JP2779101B2 - 酸洗装置 - Google Patents

酸洗装置

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JP2779101B2
JP2779101B2 JP4242192A JP24219292A JP2779101B2 JP 2779101 B2 JP2779101 B2 JP 2779101B2 JP 4242192 A JP4242192 A JP 4242192A JP 24219292 A JP24219292 A JP 24219292A JP 2779101 B2 JP2779101 B2 JP 2779101B2
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G3/00Apparatus for cleaning or pickling metallic material
    • C23G3/02Apparatus for cleaning or pickling metallic material for cleaning wires, strips, filaments continuously
    • C23G3/023Apparatus for cleaning or pickling metallic material for cleaning wires, strips, filaments continuously by spraying

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸洗装置に係り、特
に、熱延鋼帯の表面スケールを除去する酸洗装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、熱延鋼帯の脱スケール方法として
は、熱延鋼帯表面に発生した酸化スケールに酸液を付着
させ、両者の間で酸化反応を起こして当該酸化スケール
を除去する酸洗法が主流である。この酸洗法としては、
熱延鋼帯が酸洗槽の底部に接触しない程度のカテナリー
を保ちながら複数の酸洗槽内に、熱延鋼帯を浸漬して当
該鋼帯の表面で起こる還元反応により表面スケールの除
去を行う、所謂ディップ方式の脱スケール方法が知られ
ている。
【0003】また、熱延鋼帯の表面に、ノズルを介して
酸液を噴射して行う方法が知られており、近年では、エ
ネルギーコストを低減すると共に、鋼帯の成品品質を向
上することが可能な脱スケール方法として、例えば、特
開平1−254313号公報が紹介されている。この従
来例は、走行する熱延鋼帯の前後に、張力を付与しなが
ら当該熱延鋼帯の表面に、ノズルを介して酸液を噴射し
て、当該熱延鋼帯表面に発生した酸化スケールを除去す
る際に、前記熱延鋼帯の板厚、材質及び熱延条件を関数
として、前記ノズルからの酸液吐出量及び酸液温度を制
御することで、前記効果を達成するものである。そし
て、この従来例は、熱延鋼帯の表面に酸液を噴射しなが
ら当該熱延鋼帯を通板させる方法をとっているため、酸
洗槽内に滞留した酸液の反応を促進させる目的で、当該
酸洗槽の熱延鋼帯出入口にシール機能を持たせている。
このシール方法としては、熱延鋼帯と酸洗槽壁との隙間
(ギャップ)を小さくしたり、また、前記酸洗槽内の熱
延鋼帯出入口付近の対向した位置に、ロール等を設置す
ることで、熱延鋼帯と酸洗槽壁との隙間を小さくする等
の方法をとっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記デ
ィップ方式の脱スケール方法は、前記熱延鋼帯を高速処
理する場合には、当該熱延鋼帯が酸洗槽を通過する際に
浮上してしまい安定したカテナリーを保持することがで
きないという問題があった。また、熱延鋼帯の脱スケー
ル性のコントロールは、酸洗槽内に収容されている酸液
の温度や濃度により行われているが、この酸液の温度・
濃度変化を急速に行うことは、困難であるため、高速処
理に対応することができないという問題があった。
【0005】また、前記特開平1−254313号公報
に開示されている従来例は、熱延鋼帯が酸洗槽壁や前記
ロール等と接触する、あるいは、接触し易いという問題
があった。そして、熱延鋼帯が酸洗槽壁やロール等に接
触すると、当該熱延鋼帯の表面にキズが発生するという
問題があった。さらに、酸洗槽壁やロールも痛み、寿命
が低下するという問題があった。さらにまた、熱延鋼帯
を高速処理すると、酸洗槽内に収容されている酸液が、
熱延鋼帯の移動と共に持ち去られて、図10のように、
酸洗槽5の熱延鋼帯8進行方向に対向する側壁付近に集
中することになり、この酸洗槽5内の酸液の片寄りによ
り熱延鋼帯8の全面をシールして、還元反応を起こさせ
ることが困難となり、効率のよい脱スケールを行うこと
ができないという問題があった。
【0006】本発明は、このような問題を解決すること
を課題とするものであり、熱延鋼帯の表面にキズを付け
ることなく、効率良く熱延鋼帯の脱スケールを行うこと
が可能な酸洗装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、熱延鋼帯が通過する開口部を備え且つ当
該熱延鋼帯を包囲する酸洗槽と、当該酸洗槽に酸液を供
給するとともに該酸洗槽内の酸液に浸漬されて通過する
熱延鋼帯の表面に酸液を噴流する噴流ノズルと、当該酸
洗槽を通過する熱延鋼帯表面に形成される酸液の境界層
を破壊する境界層破壊手段と、を備えた酸洗装置におい
て、前記噴流ノズルを、前記酸洗槽の開口部内側の対向
した位置に、前記熱延鋼帯と隙間を置いて設置したこと
を特徴とする酸洗装置を提供するものである。
【0008】また、前記酸洗槽を複数連設し、前記噴流
ノズルを、前記各々の酸洗槽の開口部内側の対向した位
置に、前記熱延鋼帯と隙間を置いて設置したことを特徴
とする酸洗装置を提供するものである。そして、前記噴
流ノズルと熱延鋼帯とで形成する隙間は、10mm以
上、70mm以下であり、当該噴流ノズルから噴流する
酸液と前記熱延鋼帯とがなす角度(θ)と、当該酸液の
噴流速度(V)との関係は、 θ≧10 V≦20 V≧1/30(θ−10)+2 V≧7/10(θ−40)+3 (但し、θは度、Vはm/sを示す) の全てを満たすことを特徴とする酸洗装置を提供するも
のである。
【0009】そしてまた、前記境界層破壊手段と熱延鋼
帯とで形成する隙間は、10mm以上、70mm以下で
あることを特徴とする酸洗装置を提供するものである。
そしてさらに、前記酸洗槽に、所望量の酸液を排出する
排水管を設置したことを特徴とする酸洗装置を提供する
ものである。
【0010】
【作用】本発明によれば、熱延鋼帯に酸液を噴流するノ
ズルを、前記酸洗槽の開口部内側の対向した位置に、当
該熱延鋼帯と隙間を置いて設置したことで、当該熱延鋼
帯が当該噴流ノズルや酸洗槽壁に接触することがない。
従って、前記熱延鋼帯の表面にキズが付くことがない。
また、酸洗槽内の酸液は、前記噴流ノズルから熱延鋼帯
に酸液を噴流することにより供給され、前記噴流ノズル
から熱延鋼帯に噴流される酸液は、それ自身が前記開口
部をシールすると共に、噴流効果により酸洗槽の酸液を
攪拌することができる。このため、前記酸洗槽内に滞留
した酸液の反応を促進させ、酸液に浸漬されて通過する
熱延鋼帯の酸洗効果を向上することができる。
【0011】また、前記酸洗槽を複数連設し、熱延鋼帯
に酸液を噴流する噴流ノズルを、当該各々の酸洗槽の開
口部内側の対向した位置に、当該熱延鋼帯と隙間を置い
て設置したことで、各酸洗槽内に収容する酸液の量を相
対的に少なくすることができる。このため、熱延鋼帯の
特性に応じ、酸液の温度や濃度を速やかに変更すること
ができる。従って、高速処理にも充分に対応することが
できる。また、各酸洗槽の側壁(シール壁)と噴流ノズ
ルは、各酸洗槽内に収容されている酸液が隣接する酸洗
槽内に移動することを堰き止める堰の役割を果たす。従
って、熱延鋼帯を高速処理しても、効率良い還元反応を
起こさせることができ、良好な脱スケールを行うことが
できる。
【0012】ここで、前記噴流ノズルと熱延鋼帯とで形
成する隙間は、10mm以上、70mm以下であり、当
該噴流ノズルから噴流する酸液と前記熱延鋼帯とがなす
角度(θ)と、当該酸液の噴流速度(V)との関係が、 θ≧10 V≦20 V≧1/30(θ−10)+2 V≧7/10(θ−40)+3 (但し、θは度、Vはm/sを示す) の全てを満たすこと、即ち、前記角度(θ)と噴流速度
(V)が、図5に示すグラフの斜線部分に位置すること
が、より良好なシール効果を提供するうえで好適であ
る。
【0013】即ち、前記噴流ノズルと熱延鋼帯とで形成
する隙間が10mm未満であると、熱延鋼帯が酸洗槽を
通過する際に、当該噴流ノズルに接触する可能性が増加
する傾向となる。一方、前記噴流ノズルと熱延鋼帯とで
形成する隙間が70mmを越えると、当該噴流ノズルか
ら熱延鋼帯に噴流される酸液自身のシール効果が低下す
る傾向となって、熱延鋼帯全面の還元反応を起こさせる
ことが困難となり、効率のよい脱スケールを行うことが
できなくなる。
【0014】そして、前記噴流ノズルから噴流する酸液
と前記熱延鋼帯とがなす角度(θ)が10度未満である
と、酸液の熱延鋼帯に対する噴流距離が長くなり、当該
酸液が熱延鋼帯に到達しにくくなり、シール効果が低下
する傾向となる。また、酸液の噴流速度(V)が20m
/sを越えると、酸液の噴流速度(V)の変動により熱
延鋼帯が振動し、これにより当該熱延鋼帯が酸洗槽壁に
衝突して熱延鋼帯にキズが付き易くなる傾向となる。ま
た、前記酸液の偏流により熱延鋼帯が蛇行し易くなる傾
向となる。
【0015】さらに、前記酸液のシール効果は、前記角
度(θ)と酸液の噴流速度(V)との関係に左右され易
い。前記角度(θ)と噴流速度(V)との関係が、 V<1/30(θ−10)+2 V<7/10(θ−40)+3 の両式を満たすようになると、噴流ノズルから噴流され
る酸液が、熱延鋼帯の表面等で起こる酸液流れに対抗で
きなくなる傾向となり、シール効果が低減してしまう。
【0016】従って、前記条件を満たすことが、より効
果的な脱スケールを行ううえで望ましい。また、前記境
界層破壊手段と熱延鋼帯とで形成する隙間を10mm以
上、70mm以下とすることでより良好な脱スケールを
行うことができる。
【0017】即ち、前記境界層破壊手段と熱延鋼帯とで
形成する隙間が10mm未満であると、当該熱延鋼帯に
不必要な圧力がかかる等して、熱延鋼帯にキズが付き易
くなる傾向となる。一方、前記境界層破壊手段と熱延鋼
帯とで形成する隙間が70mmを越えると、当該境界層
破壊手段による境界層を破壊する能力が低下する傾向と
なる。従って、前記条件を満たすことが、より効果的な
脱スケールを行ううえで望ましい。
【0018】そして、前記酸洗槽に、所望量の酸液を排
水する排水管を設置したことで、酸洗槽内の酸液の置換
(交換)を効率良く行うことができる。また、前記排出
量に対応した新しい酸液は、前記噴流ノズルから補充さ
れるため、前記作用に加え、より効果的に安定した脱ス
ケールを行うことができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明に係る一実施例について、図面
を参照して説明する。 (実施例1) 図1は、本発明の実施例1に係る酸洗装置の構成図、図
2は、図1に示す酸洗装置の開口部近辺を示す拡大断面
図、図3は、図1に示す酸洗装置を備えた脱スケール設
備の全体構成図である。
【0020】図1及び図2に示す酸洗装置1の酸洗槽5
は、熱延鋼帯8が出入りする開口部9を備え、当該酸洗
槽5を通過する熱延鋼帯8を包囲した状態で酸洗を行う
箱型形状を有している。そして、前記開口部9の各先端
には、前記熱延鋼帯8に対して略平行となる酸洗槽シー
ル壁4が、酸洗槽5の内側に向けて設置されている。さ
らに、前記それぞれの酸洗槽シール壁4の内側には、酸
液を噴流する噴流ノズル2が設置されている。
【0021】前記噴流ノズル2は、特に、図2に示すよ
うに、当該噴流ノズル2から噴流される酸液と熱延鋼帯
8とのなす角度θが、熱延鋼帯の上面側の噴流ノズルに
ついてはθ1、熱延鋼帯の下面側の噴流ノズルについて
はθ2となっており 、また、噴流ノズル2と熱延鋼帯8
との距離が、熱延鋼帯の上面側の噴流ノズルについては
1、熱延鋼帯の下面側の噴射ノズルについてはa2
なっており、酸液の噴流速度(V)との関係は、 θ≧10 V≦20 V≧1/30(θ−10)+2 V≧7/10(θ−40)+3 (但し、θは度、Vはm/sを示す) の全てを満たすように設計されている。
【0022】そして、前記酸洗槽5内には、熱延鋼帯8
を上下から挟み、当該熱延鋼帯8の境界層を破壊する境
界層破壊ロール3が、熱延鋼帯8の走行方向に3組設置
されている。ここで、この境界層破壊ロール3と熱延鋼
帯8との距離は、10mm以上、70mm以下となるよ
うに設計されている。さらに、前記酸洗槽5の出側上部
には、酸洗槽5内の酸液を排出する排水管7が設置され
ており、ここから排出された酸液量に対応する量の新し
い酸液が、前記噴流ノズルから補充され、酸液の置換
(交換)が行われる。尚、符号6は、リンガーロールで
ある。
【0023】次に、本実施例に係る酸洗装置1を備えた
脱スケールラインでの熱延鋼帯8の流れについて説明す
る。図3に示すように、熱間圧延されて巻き取られた熱
延鋼帯8のコイルは、巻戻機12から順次巻き戻され、
当該コイル間は、ウエルダ13により接続され、入側ル
ープカー14を経てテンションレベラ15に至り、ここ
でスケールブレーキングがなされた後、酸洗装置1に至
る。
【0024】酸洗装置1の開口部9から酸洗槽5に送ら
れた熱延鋼帯8は、その前後にテンションがかけられた
状態で、酸液内を通過しながら酸洗されるとともに、酸
洗槽5の入側及び出側の開口部9においては、噴流ノズ
ル2から噴流される酸液により酸洗される。この時、前
記酸液が開口部9をシールすると共に、噴流効果により
酸洗槽5の酸液を攪拌して循環させる。このため、酸洗
効果が向上し、良好な脱スケールが行われる。さらに、
これに伴って、前記熱延鋼帯8の表面に形成されている
酸液の境界層の流れが境界層破壊ロール3により破壊さ
れ、より効果的な脱スケールが行われる。また、前記酸
洗槽5内の酸液は、排水管7から排出され、この排出量
に対応した新しい酸液が、噴流ノズル2から補充される
ため、脱スケール効率がより向上する。なお、上記排水
管7を設けない場合等で、開口部9から洩れた酸液は、
図3のように回収して再供給するようにしてもよい。
【0025】次に、酸洗装置1を通過した熱延鋼帯8
は、リンス設備16によりリンスされた後、ドライヤ1
7により乾燥され、出側ループカー18を経て、巻取機
19により巻き取られる。このようにして、脱スケール
された熱延鋼帯8は、キズの発生がなく、品質が向上し
ていた。
【0026】次に、比較として、従来のカテナリータイ
プの酸洗装置を使用して、熱延鋼帯の脱スケールを行っ
た。この結果、図6に示すように、本実施例に係る酸洗
装置を使用した際の脱スケール時間は、従来の酸洗装置
を使用した際の脱スケール時間に比べ、65〜70%短
縮したことが確認された。尚、本実施例では、酸洗槽5
内に、境界層破壊ロール3を3組設置したが、これに限
らず、境界層破壊ロール3の設置数は、所望により決定
してよい。
【0027】また、本実施例に係る酸洗装置1に、熱延
鋼帯8の板厚、材質、熱延条件(仕上げ温度、巻き取り
温度等)に応じて、酸液の温度や濃度を自動制御する制
御装置を接続してもよい。 (実施例2) 次に、本発明に係る実施例2について、図面を参照して
説明する。
【0028】図4は、本発明の実施例2に係る酸洗装置
の構成図である。図4に示す酸洗装置1は、前記実施例
1で使用した酸洗槽5を3つ連設した構造を有してお
り、各々の酸洗槽5A〜5Cの酸洗槽シール壁4の内側
には、前記実施例1と同様の噴流ノズル2及び境界層破
壊ロール3が設置されている。なお、この場合も、実施
例1のように、開口部9から洩れた酸液を回収するよう
にしてもよいし、排水管7により回収するようにしても
よい。
【0029】前記酸洗槽5A〜5Cには、酸液補助タン
ク26A〜26Cが各々接続されており、この中の酸液
は、圧送ポンプ20によって熱交換器29を介して各噴
流ノズル2へ導かれ、熱延鋼帯8へ噴流される。この
時、前記酸液は、熱交換器29により熱延鋼帯8の特性
に応じた液温となるように加温される。また、前記圧送
ポンプ20は、流量可変機能を有し、熱延鋼帯8の特性
やライン速度に応じ、酸液の供給量を任意に制御するこ
とができる。
【0030】さらに、前記酸液補助タンク26A〜26
Cには、各酸洗槽5A〜5C内の酸液濃度バランスを適
正に保持できるように、当該酸液補助タンク26A〜2
6Cに、新しい酸液を圧送ポンプ22によって供給する
新酸液タンク21が接続されている。そして、この新酸
液タンク21と各酸液補助タンク26A〜26Cとの間
には、新酸液の供給量を調節する新酸液供給バルブ23
A〜23Cが設置されている。
【0031】このように、本実施例に係る酸洗装置1
は、各酸洗槽5A〜5Cの酸洗槽シール壁4と噴流ノズ
ル2が、酸液が隣接する酸洗槽内から移動されてくるこ
とを堰き止める堰の役割を果たす。従って、熱延鋼帯8
を高速処理しても、効率良い還元反応を起こさせること
ができ、良好な脱スケールを行うことができる。本実施
例に係る酸洗装置1には、熱延鋼帯8の酸洗状況を制御
する酸洗制御装置24が接続されている。この酸洗制御
装置24には、酸洗すべき熱延鋼帯8の板厚、材質、熱
延条件(仕上げ温度、巻き取り温度等)が、例えば、図
示しないセンターコンピュータから入力されると共に、
ラインプロセスコントローラ25からライン速度が入力
される。そして、これらの情報に基づいて圧送ポンプ2
0の酸液圧送量(即ち、噴流ノズル2から噴流される酸
液量)と熱交換器29による酸液温度・濃度が制御され
る。従って、ライン速度に応じた最適な酸洗を行うこと
ができる。
【0032】なお、符号27は、酸液補助タンク26A
〜26C間の酸液条件の調整を行うタンク間調整用ポン
プである。次に、本実施例に係る酸洗装置1を使用し
て、噴流ノズル2から噴流される酸液流量(m3 /mi
n)と、熱延鋼帯8の脱スケール速度(mpm)との関
係を以下の条件で調査した。なお、脱スケール速度は、
熱延鋼帯8表面から除去すべきスケールが取り除かれる
際のライン速度を持って表した。この結果を図7に示
す。 「条件」 ・使用する熱延鋼帯 鋼帯A 特殊元素を含み熱延での巻き取り温度が高い難脱スケール材 鋼帯B 低炭で熱延での巻き取り温度が高い難脱スケール材 鋼帯C 一般材 ・鋼帯A〜Cの板厚 1.2〜6.5 mm ・鋼帯A〜Cの仕上げ温度 700〜900 ℃ ・鋼帯A〜Cの巻き取り温度 400〜800 ℃ ・鋼帯A〜C表面のスケール平均厚さ 5〜15 μm 図7より、噴流ノズルからの酸液流量が増加するに従っ
て、脱スケール速度が速くなり、効率のよい酸洗が行え
ることが立証された。
【0033】従来の箱型密閉式の酸洗槽を備えた酸洗装
置では、熱延鋼帯の入側及び出側に設置された噴流ノズ
ルから噴流される酸液の流量は、熱延鋼帯のライン速度
により前記入側、出側でのシールに必要な流量及び熱延
鋼帯の脱スケールに必要な流量の合計に基づいて設定さ
れるが、本発明に係る酸洗装置は、目標ライン速度に応
じて、噴流ノズルから噴流される酸液の流量を上位演算
して設定することができるため、熱延鋼帯を高速処理す
ることが可能であり、効率の良い脱スケールを行うこと
ができる。
【0034】なお、図7における各々のグラフ線(1)
〜(5)の意味は、グラフ線(1)以下は、酸洗槽の出
側のシールに必要な酸液の流量、グラフ線(1)と
(2)との間は、酸洗槽の入側のシールに必要な酸液の
流量、グラフ線(3)は、鋼帯Cの脱スケールに必要な
酸液の合計量、グラフ線(4)は、鋼帯Bの脱スケール
に必要な酸液の合計量、グラフ線(5)は、鋼帯Aの脱
スケールに必要な酸液の合計量、である。
【0035】次に、本実施例に係る酸洗装置1を使用し
て、噴流ノズル2から噴流される酸液の温度(℃)と、
熱延鋼帯8の脱スケール速度(mpm)との関係を前記
と同様の条件で調査した。この結果を図8に示す。図8
より、酸液の温度が上昇するに従って、脱スケール速度
が速くなり、効率のよい酸洗が行えることが立証され
た。
【0036】次に、本実施例に係る酸洗装置1と、従来
の酸洗装置を使用して、前記鋼帯A〜Cについて脱スケ
ール速度の比較を行った。この結果を図9に示す。図9
より、本実施例に係る酸洗装置を使用した鋼帯Aは、鋼
帯Cに対して約75%の脱スケール速度が得られ、鋼帯
Bは、鋼帯Cに対して約90%の脱スケール速度が得ら
れた。また、本実施例に係る酸洗装置を使用した鋼帯A
〜Cは、従来の酸洗装置を使用した鋼帯A〜Cに比較し
て、極めて脱スケール速度が速い(約2.5倍程度)こ
とが判る。これは、各酸洗槽5A〜5Cの酸洗槽シール
壁4が、酸液が隣接する酸洗槽内から移動されてくるこ
とを堰き止める堰の役割を果たすため、鋼帯を高速処理
しても、効率良い還元反応を起こさせることができるた
めである。
【0037】以上より、本発明に係る酸洗装置は、熱延
鋼帯の板厚、材質、熱延条件に係わらず、常に効率のよ
い脱スケールを行うことができることが立証された。な
お、実施例2では、酸洗槽5を3つ連設したが、これに
限らず、酸洗槽の設置数は、所望により決定してよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
前記熱延鋼帯に酸液を噴流する噴流ノズルを、前記酸洗
槽の開口部内側の対向した位置に、当該熱延鋼帯と隙間
を置いて設置したことで、当該熱延鋼帯が当該噴流ノズ
ルに接触することを防止することができるため、熱延鋼
帯の表面にキズが付くことがない。また、前記噴流ノズ
ルから熱延鋼帯に噴流される酸液は、それ自身が前記開
口部をシールすると共に、噴流効果により酸洗槽の酸液
を攪拌することができるため、前記酸洗槽内に滞留した
酸液の反応を促進させ、酸洗効果を向上することができ
る。この結果、熱延鋼帯の品質を向上すると共に、効率
良く脱スケールを行うことができる。
【0039】そして、前記酸洗槽を複数連設し、前記噴
流ノズルを、当該各々の酸洗槽の開口部内側の対向した
位置に、当該熱延鋼帯と隙間を置いて設置したことで、
各酸洗槽内に収容する酸液の量を相対的に少なくするこ
とができる。このため、熱延鋼帯の特性に応じ、酸液の
温度や濃度を速やかに変更することができ、高速処理に
も充分に対応することができる。また、各酸洗槽の側壁
(シール壁)は、隣接する酸洗槽内に酸液が移動するこ
とを堰き止める堰の役割を果たすため、熱延鋼帯を高速
処理しても、効率良い還元反応を起こさせることがで
き、良好な脱スケールを行うことができる。
【0040】また、前記噴流ノズルと熱延鋼帯とで形成
する隙間を10mm以上、70mm以下とし、当該噴流
ノズルから噴流する酸液と前記熱延鋼帯とがなす角度
(θ)と、当該酸液の噴流速度(V)との関係が、 θ≧10 V≦20 V≧1/30(θ−10)+2 V≧7/10(θ−40)+3 の全てを満たすことで、前記効果に加え、より良好なシ
ール効果を得ることができる結果、さらに効率の良い脱
スケールを行うことができる。
【0041】また、前記境界層破壊手段と熱延鋼帯とで
形成する隙間を10mm以上、70mm以下とすること
で、前記効果に加え、さらに良好な脱スケールを行うこ
とができる。そして、前記酸洗槽に、当該酸洗槽内の酸
液を排水する排水管を設置したことで、酸洗槽内の酸液
の置換(交換)を行うことができるため、前記効果に加
え、より効果的に安定した脱スケールを行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る酸洗装置の構成図であ
る。
【図2】図1に示す酸洗装置の開口部近辺を示す拡大断
面図である。
【図3】図1に示す酸洗装置を備えた脱スケール設備の
全体構成図である。
【図4】本発明の実施例2に係る酸洗装置の構成図であ
る。
【図5】図1に示す酸洗装置の噴流ノズルから噴流する
酸液と熱延鋼帯とがなす角度と噴流ノズルから噴流する
酸液の流速との関係を示す図である。
【図6】図1に示す酸洗装置と従来の酸洗装置を使用し
た場合の脱スケール時間率を示す図である。
【図7】図4に示す酸洗装置の噴流ノズルから噴流する
酸液流用と脱スケール速度との関係を示す図である。
【図8】酸液温度と脱スケール速度との関係を示す図で
ある。
【図9】各種熱延鋼帯の脱スケール速度を示す図であ
る。
【図10】従来の酸洗装置における酸液移動説明図
【符号の説明】
1 酸洗装置 2 噴流ノズル 3 境界層破壊ロール 4 酸洗槽シール壁 5 酸洗槽 7 排水管 8 熱延鋼帯 9 開口部 21 新酸液タンク 24 酸洗制御装置 25 ラインプロセスコントローラ 26A 酸液補助タンク 26B 酸液補助タンク 26C 酸液補助タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天笠 敏明 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平5−177238(JP,A) 特公 昭57−59311(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 45/06 C23G 3/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱延鋼帯が通過する開口部を備え且つ当
    該熱延鋼帯を包囲する酸洗槽と、当該酸洗槽に酸液を供
    給するとともに該酸洗槽内の酸液に浸漬されて通過する
    熱延鋼帯の表面に酸液を噴流する噴流ノズルと、当該酸
    洗槽を通過する熱延鋼帯表面に形成される酸液の境界層
    を破壊する境界層破壊手段と、を備えた酸洗装置におい
    て、 前記噴流ノズルを、前記酸洗槽の開口部内側の対向した
    位置に、前記熱延鋼帯と隙間を置いて設置したことを特
    徴とする酸洗装置。
  2. 【請求項2】 前記酸洗槽を複数連設し、前記噴流ノズ
    ルを、前記各々の酸洗槽の開口部内側の対向した位置
    に、前記熱延鋼帯と隙間を置いて設置したことを特徴と
    する請求項1記載の酸洗装置。
  3. 【請求項3】 前記噴流ノズルと熱延鋼帯とで形成する
    隙間は、10mm以上、70mm以下であり、当該噴流
    ノズルから噴流する酸液と前記熱延鋼帯とがなす角度
    (θ)と、当該酸液の噴流速度(V)との関係は、 θ≧10 V≦20 V≧1/30(θ−10)+2 V≧7/10(θ−40)+3 (但し、θは度、Vはm/sを示す) の全てを満たすことを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の酸洗装置。
  4. 【請求項4】 前記境界層破壊手段と熱延鋼帯とで形成
    する隙間は、10mm以上、70mm以下であることを
    特徴とする請求項1ないし請求項3のいづれか一項に記
    載の酸洗装置。
  5. 【請求項5】 前記酸洗槽に、所望量の酸液を排出する
    排水管を設置したことを特徴とする請求項1ないし請求
    項4のいづれか一項に記載の酸洗装置。
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