JPH0762509A - 溶融金属めっき浴中シンクロール - Google Patents

溶融金属めっき浴中シンクロール

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JPH0762509A
JPH0762509A JP22797993A JP22797993A JPH0762509A JP H0762509 A JPH0762509 A JP H0762509A JP 22797993 A JP22797993 A JP 22797993A JP 22797993 A JP22797993 A JP 22797993A JP H0762509 A JPH0762509 A JP H0762509A
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JP
Japan
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roll
sink roll
sink
groove
direction perpendicular
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Pending
Application number
JP22797993A
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English (en)
Inventor
Shoichi Fukuzono
正一 福薗
Koichi Kurita
興一 栗田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シンクロールと鋼帯間の摩擦力不足による回
転むらの発生を防止する。 【構成】 溶融金属めっき浴中シンクロールにおいて、
シンクロール22表面にロール軸直角方向に対して角度
20〜60°でヘリカル状の溝22を設ける。 【効果】 シンクロールの回転むらによる溶融金属めっ
き鋼板のスリ疵やめっきむら等の品質トラブルを皆無と
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶融金属めっき浴中
シンクロールの回転むらを解消できる溶融金属めっき浴
中シンクロールに関する。
【0002】
【従来の技術】最近の表面処理鋼板、例えば溶融亜鉛め
っき鋼板等は、耐食性に優れていることから、家庭用電
気製品、建築材料、自動車外装材等様々な分野で使用さ
れているが、それに伴ってユーザーからの品質要求も日
増しに高くなってきている。特に自動車用鋼板等は、極
めて微小な表面疵がクレームの対象となるなど、製造技
術のレベル向上は必須となっている。特に溶融亜鉛めっ
き槽内のシンクロールは、めっき鋼板の品質を左右する
重要な設備の一つである。溶融亜鉛めっき槽内のシンク
ロールは、一般に非駆動であり、鋼板とシンクロールの
摩擦力により回転している。このため、製造条件よって
は、鋼板とシンクロールの摩擦力が変化し、種々の問題
が生じる。
【0003】例えば、板幅が狭く張力が低い製造条件で
は、鋼板とシンクロールの摩擦力が小さいため、シンク
ロールの回転むらが生じ易い。特に生産量が逼迫し、高
速運転を余儀なくされた状態で上記の問題が頻発してい
る。また、シンクロール軸受部は、めっき浴中亜鉛との
合金化によって軸受部の回転抵抗が増大し、回転むらや
ひいては回転停止となる場合もあった。特に亜鉛浴中へ
の浸漬時間が長くなるにつれて軸受部の合金化が進み、
回転むらがひどくなったり、回転停止状態になるとシン
クロールの取替えを余儀なくされていた。
【0004】上記シンクロールの回転むらや回転停止
は、鋼板のすり疵やめっきむら等の原因となり、品質劣
化のみならずライン速度の低下やシンクロール取替えに
よる生産量の低下等、多大の損害を受けることは云うま
でもない。このシンクロールの回転むらの原因の一つ
は、図4に示すとおり、シンクロール11と鋼板12間
への溶融亜鉛13の侵入による摩擦力の低下が考えられ
る。溶融亜鉛13がシンクロール11と鋼板12間へ侵
入すると、シンクロール11と鋼板12間の隙間14が
大きくなり、摩擦抵抗が低下しているものと推定され
る。なお、15は溶融亜鉛槽である。このため、シンク
ロール11と鋼板12間に侵入した溶融亜鉛13をいか
に逃すかがシンクロール11の回転むら解消のポイント
となる。
【0005】従来、シンクロールの回転むらを解消する
ため、耐食性合金鋼ロール基材表面に、コバルトをベー
スとする自溶性合金による溶射被覆層を施し、該溶射被
覆層を素地として表面に、ピッチ20〜60mm、深さ
0.5〜10mm、幅5〜10mm、R3〜10mmの
クロスグルーブ状溝を設けたシンクロール(特開昭64
−79356号公報)、基材表面に溶射皮膜を形成して
なるロールにおいて、そのロール胴周面上に、深さ0.
05mm以上0.5mm未満、幅0.05mm〜1.6
mm、ピッチ0.5〜10mmの連続もしくは非連続的
に溝を設けたシンクロール(実開平3−74654号公
報)、表面にそれぞれピッチの等しい溝が形成された複
数個のシンクロールが、これらのシンクロールを通過す
る鋼帯の全幅にわたってこれらのシンクロールの凸部が
均等に接するように、溝の位相をずらして配置されてい
るシンクロール(特開平4−2753号公報)等が提案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭64−79
356号公報に開示のクロスグルーブ状溝を設けたシン
クロールは、鋼帯の蛇行やスリップの発生がなく、ロー
ル表面へのドロスの付着を回避できると述べられている
が、シンクロールと鋼板間に侵入した溶融亜鉛の排除が
十分でなく、シンクロールと鋼帯間の摩擦力が不足して
回転むらが発生する。また、実開平3−74654号公
報に開示の図5に示す連続もしくは非連続的な螺旋状の
溝21を設けたシンクロール22は、シンクロールと鋼
板間に侵入した溶融亜鉛の排除が十分でなく、シンクロ
ールと鋼帯間の摩擦力が不足して回転むらが発生する。
さらに、特開平4−2753号公報に開示の螺旋型また
は両螺旋型等のピッチの等しい溝を設けたシンクロール
は、シンクロールと鋼板間に侵入した溶融亜鉛の排除が
十分でなく、シンクロールと鋼帯間の摩擦力が不足して
回転むらが発生する。
【0007】この発明の目的は、シンクロールと鋼板間
に侵入した溶融亜鉛をロール軸方向に容易に排出でき、
シンクロールと鋼帯間の摩擦力不足による回転むらの発
生を防止できる溶融金属めっき浴中シンクロールを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、従来から設けられているロール円周方向
の溝を、ロール軸方向に設けることによって、シンクロ
ールと鋼板間に侵入した溶融亜鉛がロール軸方向に排出
され易くなり、シンクロールと鋼板間の隙間が小さくな
って摩擦力を保持できると考え、種々水モデル試験によ
り試験研究を行った。その結果、図2に示すとおり、シ
ンクロール表面にロール軸直角方向に対して溝角度20
〜60°でV字状溝を設けた場合が最もシンクロールと
鋼板間の摩擦トルクが高くなること、また、シンクロー
ル表面の最大粗さRmaxを50〜300μmとするこ
とによって、めっき鋼帯に悪影響を与えることなく、シ
ンクロールと鋼板間の摩擦トルクを確保できることを究
明し、この発明に到達した。
【0009】すなわち本願の第1の発明は、溶融金属め
っき浴中シンクロールにおいて、シンクロール表面にロ
ール軸の直角方向に複数のV字状溝を設けたことを特徴
とする溶融金属めっき浴中シンクロールである。
【0010】また、本願の第2の発明は、溶融金属めっ
き浴中シンクロールにおいて、シンクロール表面にロー
ル軸直角方向に対して角度10〜30°でV字状溝を設
けたことを特徴とする溶融金属めっき浴中シンクロール
である。
【0011】さらに、本願の第3の発明は、上記溶融金
属めっき浴中シンクロールのシンクロール表面の最大粗
さRmaxを50〜300μmとした溶融金属めっき浴
中シンクロールである。
【0012】
【作用】この発明においては、シンクロール表面にロー
ル軸の直角方向に複数のV字状溝を設けたことにより、
各V字状溝のそれぞれがシンクロール両端に開口するか
ら、螺旋状溝のように1本がシンクロール両端に開口す
る場合に比較し、ロール中央から両端までの距離が短
く、シンクロールと鋼板間に侵入した溶融亜鉛がロール
軸方向に排出され易くなり、シンクロールと鋼板間の隙
間が小さくなって摩擦力を保持することができ、シンク
ロールと鋼帯間の摩擦力不足によるシンクロールの回転
むらの発生を防止することができる。また、シンクロー
ル表面にロール軸の直角方向に設けるV字状溝をロール
軸直角方向に対して角度10〜30°(溝角度20〜6
0°)とすることによって、流線上、シンクロールと鋼
板間に侵入した溶融亜鉛がロール軸方向に最も排出され
易くなり、シンクロールと鋼帯間の摩擦力が高くなって
シンクロールと鋼帯間の摩擦力不足によるシンクロール
の回転むらの発生を防止することができる。さらに、こ
の発明においては、シンクロール表面の最大粗さRma
xを50〜300μmとすることと、ロール軸の直角方
向に設けるV字状溝との相乗効果によってシンクロール
と鋼帯間の摩擦力が高くなり、シンクロールと鋼帯間の
摩擦力不足によるシンクロールの回転むらの発生を皆無
とすることができる。
【0013】ロール軸の直角方向に溝角度5°、30
°、60°のV字状溝を左右対称に設けた各シンクロー
ルを用い、板張力1.4kgf/mm2、ロール回転数
300rpmで水モデル試験によって、溝角度θと摩擦
トルクとの関係試験を実施したところ、図2に示すとお
り、ロール軸の直角方向に溝角度20〜60°のV字状
溝を設けた場合が最も摩擦力が強いことが判明した。ま
た、ロール軸の直角方向に溝角度30°のV字状溝を、
ピッチ12mm、深さ1.5mm、幅3.0mm、R
3.0mmで設けた外径300mm、幅200mmの本
発明のシンクロールと、ピッチ24mm、深さ1.5m
m、幅6mm、R5mmで螺旋溝を設けた外径300m
m、幅200mmの従来例のシンクロールと、溝なしの
外径300mm、幅200mmのシンクロールとについ
て、水モデル試験により板幅150mmの鋼板を板張力
1.4kgf/mm2で通板しつつロール回転数を50
〜300rpmに変え、摩擦トルクを測定した。その結
果を図3に示す。図3に示すとおり、ロール軸の直角方
向に溝角度30°のV字状溝を設けた本発明のシンクロ
ールは、螺旋溝を設けた従来例のシンクロールに比較
し、ロール両端に開口する溝の数が7倍となるため、シ
ンクロールと鋼板間に侵入した溶融亜鉛がロール軸方向
に各V字状溝に沿って排出され、シンクロールと鋼板間
の隙間が小さくなって摩擦力を保持することができ、通
常のライン速度70m/min(ロール回転数200r
pm)で約1.7倍の摩擦トルクが得られており、特に
ライン速度が高速域においての摩擦トルクの低下が、螺
旋溝を設けた従来例のシンクロールや溝なしのシンクロ
ールに比較して緩やかで良好な値を示している。
【0014】この発明において、シンクロールのロール
軸の直角方向に設けるV字状溝を、ロール軸直角方向に
対して角度10〜30°(溝角度20〜60°)とした
のは、10°未満ではロール軸直角方向に対する角度が
小さすぎて、V字状溝のロール中心からロール端までの
距離が長くなり、シンクロールと鋼板間に侵入した溶融
亜鉛のロール軸方向への排出効果が十分でなく、30°
を超えると、シンクロールと鋼板間に侵入した溶融亜鉛
がロール軸方向へ排出される過程で、流線上、抵抗が大
きくなり、シンクロールと鋼帯間の摩擦トルクが極端に
低下するためである。また、ロール軸の直角方向に設け
るV字状溝は、ロール軸直角方向に対する角度以外のピ
ッチは特に限定されないが、深さ0.5〜2.0mm、
幅2.0〜4.0mm、R0.3〜2.0mm程度が好
ましい。なお、シンクロール表面に設けるV字状溝は、
その起点が必ずしもロール幅方向中心である必要はな
く、ロール幅方向中心近傍位置であればよい。また、ロ
ール幅方向両側のV字状溝は、必ずしも左右対称である
必要はなく、非対称であってもよい。しかしながら、左
右の溝の角度は、ロール軸直角方向に対して10〜30
°(溝角度20〜60°)に設定することが必要であ
る。
【0015】さらに、シンクロール表面の最大粗さRm
axを50〜300μmとしたのは、Rmaxが50μ
m未満ではシンクロールと鋼帯間の摩擦トルクが十分に
上がらず、Rmaxが300μmを超えるとシンクロー
ルと鋼帯間の摩擦トルクの上昇が飽和すると共に、鋼板
表面へ悪影響を与える恐れが有るからである。シンクロ
ール表面への最大粗さRmax50〜300μmの付与
方法は、ショットブラスト処理、機械的加工、放電加
工、レーザー加工、エッチング、グラビア加工等特に限
定されないが、経済的にはショットブラスト処理が望ま
しい。
【0016】
【実施例】以下にこの発明の詳細を実施の一例を示す図
1に基づいて説明する。図1はこの発明のロール軸直角
方向に対して角度θで左右対称にV字状溝を設けたシン
クロールで、(a)図は正面図、(b)図はV字状溝の
展開図である。図1(a)(b)において、1は本体ロ
ール、2は本体ロール1の胴部表面に設けたV字状溝
で、本体ロール1のロール軸直角方向に対して角度θ
(溝角度2θ)で刻設されてこの発明のシンクロールが
構成される。また、図示していないが、本体ロール1の
胴部表面に耐食性被覆層を形成させ、耐食性被覆層にV
字状溝を刻設することもできる。さらに、本体ロール1
の胴部表面または本体ロール1の胴部表面に形成した耐
食性被覆層表面の最大粗さRmaxを50〜300μm
にしたのち、胴部表面にV字状溝2を刻設することもで
きる。
【0017】ロール軸直角方向に対する角度15°(溝
角度30°)、ピッチ12mm、深さ1.5mm、幅
3.0mm、R3.0mmで左右対称にV字状溝を設け
た外径300mm、幅200mmの本発明のシンクロー
ルを、溶融亜鉛めっきラインに設置し、実機テストを実
施したところ、従来2〜3回/月発生していたシンクロ
ールの回転むらによる溶融亜鉛めっき鋼板の品質トラブ
ルは皆無となった。
【0018】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明のシンクロ
ールは、シンクロールと鋼帯間に侵入した溶融めっき金
属のロール軸方向への排出が容易となり、シンクロール
と鋼帯間の摩擦トルクの低下を防止してシンクロールの
回転むらによる溶融金属めっき鋼板のスリ疵やめっきむ
ら等の品質トラブルを皆無とできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のロール軸直角方向に対する角度θで
V字状溝を設けたシンクロールで、(a)図は正面図、
(b)図はV字状溝の展開図である。
【図2】水モデル試験によるV字状溝の溝角度と摩擦ト
ルクとの関係を示すグラフである。
【図3】水モデル試験によるV字状溝を設けた本発明と
螺旋溝を設けた従来例と溝なしのロール回転数と摩擦ト
ルクとの関係を示すグラフである。
【図4】シンクロールと鋼板間の摩擦力低下の要因説明
図である。
【図5】従来の螺旋状の溝を設けたシンクロールで、
(a)図は正面図、(b)図は螺旋状の溝の展開図であ
る。
【符号の説明】
1 本体ロール 2 V字状溝 11、22 シンクロール 12 鋼板 13 溶融亜鉛 14 隙間 15 溶融亜鉛槽 21 螺旋状の溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属めっき浴中シンクロールにおい
    て、シンクロール表面にロール軸の直角方向に複数のV
    字状溝を設けたことを特徴とする溶融金属めっき浴中シ
    ンクロール。
  2. 【請求項2】 溶融金属めっき浴中シンクロールにおい
    て、シンクロール表面にロール軸直角方向に対して角度
    10〜30°で複数のV字状溝を設けたことを特徴とす
    る溶融金属めっき浴中シンクロール。
  3. 【請求項3】 シンクロール表面の最大粗さRmaxを
    50〜300μmとしたことを特徴とする請求項1およ
    び2記載の溶融金属めっき浴中シンクロール。
JP22797993A 1993-08-20 1993-08-20 溶融金属めっき浴中シンクロール Pending JPH0762509A (ja)

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JP22797993A JPH0762509A (ja) 1993-08-20 1993-08-20 溶融金属めっき浴中シンクロール

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020040020A (ko) * 2000-11-23 2002-05-30 이구택 그루브 마크 방지를 위한 씽크롤
JP2009120890A (ja) * 2007-11-13 2009-06-04 Nippon Steel Corp 溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造
JP2009270157A (ja) * 2008-05-08 2009-11-19 Tocalo Co Ltd 回転性に優れた溶融金属メッキ浴用ロールおよびその製造方法

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KR20020040020A (ko) * 2000-11-23 2002-05-30 이구택 그루브 마크 방지를 위한 씽크롤
JP2009120890A (ja) * 2007-11-13 2009-06-04 Nippon Steel Corp 溶融金属めっき浴中ロールの軸受構造
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