JPH10219019A - 帯電防止性を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造法 - Google Patents
帯電防止性を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造法Info
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Abstract
ム塩の量がきわめて少なく、成形性が良好で帯電防止性
能にすぐれたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を製造
する。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂100重量部およ
びヒドロキシアルキルモノエタノールアミン0.5〜3
重量部を含有する組成物からの粒子を耐圧容器内で揮発
性発泡剤、分散剤および分散助剤を水中に分散させ、加
熱して、粒子内に発泡剤を含有せしめ、耐圧容器の一端
を開放して低圧の雰囲気下に放出して予備発泡粒子を製
造する際に、分散剤としてリン酸カルシウム塩を粒子1
00重量部に対して0.7〜5.0重量部、分散助剤と
してアニオン界面活性剤を式:0.045X≦Y≦0.
15X(式中、Xはリン酸カルシウム塩の重量部数、Y
はアニオン性界面活性剤の重量部数を示す)を満足する
量用いて帯電防止性を有するポリプロピレン系樹脂予備
発泡粒子を製造する。
Description
しうるが密閉しえない型内に充填したのち、水蒸気など
の加熱媒体を用いて加熱成形することにより成形体とす
る方法に適したポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製
造法に関する。さらに詳しくは、予備発泡粒子表面に残
存するリン酸カルシウム塩の量がきわめて少ないため、
非常に成形性が良好で帯電防止性能にすぐれたポリプロ
ピレン系樹脂予備発泡粒子の製造法に関する。
いた成形品は、基材樹脂の性質上、絶縁性にすぐれるた
め帯電しやすく、ほこりなどが付着しやすいため、電子
機器部品・一般機器部品・液晶ガラスなどの緩衝包装材
として利用されにくいのが実情である。このため帯電防
止性能を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子から
なる成形品の開発が望まれている。
報において、一般式(I):
基)で表わされるヒドロキシアルキルモノエタノールア
ミンを含有するポリオレフィン系樹脂粒子を耐圧容器内
で揮発性発泡剤、分散剤および分散助剤の存在下で水中
に分散させて分散液とし、該樹脂粒子の融点−20℃〜
融点+20℃の範囲の温度で加熱して、該樹脂粒子内に
発泡剤を含有せしめ、該耐圧容器の一端を開放して発泡
剤を含有せしめた樹脂粒子と水とを同時に耐圧容器より
も低圧の雰囲気下に放出してえられる予備発泡粒子およ
びその製法を開示している。
の中でも、ポリエチレン系樹脂のばあいには、分散剤と
してリン酸カルシウム塩を使用しても予備発泡粒子表面
に残存するリン酸カルシウム塩の量は極めて少なく、成
形時ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子同士の融着が良好
な成形品がえられるが、対照的にポリプロピレン系樹脂
のばあいには、予備発泡粒子表面に残存するリン酸カル
シウム塩の量がきわめて多くなり、成形時にポリプロピ
レン系樹脂予備発泡粒子同士の融着性が低下する問題が
残されている。
去するための方法として、特開平8−92408号公報
に開示されているように、予備発泡粒子を塩酸、硝酸な
どの酸水溶液で洗浄する方法が知られている。
の酸水溶液で洗浄するばあいには、設備の腐食問題や排
水の中和設備の設置などが必要となり設備費増や製造プ
ロセス工程が煩雑となる問題がある。
記従来技術に鑑みて、塩酸、硝酸などの酸水溶液で洗浄
しなくても予備発泡粒子表面に残存するリン酸カルシウ
ム塩を減少させる方法について鋭意研究を重ねた結果、
かかるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造法をよ
うやく見出し、本発明を完成するに至った。
脂100部(重量部、以下同様)に対し、一般式
(I):
基)で表わされるヒドロキシアルキルモノエタノールア
ミン0.5〜3部を含有するポリプロピレン系樹脂組成
物からの粒子を耐圧容器内で揮発性発泡剤、分散剤およ
び分散助剤の存在下で水中に分散させて分散液とし、該
粒子の融点−20℃〜融点+20℃の範囲の温度で加熱
して、該粒子内に発泡剤を含有せしめ、該耐圧容器の一
端を開放して発泡剤を含有せしめた粒子と水とを同時に
耐圧容器よりも低圧の雰囲気下に放出して予備発泡粒子
を製造する方法であって、該分散剤としてリン酸カルシ
ウム塩を該樹脂粒子100部に対して0.7〜5.0
部、該分散助剤としてアニオン性界面活性剤を式:0.
045X≦Y≦0.15X(式中、Xはリン酸カルシウ
ム塩の部数、Yはアニオン界面活性剤の部数を示す)を
満足する量用いることを特徴とする帯電防止性を有する
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造法に関する。
ン系樹脂100部に対し、一般式(I):
基)で表わされるヒドロキシアルキルモノエタノールア
ミン0.5〜3部を含有するポリプロピレン系樹脂組成
物からの粒子(以下、樹脂粒子ともいう)が使用され
る。
り製造されるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子のベー
ス樹脂として使用されるものであり、該予備発泡粒子の
発泡のしやすさ、成形時の融着性などの特性をきめると
ともに、えられる成形体として耐熱性、寸法安定性、強
度などのバランスが良い成形体がえられる。
常、プロピレン単量体単位を70%(重量%、以下同
様)以上、さらには85%以上で100%以下含有する
樹脂であって、メルトインデックス(MI)が0.5〜
20g/10分、さらには1〜15g/10分のものが
使用される。前記プロピレン単量体単位の含有率が70
%未満になると、プロピレン系樹脂としての特性が充分
にえられなくなる傾向が生じる。また、メルトインデッ
クス(MI)が0.5g/10分未満になると、発泡性
が低下してくるとともに、成形時に充分な融着性がえら
れにくく、割れ易くなり、20g/10分をこえると発
泡粒子の独立気泡率が低下し、充分な強度がえられなく
なる傾向が生じる。
るばあいの共重合成分としては、エチレン、ブテン、酢
酸ビニル、アクリル酸などがあげられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。2種以上の組合せとしては、エチレンとブテン、エ
チレンと酢酸ビニル、エチレンとアクリル酸などの組合
せがあげられる。これらのうちではエチレン、ブテン、
エチレンとブテンとの組合せが発泡性、成形性の点から
好ましい。
ポリプロピレン、エチレン−プロピレンブロック共重合
体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、ブテン−
プロピレンランダム共重合体、ブテン−プロピレンブロ
ック共重合体、エチレン−ブテン−プロピレン三元共重
合体、エチレン−酢酸ビニル−プロピレン三元共重合
体、エチレン−アクリル酸−プロピレン三元共重合体な
どがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
キルモノエタノールアミンはえられる予備発泡粒子の表
面に付着するリン酸カルシウム塩(分散剤)を少なく
し、型内発泡成形性をよくし、型内発泡成形品の帯電防
止性を良好にするために使用される成分である。
さらには10〜16であるが、8未満のばあい、あるい
は22をこえるばあい、予備発泡粒子の表面に付着する
リン酸カルシウム塩の減少、さらに帯電防止効果が不充
分となり好ましくない。
とえばオクチル基、ノニル基、ペンタデシル基、ヘキサ
デシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基のごとき直
鎖のアルキル基などが好ましい例としてあげられるが、
これらに限定されるものではない。
0部に対する一般式(I)で表わされるヒドロキシアル
キルモノエタノールアミン(以下、帯電防止剤(I)と
もいう)の添加量は0.5〜3部、さらには0.8〜2
部である。前記添加量が0.5部未満のばあい、帯電防
止能が不充分であり、一方、3部をこえるばあい、ブリ
ードが多すぎてべとつきが生じる。
I)(たとえばグリセリン脂肪酸エステル、アルキルジ
エタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステルなどのノ
ニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤あるいは両性界
面活性剤などの帯電防止剤)と併用して使用しても差し
支えない。併用するばあい、帯電防止剤(I)を全帯電
防止剤中の50%以上、さらには70%以上になるよう
に含有させるのが、予備発泡粒子表面に残存するリン酸
カルシウム塩を減少させる点から好ましい。
との混合順序、混合の仕方などにはとくに限定はない
が、ポリプロピレン系樹脂の一部と帯電防止剤(I)と
から、まず、帯電防止剤(I)含有率の高いマスターバ
ッチ、たとえば帯電防止剤(I)の含有率が5〜20%
のマスターバッチを調製し、これとのこりのポリプロピ
レン系樹脂とを混合する方法が帯電防止剤(I)を均一
に分散させやすいという点から好ましい。なお、帯電防
止剤(I)と帯電防止剤(II)とを併用するばあいのマ
スターバッチの製造は、帯電防止剤(I)とともに帯電
防止剤(II)をポリプロピレン系樹脂と混合することに
より行なえばよい。
と帯電防止剤(I)とからなるポリプロピレン系樹脂組
成物には、要すれば有機顔料、無機顔料や難燃剤などを
加えてもよい。
アニン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリド
ン系などの多環式顔料があげられる。前記無機顔料とし
ては、たとえばアセチレンブラック、チャンネルブラッ
ク、ケッチェンブラックなどのカーボンブラックなどが
あげられるが、これらに限定されるものではない。
樹脂100部に対し、0.005〜5部である。前記添
加量が0.005部未満になると色むらを生じ易くな
り、5部をこえると予備発泡粒子の気泡径が細かくな
り、型どうりの成形品がえられにくくなる傾向にある。
機顔料との混合順序、混合の仕方などにはとくに限定は
ないが、前記ポリプロピレン系樹脂と帯電防止剤
((I)または(I)および(II))のばあいと同様、
まず顔料含有率の高いマスターバッチ、たとえば顔料含
有率が0.5〜35%のマスターバッチを調製し、これ
にのこりのポリプロピレン系樹脂を混合する方法が顔料
を均一に分散させやすいという点から好ましい。
ジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、
ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)テトラブロ
モビスフェノールS、エチレンビスペンタブロモジフェ
ニルなどのハロゲン系難燃剤や、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウムなどの水和金属酸化物、ポリリン酸
アンモニウム、ポリリン酸アミドなどの縮合ポリリン酸
エステル化合物などの非ハロゲン系難燃剤があげられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。また、これらは前記有機顔料、無機
顔料(着色剤)、帯電防止剤(II)などと併用しても差
し支えない。
脂100部に対し、1〜30部が好ましい。前記添加量
が1部未満になると難燃性付与効果がえられにくくな
り、30部をこえると予備発泡粒子の気泡径が細かくな
り、型どうりの成形品がえられにくくなる傾向にある。
発泡粒子は、前記のごときポリプロピレン系樹脂、帯電
防止剤(I)および要すれば使用される有機顔料、無機
顔料、難燃剤、帯電防止剤(II)などからなる組成物か
らの粒子(樹脂粒子)を予備発泡させた帯電防止性を有
する予備発泡粒子である。
0mg/粒程度のものであり、本発明の予備発泡粒子は
このような粒子を、通常5〜60倍程度、好ましくは1
0〜40倍程度に予備発泡させたものである。
一般式(I)で表わされるヒドロキシアルキルモノエタ
ノールアミンおよび要すれば使用される有機顔料など
(マスターバッチとして加えられるばあいを含む)を押
出機内で溶融混練したのち、複数個の開口部を通してス
トランド状に押し出し、空中または水中で冷却後、スト
ランドをカットして造粒することにより製造される。
様にして製造すればよい。
発泡粒子の製造法について説明する。
キルモノエタノールアミンおよび要すれば使用される有
機顔料などを含有するポリプロピレン系樹脂組成物から
の粒子と、揮発性発泡剤とを分散剤および分散助剤の存
在下で水中に分散させ、該樹脂粒子の融点−20℃〜融
点+20℃の範囲の温度に加熱して、該樹脂粒子に加圧
下、揮発性発泡剤を含浸させ、えられた水分散物を容器
内よりも低圧の雰囲気下に放出することにより、予備発
泡粒子が製造される。
〜+120℃の炭化水素類またはハロゲン化炭化水素類
など、たとえばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、モノ
クロロメタン、ジクロロメタン、モノクロロエタン、ト
リクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロエタ
ン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロ
エタン、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロテト
ラフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素類などが使
用される。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
類、所望する発泡倍率、容器内の樹脂粒子量と容器内空
間容積との比率を考慮して、該樹脂粒子中の樹脂に対し
て5〜40%含浸されるようにするのが好ましい。
塩、酸化アルミニウム、酸化チタン、塩基性炭酸マグネ
シウム、ピロリン酸マグネシウム、カオリンなどがあげ
られる。これらのうちでは樹脂粒子の付着阻止の点から
リン酸カルシウム塩が好ましい。前記分散剤として、リ
ン酸カルシウム塩が含まれるように1種以上で用いられ
る。
基性カルシウム化合物(たとえば水酸化カルシウム、炭
酸カルシウム、ホウ酸カルシウムなど)とからの正塩、
酸性塩、塩基性塩のことであり、その具体例としては、
微粉末状またはスラリー状のたとえばCa3(P
O4)2、3[Ca3(PO4)2]・Ca(OH)2、Ca
10(PO4)6・(OH)2などがあげられる。これらは
単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。なかでも3[Ca3(PO4)2]・Ca(OH)2
が好ましい。
平均粒径0.001〜30μmの微粉末状またはスラリ
ー状のものが樹脂粒子の付着防止の点から好ましい。
脂粒子100部に対して0.7〜5.0部、好ましくは
1.0〜3.0部、さらに好ましくは1.5〜2部であ
る。前記使用量が0.7部未満のばあいには、加熱時に
樹脂粒子同士の凝集がおこり、5.0部をこえるばあい
には、予備発泡粒子の表面上に残存するリン酸カルシウ
ム塩の量が増加して型内成形する際の予備発泡粒子間の
融着が阻害されて成形体の強度が低下する。
剤が好適である。
とえばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オ
レフィンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウムなどのスルホン酸型塩などがあげられ
る。
0.045X≦Y≦0.15X(式中、Xはリン酸カル
シウム塩の部数、Yはアニオン界面活性剤の部数を示
す)を満足するのが好ましい。前記使用量が前記範囲よ
りも少ないばあいには、予備発泡粒子表面に付着するリ
ン酸カルシウム塩の量が増加する。また、前記範囲より
も多いばあいには、リン酸カルシウム塩とアニオン界面
活性剤とのバランスがわるくなり、加熱時に樹脂粒子同
士の凝集がおこりやすくなる。また、耐圧容器の一端を
開放して予備発泡粒子をうる際に、リン酸カルシウム塩
を含んだ大量の気泡が発生し、予備発泡後の耐圧容器内
に残存している発泡剤を回収する際に該気泡が回収ライ
ンに入り込んで発泡剤の回収時間を遅延させるため、生
産性の点からも不利である。
ィン系樹脂粒子から予備発泡粒子を製造するばあいに
は、アニオン界面活性剤の使用量は、式:0.005X
≦Y≦0.04X(式中、Xはリン酸カルシウム塩の部
数、Yはアニオン界面活性剤の部数を示す)を満足する
量が好ましいことが特開平4−246433号公報に開
示されている。しかしながら、帯電防止剤(I)を含有
する系においては、樹脂粒子中からブリードした帯電防
止剤(I)とアニオン界面活性剤がある量において、相
互に作用して予備発泡粒子表面に付着したリン酸カルシ
ウム塩を減少させる特徴があるようである。
を分散させる分散媒体として水が用いられるが、その使
用量はポリプロピレン系樹脂粒子100部に対し、10
0〜300部であるのが分散安定性および生産性の点か
ら好ましい。
子の融点−20℃〜融点+20℃、好ましくは融点−1
5℃〜融点+15℃が採用される。たとえば融点145
℃のエチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン
3.2%含有)を用いたばあいには、加熱温度は125
〜165℃、好ましくは130〜160℃である。前記
加熱温度が融点−20℃未満のばあいには、発泡倍率が
著しく低下し、また融点+20℃をこえるばあいには、
えられる予備発泡粒子の独立気泡率が低下する。なお、
前記樹脂粒子はポリプロピレン系樹脂に帯電防止剤など
が少量入ったものであるが、この程度他のものが入って
もポリプロピレン系樹脂の融点はかわらないので、樹脂
粒子の融点はポリプロピレン系樹脂の融点と同じであ
る。
(株)製のDSC220を用い、昇温速度が10℃/分
の条件で測定した融点を基準にした温度である。
させるときの圧力としては、10〜50kg/cm2の
範囲である。
ては、予備発泡粒子を製造する際に容器中の水分散物を
放出する低圧の雰囲気として採用される条件であるかぎ
りとくに制限はないが、たとえば大気中に放出する際に
は大気下、揮発性発泡剤を回収するために密閉系内に放
出するばあいには密閉系内の圧力下のことである。
温度、圧力を一定に保つのが、予備発泡粒子の発泡倍率
を一定に保つ点から好ましい。前記温度は、発泡温度−
2〜発泡温度+2℃、さらには発泡温度−1〜発泡温度
+1℃に保つのが好ましく、また、前記圧力は、発泡圧
力−2〜発泡圧力+2kg/cm2G、さらには発泡圧
力−1〜発泡圧力+1kg/cm2Gに保つのが好まし
い。前記圧力は、耐圧容器内に、揮発性発泡剤を供給す
ることにより保持させるのが発泡倍率を一定に保つうえ
で好ましい。なお、前記発泡温度は前記樹脂粒子の加熱
温度であり、前記発泡圧力は、樹脂粒子に発泡剤を含浸
させたのちの一定になったときの圧力である。
た水分散物を、冷水または温水を多数個の口径ノズル
(1〜10mmφ)などから流量100〜500リット
ル/minで噴射した領域に通過させるなどして、予備
発泡粒子を洗浄するのが好ましい。
は、発泡倍率5〜60倍、連泡率0.5〜5%、平均気
泡径200〜450μm、予備発泡粒子表面に残存する
リン酸カルシウム塩が300〜900ppmのものであ
る。発泡粒子中の発泡剤を空気と置換したのち、必要に
応じ内圧付与をするか、もしくはそのまま内圧付与をし
ないで成形型内に充填し2.5〜3.5kg/cm2G
程度の水蒸気で粒子同士を融着させ、金型から取り出し
たのち、60℃〜80℃の乾燥室で24時間養生させる
ことにより成形品がえられる。
明する。
9g/cm3、メルトフローインデックス6g/10
分、エチレン含有量3.2%、融点145℃)100部
と表1に示す量の帯電防止剤(I)(一般式(I)の中
のRが炭素数12のものと炭素数14のものとが重量比
で56:44の混合物であるミヨシ油脂(株)製のダス
パー125B)および(または)帯電防止剤(II)(グ
リセリン脂肪酸エステル、花王(株)製のGS−90)
とを混合し、50mm押出機で混練(230℃)して樹
脂粒子(1.8mg/粒)を製造した。
300部、えられた樹脂粒子ペレット100部、分散剤
として第三リン酸カルシウム(太平化学産業(株)製)
と分散助剤としてノルマルパラフィンスルホン酸ソーダ
(花王(株)製)とを表1に示す量仕込み、さらにイソ
ブタンを11部仕込み、撹拌下、表1に示す温度および
内圧で30分間保持したのち、容器内をイソブタンで前
記内圧に保持しながら容器の下部に設けた4mmφオリ
フィスを通して予備発泡させた。このとき、オリフィス
板出口付近でシャワーノズルから180L/minの流
量で60℃の温水を予備発泡粒子に噴射させた。えられ
た粒子を乾燥させたのち予備発泡粒子の表面に付着した
リン酸カルシウム塩の量および発泡倍率を下記方法によ
り測定した。結果を表1に示す。
圧容器に仕込み、8kg/cm2Gに加圧し、2時間保
持して予備発泡粒子の内圧を1kg/cm2Gに高めた
のち450mm×300mm×50mmの金型に充填
し、発泡粒子同士を3kg/cm2Gの水蒸気にて加
熱、融着させ、型内成形品をえ、金型から取り出した。
えられた成形品の融着性、帯電防止性およびベタツキを
下記方法により評価した。結果を表1に示す。
ナジン酸アンモニウム0.022%、モリブテン酸アン
モニウム0.54%および硝酸3%を含む水溶液(比色
液)50.0mLとW(g)の予備発泡粒子をコニカル
ビーカーに採り、1分間撹拌したのち10分間放置し
た。えられた液相を光路長1.0cmの石英セルに採
り、分光光度計により410nmでの吸光度Aを測定し
た。
たリン酸カルシウム塩の410nmでの吸光度係数ε
(g/L・cm)を用いて、式:
求めた。
式: 発泡倍率=発泡前の樹脂密度(g/cm3)÷予備発泡粒
子の密度(g/cm3) により求めた。
し、下記基準にしたがって評価した。
に48時間保存して状態調整したのち、アドバンテスト
(株)製の超絶抵抗計TR8601を用いて測定し、下
記基準にしたがって評価した。
基準にしたがい評価した。
粒子を用いて成形品を製造すると、帯電防止性がすぐ
れ、粒子間の融着性が良好な成形品をうることができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂100重量部に対
し、一般式(I): 【化1】 (式中、Rは炭素数8〜22のアルキル基)で表わされ
るヒドロキシアルキルモノエタノールアミン0.5〜3
重量部を含有するポリプロピレン系樹脂組成物からの粒
子を耐圧容器内で揮発性発泡剤、分散剤および分散助剤
の存在下で水中に分散させて分散液とし、該粒子の融点
−20℃〜融点+20℃の範囲の温度で加熱して、該粒
子内に発泡剤を含有せしめ、該耐圧容器の一端を開放し
て発泡剤を含有せしめた粒子と水とを同時に耐圧容器よ
りも低圧の雰囲気下に放出して予備発泡粒子を製造する
方法であって、該分散剤としてリン酸カルシウム塩を該
粒子100重量部に対して0.7〜5.0重量部、該分
散助剤としてアニオン界面活性剤を式:0.045X≦
Y≦0.15X(式中、Xはリン酸カルシウム塩の重量
部数、Yはアニオン界面活性剤の重量部数を示す)を満
足する量用いることを特徴とする帯電防止性を有するポ
リプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2371697A JP3530333B2 (ja) | 1997-02-06 | 1997-02-06 | 帯電防止性を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2371697A JP3530333B2 (ja) | 1997-02-06 | 1997-02-06 | 帯電防止性を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10219019A true JPH10219019A (ja) | 1998-08-18 |
JP3530333B2 JP3530333B2 (ja) | 2004-05-24 |
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ID=12118066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2371697A Expired - Lifetime JP3530333B2 (ja) | 1997-02-06 | 1997-02-06 | 帯電防止性を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3530333B2 (ja) |
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