JPH06178698A - リン酸の測定法およびその試薬 - Google Patents

リン酸の測定法およびその試薬

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JPH06178698A
JPH06178698A JP33192292A JP33192292A JPH06178698A JP H06178698 A JPH06178698 A JP H06178698A JP 33192292 A JP33192292 A JP 33192292A JP 33192292 A JP33192292 A JP 33192292A JP H06178698 A JPH06178698 A JP H06178698A
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pyruvate
phosphate
phosphoric acid
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JP33192292A
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Kazumi Yamamoto
和巳 山本
Yukihiro Sogabe
行博 曽我部
Shigenori Aisui
重典 愛水
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた溶液安定性を有するリン酸測定用試薬
を提供する。 【構成】 下記反応を触媒し、かつpH6.3 、15分間処理
で50℃まで安定であるピルビン酸デヒドロゲナーゼを用
いて、試料中のリン酸を測定することを特徴とするリン
酸の測定法およびリン酸測定用試薬。 反応式 : ピルビン酸+リン酸+電子受容体 →アセ
チルリン酸+CO2 +還元型電子受容体 および上記ピルビン酸デヒドロゲナーゼを用いて、リン
酸を遊離する系における基質、例えばATP、ピロリン
酸、リン酸モノエステルなど、及びリン酸形成反応を触
媒する酵素、例えばATPase、ピロホスファター
ゼ、ホスファターゼなどの測定法および測定用試薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リン酸またはリン酸を
遊離する系を有してなる試料中のリン酸の測定法および
その試薬に関するものである。また本発明によれば、リ
ン酸の直接測定ばかりではなく、リン酸を遊離する系に
おける基質、例えばATP、ピロリン酸、リン酸モノエ
ステルなど、及びリン酸形成反応を触媒する酵素、例え
ばATPase、ピロホスファターゼ、ホスファターゼ
などの測定にも利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、血清や尿中のリン酸の比色定量は
プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(EC2.4.2.1) 、キサ
ンチンオキシダーゼ(EC1.2.3.2) およびペルオキシダー
ゼ(EC1.11.1.7)を共役させる測定法やピルビン酸オキシ
ダーゼ(EC1.2.3.3) およびペルオキシダーゼ(EC1.11.1.
7)を共役させる測定法(特公昭61-40400号公報)が用い
られてきたが、いずれも酵素共役系で複数の酵素が必要
であり、また酵素の耐熱性も充分ではなかった。更に使
用する酵素がオキシダーゼ系であることより溶存酵素等
の問題から、高濃度のリン酸存在下では検量線が曲がっ
てしまい、高濃度のリン酸測定やドライ・ケミストリー
には不適当であった。また従来より溶存酸素の影響を受
けないピルビン酸デヒドロゲナーゼとしては、いわゆる
Pyruvate Dehydrogenase complexを形成しているPyruva
te :Lipoamide oxidoreductase(EC1.2.4.1) 、Pyruvat
e: Ferricytochrom b1 oxidoreductase(EC1.2.2.2) 及
びPyruvate : Ferredoxin oxidoreductase(EC1.2. 7.1)
が知られているが(酵素ハンドブック、丸尾文治、田宮
信雄監修、発行所:朝倉書店)、従来知られているPyru
vate Dehydrogenase complexの形成反応には無機リン酸
は関与しないため、これらの酵素をリン酸の測定には使
用できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記の背
景を踏まえて、熱安定性に優れ、溶存酸素の影響を受け
ず、更により高濃度のリン酸を測定出来る、より実用的
なリン酸測定試薬を見い出そうとした。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者らはラクトバ
チルス属に属する微生物から、ピルビン酸の酸化的リン
酸化反応を触媒し、熱安定性に優れたピルビン酸デヒド
ロゲナーゼを見いだし、既に特許出願した (特開平1-37
300 号) 。更に本発明者らはこのピルビン酸デヒドロゲ
ナーゼが酵素反応にリン酸の存在を必須要件とするもの
であって、且つリン酸の量と酵素反応はその関係におい
て定量的な反応を示すことを新たに発見し、有効に高濃
度リン酸まで測定し得ることを見い出した。さらに、リ
ン酸を生成する酵素反応系の酵素活性の測定、リン酸を
生成する酵素反応系の基質の定量を成し得ることを見い
出し本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は試料中のリン酸に下記反
応を触媒し、かつpH6.3 、15分間処理で50℃まで安定で
あるピルビン酸デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸および電
子受容体を作用させ、生成するアセチルリン酸、二酸化
炭素または還元型電子受容体あるいは消費する電子受容
体またはピルビン酸を測定することにより、試料中のリ
ン酸を測定することを特徴とするリン酸の測定法であ
る。 反応式 : ピルビン酸+リン酸+電子受容体 →アセ
チルリン酸+CO2 +還元型電子受容体
【0006】また本発明は試料中のATPにATPas
eを作用させ、生成したリン酸に下記反応を触媒し、か
つpH6.3 、15分間処理で50℃まで安定であるピルビン酸
デヒドロゲナーゼを作用させ、生成するアセチルリン
酸、二酸化炭素または還元型電子伝達体あるいは消費す
る電子受容体またはピルビン酸を測定することにより、
試料中のATPを測定することを特徴とするATPの測
定法である。
【0007】さらに本発明は下記反応を触媒し、且つpH
6.3 、15分間処理で50℃まで安定であるピルビン酸デヒ
ドロゲナーゼ、ピルビン酸および電子受容体を含有する
ことを特徴とするリン酸測定用試薬である。 反応式 : ピルビン酸+リン酸+電子受容体 →アセ
チルリン酸+CO2 +還元型電子受容体
【0008】また本発明はATPase、下記反応を触
媒し、且つpH6.3 、15分間処理で50℃まで安定であるピ
ルビン酸デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸および電子受容
体を含有することを特徴とするATP測定用試薬であ
る。 反応式 : ピルビン酸+リン酸+電子受容体 →アセ
チルリン酸+CO2 +還元型電子受容体
【0009】本発明は試料中の成分、特にリン酸を測定
するものであるが、試料としてはヒト血清、食品などに
限られない。また本発明ではリン酸を直接に測定するこ
とにより、試料中のリン酸を形成する物質、例えばAT
P、リン酸モノエステルなど、またはリン酸形成反応を
触媒する酵素、例えばATPase、ホスファターゼな
どの体液中の成分測定も可能とする。
【0010】本発明に使用されるピルビン酸デヒドロゲ
ナーゼとしては、ピルビン酸の酸化的リン酸反応を触媒
し、pH6.3 、15分間処理で50℃まで安定な熱安定性に優
れたピルビン酸デヒドロゲナーゼであればよく、好まし
くは、ラクトバチルス・デルブリッチィ・サブスピーシ
ズ・ラクティスJCM 1063、JCM1248 、ラクトバチルス・
デルフリッチィ・IFO3202 、IFO3534 、ラクトバチルス
・サリバリウム・サブスピーシズ・サリバリウムJCM 12
31の生産するピルビン酸デヒドロゲナーゼが挙げられ
る。しかしこれらの菌に限らず、ラクトバチルス属に属
し、熱安定性に優れたピルビン酸デヒドロゲナーゼを生
産する菌は、全て本発明において使用することができ
る。
【0011】本発明に使用する熱安定性に優れたピルビ
ン酸デヒドロゲナーゼ生産菌は酵素を生産する通常の方
法で培養する。使用する培地組成としては、使用菌株が
資化しうる炭素源、窒素源、無機物、その他必要な栄養
素を適量含有するものであれば、合成培地、天然培地い
ずれも使用できる。例えば炭素源としてはグルコ−ス、
シュクロース、デキストリン、ピルビン酸、糖蜜などが
使用される。窒素源としては、例えばペプトン、肉エキ
ス、酵母エキス、カゼイン加水分解物などの窒素含有天
然物や、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、クエン
酸アンモニウム、グルタミン酸などのアミノ酸など、無
機あるいは有機の窒素化合物が使用される。培養は、通
常振盪培養あるいは通気撹拌培養で行う。培養温度は20
℃〜50℃の範囲、好ましくは37℃付近、培養pHは5〜8
の範囲、好ましくはpH6〜7に制御するのが良い。これ
ら以外の条件下でも使用する菌株が生育すれば実施でき
る。培養期間は通常1〜4日間で生育し、菌体内にピル
ビン酸デヒドロゲナーゼが生成蓄積される。
【0012】本発明に使用する酵素の精製法は一般に使
用される精製法を用いればよい。例えば抽出法には超音
波破砕、ガラスビーズを用いる機械的な破砕、フレンチ
プレス、界面活性剤など、いずれを用いてもよい。さら
に精製法については公知の硫安や芒硝などの塩析法、塩
化マグネシウムや塩化カルシウムなどの金属疑集法、プ
ロタミンやポリエチレンイミンなどの疑集さらにはDEAE
(ジエチルアミノエチル)セファロース、CM(カルボキ
シルメチル)セファロースなどのイオン交換体クロマト
法などにより精製することができる。
【0013】次に本発明に使用する酵素の一例である、
ラクトバチルス属に属する微生物から得られた熱安定性
に優れたピルビン酸デヒドロゲナーゼの理化学的性質に
ついて述べる。 (1) 作用 ピルビン酸+リン酸+電子受容体 →アセチルリン酸+
CO2 +還元型電子受容体 (2) 基質特異性 (a) オキザロ酢酸、DL- 乳酸、酢酸またはα−ケトグル
タール酸には反応せず、ピルビン酸に特異的である。 (b) 電子伝達系に酸素のみを用いた場合、及び下記表1
に示す電子受容体を加えた場合のオキシダーゼとしての
酵素活性を示した。表示は酸素のみの活性を100 とした
相対活性を示した。また同様の反応を示すピルビン酸オ
キシダーゼ〔Fed.Proc.13 巻734 〜738(1954) 〕と種々
の電子伝達系において、その性質を比較した結果は次の
通りである。
【0014】
【表1】 上記結果、電子伝達系として電子受容体を添加するとオ
キシダーゼ活性が消失することにより、本酵素は電子伝
達系として酸素よりも他の電子受容体に作用しやすい。
【0015】(3) 至適pH ピルビン酸デヒドロゲナーゼの反応pHの影響を求めた。
緩衝液は50mM K- リン酸緩衝液を用いて行なった。各pH
でのピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性の測定結果は図1
に示す通りであり、至適pHは6.2 〜6.3 付近である。 (4) 安定pH 緩衝液には50mM酢酸緩衝液(pH3〜6)、50mM K−リン酸緩
衝液(pH5.5〜8)、50mM Tris-HCl 緩衝液を用い、25℃、
20時間保温して、その残存活性を測定した。その結果は
図2に示す通り、安定pHは5 〜8 付近である。 (5) 至適温度 各温度における酵素活性を測定した。その結果は図3に
示す通り、至適温度は55℃付近である。 (6) 熱安定性 ピルビン酸デヒドロゲナーゼを50mM K- リン酸緩衝液、
pH6.3 で40〜60℃で15分間加熱した後、残存活性を測定
した。その結果は図4に示す通り、50℃まで安定でああ
る。 (7) 物質的影響 (a) 酵素活性測定法にて示す反応系より、表2の物質を
除去した場合の酵素活性を次表に相対活性として示す。
なお、リン酸除去の場合は緩衝液として50mM酢酸緩衝液
pH6.3を用いた。
【0016】
【表2】
【0017】以上の結果より、上記酵素はコファクター
としてTPP(チアミンピロホスフェート)、FAD、
Mg2+が必要であり、基質としてリン酸が必要なことが判
明する。 (b) 酵素活性測定法にて示す反応系のMgSO4 の代わり
に、次に示す種々の金属を用いて酵素活性を測定した。
各種金属の反応液中での濃度は10mMであり、さらに表示
はMgSO4 のときの活性を100 として相対活性で示した。
【0018】
【表3】 その結果、Mg2+, Co2+, Ca2+, Zn2+およびNi2+により酵
素活性が発現する。
【0019】次に本発明のピルビン酸デヒドロゲナーゼ
の活性測定法を示す。 0.15M K-リン酸緩衝液 pH6.3 10ml 3mM TPP 2ml 0.15mM FAD ・ Na2 2ml 15mM EDTA・Na2 2ml 0.15mM MgSO4 2ml 1mM 1-メトキシPMS-10mM NTB 3ml 10% Triton X-100 1.5ml 蒸留水 2.5ml 上記反応液を調整した後、2.5ml を試験管に分取し、0.
3Mピルビン酸カリウム水溶液を0.5ml 加えて、37℃で5
分間予備加温する。酵素溶液0.1ml を添加し、ゆるやか
に混和後、水を対照に37℃に制御された分光光度計で57
0nm における1分間当りの吸光度変化を求める(ΔODte
st)。盲検は、酵素溶液の代わりに酵素希釈液50mM K-
リン酸緩衝液、pH6.3 を0.1ml 加え、上記同様に操作を
行って1 分間当りの吸光度変化を求める(ΔODblank)。
ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性の表示は、上記条件で
1 分間あたり1/2 マイクロモルのジフォルマザンを生成
する酵素単位を1 単位(U)とする。
【0020】本発明で使用する熱安定性に優れたピルビ
ン酸デヒドロゲナーゼの一例は、次の方法により製造し
た。 1.培養 肉エキス0.5%,ポリペプトン2%,酵母エキス1%,K2HPO4
・3H2O 1%,MgSO4 7H2O0.02%を含む培地(pH6.8) 90mlを5
00ml 容坂口フラスコに移し、 121℃, 15分間オートク
レーブを行った。冷却した後、別殺菌して20%ピルビン
酸ナトリウム水溶液(pH5.0) を無菌的に10ml添加した。
種菌としてラクトバチルス・デルブリッチィ・IFO 3202
を同培地に一白金耳接種し、37℃で24時間振盪培養し種
培養液とした。次に同培地5.4Lを10L 、ジャーファーメ
ターに移し、121 ℃で15分間オートクレーブを 行い、
放冷後、別殺菌した20% ピルビン酸水溶液を無菌的に60
0ml 添加した。これに種培養液100ml を移し、300rpm,
通気量 2L/分,37℃で24時間培養した。培養終了時のピ
ルビン酸デヒドロゲナーゼ活性は、0.35U/mlであった。 2.精製 培養液6Lを遠心分離にて集菌し、 50mM K-リン酸緩衝液
pH7.0、 100mlにて懸濁した。超音波破砕機(海上電気
製19KHZ)にて15分間処理し、遠心分離してその上清液を
得た。上清液を、50mM K- リン緩衝液、pH7.0 にて平衡
化したDEAE- セファロースCL-6B(ファルマシア製)カラ
ムクロマトグラフィーに供し、0〜0.5MNaCl 溶出画分
にピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を得た。溶出液を限
外濾過機にて濃縮した後、50mM MES緩衝液 pH 6.3 にて
平衡化したセファデックスG-200(ファルマシア製)に
てゲル濾過を行った。その結果、840Uのピルビン酸デヒ
ドロゲナーゼが得られた。
【0021】本発明では試料に、上記ピルビン酸デヒド
ロゲナーゼ、ピルビン酸及び電子受容体を含有する試薬
を添加して、還元型電子受容体、二酸化炭素又はアセチ
ルリン酸の生成量を測定するか、あるいは酸化型電子受
容体またはピルビン酸の消費量を測定することにより、
試料中のリン酸の量を知ることができる。特に本発明の
熱安定性に優れたピルビン酸デヒドロゲナーゼを含有す
る反応系においては、リン酸との酵素反応性を良好に行
わせるため、ピルビン酸デヒドロゲナーゼと共に、TP
P、ピルビン酸、電子受容体及びマグネシウムイオン、
コバルトイオン、カルシウムイオン、ニッケルイオン、
亜鉛イオンのうち少なくとも1種の金属イオンおよび必
要によりFADを用いればよく、さらにまたこの反応に
よる生成物である還元型電子受容体の比色検出系を用い
る場合は、必要によりホルマザン系色素を適宜選択して
共役させればよい。
【0022】本発明では酵素の使用量としては酵素反応
が充分に進行する量であればよく、また試料中のピルビ
ン酸の含量、酵素反応の温度、時間などにより適宜変更
されるものであるが、例えば本発明試薬は熱安定性に優
れたピルビン酸デヒドロゲナーゼ約 0.01 〜10U/ml、ピ
ルビン酸約 10 〜500 μM 、FAD 約1 〜20μM 、TPP約
0.1 〜0.5mM 、金属イオン約1〜50mM、電子受容体約
0.01 〜1mM 、緩衝液 pH5〜7.5 並びに還元型電子受容
体としてホルマザン系色素約 0.1〜10mMを含有する。リ
ン酸を形成する物質又はリン酸形成反応を触媒する酵素
を測定するには、本発明の試薬と従来公知のリン酸へ誘
導する試薬を組み合わせて使用する。
【0023】還元型電子受容体の検出系としては、例え
ば次のような共役系が挙げられる。 電子受容体 フェナジンメトサルフェート(PMS) 1-メトキシ-5- メチルフェナジウムメチルサルフェート
(1-mPMS) 9-ジメチルアミノベンゾ- α- フェナゾクソニウム(メメ
ルトラブルー) ホルマザン系色素 3-(4,5- ジメチル-2- チアゾリル)-2,5-ジフェニル-2H
テトラゾリウム(MTT) ネオテトラゾリウムブルー ニトロテトラゾリウムブルー(NTB) テトラゾリウムブルー(TB) テトラニトロテトラゾリウムブルー(TNTB)
【0024】本発明において、試料中のリン酸を遊離す
る系における基質、例えばATPを測定するには、AT
Pase、上記ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、ピルビン
酸及び電子受容体を含有する試薬を添加して、還元型電
子受容体、二酸化炭素又はアセチルリン酸の生成量を測
定するか、あるいは酸化型電子受容体またはピルビン酸
の消費量を測定することにより、試料中のATPの量を
知ることができる。またピロリン酸を測定するには、ピ
ロホスファターゼ、上記ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、
ピルビン酸及び電子受容体を含有する試薬を添加して、
還元型電子受容体、二酸化炭素又はアセチルリン酸の生
成量を測定するか、あるいは酸化型電子受容体またはピ
ルビン酸の消費量を測定することにより、試料中のピロ
リン酸の量を知ることができる。さらにリン酸モノエス
テルなどを測定するには、エステラーゼ、上記ピルビン
酸デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸及び電子受容体を含有
する試薬を添加して、還元型電子受容体、二酸化炭素又
はアセチルリン酸の生成量を測定するか、あるいは酸化
型電子受容体またはピルビン酸の消費量を測定すること
により、試料中のリン酸モノステルの量を知ることがで
きる。
【0025】本発明において、試料中のリン酸形成反応
を触媒する酵素、例えばATPaseを測定するには、
ATP、上記ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸
及び電子受容体を含有する試薬を添加して、還元型電子
受容体、二酸化炭素又はアセチルリン酸の生成量を測定
するか、あるいは酸化型電子受容体またはピルビン酸の
消費量を測定することにより、試料中のATPaseの
量を知ることができる。またピロホスファターゼを測定
するには、ピロリン酸、上記ピルビン酸デヒドロゲナー
ゼ、ピルビン酸及び電子受容体を含有する試薬を添加し
て、還元型電子受容体、二酸化炭素又はアセチルリン酸
の生成量を測定するか、あるいは酸化型電子受容体また
はピルビン酸の消費量を測定することにより、試料中の
ピロホスファターゼの量を知ることができる。さらにホ
スファターゼを測定するには、リン酸モノエステル、上
記ピルビン酸デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸および電子
受容体を含有する試薬を添加して、還元型電子受容体、
二酸化炭素又はアセチルリン酸の生成量を測定するか、
あるいは酸化型受容体またはピルビン酸の消費量を測定
することにより試料中のホスファターゼを測定すること
ができる。
【0026】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 MES緩衝液 pH6.3 50 mM FAD ・ Na2 10 μM TPP 0.2 mM MgSO4 10 mM 1-mPMS 0.1 mM NTB 1.0 mM Triton X-100 0.5 % ピルビン酸カリウム 50 mM ピルビン酸デヒドロゲナーゼ 0.1 U/ml 上記の組成よりなる反応液3.0ml を分取し、37℃で約5
分間予備加温し、これにリン酸1カリウム水溶液(6〜30
mM)0.1mlを添加した後、37℃,5分間反応させ、570nm に
おける吸光度変化を記録し、その初期直線部分より1 分
間当りの吸光度変化を測定した。その結果は図5に示す
通り反応液中のリン酸1カリウム濃度が1mM の高濃度ま
で極めて良好な定量曲線が得られた。
【0027】実施例2 MES 緩衝液 pH6.3 50 mM FAD ・ Na2 10 μM TPP 0.2 mM MgSO4 10 mM 1-mPMS 0.1 mM NTB 1.0 mM Triton X-100 0.5 % ピルビン酸カリウム 50 mM ATPase 1 U/ml ピルビン酸デヒドロゲナーゼ 0.1 U/ml 上記の組成よりなる反応液3.0ml を分取し、37℃で約5
分間予備加温し、これにATP水溶液(6〜30mM) 0.1ml
を添加した後、37℃,5分間反応させ、570nm における吸
光度変化を記録し、その初期直線部分より1 分間当りの
吸光度変化を測定した。その結果は図6に示す通り反応
液中のATP濃度が1mM の高濃度まで極めて良好な定量
曲線が得られた。
【0028】実施例3 MES緩衝液 pH6.3 50 mM FAD・ Na2 10 μM TPP 0.2 mM MgSO4 10 mM 1-mPMS 0.1 mM NTB 10 mM Triton X-100 0.5 % ピルビン酸カリウム 50 mM ピルビン酸デヒドロゲナーゼ 0.1 U/ml 上記の組成よりなる反応液3.0ml を分取し、37℃で約5
分間予備加温する。これに血清0.1ml を添加した後、37
℃で5 分間反応させ、リン酸量を570nm の吸光度変化よ
り比色定量した。また同一の血清を市販品(東洋紡製ダ
イヤカラー・IP)を用いて測定し、その相関を求め
た。その結果は図6に示す相関図が得られ、その相関は r=0.984 (n=59) Y=0.981X+0.07 であり、極めて良好なものであった。
【0029】
【発明の効果】本発明では、熱安定性に優れたピルビン
酸デヒドロゲナーゼを使用することにより、優れた溶液
安定性を有する分析用試薬、例えばリン酸測定用試薬を
製造することができる。また溶存酸素の影響を受けない
ので、ドライ・ケミストリー、固定化酵素など、広範囲
の測定系が可能となる。また本発明では更に上記のピル
ビン酸デヒドロゲナーゼ、TPP、ピルビン酸塩電子受
容体、及びマグネシウムイオン、コバルトイオン、カル
シウムイオン、ニッケルイオン、亜鉛イオンのうち少な
くとも1種の金属イオンおよび必要によりFADからな
る反応系をリン酸含有試料系と反応させることにより、
良好に試料系中のリン酸を高濃度まで測定することが出
来、またこの反応系中の電子受容体にニトロテトラゾリ
ウムブルー(NTB) 等のホルマザン系色素を共役させるこ
とにより、簡便かつ良好にリン酸を高濃度まで測定出来
る。さらに本発明によれば、リン酸を遊離する系におけ
る基質、例えばATP、ピロリン酸、リン酸モノエステ
ルなど、及びリン酸形成反応を触媒する酵素、例えばA
TPase、ピロホスファターゼ、ホスファターゼなど
の測定にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピルビン酸デヒドロゲナーゼの至適pH
を示す。
【図2】本発明のピルビン酸デヒドロゲナーゼの安定pH
を示す。
【符号の説明】
図中、○−○は50mM酢酸緩衝液、●−●は50mM K- リン
酸緩衝液、△−△は50mM Tris-HCl 緩衝液を示す。
【図3】本発明のピルビン酸デヒドロゲナーゼの至適温
度を示す。
【図4】本発明のピルビン酸デヒドロゲナーゼの熱安定
性を示す。
【図5】本発明のピルビン酸デヒドロゲナーゼを用いた
リン酸の検量線を示す。
【図6】本発明のピルビン酸デヒドロゲナーゼを用いた
ATPの検量線を示す。
【図7】実施例2 における市販品との相関図を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中のリン酸に下記反応を触媒し、か
    つpH6.3 、15分間処理で50℃まで安定であるピルビン酸
    デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸および電子受容体を作用
    させ、生成するアセチルリン酸、二酸化炭素または還元
    型電子受容体あるいは消費する電子受容体またはピルビ
    ン酸を測定することにより、試料中のリン酸を測定する
    ことを特徴とするリン酸の測定法。 反応式 : ピルビン酸+リン酸+電子受容体 →アセ
    チルリン酸+CO2 +還元型電子受容体
  2. 【請求項2】 試料中のATPにATPaseを作用さ
    せ、生成したリン酸に下記反応を触媒し、かつpH6.3 、
    15分間処理で50℃まで安定であるピルビン酸デヒドロゲ
    ナーゼを作用させ、生成するアセチルリン酸、二酸化炭
    素または還元型電子伝達体あるいは消費する電子受容体
    またはピルビン酸を測定することにより、試料中のAT
    Pを測定することを特徴とするATPの測定法。 反応式 : ピルビン酸+リン酸+電子受容体 →アセ
    チルリン酸+CO2 +還元型電子受容体
  3. 【請求項3】 下記反応を触媒し、且つpH6.3 、15分間
    処理で50℃まで安定であるピルビン酸デヒドロゲナー
    ゼ、ピルビン酸および電子受容体を含有することを特徴
    とするリン酸測定用試薬。 反応式 : ピルビン酸+リン酸+電子受容体 →アセ
    チルリン酸+CO2 +還元型電子受容体
  4. 【請求項4】 ATPase、下記反応を触媒し、且つ
    pH6.3 、15分間処理で50℃まで安定であるピルビン酸デ
    ヒドロゲナーゼ、ピルビン酸および電子受容体を含有す
    ることを特徴とするATP測定用試薬。 反応式 : ピルビン酸+リン酸+電子受容体 →アセ
    チルリン酸+CO2 +還元型電子受容体
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7267986B2 (en) 2002-03-19 2007-09-11 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method of detecting inorganic phosphoric acid, pyrophosphate and nucleic acid, and method of typing SNP sequence of DNA
JP2011050357A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Hiroshima City Univ アミノ酸の分析方法およびバイオセンサー

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