JP4140929B2 - 1,5agまたはadpの測定法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は1,5アンヒドログルシトール(1,5AG)およびADPのいずれか一成分を含有する被検液に、1,5AGおよびADPのいずれか残りの成分および下記反応を触媒する酵素蛋白を作用させ、反応によって生成される1,5アンヒドログルシトール6リン酸(1,5AG6P)またはAMPを定量することを特徴とする1,5AGまたはADPの定量法に関し、血清、血漿、尿、髄液などの被検液中の1,5AGまたは遊離または形成されたADPを簡便かつ正確に測定する臨床検査分野に関するものである。
【0002】
【化2】
【0003】
【従来の技術】
1,5AGはヒト髄液、血漿、血清、尿中などに存在し、ある種の疾患、特に糖尿病において血漿中の量が低下するすることが報告されている化合物であり(日本内科学会誌80巻、1198−1204、1991)、近年、糖尿病診断マーカーとして使用されている物質である。
【0004】
従来、生体試料中の1,5AGを測定する方法としてはガスクロマトグラフィー法(糖尿病、25巻、1115−1118、1982)、ピラノースオキシダーゼを用いて測定する方法(特開昭63−185397号公報、米国特許第4994377号明細書、EP公開261591号公報)、グルコキナーゼまたはヘキソキナーゼを用いて測定する方法(特開平8−107796号公報)などが知られていた。しかしながら、ガスクロマトグラフィー法は被検液の前処理として1,5AGのラベル化が必要である上、測定に長時間を要し、多数の検体を同時に測定することが困難であり、しかも分析機器の維持、管理に高度の技術を必要とするなどの欠点があり、実際の臨床に応用するには不便であった。またピラノースオキシダーゼを用いた1,5AGの測定法はピラノースオキシダーゼが基質としてピラノース類に広く作用するため1,5AGを正確に測定することができなかった。また1,5AGをリン酸化する酵素としてヘキソキナーゼ、グルコキナーゼが知られていたがヘキソキナーゼおよびグルコキナーゼがグルコースに対して高い特異性を示し、1,5AGに対する作用が低く、その測定に大量の酵素を用いる必要があり、現実的な測定とはいえなかった。
【0005】
また、ADPの測定は、例えばATPおよび基質の存在下にキナーゼによって基質のリン酸化体およびADPを形成する反応を触媒する酵素(キナーゼ)の反応が関与する酵素活性の測定や基質の定量に有用であることが知られている。
この基質とキナーゼの関係としては、例えばクレアチン、ATP/クレアチンキナーゼ(EC2.7.3.2)であり、グリセロール、ATP/グリセロキナーゼ(EC2.7.1.30)であり、コリン、ATP/コリンキナーゼ(EC2.7.1.32)であり、ピルビン酸、ATP/ピルビン酸キナーゼ(EC2.7.1.40)であり、酢酸、ATP/酢酸キナーゼ(EC2.7.2.1)などが挙げられ、これらの反応にて形成されるADPを測定対象とするものである。さらに、例えばグリセロール、ATP/グリセロキナーゼの場合に、このグリセロールはトリグリセリド、ジグリセリドやモノグリセリドにリパーゼや膵リパーゼを作用せしめて遊離されたグリセロールでもよく、またホスファチジルグリセロールにホスフォリパーゼDを作用せしめて遊離されたグリセロールでもよく、生体内成分の生化学検査項目としてのトリグリセリド定量の目的、トリグリセリドやジグリセリドを基質とした膵リパーゼ活性測定の目的や羊水中のホスファチジルグリセロール定量の目的が挙げられる。
【0006】
さらに他のADPの測定としては、下記の基質/酵素の関係において基質の測定または酵素活性測定が挙げられ、例えば尿素、ATP/ウレアアミドヒドロラーゼ(EC3.5.1.45)による形成されるADPの測定(例えばまた、尿素としては、遊離尿素やクレアチン/クレアチンアミドヒドロラーゼ(EC3.5.3.3)の反応にて形成される尿素でもよく、さらにクレアチンとしてはクレアチニン/クレアチニンアミドヒドロラーゼ(EC3.5.2.10)の反応にて形成されるクレアチンでもよい)、N−メチルヒダントイン、ATP/N−メチルヒダントイナーゼ(EC3.5.2.14)による形成されるADPの測定(例えばまた、N−メチルヒダントインとしてはクレアチニン/クレアチニンデイミナーゼ(EC3.5.4.21)の反応にて形成されるものが例示される)、L−グルタミン酸、アンモニア、ATP/グルタミンシンセターゼ(EC6.3.1.2)による形成されるADPの測定(例えばまた、アンモニアとしては、遊離アンモニアや尿素/ウレアーゼ(EC3.5.1.5)の反応にて形成されるものが例示される)、L−アスパラギン酸、α−ケトグルタル酸、アンモニア、ATP/アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(GOT)、グルタミンシンセターゼによる形成されるADPの測定に基づくGOT活性測定、L−アラニン、α−ケトグルタル酸、アンモニア、ATP/アラニンアミノトランスフェラーゼ(GPT)、グルタミンシンセターゼによる形成されるADPの測定に基づくGPT活性測定などが挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
まず、本発明者らは1,5AGに対して特異的に作用する酵素を広く微生物からスクリーニングしたところ、超高度好熱菌ピロコッカス・フリオサス・DSM3638菌株の菌体内に存在する酵素蛋白であるADP依存性ヘキソキナーゼ(ADP−HK)がADPの存在下1,5AGをリン酸化して1,5AG6Pを形成する反応を触媒することを初めて発見し、1,5AGの測定においてADPの存在下に該酵素蛋白を作用させるか、ADPの測定において1,5AGの存在下に該酵素蛋白を作用させることにより1,5AG6PおよびAMPを形成し、この1,5AG6PまたはAMPを定量することにより1,5AGまたはADPが簡便かつ正確に測定できることを見出した。さらに、本発明者らは、エッシェリヒア・コリDH1(ATCC33849)株の菌体内に存在する1,5アンヒドログルシトール6リン酸デヒドロゲナーゼが補酵素の存在下に1,5AG6Pを基質として還元型補酵素を形成する反応を触媒することを見出し、好適には1,5AGまたはADPの測定において生成された還元型補酵素を測定することにより達成できることを見出した。
【0008】
即ち、本発明は1,5AGおよびADPのいずれか一成分を含有する被検液に、1,5AGおよびADPのいずれか残りの成分および下記反応を触媒する酵素蛋白を作用させ、反応によって生成される1,5AG6PまたはAMPを定量してなる1,5AGまたはADPを簡便かつ高精度に測定することのできる新規な方法を提供することを目的とする。
【0009】
【化3】
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記知見に基づいて完成されたもので、1,5AGおよびADPのいずれか一成分を含有する被検液に、1,5AGおよびADPのいずれか残りの成分および下記反応を触媒する酵素蛋白を作用させ、反応によって生成される1,5AG6PまたはAMPを定量することを特徴とする1,5AGまたはADPの測定法である。
【0011】
【化4】
【0012】
より好ましくは、本発明は、生成される1,5AG6Pの定量において、1,5アンヒドログルシトール6リン酸デヒドロゲナーゼおよび補酵素を作用せしめ、次いで反応によって消費された成分または生成された成分を測定することを特徴とする1,5AGまたはADPの測定法である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0013】
本発明に用いられる下記反応を触媒する酵素蛋白としては1,5AGを基質とし、ADPを消費して1,5AG6PおよびAMPを生成する酵素蛋白であれば何ら限定されるものではなく、例えば超高度好熱菌Pyrococcus・furiosus・DSM3638菌株由来ADP−HKを用いればよい。超高度好熱菌Pyrococcus・furiosus・DSM3638菌株はドイッチェ・ザンムルグ・フォン・マイクロオルガニスメン・ウント・チェルクツルレンGmbH(DSM)に基準培養物として寄託され、DSMカタログ(1993)に記載されており、何人も入手可能である。
【0014】
ADP−HK生産菌の培養方法は例えば後述の培地を用いて、培養温度は菌の生育する温度範囲で行えばよく、例えば70〜110℃、好ましくは85〜105℃である。また、培養時間は目的とする酵素が最高力価となる培養時間、例えば1〜3日にて目的とする酵素を採取すればよい。
生成された1,5AG6Pの定量に用いられる1,5アンヒドログルシトール6リン酸デヒドロゲナーゼ(1,5AG6PDH)としてはエッシェリヒア・コリDH1(ATCC33849)株の菌体内に存在する1,5AG6PDHを用いて測定すればよい。1,5AG6PDHは下記反応式
【0015】
【化5】
【0016】
で示される通り1,5AG6Pを基質とし、例えば補酵素として酸化型(チオ)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)〔酸化型(チオ)NAD(P)〕類を消費して還元型(チオ)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)〔還元型(チオ)NAD(P)〕類を生成する1,5AG6PDHであればなんら限定されるものではない。またこの1,5AG6PDH生産菌としてはエシェリヒア属に属する1,5AG6PDH生産菌であれば何ら限定されるものではなく,1,5AG6PDHを生産する能力を有するその変異株であってもよい。好ましくはエシェリヒア・コリ属に属する生産菌が考えられ、より好ましいものとしてエシェリヒア・コリ・DH1(ATCC33849)はATCCに保存され、ATCC(18th)カタログに記載されており、何人も入手可能であり本菌株から得られた1,5AG6PDHが好ましい。
【0017】
次いで1,5AG6PDHを得るに当たって好ましくはエシェリヒア・コリ・DH1(ATCC33849)を培養するものでこの培養手段としては固体培養でも液体培養でもよいが好ましくはフラスコ、ジャー等による通気培養である。この培地としては微生物の培養に通常用いられるものが広く使用される。炭素源としてグルコース、グリセロール、ソルビトール、ラクトースなど、窒素源としては酵母エキス、肉エキス、トリプトン、ペプトンなど、無機塩としては塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウムなどを用いればよい。培養条件としては例えばpH6.5〜7.5、培養温度は25〜37℃で目的とする酵素が最高力価となる培養時間、例えば18〜30時間にて目的となる酵素を採取すればよい。
【0018】
ADP−HKまたは1,5AG6PDHは主としてその菌体内に含有、蓄積されており、その菌体内から抽出すればよい。ADP−HKまたは1,5AG6PDHの抽出法を例示すれば培養液から菌体を遠心分離などによって分離し、菌体をリン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液などの緩衝液に懸濁した後、リゾチーム、超音波、ガラスビーズなどによって破砕して遠心分離し、可溶性画分を粗酵素液として回収する。このようにして得られた粗製のADP−HKまたは1,5AG6PDH含有液を公知の蛋白質、酵素の単離、精製手段を用いて処理することにより、精製されたADP−HKまたは1,5AG6PDHを得ることができる。例えばアセトンまたはエタノールなどの有機溶媒による分別沈殿法、硫酸アンモニウムなどによる塩析法、イオン交換クロマトグラフィー法、疎水クロマトグラフィー法、アフィニティークロマトグラフィー法、ゲルろ過法などの一般的な酵素精製法を適宜選択、組み合わせて精製ADP−HKまたは1,5AG6PDHを得ることができ、適宜安定化剤例えばショ糖、グリセロールなどを5〜50%程度、アミノ酸、補酵素などを0.01〜0.1%程度加えて凍結保存または凍結乾燥させてもよい。
【0019】
上記ADP−HKが触媒する酵素反応に使用するマグネシウムイオンの代わりにマンガンイオンを放出し得るイオン放出性塩類を用いればよく、その塩類としては塩化物、硫酸化物などが包含され、好適には塩化マグネシウム、塩化マンガンが挙げられるが、なんらこれらに限定されるものではない。
上記1,5AG6PDHが触媒する酵素反応に使用される補酵素としての酸化型(チオ)NAD(P)類には酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(酸化型NAD)、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(酸化型NADP)、酸化型3−アセチルニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(酸化型3−アセチルNAD)、酸化型3−アセチルニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(酸化型3−アセチルNADP)の酸化型3−アセチルNAD(P)、酸化型デアミノニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(酸化型デアミノNAD)、酸化型デアミノニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(酸化型デアミノNADP)の酸化型デアミノNAD(P)(これらを含めて以下、酸化型NAD(P)ということもある)の他に酸化型チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(酸化型チオNAD)、酸化型チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(酸化型チオNADP)の酸化型チオNAD(P)などが包含されるが、なんらこれらに限定されるものではない。
【0020】
本発明における1,5AGの測定の場合、ADP−HK、1,5AG6PDH、ADP、酸化型(チオ)NAD(P)類およびマグネシウムイオンまたはマンガンイオンの使用量としては酵素反応が円滑に進行する量であればよく、被検液中1,5AGの含量、反応時間および温度などにより適宜調整されるが、ADP−HKおよび1,5AG6PDHの濃度は例えば0.1〜500U/ml程度、好ましくは1〜100U/ml程度である。ADPや酸化型(チオ)NAD(P)類の濃度は酵素反応を行うのに十分な濃度あればよく、ADPの濃度は例えば0.1〜100mM程度、好ましくは0.5mM〜20mM程度である。酸化型(チオ)NAD(P)類は例えば0.5〜50mM程度、好ましくは、1〜10mM程度とされ、マグネシウムイオンまたはマンガンイオンの濃度としては例えば0.1〜 50mM程度、好ましくは0.5〜10mM程度である。
【0021】
また、ADPを測定する場合には、上記の試薬としてADPを用いる代わりに1,5AGを使用すればよく、1,5AGの濃度としては酵素反応を行うのに十分な濃度として用いればよく、その濃度は例えば0.1〜100mM程度、好ましくは0.5mM〜20mM程度である。
本発明の方法は、酵素反応系に悪影響を及ぼさない適当な緩衝液(例えば、トリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、モノまたはジエタノールアミン緩衝液、グッド緩衝液等)を用いて行われる。
【0022】
また、測定手法は特に限定されず、エンドポイント法、レートアッセイ法などの手法を適宜用いることができる。測定対象となる被検液としては、例えば、血清、血漿、尿、髄液などが例示される。
このような被検液としては通常、例えば3〜200μlを用いて上記反応系によって反応を行うもので、反応温度としては例えば15〜45℃、好ましくは20℃〜40℃の反応温度条件で行えばよく、また、反応時間はエンドポイント法では、例えば1〜60分間、好ましくは1〜10分間、レートアッセイ法では反応が直線的に行われている時間内、好ましくは、2〜3分間を計って測定する。
【0023】
まず、反応によって生成されたAMPは、簡便には、例えば通常の液体クロマトグラフィー法で測定すればよい。
また酸化型(チオ)NAD(P)類から形成された還元型(チオ)NAD(P)類の生成量は種々の方法により測定することができるが、通常、簡便かつ高精度で測定することのできる吸光度測定法により行われる。測定波長は還元型(チオ)NAD(P)類の種類によって適宜選択され、還元型NAD(P)、還元型3−アセチルNAD(P)、還元型デアミノNAD(P)などの場合には340nm付近、還元型チオNAD(P)の場合は405nm付近の波長が選択される。また還元型(チオ)NAD(P)類の生成量の測定法として、インドニトロテトラゾニウム(INT)やニトロブルーテトラゾニウム(NTB)等のテトラゾニウム塩を用いて電子受容体としてフェナジンメトサルフェート(PMS)やジアホラーゼ(EC 1.6.4.3)の作用によりホルマザン色素を形成せしめ、このホルマザン色素の呈色を測定する方法を用いてもよい。また、還元型(チオ)NAD(P)類の蛍光を測定してもよい。
【0024】
また、被検液中の1,5−AGがごく微量でそのリン酸化生成物(1,5AG6P)も極微量である場合、下記反応式
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
(式中A1は酸化型チオNAD(P)または酸化型NAD(P)のいずれか1種を示し、A2はA1の還元生成物を示し、B1はA1が酸化型チオNAD(P)のときは還元型NAD(P)を、A1が酸化型NAD(P)のときは還元型チオNAD(P)を示し、B2はB1の酸化型生成物を示す。)
に示す原理にていわゆる酵素サイクリング反応を形成せしめ、該反応によって変化するA2またはB1の量を測定することで1,5AGを高感度に定量することができる。なお、還元型NAD(P)は波長340nm付近、還元型チオNAD(P)は波長405nm付近での吸光度により定量することができ、この特徴に基づいてこれらを定量するものである。
【0028】
この酵素サイクリング反応においては酵素反応系に悪影響を及ぼさない適当な緩衝液、例えばトリス塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、モノまたはジエタノールアミン緩衝液、グッド緩衝液などで例えばpH8〜11、好ましくは9.5〜10.5が用いられる、還元型NAD(P)量は例えば0.01〜0.1mM、酸化型チオNAD(P)量は例えば0.5〜5mM、1,5AG6PDH量は例えば0.1〜100U/ml程度で適宜KCl、MgCl2 などの無機塩を例えば0〜100mMの濃度加えて行ってもよい。反応温度としては例えば5〜45℃、好ましくは20〜40℃の反応温度条件で行えばよく、反応時間しては例えば0.5〜60分程度で行えばよい。
【0029】
また、被検液中にグルコースが共存するする場合は1,5AGに対して作用せずグルコースに特異性を有する酵素を用いてグルコースを消去した後に1,5AGの測定を行うことが好ましい。具体的に説明すると、
1、グルコースオキシダーゼまたはグルコースオキシダーゼおよびカタラーゼ
2、グルコースデヒドロゲナーゼ
3、ヘキソキナーゼ
4、グルコキナーゼ
などが挙げられ、好適にはグルコースオキシダーゼおよびカタラーゼを用いた消去方法がよい。消去反応を効率よく行うためにムタロターゼを添加してもよい。添加する酵素量としては例えば0.1〜500U/ml、好ましくは1〜100U/mlである。また、上記酵素の反応生成物を消費する酵素をさらに添加してもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0031】
【参考例1】
<ADP−HKの酵素活性測定法>
測定試薬
50mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.5)
20mM グルコース
2mM ADP
2mM MgCl2
5U/ml グルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PDH)
0.025% NBT
1mM 酸化型NADP
1% トリトンX−100
5U/ml ジアホラーゼ(NADPH)
測定試薬1mlを37℃で1分間予備加温した後、0.02mlの酵素液を添加して10分間反応させる。反応後、0.1N塩酸を2ml添加して反応を停止させ、5分以内に層長1.0cmのセルを用いて、波長550nmにおける吸光度を測定する(As)。また盲検として酵素液のかわりに蒸留水0.02mlを用いて同一の操作を行って吸光度を測定する(Ab)、この酵素使用の吸光度(As)と盲検の吸光度(Ab)の吸光度差(As−Ab)より酵素活性を求める。酵素活性1単位は37℃で1分間に1μモルの還元型NADPを生成させる酵素量とし、計算式は下記の通りである。
酵素活性(U/ml)=(As−Ab)×0.795×酵素の希釈倍率
<ADP−HKの取得>
Pyrococcus・furiosus・DSM3638の培養
培地組成
0.1% 酵母エキス
0.5% トリプトン
0.72% マルトース
2.39% NaCl
0.4% Na2 SO4
0.07% KCl
0.02% NaHCO3
0.01% KBr
0.03% H3BO4
1.08% MgCl2
0.15% CaCl2
0.0025% SrCl2
0.025% NH4 Cl
0.014% K2 HPO4
0.1% CH3 COONa
0.0015% N(COOH)3
0.0005% MnSO4
0.0014% FeSO4
0.0002% NiCl2
0.0001% CoSO4
0.0001% ZnSO4
0.00001% CuSO4
0.000001% Na2 Wo4
0.000001% Na2 Mo4
0.1% システイン塩酸塩
上記培地成分を含む液体培地(pH7)500mlを500ml溶三角フラスコ10本に分注し、120℃、20分間、加熱滅菌した後、これにPyrococcus・furiosus・DSM3638株の菌体懸濁液10mlを移植し、攪拌させながら、95℃で20時間培養し、種培養液とした。上記培地成分を含む液体培地200l/300lタンクを滅菌した後、種培養液を移植し、攪拌させながら、95℃で15時間培養し、5mU/mlの培養液200lを得た。<ADP−HKの精製>
得られた培養液200lを遠心分離して、得られた菌体を0.9%のNaClを含む20mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で1回洗浄した。洗浄菌体を20mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)に懸濁して2lに調整し、クボタ社製の超音波破砕機(INSONATOR 201M)を用いて180W、30分間処理して、菌体破砕液を得た。
【0032】
この破砕液を8000rpm、30分間遠心分離し、1.8l(酵素活性980U)の上清を得た。この上清を透析チューブを用いて10mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)8lに対して5℃で一夜透析した後、10mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で緩衝化したDEAE−Sepharose FF(ファルマシア社製)200ml(2.6×38cm)のカラムに通し、0〜1モルのNaClのリニアグラジエントで溶出を行った。その結果、0.08〜0.1モルのNaCl濃度で活性画分(950U)が溶出された。
【0033】
この得られた活性画分に4MとなるようにNaClを溶解し、4MのNaClで緩衝化されたPhenyl−Sepharose FF(ファルマシア社製)200ml(2.6×38cm)のカラムに通し、4〜0MのNaClのリニアグラジエントにより溶出を行った。その結果、0.02から0.07モルのNaCl濃度で活性画分(900U)が得られた。この得られた活性画分を10mMトリス−塩酸(pH7.5)8lに5℃、一夜透析した後、10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で緩衝化したヒドロキシアパタイト(ペンタックス社製)100ml(2.6×19cm)のカラムに通し、0〜0.5Mのリン酸緩衝液(pH7.5)のリニアグラジエントにより溶出を行った。その結果、0.02〜0.03Mのリン酸緩衝液濃度で活性画分(850U)が溶出された。この酵素液を凍結乾燥して5mgの酵素粉末(170U/mg)を得た。
【0034】
ADP−HKの理化学的性質は以下の通りであった。
<ADP−HKの理化学的性質>
(1)酵素作用
基質としてグルコースを用いた酵素作用を以下に示す。
【0035】
【化8】
【0036】
(2)基質特異性
基質特異性を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
(3)分子量
トーソー社製TSK−G3000SWXL(0.75×30cm)を用いたゲル濾過法により測定したADP−HKの分子量は100000±5000であった。
(4)至適pHはpH6.0〜7.0(リン酸緩衝液)であった。
【0039】
(5)至適温度は80〜100℃であることから高度好熱性酵素と認められた。
【0040】
【参考例2】
<1,5AG6PDH生産菌の培養>
エシェリヒア・コリ・DH1(ATCC33849)の培養
培地組成
0.5% 肉エキス
1.5% ソルビトール
1.0% トリプトン
1.5% ビール酵母エキス
上記培地成分を含む液体培地(pH7.5)50mlを300ml容三角フラスコ2本に分注し、120℃、20分間、加熱滅菌した後、これにエシェリヒア.コリDH1(ATCC33849)の菌体懸濁液1mlを移植し、攪拌させながら、30℃で15時間培養し、種培養液とした。上記培地成分と消泡剤FSアンチフォーム028(ダウコーニング社製)を0.3%含む液体培地5lを10l容ジャー2ヶにおいて滅菌した後に種培養液を移植し、37℃で培養液のpHを5N NaOHで6.5以上になるよう制御して好気的に撹拌しながら24時間培養し、培養力価15mU/mlの培養液10lを得た。
<1,5AG6PDHの精製>
得られた培養液10lを遠心分離して、得られた菌体を50mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で1回洗浄した。洗浄菌体を50mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)に懸濁して1.2lに調整し、DYNO−MILL(Willy・A.Bachofen社製)を用いて菌体破砕を行い、菌体破砕液を得た。
【0041】
この破砕液を透析チューブを用いて50mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)20lに対して5℃で一夜透析した後、8000rpm、60分間遠心分離し、1.0l(酵素活性120U)の上清を得た。この上清を50mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で緩衝化したDEAE−Sepharose・FF(ファルマシア社製)1200ml(2.6×38cm)のカラムに通し、0〜0.25MのNaClのリニアグラジエントで溶出を行った。その結果、約0.15MのNaCl濃度で活性画分(75U)が溶出された。この得られた活性画分に3MとなるようにNaClを溶解し、50mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.5),3M NaClで平衝化されたPhenyl−Sepharose・CL4B(ファルマシア社製)500ml(2.6×38cm)のカラムに通し、2.5〜0MのNaClのリニアグラジエントにより溶出を行った。
【0042】
その結果、約1.2MのNaCl濃度で活性画分(50U)が得られた。この得られた活性画分を20mMトリス−塩酸(pH8.5)で、一夜透析した後、20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で緩衝化したBlue−sepharose(ファルマシア社製)50ml(2.6×19cm)のカラムに通し、0〜1MのNaCl、20%エチレングリコールのリニアグラジエントにより溶出を行った。その結果、約0.6MのNaCl、12%エチレングリコールの濃度で活性画分(30U)が溶出された。この得られた活性画分を50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で一夜透析した後、50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で緩衝化したResource・Q(ファルマシア社製)6mlのカラムに通し、0〜0.3MのNaClのリニアグラジエントにより溶出を行った。その結果、約0.15MのNaCl濃度で活性画分(28U)が得られ、均質な酵素標品を得た。
<1,5AG6PDHの理化学的性質>
(1)作用
1,5AG6Pを補酵素の存在下脱水素し、組成式(C6 118 1 )の化合物とする下記の反応式
【0043】
【化9】
【0044】
で表される反応を触媒する。
また上記反応において、1,5AG6Pを25mMとして用いた場合、補酵素としての酸化型NADPに対するKm値は0.09mMであり、酸化型NADに対するKm値は2.4mMであり、酸化型チオNADPに対するKm値は0.08mMであり、さらに酸化型チオNADも補酵素として作用する。
(2)力価の測定法
1,5AG6PDHの酵素活性測定法
測定試薬
50mM CAPS−NaOH緩衝液(pH10.0)
1mM 酸化型NADP
5mM 1,5AG6P
(CAPS:N−Cyclohexyl−3−aminopropanesu−lfonic acid)
測定試薬1mlを光路長1cmのセルに入れ37℃で5分間予備加温した後、0.01mlの酵素液添加後0.5分後の波長340nmにおける吸光度(Aa)と酵素液添加後1.5分後の吸光度(Ab)を測定する。この吸光度(Aa)と(Ab)の吸光度差(Ab−Aa)より酵素活性を求める。なお、吸光度(Ab)が0.2以上になる時は酵素液を50mM CAPS−NaOH緩衝液(pH10.0)で希釈して測定するものとする。酵素活性1単位は37℃で1分間に1μモルの還元型NADPを生成させる酵素量とし、計算式は下記の通りである。
酵素活性(U/ml)=(Ab−Aa)×16.0×酵素の希釈倍率
(3)基質特異性
上記力価測定法を利用して、その反応液中の1,5AG6Pの代わりに、種々の基質を用いて、1,5AG6Pに対する相対活性を求めた結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
その結果、この酵素は少なくとも1,5AG6Pに基質特異性を示した。
(3)至適pH
pH7.0〜9.0は50mMトリス塩酸緩衝液(□−□)、pH9.5〜10.5は50mMのCAPS−NaOH緩衝液(■−■)を用いた。至適pHは9〜10付近であり、結果を図1に示した。
【0047】
(4)pH安定性
pH4.0〜5.5はクエン酸緩衝液(○−○)、pH5.5〜7.0はビストリス塩酸緩衝液(●−●)、pH7.0〜9.0はトリス塩酸緩衝液(□−□)、pH9.5〜11.0はCAPS−NaOH緩衝液(■−■)を用いた。50℃、30分処理でpH6〜9において安定であり、結果を図2に示した。
【0048】
(5)至適温度
上記の力価測定法における測定法を利用して、その温度条件を変えて酵素反応を行った結果は図3に示す通りであって、その至適温度は37〜50℃であった。
(6)熱安定性
1,5AG6PDHを1U/mlを含有して成る50mM CAPS−NaOH緩衝液(pH9.5)を各温度に30分間放置し、ついで上記の力価測定法に従って、1,5AG6PDHの残存活性を測定した結果、図4に示す通りであって、酵素は45℃付近までは安定であった。
【0049】
(7)種々の物質による影響
上記の力価測定法において、種々の添加物を加えて、1,5AG6PDHの1,5AG6Pに対する酵素活性を測定した結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】
(8)分子量
78000±6000(TSKgel・G3000SWXL(東ソー製)ゲル濾過法による)
(9)等電点
4.7±0.5(キャリアアンフォライトpH3.5−pH10(ファルマシア製)を用いる電気泳動法により測定)
(10)Km値
1,5AG6Pに対するKm値:25mM
(11)作用機序確認試験
1,5AG6P、(酸化型)NADP、トリエチルアミン重炭酸緩衝液(pH10.0)、1,5AG6PDHを含む反応液を37℃、8時間反応せしめる。1,5AG6Pに生成したカルボニル基を2,4−ジニトロフェニルヒドラジンとHClを加えて反応せしめヒドラゾンとして分離し、マススペクトルを測定することで生成物が組成式(C6 118 1 )で表されるものであることが確認された。
【0052】
【実施例1】
<マグネシウムイオンを用いたときの1,5AGの定量>
測定試薬1
52.6mM トリスー塩酸緩衝液(pH7.5)
10.5mM ADP
10.5mM MgCl2
10U/ml ADP−HK
測定試薬2
239mM グリシン−NaOH緩衝液(pH10.0)
4.77mM 酸化型NADP
0.24mM トリトンX−100
0.012% NTB
11.9U/ml ジアホラーゼ(NADPH)
36mU/ml 1,5AG6PDH
測定方法
1,5AGを1mM,2mM,5mM,7mM,10mMの水溶液に調製し、1,5AGサンプルを作製した。測定試薬1を0.475mlに1,5AGサンプル0.025mlを加え、37℃、5分間加温後、測定試薬2を0.5ml加えて更に37℃、5分間加温後、0.1NのHCl2mlを加えて、反応停止後、550nmの吸光度を1,5AGサンプルの代わりに蒸留水を用いたものを対象に測定した。図5に示す通り、1,5AGが定量的に測定できた。
【0053】
【実施例2】
<マンガンイオンを用いたときの1,5AGの定量>
測定試薬1
52.6mM トリスー塩酸緩衝液(pH7.5)
10.5mM ADP
10.5mM MnCl2
10U/ml ADP−HK
測定試薬2
239mM グリシン−NaOH緩衝液(pH10.0)
4.77mM 酸化型NADP
0.24mM トリトンX−100
0.012% NTB
11.9U/ml ジアホラーゼ(NADPH)
36mU/ml 1,5AG6PDH
測定方法
1,5AGを1.2mM,2.4mM,6mM,8.4mM,12mMの水溶液に調製し、1,5AGサンプルを作製した。測定試薬1を0.475mlに1,5AGサンプル0.025mlを加え、37℃、5分間加温後、測定試薬2を0.5ml加えて更に37℃、5分間加温後、0.1NのHCl2mlを加えて、反応停止後、550nmの吸光度を1,5AGサンプルの代わりに蒸留水を用いたものを対象に測定した。図6に示す通り、1,5AGが定量的に測定できた。
【0054】
【実施例3】
<サイクリング反応を用いた1,5AGの測定>
測定試薬
50mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.5)
2mM ADP
2mM MgCl2
5U/ml ADP−HK
40mM KCl
0.05mM 還元型NADP
3mM 酸化型チオNADP
1U/ml 1,5AG6PDH
測定方法
1,5AGを0.1mM、0.5mM,1.25mM、2.5mMの水溶液に調製し、1,5AGサンプルを作製した。測定試薬0.99mlに1,5AGサンプル0.01mlを加え、37℃、5分間加温後、の405nmの吸光度を試薬ブランクを対照に測定した。図7に示す通り、1,5AGが定量的に測定できた。
【0055】
【実施例4】
<グルコースの消去系を組み合わせた1,5AGの測定>
測定試薬1
50mM トリス−塩酸緩衝液(pH6.5)
100U/ml グルコースオキシダーゼ
50U/ml カタラーゼ
測定試薬2
200mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.5)
4mM ADP
50mU/ml 1,5AG6PDH
2mM 酸化型NADP
4mM MgCl2
10U/ml ADP−HK
10U/ml ジアホラーゼ(NADPH)
0.05% NTB
2.0% トリトンX−100
測定法
グルコース2mMを含む、1,5AGを1mM,2mM,5mM,7mM,10mMの水溶液に調製し、1,5AGのサンプルを作製した。測定試薬1の0.5mlに1,5AGサンプル0.025mlを加え、37℃、5分間加温後、測定試薬2を0.5ml加えて更に37℃、5分間加温後、0.1NのHCl2mlを加えて、反応停止後、550nmの吸光度を1,5AGサンプルの代わりに、蒸留水を用いたものを対照に測定した。図8に示す通り、1,5AGが定量的に測定できた。
【0056】
【実施例5】
<マグネシウムイオンを用いたときのADPの定量>
測定試薬1
52.6mM トリスー塩酸緩衝液(pH8.5)
20mM 1,5AG
10.5mM MgCl2
20U/ml ADP−HK
測定試薬2
239mM グリシン−NaOH緩衝液(pH10.0)
4.77mM 酸化型NADP
0.24mM トリトンX−100
0.012% NTB
11.9U/ml ジアホラーゼ(NADPH)
36mU/ml 1,5AG6PDH
測定方法
ADPを1mM,2mM,5mM,7mM,10mMの水溶液に調製し、1,5AGサンプルを作製した。測定試薬1を0.475mlにADPサンプル0.025mlを加え、37℃、5分間加温後、測定試薬2を0.5ml加えて更に37℃、5分間加温後、0.1NのHCl2mlを加えて、反応停止後、550nmの吸光度をADPサンプルの代わりに蒸留水を用いたものを対象に測定した。図9に示す通り、ADPが定量的に測定できた。
【0057】
【参考例3】
<マグネシウムイオンを用いた時のグルコースの定量>
測定試薬
50mM トリスー塩酸緩衝液(pH7.5)
2mM ADP
10U/ml G6PDH
1mM 酸化型NADP
2mM MgCl2
10U/ml ADP−HK
測定方法
グルコースを0.4mM、1mM、2mM、4mMの水溶液に調整し、グルコースサンプルを作成した。測定試薬1mlにグルコースサンプル0.05ml加え、37℃、5分間加温後の340nmの吸光度を試薬ブランクを対照に測定した。図10に示すようにグルコースが定量的に測定できた。
【0058】
【参考例4】
<マンガンイオンを用いたときのグルコースの定量>
測定試薬
50mM トリスー塩酸緩衝液(pH7.5)
2mM ADP
10U/ml グルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ
1mM 酸化型NADP
2mM MnCl2
10U/ml ADP−HK
測定方法
グルコースを0.48mM,1.2mM,2.4mM,4.8mMの水溶液に調製し、グルコースサンプルを作製した。測定試薬1mlにグルコースサンプル0.05mlを加え、37℃、5分間加温後の340nmの吸光度を試薬ブランクを対照に測定した。図11に示す通り、グルコースが定量的に測定できた。
【0059】
【発明の効果】
本発明の測定方法では、1,5AGまたはADPの新規な測定法を提供でき、本発明によれば、生体試料中の1,5AGまたはADPを簡便にして高精度で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に用いる1,5AG6PDHの至適pHを示す。
【図2】図2は、本発明に用いる1,5AG6PDHのpH安定性を示す。
【図3】図3は、本発明に用いる1,5AG6PDHの至適温度を示す。
【図4】図4は、本発明に用いる1,5AG6PDHの熱安定性を示す。
【図5】図5は、本発明によってマグネシウムイオンを用いたときの1,5AG測定の検量線を示す。
【図6】図6は、本発明によってマンガンイオンを用いたときの1,5AG測定の検量線を示す。
【図7】図7は、本発明によってサイクリング反応を用いたときの1,5AG測定の検量線を示す。
【図8】図8は、本発明によってグルコースの消去系を用いたときの1,5AG測定の検量線を示す。
【図9】図9は、本発明によってマグネシウムイオンを用いたときのADP測定の検量線を示す。
【図10】図10は、本発明によってマグネシウムイオンを用いたときのグルコース測定の検量線を示す。
【図11】図11は、本発明によってマンガンイオンを用いたときのグルコース測定の検量線を示す。

Claims (4)

  1. 1,5アンヒドログルシトールおよびADPのいずれか一成分を含有する血清、血漿、尿、髄液由来の被検液に、1,5アンヒドログルシトールおよびADPのいずれか残りの成分および下記反応を触媒するピロコッカス・フリオサス由来のADP依存性ヘキソキナーゼを20〜40℃で作用させ、反応によって生成される1,5アンヒドログルシトール6リン酸に1,5アンヒドログルシトール6リン酸デヒドロゲナーゼおよび酸化型(チオ)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)類を作用せしめ、次いで反応によって消費された酸化型(チオ)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)類または生成された還元型(チオ)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)類を測定、または液体クロマトグラフィーを用いてAMPを定量することを特徴とする1,5アンヒドログルシトールまたはADPの測定法。
  2. 酸化型(チオ)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)類が、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)または酸化型チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)である請求項記載の測定法。
  3. 還元型(チオ)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)類が、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)または還元型チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)である請求項記載の測定法。
  4. ピロコッカス・フリオサス由来ADP依存性ヘキソキナーゼ、1,5アンヒドログルシトール6リン酸デヒドロゲナーゼ、マグネシウムイオンおよび酸化型(チオ)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)類を含有することを特徴とする血清、血漿、又は尿由来の被検液中の1,5アンヒドログルシトールの測定用組成物。
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