JP3012356B2 - フルクトキナーゼの製造法 - Google Patents
フルクトキナーゼの製造法Info
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Description
よく製造する方法に関し、さらに詳細には、シュードモ
ナス属に属する細菌を使用して特性がすぐれたフルクト
キナーゼを効率よく製造する方法に係わる。
に重要な物質である。たとえば食品分野において、フル
クトースは一般に多量のグルコースと共存しており、果
糖、あるいは転化糖として大量に消費されており、ま
た、農業分野においては果実の甘みの指標になり、製品
の品質の評価の項目とされている。また、健常人の血清
には通常0.06mMのフルクトースが存在している。通
常、グルコースはフルクトースの50〜100倍量存在
している。しかして、このフルクトースは、人の健康状
態を把握−たとえば糖尿病のモニタリング−するための
重要な因子の1つとされている。従って、フルクトース
を正確に定量することが重要である。
thods of Enzymatic Analysis 〔Second Edition〕, Ve
rlag Chemie Weinheim AcademicPress , Inc. , 1305-1
307”に記載されている方法で測定されている。しかし
てこの方法は下記の原理によるものである。すなわち、 (1)HK(ヘキソキナーゼ)の作用によって、D−フ
ルクトースとATP(アデノシン三りん酸)とからF6
P(D−フルクトース6−りん酸)およびADP(アデ
ノシン二りん酸)とが生成せしめられる。 (2)PGI(ホスホグルコースイソメラーゼ)の作用
によって、前記(1)のF6PはG6P(D−グルコー
ス6りん酸)に変換せしめられる。 (3)G6PDH(D−グルコース6−ホスホデヒドロ
ゲナーゼ)の作用により、前記(2)のG6PとNAD
P+ (ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドりん酸)
とからD−グルコノ−δ−6−りん酸(D-glucono-δ-l
actone 6-phospate)、NADPH(還元型ニコチンア
ミドアデニンジヌクレオチドりん酸)およびH+ (水素
イオン)を生成せしめる。 (4)前記(3)のNAPDHを、NADPHの最大吸
収波長である340nmの吸光度によって、フルクトース
の量を求める。また、ヘキソキナーゼの1種としてフル
クトキナーゼが知られている。フルクトースをりん酸化
する酵素は、フルクトキナーゼまたはD−フルクトース
6−ホスホトランスフェラーゼ(D−fructose6−phos
photransferase) とも称され、酵素番号EC2.7.
1.4の酵素であり、Mg2+の存在下で、D−フルクトー
スおよびATPからD−フルクトース6−りん酸および
ADPを生成させる反応を触媒する酵素である。フルク
トキナーゼの生産菌としては(1)Streptomyces violacer
uber〔Sabater,B., Sebastian, J. & Asensio, C.(197
2)Biochem.Biophys.Acta, 284, 414-420〕, (2)Leucono
stoc mesenteroides〔Anderson, R.L. & Sapico, V.L.
(1975)Meth.Enzymol. 42, 39-43〕, (3)Streptococcus
faecalis 〔Moore, L.D.& O′Kane, D.J.(1963)J.Bacte
riol. 86, 766-772〕, (4)Aerobacter aerogenes 〔Kel
ker, N.E. & Hanson, T.E.(1970)J.Biol.Chem. 8, 2060
-2065〕, および(5)Echinococcus granulosus〔マメ;C
hen.M. & Whisteler, R.L.(1977)Adv.Carbohtdr.Chem.
& Biochem. 34, 285-343 〕などが知られている。
フルクトースの定量にあたり、フルクトース検体には前
記したように一般に、フルクトースに比べ多量のグルコ
ースが共存している。従来の一般に入手し得るフルクト
キナーゼを使用した技術では検体中の基質としてフルク
トース以外にグルコースにも該酵素が作用し、かつ常に
フルクトースに比べて50〜100倍量存在するグルコ
ースによるブランクの高い測定になってしまい、大きな
誤差が生じるばかりかフルクトースの測定が困難な場合
も多かった。また前記の生産菌から得られたフルクトキ
ナーゼは性能が劣り、たとえば、Streptomycess violac
eruberからのフルクトキナーゼは安定性が悪く、0〜4
℃で2週間で完全に失活してしまい、また、Leuconosto
c mesenteriodes からのフルクトキナーゼはフルクトー
スに対する特異性が低く、フルクトースに対すると同様
にマンノースにも作用するなどにより、末だ実用に供さ
れているものは見当らない。もしも、フルクトースに対
する特異性が高く、他の糖類には実質的に作用せず、り
ん酸化の活性が高く、各種安定性のよいすぐれた特性を
有するフルクトキナーゼを見出し、これを容易に効率よ
く生産できれば、このようなフルクトキナーゼを使用す
ることでブランクのない、誤差を生じにくいフルクトー
ス測定系を組み立てることが可能となる。
ースに対する基質特異性が高く、安定性に優れたフルク
トキナーゼを生産する微生物を見出すべく広く自然界か
らスクリーニングしたところ、熊本県熊本市の畑土壌よ
り分離したシュードモナス・エスピー・No. 921が目
的とする性質を有する酵素を生産していることを発見
し、本発明を完成させたものである。即ち、本発明は、
シュードモナス属に属するフルクトキナーゼ生産菌を培
養して得られた培養物からフルクトキナーゼを採取する
ことを特徴とするフルクトキナーゼの製造法を提供する
ものである。本フルクトキナーゼ生産菌はシュードモナ
ス属に属するものであって、例えば、本発明者らが分離
したNo. 921菌株は本発明に最も有効に利用される菌
株の一例である。なお、本菌株の同定であたっては、同
定実験は「医学細菌同定の手引き(第2版)197
4」、“Microbiological Methods(第3巻)”に準じて
行い、DNAのGCmol%の測定はフェノール法で精製
したDNAをヌクレアーゼP1で処理しDEAEカラム
を用いたHPLCで測定した。 キノンの分析は「新し
い分類学に伴走する細菌同定法」に準じてキノンを精製
しHPLCで分析した。生育温度テスト以外には、培養
は28〜30℃で行なった。 実験結果を“Bergey′sM
anual of Determinative Bacteriology(8版)、Berge
y′s Manual of Systematic Bacteriology Vol.1(1
984)、同誌、Vol.2(1986)”などと対比して
同定を行った。なお、シュードモナス・エスピー・No.
921は微工研条寄第3310号(FERM BP−3
310)として通商産業省工業技術院微生物工業技術研
究所に寄託されている。
菌学的性質を示す。すなわち、 1)生育の特徴 普通寒天斜面培地 線状に良好に生育する。半光沢で、灰白色〜淡黄土色を
呈する。可溶性色素は産生しない。 普通寒天平面培地 縁はなめらかで丸い平らな集落を形成する。灰白色〜淡
黄土色を呈する。可溶性色素は産生しない。 液体培地(ペプトン水) 生育は弱いが、一様に混濁する。リトマスミルク培地 変化しない。 2)DNAのGCmol % 64.5±1.0mol %(DEAEカラムを用いたHPLC
分析) 3)主たるイソプレノイドキノン Q8 4)形態の特徴 端の丸い、まっすぐかまたはやや曲がった桿状細菌で、
極毛で運動する。大きさは0.5×1.5〜2.0μmで、芽
胞は形成しない。配列は単独、二連たまに短連鎖。 5)生理・生化学的性状 グラム染色 − KOH反応 + 抗酸性染色 − カプセル形成 − OFテスト(Hugh-Leifson) 0 OFテスト(N源にNH4H2PO4) 0 好気での生育 + 嫌気での生育 − 生育温度 37℃ − 30℃ + 20℃ + 10℃ NT 食塩耐性 0% + 1.0% (+) 3.0% − 生育pH 4.7 + 9.0 + 10.0 − ゲラチン分解 + デンプン分解 + カゼイン分解 −(生育しない) エスクリン分解 − セルロース分解 − チロシン分解 − Tween 80の分解 − アルギニン分解 + カタラーゼ産生 + オキシダーゼ産生 − レシチナーゼ産生 − ウレアーゼ産生(SSR) − ウレアーゼ産生(Chris.) − インドール産生 − 硫化水素産生(lead acetate paper) − アセトイン産生(K2HPO4) − アセトイン産生(NaCl) − MRテスト − 硝酸塩還元テスト(ガス産生) − (No2 - の検出) − (No3 - の検出) + シモンズ培地での利用性 クエン酸塩 − リンゴ酸塩 − マレイン酸塩 − マロン酸塩 − プロピオン酸塩 − グルコン酸塩 − コハク酸塩 − クリステンゼン培地での利用性 クエン酸塩 − リンゴ酸塩 − マレイン酸塩 − マロン酸塩 − プロピオン酸塩 − グルコン酸塩 − コハク酸塩 − グルコースよりガスの産生 − 糖より酸の産生 アドニトール + L(+)−アラビノース + セロビオース − ズルシトール − メソーエリスリトール − フルクトース − D−ガラクトース + D−グルコース + グリセリン − イノシトール + イヌリン − ラクトース − マルトース − マンニトール + マンノース + メレジトース − メリビオース − ラフィノース − L(+)−ラムノース + D−リボース + サリシン − L−ソルボース + ソルビトール + スターチ − サッカロース − トレハロース + D−キシロース +
同定について記載する。すなわち、 1)主性状 グラム陰性の桿状細菌で極毛で運動する。グルコースを
酸化的に分解し酸を産生する。オキシダーゼ非産生。カ
タラーゼ産生。DNAのGCmol %は64.5±1.0%。
主たるキノンはQ8 。 2)同定 No. 921は好気性のグラム陰性桿状細菌で運動性(極
毛)があることから、Pseudomonas 科のPseudomonas
属、Xanthomonas 属およびGluconobacter 属のいずれか
に属する。各属の鑑別表を記する。 No.921 Pseudomonas Xanthomonas Gluconobacter 色素産生 W W,G,Y Y W オキシダーゼ − +(−) − − カタラーゼ + + + + pH4.5での生育 − − − − キノン Q8 Q8,9,10 Q8 Q10 DNA のGCmol % 64.5 58〜70 63〜71 56〜64 W:白色、 G:灰色、 Y:黄色 No. 921はpH4.5での生育性、色素産生性、キノン型
によりPseudomonas 属に属するものと同定した。DNA
のGCmol %が64±5%の菌種を選んで諸性状を対比
したが、性状がよく一致する菌種の記載はなく種の確定
はできなかった。よってNo. 921を、Pseudomonas s
p. No. 921と命名し、工業技術院微生物工業技術研
究所に寄託した。
説明する。すなわち、本発明においては、先ずシュード
モナス属に属するフルクトキナーゼ生産菌が適当な培地
で培養される。前記のフルクトキナーゼ生産菌の代表例
としては、前記のシュードモナス・エスピー・No. 92
1が挙げられる。細菌の一般的性状として菌学上の性質
は自然にまたは人工的に変異し得るものである。従って
自然的にあるいは、通常行われる紫外線照射、放射線照
射または変異誘導剤、例えばN−メチル−N−ニトロ−
N−ニトロソグアジニンまたはエチルメタンスルホネー
トなどを用いる人工的変異手段により本菌株を変異させ
て得られる人工変異株は勿論、自然変異株も含めシュー
ドモナス属に属し、採取し得る量でフルクトキナーゼを
生産する能力を有する変異株または変種もすべて本発明
に使用することができる(これらを総括して本細菌と記
すこともある)。
られる条件によって行うことができる。培地としては、
本細菌が同化し得る炭素源、消化し得る窒素源、さらに
必要に応じて無機塩などを含有させた栄養培地が使用さ
れる。本細菌が同化し得る炭素源としては、グルコー
ス、フルクトース、サッカロースおよびマンノースなど
が単独、または組み合わせて用いられる。本細菌が同化
し得る窒素源としてはペプトン、肉エキス、酵母エキス
およびマルトエキスなどが単独、または組み合わせて用
いられる。その他、必要に応じて無機塩、金属塩などが
使用される。前記以外に本細菌が同化し得る炭素源、同
化し得る窒素源が使用できることは言うまでもない。培
養は通常、振とうまたは通気撹拌培養などの好気的条件
下で行うのがよく、工業的には深部通気撹拌培養が好ま
しい。培養温度はフルクトキナーゼ生産菌が発育し、本
酵素を生産する範囲内で適宜変更し得るが、通常は15
〜32℃、特に28℃付近が好ましい。培養時間は培養
条件によって異なるが、本酵素が最高力価に達する時期
を見計らって適当な時間に培養を停止すればよく、通常
は1〜2日間程度である。発泡があるときにはシリコン
油などの消泡剤が適宜使用される。フルクトキナーゼ
は、一般にこの様にして得られた本細菌の主として菌体
内に含有されているので、得られた培養液から濾過また
は遠心分離等の常法によって集菌し、これらの菌体を超
音波処理、フレンチプレス処理、ガラスビーズ処理等の
機械的破壊手段やリゾチーム等の酵素的溶解等の種々の
方法を適宜単独、あるいは組み合わせて粗製のフルクト
キナーゼ含有液が得られる。
知の蛋白質、酵素の精製手段を用いることにより精製さ
れたフルクトキナーゼを得ることができる。例えば粗製
のフルクトキナーゼ含有液に硫安を添加して硫安沈殿に
より本酵素を回収し、さらにその後必要に応じて分子
篩、各種クロマトグラフィー法を適宜組み合わせて精製
すればよい。こうして得られた精製酵素は、必要に応じ
てサッカロースおよびマンニトールなどの糖類、牛血清
アルブミンなどの蛋白質類等の安定化剤が添加され、凍
結乾燥によりフルクトキナーゼの粉体を得ることができ
る。
(以下 本酵素 と記す)の性状は以下のとうりであ
る。すなわち、 (1)酵素作用 下記式に示すようにMg2+の存在下で、D−フルクトース
およびATPからD−フルクトース6−りん酸およびA
DPを生成させる反応を触媒する。
して存在した基質(未同定)との反応結果か、又は、マ
ンノースに対して相対活性0.1%を示した結果かは判定
し得なかったが、フルクトースの定量時において実質的
に影響を及ぼさないことが考察される。
cm)による値である。溶出液;0.2M NaCl含有0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH7.0)。標準蛋白としてオリエンタル酵
母社製の次のマーカーを使用した。 分子量 12,400 シトクロームC 32,000 アデニレイトキナーゼ 67,000 エノラーゼ 142,000 ラクテイトデヒドロゲナーゼ 290,000 グルタメイトデヒドロゲナーゼ
電気泳動法により4℃、700Vの定電圧で40時間通
電した後、分画し、各画分の酵素活性を測定した。
ーマンハイム山ノ内社製) 20U/ml グルコース6−りん酸デヒドロゲナーゼ
(東洋醸造社製) 1mM NADP+ 5mM MgCl2 および 0.025 % ニトロテトラゾリウムブルー(和光純薬社
製) を含む反応液中でATPの濃度を変化させて、ATPに
対するKm値を測定した結果では0.71mMの値を示した。
一方、前記反応液中で30mMフルクトースの代わりに1
0mM ATPを添加し、D−フルクトースの濃度を変化
させて、D−フルクトースに対するKm値を測定した結果
では1.0mMを示した。
8.0)で調製し、各温度で15分間加熱処理後、その残
存活性を後記の酵素活性測定法に従って測定した。その
結果は図1に示されるとうりであって、酵素活性は40
℃までは安定であった。
ルクトース、10mMATPおよび5mM MgCl2で調製した
反応液1mlに本酵素(1U/ml)10μlを添加し、3
0、35、40、45、50および55℃のそれぞれの
温度で15分間反応させた後、直ちにアミコンセントリ
フローCF25(アミコン社製)を用いて2℃で限外濾
過を行って濾液を得、この濾液中のD−フルクトース6
−りん酸を後記の反応液を用いて測定した。その結果
は、図2に示されるとうりであって、45°において最
も活性が高かった。 反応液 100mM トリス塩酸緩衝液(pH8.0) 0.2% 牛血清アルブミン 5U/ml ジアホラーゼ 5U/ml ホスホグルコースイソメラーゼ 20U/ml グルコース6−りん酸デヒドロゲナーゼ 1mM NADP+ および 0.025% ニトロテトラゾリウムブルー 前記の反応液1mlに濾液を0.05ml添加し、37℃で5
分間反応させた後に、0.1N塩酸を2ml添加して反応を
停止させ、550nmにおける吸光度を測定した。
〜6.0 白抜三角で表示)、りん酸緩衝液(pH6.0〜8.
0 白抜円で表示)およびトリス塩酸緩衝液(pH8.0〜
10.0黒円で表示)の各緩衝液で調製し、40℃で15
分間加熱処理した後、その残存活性を後記の酵素活性測
定法に従って測定した。その結果は図3に示されるとう
りであって、pH6.5〜8.0の範囲で95%以上の活性を
保持していた。
示)、りん酸緩衝液(pH,6.0,6.5,7.0,7.5,8.
0 白抜円で表示)およびトリス塩酸緩衝液(pH,8.
0,8.5,9.0,9.5 黒円で表示)の各緩衝液で調製
した反応液に本酵素を添加し、37℃で反応させた後、
0.1N塩酸2mlで反応を停止させ、550nmにおける吸
光度を測定した結果は図4に示されるとうりであって、
pH7付近で最も活性が高かった。
2価の金属の塩酸塩を添加して、酵素活性を測定した結
果、MnCl2 がMgCl2 の8.2%を示しただけで他の金属イ
オンは作用しなかった。 金属塩 相対活性 none 0% MgCl2 100 BaCl2 0 CaCl2 0 MnCl2 8.2 ZnCl2 0 NiCl2 0 CuCl2 0 CoCl2 0
で本酵素液(5U/ml)を調製し、5℃における保存安
定性の検討を行った。その結果は図5に示されるとうり
であって3週間で96%、6週間でも91%の高い活性
を保持していた。
ーマンハイム山ノ内社製) 20U/ml グルコース6−りん酸デヒドロゲナーゼ
(東洋醸造社製) 0.025% ニトロテトラゾリウムブルー(和光純薬社
製) 2.活性測定法 前記の反応液1mlを小試験菅に入れ、37℃で2分間イ
ンキュベイトした後に、適当に希釈した酵素液を0.02
ml添加して反応を開始させる。正確に10分間インキュ
ベイトした後に、0.1N塩酸2.0mlを添加して反応を停
止させ、A550n m を測定して吸光度A1 を求める。この
とき同時に酵素無添加のものをブランクとし吸光度A0
を求める。 3.計算式 U/ml= (A1-A0)/19.3 × 1/10 × 3.02 /0.02 × Z 式中、19.3;分子吸光係数cm2 /μmol 、Z;希釈倍
率
するが、これにより本発明を限定するものではない。 実施例1 〔シュードモナス・エスピー・No. 921の培養〕ポリ
ペプトン1%、酵母エキス0.5%、カザミノ酸1%、マ
ルトエキス1%、マンノース1%、KH2PO40.3%および
MgSO4 ・7H2O 0.05%を含む液体培地(pH7.0)10
0mlを、500ml容三角フラスコ20本に分注し、12
0℃で20分間加熱滅菌した後、これにシュードモナス
・エスピー・No. 921の菌体1白金耳を接種し、28
℃で120r.p.m.の振とう培養器で40時間培養し、酵
素活性0.1U/mlの培養物1.9Lを得た。
遠心分離して集菌し、得られた菌体を20mMトリス塩酸
緩衝液1L(pH8.0)で一回洗浄した。洗浄した菌体を
20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に懸濁して50mlに
調製し、クボタ社製の超音波破砕器(INSONATOR 201M)
を用いて180W、10分間で破砕して破砕液を得た。
この破砕液から15,000r.p.m.、20分間の遠心分離で4
2ml(酵素活性3.5U/ml)の上清を得た。この上清に
硫安11gを溶解し、生じた沈殿物を遠心分離して除去
し、得られた上清に再び硫安8gを溶解し、生じた沈殿
物を遠心分離し、得られた沈殿物を20mMトリス塩酸緩
衝液(pH8.0)20mlで溶解し、これを透析チューブを
用いて20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)2Lに対して
1晩透析し、25mlの酵素液(酵素活性4.7U/ml)を
得た。得られた酵素液を20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.
0)で緩衝化したDEAE−セファロースCL−6B
(ファルマシア社製)50mlのカラムに通し、0.2M塩
化カリを含む20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)1Lを
流し、次いで0.3M KClを含む20mMトリス塩酸緩衝液
(pH8.0)で溶出し、酵素液100ml(酵素活性1.2U
/ml)を得た。得られた酵素液を20mMトリス塩酸緩衝
液(pH6.5)5Lに対して一晩透析した。透析して得た
酵素液を20mMトリス塩酸緩衝液(pH6.5)で緩衝化し
たブルーセファロースCL−6B(ファルマシア社製)
5mlのカラムに通し、通過液110ml(酵素活性1.0U
/ml)を得た。この通過液中にはコンタミ酵素としての
ヘキソキナーゼ、NADHオキシダーゼ、乳酸デヒドロ
ゲナーゼが全く存在しなかった。この通過液をアミコン
セントリフローCF25(アミコン社製)を用いて濃縮
し、2ml(酵素活性54U/ml)の酵素液を得た。
素) 5U/ml ホスホグルコースイソメラーゼ 20U/ml グルコース6−りん酸デヒドロゲナーゼ 5mM ATP 1mM NADP+ 5mM MgCl2 前記の反応液を調製し、これを小試験管に1mlづつ分注
し、37℃で2分間インキュベイトした後に、1、2、
3、4、5mMにそれぞれ調製したD−フルクトース液を
それぞれ10μl添加し、37℃で10分間インキュベ
イトした後に生成されたNADPHのA340nm の吸光度
を測定した。このときD−フルクトース無添加のものを
ブランクとして測定し、このブランクを差し引いたΔA
340nm の結果は図6に示されるとうりであって、原点を
通る直線を示しており、ほぼ理論量のD−フルクトース
6−りん酸が生成されていた。
異性が高く、他の糖類には実質的に作用せず、りん酸化
の活性が高く、各種安定性のよいすぐれた特性を有する
フルクトキナーゼが容易に、効率よく得られる。また、
このようにして得られたフルクトキナーゼを使用するこ
とにより、多量な他の糖類の共存下でもフルクトースを
正確に、しかも容易に定量することが可能となり、本発
明の産業上の価値は極めて高い。
ラフである。
きの検量線を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 シュードモナス属に属するフルクトキナ
ーゼ生産菌を培養し、得られた培養物からフルクトキナ
ーゼを採取することを特徴とするフルクトキナーゼの製
造法。 - 【請求項2】 シュードモナス属に属するフルクトキナ
ーゼ生産菌が、シュードモナス・エスピー・No. 921
(FERM BP−3310)である請求項1記載の製
造法。
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JP12295291A JP3012356B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | フルクトキナーゼの製造法 |
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JP12295291A JP3012356B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | フルクトキナーゼの製造法 |
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1991
- 1991-04-26 JP JP12295291A patent/JP3012356B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Journal of Basic Microbiology,Vol.31,No.1,(June 21,1991:JICSTの資料受入日)、P.75−79 |
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