JP2753597B2 - グルコース―6―リン酸の測定方法および測定用組成物 - Google Patents

グルコース―6―リン酸の測定方法および測定用組成物

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葉子 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、グルコース−6−リン酸の測定方法および
測定用組成物に関する。
本明細書において、核酸、ヌクレオチド、糖質または
酵素などに関して用いる略号は、生化学命名委員会(CB
N)の勧告によるかあるいは当該分野の慣用に従うもの
とし、具体的には以下のとおりである。
ADP:アデノシン二リン酸 AMY:アミラーゼ ATP:アデノシン三リン酸 CR:クレアチン CK:クレアチンキナーゼ CMS:カルボキシメチルスターチ CP:クレアチンリン酸 GA:グルコアミラーゼ Glc:グルコース Glck:グルコキナーゼ G6P:グルコース−6−リン酸 G6PDH:グルコース−6−リン酸脱水素酵素 HK:ヘキソキナーゼ NAD:酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド NADH:還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド NADP:酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリ
ン酸 NADPH:還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリ
ン酸 6PG:6−ホスホグルコン酸 6PG−δ−L:6−ホスホ−D−グルコノ−δ−ラクトン 背景技術 ヒト血清等の生体液体試料中に含まれている各種の酵
素や生理活性物質を、酵素反応の特異性に基づいて分析
し、疾病診断や臨床検査に利用する測定技術が広く実施
されている。その測定技術において、各種の検査対象・
生理活性物質からグルコース−6−リン酸(G6P)を定
量的に誘導し、以下の反応式(I) に示す様に、そのグルコース−6−リン酸(G6P)をグ
ルコース−6−リン酸脱水素酵素(G6PDH)およびNADま
たはNADPの存在下で脱水素化して6−ホスホグルコン酸
(6PG)を生成させ、それと同時に生成されるNADH量ま
たはNADPH量を吸光度から測定して、前記の検査対象・
生理活性物質を定量する方法も周知である。
G6Pに誘導して定量することのできる検査対象・生理
活性物質としては、例えば、心筋梗塞や筋ジストロフィ
ーなどの診断指標となるクレアチンキナーゼ(CK)、膵
疾患や肝疾患等の診断指標となるアミラーゼ(AMY)、
または糖尿病などの診断指標となるグルコース(Glc)
を挙げることができる。定量的に誘導されたG6Pから前
記式(I)の反応でNAD(P)Hを生成させ、その増加
を、例えば波長340nmにおける吸光度変化から測定し、
その測定値から、前記の生理活性物質のレベルを分析
し、疾病診断や臨床検査を行うことができる。
しかしながら、従来の測定系においては、試料中の生
理活性物質含有量が一定量を越えると、所定の試薬組成
および反応時間内においてNAD(P)Hの生成量が定量
的には増加せず、生理活性物質含有量を正確に測定する
ことができないことがあった。従って、最初の測定で試
料中の生理活性物質含有量が多いことがわかった場合に
は、その試料を適当に希釈して再検査する必要があっ
た。
本発明の目的は、従来法において正確な測定が不可能
であった高濃度域においても、正確な測定を行うことが
できる手段を提供することにある。
発明の開示 前記の目的は、本発明により、 グルコース−6−リン酸とNADまたはNADPとをグルコ
ース−6−リン酸脱水素酵素の存在下で脱水素して6−
ホスホグルコン酸とNADHまたはNADPHとを生じさせる工
程を含むグルコース−6−リン酸の測定方法において、
6−ホスホグルコノラクトナーゼを存在させることを特
徴とする、前記の測定方法によって達成することができ
る。
また、本発明は、 6−ホスホグルコノラクトナーゼと、グルコース−6
−リン酸脱水素酵素と、NADまたはNADPとを含むことを
特徴とする、グルコース−6−リン酸の測定用組成物に
も関する。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明の6−ホスホグルコノラクトナーゼ
の存在下(曲線2)および不在下(曲線1)における、
グルコース−6−リン酸の消費量の差を示すグラフであ
る。
第2図は、本発明の6−ホスホグルコノラクトナーゼ
の存在下(曲線4)および不在下(曲線3)における、
クレアチン消費量の差を示すグラフである。
第3図は、本発明の6−ホスホグルコノラクトナーゼ
の存在下および不在下における、グルコース消費量の差
を示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態 本発明の測定方法および測定用組成物は、従来のG6P
測定系に、新たに6−ホスホグルコノラクトナーゼを共
存させることからなる。
従って、本発明で用いるG6Pは、任意の公知の反応系
から誘導したものでよい。例えば、クレアチンキナーゼ
(CK)、アミラーゼ(AMY)、またはグルコース(Glc)
の測定で誘導されたものであることができる。また、G6
PDHとしても、従来法で使用されている任意の酵素(例
えば、市販酵素)を用いることができる。
本発明において新たに加える6−ホスホグルコノラク
トナーゼは公知の酵素であり、後述するように6−ホス
ホ−D−グルコノ−δ−ラクトン(6PG−δ−L)を6
−ホスホグルコン酸(6PG)に変える活性を有し、例え
ば、J.Research Natl.Bur.Standards,48,163(1952);
または、生化学,37,788(1965)に記載されている。6
−ホスホグルコノラクトナーゼは、例えば、シュードモ
ナス属(Pseutdomonas)もしくはロイコノストック属
(Leyconostoc)に属する微生物、または酵母から得る
ことができる。6−ホスホグルコノラクトナーゼの添加
量には特に制限はなく、前記の6PG−δ−Lから6PGへの
反応を進行させるのに十分な量で存在させればよい。
本発明の分析用組成物は、6−ホスホグルコノラクト
ナーゼ0.01〜50U/ml、好ましくは0.01〜10U/mlと、グル
コース−6−リン酸脱水素酵素0.5〜20U/ml、好ましく
は1〜5U/mlと、NADまたはNADP0.2〜20mM、好ましくは
0.5〜5mMとを含有する。
本発明においては、測定系を酸性ないし弱アルカリ性
(特には、pH約5.5〜約85)に調整することのできる任
意の緩衝液、例えば、イミダゾール緩衝液、トリス緩衝
液、リン酸緩衝液、またはグッド緩衝液を用いることが
できる。
本発明においては、種々の反応系によって検査対象・
生理活性物質から誘導されたG6Pに対して、G6PDH、NAD
(P)および6−ホスホグルコノラクトナーゼを含む試
薬組成物を加え(または、G6Pを誘導する反応系に最初
から前記組成物を共存させ)、反応によって生成するNA
D(P)Hの量を波長340nm付近における吸光度によって
測定し、その測定値から目的とする検査対象・生理活性
物質の活性を測定することができる。
本発明を用いて、水性液体、特に生物学的水性液、例
えば、血液または血液から誘導した液体(特に血清、ま
たは血漿)、あるいは尿または組織抽出液中に含まれて
いるクレアチンキナーゼ(CK)、アミラーゼ(AMY)ま
たはグルコース(Glc)を測定することができる。以
下、それらの生理活性物質の測定方法について順に説明
する。
クレアチンキナーゼ(CK) 従来から公知のCK測定法の反応経路の一例を示せば、
以下のとおりである。
本発明によれば、前記式(I)の脱水素反応におい
て、6−ホスホグルコノラクトナーゼを存在させる。本
発明は、前記式(II)、式(III)および式(I)から
なる全反応系を1工程または多工程で実施するいずれか
の方法においても用いることができる。従って、6−ホ
スホグルコノラクトナーゼを全反応系の最初から存在さ
せても、後から添加してもよい。このCK測定法の被検試
料としては、CKを含む可能性のある試料であれば特に制
限されないが、特には血液または血液から誘導した液体
(特に血清、または血漿)、あるいは尿または組織抽出
液を挙げることができる。
アミラーゼ(AMY) 従来から公知のAMY測定法の反応経路の一例を示せ
ば、以下のとおりである。
本発明によれば、前記式(I)の脱水素反応におい
て、6−ホスホグルコノラクトナーゼを存在させる。本
発明は、前記式(IV)、式(V)および式(I)からな
る全反応系を1工程または多工程で実施するいずれの方
法においても用いることができる。従って、6−ホスホ
グルコノラクトナーゼを全反応系の最初から存在させて
も、後から添加してもよい。このAMY測定法の被検試料
としては、AMYを含む可能性のある試料であれば特に制
限されないが、特には血液または血液から誘導した液体
(特に血清、または血漿)、あるいは尿または組織抽出
液を挙げることができる。
グルコース(Glc) 従来から公知のGlc測定法の反応経路の一例を示せ
ば、以下のとおりである。
本発明によれば、前記式(I)の脱水素反応におい
て、6−ホスホグルコノラクトナーゼを存在させる。本
発明は、前記式(VI)および式(I)からなる全反応系
を1工程または多工程で実施するいずれかの方法におい
ても用いることができる。従って、6−ホスホグルコノ
ラクトナーゼを全反応系の最初から存在させても、後か
ら添加してもよい。このGlc測定法の被検試料として
は、Glcを含む可能性のある試料であれば特に制限され
ないが、特には血液または血液から誘導した液体(特に
血清、または血漿)、あるいは尿または組織抽出液を挙
げることができる。
次に、本発明の測定原理を説明するが、本発明は以下
の記載によって限定されるものではない。
前記式(I)の反応を素反応に分けると以下のとおり
である。
即ち、グルコース−6−リン酸(G6P)をグルコース
−6−リン酸脱水素酵素(G6PDH)の存在下で脱水素化
すると、まず6−ホスホ−D−グルコノ−δ−ラクトン
(6PG−δ−L)が生成し、続いて6−ホスホグルコン
酸(6PG)が生成する。
ここで、式(1)の反応は可逆反応であり、式(2)
の反応は不可逆反応であるものと思われる。式(1)の
左方向反応(6PG−δ−LからG6Pへの反応)の速度と比
較して式(2)の反応速度が速ければ、式(1)の反応
生成物・6PG−δ−Lがすぐに式(2)によって6PGに変
化していくので、式(1)の反応は右方向(G6Pから6PG
−δ−L)へ進行し、反応系中のNAD(P)H量が増大
する。逆に、式(2)の反応速度が遅いと、式(1)の
反応生成物・6PG−δ−Lは、式(1)の可逆反応によ
ってG6Pに戻り、その際にNAD(P)Hを消費するので、
反応系中のNAD(P)H量の増加を抑える方向へ働く。
従来、式(2)の反応は、特に酵素を必要とせず、例
えば加水分解になどにより速やかに進行するものと考え
られていた。
しかしながら、本発明者が見い出したところによれ
ば、本発明による6−ホスホグルコノラクトナーゼを存
在させない場合、pH8.5以上では式(2)の反応が比較
的速やかに進行するpH8.5以上では式(2)の反応が比
較的速やかに進行するのに対し、pH8.5以上では式
(2)の反応進行速度は極めて遅いことがわかった。
従って、pH8.5以下において、本発明による6−ホス
ホグルコノラクトナーゼの不存在下で、前記式(I)、
即ち式(1)および(2)の反応を行うと、通常の測定
時間内では反応が完了せず、得られる結果も不正確なも
のとなる。例えば、クレアチンキナーゼ(CK)の場合、
活性測定至適pHは一般に約6.5であるので、前記の現象
は重大な影響を与える。
本発明は、前記のように、前記式(1)の脱水素反応
工程に特定の酵素を存在させることにより、式(2)の
反応を促進させて、短時間内に反応を完結させ、迅速
で、正確で、高精度の測定結果が得られることを可能に
するものである。
なお、本発明は、pH8.5以下での測定に利用するのが
特に好ましいが、pH8.5以上での測定に用いて、一層迅
速で、正確で、高精度の測定結果を得ることもできる。
実施例 以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1 G6PDH(ベーリンガー・マンハイム社製)2U/mlとNADP
(オリエンタル酵母社製)2.5mMとを含有する100mMイミ
ダゾール−酢酸緩衝液(pH6.7)[以下、A液と称す
る]3mlに、G6P(オリエンタル酵母社製)8mMを含有す
る100mMイミダゾール緩衝液(pH6.7)30μlを加え、37
℃で反応させ、NADPH量の増加を示す、波長340nmにおけ
る吸光度変化を経時的に10分間測定した。結果を第1図
の曲線1に示す。
次に、前記A液の代わりに、6−ホスホグルコノラク
トナーゼ(後記参考例で調製したもの)0.2U/mlをA液
に添加して調製した液3mlを使用すること以外は前記と
同様に操作して、NADPH量の増加を10分間測定した。結
果を第1図の曲線2に示す。
実施例2 ヒトプール血清に、CK(ウサギ筋肉由来:ベーリンガ
・マンハイム社)を5000U/リットルの濃度で加えてか
ら、精製水で希釈し、10種(500U/リットル、1000U/リ
ットル、1500U/リットル、2000U/リットル、2500U/リッ
トル、3000U/リットル、3500U/リットル、4000U/リット
ル、4500U/リットル、および5000U/リットル)の希釈系
列を調製した。
次に、グルコキナーゼ(ユニチカ社製)4U/mlと、グ
ルコース25mMと、ADP2mMと、G6PDH(ベーリンガ・マン
ハイム社製)1.5U/mlとNADP(オリエンタル酵母社製)
2.8mMとを含有する100mMイミダゾール−酢酸緩衝液(pH
6.7)[以下、B液と称する]320μl、およびクレアチ
ンリン酸125mMと酢酸マグネシウム50mMとを含有する25m
Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)80μlを前記の各希釈系
列8μlに加え、37℃で反応させ、反応開始後、3分〜
5分間にかけて、吸光度変化を波長340nmにおいて測定
し、単位時間当たりの吸光度変化量(ΔAbs/min)を求
めた。結果を第2図において○(線3)で示す。
次に、前記B液の代わりに、6−ホスホグルコノラク
トナーゼ(後記参考例で調製したもの)0.2U/mlをB液
に添加して調製した液320μlを使用すること以外は前
記と同様に操作して、NADPH量を測定した。結果を第2
図において●(線4)で示す。
実施例3 グルコースを精製水で希釈し、400mg/dl、700mg/dlお
よび1000mg/dlの濃度の希釈溶液を調製した。
次に、グルコキナーゼ(ユニチカ社製)4U/mlとG6PDH
(ベーリンガー・マンハイム社製)1.5U/mlとNADP(オ
リエンタル酵母社製)2.8mMとを含有する100mMイミダゾ
ール−酢酸緩衝液(pH6.5)[以下、C液と称する]2.0
mlに、ATP(ベーリンガー・マンハイム社製)8.5mMを含
有する100mMイミダゾール−酢酸緩衝液(pH6.5)0.50ml
を混合した後、前記の各グルコース希釈溶液20μlを加
え、37℃で反応させ、反応開始後10分間の吸光度変化を
波長340nmにおいて測定した。
次に、前記C液の代わりに、6−ホスホグルコノラク
トナーゼ(後記参考例で調製したもの)0.09U/mlの濃度
となるようにC液に添加して調製した液を使用すること
以外は前記と同様に操作して、NADPH量を測定した。
前記の結果を第3図に示す。第3図において、曲線5C
はグルコース400mg/dl希釈溶液に6−ホスホグルコノラ
クトナーゼを加えなかった場合、曲線5Eはグルコース40
0mg/dl希釈溶液に6−ホスホグルコノラクトナーゼを加
えた場合、曲線6Cはグルコース700mg/dl希釈溶液に6−
ホスホグルコノラクトナーゼを加えなかった場合、曲線
6Eはグルコース700mg/dl希釈溶液に6−ホスホグルコノ
ラクトナーゼを加えた場合、曲線7Cはグルコース1000mg
/dl希釈溶液に6−ホスホグルコノラクトナーゼを加え
なかった場合、曲線7Eはグルコース1000mg/dl希釈溶液
に6−ホスホグルコノラクトナーゼを加えた場合の結果
を示し、そして曲線8はグルコースを含まない精製水に
6−ホスホグルコノラクトナーゼを加えた場合の結果を
示す。
参考例:6−ホスホグルコノラクトナーゼの調製 (1)ペナッセイ(Penassay)ブロス(Difco社製)を
用いてシュードモナス・フルオレセンス(Pseudmonas f
luorescens:RIMD1615005;大阪大学微生物病研究所より
入手)を30℃で1日間前培養した。この培養物を、更に
ハート・インフュージョン培地で30℃にて1日間培養し
た。得られた培養液を遠心して集菌した。食塩水で洗浄
後、トリス緩衝液中にて超音波で細胞を破壊し、更に遠
心処理した。上清をpH7.5で硫安分画し、硫安30〜70%
飽和で沈殿するタンパク質分を遠心して集めた。このタ
ンパク質分をトリス緩衝液に溶解させ、透析した後、DE
AEーセルロースカラムで粗精製した。得られた粗精製物
をHPLC[カラム充填剤:ZORBAX GF−250(デュポン
社)]によって更に精製し、分子量3万〜5万に流出す
る単一ピーク分として目的の6−ホスホグルコノラクト
ナーゼを分取した。
(2)分取した6−ホスホグルコノラクトナーゼの活性
は以下の試験によって規定した。
使用溶液: D液:NADPが0.85mMおよびG6Pが0.08mMとなるように、10
mM塩化マグネシウムを含む100mMイミダゾール−酢酸緩
衝液(pH6.5)で調製した。
E液:6−ホスホグルコノラクトナーゼを含まないG6PDH
を200U/mlとなるように精製水に溶解して調製した。
F液:6−PGDH硫安懸濁液(120U/ml:ベーリンガー・マン
ハイム社)。
操作方法: E液10μlにD液3mlを加え、37℃で2分間反応させ
た。参考例(1)で調製した6−ホスホグルコノラクト
ナーゼ液20μlを加え、37℃で2分間放置した後、F液
5μlを加えた。F液を添加してから2〜4分後の波長
340nmにおける吸光度変化を測定した。
この際、2〜4分間の吸光度が0.06Abs.を越えた場
合、または2分までの吸光度0.8Abs.を越えた場合は、
6−ホスホグルコノラクトナーゼ液を精製水で希釈し
て、再度測定を行った。
同様に、6−ホスホグルコノラクトナーゼ液のかわり
に精製水を用いて空試験を行った。
活性の計算は以下の式によって行った。
前記の式で、ΔEは吸光度変化、Tは反応時間(mi
n)、εはNADPHの吸光係数(6.22cm2/μmol)、dはセ
ル長(cm)、Vは最終液料(ml)、vは6−ホスホグル
コノラクトナーゼ含有液の液料(ml)、そしてDFは6−
ホスホグルコノラクトナーゼ含有液の希釈倍率である。
産業上の利用可能性 本発明は、グルコース−6−リン酸(G6P)から6−
ホスホグルコン酸(6PG)を生成する脱水素反応工程に
6−ホスホグルコノラクトナーゼを存在させることによ
り、G6Pから6PGへの反応を促進させて、迅速で、正確
で、高精度の測定を可能にするものである。
従って、各種の生体試料に含まれている生理活性物
質、例えば、心筋梗塞や筋ジストロフィーなどの診断指
標となるクレアチンキナーゼ(CK)、膵疾患や肝疾患等
の診断指標となるアミラーゼ(AMY)、または糖尿病な
どの診断指標となるグルコース(Glc)からG6Pを定量的
に誘導し、更にNAD(P)Hを生成させ、その量を測定
することにより、前記の生理活性物質のレベルを迅速、
正確、そして高精度に分析し、疾病診断や臨床検査を行
うことができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12Q 1/54 C12Q 1/54 (72)発明者 稲葉 聡 千葉県八千代市大和田新田1144番地 株 式会社ヤトロン八千代工場内 (56)参考文献 特公 平1−55880(JP,B2)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グルコース−6−リン酸とNADまたはNADP
    とをグルコース−6−リン酸脱水素酵素の存在下で脱水
    素して6−ホスホグルコン酸とNADHまたはNADPHとを生
    じさせる工程を含むグルコース−6−リン酸の測定方法
    において、6−ホスホグルコノラクトナーゼを存在させ
    ることを特徴とする、前記の測定方法。
  2. 【請求項2】被検試料を、クレアチンリン酸、グルコー
    ス、ヘキソキナーゼ、ADP、NADまたはNADP、そしてグル
    コース−6−リン酸脱水素酵素と接触させる工程を含む
    クレアチンキナーゼの測定方法において、6−ホスホグ
    ルコノラクトナーゼを存在させることを特徴とする、前
    記の測定方法。
  3. 【請求項3】被検試料を、スターチ、グルコアミラー
    ゼ、ヘキソキナーゼ、ATP、NADまたはNADP、そしてグル
    コース−6−リン酸脱水素酵素と接触させる工程を含む
    アミラーゼの測定方法において、6−ホスホグルコノラ
    クトナーゼを存在させることを特徴とする、前記の測定
    方法。
  4. 【請求項4】被検試料を、ヘキソキナーゼ、ATP、NADま
    たはNADP、そしてグルコース−6−リン酸脱水素酵素と
    接触させる工程を含むグルコースの測定方法において、
    6−ホスホグルコノラクトナーゼを存在させることを特
    徴とする、前記の測定方法。
  5. 【請求項5】6−ホスホグルコノラクトナーゼと、グル
    コース−6−リン酸脱水素酵素と、NADまたはNADPとを
    含むことを特徴とする、グルコース−6−リン酸の測定
    用組成物。
  6. 【請求項6】6−ホスホグルコノラクトナーゼ0.01〜50
    U/mlと、グルコース−6−リン酸脱水素酵素0.5〜20U/m
    lと、NADまたはNADP0.2〜20mMとを含む、請求の範囲5
    に記載の組成物。
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