JPH0638756B2 - ピルビン酸オキシダーゼを用いるピルビン酸の測定法およびその試薬 - Google Patents

ピルビン酸オキシダーゼを用いるピルビン酸の測定法およびその試薬

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JPH0638756B2
JPH0638756B2 JP21366686A JP21366686A JPH0638756B2 JP H0638756 B2 JPH0638756 B2 JP H0638756B2 JP 21366686 A JP21366686 A JP 21366686A JP 21366686 A JP21366686 A JP 21366686A JP H0638756 B2 JPH0638756 B2 JP H0638756B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規な熱安定性ピルビン酸オキシダーゼ、す
なわちpH7.0、10分間処で45℃まで熱に安定なピル
ビン酸オキシダーゼを用いる分析法、特にピルビン酸の
測定法及びそのための試薬に関するものである。
本発明によれば、ピルビン酸の測定ばかりではなく、特
に基質及びピルビン酸形成反応を触媒する酵素の測定に
も利用することができる。測定の代表例は以下の通りで
ある。
グルタミン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼ又はα
−ケトグルタル酸 ダルタミン酸−オキザロ酢酸トランスアミナーゼ 乳酸デヒドロゲナーゼ又は乳酸 ピルビン酸キナーゼ又はADP (従来の技術) ピルビン酸オキシダーゼは酵素番号EC1、2、3、3に分
類され、ピルビン酸、リン酸および酸素からアセチルリ
ン酸、二酸化炭素および過酸化水素を生じる反応を触媒
する酵素であり、ラクトバチルス・デルブリッチイ(酵
素ハンドブック、丸尾文治、田宮信雄監修、発行所:朝
倉書店)、ラクトバチルス・プランタラム〔J.Bacterio
l.160巻273〜278頁(1984)〕及びペディオコ
ッカス属、ストレプトコッカス属、アエロコッカス属の
微生物(特公昭58-40465号公報)、ロイコノストック属
の微生物(特開昭59-159777号公報)など、各種の微生
物が生産することが知られている。しかしながらいずれ
の菌株の生産するピルビン酸オキシダーゼも耐熱性が十
分ではなく、これら酵素を用いるピルビン酸測定試薬の
安定性に問題があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者は上記の背景を踏まえて、安定性の優れたより
実用的なピルビン酸測定試薬を見い出そうとした。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、福井県敦賀市内の土壌から分離したラク
トバチルス属に属する微生物と同定されたTE-6103株
が、従来のピルビン酸オキシダーゼよりも熱安定性に優
れたピルビン酸オキシダーゼを産出することを見い出し
既に特許出願した。さらにこの菌株より得られたピルビ
ン酸オキシダーゼが、有効にピルビン酸を測定し得るこ
とを見い出し、加えてピルビン酸を生成する酵素反応系
の酵素活性の測定、ピルビン酸を生成する酵素反応系の
酵素の定量及びピルビン酸を生成する酵素反応系の基質
の定量をなし得ることを見い出し本発明に到達した。さ
らに、上記のピルビン酸オキシダーゼ、FAD、チアミ
ンピロフォスフェート、無機リン酸塩及びマグネシウム
イオン、コバルトイオン、マンガンイオン、カルシウム
イオンのうち少なくとも1種の金属イオンからなる反応
系をピルビン酸含有試料系と反応させることにより、良
好な試料系中のピルビン酸を測定することができ、また
この反応系に過酸化水素の検出系を加えることにより、
簡便かつ良好にピルビン酸を測定できることを見出し、
本発明に到達した。すなわち本発明は試料に下記理化学
的性質を有する熱安定性に優れたピルビン酸オキシダー
ゼ、FAD、チアミンピロフォスフェート、無機リン酸
塩及びマグネシウムイオン、コバルトイオン、カルシウ
ムイオンのうち少なくとも1種の金属イオンを含有する
試薬を作用させ、生成する過酸化水素の量を測定するこ
とを特徴とするピルビン酸の測定法である。
作用:ピルビン酸、無機リン酸および酸素からアセチ
ルリン酸、二酸化炭素および過酸化水素を生じる反応を
触媒する。
基質特異性:オキザロ酢酸、DL−乳酸、酢酸、α−
ケトグルタール酸には反応せず、ピルビン酸に特異的で
ある。
熱安定性:45℃以下(pH7.0、10分間処理) 至適pH:5.7付近 Km値:約4×10−4M(ピルビン酸) 分子量:約160,000(Sephacryl−S−300
でのゲル濾過法) 等電点:約4.4(Carrier ampholyteによる焦点電
気泳動法) コファクター:FADおよびチアミンピロフォスフェ
ート また本発明は上記ピルビン酸オキシダーゼ、FAD、チ
アミンピロフォスフェート、無機リン酸塩及びマグネシ
ウムイオン、コバルトイオン、マンガンイオン、カルシ
ウムイオンのうち少なくとも1種の金属イオンを含有す
ることを特徴とするピルビン酸測定用試薬である。
本発明は試料中の成分、特にピルビン酸を測定するもの
であるが、試料としては人血清、食品などに限られな
い。また本発明ではピルビン酸を直接に測定することに
より、試料中のピルビン酸を形成する物質、例えばα−
ケトグルタル酸、乳酸ADPなど、またピルビン酸形成
反応を触媒する酵素、例えばGPT、GOT、乳酸デヒ
ドロゲナーゼ、ピルビン酸キナーゼなどの測定も包含す
る。
本発明に使用される熱安定性の優れたピルビン酸オキシ
ダーゼとしては、pH7.0、10分間処理で45℃まで熱
に安定で、ピルビン酸、無機リン酸及び酸素からアセチ
ルリン酸、二酸化炭素及び過酸化水素を生じる反応を触
媒する酵素であればよく、好ましくはラクトバチルス・
エス・ピ−TE6103の生産するピルビン酸オキシダーゼが
ある。この分離・同定した上記菌株TE6103株の菌学的
性質を以下に示す。
(a)形 態 大きさ:0.5〜0.7×5〜6μm(桿菌) グラム染色:グラム陽性 抗 酸 性:− 運 動 性:− 胞 子:− (b)各培地における生育状態 (1)肉汁寒天板培養 30℃、48時間で小さな円形のコロニーを形成する。
表面は平滑で光沢はない。色は淡黄色であり可溶性色素
は形成しない。
(2)肉汁寒天斜面培養 生育弱い (3)肉汁液体培地 30℃、24時間培養にて生育し、濁化する。
(4)肉汁ゼラチン穿刺培養 穿刺線に沿って生育する。ゼラチンは液化しない。
(5)リトマス・ミルク 変化なし (c)生理学的性質 (1)硝酸塩の還元;陰性 (2)脱窒反応;陰性 (3)インドールの生成;陰性 (4)硫化水素の生成;陰性 (5)デンプンの加水分解;陰性 (6)色素の生成;なし (7)クエン酸の利用;陰性 (8)ウレアーゼ;陰性 (9)カタラーゼ;陰性 (10)オキシダーゼ;陰性 (11)生育の範囲;生育温度20℃〜45℃ (12)酸素に対する態度;通性嫌気性 (13)O−Fテスト;発酵 (14)糖からの酸の生成 L−アラビノース:− D−キシロース:− D−グルコース:+ D−マンノース:+ D−フルクトース;+ D−ガラクトース:− 麦 芽 糖:+ シ ョ 糖:+ 乳 糖:− トレハロース :− D−ソルビット:− D−マンニット:+ イノシット:− ラムノース:− メリビオース:+ (15)その他 β−ガラクトシダーゼ;陰性 アルギニンジヒドラーゼ:陰性 リシンデカルボキシラーゼ:陰性 オルニチンデカルボキシラーゼ:陰性 トリプトファンデアミナーゼ;陰性 上記菌学的性質の同定のための実験法は主として長谷川
武治編著、「微生物の分類と同定」学会出版センター
(1975年)によって行なった。また分類同定の基準とし
てバージエイズ・マニュアル・オブ・デタミネイティブ
・バクテリオロジ−第8版(1974年)を参考にした。
以上の菌学的性状における本菌TE−6103株はグラム陽
性桿菌でカタラーゼ、オキシダーゼ陰性で、グルコース
から発酵的に酸を産生するが、グルコースからガスを産
生しないことなどから、バージエイズ・マニュアル・オ
ブ・デタミネイティブ・バクテリオロジー第8版(1974
年)により検索するとラクトバチルス属に属するとみな
される。さらにラクトバチルス・デルブリッチイ(Lact
obacilus delbrueckii)に類似するが、D−マンニット
やメリビオースからの酸の産生において相違が認められ
る。従って本菌株はラクトバチルス・エス・ピーTE61
03株と命名した。本菌は工業技術院微生物工業研究所に
微生物受託番号微工研菌寄第8886号として寄託されてい
る。
本発明に使用する微生物としては、例えば上記のラクト
バチルス・エス・ピーTE6103が挙げられるが、この菌
だけに限らずラクトバチルス属に属し、熱安定性に優れ
たピルビン酸オキシダーゼを生産する菌は、すべて本発
明において使用することができる。熱安定性の優れたピ
ルビン酸オキシダーゼ生産菌は酵素を生産する通常の方
法で培養する。
使用する培地組成としては使用菌株が資化しうる炭素
源、窒素源、無機物、その他必要な栄養素を適量含有す
るものであれば、合成培地、天然培地いずれも使用でき
る。例えば炭素源としてはグルコース、シュクロース、
デキストリン、ピルビン酸、糖蜜などが使用される。窒
素源としては例えばペプトン、肉エキス、酵母エキス、
カゼイン加水分解物などの窒素含有天然物や、塩化アン
モニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝
酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、グルタミン酸
などのアミノ酸など無機あるいは有機の窒素化合物が使
用される。
培養は通常振盪培養あるいは通気撹拌培養で行う。培養
温度は20〜40℃の範囲、好ましくは30℃付近、培
養pHは5〜8の範囲、好ましくはpH6〜7に制御するの
が良い。これら以外の条件下でも使用する菌株が生育す
れば実施できる。
培養期間は通常1〜4日間で生育し、菌体内にピルビン
酸オキシダーゼが生成蓄積される。
本酵素の精製法は一般に使用される精製法を用いればよ
い。例えば、抽出法には、超音波破砕、ガラスビーズを
用いる機械的な破砕、フレンチブレス、界面活性剤など
いずれを用いてもよい。
さらに抽出液については公知の硫安や芒硝などの塩析
法、塩化マグネシウムや塩化カルシウムなどの金属凝集
法、プロタミンやポリエチレンイミンなどの凝集法、さ
らにはDEAE(ジエチルアミノエチル)セファロー
ス、CM(カルボキシメチル)セファロースなどのイオ
ン交換体クロマト法などにより精製することができる。
ピルビン酸オキシダーゼの活性測定法は次の通りであ
る。
上記反応混液を調製した後、2.5mlを試験管に分取し、
0.3Mピルビン酸カリウムを0.5ml加えて37℃で5分間
予備加温する。酵素溶液0.05mlを添加し、ゆるやかに混
和後、水を対照に37℃に制御された分光光度計で500n
mの吸光度変化を記録し、その初期直線部分から1分間
当りの吸光度変化を求める(△ODtest)。
盲検は酵素溶液の代りに50mMK−リン酸緩衝液pH7.0を0.
05ml加え、上記同様に操作を行なって1分間当りの吸光
度変化を求める(△ODblank)。
ピルビン酸オキシダーゼ活性の表示は、上記条件下で1
マイクロモルの過酸化水素を生じる活性を1単位(U)と
した。
本発明で使用したピルビン酸オキシダーゼは次の方法で
単離した。
1.培 養 肉エキス0.2%、ポリペプトン1%、酵母エキス0.4%Tw
een800.1%(v/v)、K2HPO4・3H2O0.25%、Na−アセテー
ト・3H2O0.5%、クエン酸ジアンモニウム2%、MgSO4
7H2O0.02%、MnSO4・7H2O0.02%を含む培地(pH7.0)9
0mlを500ml容坂口フラスコに移し、121℃15分間
オートクレーブを行なった。放冷した後、濾過除菌した
5%ピルビン酸ナトリウム水溶液を無菌的に10ml添加
した。種菌としてラクトバチルス・エス・ピーTE6103
株を同培地に一白金耳接種し、30℃で24時間振盪培
養し種培養液とした。次に同培地5.4lを10lジャー
ファメンターに移し、121℃15分間オートクレーブを
行ない、放冷後、濾過除菌した5%ピルビン酸ナトリウ
ム水溶液を無菌的に600ml添加した。これに種培養液100
mlを移し、300rpm、通気量2l/mm、30℃で24時間
培養した。pHは6.5以上に10N NaOHで制御した。培
養時のピルビン酸オキシダーゼ活性は23mU/ml−brot
hであった。
2.単 離 培養液6lを遠心分離機にて集菌し、50mMK−リン
酸緩衝液pH7.0100mlにて懸濁した。超音波破砕機(海上
電気製、19KHz)にて15分間処理し、遠心分離して
上清液を得た。上清液を50mMK−リン酸緩衝液pH7.
0にて平衡化したDEAE−セファロースGL−6B
(ファルマシア製)カラムクロマトグラフィーに供し、
0〜0.5MNaCl溶出画分にピルビン酸オキシダーゼ活性
を得た。溶出液を限外濾過機にて濃縮した後、50mMK−
リン酸緩衝液pH7.0にて平衡化したセファデックスG−2
00(ファルマシア製)にてゲル濾過を行った。その結果
54Uのピルビン酸オキシダーゼが得られた。得られた
酵素のpH活性を第1図に、熱安定性を第2図に示す。pH
活性の測定はpH5〜6.5の範囲では50mM酢酸緩衝液、p
H6〜8の範囲では50mMK−リン酸緩衝液を用いて
行なった。熱安定性の測定は、pH7.0、10分間処理し
た後の残存活性で示した。
本発明に用いた酵素の理化学的性質を次に示す。
作用:ピルビン酸、無機リン酸及び酸素からアセチルリ
ン酸、二酸化炭素及び過酸化水素を生じる反応を触媒す
る。
CHCOCOOH+HOPO 2−+O→CH
OOPO 2−+CO+H 至適pH:5.7付近 熱安定性:45℃以下(pH7.0、10分間処理) Km値:約4×10−4M(ピルビン酸) 分子量:約160,000(Sephacryl S−300でのゲル濾過
法) 等電点:約4.4(Carrier ampholyteによる焦点電気泳動
法) 基質特性:オキザロ酢酸、DL−乳酸、酢酸、α−ケト
グルタール酸には反応せず、ピルビン酸に特異的であ
る。
コファクター:FADおよびチアミンピロフォスフェー
ト 本発明では試料に、上記ピルビン酸オキシダーゼ、無機
リン酸塩を含有する試薬を添加して、生成する過酸化水
素、二酸化炭素又はアセチルリン酸の生成量を測定する
か、又は酸素又は無機リン酸の消費量を測定することに
より、試料中のピルビン酸の量を知ることができる。特
に本発明の熱安定性に優れたピルビン酸オキシダーゼを
含有する反応系においては、ピルビン酸との酵素反応を
良好に行なわせるため、ピルビン酸オキシダーゼと共に
FAD、チアミンピロフォスフェート、リン酸塩及びマ
グネシウムイオン、コバルトイオン、マンガンイオン、
カルシウムイオンのうち少なくとも1種の金属イオンを
用いればよく、さらにまたこの反応による生成物である
過酸化水素の検出系を用いる場合は、必要により色原体
を適宜選択使用すればよい。過酸化水素測定系として
は、例えば次のような系が考えられる。
(1)ペルオキシダーゼと発色剤 ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリンおよびフ
エノール ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリンおよび
N,N−ジメチルアニン oペルオキシダーゼ、メチルベンゾチアゾリンヒドラゾ
ン(MBTH)およびN−エチル−N−スルホプロピル−m
−アニシジン(ESPAS) oペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリンおよびN
−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピ
ル)−m−トルイジン(EHSPT) (2)過酸化水素電極法 本発明では酵素の使用量としては、酵素反応が充分に進
行する量であればよく、また試料系中のピルビン酸の含
量、酵素反応の温度、時間などにより適宜変更されるも
のであるが、例えば本発明試薬は熱安定性に優れたピル
ビン酸オキシダーゼ0.1〜20U/ml程度、無機リン酸
塩5〜50mM程度、FAD1〜20μM程度、チアミン
ピロフォスフェート100〜500μM程度、金属イオン1〜
50mM程度、緩衝剤pH6〜7.5並びに過酸化水素検出
系として4−アミノアンチピリン0.005〜0.05%程度、
フエノール0.01〜0.1%程度及びペルオキシダーゼ1〜
10U/ml程度を含有する。ピルビン酸を形成する物質
又はピルビン酸形成反応を触媒する酵素を測定するに
は、本発明の試薬は従来公知のピルビン酸へ誘導する試
薬を組合せて使用する。
(実施例) 以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は何ら
これらによって限定されるものではない。
実施例1 PIPES緩衝液pH7.0 50mM FAD・Na2 10μM チアミンピロフォスフェート 0.2mM MgSO4 10mM KH2PO4 5mM 4−アミノアンチピリン 0.01% フエノール 0.02% ペルオキシダーゼ 5U/ml ピルビン酸オキシダーゼ 2U/ml 上記の組成よりなる反応液3mlを分取し、37℃で約5
分間予備加温し、これにピルビン酸カリウム水溶液(3
〜15mM)20μlを添加した後37℃、10分間反
応させ、反応後500nmにおける吸光度を測定した。その
結果は第3図に示す通り良好な直線性が得られた。
実施例2 PIPES緩衝液、pH7.0 50mM FAD・Na2 10μM チアミンピロフォスフェート 0.2mM MgSO4 10mM KH2PO4 5mM ホスホエノールピルビン酸 0.5mM ピルビン酸キナーゼ 10U/ml 4−アミノアンチピリン 0.01% フエノール 0.02% ペルオキシダーゼ 5U/ml ピルビン酸オキシダーゼ 2U/ml 上記の組成よりなる反応液3mlを分取し、37℃で約5
分間予備加温し、これにADP水溶液(3〜15mM)
20μlを添加した後37℃、10分間反応させ、反応後
500nmにおける吸光度を測定した。その結果、第4図に
示す通り良好な直線性が得られた。
実施例3 PIPES緩衝液、pH7.0 50 mM FAD・Na 10 μM チアミンピロフォスフェート 0.2mM MgSO 10 nM KHPO 5 mM 4−アミノアンチピリン 0.01% フェノール 0.02% ペルオキシダーゼ 2U/ml ピルビン酸オキシダーゼ 3U/ml 上記の組成よりなる反応液3.0mlを分取し、37℃
で約5分間予備加温した。これに管理血清(Q−pak
I)0.2ml〜1.0mlを1.0mlにfillupし
たサンプルを0.1ml添加した後、37℃、10分間
反応させ、反応後500nmにおける吸光度を測定した。
その結果は第5図に示す通り良好な直線性を示し、実施
例1のピルビン酸の検量線より血清中のピルビン酸濃度
は147μMと計算された。
実施例4 PIPES緩衝液、pH7.0 50 mM FAD・Na 10 μM チアミンピロフォスフェート 0.2mM MgSO 10 mM KHPO 5 mM 4−アミノアンチピリン 0.01% フェノール 0.02% ペルオキシダーゼ 5U/ml ピルビン酸オキシダーゼ 3U/ml 上記の組成よりなる反応液3.0mlを分取し、37℃
で約5分間予備加温した。これにピルビン酸水溶液(0
〜3mM)0.1mlを添加した後、37℃で10分間
反応させ、反応後500nmで比色定量した。また同一
のサンプルを市販品(協和メディクス製デタミナーP
A)を用いて測定し、その相関を求めた。その結果第6
図に示す相関図が得られ、その相関はr=0.979
(N=30) Y=0.95X+0.03 であり、極めて良好なものであった。
(発明の効果) 本発明では、従来のピルビン酸オキシダーゼより熱安定
性に優れたピルビン酸オキシダーゼを使用することによ
り、優れた溶液安定性を有する分析用試薬、例えばピル
ビン酸測定用試薬を製造することができる。
また固定化酸素、例えば電極用膜、ビーズ等として用い
ることにより、広範囲の測定系が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のピルビン酸オキシダーゼの至適pHを示
す。 第2図は本発明のピルビン酸オキシダーゼの熱安定性を
示す。 第3図は本発明のピルビン酸オキシダーゼを用いたピル
ビン酸の検量線を示す。 第4図は本発明のピルビン酸オキシダーゼを用いたAD
Pの検量線を示す。 第5図は管理血清の希釈度と吸光度の関係を示す。 第6図は市販の測定試薬を用いた場合と本発明の測定試
薬を用いた場合のピルビン酸濃度を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料に下記理化学的性質を有する熱安定性
    に優れたピルビン酸オキシダーゼ、FAD、チアミンピ
    ロフォスフェート、無機リン酸塩及びマグネシウムイオ
    ン、コバルトイオン、カルシウムイオンのうち少なくと
    も1種の金属イオンを含有する試薬を作用させ、生成す
    る過酸化水素の量を測定することを特徴とするピルビン
    酸の測定法。 作用:ピルビン酸、無機リン酸および酸素からアセチ
    ルリン酸、二酸化炭素および過酸化水素を生じる反応を
    触媒する。 基質特異性:オキザロ酢酸、DL−乳酸、酢酸、α−
    ケトグルタール酸には反応せず、ピルビン酸に特異的で
    ある。 熱安定性:45℃以下(pH7.0、10分間処理) 至適pH:5.7付近 Km値:約4×10−4M(ピルビン酸) 分子量:約160,000(Sephacryl−S−300
    でのゲル濾過法) 等電点:約4.4(Carrier ampholyteによる焦点電
    気泳動法) コファクター:FADおよびチアミンピロフォスフェ
    ート
  2. 【請求項2】下記理化学的性質を有する熱安定性に優れ
    たピルビン酸オキシダーゼ、FAD、チアミンピロフォ
    スフェート、無機リン酸塩及びマグネシウムイオン、コ
    バルトイオン、カルシウムイオンのうち少なくとも1種
    の金属イオンを含有することを特徴とするピルビン酸測
    定用試薬。 作用:ピルビン酸、無機リン酸および酸素からアセチ
    ルリン酸、二酸化炭素および過酸化水素を生じる反応を
    触媒する。 基質特異性:オキザロ酢酸、DL−乳酸、酢酸、α−
    ケトグルタール酸には反応せず、ピルビン酸に特異的で
    ある。 熱安定性:45℃以下(pH7.0、10分間処理) 至適pH:5.7付近 Km値:約4×10−4M(ピルビン酸) 分子量:約160,000(Sephacryl−S−300
    でのゲル濾過法) 等電点:約4.4(Carrier ampholyteによる焦点電
    気泳動法) :コファクター:FADおよびチアミンピロフォスフ
    ェート
JP21366686A 1986-08-21 1986-09-10 ピルビン酸オキシダーゼを用いるピルビン酸の測定法およびその試薬 Expired - Lifetime JPH0638756B2 (ja)

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