JPH10214417A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JPH10214417A
JPH10214417A JP1893997A JP1893997A JPH10214417A JP H10214417 A JPH10214417 A JP H10214417A JP 1893997 A JP1893997 A JP 1893997A JP 1893997 A JP1893997 A JP 1893997A JP H10214417 A JPH10214417 A JP H10214417A
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JP
Japan
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magnetic
recording layer
magnetic recording
coercive force
signal
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JP1893997A
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English (en)
Inventor
Hiroyasu Tachibana
宏泰 立花
Satoshi Ooume
聡 大梅
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い磁気遮蔽能力をもつ磁気遮蔽層を有し、な
おかつ高出力の磁気的に書き換え不可能な磁気固有情報
を有する磁気記録媒体およびその製造方法。 【解決手段】非磁性体基材1と、その上側に形成された
800〜5000エルステッドの保磁力を有する磁性体
を含有する磁気記録層2と、その上側に形成された保磁
力20エルステッド以下の磁性体を含有する磁気遮蔽層
3と、その上側に形成された平均粒子径20μm以下の
磁性体を含む書き換え不可能な磁気記録層4とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリペイドカード、
キャッシュカード、乗車券、定期券、通行券、IDカード
等の不正使用に対する高いセキュリティを要求される磁
気記録媒体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明の磁気記録媒体はプリペイドカー
ド、キャッシュカード、クレジットカード、IDカード等
として使用することを目的として供されるものである。
最近ではさらに、磁気的に書き換え不可能なカード固有
情報を付与することにより、セキュリティを向上させよ
うという試みが行われている。カードに固有情報を付与
する方法としては、蛍光インク等を用いた印刷(特開昭
59−135451号公報)、不可視インクを用いた印刷(特開
昭63−116286号公報)、ホログラムを利用したもの、サ
ーモクロミック色素を利用したもの等が考案されてい
る。
【0003】また、書き換え不可能な磁気バーコード等
を磁気カードに設けることにより、固有情報を付与しよ
うとする試みもなされている。例えば、カード内に保磁
力の異なる部位を設ける事により、真偽判定用の情報と
する方法が報告されている(特開平1−269227号公報、
特開平2−98498号公報、特開平3−252901号公報)。し
かし、これらの方法では製造方法上、カード一枚毎に異
なった情報を記録するのは製造工程が非常に煩雑になる
ため難しいという問題があった。
【0004】これに対し、磁気記録層にあらかじめ固有
信号を記録した後、さらに高保磁力の磁性体を含む塗料
を塗工し書き換え不可能な磁気パターンを形成する方法
が提案されている(特開平5−318974号公報等参照)。
該方法によれば、磁気記録層に書き込む信号を変えるこ
とにより、カード毎に異なった固有情報を付与すること
が可能である。しかしながら、高保磁力の磁性体は飽和
磁化量が低いため、十分な出力を得にくいという難点が
ある。これに対し、配向磁界の影響下で低保磁力の塗料
を塗る方法(特開平8−55338号公報)も報告されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法では、書き
換え不可能磁気記録層の塗料として、軟磁性体を含む塗
料を用いることにより磁気遮蔽層を兼ねさせる事も可能
である。しかしながら、優れた磁気遮蔽能力を得るため
には低保磁力でかつ偏平率の高い磁性紛が好適であるの
に対し、磁気パターン形成のためには小粒子径の磁性体
が好適である。軟磁性体の粒子は粒子径が小さくなると
保磁力が大きくなるのが一般的であるため、磁気遮蔽能
力が低下し易い。このように、十分な磁気遮蔽能力と該
磁気パターンの高出力を両立させるのは難しいという課
題を見出した。
【0006】本発明の目的は、以上のような課題を解決
し、高い磁気遮蔽能力をもつ磁気遮蔽層を有し、なおか
つ高出力の磁気的に書き換え不可能な磁気固有情報を有
する磁気記録媒体およびその製造方法を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気記録媒
体は、非磁性体基材と、その上側に形成された800〜
5000エルステッドの保磁力を有する磁性体を含有す
る磁気記録層と、その上側に形成された保磁力20エル
ステッド以下の磁性体を含有する磁気遮蔽層と、その上
側に形成された平均粒子径20μm以下の磁性体を含む
書き換え不可能な磁気記録層とを有する。
【0008】請求項1に係る磁気記録媒体の製造方法
は、非磁性体基材上に800〜5000エルステッドの
保磁力を有する磁性体を含有する磁気記録層を塗工によ
って形成し、該磁気記録層上に保磁力20エルステッド
以下の磁性体を含有する磁気遮蔽層を形成し、さらに前
記磁気遮蔽層上に平均粒子径20μm以下の磁性体を含
む塗料を前記磁気遮蔽層を実質的に飽和する磁界の影響
下で少なくとも塗工することにより前記磁気記録層に記
録された磁気信号に対応した磁気的に書き換え不可能な
磁気信号記録層を形成して請求項1記載の磁気記録媒体
を製造する。
【0009】請求項2に係る磁気記録媒体の製造方法
は、非磁性体基材上に800〜5000エルステッドの
保磁力を有する磁性体を含有する磁気記録層を塗工によ
って形成し、該磁気記録層上に保磁力20エルステッド
以下の磁性体を含有する磁気遮蔽層を形成し、さらに前
記磁気遮蔽層上に平均粒子径20μm以下の磁性体を含
む塗料を前記磁気遮蔽層を実質的に飽和する磁界の影響
下で少なくとも乾燥することにより前記磁気記録層に記
録された磁気信号に対応した磁気的に書き換え不可能な
磁気信号記録層を形成して請求項1記載の磁気記録媒体
を製造する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体は磁気記録
層の上に、磁気遮蔽能力の高い低保磁力の磁性体を用い
て、磁気遮蔽層を形成し、さらにその上に小粒子径の磁
性体を用いて書き換え不可能な磁気記録層を形成するこ
とにより上記課題を解決したものである。
【0011】本発明の記録媒体は以下の工程によって作
製することができる。すなわち、基材上に少なくとも一
層以上の磁気記録層を塗布し乾燥硬化する工程、前記記
録層上に書き換え不可能な磁気信号に対応する磁気信号
(以下、元信号と呼ぶ)を記録する工程、前記磁気記録
層上に磁気遮蔽層を塗工し乾燥硬化する工程、さらに前
記磁気遮蔽層上に磁性塗料を塗工し磁界を印加し乾燥硬
化させ元信号に対応した書き換え不可能な磁気信号記録
層を形成する工程からなる。
【0012】図1は本発明の磁気記録媒体の断面図であ
り、非磁性体である基材1、磁気記録層2、磁気遮蔽層
3、書き換え不可能な磁気記録層4から構成されている。
基材としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエ
ステル樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン等の
ポリオレフイン樹脂、紙、合成紙等通常の磁気カード、
磁気テープ等に基材として用いられる材料を用いること
ができる。基材には帯電防止、接着性の向上、印刷適性
改良等の目的で表面処理が施されたものを用いることも
可能である。
【0013】磁気記録層2は、公知の磁気記録用の材料
を2〜30μmの厚さに形成したものである。例えば、磁
性体をバインダー樹脂溶液に分散した塗料を塗工乾燥す
ることによって形成したものである。塗工法としてはグ
ラビアコーティング法、ロールコート法、ダイコート
法、ナイフコート法等公知の方法を用いることができ
る。磁性体としてはBaフェライトやSrフェライト等の各
種フェライト類、酸化クロム類、メタル紛等が挙げられ
る。ただし、該磁性体の保磁力は書き換え不可能な磁気
記録層を形成する際に印加する磁界強度よりも高い必要
があり、800エルステッド以上であることが望ましい。
逆に磁気記録層の保磁力があまり高くなると通常の磁気
ヘッドで書き込むことが難しくなるため5000エルステッ
ド以下である事が望ましい。磁気記録層のバインダー樹
脂としては塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、ポリウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイソシアネート樹脂
等を用いることができる。また、磁気記録層は2層以上
設けてもよい。
【0014】磁気記録層を形成した後、書き換え不可能
な磁気記録層の信号に対応する磁気信号(元信号)の記
録を磁気記録層に対して行う。元信号は磁気記録層を塗
工する工程において塗膜が乾燥した段階で行うか、ある
いは磁気遮蔽層を塗工する工程で磁気遮蔽層塗料を塗工
する直前に行っても良い。または、磁気記録層を塗工し
た後、磁気遮蔽層を塗工する工程の前に別工程を設けて
元信号を記録してもよい。
【0015】元信号を記録する場所は、媒体の一部にト
ラック状に記録してもよい。また、全面に記録してもよ
い。ただし、通常の磁気記録方式を併用する場合は、通
常の磁気記録を行う場所を残しておく必要がある。元信
号の記録方式は、アナログ記録方式、デジタル記録方式
のどちらであってもよい。
【0016】前記磁気記録層上に、磁気記録層の磁気情
報が第三者によって磁性粉体や磁性流体等によって可視
化され判読されるのを防ぐために磁気遮蔽層を設ける。
磁気遮蔽層は軟磁性材料粉末をバインダー樹脂溶液に分
散させた塗料を塗工する事によって得られる。磁気遮蔽
層に用いる磁性材料粉末は各種の軟磁性金属粉や軟磁性
フェライト粉類を用いることができるが、特にセンダス
ト、パーマロイ、アモルファス等の高透磁率軟磁性金属
粉が望ましい。また、該高透磁率軟磁性金属粉のうち粒
子の偏平率が高い、すなわちアスペクト比の高い鱗片状
の粒子が磁気遮蔽能力の点で望ましい。該磁性材料粉末
の保磁力が高いと磁気遮蔽層自体に残留磁化を生じるの
で、保磁力は20エルステッド以下、望ましくは15エルス
テッド以下、さらに望ましくは10エルステッド以下であ
る。磁気遮蔽層の樹脂としては磁気記録層の樹脂と同様
のものを用いることができる。塗工方法としては磁気記
録層と同様にグラビアコーティング法、ロールコート
法、ダイコート法、ナイフコート法等公知の方法を用い
ることができる。
【0017】磁気遮蔽層の塗工量は少なすぎると、磁気
記録層に書き込まれた元信号が漏れるので好ましくな
く、逆に厚すぎると磁気記録層の信号をカード読み取り
機で読み込むのが困難になるばかりでなく、書き換え不
可能な磁気記録層を塗工する際の必要磁界強度が大きく
なり、磁気記録層に書き込まれた元信号が消去される危
険性がある。したがって、磁気遮蔽層の塗工量は磁気記
録層の塗工量によって異なるが、磁気記録層の信号を遮
蔽するのに必要であり、かつ磁気遮蔽層の飽和磁気量が
磁気記録層の保磁力を超えない範囲が望ましい。
【0018】図2は磁気遮蔽層上に書き換え不可能な磁
気記録層塗料を塗った段階を示す断面図である。磁気記
録層2にはあらかじめ元信号が記録されているが、この
信号による磁場は磁気遮蔽層3にさえぎられるために、
書き換え不可能な磁気記録層塗膜中の磁性体粒子は影響
を受けない。これに対して、図3に示すように、書き換
え不可能な磁気信号記録層を塗工後、外部磁界7を印加
すると磁気遮蔽層3が飽和するために、磁気記録層の元
信号によって磁気遮蔽層のうえに磁界が生じ、書き換え
不可能な磁気記録層塗膿中の磁性粒子が、元信号に対応
する形で移動し、塗膜中の磁性粒子の密度の高い部分5
と低い部分6が生じる。図3 は書き換え不可能な磁気記
録層塗料を塗工し、外部磁界を印加した段階を現す断面
図である。尚、印加する外部磁界の強度は磁気記録層の
保磁力以下であることが必要である。これは、強度が強
くなると磁気記録層に記録された元信号が消去されてし
まうおそれがあるからである。また、強度が弱すぎる
と、元信号からの磁束が磁気遮蔽層3 の上に現れないの
で、書き換え不可能な磁気信号記録層中の磁性体粒子に
影響を与えるように磁束が磁気遮蔽層3 の上に現れる程
度には外部磁界の強度が強い必要がある。このように印
加する外部磁界の強度が強すぎず、弱すぎない範囲を実
質的に磁気遮蔽層を飽和する外部磁界と定義する。
【0019】以上のように、これを書き換え不可能な磁
気信号記録層の塗膜中の磁性粒子の密度の高い部分5と
低い部分6が生じた状態のままで乾燥硬化すると磁性粒
子が疎密を保ったまま固定され、書き換え不可能な磁気
信号を形成する。塗膜中の磁性体粒子が元信号に対応し
て集中する効果は塗料の粘性率が低い方が高いため、塗
料の粘性率は低い方が高い信号出力を得るために望まし
い。
【0020】十分な磁気信号出力を得るためには磁性体
粒子が飽和磁化量の大きい物質であることが望ましい。
用いられる磁性体としてはアモルファス鉄、各種フェラ
イト類、センダスト、カルボニル鉄等が挙げられる。ま
た、磁性体とバインダー樹脂の比は、必要な塗膜の機械
的強度が得られる限りにおいて、磁性体の含有量が多い
方が磁気信号出力が高くなるため望ましい。磁性体粒子
の粒子径は小さい方が磁性体粒子が塗膜中で緊密に集中
するため望ましい。磁性体の粒子径としては平均粒子径
20μm以下が望ましく、平均粒子径10μm以下がさらに
望ましい。但し、あまり粒子径が小さくなりすぎると取
扱が困難になるので0.1 μm以上であることが好まし
い。
【0021】書き換え不可能な磁気記録層のバインダー
樹脂としては磁気記録層の樹脂と同様のものを用いるこ
とができる。書き換え不可能な磁気記録層の塗工方法と
しては、グラビアコーティング法、ロールコート法、ダ
イコート法、ナイフコート法等公知の方法を用いること
ができる。
【0022】磁界を印加する方法としては特に限定され
ないが、電磁石(ソレノイド)を用いる方法(図4 )、
永久磁石を用いる方法(図5)があげられる。図4は電
磁石(ソレノイド)を用いた外部磁界印加方法を現す断
面図であり、図5は永久磁石を用いた外部磁界印加方法
を現す断面図である。磁界を印加する場所は、塗料がま
だ流動性を持っている場所、すなわちコーターヘッド近
傍、あるいはコーターヘッドと乾燥炉の間が望ましい。
また、高速塗工等を行う場合、この磁界の影響が及ばな
い場所においても未だ塗料が流動性を有していることが
多い。このような場合、磁気記録層に書き込まれた元信
号が書き換え不可能な磁気記録層の信号形成に悪影響を
及ぼす可能性があるが、磁気遮蔽層があるのでこのよう
な影響を受けにくくなる。
【0023】書き換え不可能な磁気記録層の上に必要に
応じて保護層を設置してもよい。また、カードの用途に
応じて、残高表示や使用記録等の可読情報をカード上に
表示するために感熱記録層を設けても良い。本発明の磁
気記録媒体の書き換え不可能な磁気信号の読み取りは以
下のように行うことができる。まず、磁気ヘッドあるい
は永久磁石により、磁気記録層の保磁力以上の磁界を印
加し、磁気記録層の元信号を消去する。本発明の書き換
え不可能な磁気信号は磁性体粒子の単位面積当たりの疎
密として物理的に固定されているので上記消磁の過程に
於いても消去されないが、通常の磁気記録は消去される
ので、判別することができる。次にバイアス磁界をかけ
られる磁気ヘッドを用いて、書き換え不可能な磁気信号
部分を走査すれば書き換え不可能な磁気記録層の単位面
積当たりの磁性体粒子の量の変化が出力電流として読み
取る事ができる。
【0024】本発明の磁気記録媒体への通常の磁気記録
および読み込みは、書き換え不可能な磁気信号の記録さ
れている部位でない限り次のように行うことができる。
まず、磁気ヘッドを用いて任意の磁気信号を、書き換え
不可能な信号の記録されている以外の任意の部位に行
う。この際の磁気ヘッドからの磁束の強度は磁気遮蔽層
を飽和し、なおかつ磁気記録層を磁化するのに十分であ
る事が必要である。信号の読み込みは、前記信号を記録
した部位を、バイアス磁界を印加することができる磁気
ヘッドを用いて、磁気遮蔽層を飽和するのに十分なバイ
アス磁界を加えながら走査すれば磁気記録層の記録を読
み込むことができる。
【0025】本発明の磁気記録媒体は、バイアス磁界を
印加できない磁気ヘッドあるいは磁気造影剤等では磁気
遮蔽層が磁気記録層からの磁束を遮蔽するために読み取
ることができず、不正な磁気情報の読み出しが通常のカ
ードに比べ格段に困難になる。
【0026】
【実施例】
実施例1 厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に下記配合の磁気記録層塗料をサンドミルにて分散
後、厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレートフ
イルム上にグラビアコーティングし、乾燥硬化して厚さ
15μmの磁気記録層を形成した。
【0027】<磁気記録層塗料配合> Baフェライト紛(保磁力1700エルステッド) 100部 ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業(株)製ニッポランN−3113) 部分ケン化塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体 15部 (積水化学工業(株)製 エスレックA) メチルエチルケトン 120部 トルエン 60部 イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業(株)製 コロネートL)
【0028】上記、磁気記録層にギャップ巾40μm、ト
ラック巾2mmの磁気ヘッドで750Hzの矩形波信号を電流値
1A、2000mm/秒の速度で記録した。上記、元信号を記録
した磁気記録層上に、下記配合の磁気遮蔽層塗料をサン
ドミルで分散したものをグラビアコーティングにより塗
布、乾燥し厚さ30μmの磁気遮蔽層を形成した。
【0029】 <磁気遮蔽層塗料配合> センダスト紛 50部 (鱗片状、アスペクト比15、平均粒子径25μm、保磁力8エルステッド) ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業(株)製ニッポランN−3113) 燐酸エステル系分散剤 3部 メチルエチルケトン 120部 トルエン 60部 イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業(株)製 コロネートL)
【0030】上記磁気遮蔽層上に下記配合の書き換え不
可能な磁気記録層塗料をサンドミルで分散したものを図
6に示す装置のグラビアコーター8 でコーティングした
後、1400エルステッドの磁界をソレノイド9 で印加し、
乾燥炉10で乾燥、硬化して厚み3 μmの書き換え不可能
な磁気記録を書き込んだ磁気記録媒体を得た。図6 は書
き換え不可能な磁気記録層の塗工工程を示す図である。
【0031】 <書き換え不可能な磁気記録層塗料配合> センダスト微粉末 60部 (平均粒子径3μm、保磁力40エルステッド) ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業(株)製ニッポランN−3113) 燐酸エステル系分散剤 3部 メチルエチルケトン 120部 トルエン 60部 イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業(株)製 コロネートL) 上記磁気記録媒体を5×8cm大に打ち抜き、磁気カードを
作製した。3200Gの永久磁石で消磁したのち、磁気カー
ド読み取り機で記録された書き換え不可能な磁気記録を
読み取った。読み取り機の磁気ヘッド(読取りギャップ
40μm)はバイアス電流をかけられるものを用い、バイ
アス電流50mAで読み取りを行った。読み取り出力値を表
1に示した。良好な高い出力が得られた。
【0032】次に、磁気記録層に書き込んだ通常の磁気
記録に対する磁気遮蔽能力を試すために以下のもれ信号
出力測定テストを行った。上記磁気カードの書き換え不
可能な磁気信号が記録されていない部分に磁気ヘッド
(ギャップ30μm)を用い書き込み電流値1Aで750Hzの
矩形波信号を2000mm/秒の速度で書き込んだ。該記録部
位をバイアス磁界を印加せずに磁気ヘッドで読み込んだ
結果(もれ信号出力)を表1に示した。表1ではもれ信
号出力0.05V 未満を○、もれ信号出力0.05V 以上を×と
判定している。磁気記録層に記録された信号は磁気遮蔽
層に遮蔽され、読み取れなかったことが分かる。
【0033】実施例2 書き換え不可能な磁気信号記録層塗料の磁性紛としてア
モルファス鉄微粉(平均粒子径3μm、保磁力40エルス
テッド)を用いた他は実施例1と同様に磁気記録媒体を
作製し、書き換え不可能な磁気信号の出力と、もれ信号
出力を測定した。結果を表1に示した。高い書き換え不
可能な磁気信号の出力が得られ、もれ信号出力も認めら
れなかった。
【0034】比較例1 実施例1と同様にして作製した、元信号を記録した磁気
記録層上に、下記配合の磁気塗料をサンドミルで分散し
たものを図6に示す装置でグラビアコーティングし、磁
界をソレノイドで印加し、乾燥、硬化して書き換え不可
能な磁気記録を書き込んだ厚さ30μmの磁気遮蔽層を形
成した。実施例1と同様に書き換え不可能な磁気信号の
出力と、もれ信号出力を測定した。結果を表1に示し
た。実施例1に比べ書き換え不可能な磁気信号の出力が
低く、もれ信号出力も高かった。
【0035】 <磁気遮蔽層塗料配合> センダスト紛 100部 (鱗片状、アスベタト比15、平均粒子径25μm、保磁力8エルステッド) ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業(株)製ニッボランN−3113) 分燐酸エステル系分散剤 3部 メチルエチルケトン 20部 トルエン 60部 イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業(株)製 コロネートL)
【0036】比較例2 磁気遮蔽層を設けずに書き換え不可能な確気記録層を直
接磁気記録層上に設けた他は実施例1と同様に磁気記録
媒体を作製し、書き換え不可能な磁気信号の出力と、も
れ信号出力を測定した。結果を表1に示した。書き換え
不可能な磁気信号の出力が得られたが、もれ信号出力が
極めて高かった。
【0037】比較例3 磁気遮蔽層塗料の磁性紛として、センダスト粉(平均粒
子径3μm、保磁力30エルステッド)を用いた他は実施
例1と同様に磁気記録媒体を作製し、書き換え不可能な
磁気信号の出力と、もれ信号出力を測定した。結果を表
1に示した。実施例1に比べもれ信号出力が高かった。
【0038】比較例4 書き換え不可能な磁気信号記録層塗料の磁性紛としてセ
ンダスト粉(鱗片状、アスベタト比、平均粒子径25μm
、保磁力8エルステッド)を用いた他は実施例1と同様
に磁気記録媒体を作製し、書き換え不可能な磁気信号の
出力と、もれ信号出力を測定した。結果を表1に示し
た。実施例1に比べ書き換え不可能な磁気信号の出力が
低かった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】高い磁気遮蔽能力をもつ磁気遮蔽層を有
し、なおかつ高出力の磁気的に書き換え不可能な磁気固
有情報を有する磁気記録媒体が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の断面図。
【図2】磁気記録層上に書き換え不可能な磁気記録層塗
料を塗工した段階を現す断面図。
【図3】書き換え不可能な磁気記録層塗料を塗工し、外
部磁界を印加した段階を現す断面図。
【図4】電磁石(ソレノイド)を用いた外部磁界印加方
法を現す断面図。
【図5】永久磁石を用いた外部磁界印加方法を現す断面
図。
【図6】書き換え不可能な磁気記録層の塗工工程を示す
図。
【符号の説明】
1 基材 2 磁気記録層 3 磁気遮蔽層 4 書き換え不可能な磁気記録層 5 磁性体粒子の密度の高い部分 6 磁性体粒子の密度の低い部分 7 外部磁界 8 グラビアヘッド 9 電磁石(ソレノイド) 10 乾燥炉 12 磁気記録媒体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性体基材と、その上側に形成された8
    00〜5000エルステッドの保磁力を有する磁性体を
    含有する磁気記録層と、その上側に形成された保磁力2
    0エルステッド以下の磁性体を含有する磁気遮蔽層と、
    その上側に形成された平均粒子径20μm以下の磁性体
    を含む書き換え不可能な磁気記録層とを有する磁気記録
    媒体。
  2. 【請求項2】前記非磁性体基材上に800〜5000エ
    ルステッドの保磁力を有する磁性体を含有する磁気記録
    層を塗工によって形成し、該磁気記録層上に保磁力20
    エルステッド以下の磁性体を含有する磁気遮蔽層を形成
    し、さらに前記磁気遮蔽層上に平均粒子径20μm以下
    の磁性体を含む塗料を前記磁気遮蔽層を実質的に飽和す
    る磁界の影響下で少なくとも塗工することにより前記磁
    気記録層に記録された磁気信号に対応した磁気的に書き
    換え不可能な磁気信号記録層を形成する請求項1記載の
    磁気記録媒体を製造する方法。
  3. 【請求項3】前記非磁性体基材上に800〜5000エ
    ルステッドの保磁力を有する磁性体を含有する磁気記録
    層を塗工によって形成し、該磁気記録層上に保磁力20
    エルステッド以下の磁性体を含有する磁気遮蔽層を形成
    し、さらに前記磁気遮蔽層上に平均粒子径20μm以下
    の磁性体を含む塗料を前記磁気遮蔽層を実質的に飽和す
    る磁界の影響下で少なくとも乾燥することにより前記磁
    気記録層に記録された磁気信号に対応した磁気的に書き
    換え不可能な磁気信号記録層を形成する請求項1記載の
    磁気記録媒体を製造する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6275360B1 (en) * 1997-09-29 2001-08-14 Hitachi, Ltd. Read-write head

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