JP5577332B2 - ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、良好な帯電防止性能を有する型内発泡成形体に好適に使用しうるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子及びその製造方法に関する。
ポリプロピレン系樹脂発泡体は緩衝性、断熱性等の物性に優れる事から、包装材、緩衝材、断熱材、建築部材など様々な分野で使用されている。特にポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を金型に充填し、水蒸気などで加熱して予備発泡粒子同士を融着せしめて所定形状の発泡体を得る型内発泡成形法は、複雑な形状の製品を比較的容易に得ることができるため、多くの用途に用いられている。
これら用途の一つであるOA機器などの電子部品や機械部品の緩衝包装材には、埃や静電気を嫌う場合があり、この用途向けには帯電防止性能を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子からなる型内発泡成形体が用いられている。
型内発泡成形体に帯電防止性能を付与する一般的な方法としては、型内発泡成形体表面に界面活性剤を塗布する方法や、予め樹脂に界面活性剤を練りこんだものから型内発泡成形体を製造する方法が代表的である。
後者の、予め樹脂に界面活性剤を練りこんだものから型内発泡成形体を製造する方法は、型内発泡成形体表面に界面活性剤を塗布する方法に比べ、帯電防止性能の持続性に優れ、作業方法が簡略化しやすいことから良く用いられている。
帯電防止性能を有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子として、帯電防止能を有する平均分子量200〜1000のノニオン系界面活性剤を0.1〜5重量%含有する無架橋ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂として使用する技術が開示されている(特許文献1)。
また、帯電防止能を有する平均分子量200〜1000のノニオン系界面活性剤を0.1〜5重量%含有し、示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線に10〜30J/gの熱量の高温ピークが現れるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に関する技術が開示されている(特許文献2)。
これら技術では、特定のノニオン系界面活性剤を用いることにより、帯電防止性能を有する界面活性剤が多量にブリードすることなく、必要な帯電防止性能を有する型内発泡成形体を得ることができるとし、そのノニオン系界面活性剤の一例として高級脂肪酸のグリセリンエステルなどが示されている。
高級脂肪酸のグリセリンエステルは、他の界面活性剤に比べて、比較的安全性が高く、ノニオン系界面活性剤としてよく用いられている。高級脂肪酸のグリセリンエステルは、高級脂肪酸の結合タイプによりモノエステル、ジエステル、トリエステルに大別できる。しかしながら、特許文献1,2に記載されている高級脂肪酸のグリセリンエステルとしてはモノエステルしか開示されていない。
ところで、型内発泡成形に用いる予備発泡粒子は、樹脂ペレット、水系分散媒、分散剤、分散助剤、発泡剤等を耐圧容器内に仕込み、加熱、加圧して発泡剤を樹脂ペレット中に含浸させた後、低圧下に放出することにより製造されるのが、一般的である(以下、本製造方法を「除圧発泡法」とも言う。)。分散剤は、耐圧容器内での樹脂ペレット同士の互着を防ぐ目的で添加されるが、分散剤が残存した状態では、型内発泡成形時の予備発泡粒子同士の融着まで阻害してしまうため、予備発泡粒子の表面には分散剤ができるだけ付着していないことが望まれている。そのため、例えば、予備発泡後に予備発泡粒子を洗浄するなどの工程が、必要となる。
帯電防止性能を付与するために界面活性剤を含有させたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、界面活性剤を含まない場合に比べて、分散剤の洗浄が難しい傾向がある。例えば、2Nの硝酸液で洗浄することにより、予備発泡粒子100重量部あたりの残存分散剤を0.2重量部以下にできる技術が開示されている(特許文献3)。
収縮した熱可塑性ポリマー発泡ビーズに、透過性調節用添加剤としてグリセロールモノグリセライドとグリセロールジグリセライドの混合物を含有させることも知られている(特許文献4)。
しかし、前記透過性調節用添加剤は、押出し発泡して得られる熱可塑性ポリマー発泡ビーズに含まれる発泡剤の透過性を調節するための添加剤として用いられており、除圧発泡して得られる熱可塑性ポリマー発泡ビーズに関する技術ではないことから、該透過性調節用添加剤が、熱可塑性ポリマー発泡ビーズ(予備発泡粒子)表面に付着する分散剤量へ及ぼす影響については、何ら言及されていない。
また、ポリプロピレン系樹脂ではないが、HLB値が3以上4未満かつ融点が35℃以上75℃以下の脂肪酸グリセリンエステルを含有するポリエチレン系樹脂予備発泡粒子、およびその型内発泡成形体に関する技術が開示されている(特許文献5)。該特許文献5には、脂肪酸グリセリンエステルとしてモノステアリン酸グリセリンエステルとジステアリン酸グリセリンエステルの混合物を用いることが記載されているが、両者の比率については言及されておらず、更には、得られた予備発泡粒子は濃度30ppmのメタリン酸ソーダで洗浄するとの記載があり、やはり帯電防止剤として脂肪酸のグリセリンエステルを用いた場合には、予備発泡粒子表面の分散剤の洗浄が難しいことが伺える。
以上のように、良好な帯電防止性能を有しつつ、硝酸やメタリン酸ソーダなどの薬剤で洗浄せずとも、表面の残存分散剤が少ないポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得る技術は未だ知られていない。
特開平3−28239号公報 特開平7−304895号公報 特開平8−92408号公報 特開平4−23840号公報 特開平2002−146082号公報
本発明は、硝酸やメタリン酸ソーダなどの薬剤で洗浄せずとも良好に型内発泡成形に用いることができ、かつ良好な帯電防止性能を発揮するポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を得ることのできるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を提供することを目的とする。
本発明者は、帯電防止性能を有しながらも、硝酸やメタリン酸ソーダなどの薬剤で洗浄することなく、型内発泡成形に好適に使用できるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得る技術に関して、鋭意研究した結果、炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンモノエステルに、炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンジエステルを一定の比率で併用することにより、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の表面に残存する分散剤量を特段の洗浄を行なわずとも、良好に型内発泡成形できる程度まで減少させることができることを見出した。
また、グリセリンを重合したポリグリセリンの脂肪酸エステルについても検討したところ、同様の効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
さらに、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得る製造方法として、耐圧容器を用い、使用する原料樹脂に応じた特定の温度範囲にて樹脂と水系分散物を加温、加圧し、耐圧容器内圧より低圧雰囲気下に放出することにより、表面固有抵抗性能を発揮しうる適度な溶出状態となり、かつポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の表面に残存する分散剤量を少なく抑えることができることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の構成よりなる。
[1] (A)炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンモノエステルおよび/または炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンモノエステル、および
(B)炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンジエステルおよび/または炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンジエステルを含有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であって、
該予備発泡粒子中に含有されるの(A)と(B)の重量比[=(A)/(B)]が1.3以上10以下であり、かつ、合計含有量[=(A)+(B)]がポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.3重量部以上5重量部以下である、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
[2] 炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンモノエステルを構成するポリグリセリンが、2以上10以下のグリセリンが重合したものである、[1]記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
[3] 炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンジエステルを構成するポリグリセリンが、2以上10以下のグリセリンが重合したものである、[1]または[2]に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
[4] ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子100重量部あたり、付着分散剤量が0.20重量部以下である、[1]〜[3]の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
[5] [1]〜[4]の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を金型に充填し、加熱して得られ、
温度23℃、湿度50%の条件下で24時間保存した後、JIS K6911に準拠して測定される表面固有抵抗値が5×1011Ω以下である、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
[6] (A)炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンモノエステルおよび/または炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンモノエステルと、(B)炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンジエステルおよび/または炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンジエステルとを含有し、含有される(A)と(B)の重量比[=(A)/(B)]が1.3以上10以下であり、かつ合計含有量[=(A)+(B)]がポリプロピレン系樹脂100重量部に対し0.3重量部以上5重量部以下であるポリプロピレン系樹脂組成物からなるポリプロピレン系樹脂粒子を、
耐圧容器内に水、分散剤、発泡剤と共に仕込み水系分散物となし、
該ポリプロピレン系樹脂粒子の融点−20℃以上融点+20℃以下の温度範囲で加圧することにより、該ポリプロピレン系樹脂粒子に発泡剤を含有させ、該水系分散物を耐圧容器内よりも低圧の雰囲気下に放出して得られることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
[7] 発泡剤が炭酸ガスである、[6]に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、硝酸やメタリン酸ソーダなどの薬剤で洗浄せずとも、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の表面の付着分散剤量が少ない。そのため、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を硝酸やメタリン酸ソーダなどの薬剤で洗浄せずとも、良好に型内発泡成形に用いることができる。そして、本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、良好な帯電防止性能を発揮する。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂は、主モノマーとしてプロピレン単量体を含んでなるものであり、たとえば、エチレン−プロピレンランダム共重合体、ブテン−1−プロピレンランダム共重合体、エチレン−ブテン−1−プロピレンランダム3元共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、ホモポリプロピレンなどがあげられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
これらのうちでも、エチレン−プロピレンランダム共重合体、ブテン−1−プロピレンランダム共重合体、エチレン−ブテン−1−プロピレンランダム3元共重合体の少なくとも1種以上が型内発泡成形に好適に使用しうるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を容易に得られるという点から好ましい。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂のメルトインデックス(以下、「MI」と表記する場合がある)は、好ましくは1g/10分以上50g/10分以下である。ポリプロピレン系樹脂のMIが前記の範囲であると、予備発泡性、型内発泡成形性が優れる点で好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、(A)炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンモノエステルおよび/または炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンモノエステル(以下、単に「(A)グリセンリンモノエステル」と略す場合がある)と、(B)炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンジエステルおよび/または炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンジエステル(以下、単に「(B)グリセンリンジエステル」と略す場合がある)を含有する。
本発明における(A)炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンモノエステルおよび/または炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンモノエステルは、化1で表される化合物であり、帯電防止性能を有している。
Figure 0005577332
(式中、Rは、少なくとも1つのメチル基と、5〜23個のメチレン基および/またはメチン基からなるアルキル基である。)
本発明のグリセリンモノエステルおよび/またはポリグリセリンモノエステルを構成する脂肪酸の炭素数は、6以上24以下である。脂肪酸の炭素数が前記範囲より少ない場合は、分子量が低いため樹脂表層へ溶出しやすい一方で、融点が低くなり、加工時の取り扱いに注意を要する。また、脂肪酸の炭素数が前記範囲より多い場合は、樹脂表層への溶出に時間がかかる。脂肪酸の炭素数としては、自然界に多数存在するため安価であり、また、帯電防止性能やその即効性および持続性の観点から炭素数8以上22以下のものがより好適であり、炭素数16以上22以下のものが最も好適である。
炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンモノエステルを構成するポリグリセリンは、グリセリンが2個以上重合したものであり、好ましくは、化2に示すように、2以上10以下のグリセリンが重合したものを用いる。
Figure 0005577332
(式中、Rは、少なくとも1つのメチル基と、5〜23個のメチレン基および/またはメチン基からなるアルキル基である。)
一般に、炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンモノエステルで、重合度が低いものはグリセリンモノエステルと同様の性質を持つ傾向がある。2以上10以下のグリセリンが重合したポリグリセリンと炭素数が6以上24以下の脂肪酸のモノエステルは、重合度1に相当する炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンモノエステルと同様に、良好な帯電防止性能を持つ傾向があることから、本発明に好適に用いられる。
本発明で使用する(B)炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンジエステルおよび/または炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンジエステルは、化3で表される化合物である。
Figure 0005577332
(式中R、R’は少なくとも1つのメチル基と5から23個のメチレン基及び、またはメチン基からなるアルキル基である。)
炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンジエステルは、帯電防止性能を有するグリセリンモノエステルの製造原料に混合物として存在する場合があるが、帯電防止性能はあまり期待できないため、高性能な帯電防止剤では、一般的には除去される物質である。
本発明のグリセリンジエステルおよび/またはポリグリセリンジエステルを構成する脂肪酸の炭素数は、6以上24以下である。脂肪酸の炭素数としては、炭素数8以上22以下のものが自然界に多数存在するため安価であり、好適である。
本発明におけるジエステルは、前記モノエステルと炭素数が同じ、もしくは、近いものが、モノエステルとジエステルの相溶性が高く加工しやすいなどのメリットがあるため、好ましく用いられる。
炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンジエステルを構成するポリグリセリンは、グリセリンが2個以上重合したものであり、好ましくは、化4に示すように、2以上10以下のグリセリンが重合したものを用いる。
Figure 0005577332
(式中R、R’は少なくとも1つのメチル基と5から23個のメチレン基及び、またはメチン基からなるアルキル基である。)
一般に、炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンジエステルで、重合度が低いものはグリセリンジエステルと同様の性質を持つ傾向がある。2以上10以下のグリセリンが重合したポリグリセリンと炭素数が6以上24以下の脂肪酸のジエステルは、重合度1に相当する炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンジエステルと同様の性質を持つことから、本発明に好適に用いられる。
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子中に含有される(A)グリセリンモノエステルと(B)グリセリンジエステルとの重量比[=(A)/(B)]が1.3以上10以下であり、好ましくは1.5以上7以下である。
(A)と(B)の重量比[=(A)/(B)]が1.3以上であれば、1.3未満の場合に比べて型内発泡して得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の帯電防止性能がより優れ、10以下であると、得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を硝酸等の薬剤で洗浄を行なわずとも、良好に型内発泡成形に用いることができる。
本発明においては、(A)グリセリンモノエステルと(B)グリセリンジエステルの合計含有量[=(A)+(B)]は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.3重量部以上5重量部以下であり、より好ましくは0.5重量部以上4重量部以下である。
(A)と(B)の合計含有量が0.3重量部以上であると、0.3重量部未満に比べて型内発泡して得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の帯電防止性能がより優れ、5重量部以下であると、得られたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を硝酸等の薬剤で洗浄を行なわずとも、菱光に型内発泡成形に用いることができる。
本発明においては、(A)グリセリンモノエステルおよび(B)グリセリンジエステルの混合順序、混合の仕方などには特に限定はない。
ただし、(A)グリセリンモノエステルおよび(B)グリセリンジエステルをポリプロピレン系樹脂中に均一に分散させやすいという点から、予め(A)および(B)の含有率の高いマスターバッチ(例えば、含有率5〜40重量%)を調整してポリプロピレン系樹脂と混合した後、一軸あるいは二軸押出機で押出する方法が好ましい。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子には、必要に応じて、有機顔料を加えてもよい。
前記有機顔料としては、例えば、ペリレン系、ポリアゾ系、キナクリドン系の有機顔料が例示されるが、これらに限定されるものではない。
前記有機顔料の含有量は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.001重量部以上0.1重量部以下であることが分散性や帯電防止性の点から好ましい。有機顔料の含有量が0.001重量部未満の場合は、0.001重量部未満ではポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子から得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を所望の色に着色することが困難となる傾向がある。有機顔料の含有量が0.1重量部を超えると、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の気泡径が微細となり、該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子から得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の表面性が劣り、見栄えが悪くなる傾向にある。
本発明にて用いられるポリプロピレン系樹脂は、通常、予備発泡に利用されやすいように、ポリプロピレン系樹脂粒子とする。このようなポリプロピレン系樹脂粒子は、ポリプロピレン系樹脂を押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどを用いて溶融混練し、その後、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状などの所望の粒子形状に成形加工することで得ることができる。
前記ポリプロピレン系樹脂粒子の平均粒径は、好ましくは0.1mm以上10mm以下、より好ましくは0.5mm以上5mm以下である。
前記ポリプロピレン系樹脂粒子の平均重量は、好ましくは0.1mg/粒以上100mg/粒以下、より好ましくは0.3mg/粒以上10mg/粒以下である。
その際、(A)グリセリンモノエステル、(B)グリセリンジエステルおよび、有機顔料などの添加剤は、通常、樹脂粒子の製造過程において溶融した樹脂中に添加することが好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法としては、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、(A)グリセリンモノエステルおよび(B)グリセリンジエステルを含有し、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子中に含有される(A)グリセリンモノエステルと(B)グリセリンジエステルとの重量比[=(A)/(B)]が1.3以上10以下であり、合計含有量[=(A)+(B)]が、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.3重量部以上5重量部以下であるポリプロピレン系樹脂組成物からなるポリプロピレン系樹脂粒子を、耐圧容器内に水、分散剤、発泡剤と共に仕込んで水系分散物となし、該ポリプロピレン系樹脂粒子の融点−20℃以上融点+20℃以下の温度範囲で加圧することにより、該ポリプロピレン系樹脂粒子に発泡剤を含有させ、該水系分散物を耐圧容器内よりも低圧の雰囲気下に放出して得る方法が好ましい。このような方法で得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、型内発泡成形性が良く、また、得られる型内発泡成形体の機械的強度や耐熱性が向上する傾向にある点から、好ましい。
前記耐圧容器には、特に限定はなく、使用する圧力および温度に耐えられるものであれば、いずれのものでも使用しうる。前記耐圧容器の具体例としては、例えば、オートクレーブ型の耐圧容器があげられる。
本発明において、前記分散剤は特に限定はないが、第三リン酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム、酸化チタン、燐酸マグネシウムなど難水溶性の無機系物質を用いることが多い。これらの中でも、第三リン酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウムが、少ない使用量でも水系分散物を安定的に放出させることができるため、好ましい。
また、少量のドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウムなどの、アニオン界面活性剤を分散助剤として併用しうる。
分散剤の使用量は、ポリプロピレン系樹脂粒子100重量部に対して0.1重量部以上5重量部以下であることが好ましい。また、分散助剤の使用量も、ポリプロピレン系樹脂粒子100重量部に対して0.001重量部以上0.3重量部以下が好ましい。
さらには、耐熱容器中の水系分散物の泡立ち、あるいは水系分散物を低圧雰囲気下に放出した際の泡立ちを抑えるために、特開2009−209334号公報に記載の変性ジメチルポリシロキサンなどのノニオン系界面活性剤、あるいはジメチルポリシロキサンなどを耐圧容器中に添加してもよい。
本発明において、水系分散物中におけるポリプロピレン系樹脂粒子の割合は、水100重量部に対して20重量部以上100重量部以下であることが好ましく、得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の品質安定性、生産性などの観点から、適宜決められる。
本発明において、前記発泡剤は特に限定はなく、環境面からは、空気、窒素、炭酸ガス等の無機ガス、水等の無機発泡剤を使用することが好ましく、高い発泡倍率が得られ易いという面からは、n−ブタン、iso−ブタン、ペンタン等の揮発性有機発泡剤などを使用することが好ましい。
本発明において、前記ポリプロピレン系樹脂粒子の融点は、示差走査熱量計[例えば、セイコー電子工業(株)製のDSC6200型]を用いて、ポリプロピレン系樹脂粒子5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃〜220℃まで昇温することにより樹脂粒子を融解し、その後10℃/minの降温速度で220℃〜40℃まで冷却することにより結晶化させた後に、さらに10℃/minの昇温速度で40℃〜220℃まで昇温したときに得られるDSC曲線から、2回目の昇温時の融解ピーク温度として求められる。
本発明において、耐圧容器内の水系分散物の温度は、ポリプロピレン系樹脂粒子の融点−20℃以上融点+20℃以下の温度範囲とすることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂粒子の融点−20℃未満では、得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率が極低倍率に限定される傾向にあると共に、未発泡の樹脂粒子が混在する傾向にある。ポリプロピレン系樹脂粒子の融点+20℃を越えると、耐圧容器中でポリプロピレン系樹脂粒子が溶融して固まり、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が得られにくくなる。実際には、製造するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の原料樹脂種、添加剤、発泡倍率、使用する発泡剤種により、当該範囲内において適宜決められ、当該温度にて加圧して発泡剤が含浸せしめられる。一般に、揮発性有機発泡剤を用いる場合では加熱温度は低く、無機発泡剤を用いるでは加熱温度は高い傾向がある。また、加熱温度が高温であるほど得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率が高くなる傾向がある。
本発明において、加圧時の耐圧容器内の内圧は、1MPa−G以上5MPa−G以下が好ましい(ここで、Gはゲージ圧であることを示す。)。加圧時の耐圧容器内の内圧が1MPa−G未満では、高発泡倍率の予備発泡粒子が得られにくい傾向があり、5MPa−Gを超える場合は、得られる予備発泡粒子に関して特に問題は無いが、高耐圧の容器が必要となることから設備費用が高くなるというデメリットを有する。
本発明において、前記耐圧容器内よりも低圧の雰囲気下とは、一般に予備発泡粒子を製造する際に、耐圧容器中の水系分散物を放出する低圧の雰囲気として採用される条件である限り、特に制限はない。例えば、大気中に放出する際には大気下が該当し、揮発性発泡剤を回収するために密閉系内に放出する場合には密閉系内の雰囲気下が該当する。
本発明の製造方法によって得られる、本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の平均重量は、0.1mg/粒以上100mg/粒以下であることが好ましく、0.3mg/粒以上10mg/粒以下であることがより好ましい。
本発明の製造方法によって得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率は、2倍以上60倍以下であることが好ましく、より好ましくは3倍以上40倍以下である。ここでいう発泡倍率とは、発泡前の樹脂粒子の密度、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の重量と水没体積から算出できる真倍率である。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、硝酸を用いた洗浄などの特別な洗浄処理をせずとも、表面の残存分散剤が少なく、その結果、型内発泡成形に好適に使用しうる。具体的には、本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子における付着分散剤量は、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子100重量部あたり、好ましくは0.20重量部以下、より好ましくは0.18重量部以下となる。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の表面の付着分散剤量は、各々用いる分散剤の特性に合わせ、適宜測定することができる。
例えば、分散剤としてリン酸塩化合物を使用する場合、簡便には、リンを比色法によって定量することにより付着分散剤量を定量することができる。
具体的には、メタバナジン酸アンモニウム0.022重量%、モリブデン酸アンモニウム0.54重量%、硝酸3重量%を含む水溶液(比色液)50.0mlと、W(g)の予備発泡粒子(通常約0.5g)をコニカルビーカーにとり、1分間攪拌した後10分間放置する。得られた液相を航路長1.0cmの石英セルにとり、分光光度計を用いて410nmでの吸光度を測定する。付着分散剤量は、同一の比色液について、予め測定しておいたリン酸塩化合物の410nmでの吸光度係数ε(g/L・cm)を用いて、算出して求めることができる。
例えば、分散剤としてカオリンを使用する場合は、例えば、国際公開公報WO2002/100929に記載の方法のより、定量することができる。
以上のようにして得られた、本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、一般的な型内発泡成形することによって、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体となる。
前記ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形に用いる場合には、イ)そのまま用いる方法、ロ)予め予備発泡粒子中に空気等の無機ガスを圧入し、発泡能を付与する方法、ハ)予備発泡粒子を圧縮状態で金型内に充填し成形する方法など、従来既知の方法が使用しうる。
本発明で製造されるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子からポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を製造する方法としては、特に限定されない。例えば、閉鎖しうるが密閉し得ない成形金型内に、前記ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を充填し、水蒸気などを加熱媒体として0.05〜0.5MPa−G(ここで、Gはゲージ圧であることを示す。)程度の加熱水蒸気圧で3〜30秒程度の加熱時間で成形して、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子同士を融着させ、その後、成形金型を水冷により型内発泡成形体取り出し後の型内発泡成形体の変形を抑制できる程度まで冷却した後、金型を開き、型内発泡成形体とする方法などが、挙げられる。
得られた本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、帯電防止性能を有し、通常使用される湿度50%程度の雰囲気下でも、良好な帯電防止性能を安定して発揮する。すなわち、該ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、表面固有抵抗値が1012Ω以下の良好な帯電防止性能を安定して発揮するが、より好ましくは5×1011Ω以下である。
なお、前記表面固有抵抗値は、温度23℃、湿度50%の条件下に24時間保存して状態調節した後、JIS K6911に準拠して測定した値である。
次に、本発明を実施例および比較例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例における評価は、下記の方法で行った。
(樹脂粒子の融点)
樹脂粒子の融点は、示差走査熱量計[セイコー電子工業(株)製、DSC6200型]を用いて、ポリプロピレン(ポリエチレン)系樹脂粒子5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃〜220℃まで昇温することにより樹脂粒子を融解し、その後10℃/minの降温速度で220℃〜40℃まで冷却することにより結晶化させた後に、さらに10℃/minの昇温速度で40℃〜220℃まで昇温したときに得られるDSC曲線から、2回目の昇温時の融解ピーク温度として求めた。
(予備発泡粒子の発泡倍率)
嵩体積約50cmのポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の重量w(g)およびエタノール水没体積v(cm)を求め、発泡前の樹脂粒子の密度d(g/cm)から次式により求める。
予備発泡粒子の発泡倍率=d×v/w
(型内発泡成形体の発泡倍率)
型内発泡成形体の重量W(g)と型内発泡成形体の体積V(cm)を求め、次式により求める。
型内発泡成形体の発泡倍率=d×V/W
(残存分散剤の部数)
<分散剤として第三リン酸カルシウムを用いた場合>
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子表面に残存する第三リン酸カルシウムを定量する方法について記載する。
メタバナジン酸アンモニウム0.022重量%、モリブデン酸アンモニウム0.54重量%、硝酸3重量%を含む水溶液(比色液)50.0mlとY(g)の予備発泡粒子(通常約0.5g)をコニカルビーカーにとり、1分間攪拌した後10分間放置した。得られた液相を航路長1.0cmの石英セルにとり、分光光度計により410nmでの吸光度Aを測定した。
同一の比色液について、予め測定しておいた第三リン酸カルシウムの410nmでの吸光度係数ε(g/L・cm)を用いて、下式より、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子100重量部あたりの残存分散剤量(部)を求めた。
付着分散剤量(部)=5.0・ε・A/Y
<分散剤としてカオリンを用いた場合>
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子表面に残存するカオリンを定量する方法について記載する。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を60℃のオーブンで24時間乾燥させ、次いで、オーブンから取り出した発泡粒子を直ちに温度23℃、相対湿度50%に設定された室内に72時間放置する。次に、同じ条件に設定された室内において、発泡粒子100gを小数点3桁まで正確に重量を測定(小数点3桁目を四捨五入)した値を、分散剤が付着した発泡粒子の重量:F(g)とする。
次に、上記の重量測定に使用した発泡粒子の全量を、5Lの1N塩酸水溶液に浸漬して洗浄した後、5Lイオン交換水に浸漬して塩酸溶液を洗い落とし、次いで5Lの1N水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して洗浄した後、5Lのイオン交換水に浸漬して水酸化ナトリウムを洗浄する。この作業を2回繰り返した後、発泡粒子全量を60℃のオーブンで24時間乾燥した後、オーブンから取り出し、直ちに23℃ 、相対湿度50%に設定された室内に72時間放置する。続いて、同じ条件に設定された室内で、上記と同様に発泡粒子の重量:S(g)を求める。
重量Fと重量Sとの差を発泡粒子に表面に付着している分散剤の量とし、これを分散剤が付着している発泡粒子100重量部あたりの残存分散剤量(部)として求めた。
(成形体の融着性)
厚み50mmの型内発泡成形体の中央に深さ10mmの切込みを入れ、切り込みにそって成形体を割り、破断面を観察して以下の基準で評価した。
○:粒子が破断している割合が60%以上。
×:粒子が破断している割合が60%未満。
(表面固有抵抗)
得られた型内発泡成形体を、温度23℃、湿度50%の条件下に24時間、もしくは、温度20℃、湿度65%の条件下に24時間保存して、状態調節した後、JIS K6911に準拠して、表面固有抵抗を、三菱油化(株)製ハイレスタMCP−HT201を用いて測定した。
(実施例1〜6、比較例1〜4)
[プロピレン系樹脂粒子の製造]
エチレン含有率3.6重量%、MI=6.0g/10分のエチレン−プロピレンランダム共重合体100重量部に対して、表1に示す量の(A)グリセリンモノエステルとしてのグリセリンモノステアレート、(B)グリセリンジエステルとしてのグリセリンジステアレート、ペリレン系有機顔料(商品名:ピグメントレッド)、ポリエチレングリコール0.5重量部およびタルク0.1重量部を混合した。得られた混合物を、50mmφの単軸押出機を用いて、樹脂温度220℃にて溶融混練した後、造粒し、樹脂粒子(1.2mg/粒)を製造した。得られた樹脂粒子の融点は、表1に示すとおりであった。
[プロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造]
300リットル耐圧容器に、水300重量部、得られた樹脂粒子100重量部、分散剤として第三リン酸カルシウム0.8重量部および分散助剤としてノルマンパラフィンスルフォン酸ソーダ0.03重量部を仕込み、さらに、炭酸ガスを10重量部仕込み、撹拌下、表1に示す温度および内圧で30分間保持した。その後、耐圧容器内を炭酸ガスで前記内圧に保持しながら、耐圧容器の下部に設けた3mmφオリフィスを通して水系分散物を大気圧下に放出し、予備発泡粒子を得た。
残存分散剤定量のため得られた予備発泡粒子を約10g採取し、そのうち約5gを直径10cmの球形アミカゴにとり、高圧エアーを用いて表面残存物をエアーで脱水除去し、脱水のみでの残存分散剤定量用サンプルとした。また、残りの約5gも直径10cmの球形アミカゴにとり、300ppmのヘキサメタリン酸ソーダ(以下、HMP)水溶液で30秒間水洗し、さらに純水にて30秒間水洗した後、高圧エアーを用いて表面残存物をエアーで脱水除去し、HMP洗浄サンプルとした。
残存分散剤定量に用いた以外の予備発泡粒子は、脱水機を用いて、予備発泡粒子100重量部に対して含水量が10重量部となるまで脱水し、さらに100重量部の水を塗布しなじませた後、再度脱水機を用いて含水率を10重量部以下とした後、80℃の雰囲気にて含水量が1重量部未満となるまで乾燥処理を行ない、型内発泡成形用の予備発泡粒子とした。
[型内発泡成形体の製造]
次に、得られた予備発泡粒子を1mの耐圧容器に仕込み、0.5MPa−G(ここで、Gはゲージ圧であることを示す。)に加圧し、8時間保持して予備発泡粒子の内圧を0.1MPa−Gに高めた。内圧付与後の予備発泡粒子を、400mm×300mm×50mmの金型に充填し、予備発泡粒子同士を0.3MPa−Gの水蒸気にて加熱、融着させ、型内発泡成形体を得、金型から取り出した。金型から取り出した型内発泡成形体を70℃の乾燥器中で24時間乾燥、養生した後、型内発泡成形体の物性を測定した。結果を表1に示す。
(参考例1〜2)
[プロピレン系樹脂粒子の作製]
実施例2と同様にして、ポリプロピレン系樹脂粒子を作製した。
[プロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造]
300リットル耐圧容器に、水300重量部、得られた樹脂粒子100重量部、分散剤として第三リン酸カルシウム0.8重量部および分散助剤としてノルマンパラフィンスルフォン酸ソーダ0.03重量部を仕込み、さらに、炭酸ガスを10重量部仕込み、撹拌下、表1に示す温度および内圧で30分間保持した。その後、耐圧容器内を炭酸ガスで前記内圧に保持しながら、耐圧容器の下部に設けた3mmφオリフィスを通して、水系分散物を大気圧下に放出し、予備発泡粒子を得た。
但し、参考例1では、耐圧容器中の温度を昇温中に、耐圧容器中の樹脂粒子同士が合着し、樹脂の塊となり、予備発泡粒子を得ることはできなかった。
また、参考例2では、耐圧容器内の温度が低すぎることから、発泡倍率2倍未満の予備発泡粒子になると共に、未発泡の樹脂粒子が多く混じっていた。
(実施例7)
[プロピレン系樹脂粒子の作製]
実施例2と同様にして、ポリプロピレン系樹脂粒子を作製した。
[プロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造]
300リットル耐圧容器に、水300重量部、得られた樹脂粒子100重量部、分散剤としてカオリン0.8重量部および分散助剤としてノルマンパラフィンスルフォン酸ソーダ0.03重量部を仕込み、さらに、炭酸ガスを10重量部仕込み、撹拌下、表1に示す温度および内圧で30分間保持した。その後、耐圧容器内を炭酸ガスで前記内圧に保持しながら、耐圧容器の下部に設けた3mmφオリフィスを通して、水系分散物を大気圧下に放出し、予備発泡粒子を得た。
残存分散剤定量用サンプル、HMP洗浄サンプル、型内発泡用成型用予備発泡粒子の調製は、実施例2と同様の操作により行った。
[型内発泡成形体の製造]
実施例2と同様の操作により、型内発泡体の製造、乾燥・養生を行い、型内発泡成形体を得た。得られた型内発泡成形体の物性を測定した結果を、表1に示す。
(実施例8)
[プロピレン系樹脂粒子の作製]
ペリレン系有機顔料を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子(1.2mg/粒)を製造した。得られた樹脂粒子の融点は、表1に示す。
[プロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造]
300リットル耐圧容器に、水300重量部、得られた樹脂粒子100重量部、分散剤として第三リン酸カルシウム0.8重量部および分散助剤としてノルマンパラフィンスルフォン酸ソーダ0.03重量部を仕込み、さらに、炭酸ガスを10重量部仕込み、撹拌下、表1に示す温度および内圧で30分間保持した。その後、耐圧容器内を炭酸ガスで前記内圧に保持しながら、耐圧容器の下部に設けた3mmφオリフィスを通して水系分散物を大気圧下に放出し、予備発泡粒子を得た。
残存分散剤定量用サンプル、HMP洗浄サンプル、型内発泡用成型用予備発泡粒子の調製は、実施例1と同様の操作により行った。
[型内発泡成形体の製造]
実施例1と同様の操作により、型内発泡体の製造、乾燥・養生を行い、型内発泡成形体を得た。得られた型内発泡成形体の物性を測定した結果を、表1に示す。
(実施例9、比較例5)
[プロピレン系樹脂粒子の作製]
ブテン−1含有量4.2重量%、MI=8.0g/10分のブテン−1−プロピレンランダム共重合体100重量部に対して、表1に示す量の(A)グリセリンモノエステルとしてのグリセリンモノステアレート、(B)グリセリンジエステルとしてのグリセリンジステアレート、ペリレン系有機顔料(商品名:ピグメントレッド)、含水剤としてメラミン0.5重量部および、タルク0.3重量部を混合した。得られた混合物を、50mmφの単軸押出機を用いて、樹脂温度220℃にて溶融混練した後、造粒し、樹脂粒子(1.2mg/粒)を製造した。得られた樹脂粒子の融点は表1に示すとおりであった。
[プロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造]
300リットル耐圧容器に、水300重量部、得られた樹脂粒子100重量部、分散剤として第三リン酸カルシウム0.5重量部および分散助剤としてノルマンパラフィンスルフォン酸ソーダ0.02重量部を仕込み、撹拌下、表1に示す温度とし、さらに空気で加圧することにより表1記載の内圧とした上で30分間保持し、含水させた。その後、耐圧容器内を空気で前記内圧に保持しながら、耐圧容器の下部に設けた3mmφオリフィスを通して水系分散物を圧力0.05MPa−Gの飽和水蒸気圧下に放出し、予備発泡粒子を得た。
残存分散剤定量用サンプル、HMP洗浄サンプル、型内発泡用成型用予備発泡粒子の調製は、実施例1と同様の操作により行った。
[型内発泡成形体の製造]
実施例1と同様の操作により、型内発泡体の製造、乾燥・養生を行い、型内発泡成形体を得た。得られた型内発泡成形体の物性を測定した結果を、表1に示す。
(実施例10)
[プロピレン系樹脂粒子の製造]
エチレン含有率3.6重量%、MI=6.0g/10分のエチレン−プロピレンランダム共重合体100重量部に対して、表1に示す量の(A)グリセリンモノエステルとしてのグリセリンモノステアレート、(B)グリセリンジエステルとしてのグリセリンジステアレート、ペリレン系有機顔料(商品名:ピグメントレッド)および、タルク0.1重量部を混合した。得られた混合物を、50mmφの単軸押出機を用いて、樹脂温度220℃にて溶融混練した後、造粒し、樹脂粒子(1.2mg/粒)を製造した。得られた樹脂粒子の融点は表1に示すとおりであった。
[プロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造]
300リットル耐圧容器に、水300重量部、得られた樹脂粒子100重量部、分散剤として第三リン酸カルシウム1.2重量部および分散助剤としてノルマンパラフィンスルフォン酸ソーダ0.05重量部を仕込み、さらに、イソブタンを15重量部仕込み、撹拌下、表1に示す温度および内圧で30分間保持した。その後、耐圧容器内をイソブタンで前記内圧に保持しながら、耐圧容器の下部に設けた5mmφオリフィスを通して水系分散物を大気圧下に放出し、予備発泡粒子を得た。
残存分散剤定量用サンプル、HMP洗浄サンプル、型内発泡用成型用予備発泡粒子の調製は、実施例1と同様の操作により行った。
[型内発泡成形体の製造]
実施例1と同様の操作により、型内発泡体の製造、乾燥・養生を行い、型内発泡成形体を得た。得られた型内発泡成形体の物性を測定した結果を、表1に示す。
(実施例11)
[プロピレン系樹脂粒子の製造]
エチレン含有率3.6重量%、MI=6.0g/10分のエチレン−プロピレンランダム共重合体100重量部に対して、表1に示す量の(A)グリセリンモノエステルとしてのグリセリンモノパルミテート、(B)グリセリンジエステルとしてのグリセリンジパルミテート、キグナリドン系有機顔料(商品名:キナクリドンマゼンダ)、ポリエチレングリコール0.5重量部、および、タルク0.1重量部を混合した。得られた混合物を、50mmφの単軸押出機を用いて、樹脂温度220℃にて溶融混練した後、造粒し、樹脂粒子(1.2mg/粒)を製造した。得られた樹脂粒子の融点は表1に示すとおりであった。
[プロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造]
300リットル耐圧容器に、水300重量部、得られた樹脂粒子100重量部、分散剤として第三リン酸カルシウム0.8重量部および分散助剤としてノルマンパラフィンスルフォン酸ソーダ0.03重量部とを仕込み、さらに、炭酸ガスを10重量部仕込み、撹拌下、表1に示す温度および内圧で30分間保持した。その後、耐圧容器内を炭酸ガスで前記内圧に保持しながら耐圧容器の下部に設けた3mmφオリフィスを通して水系分散物を大気圧下に放出し、予備発泡粒子を得た。
残存分散剤定量用サンプル、HMP洗浄サンプル、型内発泡用成型用予備発泡粒子の調製は、実施例1と同様の操作により行った。
[型内発泡成形体の製造]
実施例1と同様の操作により、型内発泡体の製造、乾燥・養生を行い、型内発泡成形体を得た。得られた型内発泡成形体の物性を測定した結果を、表1に示す。
(実施例12)
[プロピレン系樹脂粒子の製造]
エチレン含有率3.6重量%、MI=6.0g/10分のエチレン−プロピレンランダム共重合体100重量部に対して、表1に示す(A)グリセリンモノエステルとしてのグリセリンモノベヘネート、(B)グリセリンジエステルとしてのグリセリンジベヘネート、キグナリドン系有機顔料(商品名:キナクリドンマゼンダ)、ポリエチレングリコール0.5重量部、および、タルク0.1重量部を混合した。得られた混合物を、50mmφの単軸押出機を用いて、樹脂温度220℃にて溶融混練した後、造粒し、樹脂粒子(1.2mg/粒)を製造した。得られた樹脂粒子の融点は表1に示すとおりであった。
[プロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造]
300リットル耐圧容器に、水300重量部、得られた樹脂粒子100重量部、分散剤として第三リン酸カルシウム0.8重量部および分散助剤としてノルマンパラフィンスルフォン酸ソーダ0.03重量部とを仕込み、さらに、炭酸ガスを10重量部仕込み、撹拌下、表1に示す温度および内圧で30分間保持した。その後、耐圧容器内を炭酸ガスで前記内圧に保持しながら、耐圧容器の下部に設けた3mmφオリフィスを通して、水系分散物を大気圧下に放出し、予備発泡粒子を得た。
残存分散剤定量用サンプル、HMP洗浄サンプル、型内発泡用成型用予備発泡粒子の調製は、実施例1と同様の操作により行った。
[型内発泡成形体の製造]
実施例1と同様の操作により、型内発泡体の製造、乾燥・養生を行い、型内発泡成形体を得た。得られた型内発泡成形体の物性を測定した結果を、表1に示す。
(実施例13)
[プロピレン系樹脂粒子の製造]
エチレン含有率3.6重量%、MI=6.0g/10分のエチレン−プロピレンランダム共重合体100重量部に対して、表1に示す量の(A)グリセリンモノエステルとしてのジグリセリンモノステアレート、(B)グリセリンジエステルとしてのジグリセリンジステアレート、ペリレン系有機顔料(商品名:ピグメントレッド)、ポリエチレングリコール0.5重量部およびタルク0.1重量部を混合した。得られた混合物を、50mmφの単軸押出機を用いて、樹脂温度220℃にて溶融混練した後、造粒し、樹脂粒子(1.2mg/粒)を製造した。得られた樹脂粒子の融点は表1に示すとおりであった。
[プロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造]
300リットル耐圧容器に、水300重量部、得られた樹脂粒子100重量部、分散剤として第三リン酸カルシウム0.8重量部および分散助剤としてノルマンパラフィンスルフォン酸ソーダ0.03重量部とを仕込み、さらに、炭酸ガスを10重量部仕込み、撹拌下、表1に示す温度および内圧で30分間保持した。その後、耐圧容器内を炭酸ガスで前記内圧に保持しながら耐圧容器の下部に設けた3mmφオリフィスを通して水系分散物を大気圧下に放出し、予備発泡粒子を得た。
残存分散剤定量用サンプル、HMP洗浄サンプル、型内発泡用成型用予備発泡粒子の調製は、実施例1と同様の操作により行った。
[型内発泡成形体の製造]
実施例1と同様の操作により、型内発泡体の製造、乾燥・養生を行い、型内発泡成形体を得た。得られた型内発泡成形体の物性を測定した結果を、表1に示す。
(比較例6)
[エチレン系樹脂粒子の製造]
密度0.93g/cm、MI=2.0g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン100重量部に対して、表1に示す量の(A)グリセリンモノエステルとしてのグリセリンモノステアレート、(B)グリセリンジエステルとしてのグリセリンジステアレート、ペリレン系有機顔料(商品名:ピグメントレッド)と、タルク0.1重量部を混合た。得られた混合物を、50mmφの単軸押出機を用いて、樹脂温度210℃にて溶融混練した後、造粒し、樹脂粒子(1.2mg/粒)を製造した。得られた樹脂粒子の融点は表1に示すとおりであった。
[エチレン系樹脂予備発泡粒子の製造]
300リットル耐圧容器に、水300重量部、得られた樹脂粒子100重量部、分散剤として第三リン酸カルシウム1.2重量部および分散助剤としてノルマンパラフィンスルフォン酸ソーダ0.05重量部とを仕込み、さらに、イソブタンを15重量部仕込み、撹拌下、表1に示す温度および内圧で30分間保持した。その後、耐圧容器内をイソブタンで前記内圧に保持しながら、耐圧容器の下部に設けた5mmφオリフィスを通して水系分散物を大気圧下に放出し、予備発泡粒子を得た。
残存分散剤定量用サンプル、HMP洗浄サンプル、型内発泡用成型用予備発泡粒子の調製は、実施例1と同様の操作により行った。
[型内発泡成形体の製造]
実施例1と同様の操作により、型内発泡体の製造、乾燥・養生を行い、型内発泡成形体を得た。得られた型内発泡成形体の物性を測定した結果を、表1に示す。
Figure 0005577332
実施例1〜12に示されるとおり、(A)グリセンリンモノエステルと、(B)グリセンリンジエステルとを含有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であって、該予備発泡粒子中の(A)と(B)の重量比[=(A)/(B)]が1.3以上10以下であり、かつ合計含有量[=(A)+(B)]がポリプロピレン系樹脂100重量部に対し0.3重量部以上5重量部以下であるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いると、23℃、湿度50%の雰囲気下でも1012Ω以下の良好な帯電防止性能を示しながらも、残存分散剤が少なく、型内発泡成形に用いた場合に良好な融着性を示す。
比較例1および2に示されるように、(A)グリセンリンモノエステルおよび(B)グリセンリンジエステルを含有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であっても、該予備発泡粒子中の(A)と(B)の重量比[=(A)/(B)]が10を超えるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いた場合、脱水のみの洗浄では残存分散剤が多く、型内発泡成形に用いる場合に融着しにくくなる。
比較例3に示されるように、(A)グリセンリンモノエステルおよび(B)グリセンリンジエステルを含有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であっても、該予備発泡粒子中の(A)と(B)の合計含有量[=(A)+(B)]が0.3重量部未満のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いた場合、残存分散剤量は少ないものの、表面固有抵抗値が高く、帯電防止性能が劣るものとなってしまう。
比較例4に示されるように、(A)グリセンリンモノエステルおよび(B)グリセンリンジエステルを含有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であっても、該予備発泡粒子中の(A)と(B)の合計含有量[=(A)+(B)]が5重量部を超えるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いた場合、脱水のみの洗浄では残存分散剤が多く、型内発泡成形に用いる場合に融着しにくくなる。
比較例5に示されるように、(A)グリセンリンモノエステルおよび(B)グリセンリンジエステルを含有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であっても、該予備発泡粒子中の(A)と(B)の重量比[=(A)/(B)]が1.3未満のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いた場合、良好な帯電防止性能は発揮せず、1012Ω以上の表面固有抵抗値となる。
比較例6に示されるように、(A)グリセンリンモノエステルおよび(B)グリセンリンジエステルを含有しても、ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の場合は、脱水のみの洗浄では残存分散剤が多く、型内発泡成形に用いる場合に融着しにくく、また、帯電防止性能も良好なものとはならない。すなわち、実施例10との対比において、用いる樹脂がポリエチレン系樹脂では、本発明の効果は得られず、ポリプロピレン系樹脂である場合にのみ、顕著な効果を示すことが判る。この理由については定かではないが、発泡させる際の発泡温度などが影響しているものと推定している。

Claims (7)

  1. (A)炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンモノエステルおよび/または炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンモノエステルと、(B)炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンジエステルおよび/または炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンジエステルとを含有するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子であって、
    該予備発泡粒子中に含有される(A)と(B)の重量比[=(A)/(B)]が1.3以上10以下であり、かつ合計含有量[=(A)+(B)]がポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.3重量部以上5重量部以下である、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
  2. 炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンモノエステルを構成するポリグリセリンが、2以上10以下のグリセリンが重合したものである、請求項1記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
  3. 炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンジエステルを構成するポリグリセリンが、2以上10以下のグリセリンが重合したものである請求項1または2記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
  4. ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子100重量部あたり、付着分散剤量が0.20重量部以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を金型に充填し、加熱して得られ、
    温度23℃、湿度50%の室内に24時間保存した後、JIS K6911に準拠して測定される表面固有抵抗値が5×1011Ω以下である、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
  6. (A)炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンモノエステルおよび/または炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンモノエステルと、(B)炭素数が6以上24以下の脂肪酸のグリセリンジエステルおよび/または炭素数が6以上24以下の脂肪酸のポリグリセリンジエステルとを含有し、(A)と(B)の重量比[=(A)/(B)]が1.3以上10以下であり、かつ合計含有量[=(A)+(B)]がポリプロピレン系樹脂100重量部に対し0.3重量部以上5重量部以下であるポリプロピレン系樹脂組成物からなるポリプロピレン系樹脂粒子を、
    耐圧容器内に水、分散剤、発泡剤と共に仕込み、水系分散物となし、
    該ポリプロピレン系樹脂粒子の融点−20℃以上融点+20℃以下の温度範囲で加圧することにより、
    該ポリプロピレン系樹脂粒子に発泡剤を含有させ、該水系分散物を耐圧容器内よりも低圧の雰囲気下に放出して得られることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
  7. 発泡剤が炭酸ガスである、請求項6記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
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