JPH0556798A - α−アミラーゼ測定方法 - Google Patents
α−アミラーゼ測定方法Info
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- JPH0556798A JPH0556798A JP24477691A JP24477691A JPH0556798A JP H0556798 A JPH0556798 A JP H0556798A JP 24477691 A JP24477691 A JP 24477691A JP 24477691 A JP24477691 A JP 24477691A JP H0556798 A JPH0556798 A JP H0556798A
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- amylase
- glucose
- fructokinase
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 フルクトースを末端に含むマルトオリゴ糖を
基質に用いたα−アミラーゼ測定方法であって、フルク
トースに基質特異性の高い新規フルクトースキナーゼT
を作用させることからなる。 【目的】 臨床検査の分野に有用な高精度のα−アミラ
ーゼの測定方法を提供すること。 【効果】 試料中のグルコースの影響を受けず、また波
長340nmを選択することにより試料中のビリルビン
やヘモグロビンの影響を受けることもないので精度の高
いものである。また吸光度の上昇反応を採用することに
より、測定範囲を広くとることができる。さらに、無機
リンの添加が不要であるため、α−アミラーゼ活性化剤
であるカルシウムイオンを添加しても沈殿ができないの
で自動分析装置へも適応できる。
基質に用いたα−アミラーゼ測定方法であって、フルク
トースに基質特異性の高い新規フルクトースキナーゼT
を作用させることからなる。 【目的】 臨床検査の分野に有用な高精度のα−アミラ
ーゼの測定方法を提供すること。 【効果】 試料中のグルコースの影響を受けず、また波
長340nmを選択することにより試料中のビリルビン
やヘモグロビンの影響を受けることもないので精度の高
いものである。また吸光度の上昇反応を採用することに
より、測定範囲を広くとることができる。さらに、無機
リンの添加が不要であるため、α−アミラーゼ活性化剤
であるカルシウムイオンを添加しても沈殿ができないの
で自動分析装置へも適応できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として臨床検査の分野
で利用される生体試料に含まれるα−アミラーゼの新規
な測定方法に関する。
で利用される生体試料に含まれるα−アミラーゼの新規
な測定方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来より臨床検査での生体試料である血
清、血漿、尿などに含まれるα−アミラーゼの測定は、
膵疾患や耳下腺炎などの検査マーカーとして知られてい
る。α−アミラーゼの測定方法には種々のものがある
が、古くはSomogyらによる澱粉を基質に用いた方法があ
った。しかし、この方法は測定精度が悪いため、現在は
色原体としてp−ニトロフェノールを結合させたマルト
オリゴ糖誘導体を基質として用いた方法がよく使用され
ている。これによると、反応速度論的な分析が可能であ
り、自動分析装置へも適用できる利点がある。しかし、
p−ニトロフェノールの測定波長である400nm付近
は試料中のビリルビンやヘモグロビンの吸収とも重なる
ため、これらが測定に影響するという問題点がある。
清、血漿、尿などに含まれるα−アミラーゼの測定は、
膵疾患や耳下腺炎などの検査マーカーとして知られてい
る。α−アミラーゼの測定方法には種々のものがある
が、古くはSomogyらによる澱粉を基質に用いた方法があ
った。しかし、この方法は測定精度が悪いため、現在は
色原体としてp−ニトロフェノールを結合させたマルト
オリゴ糖誘導体を基質として用いた方法がよく使用され
ている。これによると、反応速度論的な分析が可能であ
り、自動分析装置へも適用できる利点がある。しかし、
p−ニトロフェノールの測定波長である400nm付近
は試料中のビリルビンやヘモグロビンの吸収とも重なる
ため、これらが測定に影響するという問題点がある。
【0003】最近、マルトオリゴ糖の末端をフルクトー
スで修飾した基質を用いた方法が報告されている(特開
昭63−129997号公報、特開平2−177900
号公報)。前者はα−アミラーゼの作用後、αーグルコ
シダーゼを作用させ、生じたフラクトースにマンニトー
ル脱水素酵素の存在下でNADHをNADに変化させる
方法である。この方法は試料中の内因性のグルコースの
影響を受けることがなく、また更に波長340nmで測
定するために試料中のビリルビンやヘモグロビンの影響
を受けることもないが、吸光度の減少を測定するために
測定範囲が狭いという問題点がある。後者は、生じたフ
ルクトースをシュークロースホスフォリラーゼ以下酵素
共役反応によりNAD(P)がNAD(P)Hに変化す
るのを測定する方法である。この方法は前者の問題が改
善できたと言われているが、当該反応には無機リンを成
分として加えているためにα−アミラーゼの活性化剤で
あるカルシウムイオン(Ca++)を添加するとリン酸カ
ルシウムが形成されるが、これは不溶性のため測定に影
響を与えるという問題点がある。
スで修飾した基質を用いた方法が報告されている(特開
昭63−129997号公報、特開平2−177900
号公報)。前者はα−アミラーゼの作用後、αーグルコ
シダーゼを作用させ、生じたフラクトースにマンニトー
ル脱水素酵素の存在下でNADHをNADに変化させる
方法である。この方法は試料中の内因性のグルコースの
影響を受けることがなく、また更に波長340nmで測
定するために試料中のビリルビンやヘモグロビンの影響
を受けることもないが、吸光度の減少を測定するために
測定範囲が狭いという問題点がある。後者は、生じたフ
ルクトースをシュークロースホスフォリラーゼ以下酵素
共役反応によりNAD(P)がNAD(P)Hに変化す
るのを測定する方法である。この方法は前者の問題が改
善できたと言われているが、当該反応には無機リンを成
分として加えているためにα−アミラーゼの活性化剤で
あるカルシウムイオン(Ca++)を添加するとリン酸カ
ルシウムが形成されるが、これは不溶性のため測定に影
響を与えるという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように臨床検査
においてα−アミラーゼを測定するための従来の方法に
は種々の問題が残っている。そのため膵疾患などを正し
く診断する上での障害ともなっている。本発明の目的は
このような問題点を改良したα−アミラーゼの測定方法
を提供することであり、かくして臨床検査を迅速しかつ
正確に行うことが可能となる。
においてα−アミラーゼを測定するための従来の方法に
は種々の問題が残っている。そのため膵疾患などを正し
く診断する上での障害ともなっている。本発明の目的は
このような問題点を改良したα−アミラーゼの測定方法
を提供することであり、かくして臨床検査を迅速しかつ
正確に行うことが可能となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、α−アミラーゼの測定にフルクトースを末端に
含むマルトオリゴ糖を基質として用いる方法について鋭
意研究を重ねた結果、試料と当該基質との反応によって
生じたフルクトースに、本願出願人が見出した新規なフ
ルクトキナーゼTを作用させることにより、従来の問題
点が解決できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
に鑑み、α−アミラーゼの測定にフルクトースを末端に
含むマルトオリゴ糖を基質として用いる方法について鋭
意研究を重ねた結果、試料と当該基質との反応によって
生じたフルクトースに、本願出願人が見出した新規なフ
ルクトキナーゼTを作用させることにより、従来の問題
点が解決できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち、本発明は、式(I)
【化4】 (式中、Aは式(II)
【化5】 または式(III)
【化6】 で表される基を、nは4〜15の整数を、R1 〜R4 は
それぞれ水素原子、低級アルキル基、または−(CH2)
m COOM(mは0、1または2、Mは水素原子または
アルカリ金属を示す)を、X1 〜X4 はそれぞれOまた
はSを、Z1 およびZ2 はそれぞれ水素原子またはリン
酸基を表わす)で表される少なくとも一種のマルトオリ
ゴ糖と試料とをグルコシダーゼの共存下に接触させて生
じたフルクトースにフルクトキナーゼTを作用させ、生
じた成分を測定することを特徴とするα−アミラーゼ測
定方法である。
それぞれ水素原子、低級アルキル基、または−(CH2)
m COOM(mは0、1または2、Mは水素原子または
アルカリ金属を示す)を、X1 〜X4 はそれぞれOまた
はSを、Z1 およびZ2 はそれぞれ水素原子またはリン
酸基を表わす)で表される少なくとも一種のマルトオリ
ゴ糖と試料とをグルコシダーゼの共存下に接触させて生
じたフルクトースにフルクトキナーゼTを作用させ、生
じた成分を測定することを特徴とするα−アミラーゼ測
定方法である。
【0007】本発明において式(I)で表されるマルト
オリゴ糖は基質として使用されるものである。式(I)
において、R1 〜R4 で表される低級アルキル基は直鎖
状または分岐状のいずれでもよく、その好ましい炭素数
は1〜4である。また、Mで表されるアルカリ金属とし
てナトリウム、カリウムなどが例示される。
オリゴ糖は基質として使用されるものである。式(I)
において、R1 〜R4 で表される低級アルキル基は直鎖
状または分岐状のいずれでもよく、その好ましい炭素数
は1〜4である。また、Mで表されるアルカリ金属とし
てナトリウム、カリウムなどが例示される。
【0008】式(I)において、非還元末端であるA部
分は、未置換グルコースでもよいし、またグルコースの
4位および/または6位が置換されたものでもよい(即
ち、前記式(II) で表される基)、さらにはグルコース
の4位と6位とが一緒になってアルキレン橋を形成して
いるものでもよい(即ち、前記式(III)で表される
基)。
分は、未置換グルコースでもよいし、またグルコースの
4位および/または6位が置換されたものでもよい(即
ち、前記式(II) で表される基)、さらにはグルコース
の4位と6位とが一緒になってアルキレン橋を形成して
いるものでもよい(即ち、前記式(III)で表される
基)。
【0009】このように、一般式(I)において、A部
分は無修飾(未置換)および修飾(置換)されたグルコ
ースのいずれをも包含するものであるが、本発明におい
ては、修飾グルコースであることが好ましい。けだし、
マルトオリゴ糖からなる基質において、非還元末端がグ
ルコース自体であると、α−アミラーゼ活性測定時に使
用する共役酵素であるグルコシダーゼが一部の非還元末
端のグルコースを切断し、α−アミラーゼ活性測定に誤
差を与えてしまう危険性があるのであるからである。も
ちろん、無修飾(未置換)のものであっても好適に本発
明に使用しえるものであることはいうまでもない。
分は無修飾(未置換)および修飾(置換)されたグルコ
ースのいずれをも包含するものであるが、本発明におい
ては、修飾グルコースであることが好ましい。けだし、
マルトオリゴ糖からなる基質において、非還元末端がグ
ルコース自体であると、α−アミラーゼ活性測定時に使
用する共役酵素であるグルコシダーゼが一部の非還元末
端のグルコースを切断し、α−アミラーゼ活性測定に誤
差を与えてしまう危険性があるのであるからである。も
ちろん、無修飾(未置換)のものであっても好適に本発
明に使用しえるものであることはいうまでもない。
【0010】修飾された非還元末端としては、前記式
(II) および式(III)において、下記に示すような基が
好適なものとして例示される。 (a)式(II) に関して: 基1: X1 =O X2 =O R1 =CH3 R2
=CH3 基2: X1 =O X2 =O R1 =CH3 R2
=H 基3: X1 =O X2 =S R1 =H R2 =C
2 H5 基4: X1 =S X2 =S R1 =CH3 R2
=CH3 基5: X1 =S X2 =O R1 =CH3 R2
=H 基6: X1 =S X2 =S R1 =H R2 =C
H3 基7: X1 =O X2 =O R1 =COOH R2
=CH3
(II) および式(III)において、下記に示すような基が
好適なものとして例示される。 (a)式(II) に関して: 基1: X1 =O X2 =O R1 =CH3 R2
=CH3 基2: X1 =O X2 =O R1 =CH3 R2
=H 基3: X1 =O X2 =S R1 =H R2 =C
2 H5 基4: X1 =S X2 =S R1 =CH3 R2
=CH3 基5: X1 =S X2 =O R1 =CH3 R2
=H 基6: X1 =S X2 =S R1 =H R2 =C
H3 基7: X1 =O X2 =O R1 =COOH R2
=CH3
【0011】(b) 式(III)に関して: 基8 :X3 =O X4 =O R3 =CH3 R4
=H 基9 :X3 =O X4 =S R3 =H R4 =C
H3 基10:X3 =S X4 =O R3 =H R4 =C
2 H5
=H 基9 :X3 =O X4 =S R3 =H R4 =C
H3 基10:X3 =S X4 =O R3 =H R4 =C
2 H5
【0012】また、一般式(I)においてnとしては、
具体的には5、8、10、16などが好適なものとして
あげられ、それぞれマルトペンタオース(G5) マルト
オクタノース(G8)、マルトデカオース(G10) 、マル
トヘキサデカオース(G16)を形成する。なお、上記に
おいてGはグルコースを意味する。これらのうち、特に
G5 〜G8 は水溶性に優れるうえに2種のアイソエンザ
イムの作用を均等に受ける可能性が高いため、基質とし
て特に好ましい。
具体的には5、8、10、16などが好適なものとして
あげられ、それぞれマルトペンタオース(G5) マルト
オクタノース(G8)、マルトデカオース(G10) 、マル
トヘキサデカオース(G16)を形成する。なお、上記に
おいてGはグルコースを意味する。これらのうち、特に
G5 〜G8 は水溶性に優れるうえに2種のアイソエンザ
イムの作用を均等に受ける可能性が高いため、基質とし
て特に好ましい。
【0013】上記式(I)で表されるマルトオリゴ糖
は、たとえば特開昭63−129997号公報に記載の
方法により製造することができる。本発明は上記式
(I)で表されるマルトオリゴ糖を基質とし、α−アミ
ラーゼの作用後にグルコアミラーゼ、α−グルコシダー
ゼを作用させ、そこで生じたフルクトースに本願出願人
が見出した新規フルクトキナーゼTを作用させ、α−ア
ミラーゼを測定するものである。
は、たとえば特開昭63−129997号公報に記載の
方法により製造することができる。本発明は上記式
(I)で表されるマルトオリゴ糖を基質とし、α−アミ
ラーゼの作用後にグルコアミラーゼ、α−グルコシダー
ゼを作用させ、そこで生じたフルクトースに本願出願人
が見出した新規フルクトキナーゼTを作用させ、α−ア
ミラーゼを測定するものである。
【0014】本発明に用いるフルクトキナーゼTは新規
物質であり、シュードモナス族菌No. 921(FERM
BP−3310)により産生される酵素である(特願
平3−122952号明細書)。本酵素の理学的特性を
以下に簡単に示す。
物質であり、シュードモナス族菌No. 921(FERM
BP−3310)により産生される酵素である(特願
平3−122952号明細書)。本酵素の理学的特性を
以下に簡単に示す。
【0015】(1)作用 本酵素は下記の反応を触媒する。 (2)分子量 75,000±8,000 (トーソー社製TSK ゲルG3,000SW(0.75
×60cm) による。)
×60cm) による。)
【0016】(3)等電点 5.12±0.52(キャリアアンフォライト(pH3.5〜10.0) を
用いた。) (4)至適pH及び安定pH範囲 (pH7.0 付近(りん酸緩衝液)pH6.5 〜8.0 の範囲で95
% 以上の安定を有する。) (5)熱安定性 20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0) 、40℃、15分間の加熱に
対して安定。
用いた。) (4)至適pH及び安定pH範囲 (pH7.0 付近(りん酸緩衝液)pH6.5 〜8.0 の範囲で95
% 以上の安定を有する。) (5)熱安定性 20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0) 、40℃、15分間の加熱に
対して安定。
【0017】(6)その他 基質特異性;フルクトース(100%) 、グスコース(0) 、
ソルボース(0) 、ガラクトース(0) 、キシロース(0) 、
ラクトース(0) 、サッカロース(0) 、マルトース(0) 、
ソルビトール(0) 、N−アセチル−D−グルコサミン
(0)、2−デオキシ−D−グルコース(0)
ソルボース(0) 、ガラクトース(0) 、キシロース(0) 、
ラクトース(0) 、サッカロース(0) 、マルトース(0) 、
ソルビトール(0) 、N−アセチル−D−グルコサミン
(0)、2−デオキシ−D−グルコース(0)
【0018】フルクトキナーゼTの活性測定法 1.反応液組成 100mM トリス塩酸緩衝液(pH8.0) 5mM MgCl2 30mM D−フルクトース(和光純薬社製) 10mM ATP(オリエンタル酵母社製) 0.2% 牛血清アルブミン( シグマ社製) 1mM NADP+ ( オリエンタル酵母社製) 5U/ml ジアホラーゼ( 東洋醸造社製) 5U/ml ホスホグルコースイソメラーゼ( ベーリンガー
マンハイム山之内社製) 20U/ml グルコース6-りん酸デヒドロゲナーゼ( 東洋
醸造社製) 0.025% ニトロテトラゾリウムブルー( 和光純薬社
製)
マンハイム山之内社製) 20U/ml グルコース6-りん酸デヒドロゲナーゼ( 東洋
醸造社製) 0.025% ニトロテトラゾリウムブルー( 和光純薬社
製)
【0019】2.活性測定法 前記の反応液1mlを小試験管に入れ、37℃で2分間
インキュベイトした後に、適当に希釈した酵素液を0.
02ml添加して反応を開始させる。正確に10分間イ
ンキュベイトした後に、0.1N塩酸2.0mlを添加
して反応を停止させ、A550nmを測定して吸光度A
1 を求める。このとき同時に酵素無添加のものをプラン
クとして吸光度A0 を求める。
インキュベイトした後に、適当に希釈した酵素液を0.
02ml添加して反応を開始させる。正確に10分間イ
ンキュベイトした後に、0.1N塩酸2.0mlを添加
して反応を停止させ、A550nmを測定して吸光度A
1 を求める。このとき同時に酵素無添加のものをプラン
クとして吸光度A0 を求める。
【0020】3.計算式 U/ml=(A1-A0)/19.3 × 1/10 × 3.02/0.02 ×Z 式中、19.3;分子吸光係数cm2/μmol、Z;希釈倍率
【0021】本発明者らが分離したNo. 921菌株は、
フルクトキナーゼTの製造に最も有効に利用される菌株
の一例である。
フルクトキナーゼTの製造に最も有効に利用される菌株
の一例である。
【0022】なお、本菌株の同定にあたっては、同定実
験は「医学細菌同定の手引き(第2版)1974」、
“Microbiological Methods(第3巻)”に準じて行い、
DNAのGC mol%の測定はフェノール法で精製したD
NAをヌクレアーゼP1で処理しDEAEカラムを用い
たHPLCで測定した。キノンの分析は「新しい分類学
に伴走する細菌同定法」に準じてキノンを精製しHPL
Cで分析した。生育温度テスト以外には、培養は28〜
30℃で行った。実験結果を“Bergey's Manualof Dete
rminative Bacteriology (8版)、Bergey's Manual o
f Systematic Bacteriology Vol.1(1984)、同
誌、Vol.2(1986)”などと対比して同定を行っ
た。
験は「医学細菌同定の手引き(第2版)1974」、
“Microbiological Methods(第3巻)”に準じて行い、
DNAのGC mol%の測定はフェノール法で精製したD
NAをヌクレアーゼP1で処理しDEAEカラムを用い
たHPLCで測定した。キノンの分析は「新しい分類学
に伴走する細菌同定法」に準じてキノンを精製しHPL
Cで分析した。生育温度テスト以外には、培養は28〜
30℃で行った。実験結果を“Bergey's Manualof Dete
rminative Bacteriology (8版)、Bergey's Manual o
f Systematic Bacteriology Vol.1(1984)、同
誌、Vol.2(1986)”などと対比して同定を行っ
た。
【0023】なお、シュードモナス・エスピー・No. 9
21は微工研条寄第3310号(FERM BP−33
10)として通商産業省工業技術院微生物工業技術研究
所に寄託されている。
21は微工研条寄第3310号(FERM BP−33
10)として通商産業省工業技術院微生物工業技術研究
所に寄託されている。
【0024】シュードモナス・エスピー・No. 921の
菌学的性質を示す。すなわち、 1)成育の特徴 普通寒天斜面培地 線状に良好に生育する。半光沢で、灰白色〜淡黄土色を
呈する。可溶性色素は産生しない。 普通寒天平面培地 縁はなめらかで丸い平らな集落を形成する。灰白色〜淡
黄土色を呈する。可溶性色素は産生しない。 液体培地(ペプトン水) 生育は弱いが、一様に混濁する。 リトマスミルク培地 変化しない。
菌学的性質を示す。すなわち、 1)成育の特徴 普通寒天斜面培地 線状に良好に生育する。半光沢で、灰白色〜淡黄土色を
呈する。可溶性色素は産生しない。 普通寒天平面培地 縁はなめらかで丸い平らな集落を形成する。灰白色〜淡
黄土色を呈する。可溶性色素は産生しない。 液体培地(ペプトン水) 生育は弱いが、一様に混濁する。 リトマスミルク培地 変化しない。
【0025】2)DNAのGC mol% 64.5±1.0 mol%(DEAEカラムを用いたHP
LC分析) 3)主たるイソプレノイドキノン Q8 4)形態の特徴 端の丸い、まっすぐかまたはやや曲がった桿状細菌で、
極毛で運動する。大きさは0.5×1.5〜2.0μm
で、芽胞は形成しない。配列は単独、二連たまに短連
鎖。
LC分析) 3)主たるイソプレノイドキノン Q8 4)形態の特徴 端の丸い、まっすぐかまたはやや曲がった桿状細菌で、
極毛で運動する。大きさは0.5×1.5〜2.0μm
で、芽胞は形成しない。配列は単独、二連たまに短連
鎖。
【0026】5)生理・生化学的性状 グラム染色 − KOH反応 + 抗酸性染色 − カプセル形成 − OFテスト(Hugh-Leifson) 0 OFテスト(N源にNH4H2PO4) 0 好気での生育 + 嫌気での生育 − 生育温度 37℃ − 30℃ + 20℃ + 10℃ NT 食塩耐性 0% + 1.0% (+) 3.0% − 生育pH 4.7 + 9.0 + 10.0 − ゲラチン分解 + デンプン分解 + カゼイン分解 −
(生育しない) エスクリン分解 − セルロース分解 − チロシン分解 − Tween 80の分解 − アルギニン分解 + カタラーゼ産生 + オキシダーゼ産生 − レシチナーゼ産生 − ウレアーゼ産生(SSR) − ウレアーゼ産生(Chris.) − インドール産生 − 硫化水素産生(lead acetate paper) − アセトイン産生(K2HPO4) − アセトイン産生(NaCl) − MRテスト − 硝酸塩還元テスト(ガス産生) − (No2 - の検出) − (No3 - の検出) +
(生育しない) エスクリン分解 − セルロース分解 − チロシン分解 − Tween 80の分解 − アルギニン分解 + カタラーゼ産生 + オキシダーゼ産生 − レシチナーゼ産生 − ウレアーゼ産生(SSR) − ウレアーゼ産生(Chris.) − インドール産生 − 硫化水素産生(lead acetate paper) − アセトイン産生(K2HPO4) − アセトイン産生(NaCl) − MRテスト − 硝酸塩還元テスト(ガス産生) − (No2 - の検出) − (No3 - の検出) +
【0027】シモンズ培地での利用性 クエン酸塩 − リンゴ酸塩 − マレイン酸塩 − マロン酸塩 − プロピオン酸塩 − グルコン酸塩 − コハク酸塩 −
【0028】クリステンゼン培地での利用性 クエン酸塩 − リンゴ酸塩 − マレイン酸塩 − マロン酸塩 − プロピオン酸塩 − グルコン酸塩 − コハク酸塩 −
【0029】グルコースよりガスの産生
− 糖より酸の産生 アドニトール + L(+)−アラビノース + セロピオース − ズルシトール − メソ−エリスリトール − フルクトース − D−ガラクトース + D−グルコース + グリセリン − イノシトール + イヌリン − ラクトース − マルトース − マンニトール + マンノース + メレジトース − メリビオース − ラフィノース − L(+)−ラムノース + D−リボース + サリシン − L−ソルボース + ソルビトール + スターチ − サッカロース − トレハロース + D−キシロース +
− 糖より酸の産生 アドニトール + L(+)−アラビノース + セロピオース − ズルシトール − メソ−エリスリトール − フルクトース − D−ガラクトース + D−グルコース + グリセリン − イノシトール + イヌリン − ラクトース − マルトース − マンニトール + マンノース + メレジトース − メリビオース − ラフィノース − L(+)−ラムノース + D−リボース + サリシン − L−ソルボース + ソルビトール + スターチ − サッカロース − トレハロース + D−キシロース +
【0030】シュードモナス・エスピー・No. 921の
同定について記載する。すなわち、 1)主性状 グラム陰性の桿状細菌で極毛で運動する。グルコースを
酸化的に分解し酸を産生する。オキシダーゼ非産生。カ
タラーゼ産生。DNAのGC mol%は64.5±1.0
%。主たるキノンはQ8 。
同定について記載する。すなわち、 1)主性状 グラム陰性の桿状細菌で極毛で運動する。グルコースを
酸化的に分解し酸を産生する。オキシダーゼ非産生。カ
タラーゼ産生。DNAのGC mol%は64.5±1.0
%。主たるキノンはQ8 。
【0031】2)同定 No. 921は好気性のグラム陰性桿状細菌で運動性(極
毛)があることから、Pseudomonas 科のPseudomonas
属、Xanthomonas 属およびGluconobacter 属のいずれか
に属する。各属の鑑別表を記する。
毛)があることから、Pseudomonas 科のPseudomonas
属、Xanthomonas 属およびGluconobacter 属のいずれか
に属する。各属の鑑別表を記する。
【0032】 No. 921 Pseudomonas Xanthomonas Gluconobacter 色素産生 W W,G,Y Y W オキシダーゼ − +(−) − − カタラーゼ + + + + pH4.5 での生育 − − − − キノン Q8 Q8,9,10 Q8 Q10 DNA のGCmol % 64.5 58〜70 63〜71 56〜64 W:白色、 G:灰色、 Y:黄色
【0033】No. 921はpH4.5での生育性、色素
産生性、キノン型により Pseudomonas属に属するものと
同定した。DNAのGC mol%が64±5%の菌種を選
んで諸性状を対比したが、性状がよく一致する菌種の記
載はなく種の確定はできなかった。よってNo. 921
を、 Pseudomonas sp. No.921と命名し、工業技術院
微生物工業技術研究所に寄託した。
産生性、キノン型により Pseudomonas属に属するものと
同定した。DNAのGC mol%が64±5%の菌種を選
んで諸性状を対比したが、性状がよく一致する菌種の記
載はなく種の確定はできなかった。よってNo. 921
を、 Pseudomonas sp. No.921と命名し、工業技術院
微生物工業技術研究所に寄託した。
【0034】上記フルクトキナーゼTを製造する方法に
ついて説明する。先ずシュードモナス属に属するフルク
トキナーゼT生産菌が適当な培地で培養される。
ついて説明する。先ずシュードモナス属に属するフルク
トキナーゼT生産菌が適当な培地で培養される。
【0035】前記のフルクトキナーゼT生産菌の代表例
としては、前記のシュードモナス・エスピー・No. 92
1が挙げられる。細菌の一般的性状として菌学上の性質
は自然にまたは人工的に変異し得るものである。従って
自然的にあるいは、通常行われる紫外線照射、放射線照
射または変異誘導剤、たとえばN−メチル−N−ニトロ
−N−ニトロソグアジニンまたはエチルメタンスルホネ
ートなどを用いる人工的変異手段により本菌株を変異さ
せて得られる人工変異株は勿論、自然変異株も含めシュ
ードモナス属に属し、採取し得る量でフルクトキナーゼ
Tを生産する能力を有する変異株または変種はすべて本
発明に使用することができる(これらを総括して本細菌
と記すこともある)。
としては、前記のシュードモナス・エスピー・No. 92
1が挙げられる。細菌の一般的性状として菌学上の性質
は自然にまたは人工的に変異し得るものである。従って
自然的にあるいは、通常行われる紫外線照射、放射線照
射または変異誘導剤、たとえばN−メチル−N−ニトロ
−N−ニトロソグアジニンまたはエチルメタンスルホネ
ートなどを用いる人工的変異手段により本菌株を変異さ
せて得られる人工変異株は勿論、自然変異株も含めシュ
ードモナス属に属し、採取し得る量でフルクトキナーゼ
Tを生産する能力を有する変異株または変種はすべて本
発明に使用することができる(これらを総括して本細菌
と記すこともある)。
【0036】前記の培養は、細菌の培養に一般的に用い
られる条件によって行うことができる。培地としては、
本細菌が同化し得る炭素源、消化し得る窒素源、さらに
必要に応じて無機塩などを含有させた栄養培地が使用さ
れる。
られる条件によって行うことができる。培地としては、
本細菌が同化し得る炭素源、消化し得る窒素源、さらに
必要に応じて無機塩などを含有させた栄養培地が使用さ
れる。
【0037】本細菌が同化し得る炭素源としては、グル
コース、フルクトース、サッカロースおよびマンノース
などが単独、または組み合わせて用いられる。本細菌が
同化し得る窒素源としてはペプトン、肉エキス、酵母エ
キスおよびマルトエキスなどが単独、または組み合わせ
て用いられる。その他、必要に応じて無機塩、金属塩な
どが使用される。前記以外に本細菌が同化し得る炭素
源、同化し得る窒素源が使用できることは言うまでもな
い。
コース、フルクトース、サッカロースおよびマンノース
などが単独、または組み合わせて用いられる。本細菌が
同化し得る窒素源としてはペプトン、肉エキス、酵母エ
キスおよびマルトエキスなどが単独、または組み合わせ
て用いられる。その他、必要に応じて無機塩、金属塩な
どが使用される。前記以外に本細菌が同化し得る炭素
源、同化し得る窒素源が使用できることは言うまでもな
い。
【0038】培養は通常、振とうまたは通気攪拌培養な
どの好気的条件下で行うのがよく、工業的には深部通気
攪拌培養が好ましい。培養温度はフルクトキナーゼT生
産菌が発育し、本酵素を生産する範囲内で適宜変更し得
るが、通常は15〜32℃、特に28℃付近が好まし
い。培養時間は培養条件によって異なるが、本酵素が最
高力価に達する時期を見計らって適当な時間に培養を停
止すればよく、通常は1〜2日間程度である。発泡があ
るときにはシリコン油などの消泡剤が適宜使用される。
どの好気的条件下で行うのがよく、工業的には深部通気
攪拌培養が好ましい。培養温度はフルクトキナーゼT生
産菌が発育し、本酵素を生産する範囲内で適宜変更し得
るが、通常は15〜32℃、特に28℃付近が好まし
い。培養時間は培養条件によって異なるが、本酵素が最
高力価に達する時期を見計らって適当な時間に培養を停
止すればよく、通常は1〜2日間程度である。発泡があ
るときにはシリコン油などの消泡剤が適宜使用される。
【0039】フルクトキナーゼTは、一般にこの様にし
て得られた本細菌の主として菌体内に含有されているの
で、得られた培養液から濾過または遠心分離等の常法に
よって集菌し、これらの菌体を超音波処理、フレンチプ
レス処理、ガラスビーズ処理等の機械的破壊手段やリゾ
チーム等の酵素的溶解等の種々の方法を適宜単独、ある
いは組み合わせて粗製のフルクトキナーゼT含有液が得
られる。次に、このフルクトキナーゼT含有液から公知
の蛋白質、酵素の精製手段を用いることにより精製され
たフルクトキナーゼTを得ることができる。たとえば粗
製のフルクトキナーゼT含有液に硫安を添加して硫安沈
殿により本酵素を回収し、さらにその後必要に応じて分
子篩、各種クロマトグラフィー法を適宜組み合わせて精
製すればよい。こうして得られた精製酵素は、必要に応
じてサッカロースおよびマンニトールなどの糖類、牛血
清アルブミンなどの蛋白質類等の安定化剤が添加され、
凍結乾燥によりフルクトキナーゼTの粉体を得ることが
できる。
て得られた本細菌の主として菌体内に含有されているの
で、得られた培養液から濾過または遠心分離等の常法に
よって集菌し、これらの菌体を超音波処理、フレンチプ
レス処理、ガラスビーズ処理等の機械的破壊手段やリゾ
チーム等の酵素的溶解等の種々の方法を適宜単独、ある
いは組み合わせて粗製のフルクトキナーゼT含有液が得
られる。次に、このフルクトキナーゼT含有液から公知
の蛋白質、酵素の精製手段を用いることにより精製され
たフルクトキナーゼTを得ることができる。たとえば粗
製のフルクトキナーゼT含有液に硫安を添加して硫安沈
殿により本酵素を回収し、さらにその後必要に応じて分
子篩、各種クロマトグラフィー法を適宜組み合わせて精
製すればよい。こうして得られた精製酵素は、必要に応
じてサッカロースおよびマンニトールなどの糖類、牛血
清アルブミンなどの蛋白質類等の安定化剤が添加され、
凍結乾燥によりフルクトキナーゼTの粉体を得ることが
できる。
【0040】本発明において生成したフルクトースにフ
ルクトースキナーゼTを作用させた後、公知の反応系を
組み合わせることができる。それには、例えば次のよう
な反応系がある。
ルクトースキナーゼTを作用させた後、公知の反応系を
組み合わせることができる。それには、例えば次のよう
な反応系がある。
【0041】この反応ではNAD(P)Hの生成量を波
長340nmでの吸光度の上昇として測定することがで
きる。上述の反応系を組み合わせた場合、反応速度論的
な分析を吸光度の上昇反応でアミラーゼを測定すること
ができ、しかも無機リンを添加する必要がない。
長340nmでの吸光度の上昇として測定することがで
きる。上述の反応系を組み合わせた場合、反応速度論的
な分析を吸光度の上昇反応でアミラーゼを測定すること
ができ、しかも無機リンを添加する必要がない。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】実施例1 まず次のような2種類の試薬を調製する。 第1試薬 HEPES 緩衝液 100mM (pH7.2) Cacl2 2mM Nacl 20mM NAD 5mM ATP-2Na 10mM グルコアミラーゼ 200U/ml α−グルコシダーゼ 30U/ml フルクトキナーゼT 20U/ml Phoshoglconate Isomerase 5U/ml Glucose-6-phosphote Dehydrogmase 5U/ml
【0044】 第2試薬 HEPES 緩衝液 100mM (pH7.2) IPG7F 5mM (注)HEPES =N-2-Hydroxyethylpiperazine-N'-2-etha
nesulfonic acid IPG7F =イソプロピリデン・マルトヘプタオシル・フル
クシド
nesulfonic acid IPG7F =イソプロピリデン・マルトヘプタオシル・フル
クシド
【0045】これらの試薬を用いて本発明の方法による
α−アミラーゼの反応性を調べた。それには、まず第1
試薬20mlに検体としてアミラーゼが約300単位/
リットルの標準血清を50μl加えて37℃で5分間予
備加温した。そのあと第2試薬0.5mlを加えて混和
し、波長340nmにおける吸光度を測定した。その結
果は第1図のようになり、本発明の方法は反応が直線的
に進行することが判った。
α−アミラーゼの反応性を調べた。それには、まず第1
試薬20mlに検体としてアミラーゼが約300単位/
リットルの標準血清を50μl加えて37℃で5分間予
備加温した。そのあと第2試薬0.5mlを加えて混和
し、波長340nmにおける吸光度を測定した。その結
果は第1図のようになり、本発明の方法は反応が直線的
に進行することが判った。
【0046】実施例2 実施例1と同様な操作で検体に精製アミラーゼ(100
単位・l)の希釈系列を用いて長340nmでの1分間
当たりの吸光度変化量(ΔABS/min)を測定した。そ
の結果は第2図のようになり、本発明の方法では検量線
が原点を通る直線となることが判った。
単位・l)の希釈系列を用いて長340nmでの1分間
当たりの吸光度変化量(ΔABS/min)を測定した。そ
の結果は第2図のようになり、本発明の方法では検量線
が原点を通る直線となることが判った。
【0047】実施例3 本発明方法と従来法である合成基質B−G7 −PNP法
(市販品キット「AMY試薬・C」国際試薬製造)とを
比較した。それには検体としてヒト血清を10例用い、
本発明方法は実施例1と同様な操作で波長340nmで
の1分間当たりの吸光度変化量を測定し、これを標準液
を用いて作成した検量線よりα−アミラーゼの活性値に
換算した。またB−G7 −PNP法はキットの添付文書
に示された方法に従った。
(市販品キット「AMY試薬・C」国際試薬製造)とを
比較した。それには検体としてヒト血清を10例用い、
本発明方法は実施例1と同様な操作で波長340nmで
の1分間当たりの吸光度変化量を測定し、これを標準液
を用いて作成した検量線よりα−アミラーゼの活性値に
換算した。またB−G7 −PNP法はキットの添付文書
に示された方法に従った。
【0048】その結果は表1に示す通りであり、相関係
数γ=0.9897で両者はよく相関することが判っ
た。
数γ=0.9897で両者はよく相関することが判っ
た。
【0049】
【表1】
【0050】参考例1 〔シュードモナス・エスビー・No.921の培養]ポリペプ
トン1%、酵母エキス0.5%、カザミノ酸1%、マル
トエキス1%、マンノース1%、KH2 PO4 0.3%
およびMgSO4 ・7H2 O 0.05%を含む液体培
地(pH7.0)100mlを、500ml容三角フラ
スコ20本に分注し、120℃で20分間加熱減菌した
後、これにシュードモナス・エスビー・No.921の菌体1
白金耳を接種し、28℃で120r.p.m.の振とう
培養器で40時間培養し、酵素活性0.1U/mlの培
養物1.9Lを得た。
トン1%、酵母エキス0.5%、カザミノ酸1%、マル
トエキス1%、マンノース1%、KH2 PO4 0.3%
およびMgSO4 ・7H2 O 0.05%を含む液体培
地(pH7.0)100mlを、500ml容三角フラ
スコ20本に分注し、120℃で20分間加熱減菌した
後、これにシュードモナス・エスビー・No.921の菌体1
白金耳を接種し、28℃で120r.p.m.の振とう
培養器で40時間培養し、酵素活性0.1U/mlの培
養物1.9Lを得た。
【0051】参考例2 〔酵素の分離精製〕参考例1で得られた培養液1.9L
を遠心分離して集菌し、得られた菌体を20mMトリス
塩酸緩衝液1L(pH8.0)で一回洗浄した。洗浄し
た菌体を20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に懸
濁して50mlに調製し、クボタ社製の超音波破砕器(I
NSONATOR 201M)を用いて180W、10分間で破砕して
破砕液を得た。この破砕液から15,000r.p.
m.、20分間の遠心分離で42ml(酵素活性3.5
U/ml)の上清を得た。この上清に硫安11gを溶解
し、生じた沈殿物を遠心分離して除去し、得られた上清
に再び硫安8gを溶解し、生じた沈殿物を遠心分離し、
得られた沈殿物を20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.
0)20mlで溶解し、これを透析チューブを用いて2
0mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)2リットルに対
して1晩透析し、25mlの酵素液(酵素活性4.7U
/ml)を得た。得られた酵素液を20mMトリス塩酸
緩衝液(pH8.0)で緩衝化したDEAE−セファロ
ースCL−6B(ファルマシア社製)50mlのカラム
に通し、0.2M塩化カリを含む20mMトリス塩酸緩
衝液(pH8.0)1Lを流し、次いで0.3M KCl
を含む20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)で溶出
し、酵素液100ml(酵素活性1.2U/ml)を得
た。得られた酵素液を20mMトリス塩酸緩衝液(pH
6.5)5リットルに対して一晩透析した。透析して得
た酵素液を20mMトリス塩酸緩衝液(pH6.5)で
緩衝化したブルーセファロースCL−6B(ファルマシ
ア社製)5mlのカラムに通し、通過液110ml(酵
素活性1.0U/ml)を得た。この通過液中にはコン
タミ酵素としてのヘキソキナーゼ、NADHオキシダー
ゼ、乳酸デヒドロゲナーゼが全く存在しなかった。この
通過液をアミコンセントリフローCF25(アミコン社
製)を用いて濃縮し、2ml(酵素活性54U/ml)
の酵素液を得た。
を遠心分離して集菌し、得られた菌体を20mMトリス
塩酸緩衝液1L(pH8.0)で一回洗浄した。洗浄し
た菌体を20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に懸
濁して50mlに調製し、クボタ社製の超音波破砕器(I
NSONATOR 201M)を用いて180W、10分間で破砕して
破砕液を得た。この破砕液から15,000r.p.
m.、20分間の遠心分離で42ml(酵素活性3.5
U/ml)の上清を得た。この上清に硫安11gを溶解
し、生じた沈殿物を遠心分離して除去し、得られた上清
に再び硫安8gを溶解し、生じた沈殿物を遠心分離し、
得られた沈殿物を20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.
0)20mlで溶解し、これを透析チューブを用いて2
0mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)2リットルに対
して1晩透析し、25mlの酵素液(酵素活性4.7U
/ml)を得た。得られた酵素液を20mMトリス塩酸
緩衝液(pH8.0)で緩衝化したDEAE−セファロ
ースCL−6B(ファルマシア社製)50mlのカラム
に通し、0.2M塩化カリを含む20mMトリス塩酸緩
衝液(pH8.0)1Lを流し、次いで0.3M KCl
を含む20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)で溶出
し、酵素液100ml(酵素活性1.2U/ml)を得
た。得られた酵素液を20mMトリス塩酸緩衝液(pH
6.5)5リットルに対して一晩透析した。透析して得
た酵素液を20mMトリス塩酸緩衝液(pH6.5)で
緩衝化したブルーセファロースCL−6B(ファルマシ
ア社製)5mlのカラムに通し、通過液110ml(酵
素活性1.0U/ml)を得た。この通過液中にはコン
タミ酵素としてのヘキソキナーゼ、NADHオキシダー
ゼ、乳酸デヒドロゲナーゼが全く存在しなかった。この
通過液をアミコンセントリフローCF25(アミコン社
製)を用いて濃縮し、2ml(酵素活性54U/ml)
の酵素液を得た。
【0052】
【発明の効果】本発明は新規な酵素であるフラクトキナ
ーゼTを用いたものアルラーゼの測定方法であり、当該
酵素を公知の反応系を組み合わせることにより、α−ア
ミラーゼの測定を正確に精度よく実施することができ
る。
ーゼTを用いたものアルラーゼの測定方法であり、当該
酵素を公知の反応系を組み合わせることにより、α−ア
ミラーゼの測定を正確に精度よく実施することができ
る。
【0053】即ち、本発明の方法においては、試料中の
グルコースの影響を受けず、また波長340nmを選択
することにより試料中のビリルビンやヘモグロビンの影
響を受けることもない。さらに吸光度の上昇反応を採用
することにより、測定範囲を広くとることができる。
グルコースの影響を受けず、また波長340nmを選択
することにより試料中のビリルビンやヘモグロビンの影
響を受けることもない。さらに吸光度の上昇反応を採用
することにより、測定範囲を広くとることができる。
【0054】また、本発明方法は無機リンの添加が不要
であるため、α−アミラーゼの活性化剤であるカルシウ
ムイオンを添加しても沈殿ができるトラブルもなく臨床
検査における自動分析装置へも適応できる。このよう
に、本発明は臨床検査の分野に有用な方法として提供で
きる効果を奏するものである。
であるため、α−アミラーゼの活性化剤であるカルシウ
ムイオンを添加しても沈殿ができるトラブルもなく臨床
検査における自動分析装置へも適応できる。このよう
に、本発明は臨床検査の分野に有用な方法として提供で
きる効果を奏するものである。
【図1】本発明の方法の反応性を示したグラフである。
【図2】本発明の方法の検量線を示したグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年10月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】
【発明の効果】本発明は新規な酵素であるフラクトキナ
ーゼTを用いたα−アミラーゼの測定方法であり、当該
酵素を公知の反応系を組み合わせることにより、α−ア
ミラーゼの測定を正確に精度よく実施することができ
る。
ーゼTを用いたα−アミラーゼの測定方法であり、当該
酵素を公知の反応系を組み合わせることにより、α−ア
ミラーゼの測定を正確に精度よく実施することができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 式 【化1】 (式中、Aは式 【化2】 または式 【化3】 で表される基を、nは4〜15の整数を、R1 〜R4 は
それぞれ水素原子、低級アルキル基、または−(CH2)
m COOM(mは0、1または2、Mは水素原子または
アルカリ金属を示す)を、X1 〜X4 はそれぞれOまた
はSを、Z1 およびZ2 はそれぞれ水素原子またはリン
酸基を表わす)で表される少なくとも一種のマルトオリ
ゴ糖と試料とをグルコシダーゼの共存下に接触させて生
じたフルクトースにフルクトキナーゼTを作用させ、生
じた成分を測定することを特徴とするα−アミラーゼ測
定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24477691A JPH0556798A (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | α−アミラーゼ測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24477691A JPH0556798A (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | α−アミラーゼ測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0556798A true JPH0556798A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=17123750
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24477691A Withdrawn JPH0556798A (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | α−アミラーゼ測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0556798A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0638805A3 (en) * | 1993-08-05 | 1996-07-31 | Miles Inc | Device and method for detecting an analyte. |
-
1991
- 1991-08-29 JP JP24477691A patent/JPH0556798A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0638805A3 (en) * | 1993-08-05 | 1996-07-31 | Miles Inc | Device and method for detecting an analyte. |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19981112 |