JPH10262697A - Adpの測定法 - Google Patents
Adpの測定法Info
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Abstract
P依存性ヘキソキナーゼにより正確にADPを生成する
酵素またはその基質を測定しうる手段を提供するもので
あり、さらに酵素的サイクリングにおいても混在するA
DPの影響を受けることなしに正確に測定しうる手段を
提供するものである。 【解決手段】 酵素反応を用いて被検液中のADPを生
成する酵素またはその基質の一方を測定する方法におい
て、被検液中にあらかじめ存在するADPまたは第一反
応液中に存在するかまたは第一反応で形成されるADP
を消去せしめる工程、第二反応にて形成されるADPを
グルコースの存在下にADP依存性ヘキソキナーゼを作
用させ、生成するグルコース−6−リン酸またはAMP
の量に基づいて測定する工程を含む測定法。 【効果】 ADPの混在する生体試料等被検液について
ADPの影響をうけずに簡便にして高精度にADPを測
定できたものである。
Description
検液中のADPを生成する酵素またはその基質の一方を
測定する方法において、被検液中にあらかじめ存在する
ADPまたは第一反応液中に存在するかまたは第一反応
で形成されるADPを消去せしめる工程、第二反応にて
形成されるADPを下記反応式1
キソキナーゼ(ADP−HK)を作用させ、生成するグ
ルコース−6−リン酸(G6P)またはAMPの量に基
づいてADPを簡便かつ高精度に測定する目的である。
性に優れるADP測定酵素法としてピルビン酸キナーゼ
(PK)と乳酸脱水素酵素(LDH)を用いた還元型N
ADの減少法(反応式2)、ピルビン酸キナーゼとピル
ビン酸オキシダーゼを用いたオキシダーゼ法(反応式
3)やピルビン酸キナーゼとピルビン酸脱炭酸酵素(P
DC)とアルデヒド脱水素酵素(AlDH)を用いた還
元型NAD(P)の増加法(反応式4)が知られている
(特開平7−8297号公報)。
PEPはホスホエノールピルビン酸、Piはリン酸、T
PPはチアミンピロリン酸を示す。
デヒドロゲナーゼを用いた還元型NAD(P)の減少法
およびピルビン酸キナーゼとピルビン酸脱炭酸酵素とア
ルデヒドデヒドロゲナーゼを用いた還元型NAD(P)
の増加法は、被検液中のADPを測定しようとした場
合、測定対象のADPがキナーゼによってATPから生
成したADPである場合、市販のすべてのATP中には
ADPが0.1〜5%程度混在しており、また、測定試
薬を溶液状態で保存するときは保存中にATPからAD
Pが生成され、上記のすべての方法において混在のAD
PまたはATPから生成されるADPをブランクとして
測定してしまうため、正確な測定が不可能であった。
キシダーゼを用いたオキシダーゼ法はADPの消去を唯
一行うことができるが、この方法は生体試料中の干渉物
質(還元物質)(尿酸、アスコルビン酸等)や着色物質
(ビリルビン、ヘモグロビン等)の影響を受けるので測
定値の正確さにおいても必ずしも十分満足できる方法と
はいえなかった。
微量混在するADPまたは反応において消去すべき形成
されたADPについて例えば、トリグリセリドの測定に
おいて、被検液中の測定対象となるADPがATPおよ
びマグネシウムイオンの存在下、トリグリセリドにリパ
ーゼ、グリセロールキナーゼを作用させ、形成されるA
DPである場合、被検液となる血清中にグリセロールが
存在するため、血清中のグリセロールをあらかじめ、消
去する必要があったが上記のような従来のADPの測定
方法では不可能であり、現実的にトリグリセライドの測
定を行うことはできなかった。さらに、クレアチニンの
測定においても同様に、被検液中の測定対象となるAD
PがATPおよびマグネシウムイオンの存在下、クレア
チニンにクレアチニナーゼおよびクレアチンキナーゼを
作用させ、形成されるADPである場合、被検液となる
血清中にクレアチンが存在するため、血清中のクレアチ
ンをあらかじめ消去する必要があったが上記のような従
来のADPの測定方法では不可能であり、現実的にクレ
アチニンの測定を行うことはできなかった。
はADPの測定はさまざまな物質の測定に応用でき、汎
用性が非常に広いが、本発明のADP−HKの酵素反応
を利用してADPを測定する場合、反応液中または被検
液中に存在するADPをあらかじめ、消去する必要があ
った。本発明は混在するADPを消去して、正確にAD
Pを生成する酵素またはその基質を測定しうる手段を提
供するものである。さらに、本発明により酵素的サイク
リング反応においても混在するADPの影響を受けるこ
となしに正確に測定しうる手段を提供するものである。
点につき、鋭意検討した結果、酵素反応を用いて被検液
中のADPを生成する酵素またはその基質の一方を測定
する方法において、被検液中にあらかじめ存在するAD
Pまたは第一反応液中に存在するかまたは第一反応で形
成されるADPを消去せしめる工程、第二反応にて形成
されるADPを下記反応式1
作用させ、生成するG6PまたはAMPの量に基づいて
測定する工程を含む測定法がADPを簡便かつ高精度に
測定できることを確認し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明をより詳細に説明する。本発明に用いる反
応式1を触媒するADP−HKとしては反応式1を触媒
するものであれば何ら限定されるものではなく、例えば
このADP−HKの生産菌としては超好熱菌ピロコッカ
ス・フリオサス・DSM3638菌株がドイッチェ・ザ
ンムルグ・フォン・マイクロオルガニスメン・ウント・
チェルクツルレン・GmbH(DSM)に基準培養物と
して寄託され、DSMカタログ(1993)に記載され
ており、何人も入手可能であり、本菌株から得られたA
DP−HKが好ましい。
述の培地を用いて、培養温度は菌の生育する温度範囲で
行えばよく、70〜110℃、好ましくは85〜105
℃である。また、培養時間は目的とする酵素が最高力価
となる培養時間、例えば1〜3日にて目的とする酵素を
採取すればよい。ADP−HKは主としてその菌体内に
含有、蓄積されており、その菌体内から抽出すればよ
い。ADP−HKの抽出法を例示すれば培養液から菌体
を遠心分離などによって分離し、菌体をリン酸緩衝液、
トリス塩酸緩衝液などの緩衝液に懸濁した後、リゾチー
ム、超音波、ガラスビーズなどによって破砕して遠心分
離し、可溶性画分を粗酵素液として回収する。このよう
にして得られた粗製のADP−HK含有液を公知の蛋白
質、酵素の単離、精製手段を用いて処理することによ
り、精製されたADP−HKを得ることができる。例え
ばアセトンまたはエタノールなどの有機溶媒による分別
沈殿法、硫酸アンモニウムなどによる塩析法、イオン交
換クロマトグラフィー法、疎水クロマトグラフィー法、
アフィニティークロマトグラフィー法、ゲルろ過法など
の一般的な酵素精製法を適宜選択、組み合わせて精製A
DP−HKを得ることができ、適宜安定化剤例えばショ
糖、グリセロールなどを5〜50%程度、アミノ酸、補
酵素などを0.01〜0.1%程度加えて凍結保存また
は凍結乾燥させてもよい。
下記(反応式5)
ゲナーゼ(G6PDH)を用いて測定すればよく、G6
PDHは市販されており(ベーリンガーマンハイム社:
Leuconostoc・mesentoroides
由来、シグマ社:パン酵母、Bacillus・ste
arothermophilus、Leuconost
oc・mesentoroides由来)、容易に入手
可能である。
用するマグネシウムイオンの代わりにコバルトイオンま
たはマンガンイオンを放出しうるいずれか一種または二
種以上のイオン放出性塩類を用いればよく、その塩類と
して塩化物、硫酸化物などが包含され、好適には塩化マ
グネシウム、塩化コバルト、塩化マンガンが挙げられる
が、なんらこれらに限定されるものではない。
PDHが触媒する酵素反応に使用される補酵素としての
酸化型NAD(P)類にはこのほかに酸化型チオNAD
(P)、酸化型3アセチルNAD(P)、酸化型デアミ
ノNAD(P)などが包含されるが、なんらこれらに限
定されるものではない。本発明において、(反応式1お
よび5)で示される酵素反応のADP−HK、G6PD
H、グルコース、酸化型NAD(P)類およびマグネシ
ウムイオン、コバルトイオンまたはマンガンイオンの使
用量としては酵素反応が円滑に進行する量であればよ
く、測定対象となる被検液中の物質の種類、被検液中の
含量、共役させる酵素反応の種類、反応時間および温度
などにより適宜調製されるが、ADP−HKおよびG6
PDHの濃度は0.1〜100U/ml程度、好ましく
は1〜50U/ml程度である。グルコース、酸化型N
AD(P)類の濃度は酵素反応を行うのに十分な濃度で
あればよく、グルコースは0.5〜100mM程度好ま
しくは1〜50mM程度、NAD(P)類は0.5〜5
0mM程度、好ましくは1〜10mM程度とされ、マグ
ネシウムイオン、コバルトイオンまたはマンガンイオン
の濃度としては0.1〜50mM程度、好ましくは0.
5〜10mM程度である。
ぼさない適当な緩衝液、例えばトリス−塩酸緩衝液、リ
ン酸緩衝液、モノまたはジエタノールアミン緩衝液、グ
ッド緩衝液等を、例えばpH6〜11、好ましくはpH
6.5〜9の緩衝液を用いて行われる。またpH8〜1
1のアルカリ域の緩衝液を用いる場合にpHを安定化さ
せるために例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素マグネシウムや炭酸水素カルシウムなどの
炭酸水素イオンを放出し得る可溶性の炭酸化合物を10
〜500mM、好適には50〜200mMを含有するこ
とができる。また、測定手法は特に限定せず、エンドポ
イント法またはレートアッセイ法などの手法を適宜用い
ることができる。
成するかまたは形成されたADPを含有する生体試料が
挙げられ、例えば、血清、血漿、尿、髄液などが例示さ
れる。このような被検液としては通常2〜200μlを
用いて上記反応系によって反応を行うもので、反応温度
としては例えば15〜45℃、好ましくは20〜40℃
の反応温度条件で行えばよく、また、反応時間はエンド
ポイント法では、1〜60分間、好ましくは1〜10分
間、レートアッセイ法では反応時間が直線的に行われて
いる時間内、好ましくは、2〜3分間を計って測定す
る。
法により測定することができるが、通常、簡便かつ高精
度で測定することのできる吸光度測定法により行われ
る。測定波長は還元型NAD(P)類の種類によって適
宜選択され、好適には各還元型NAD(P)類の極大吸
収波長域の波長に基づいて行えばよく、例えば還元型N
AD(P)、還元型3アセチルNAD(P)、還元型デ
アミノNAD(P)などの場合には340nm、還元型
チオNAD(P)の場合には405nmの波長が選択さ
れる。また、還元型NAD(P)類の生成量の測定法と
して、インドニトロテトラゾニウム(INT)やニトロ
ブルーテトラゾニウム(NTB)等のテトラゾニウム塩
を用いて電子受容体としてフェナジンメトサルフェート
(PMS)やジアホラーゼ(EC 1.6.4.3)の
作用によりホルマザン色素を形成せしめ、このホルマザ
ン色素の呈色を測定する方法を用いてもよい。また、還
元型NAD(P)Hの蛍光を測定してもよい。
らかじめ存在するADPまたは第一反応液中に存在また
は第一反応で形成されたADPを消去せしめる工程に使
用するキナーゼ類はマグネシウムイオン、ADPおよび
その基質の存在下、ATPを生成する下記反応
れるものではなく、例えば表1、表2
に、詳しくは市販のピルビン酸キナーゼ(ベーリンガー
・マンハイム社製)、クレアチンキナーゼ(ベーリンガ
ー・マンハイム社製)または酢酸キナーゼ(シグマ社
製)等が挙げられ、好ましくはピルビン酸キナーゼがよ
い。ADPの消去反応工程において反応式6を触媒する
酵素、マグネシウムイオンおよびその基質の使用量とし
てはADPの消去反応が円滑に進行する量であればよ
く、消去工程における反応液中のADPの濃度、消去反
応時間、消去反応温度などにより、適宜調製されるが、
反応式7を触媒する酵素濃度は0.1〜100U/ml
程度、好ましくは、1〜50U/ml程度である。マグ
ネシウムイオンおよびその基質の濃度はADPの消去反
応を行うのに十分な濃度であればよく、0.5〜100
mM程度、好ましくは、0.5〜50mM程度である。
消去反応時間は1〜60分間、好ましくは1〜5分間程
度である。
応液に添加して、第二反応において消去用キナーゼ類が
作用しない状態にすることもできる。この時の阻害剤は
消去用キナーゼ類の活性を阻害し、かつ第二反応液に含
まれる酵素の活性を阻害しないものであればよく、例え
ば消去用キナーゼ類がピルビン酸キナーゼの場合は塩化
カルシウムまたはシュウ酸等が挙げられる。阻害剤の量
は消去用キナーゼ類の反応を阻害し、かつ第二反応液中
の酵素の活性に影響を及ぼさない量であればよく、例え
ば消去用キナーゼ類がピルビン酸キナーゼで、阻害剤が
塩化カルシウムまたはシュウ酸の場合は添加する量は
0.1〜100mM、好ましくは1〜10mM程度であ
る。
において、第一反応液はグリセロールキナーゼ、AT
P、マグネシウムイオンおよびADPの消去用キナーゼ
を含む反応液組成であり、第二反応液はリパーゼ、AD
P−HKおよびG6PDHを含む反応液組成である。A
DP−HKの基質となるグルコースおよびG6PDHの
補酵素の酸化型NAD(P)類は第一反応液または第二
反応液のどちらに含まれていてもよい。この時、リパー
ゼおよびグリセロールキナーゼの使用量としては反応が
円滑に進行する量であればよく、リパーゼは1〜500
0U/ml、好ましくは50〜2000U/mlであ
る。グリセロールキナーゼは0.1〜100U/ml、
好ましくは1〜50U/mlである。
液はクレアチンキナーゼ、ATP、マグネシウムイオン
およびADP消去用キナーゼを含む反応液組成であり、
第二反応液はクレアチニナーゼ、ADP−HKおよびG
6PDHを含む反応液組成である。ADP−HKの基質
となるグルコースおよびG6PDHの補酵素の酸化型N
AD(P)類は第一反応液または第二反応液のどちらに
含まれていてもよい。この時、クレアチニナーゼおよび
クレアチンキナーゼの使用量としては反応が円滑に進行
する量であればよく、クレアチニナーゼは1〜5000
U/ml、好ましくは50〜3000U/mlである。
クレアチニンを酵素サイクリング法にて測定する場合は
第一反応液はクレアチンキナーゼ、ATPマグネシウム
イオンおよびADPの消去用キナーゼ類を含む反応液組
成であり、第二反応液はクレアチニナーゼ、ADP−H
KおよびG6PDHを含む反応液組成である。
びG6PDHの補酵素の酸化型チオNAD(P)類およ
び還元型NAD(P)類は第一反応液または第二反応液
のどちらに含まれていてもよい。この時、酸化型チオN
AD(P)類および還元型NAD(P)類の量はサイク
リング反応が効率よく進行する量であればよく、酸化型
チオNAD(P)類の量は0.5〜10mM、好ましく
は1〜5mMである。還元型NAD(P)類の量は0.
05〜5mM、好ましくは0.1〜1mMである。
ADPの測定方法を例をもって具体的に説明するが、本
発明の方法はこれらに限定されるものでない。
02mlの酵素液を添加して10分間反応させる。反応
後、0.1N塩酸を2ml添加して反応を停止させ、5
分以内に層長1.0cmのセルを用いて、波長550n
mにおける吸光度を測定する(As)。また盲検として
酵素液のかわりに蒸留水0.02mlを用いて同一の操
作を行って吸光度を測定する(Ab)、この酵素使用の
吸光度(As)と盲検の吸光度(Ab)の吸光度差(A
s−Ab)より酵素活性を求める。酵素活性1単位は3
7℃で1分間に1μモルの還元型NADPを生成させる
酵素量とし、計算式は下記の通りである。 酵素活性(U/ml)=(As−Ab)×0.795×
酵素の希釈倍率 ADP−HKの取得 Pyrococcus・furiosus・DSM36
38の培養 培地組成 0.1% 酵母エキス 0.5% トリプトン 0.72% マルトース 2.39% NaCl 0.4% Na2 SO4 0.07% KCl 0.02% NaHCO3 0.01% KBr 0.03% H3 BO4 1.08% MgCl2 0.15% CaCl2 0.0025% SrCl2 0.025% NH4 Cl 0.014% K2 HPO4 0.1% CH3 COONa 0.0015% N(COOH)3 0.0005% MnSO4 0.0014% FeSO4 0.0002% NiCl2 0.0001% CoSO4 0.0001% ZnSO4 0.00001% CuSO4 0.000001% Na2 Wo4 0.000001% Na2 Mo4 0.1% システイン塩酸塩 上記培地成分を含む液体培地(pH7)500mlを5
00ml溶三角フラスコ10本に分注し、120℃、2
0分間、加熱滅菌した後、これにPyrococcus
・furiosus・DSM3638株の菌体懸濁液1
0mlを移植し、攪拌させながら、95℃で20時間培
養し、種培養液とした。上記培地成分を含む液体培地2
00l/300lタンクを滅菌した後、種培養液を移植
し、攪拌させながら、95℃で15時間培養し、5mU
/mlの培養液200lを得た。
を0.9%のNaClを含む20mMのトリス−塩酸緩
衝液(pH7.5)で1回洗浄した。洗浄菌体を20m
Mのトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)に懸濁して2l
に調整し、クボタ社製の超音波破砕機(INSONAT
OR 201M)を用いて180W、30分間処理し
て、菌体破砕液を得た。
心分離し、1.8l(酵素活性980U)の上清を得
た。この上清を透析チューブを用いて10mMのトリス
−塩酸緩衝液(pH7.5)8lに対して5℃で一夜透
析した後、10mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.
5)で緩衝化したDEAE−Sepharose FF
(ファルマシア社製)200ml(2.6×38cm)
のカラムに通し、0〜1モルのNaClのリニアグラジ
エントで溶出を行った。
l濃度で活性画分(950U)が溶出された。この得ら
れた活性画分に4MとなるようにNaClを溶解し、4
MのNaClで緩衝化されたPhenyl−Sepha
rose FF(ファルマシア社製)200ml(2.
638cm)のカラムに通し、4〜0MのNaClのリ
ニアグラジエントにより溶出を行った。その結果、0.
02から0.07モルのNaCl濃度で活性画分(90
0U)が得られた。
塩酸(pH7.5)8lに5℃、一夜透析した後、10
mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で緩衝化したヒ
ドロキシアパタイト(ペンタックス社製)100ml
(2.6×19cm)のカラムに通し、0〜0.5Mの
リン酸緩衝液(pH7.5)のリニアグラジエントによ
り溶出を行った。その結果、0.02〜0.03Mのリ
ン酸緩衝液濃度で活性画分(850U)が溶出された。
この酵素液を凍結乾燥して5mgの酵素粉末(170U
/mg)を得た。
であった。 ADP−HKの理化学的性質 (1)酵素作用 基質としてADP−HKを用いた酵素作用を以下に示
す。
0cm)を用いたゲル濾過法により測定したADP−H
Kの分子量は100000±5000であった。 (4)至適pHはpH6.0〜7.0(リン酸緩衝液)
であった。
とから高度好熱性酵素と認められた。
酵素反応系 反応液組成 50mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.5) 20mM グルコース 2mM ATP(ADP混在)(シグマ社製) 2mM MgCl2 0.5mM ホスホエノールピルビン酸 1mM 酸化型NADP 5U/ml G6PDH 上記反応液組成0.9mlに0、5、10、20、50
U/mlのピルビン酸キナーゼ溶液を0.1ml添加し
た後、37℃、5分間反応後、100U/mlのADP
−HKを0.05ml加え、37℃、5分間反応後、3
40nmの吸光度をADP−HKの代わりに精製水を対
照として測定し、その結果、最終濃度2U/mlのピル
ビン酸キナーゼでADPを完全に消去することができた
(図1)。次いで、この最終濃度5U/mlのピルビン
酸キナーゼで処理したADPが消去された反応液組成物
にクレアチンキナーゼを添加して、被検液としてクレア
チンを測定した結果、原点を通る良好な検量線が得られ
た。
逐次反応系 反応液組成 50mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.5) 20mM グルコース 2mM MgCl2 2mM ATP 5mM クレアチンリン酸 1mM 酸化型NADP 5U/ml G6PDH 上記反応液0.9mlに0、10、50、100、20
0U/mlのクレアチンキナーゼ溶液を0.1ml添加
した後、37℃、5分間反応後、100U/mlのAD
P−HKを0.05ml加え、37℃、5分間反応後、
340nmの吸光度をADP−HKの代わりに精製水を
対照として測定した。その結果、最終濃度20U/ml
のクレアチンキナーゼでADPを完全に消去することが
できた(図2)。
ロールを含む0、50、100、150、200mg/
dlのトリオレイン溶液を0.01ml添加した後、3
7℃、5分間反応させた後、第二反応液0.25mlを
加え、37℃、5分間反応後の340nmにおける吸光
度を精製水を対照として測定した。その結果、添加した
グリセロールの影響を受けずにトリオレインを定量する
ことができた(図3)。
チンを含む、0、0.2、0.4、0.6、0.8、
1、2、4、6、8、10mg/dlのクレアチニン溶
液を0.05ml添加した後、37℃、5分間反応させ
た後、第二反応液0.25mlを添加し、37℃、5分
間反応後の340nmの吸光度を精製水を対照として測
定した。その結果、添加したクレアチンの影響を受けず
にクレアチニンを定量することができた(図4)。
チンを含む、0、0.2、0.4、0.6、0.8、
1、2、4、6、8、10mg/dlのクレアチニン溶
液を0.05ml添加した後、37℃、5分間反応させ
た後、第二反応液0.25mlを添加し、37℃、5分
間反応後の400nmの吸光度を精製水を対照として測
定した。その結果、添加したクレアチンの影響を受けず
にクレアチニンを定量することができた(図5)。
チンを含む、0、0.2、0.4、0.6、0.8、
1、2、4、6、8、10mg/dlのクレアチニン溶
液を0.05ml添加した後、37℃、5分間反応させ
た後、第二反応液0.25mlを添加し、37℃、5分
間反応後の400nmの吸光度を精製水を対照として測
定した。その結果、添加したクレアチンの影響を受けず
にクレアチニンを定量することができた(図6)。ま
た、対象として上記第一反応液からピルビン酸キナーゼ
およびホスホエノールピルビン酸を除いた反応液を用い
て同様に操作した結果、ブランクの影響を受け原点を通
る良好な直線は得られなかった。
る生体試料等被検液についてADPの影響をうけずに簡
便にして高精度にADPを測定できたものである。
なピルビン酸キナーゼの酵素量を示す。
なクレアチンキナーゼの酵素量を示す。
量曲線を示す。
Pの増加量に基づいたクレアチニンの定量曲線を示す。
ADの増加量に基づいたクレアチニンの定量曲線を示
す。
基づいたクレアチニンの定量曲線を示す。
Claims (13)
- 【請求項1】 酵素反応を用いて被検液中のADPを生
成する酵素またはその基質の一方を測定する方法におい
て、被検液中にあらかじめ存在するADPまたは第一反
応液中に存在するかまたは第一反応で形成されるADP
を消去せしめる工程、第二反応にて形成されるADPを
下記反応式1 【化1】 に示される反応を触媒するADP依存性ヘキソキナーゼ
を作用させ、生成するグルコース−6−リン酸またはA
MPの量に基づいて測定する工程を含む測定法。 - 【請求項2】 ADPを消去せしめる工程が、被検液中
にあらかじめ存在するADPまたは第一反応液中に存在
するかまたは第一反応で形成されたADPをマグネシウ
ムイオン、ADPおよびその基質の存在下、ATPを生
成するキナーゼ類を用いて消去する請求項1記載の測定
法。 - 【請求項3】 キナーゼ類が、ピルビン酸キナーゼおよ
びクレアチンキナーゼのうちいずれか一つであるである
請求項2記載の測定法。 - 【請求項4】 第一反応液中に存在するADPが、AT
P中に混在するADPである請求項1記載の測定法。 - 【請求項5】 第一反応液中に存在するADPが、第一
反応液保存中にATPから酵素的または非酵素的に分解
されて遊離したADPである請求項1記載の測定法。 - 【請求項6】 第二反応によって形成されるADPがト
リグリセリドから形成されるADPであり、かつ第一反
応で形成されるADPがATPおよびマグネシウムイオ
ンの存在下、グリセロールにグリセロールキナーゼを作
用させて形成されるADPである請求項1記載の測定
法。 - 【請求項7】 第二反応で形成されるADPがクレアチ
ニンから形成されるADPであり、かつ第一反応で形成
されるADPがATPおよびマグネシウムイオンの存在
下、クレアチンにクレアチンキナーゼを作用させて、形
成されるADPである請求項1記載の測定法。 - 【請求項8】 生成するグルコース−6−リン酸の量の
測定が、酸化型補酵素の存在下、グルコース−6−リン
酸デヒドロゲナーゼを用いて生成される還元型補酵素の
量に基づいて測定する請求項1記載の測定法。 - 【請求項9】 酸化型補酵素が、酸化型(チオ)ニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)類である請
求項8記載の測定法。 - 【請求項10】 酸化型(チオ)ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチド(リン酸)類が、酸化型ニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチド、酸化型ニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチドリン酸、酸化型チオニコチンアミド
アデニンジヌクレオチドまたは酸化型ニコチンアミドア
デニンジヌクレオチドリン酸である請求項9記載の測定
法。 - 【請求項11】 還元型補酵素が、還元型(チオ)ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)類である
請求項8記載の測定法。 - 【請求項12】 還元型(チオ)ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチド(リン酸)類が、還元型ニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチド、還元型ニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチドリン酸、還元型チオニコチンアミド
アデニンジヌクレオチドまたは酸化型ニコチンアミドア
デニンジヌクレオチドリン酸である請求項11記載の測
定法。 - 【請求項13】 生成するグルコース−6−リン酸の量
の測定が、酸化型チオNAD(P)および還元型NAD
(P)を用いたサイクリング反応を用いて測定する請求
項1記載の測定法。
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