての均一冷却を確保することは困難であり、冷
却不均一によるめっき鋼帯の平坦不良および鋼帯の蛇行
を生じていた。
粗度の維持を図るべく、トップロール直前において冷却
媒体を用いてめっき鋼板の冷却を行なった後、該めっき
鋼板をトップロールに接触させ、該トップロール表面に
溶融めっき金属に不活性で、かつ回転するトップロール
との接触摩耗により微粉末となる先端が刃物状のカーボ
ン・滑石等の接触体を密着させてトップロール表面に溶
融めっき金属が付着するのを防止し、表面ロールに与え
る熱クラウン量を減少させ、かつロール表面粗度を保護
する方法(特開昭51−77538号公報)、1本のト
ップロールではなく、内部を冷却された複数本の冷却ロ
ールで鋼板を冷却させながら鋼帯の進行方向を90度タ
ーンさせることで、該冷却ロール群とめっき鋼板との接
触孤長を小さくさせることにより、ロール−鋼板間の熱
クラウンの影響を最小限にする方法(特開昭59−18
5767号公報)等が提案されている。しかしながら、
特開昭51−77538号公報、特開昭59−1857
67号公報に開示の方法においては、鋼帯の巾方向全巾
にわたっての均一冷却を確保することは困難であり、冷
却不均一によるめっき鋼帯の平坦不良および鋼帯の蛇行
を生じていた。
【0007】また、ハースロールの熱クラウンを防止す
る方法としては、ロールバレルの内側に、異種の金属で
あって熱伝導性の優れた金属スリーブを嵌合すること
で、ロールバレルにおける軸方向の熱移動を促進させて
温度勾配を緩和し、鋼板とロールとの接触部のロール熱
クラウンの発生を抑制する方法(特開平4−56733
号)が提案されている。
る方法としては、ロールバレルの内側に、異種の金属で
あって熱伝導性の優れた金属スリーブを嵌合すること
で、ロールバレルにおける軸方向の熱移動を促進させて
温度勾配を緩和し、鋼板とロールとの接触部のロール熱
クラウンの発生を抑制する方法(特開平4−56733
号)が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平4−567
33号に開示のハースロールは、ロールバレルにおける
軸方向の熱移動を促進させて温度勾配を緩和し、鋼板と
ロールとの接触部を鋼板と同一温度に保持してロール熱
クラウンの発生を抑制するものであって、トップロール
のように冷却によって抜熱している場合には、ロールと
めっき鋼帯との温度勾配が大きく熱クラウンが生じ易
く、適用することは困難である。
33号に開示のハースロールは、ロールバレルにおける
軸方向の熱移動を促進させて温度勾配を緩和し、鋼板と
ロールとの接触部を鋼板と同一温度に保持してロール熱
クラウンの発生を抑制するものであって、トップロール
のように冷却によって抜熱している場合には、ロールと
めっき鋼帯との温度勾配が大きく熱クラウンが生じ易
く、適用することは困難である。
【0009】この発明の目的は、溶融めっきラインにお
いて、操業条件が変動しても初期適正クラウンを常に維
持できるトップロールを提案することにある。
いて、操業条件が変動しても初期適正クラウンを常に維
持できるトップロールを提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々試験研究を重ねた。その結果、トップ
ロールにおける熱クラウン発生の主要な原因は、トップ
ロール本体の幅方向における温度勾配にあること、この
幅方向の温度勾配は、トップロールのロールバレルの内
側に熱膨張率の概ね等しい異種の金属であって熱伝導性
の優れた金属スリーブを嵌合し、ロールバレルにおける
軸方向の熱移動を促進させると共に、内側にトップロー
ルの幅方向中心から両側に向かってスパイラル状に冷却
媒体を流すことによって、トップロール幅方向の温度勾
配を最小限に抑制できることを究明し、この発明に到達
した。
を達成すべく種々試験研究を重ねた。その結果、トップ
ロールにおける熱クラウン発生の主要な原因は、トップ
ロール本体の幅方向における温度勾配にあること、この
幅方向の温度勾配は、トップロールのロールバレルの内
側に熱膨張率の概ね等しい異種の金属であって熱伝導性
の優れた金属スリーブを嵌合し、ロールバレルにおける
軸方向の熱移動を促進させると共に、内側にトップロー
ルの幅方向中心から両側に向かってスパイラル状に冷却
媒体を流すことによって、トップロール幅方向の温度勾
配を最小限に抑制できることを究明し、この発明に到達
した。
【0011】すなわちこの発明は、連続溶融めっきライ
ンのトップロールにおいて、該トップロールのロールバ
レル内側に熱膨張率の概ね等しい異種の金属であって熱
伝導性の優れた金属スリーブを嵌合し、内側にトップロ
ールの幅方向中心から両側に向かってスパイラル状に冷
却媒体通路を形成し、該冷却媒体通路の幅方向中心近傍
に冷却水供給管を、幅方向両端に排出管を連結したこと
を特徴とする連続溶融めっき用トップロールである。
ンのトップロールにおいて、該トップロールのロールバ
レル内側に熱膨張率の概ね等しい異種の金属であって熱
伝導性の優れた金属スリーブを嵌合し、内側にトップロ
ールの幅方向中心から両側に向かってスパイラル状に冷
却媒体通路を形成し、該冷却媒体通路の幅方向中心近傍
に冷却水供給管を、幅方向両端に排出管を連結したこと
を特徴とする連続溶融めっき用トップロールである。
【0012】
【作用】この発明においては、トップロールのロールバ
レル内側に熱膨張率の概ね等しい異種の金属であって熱
伝導性の優れた金属スリーブを嵌合したことによって、
ロール軸方向の熱移動が促進されて温度勾配が緩和され
る。また、内側にトップロールの幅方向中心から両側に
向かってスパイラル状に冷却媒体通路を形成し、該冷却
媒体通路の幅方向中心近傍に冷却水供給管を、幅方向両
端に排出管を連結したことによって、熱量を最も多量に
受けるロール中央部から冷却され、ロール幅方向の温度
の均一化を図ることができる。このロール軸方向の熱移
動促進による温度勾配の緩和と熱量を最も多量に受ける
ロール中央部からの冷却によるロール幅方向の温度の均
一化との相乗効果によって、熱クラウンの発生が抑制さ
れ、めっき鋼帯幅方向の不均一冷却に起因する平坦不良
ならびにめっき鋼帯の蛇行を防止でき、めっき鋼帯の安
定通板が可能となる。
レル内側に熱膨張率の概ね等しい異種の金属であって熱
伝導性の優れた金属スリーブを嵌合したことによって、
ロール軸方向の熱移動が促進されて温度勾配が緩和され
る。また、内側にトップロールの幅方向中心から両側に
向かってスパイラル状に冷却媒体通路を形成し、該冷却
媒体通路の幅方向中心近傍に冷却水供給管を、幅方向両
端に排出管を連結したことによって、熱量を最も多量に
受けるロール中央部から冷却され、ロール幅方向の温度
の均一化を図ることができる。このロール軸方向の熱移
動促進による温度勾配の緩和と熱量を最も多量に受ける
ロール中央部からの冷却によるロール幅方向の温度の均
一化との相乗効果によって、熱クラウンの発生が抑制さ
れ、めっき鋼帯幅方向の不均一冷却に起因する平坦不良
ならびにめっき鋼帯の蛇行を防止でき、めっき鋼帯の安
定通板が可能となる。
【0013】この発明におけるトップロールのロールバ
レル、つまり外側スリーブの材質と内側スリーブの材質
は、熱膨張率の概ね等しい異種の金属で、内側スリーブ
が外側スリーブよりも熱伝導性の優れた金属で構成され
ていれば、特に限定されないが、例えば、表1に示すと
おり、ステンレス鋼と銅のように熱膨張率のほぼ等しい
異種の金属で、しかも、熱伝導性に優れた銅を内側スリ
ーブとして使用することによって、クリープ等を誘起す
る熱応力の発生を抑制することができると共に、ロール
軸方向の熱移動が促進されて温度勾配が緩和される。ま
た、トップロール内側にトップロールの幅方向中心から
両端に向かって形成したスパイラル状の冷却媒体通路へ
の冷却媒体の供給は、トップロール両端方向から幅方向
中心に冷却媒体を供給することによって、幅方向中心か
ら両端に向かって形成されたスパイラル状の冷却媒体通
路を順次冷却媒体が通過し、熱量を最も多量に受けるロ
ール中央部から冷却され、ロール幅方向の温度の均一化
を図ることができる。使用する冷却媒体としては、内側
スリーブを介して外側スリーブを冷却できればよく、特
に限定されないが、水を用いるのが一般的である。
レル、つまり外側スリーブの材質と内側スリーブの材質
は、熱膨張率の概ね等しい異種の金属で、内側スリーブ
が外側スリーブよりも熱伝導性の優れた金属で構成され
ていれば、特に限定されないが、例えば、表1に示すと
おり、ステンレス鋼と銅のように熱膨張率のほぼ等しい
異種の金属で、しかも、熱伝導性に優れた銅を内側スリ
ーブとして使用することによって、クリープ等を誘起す
る熱応力の発生を抑制することができると共に、ロール
軸方向の熱移動が促進されて温度勾配が緩和される。ま
た、トップロール内側にトップロールの幅方向中心から
両端に向かって形成したスパイラル状の冷却媒体通路へ
の冷却媒体の供給は、トップロール両端方向から幅方向
中心に冷却媒体を供給することによって、幅方向中心か
ら両端に向かって形成されたスパイラル状の冷却媒体通
路を順次冷却媒体が通過し、熱量を最も多量に受けるロ
ール中央部から冷却され、ロール幅方向の温度の均一化
を図ることができる。使用する冷却媒体としては、内側
スリーブを介して外側スリーブを冷却できればよく、特
に限定されないが、水を用いるのが一般的である。
【0014】
【表1】
【0015】
実施例1 以下にこの発明の詳細を実施の一例を示す図1ないし図
3に基づいて説明する。図1はこの発明のトップロール
の縦断面図、図2はこの発明のトップロールの複層構造
を説明するための部分断面図、図3はトップロールの熱
クラウンの発生状況の説明図で、(a)図は従来のトッ
プロールの場合、(b)図はこの発明のトップロールの
場合である。図1ないし図2において、1はトップロー
ルで、トップロールバレル(以下外側スリーブという)
2の内側に外側スリーブ2とほぼ線膨張率が等しく、か
つ熱伝達率の優れた金属の内側スリーブ3を焼きばめ等
により装着する。4はめっき鋼帯で、トップロール1の
外側スリーブ2に沿って進行方向を90°ターンされて
搬送される。内側スリーブ3の両端部は、図3(b)に
示すとおり、外側スリーブ2の内側面より内側にくるよ
うにして、両者を離間させている。これら両者の離間距
離は、特に制限されないが、離間させるのは熱の流れを
遮断させるためで、その作用効果が確保される限り制限
されないが、一般的には1mmあれば十分である。
3に基づいて説明する。図1はこの発明のトップロール
の縦断面図、図2はこの発明のトップロールの複層構造
を説明するための部分断面図、図3はトップロールの熱
クラウンの発生状況の説明図で、(a)図は従来のトッ
プロールの場合、(b)図はこの発明のトップロールの
場合である。図1ないし図2において、1はトップロー
ルで、トップロールバレル(以下外側スリーブという)
2の内側に外側スリーブ2とほぼ線膨張率が等しく、か
つ熱伝達率の優れた金属の内側スリーブ3を焼きばめ等
により装着する。4はめっき鋼帯で、トップロール1の
外側スリーブ2に沿って進行方向を90°ターンされて
搬送される。内側スリーブ3の両端部は、図3(b)に
示すとおり、外側スリーブ2の内側面より内側にくるよ
うにして、両者を離間させている。これら両者の離間距
離は、特に制限されないが、離間させるのは熱の流れを
遮断させるためで、その作用効果が確保される限り制限
されないが、一般的には1mmあれば十分である。
【0016】5はトップロール1のロール軸で、両端に
は冷却水を供給する冷却水供給管6と、冷却水を排出す
る排出管7が挿嵌めされている。8はトップロール1の
内側スリーブ3の内面に形成したスパイラル状の冷却水
通路で、トップロール1の幅方向中心で二分割され、幅
方向中心近傍に連通管9を介して冷却水供給管6から冷
却水が供給され、トップロール1の幅方向中心からスパ
イラル状の冷却水通路8を順次経由して両端から連通管
10を介して排出管7に排出されるよう構成されてい
る。
は冷却水を供給する冷却水供給管6と、冷却水を排出す
る排出管7が挿嵌めされている。8はトップロール1の
内側スリーブ3の内面に形成したスパイラル状の冷却水
通路で、トップロール1の幅方向中心で二分割され、幅
方向中心近傍に連通管9を介して冷却水供給管6から冷
却水が供給され、トップロール1の幅方向中心からスパ
イラル状の冷却水通路8を順次経由して両端から連通管
10を介して排出管7に排出されるよう構成されてい
る。
【0017】上記のとおり構成したことによって、トッ
プロール1は、内側スリーブ3に外側スリーブ2とほぼ
線膨張率が等しく、かつ熱伝達率の優れた金属を用いた
ことによって、幅方向の温度不均一が急速に拡散均一化
される。また、内側スリーブ3の両端部は、外側スリー
ブ2の内側面から離間して配置することによって、外側
スリーブ2の内側面からの熱影響を受けず、同一条件で
めっき鋼帯4の搬送を行ってもトップロール1の幅方向
の熱移動が促進され、温度勾配が緩和される。しかも、
内側スリーブ3の内面に形成したスパイラル状の冷却水
通路8には、トップロール1の幅方向中心近傍に連通管
9を介して冷却水供給管6から冷却水が供給され、順次
スパイラル状の冷却水通路8を経由して両端から連通管
10を介して排出管7から排出されることによって、め
っき鋼帯4から熱量を最も多量に受けるロール中央部か
ら冷却され、トップロール1の幅方向の温度の均一化を
図ることができる。図3(a)に示す従来構造のトップ
ロール21は、めっき鋼帯22からの吸熱によって特に
めっき鋼帯22両端部近傍で温度勾配が存在し、熱クラ
ウンCRSが発生する。この発明のトップロール1は、
内側スリーブ3による幅方向の熱移動の促進とスパイラ
ル状の冷却水通路8の冷却水による幅方向の温度の均一
化の相乗効果によって、図3(b)に示すとおり、幅方
向の温度勾配が緩和され、熱クラウンCRSの発生が防
止される。なお、図3中の[CRS]は、めっき鋼帯幅
当たりの熱クラウンを表す。また、内筒の厚みは特に制
限されないが、外筒より厚い方が熱伝導性を改善するに
は好ましい。
プロール1は、内側スリーブ3に外側スリーブ2とほぼ
線膨張率が等しく、かつ熱伝達率の優れた金属を用いた
ことによって、幅方向の温度不均一が急速に拡散均一化
される。また、内側スリーブ3の両端部は、外側スリー
ブ2の内側面から離間して配置することによって、外側
スリーブ2の内側面からの熱影響を受けず、同一条件で
めっき鋼帯4の搬送を行ってもトップロール1の幅方向
の熱移動が促進され、温度勾配が緩和される。しかも、
内側スリーブ3の内面に形成したスパイラル状の冷却水
通路8には、トップロール1の幅方向中心近傍に連通管
9を介して冷却水供給管6から冷却水が供給され、順次
スパイラル状の冷却水通路8を経由して両端から連通管
10を介して排出管7から排出されることによって、め
っき鋼帯4から熱量を最も多量に受けるロール中央部か
ら冷却され、トップロール1の幅方向の温度の均一化を
図ることができる。図3(a)に示す従来構造のトップ
ロール21は、めっき鋼帯22からの吸熱によって特に
めっき鋼帯22両端部近傍で温度勾配が存在し、熱クラ
ウンCRSが発生する。この発明のトップロール1は、
内側スリーブ3による幅方向の熱移動の促進とスパイラ
ル状の冷却水通路8の冷却水による幅方向の温度の均一
化の相乗効果によって、図3(b)に示すとおり、幅方
向の温度勾配が緩和され、熱クラウンCRSの発生が防
止される。なお、図3中の[CRS]は、めっき鋼帯幅
当たりの熱クラウンを表す。また、内筒の厚みは特に制
限されないが、外筒より厚い方が熱伝導性を改善するに
は好ましい。
【0018】実施例2 表2に示すとおり、外筒を肉厚25mmのステンレス
鋼、内筒を肉厚20mmの銅によって構成したクラウン
量2.0mmの図1に示す本発明ロールと、肉厚30m
mのステンレス鋼によって構成したクラウン量2.0m
mの図6に示す通常ロールを、連続溶融亜鉛めっきライ
ンのトップロールとして配設し、トップロール直前での
めっき鋼帯温度350℃の肉厚0.8mm、板幅120
0mmのめっき鋼帯を、温度25℃の冷却水を用いてト
ップロールを冷却しつつ、ラインスピード100m/m
inで搬送し、トップロール幅方向のヒートクラウンを
測定すると共に、めっき鋼帯の蛇行量を測定した。その
結果を表3に示す。
鋼、内筒を肉厚20mmの銅によって構成したクラウン
量2.0mmの図1に示す本発明ロールと、肉厚30m
mのステンレス鋼によって構成したクラウン量2.0m
mの図6に示す通常ロールを、連続溶融亜鉛めっきライ
ンのトップロールとして配設し、トップロール直前での
めっき鋼帯温度350℃の肉厚0.8mm、板幅120
0mmのめっき鋼帯を、温度25℃の冷却水を用いてト
ップロールを冷却しつつ、ラインスピード100m/m
inで搬送し、トップロール幅方向のヒートクラウンを
測定すると共に、めっき鋼帯の蛇行量を測定した。その
結果を表3に示す。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】表3に示すとおり、本発明にかかるトップ
ロールを用いることによって、トップロールの巾方向に
おける熱クラウンの発生を抑制することが可能となり、
その結果、めっき鋼帯の幅方向の不均一冷却に起因する
平坦不良ならびにめっき鋼帯の蛇行を防止することがで
き、めっき鋼帯の安定通板が可能であった。これに対し
通常ロールを用いた場合は、トップロールの巾方向に5
0〜70μmの熱クラウンが発生し、めっき鋼帯の幅方
向の不均一冷却に起因してめっき鋼帯に30〜50mm
の蛇行が発生し、めっき鋼帯の安定通板が不可能であっ
た。
ロールを用いることによって、トップロールの巾方向に
おける熱クラウンの発生を抑制することが可能となり、
その結果、めっき鋼帯の幅方向の不均一冷却に起因する
平坦不良ならびにめっき鋼帯の蛇行を防止することがで
き、めっき鋼帯の安定通板が可能であった。これに対し
通常ロールを用いた場合は、トップロールの巾方向に5
0〜70μmの熱クラウンが発生し、めっき鋼帯の幅方
向の不均一冷却に起因してめっき鋼帯に30〜50mm
の蛇行が発生し、めっき鋼帯の安定通板が不可能であっ
た。
【0022】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明のトップロ
ールは、熱クラウンを低コスト、かつ制御不要で抑制す
ることが可能となり、これによりめっき鋼帯の平坦不
良、バックリングおよび蛇行等が抑制され、安定した通
板を行なうことが可能となり、産業上益するところ大で
ある。
ールは、熱クラウンを低コスト、かつ制御不要で抑制す
ることが可能となり、これによりめっき鋼帯の平坦不
良、バックリングおよび蛇行等が抑制され、安定した通
板を行なうことが可能となり、産業上益するところ大で
ある。
【図1】この発明のトップロールの縦断面図である。
【図2】この発明のトップロールの複層構造を説明する
ための部分断面図である。
ための部分断面図である。
【図3】トップロールの熱クラウンの発生状況の説明図
で、(a)図は従来のトップロールの場合、(b)図は
この発明のトップロールの場合である。
で、(a)図は従来のトップロールの場合、(b)図は
この発明のトップロールの場合である。
【図4】連続溶融めっきラインの概略系統図である。
【図5】従来のトップロールの冷却方式の一例を示す模
式図である。
式図である。
【図6】従来のトップロールの冷却方式の他の一例を示
す模式図である。
す模式図である。
【図7】従来のトップロールの冷却方式の他の一例を示
す模式図である。
す模式図である。
【図8】図5のトップロールを用いた場合のめっき鋼帯
センターからの距離と温度と半径クラウン量との関係を
示すグラフである。
センターからの距離と温度と半径クラウン量との関係を
示すグラフである。
【図9】図6のトップロールを用いた場合のめっき鋼帯
センターからの距離と温度と半径クラウン量との関係を
示すグラフである。
センターからの距離と温度と半径クラウン量との関係を
示すグラフである。
【図10】図7のトップロールを用いた場合のめっき鋼
帯センターからの距離と温度と半径クラウン量との関係
を示すグラフである。
帯センターからの距離と温度と半径クラウン量との関係
を示すグラフである。
1、21、39、51、61、71 トップロール 2 外側スリーブ 3 内側スリーブ 4、22 めっき鋼帯 5 ロール軸 6 冷却水供給管 7 排出管 8 冷却水通路 9、10 連通管 31 連続炉 32 鋼帯 33 スナウト 34 めっき槽 35 パス周回ロール 36 ワイピングノズル 37 加熱炉 38、40 冷却装置 41 水冷タンク 52、62、72 冷却水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 義朗 大阪府大阪市此花区島屋5丁目1番109 号 住友金属工業株式会社 製鋼所内 (72)発明者 綛田 良之 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−354859(JP,A) 特開 昭59−117913(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 2/00 - 2/40
Claims (1)
- 【請求項1】 連続溶融めっきラインのトップロールに
おいて、トップロールのロールバレル内側に熱膨張率の
概ね等しい異種の金属であって熱伝導性の優れた金属ス
リーブを嵌合し、内側にトップロールの幅方向中心から
両側に向かってスパイラル状に冷却媒体通路を形成し、
該冷却媒体通路の幅方向中心近傍に冷却水供給管を、幅
方向両端に排出管を連結したことを特徴とする連続溶融
めっき用トップロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34164593A JP2792420B2 (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | 連続溶融めっき用トップロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34164593A JP2792420B2 (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | 連続溶融めっき用トップロール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07166315A JPH07166315A (ja) | 1995-06-27 |
JP2792420B2 true JP2792420B2 (ja) | 1998-09-03 |
Family
ID=18347700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34164593A Expired - Fee Related JP2792420B2 (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | 連続溶融めっき用トップロール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2792420B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5408550B2 (ja) * | 2010-01-13 | 2014-02-05 | 株式会社リコー | 冷却装置及び画像形成装置 |
JP5557098B2 (ja) * | 2010-07-07 | 2014-07-23 | 株式会社リコー | 冷却装置及び画像形成装置 |
KR102474918B1 (ko) * | 2022-10-07 | 2022-12-07 | 주식회사 삼우에코 | 에어나이프의 배플장치 |
-
1993
- 1993-12-10 JP JP34164593A patent/JP2792420B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07166315A (ja) | 1995-06-27 |
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