JPH0771514B2 - 1,5−アンヒドログルシトールの定量法 - Google Patents
1,5−アンヒドログルシトールの定量法Info
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- JPH0771514B2 JPH0771514B2 JP25641688A JP25641688A JPH0771514B2 JP H0771514 B2 JPH0771514 B2 JP H0771514B2 JP 25641688 A JP25641688 A JP 25641688A JP 25641688 A JP25641688 A JP 25641688A JP H0771514 B2 JPH0771514 B2 JP H0771514B2
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Description
言う)の正確、迅速でかつ自動分析装置にも応用可能な
測定方法に関するものである。
特に糖尿病において血清中の量が低下することが報告さ
れている化合物である。
フィー法によって行われていた。最近、試料中の1,5−A
Gの測定に1,5−AG特異性酵素を用いた測定法(特開昭62
−79780)が開発された。また、1,5−AGをピラノースオ
キシダーゼ又はL−ソルボースオキシダーゼを用いて測
定する方法(特開昭63−185397)等が報告されている。
しかし、後者の方法においてはピラノースオキシダーゼ
又はL−ソルボースオキシダーゼが基質特異性において
厳密でないために健状人で通常、100mg/dl、糖尿病患者
では1000mg/dlにも達するグルコース等のような共存す
る糖類に反応し、測定できない。そのため、グルコース
の様な糖類を除去する目的のためイオン交換樹脂を充填
したカラムに試料を通し、そののち1,5−AGをピラノー
スオキシダーゼ又はL−ソルボースオキシダーゼを用い
て測定する方法、または試料中のグルコースをグルコー
スオキシダーゼで処理し、その結果生成する過酸化水素
をカタラーゼで分解後、残存する1,5−AGをピラノース
オキシダーゼ又はL−ソルボースオキシダーゼで測定す
る方法、さらには試料を前処理した後、ヘキソキナーゼ
でグルコースをグルコース−6−リン酸に変換後、残存
する1,5−AGをピラノースオキシダーゼ又はL−ソルボ
ースオキシダーゼで測定する方法がある。
の基質特異性がそれ程厳密で無い事より測定の際には誤
差の原因となりやすく、またカラムを使用して糖類を除
去したのちに、ピラノースオキシダーゼ又はL−ソルボ
ースオキシダーゼを作用させる方法は操作が繁雑であ
り、近年各種の臨床検査項目に対して実施されている自
動分析機器での自動化への適用が難しい。またグルコー
スの除去のためにグルコースオキシダーゼを用いる方法
は、試料中の溶存酸素の消費が後のピラノースオキシダ
ーゼ又はL−ソルボースオキシダーゼの反応を阻害し、
さらにグルコースオキシダーゼのKm値が大きい為、試料
中のグルコースを完全に処理できない。グルコースの除
去の為にヘキソキナーゼを用い、残存する1,5−AGをピ
ラノースオキシダーゼで測定しようとした場合、ヘキソ
キナーゼで完全にグルコースを除去できなかったり、ピ
ラノースオキシダーゼの反応時間が長く、正確な定量を
迅速に行うことができないなどの問題点があった。
自動分析機器にも応用可能な方法を検討し、本発明を完
成した。
し、試料中の1,5−AGを正確に、迅速に測定する方法を
提供するものであり、詳細にはマグネシウムイオン,ア
デノシン三リン酸(以下、ATPと言う),ホスホエノー
ルピルビン酸,ピルビン酸キナーゼ,ヘキソキナーゼ或
いはグルコキナーゼと試料を反応させ、試料中のグルコ
ースをグルコース−6−リン酸に変換後、残存する1,5
−AGにピラノースオキシダーゼまたはL−ソルボースオ
キシダーゼを反応させ、生成した過酸化水素をパーオキ
シダーゼと各種の基質を使用して測定する方法に関す
る。
ス−6−リン酸への変換はマグネシウムイオン,ATPの存
在下でヘキソキナーゼ或いはグルコキナーゼによって行
われるが、本発明者らの研究によればATP濃度が反応に
大きく影響することを見出した。つまりATPが少量の場
合、グルコースの変換が充分になされ難く、また逆に多
量の場合は以後のピラノースオキシダーゼ又はL−ソル
ボースオキシダーゼ,パーオキシダーゼ,過酸化水素検
出試薬の反応を抑制することが判明した。この問題を解
決するためホスホエノールピルビン酸,ピルビン酸キナ
ーゼを測定系に存在させた。即ち、ヘキソキナーゼまた
はグルコキナーゼとグルコースの反応でATPはADPへと変
換されるが、ホスホエノールピルビン酸,ヘキソキナー
ゼを存在させることによってADPは再びATPとして供給さ
れるため、測定系でのATP濃度は一定の範囲内にコント
ロールされる。従って、測定系でのATP濃度を最適な範
囲にコントロールする事が可能となり、上記のような問
題点は認められず、迅速で簡便な測定が出来、さらに操
作が簡便であるので自動化測定をもたやすくなった。
ルビン酸キナーゼ、ピラノースオキシダーゼ、L−ソル
ボースオキシダーゼ及びパーオキシダーゼは国際生化学
連合の分類に従い各々EC 2.7.1.2、EC 2.7.1.1、EC 2.
7.1.40、EC 1.1.3.10、EC 1.1.3.11及びEC 1.11.1.7と
分類されるものであり、臨床検査に使用できるほどに精
製されたものが好ましい。またホスホエノールピルビン
酸等の試薬は反応に際して妨げとならない程度に精製さ
れたものが用いられる。各々の酵素及び試薬の使用量
は、反応温度、反応時間、反応pH、酵素の起源や試薬の
純度により左右されるが、概ね以下に示す量であればよ
い。グルコキナーゼまたはヘキソキナーゼは4〜100U/m
l、ピルビン酸キナーゼは0.5〜12U/ml、ホスホエノール
ピルビン酸は1〜10mM、ATPは0.3〜1.4mM、マグネシウ
ムイオンは3〜70mM、ピラノースオキシダーゼ又はL−
ソルボースオキシダーゼは10〜500U/mlが使用される。
反応温度は5〜40℃、好ましくは25〜40℃で反応時間は
1分〜60分で好ましくは1分〜10分である。更に、グル
コースを効率良く変換するためにムタロターゼを共存さ
せてもよく、その場合の使用量は概ね0.25〜4.0U/mlで
ある。反応により生成した過酸化水素の定量には高感度
に定量できる方法であればいずれでもよいが、通常はペ
ルオキシダーゼを使用して、各種の基質を過酸化水素で
酸化し、生成した色素を分光光度計などで測定する方法
が簡便でかつ自動測定装置に好適である。又、生成する
過酸化水素を測定する代わりに消費した酸素を適当な方
法で検出してもよい。
これらにより制限されるものではない。
度の1,5−AGへのヘキソキナーゼの反応性を下記条件で
検討した。なお健常人の血漿1,5−AG濃度の平均値は約2
mg/dl〔日本臨床,44巻夏期臨時増刊号(1986)〕であ
る。1,5−AG濃度として0,1,2,5,10,15及び20mg/dl溶液
0.05mlに13mMのMgCl2を含有する50mMトリスー塩酸緩衝
液(pH8.0)2.6mlに500u/ml濃度のヘキソキナーゼ溶液
を0.1ml、16mMのATP溶液を0.1ml、49mMのホスホエノー
ルピルビン酸溶液を0.1ml、6mMのNADH溶液を0.1ml及び5
0u/mlのピルビン酸キナーゼと50u/mlのラクテイトデヒ
ドロゲナーゼを含む溶液0.1mlを加え、37℃で反応さ
せ、340nmの吸光度変化を測定することにより、ヘキソ
キナーゼの1,5−AGの反応性を確かめた。いずれの濃度
においても1,5−AGを含まないものと反応に差は認めら
れなかった。即ちヘキソキナーゼは1,5−AGに反応しな
いことが判明した。
キナーゼ溶液に代わり、1000u/ml濃度のグルコキナーゼ
溶液を使用した点以外は、試験例1と同様に検討した。
その結果、ヘキソキナーゼの場合と同様、グルコキナー
ゼは、1,5−AGに反応しないことが判明した。
際のATP濃度の影響 試料として500mg/dlのグルコース溶液或いは水0.05mlに
1.15u/mlのムタロターゼ,4.6u/mlのパーオキシダーゼ,
0.058mg/dlの4−アミノアンチピリン,0.37mg/mlのN−
エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)
−m−トルイジン,13mMのMgCl2を含有する50mMトリスー
塩酸緩衝液(pH8.0)を2.8ml,500u/ml濃度のヘキソキナ
ーゼ溶液を0.1ml及び各種濃度のATP溶液0.1mlを加え、3
7℃で10分間反応させた後、500u/ml濃度のピラノースオ
キシダーゼ0.1mlを添加し、37℃で10分間反応させ、550
nmの吸光度を測定した。
光度の差を第1表に示す。ATP濃度が高まるに従い、550
nmの吸光度の差は減少する。ATP濃度としては330mM以上
を必要とすることが判明した。
際のATP濃度の影響 ヘキソキナーゼ溶液に代わり、1000u/ml濃度のグルコキ
ナーゼ溶液を使用した点以外は試験例3と同様に操作し
た。
濃度を必要とすることが判明した。
ゼ,過酸化水素検出試薬によって1,5−AGを測定する際
のATPの濃度の影響 20mg/dlの1,5−AG溶液0.05mlに4.6u/mlのパーオキシダ
ーゼ,0.058mg/mlの4−アミノアンチピリン,0.37mg/ml
のN−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロ
ピル)−m−トルイジン,13mMのMgCl2を含有する50mMト
リスー塩酸緩衝液(pH8.0)2.8mlと,各種濃度のATP溶
液を0.1ml,1000u/ml濃度のピラノースオキシダーゼ0.1m
lを加え、37℃で反応させ550nmの吸光度の変化を測定し
た。第1図に示すようにATP濃度が高濃度の場合、吸光
度の上昇が抑制されることが判明した。試験例3や試験
例4に示した様に試料中のグルコースを除去するには、
ATP濃度として330mM以上を必要とするが試験例5の結果
ではこのような高い濃度ではピラノースオキシダーゼの
反応を阻害し、正確な測定ができないことが判明した。
ーゼを試験例3の試薬に加えた時の1,5−AGを測定する
際のATPの濃度の影響 試験例3のATP溶液として、16.5mMのATP、49mMのホスホ
エーテルピルビン酸及び50u/mlのピルビン酸キナーゼ溶
液を含む試液0.1mlを使用した結果、第2表の330mMのAT
P溶液の場合と同様にグルコースを含有した試料と含有
しない試料との吸光度差は認められず、少量のATP濃度
で完全にグルコースと反応することが判明した。このこ
とはヘキソキナーゼによってATPがADPに変換したのち、
ホスホエノールピルビン酸及びピルビン酸キナーゼを共
存させることによって、ADPがATPとしてリサイクルで供
給されるためATPの欠乏をもたらさないためである。
ルホプロピル)−m−トルイジン, 19.9u/mlヘキソキナーゼ, 0.66mM ATP, 1.96mMホスホエノールピルビン酸, 2.4u/ml ピルビン酸キナーゼ, 14.4mM MgCl2を含有する50mMトリスー塩酸緩衝液(pH8.
0) 試薬B 200u/mlピラノースオキシダーゼ ヒト血清0.05mlに試薬A2.5mlを添加し、37℃で5分間反
応させた。その後試薬Bを0.5ml添加し、5分後の550nm
での吸光度を測定した。なお、同時にヒト血清の代わり
に精製水を用いたブランクも測定した。あらかじめ作製
した1,5−AG標準検量線を用いて、血清中1,5−AG濃度を
測定すると2.3mg/dlと判明した。
た以外はと同様に操作した。
マトグラフィーによる方法と実施例1の及びの方法
を用いて1,5−AG濃度を定量した。自動分析装置として
は島津製作所製のCL−7000型を使用し、実施例1に使用
した試薬Aを250μ、試薬Bを50μ使用し、試料と
しての血清は5μ使用した。
第2図に示す。相関係数は0.89で両定量法間には、高い
相関性が認められた。
ガスクロマトグラフィー法との間には、高い相関性が認
められた。
に関するものである。即ち、本法により近年各種の臨床
検査項目に対して実施されている自動分析機器での測定
が可能となり、多数検体を同時に処理出来るようになっ
た。
はグルコース処理にヘキソキナーゼを用いた本発明の方
法とガスクロマトグラフィーによる方法の各種血清にお
ける相関図であり、第3図はグルコース処理にグルコキ
ナーゼを用いた本発明の方法とガスクロマトグラフィー
による方法の各種血清における相関図である。
Claims (1)
- 【請求項1】1,5−アンヒドログルシトールをピラノー
スオキシダーゼまたはL−ソルボースオキシダーゼを用
いて測定する方法において、予め試料にグルコキナーゼ
またはヘキソキナーゼ及びアデノシン三リン酸、ピルビ
ン酸キナーゼ、ホスホエノールピルビン酸を含む試薬を
作用させることを特徴とする1,5−アンヒドログルシト
ールの定量法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25641688A JPH0771514B2 (ja) | 1988-10-12 | 1988-10-12 | 1,5−アンヒドログルシトールの定量法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25641688A JPH0771514B2 (ja) | 1988-10-12 | 1988-10-12 | 1,5−アンヒドログルシトールの定量法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02104298A JPH02104298A (ja) | 1990-04-17 |
JPH0771514B2 true JPH0771514B2 (ja) | 1995-08-02 |
Family
ID=17292368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25641688A Expired - Lifetime JPH0771514B2 (ja) | 1988-10-12 | 1988-10-12 | 1,5−アンヒドログルシトールの定量法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0771514B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007148797A1 (ja) | 2006-06-22 | 2007-12-27 | Ikeda Food Research Co., Ltd. | 1,5-アンヒドログルシトールの測定方法及び1,5-アンヒドログルシトール測定試薬組成物 |
CN104483487A (zh) * | 2014-12-22 | 2015-04-01 | 宁波美康生物科技股份有限公司 | 检测人血液中1,5-脱水山梨醇的试剂盒 |
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DE4242794A1 (en) | 1991-12-18 | 1993-06-24 | Nitto Boseki Co Ltd | Quantitative automated determn. of 1,5-anhydro:glucitol - using pyranose oxidase from Basidiomycetes fungi no.52 |
JPH07102154B2 (ja) * | 1992-03-02 | 1995-11-08 | 日東紡績株式会社 | 1,5−アンヒドログルシトールの定量法 |
JP3170377B2 (ja) * | 1993-01-27 | 2001-05-28 | 協和メデックス株式会社 | 物質の測定法 |
JP4140929B2 (ja) * | 1997-01-17 | 2008-08-27 | 旭化成ファーマ株式会社 | 1,5agまたはadpの測定法 |
CA2291912A1 (en) * | 1998-12-11 | 2000-06-11 | Kyowa Medex Co., Ltd. | Method and reagent for quantitative determination of 1,5-anhydroglucitol |
JP4544598B2 (ja) * | 1999-08-09 | 2010-09-15 | 日本化薬株式会社 | 液状試薬および保存方法 |
-
1988
- 1988-10-12 JP JP25641688A patent/JPH0771514B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH02104298A (ja) | 1990-04-17 |
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