JPH07250698A - 分析用試薬と分析方法 - Google Patents

分析用試薬と分析方法

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JPH07250698A
JPH07250698A JP5543995A JP5543995A JPH07250698A JP H07250698 A JPH07250698 A JP H07250698A JP 5543995 A JP5543995 A JP 5543995A JP 5543995 A JP5543995 A JP 5543995A JP H07250698 A JPH07250698 A JP H07250698A
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JP
Japan
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reagent
glucose
analytical
derivative
nad
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JP5543995A
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English (en)
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Kazuyuki Uchida
和之 内田
Ratsuseru Roi
ラッセル ロイ
Keisuke Kurosaka
啓介 黒坂
Hitoshi Kondo
仁司 近藤
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 NADに特異的に作用し且つ安定性に優れた
6PGDHを、グルコース6リン酸または6ホスホグル
コン酸の分析用試薬および分析法に利用する。 【効果】 グルース6リン酸または6ホスホグルコン酸
を測定する際の測定感度を2倍とすることができ、また
可視部での測定が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、分析用試薬と分析方
法に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、
ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(以下、N
ADと略記する)と、これに特異的に反応する新規な6
ホスホグルコン酸脱水素酵素(以下、6PGDHと略記
する)の酵素反応を利用する分析用の試薬と、この試薬
を用いる分析方法に関するものであり、医療分野や各種
食品の成分分析等に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より、医療分野や食品成分の分析等
において酵素を用いた各種物質の測定が広く用いられて
いるが、こうした測定系によく利用されているものの一
つに、分析対象となる各種物質から定量的に誘導したグ
ルコース6リン酸(以下G6Pと略記する)の測定が挙
げられる。G6Pに誘導して定量してできる物質として
は、医療分野では、心疾患や神経性疾患などの指標とな
るクレアチンキナーゼ(以下CKと略記する)、膵疾患
や腎不全などの指標となるアミラーゼ、糖尿病などの指
標となるグルコース、腎機能障害などの指標となるマグ
ネシウム、カルシウム値の変動と関連し考察することに
より骨軟化症、副甲状腺機能低下などの指標となる無機
リンなどが挙げられる。このようなG6Pの測定は、以
下の反応式に示した反応により可能となる。
【0003】
【化1】
【0004】すなわちこの測定系は、G6PをNADま
たはNADリン酸(以下、NADPと略記する)の存在
下でグルコース6リン酸脱水素酵素(以下G6PDHと
略記する)の反応により脱水素化する際に生成するNA
DまたはNADPの還元型(以下、それぞれNADH、
NADPHと略記する)の量を測定することにより可能
となる。
【0005】また、G6PDHに6PGDHを共役さ
せ、化1に示した反応で生成した6ホスホグルコン酸
(以下6PGと略記する)を6PGDHにより脱水素化
させることにより、G6PDH単独の場合に比べてNA
D(P)Hの生成量を2倍(すなわち、測定感度を2
倍)とすることもできる。この場合の反応式を示せば以
下の通りである。
【0006】
【化2】
【0007】
【化3】
【0008】さらに、6PGを直接測定することもで
き、例えば特開平4−91798号公報には、グルコン
酸とATP結合型カルシウムまたはマグネシウムからグ
ルコン酸キナーゼによる触媒反応により生成する6PG
を、NADPの存在下6PGDHと反応させ、生成した
NADPH量を測定することにより、カルシウムまたは
マグネシウムを測定する方法が開示されている。
【0009】一般に、このようなG6Pまたは6PG測
定の場合には、G6PDHおよび/または6PGDHと
NAD(P)との反応により生じたNAD(P)Hの3
40nmにおける吸光度を分光学的に測定するが、さら
にジアホラーゼやフェナジンメトサルフェート(以下P
MSと略記する)およびその誘導体により、生成したN
AD(P)Hを基質としてニトロブルーテトラゾリウム
(以下NBTと略記する)などのテトラゾリウム塩や
2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(以下D
CPIPと略記する)などを還元発色させ、可視部で測
定することもできる。
【0010】この様なG6Pまたは6PGを経由する各
種分析対象を6PGDH、または6PGDHとG6PD
Hとを用い可視部域で高感度に測定する場合、ジアホラ
ーゼはNADHに特異性が高く、またPMSにも適用で
きるため、6PGDHはNADに対して特異的に反応す
るものを利用することが望ましい。6PGDHには、補
酵素として、NADPに特異的に作用するもの(ヨーロ
ピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Europ
ian Journal of Biochemistry)、1巻、170頁(19
67年))、NADとNADP両方に作用するもの(ア
グリカルチュラル・アンド・バイオロジカル・ケミスト
リー(Agricultural and Biological Chemistry) 、46
巻、391頁(1982年))、NADのみに作用する
もの(エフエムビーエス・マイクロバイオロジー・レタ
ーズ(FMBS Microbiology Letters) 、52巻、199頁
(1988年))が知られている。このNADのみに作
用する6PGDHはメチロバチルス・フラゲラタム(Me
thyrobacillus flagellatum )KT1株由来のもので
ある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記メ
チロバチルス・フラゲラタムKT1株から微量に抽出、
精製することのできる6PGDHは、NAD特異性は高
いものの、4℃で3日間保存しただけで90%失活して
しまうような非常に不安定なものであり、実用的ではな
かった。このため、従来は、G6Pまたは6PGを経由
して分析対象を可視部域で高感度に測定する場合、その
分析用試薬はNADPとこれに特異性の高い6GPDH
を成分とする外なく、より高精度の測定が期待できるN
ADと6GPDHとの組合せからなる分析用試薬は存在
しなかった。
【0012】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、NADとこれに特異性の高い6PG
DHを成分とする分析用試薬と、この試薬を用いた分析
方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、6ホスホグルコン酸またはその
誘導体で標識した分析対象、あるいは6ホスホグルコン
酸またはその誘導体を定量するための試薬組成物であっ
て、少なくとも、ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレ
オチドと、このニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオ
チドに特異的に作用する6ホスホグルコン酸脱水素酵素
とを含有する分析用試薬を提供する。
【0014】またこの発明は、グルコース6リン酸また
はその誘導体で標識した分析対象、あるいはグルコース
6リン酸またはその誘導体を定量するための試薬組成物
であって、少なくとも、ニコチンアミド・アデニン・ジ
ヌクレオチド、このニコチンアミド・アデニン・ジヌク
レオチドに特異的に作用する6ホスホグルコン酸脱水素
酵素およびグルコース6リン酸脱水素酵素を含有する分
析用試薬をも提供する。
【0015】さらにこの発明は、6ホスホグルコン酸ま
たはその誘導体で標識した分析対象、あるいは6ホスホ
グルコン酸またはその誘導体と、上記前者の分析用試薬
とを混合し、6ホスホグルコン酸と試薬中成分との反応
によって生じるニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオ
チド還元型を定量するか、またはこの酵素サイクリング
に伴う発色シグナルを測定することを特徴とする分析方
法、およびグルコース6リン酸またはその誘導体で標識
した分析対象、あるいはグルコース6リン酸またはその
誘導体と、上記前者の分析用試薬とを混合し、グルコー
ス6リン酸と試薬中成分との反応によって生じるニコチ
ンアミド・アデニン・ジヌクレオチド還元型を定量する
か、またはこの酵素サイクリングに伴う発色シグナルを
測定することを特徴とする分析方法を提供する。
【0016】以下、この発明についてさらに詳しく説明
する。この発明における分析対象は、6PGまたはG6
P、あるいはこれらの誘導体で標識した各種生体成分、
食品成分等である。また、分析対象のG6Pまたは6P
Gあるいはこれらの誘導体としては、G6Pまたは6P
G、あるいはこれらの誘導体の他、たとえばG6Pまた
は6PG、あるいはこれらの誘導体が任意の反応系から
遊離または生成される各種成分、例えばクレアチンキナ
ーゼ(CK)、アミラーゼ、グルコース、マグネシウ
ム、無機リン等も分析の対象となる。
【0017】この発明の分析用試薬に使用する6PGD
Hは、補酵素としてNADに特異的に作用するものであ
れば、その由来は特に限定されるものではないが、安定
性に優れたものが好ましい。ここでいうNADに特異的
に作用する6PGDHとは、NADを補酵素としたとき
の活性値を100とするとNADPを用いた場合1以下
を示すものである。そのような6PGDHの産生能を有
する細菌株は、ロイコノストック・ラクティス(Leucono
stoc lactis) SHO47株(FERM P−1397
0)、またはロイコノストック・ラクティス(Leuconost
oc lactis) SHO54株(FERM P−1397
1)である。
【0018】この発明の分析用試薬で使用することのあ
るG6PDHとしては、その由来は特に限定されるもの
ではないが、NADPだけでなくNADにも作用するG
6PDH、例えば、ロイコノストック・メセンテロイデ
ス(Leuconostoc mesenteroides )、シュードモナス
・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens )、バ
チルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearoth
ermophilus)などが好ましい。
【0019】ジアホラーゼも、その由来は特に限定され
るものではないが、安定性、保存性に富む好熱性細菌
(例えばバチラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus
stearothermophilus)など)由来のジアホラーゼが望
ましい。この発明の分析用試薬の組成は、例えばG6P
DH0.2〜20U/ml、好ましくは0.5〜5U/
ml、6PGDH0.5〜30U/ml、好ましくは2
〜10U/ml、NAD0.2〜10mM、好ましくは
0.5〜5mMである。その他に通常、促進剤、賦活剤
などの添加剤なるものを含ませることができる。添加剤
としては、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウムなどの
マグネシウム塩類、各種チオール化合物、または防腐剤
としてのアジ化ナトリウムなど公知のものを支障なく使
用することができる。また、NAD−NADHの酵素サ
イクリングに伴う発色シグナルを可視部で測定する場合
は、上記に加え、ジアホラーゼ0.1〜5U/ml、好
ましくは0.3〜2U/mlまたはPMS0.2〜2m
M、好ましくは0.5〜1mMとNBTなどのテトラゾ
リウム塩またはDCPIPを適当量、NBTの場合は
0.2〜2mM、好ましくは0.5〜1mM、DCPI
Pの場合は0.01〜0.5mM、好ましくは0.03
〜0.1mMを含有させる。また界面活性剤として、T
riton X−100などの非イオン性、CTABな
どの陽イオン性、アシルサルコシンなどの陰イオン性の
界面活性剤が支障無く使用できる。その濃度は、0.0
1〜0.5%、好ましくは0.05〜0.1%程度であ
る。
【0020】この発明の分析用試薬においては、上記の
組成物をpH5.5〜8.5の緩衝液に溶解するが、緩
衝液の種類としては、例えばイミダゾール緩衝液、トリ
ス緩衝液、トリエタノールアミン緩衝液、グリシルグリ
シン緩衝液、MES緩衝液などのグッド系の緩衝液が支
障無く使用できる。この発明の分析用試薬は、上記組成
物を上記緩衝液で溶解した液状試薬、これを凍結乾燥し
た凍結乾燥品などの形状にすることができ、また、濾紙
やメンブランフィルターに吸着させるいわゆるドライケ
ミストリーにも広く適用できる。さらに、上記各酵素を
標識酵素として適当な抗体に結合させてエンザイム・イ
ムノアッセイにも適用できる。
【0021】この発明の分析方法においては、分析対象
に予め標識したG6Pまたは6PG、あるいは種々の反
応系により分析対象となる各種物質から遊離されたG6
Pまたは6PGに対して、G6PDH、NADおよび6
PGDHを含む試薬組成物(6PGのみの測定の場合は
G6PDHは不要)を加え(または、G6Pを誘導する
反応系に最初から前記組成物を共存させ)、反応によっ
て生成するNADの量を波長340nmにおける吸光度
によって測定し、その測定値から分析対象となる各種物
質を測定できる。また、各種物質から遊離または生成さ
れたG6Pまたは6PGに対し、G6PDH、NAD、
6PGDH、ジアホラーゼまたはPMS(その誘導体で
も可)およびNBTなどのテトラゾリウム塩またはDC
PIPを含む試薬組成物(6PGのみの場合はG6PD
Hは不要)を用い、上述したのと同様に反応させること
により、可視部(NBTの場合は550nm、DCPI
Pの場合は600nm)での測定値から分析対象となる
各種物質を測定できる。
【0022】この発明の分析用試薬を用いて各種物質を
測定するには、例えばセル室が保温された分光光度計の
セルに試薬を入れ、測定温度(20〜45℃の間の任意
の温度)に約3分間保温し、その後、試料を添加混和し
た後、340nmの吸光度の上昇を測定すればよい。こ
の発明の分析用試薬および方法を用いて測定することが
できる物質としては、クレアチンキナーゼ(CK)、グ
ルコース、マグネシウム、クレアチンキナーゼMBアイ
ソザイム(以下CK−MBと略記する)などがあげられ
る。以下これらの物質の測定原理を説明する。 (1)クレアチンキナーゼ(CK) 従来より知られているCK測定法の測定原理の一例を以
下に示す。
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】この発明によれば、化6の脱水素反応にお
いて、6PGDHを存在させる。この発明は、前記式化
4、化5および化6からなる全反応系を1工程または多
工程で実施するいずれの方法においても用いることがで
きる。従って、6PGDHを全反応系の最初から存在さ
せても、後から添加してもよい。このCK測定法の被検
試料としては、CKを含む可能性のあるものであれば特
に制限されないが、例えば、血清、尿、組織抽出液など
があげられる。 (2)グルコース 従来より知られているグルコース測定法の測定原理の一
例を以下に示す。
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】この発明によれば、化8の脱水素反応にお
いて、6PGDHを存在させる。この発明は、前記式化
7および化8からなる全反応系を1工程または多工程で
実施するいずれの方法においても用いることができる。
従って、6PGDHを全反応系の最初から存在させて
も、後から添加してもよい。このグルコース測定法の被
検試料としては、グルコースを含む可能性のあるもので
あれば特に制限されないが、例えば、血清、尿、組織抽
出液などがあげられる。 (3)マグネシウム 従来より知られているマグネシウム測定法の測定原理の
一例を以下に示す。
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】この発明によれば、化10の脱水素反応に
おいて、6PGDHを存在させる。この発明は、前記式
化9および化10からなる全反応系を1工程または多工
程で実施するいずれの方法においても用いることができ
る。従って、6PGDHを全反応系の最初から存在させ
ても、後から添加してもよい。このマグネシウム測定法
の被検試料としては、マグネシウムを含む可能性のある
ものであれば特に制限されないが、例えば、血清、尿、
組織抽出液などがあげられる。 (4)CK−MB 従来より知られているCK−MB測定法の測定原理の一
例は、試薬中に添加したクレアチンキナーゼMMアイソ
ザイム(以下CK−MMと略記する)の阻害抗体によ
り、CK−MMを不活し、残ったCK−MB活性を以下
に示す反応系で測定する方法である。
【0033】
【化11】
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】この発明によれば、前記式化13の脱水素
反応において、6PGDHを存在させる。この発明は、
前記式化11、化12および化13からなる全反応系を
1工程または多工程で実施するいずれの方法においても
用いることができる。従って、6PGDHを全反応系の
最初から存在させても、後から添加してもよい。このC
K−MB測定法の被検試料としては、CKを含む可能性
のあるものであれば特に制限されないが、例えば、血
清、尿、組織抽出液などがあげられる。
【0037】
【実施例】以下、実施例を示してこの発明をさらに詳細
かつ具体的に説明するが、この発明はこれらの例に限定
されるものではない。まず、参考例として、6PGDH
の取得方法を示す。参考例 以下に述べる手順で、ロイコノトスック・ラクティス
Leuconostoc lactis)SHO54株からNADに特
異的に作用する6PGDHを単離・精製した。
【0038】グルコース3.0%(重量%を表す。以下
同様)、酵母エキス1.0%、ペプトン0.5%、クエ
ン酸三ナトリウム・二水和物0.5%、酢酸ナトリウム
0.2%、硫酸マグネシウム・七水和物0.02%、硫
酸マンガン・四〜五水和物0.005%、ツイン80
0.1%(容量%)、pH6.4よりなる培地25リッ
トルを30リットル容のジャーファーメンターに仕込
み、121℃で15分間オートクレーブ滅菌した後、ロ
イコノトスック・ラクティス(Leuconostoc lactis
SHO54株(FERM P−13971)を接種し、
40℃で10時間、200rpmで攪拌し、通気しない
条件下、4NのNaOHでpHを6.4に調整しながら
培養した。遠心分離により菌体を採取して約180gの
菌体を得た。得られた菌体を凍結状態で保存した。
【0039】次に、凍結菌体約100gをEDTAおよ
び2−メルカプトエタノールを2mMずつ含む20mM
リン酸緩衝液(pH7.0)1Lに懸濁し、これにTr
i−ton X−100を0.01%、リゾチームを
0.2mg/ml、DNaseIを0.2mg/mlに
なるように添加し、2時間室温で攪拌後、遠心分離によ
り細胞片を除去し、6PGDHを含む粗酵素液を得た。
【0040】この粗酵素液に酢酸を加えpH5.8に調
整し、予め20mMリン酸同緩衝液(pH5.75)で
平衡化したプロシオンブルーH−BRDカラム(プロシ
オンブルーH−BRDはICI社より購入)に通じ、1
00mMのリン酸緩衝液(pH6.8)で溶出した。濃
縮後、予め20mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.
0)で平衡化したQ−セファロースFFカラム(ファル
マシア社製)に通じ、KClを平衡液に加えた溶液で溶
出せしめると、KCl濃度0.40〜0.45Mの近く
に活性画分が溶出した。この溶出画分を濃縮後、硫酸ア
ンモニウムを0.5Mになるように加え、予め1Mの硫
酸アンモニウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH5.
5)で平衡化されたオクチルセファロースカラムCL−
4B(ファルマシア社製)に通じ、同緩衝液で溶出し
た。活性画分を集めて濃縮後、脱塩した。このようにし
て得られた6PGDHは、ポリアクリルアミドゲル電気
泳動で単一なバンドを与え、精製酵素標品を得ることが
できた。また、活性の収率は約55%で、酵素1mg当
たり約130単位の比活性を示し、その精製度は粗酵素
液を1とすると約25倍であった。実施例1 参考例で得た6PGDHを用いてグルコース測定用試薬
を調製した。バチルス・ステアロサーモフィルス由来の
グルコキナーゼ(生化学工業社製)0.8U/ml、ロ
イコノストック・メセンテロイデス由来のG6PDH
(ベーリンガー・マンハイム社製)1.2U/ml、6
PGDH2.5U/ml、NAD1.6mM、N−アセ
チルシステイン(NAC)5mM、KCl25mM、M
gCl2 10mM、ATP2mMを含むトリス塩酸緩衝
液(pH7.8)80mMよりなるグルコース測定用試
薬を調製した。別に比較例1として、上記組成から6P
GDHを抜いたグルコース測定用試薬を調製した。
【0041】次に、グルコースを精製水で溶解し200
mg/dlのグルコース溶液を調製した。上記のグルコ
ース測定用試薬3.0mlを各々光路長1cmのセルに
入れ、約3分間37℃に保温後、上記グルコース溶液
0.02mlを添加して反応を開始し、反応開始から1
0分間の340nmの吸光度変化を測定した。結果を図
1に示した。
【0042】この図1から、6PGDHを含有させるこ
とにより測定感度が2倍に向上することが示された。実施例2 参考例で得た6PGDHを用いてCK測定用試薬を調製
した。バチルス・ステアロサーモフィルス由来のグルコ
キナーゼ3U/ml、ロイコノストック・メセンテロイ
デス由来のG6PDH1U/ml、6PGDH2.5U
/ml、ADP2mM、NAD2mM、グルコース20
mM、AMP5mM、Ap5A(ベーリンガー・マンハ
イム社製)10μM、NAC20mM、硫酸マグネシウ
ム10mM、アジ化ナトリウム0.1%、EDTA2m
M、クレアチンリン酸25mMを含むイミダゾール−酢
酸緩衝液(pH6.7)80mMより成るCK測定用試
薬を調製した。別に比較例2として、上記組成より6P
GDHを抜いたCK測定用試薬を調製した。
【0043】次に、試料としてウサギ筋肉由来のCK
(ベーリンガー・マンハイム社製)を生理食塩水または
市販標準血清で種々の濃度に溶かした試料を調製した。
上記で調製したCK測定用試薬3.0mlを各々光路長
1cmのセルに入れ、約3分間37℃に保温後、上記で
調製した各種濃度のCK試料0.06mlを添加して反
応を開始し、340nmの吸光度変化を追跡した。1分
間当たりの吸光度変化量と試料中のCK活性との関係を
図2に示した。
【0044】この図2から、実施例2の直線の傾きが比
較例2の傾きの2倍、すなわち6PGDHを含有させる
ことにより測定感度が2倍に向上することが示された。実施例3 参考例で得た6PGDHを用い、マグネシウム測定用試
薬を調製した。バチルス・ステアロサーモフィルス由来
のグルコキナーゼ1U/ml、ロイコノストック・メセ
ンテロイデス由来のG6PDH0.75U/ml、6P
GDH2.0U/ml、ATP2.5mM、NAD0.
625mM、グリコールエーテルジアミン−N,N,
N′,N′−四酢酸(以下GEDTAと略記する)0.
5mM、塩化カリウム18.75mM、イミダゾール−
塩酸緩衝液(pH8.0)125mMより成るマグネシ
ウム測定用試薬を調製した。また別に50mMグルコー
ス溶液を調製した。比較例3として、上記組成より6P
GDHを抜いたマグネシウム測定用試薬を調製した。
【0045】次に、試料として塩化マグネシウムを用い
てマグネシウムを種々の濃度で含む溶液を調製した。上
記で調製したマグネシウム測定用試薬2.4mlを各々
光路長1cmのセルに入れ、上記で調製した試料0.0
3mlを添加し、約3分間37℃に保温後、グルコース
溶液0.6mlを添加して反応を開始し、340nmの
吸光度変化を追跡した。1分間当たりの吸光度変化量と
試料中のマグネシウム濃度との関係を図3に示した。
【0046】この図3から、実施例3の直線の傾きが比
較例3の傾きの2倍、すなわち6PGDHを含有させる
ことにより測定感度が2倍に向上することが示された。実施例4 参考例で得た6PGDHを用い、マグネシウム測定用試
薬を調製した。バチルス・ステアロサーモフィルス由来
のグルコキナーゼ1U/ml、ロイコノストック・メセ
ンテロイデス由来のG6PDH0.75U/ml、6P
GDH2.0U/ml、バチラス・ステアロサーモフィ
ルス由来のジアホラーゼI 1.0U/ml、ATP
2.5mM、NAD0.625mM、GEDTA0.5
mM、塩化カリウム18.75mM、NBT0.5m
M、Triton X−100 0.1%、イミダゾー
ル−塩酸緩衝液(pH8.0)125mMより成るマグ
ネシウム測定用試薬を調製した。また別に50mMグル
コース溶液を調製した。比較例4として、上記組成より
6PGDHを抜いたマグネシウム測定用試薬を調製し
た。
【0047】次に、試料として塩化マグネシウムを用い
てマグネシウムを種々の濃度で含む溶液を調製した。上
記で調製したCK測定用試薬2.4mlを各々光路長1
cmのセルに入れ、上記で調製した試料0.03mlを
添加し、約3分間37℃に保温後、グルコース溶液0.
6mlを添加して反応を開始し、550nmの吸光度変
化を追跡した。1分間当たりの吸光度変化量と試料中の
マグネシウム濃度との関係を図4に示した。
【0048】この図4から、実施例4の直線の傾きが比
較例4の傾きの2倍、すなわち6PGDHを含有させる
ことにより測定感度が2倍に向上することが示された。実施例5 参考例で得た6PGDHを用いてCK−MB測定用試薬
を調製した。バチルス・ステアロサーモフィルス由来の
グルコキナーゼ3U/ml、ロイコノストック・メセン
テロイデス由来のG6PDH1.5U/ml、6PGD
H2.5U/ml、ADP2mM、NAD2mM、グル
コース20mM、AMP5mM、Ap5A10μM、N
AC20mM、酢酸マグネシウム10mM、NAC20
mM、EDTA2mM、ヤギ由来のヒトCK−MM阻害
抗体(MERCK社製)1000U/ml、クレアチン
リン酸25mMを含むイミダゾール酢酸緩衝液(pH
6.7)80mMより成るCK−MB測定用試薬を調製
した。別に比較例5として上記組成物より6PGDHを
抜いたCK−MB測定用試薬を調製した。
【0049】試料としては、心筋梗塞患者の血清(CK
値2020U/l)を用いた。上記で調製したCK測定
用試料1.0mlを各々光路長1cmのセルに入れ、約
3分間37℃に保温後、試料0.04mlを添加して反
応を開始し、340nmの吸光度変化を追跡した。1分
間当たりの吸光度変化量と試料中のCK−MB活性との
関係を図5に示した。
【0050】この図5から、実施例5の直線の傾きが比
較例5の傾きの2倍、すなわち6PGDHを含有させる
ことにより測定感度が2倍に向上することが示された。実施例6 実施例1と同様に参考例で得た6PGDHを用いてグル
コース測定用試薬を調製した。バチルス・ステアロサー
モフィルス由来のグルコキナーゼ0.8U/ml、ロイ
コノストック・メセンテロデス由来のG6PDH1.2
U/ml、6PGDH2.5U/ml、NAD1.0m
M、NADP1.0mM、NAC5mM、KCl25m
M、MgCl2 10mM、ATP2mMを含むトリス塩
酸緩衝液(pH7.8)80mMよりなるグルコース測
定用試薬を調製した。これら試薬を用いて実施例1と同
様に試験したところ、図1と同様の結果を得、6PGD
Hを含有させることにより測定感度が2倍に向上するこ
とが示された。また、MADに特異的に作用する6PG
DHを用いれば、試薬中にNADとNADPを共存させ
ても測定値に影響しないことも示された。
【0051】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
れば、NADに特異的に作用する6PGDHを用いるこ
とにより、臨床検査などの分野で分析対象となる各種物
質に標識したG6Pまたは6PG、あるいは各種物質か
ら誘導されるG6Pまたは6PGを高感度で定量でき、
可視部でも効率よく測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1と比較例1の340nmにおける吸光
度変化量を示し、●印は実施例1、○印は比較例1の結
果、△印は実施例1においてグルコース溶液に代わりに
精製水を加えたときの結果である。
【図2】実施例2と比較例2の試料中CK量(ユニット
/l)に対する340nmにおける1分間当たりの吸光
度変化量を示し、●印は実施例2、○印は比較例2の結
果である。
【図3】実施例3と比較例3の、試料中マグネシウム量
(mg/dl)に対する340nmにおける1分間当た
りの吸光度変化量を示し、●印は実施例3、○印は比較
例3の結果である。
【図4】実施例4と比較例4の試料中マグネシウム量
(mg/dl)に対する550nmにおける1分間当た
りの吸光度変化量を示し、●印は実施例4、○印は比較
例4の結果である。
【図5】実施例5と比較例5の試料中CK−MB量に対
する340nmにおける1分間当たりの吸光度変化量を
示し、●印は実施例5、○印は比較例5の結果である
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 仁司 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6ホスホグルコン酸またはその誘導体で
    標識した分析対象、あるいは6ホスホグルコン酸または
    その誘導体を定量するための試薬組成物であって、少な
    くとも、ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド
    と、このニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドに
    特異的に作用する6ホスホグルコン酸脱水素酵素とを含
    有する分析用試薬。
  2. 【請求項2】 グルコース6リン酸またはその誘導体で
    標識した分析対象、あるいはグルコース6リン酸または
    その誘導体を定量するための試薬組成物であって、少な
    くとも、ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド
    と、このニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドに
    特異的に反応する6ホスホグルコン酸脱水素酵素および
    グルコース6リン酸脱水素酵素とを含有する分析用試
    薬。
  3. 【請求項3】 6ホスホグルコン酸脱水素酵素は、ロイ
    コノストック・ラクティスSHO47株(FERM P
    −13970)またはロイコノストック・ラクティスS
    HO54株(FERM P−13971)から抽出、精
    製されたものである請求項1または2の分析用試薬。
  4. 【請求項4】 6ホスホグルコン酸またはその誘導体で
    標識した分析対象、あるいは6ホスホグルコン酸または
    その誘導体と、請求項1の分析用試薬とを混合し、6ホ
    スホグルコン酸と試薬中成分との反応によって生じるニ
    コチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド還元型を定量
    するか、またはこの酵素サイクリングに伴う発色シグナ
    ルを測定することを特徴とする分析方法。
  5. 【請求項5】 グルコース6リン酸またはその誘導体で
    標識した分析対象、あるいはグルコース6リン酸または
    その誘導体と、請求項2の分析用試薬とを混合し、グル
    コース6リン酸と試薬中成分との反応によって生じるニ
    コチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド還元型を定量
    するか、またはこの酵素サイクリングに伴う発色シグナ
    ルを測定することを特徴とする分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002064819A1 (en) * 2001-02-14 2002-08-22 International Reagents Corporation Novel assay method

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WO2002064819A1 (en) * 2001-02-14 2002-08-22 International Reagents Corporation Novel assay method

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