JP3084342B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP3084342B2 JP06209329A JP20932994A JP3084342B2 JP 3084342 B2 JP3084342 B2 JP 3084342B2 JP 06209329 A JP06209329 A JP 06209329A JP 20932994 A JP20932994 A JP 20932994A JP 3084342 B2 JP3084342 B2 JP 3084342B2
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真之 波多野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリペイドカード等の様
に、偽造・変造等の不正な使用に対して高い安全性を要
求される磁気記録媒体の製造方法に関するものであり、
特に複数の磁性層を積層して成り、その内の少なくとも
一つの磁性層に書換不能な固定パターンを形成した磁気
記録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年急速に普及したプリペイドカードを
はじめとする各種磁気カードは、その普及にともなって
偽造・変造などの不正使用に対する安全性が強く求めら
れるようになってきている。磁気記録媒体の安全性を高
めるための手段としては、通常の磁気記録再生領域とは
別の箇所に、書き換えが困難な媒体固有の識別情報を付
与することが提案されている。具体的には、特公昭49
−37529号公報にあるように、針状磁性粉の磁化容
易軸の配列方向を媒体の読み取り方向に対して規則的に
変化させて磁気パターンを設ける方法や、特開昭50−
79311号公報にあるように、通常の磁性層に磁気記
録された情報の磁界の作用下に、磁性粒子を分散した磁
性塗料を塗布して下層の情報に支配された磁性粒子の配
向を物理的に固定し、この固定情報を識別に使用すると
か、特開平5−318974号公報にあるように、通常
の磁性層に磁気記録された情報を、その上に積層された
保磁力が4500エルステッド以上の高保磁力の磁性粒
子を有する磁性層に転写させることにより、通常用いら
れる磁気ヘッドでは書き換えが困難な情報を媒体に付与
する方法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
49−37529号のように針状磁性粉の磁化容易軸の
配列方向を媒体の読み取り方向に対して規則的に変化さ
せて磁気パターンを設ける方法は、読み取りに当たって
特殊な部品や装置を必要とし、更に製造するに際しても
特殊な配向装置を必要とするので、製造コストおよび読
み取りの装置のコストがアップするという欠点を有して
いる。一方、高保磁力の磁性層に固有情報を転写する方
法のうち、特開昭50−79311号公報の方式では識
別出力が低いという欠点を有している。以下に述べるよ
うに、この欠点は本発明により配向磁界を使用すること
により解決されることを見いだしたが、同公報の方式で
は配向磁界は固定情報の転写に有害な作用を及ぼすであ
ろうと推定されたはずであるが意外にも良好な結果を与
えるのである。また、特開平5−318974号公報に
おいては、例えばFe−Co合金の様な飽和磁束密度が
22キロガウス程度の磁性材料をコア材とした磁気ヘッ
ドを使用すれば、8000エルステッド位までの高保磁
力の磁性層は十分書き換えが出来ることがよく知られて
おり、しかも前述の従来技術では、通常の磁性層よりも
高保磁力の磁性層の方が磁気ヘッドに接近して配置され
ているために、より強い磁界にさらされることになるの
で、固有情報を書き換えることによる媒体の変造・偽造
に対する危険性が高いという問題点があった。また、こ
の方式では、保磁力が4500エルステッド以上の磁性
粒子を有する磁性層への信号の転写は困難なだけでな
く、超高保磁力の磁性粒子は一般に飽和磁化量が低いた
め転写信号の読み取り出力が低いという欠点もあった。
この欠点は本発明により低保磁力の磁性粒子を使用する
ことにより解決されることを見いだした。
【0004】
【課題を解決する手段】上記課題を解決するために、本
発明は、非磁性基体上に少なくとも二つの磁性層を積層
して成る磁気記録媒体の製造方法であって、先ず、非磁
性基体上に磁気記録可能な磁性材料から成る第1の磁性
層を塗布乾燥し、次いで前記第1の磁性層に所定の信号
を磁気記録し、その後保磁力が4000エルステッド以
下の磁性体をバインダ中に分散して作製した磁性塗料を
塗布し、前記磁性塗料が乾燥固化する前に、第1の磁性
層の保磁力より低い磁界強度を有しかつ塗膜面において
実質的に一定方向の直流配向磁界により直流配向処理を
施し、しかる後に前記磁性塗料を乾燥固化することによ
り、第1の磁性層に記録された信号による磁界並びに配
向磁界の影響磁界の影響により形成された書換不能な固
定信号を第2の磁性層に形成することを特徴とする磁気
記録媒体の製造方法を提供する。第2の磁性層を配向す
るための配向手段は、少なくともその一部が第2の磁性
層を乾燥するための乾燥手段の中に設けられていると都
合がよい。本発明が意図した効果を得るためには一定方
向の直流配向磁界を使用することが必須である。磁気配
向を行うために従来から使用されている同極対向磁石に
よる直流配向磁界では磁性粒子に印加される磁界に反転
が生じるため、所期の効果が得られない。
【0005】
【作用】本発明による方法では第2の磁性層上に書換不
能な固定パターンを形成する。そのためにはまず第1の
磁性層に異なる極性で交互に磁化された固定パターン作
製用の信号を記録する。第1の磁性層の上に第2の磁性
塗料を塗布し、乾燥前に所定の方向の直流のなるべく一
定の配向磁界を印加する。第1の磁性層から発生する信
号磁界の向きと配向磁界の向きが同一の場合には両者が
強めあって第2の磁性層4に加わる磁界の強さは強くな
り、一方両者の向きが逆方向の箇所では両者の磁界が打
ち消しあって第2の磁性層に加わる磁界の強さが弱くな
る。そのため、流動状態にある磁性粒子は、磁界の強い
箇所に集中するので、この状態で乾燥すると、第2の磁
性層には磁性粒子が集中して磁性粒子の含有率が高く、
よって単位面積あたりの磁気出力が高い箇所と、磁性粒
子の含有率が低く、よって単位面積あたりの磁気出力が
低い箇所とが交互に形成される。このようにして、第1
の磁性層に記録された信号パターンが、第2の磁性層中
に、単位面積あたりの磁気出力の違いにより符号化され
た固定パターンとして複製される。
【0006】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明を詳細に説
明する。図5は本発明による製造方法で作製した磁気記
録媒体の一例を示す断面図である。図5において、磁気
記録媒体1は非磁性基体2、第1の磁性層3、第2の磁
性層4から構成されている。第2の磁性層4は、高分子
樹脂バインダ中に保磁力が4000エルステッド以下の
強磁性粉末を分散した磁性塗料から形成されている。前
記第2の磁性層4には磁性粒子の含有率が高く、従って
単位面積あたりの磁気出力が高い部分4aと、磁性粒子
の含有率が低く、従って単位面積あたりの磁気出力が低
い部分4bとが所定の寸法で交互に形成された、書換不
能な固定パターンが設けられている。
【0007】非磁性基体2は、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、硬質塩化ビニル(PVC)、合成紙、
紙等、通常の磁気カード、磁気テープ、磁気シート等に
使われる材料が使用される。第1の磁性層3は、通常の
磁気カードや磁気テープ等の磁気記録媒体用被膜と同じ
であってよく、例えばCo被着γFe23 、Baフェ
ライト、Srフェライト等の公知の磁性体から選ばれ、
公知の方法で4〜20μm程度の厚みとなるよう形成さ
れている。ただし、この第1の磁性層3に使用される磁
性体の保磁力は、第2の磁性層4を、形成する際に印加
する配向磁界よりも高い必要があり、600エルステッ
ド以上とすることが好ましい。
【0008】第1の磁性層3の上には、それとは同一ま
たは異なる構成を有し、保磁力が4000エルステッド
以下の磁性粉を高分子樹脂バインダ中に分散して作製し
た磁性塗料を塗布・乾燥して形成した第2の磁性層4が
設けられている。この第2の磁性層4を塗布・乾燥する
ときには、第1の磁性層3には所定の位置に所定の信号
が磁気記録されている必要がある。この信号は、例えば
媒体を特定するための番号等の識別情報を表すものであ
り、例えば媒体の走行方向に対して所定の領域での残留
磁化の極性が交互に反転するよう、磁気ヘッドを用いて
磁気記録することにより形成されている。識別信号はR
Z、FM、PM、MFM、PWM等の公知の方法で符号
化されている。
【0009】図1は本発明の磁気記録媒体の製造方法の
一例を示す概略断面図である。先ず、送り出し装置10
より送り出された非磁性基体ロールに、塗工ヘッド11
で第1の磁性層を塗布し、その後配向磁界発生装置1
2、トンネル乾燥装置13を経て第1の磁性層が形成さ
れる。この第1の磁性層は巻き取り装置14に巻き取ら
れる前に、磁気ヘッド15で所定の信号が磁気記録され
る。次に、第1の磁性層が形成された原反ロールは、再
び送り出し装置10から送り出され、塗工ヘッド11で
第2の磁性層を塗布し、その後配向磁界発生装置12、
トンネル乾燥装置13を経て巻き取り装置14に巻き取
られる。特に第2の磁性層を塗布する際に使用する配向
磁界発生装置12としては、通過中に磁界方向が塗布面
に対し変化しないことが望ましく、ソレノイドコイルま
たは図3に示すような磁石を用いることが好ましい。な
お上記の方法において、第1の磁性層は前述の磁界配向
を行うことが好ましいが必要条件ではない。また第1の
磁性層への信号の記録は、第1の磁性層が塗布・乾燥さ
れた直後に行うことに限定されず、第2の磁性層を塗布
する直前に行ってもよいし、信号を記録する工程のみを
単独で設けてもよい。
【0010】図2は本発明の磁気記録媒体の製造方法の
別の例を示す概略断面図であり、配向磁界発生装置12
は図1と同じものであるが、その一部がトンネル乾燥装
置13の中に設けられている。
【0011】図4は、本発明による方法で第2の磁性層
上に書換不能な固定パターンを形成する過程を摸式的に
示したものである。図4−(a)は、第2の磁性層4が
塗布される前の状態を示したものであり、第1の磁性層
3には、矢印の向きで示したように異なる極性で交互に
磁化された固定パターン作製用の信号が、所定の寸法で
記録されている。図4−(b)は、この第1の磁性層3
の上に第2の磁性塗料を塗布し、乾燥前に所定の方向の
配向磁界がかかっているときの、第2の磁性層4に加わ
る磁界の強さを摸式的に表したものである。参照番号5
aで示した箇所では、第1の磁性層3から発生する信号
磁界の向きと配向磁界の向き(図4−(b)では右向き
に表示)が一致するので第2の磁性層4に加わる磁界の
強さは両者が強めあっており、参照番号5bで示した箇
所では、第1の磁性層3から発生する信号磁界の向きと
配向磁界の向きとが打ち消しあって第2の磁性層4に加
わる磁界の強さが弱くなっている。つまり第2の磁性層
4には、第1の磁性層3に記録された信号のパターンに
従った、磁界が強い箇所5aと弱い箇所5bとが交互に
現れる。流動状態にある磁性粒子は、磁界の強い箇所に
集中するので、第2の磁性塗料中の磁性粒子は、図4−
(c)に示すように強い磁界が加わった箇所5aに集中
する。この状態で乾燥すると、第2の磁性層4には磁性
粒子が集中して磁性粒子の含有率が高く、よって単位面
積あたりの磁気出力が高い箇所4aと、磁性粒子の含有
率が低く、よって単位面積あたりの磁気出力が低い箇所
4bとが交互に形成される。このようにして、第1の磁
性層3に記録された信号パターンが、第2の磁性層4中
に、単位面積あたりの磁気出力の違いにより符号化され
た固定パターンとして複製される。
【0012】第2の磁性層を形成する際に使用する配向
装置としては、磁界の極性が通過中に反転することの無
いソレノイドコイルを使用することが特に好ましいこと
は前述した通りである。一般に磁気記録媒体の配向装置
としては、永久磁石の同極同士を平行に対向配置した装
置がよく使用される。しかしこの装置は、配向磁界の極
性が途中で反転するので、本発明の製造方法において使
用することは適当でない。また配向装置を通過中に凝集
した磁性粒子は、配向装置を通過してしまうと磁性粒子
を繋ぎ止めておく力が弱まるので、再びランダムになろ
うとする。従って配向磁界が加わった状態で乾燥するの
が特に好ましい。ただし、磁性粒子の凝集状態を保持す
るためには、数100エルステッド以下の低磁場で充分
効果がある。
【0013】第2の磁性層4に使用される磁性粉として
は、第1の磁性層3に記録された信号から発生する磁界
によって磁化されるものであればよく、パーマロイ、セ
ンダスト、アモルファスなどの鱗片状高透磁率磁性金属
粉や、鉄粉などの軟磁性金属粉、及びMn−Zn、Ni
−Znなどの軟磁性フェライト粉を使用することができ
る。これらの磁性材料を用いることは、読み取った後の
固定パターン部分には残留磁化が生じないので、磁気現
像液等で固定パターンを目視することは不可能であり、
また第1の磁性層に記録した磁気情報を磁気的に遮蔽で
きるという特別の効果もあるので特に好ましい。またγ
Fe23 、Co被着γFe23 、Baフェライトな
ど、磁気記録用として用いられる材料であっても、塗料
状態において磁性粒子の流動性が高く、且つ配向磁界の
強度を適当に選択することにより、第1の磁性層3に磁
気記録された信号によって磁性粒子の集中が起きる。磁
性塗料の流体での保磁力は、磁性粒子の形状にもよるが
一般には乾燥固化した後の保磁力に比べてかなり低い。
従って、第2の磁性層4の乾燥後の保磁力が、第1の磁
性層3の乾燥後の保磁力よりも低い必要はない。しかし
ながら、第2の磁性層4を磁化して読み取る際には、第
2の磁性層4が容易に磁化されなければ充分な読み取り
出力を得ることができないので、第2の磁性層の磁性粒
子の保磁力の上限は4000エルステッドである。
【0014】本発明の製造方法により作製した磁気記録
媒体の固定パターンの読み取りにあたっては以下の方法
で行う。先ず第1の磁性層3に記録されている固定パタ
ーン作製用信号を直流消去する。次に読み取りヘッド
(図示せず)からバイアス磁界を発生させながら、第2
の磁性層4に形成された固定パターン部分を走査する。
このとき第2の磁性層4の単位面積あたりの磁気出力が
高い部分4aと低い部分4bとの境界で磁気抵抗が変化
するので、読み取りヘッドのコイルには磁束の変化に比
例した出力波形が発生する。こうして第2の磁性層4の
所定の箇所に形成された固定パターンを読み取ることが
できる。しかもこの固定パターンは、磁性層の物理的構
造の違いとして形成されているので、磁気ヘッドによる
消去や書き換えは全く不可能である。
【0015】なお本発明による方法は前述の例に限定さ
れず、第2の磁性層の上に着色隠蔽層、印刷層、保護層
などを適宜設けてよいし、必要に応じて印字層を設けて
もよいことは明らかである。また例えば3層以上の磁性
層を有する磁気記録媒体においては、最初に形成される
磁性層以外の任意の磁性層に前記の書換不能な固定パタ
ーンを形成することができることも明らかである。更に
シリコンなどの剥離剤を塗布した基体の上に前述した方
法で少なくとも第1の磁性層及び書換不能な固定パター
ンを含む第2の磁性層を形成し、その上に接着剤を塗布
したカード用転写テープの製造方法にも適用できる。
【0016】以下、本発明を具体的な実施例を用いて更
に詳細に説明する。 (実施例1)厚さ188μmの白色ポリエステルフィル
ム基体の一方の面全面に、保磁力が2750エルステッ
ドのBaフェライト磁性粉をバインダ樹脂、分散剤、硬
化剤、その他添加剤と溶剤とを混合・分散して作製した
磁気塗料をグラビア法で塗布し、乾燥後の厚みが8μm
の第1の磁性層を形成した。前記第1の磁性層の所定の
領域に、記録密度が25FCIおよび400FCIの連
続信号と、105BPIのFM変調された信号とをそれ
ぞれ飽和記録した。その上に、保磁力が20エルステッ
ド以下の高透磁率のFe−Si系合金の鱗片状粉末をバ
インダ樹脂、分散剤、硬化剤、その他添加剤と溶剤とを
混合・分散して作製した磁気塗料をナイフコート法で塗
布し、その直後にソレノイドコイルによる配向装置で最
大強度が600エルステッドの磁場配向をかけ、その後
乾燥装置で乾燥し、厚みが10μmの第2の磁性層を形
成した。
【0017】(実施例2)実施例1において、第2の磁
性層に配向処理を行うためのソレノイドコイルの一部を
乾燥装置の中に配置した以外は、実施例1と同様にし
た。
【0018】(実施例3)実施例1と同じ方法で作製し
た第1の磁性層に、実施例1と同じ方法で信号を記録し
た。その上に、保磁力が300エルステッドのγFe2
3 をバインダ樹脂、分散剤、硬化剤、その他添加剤と
溶剤とを混合・分散して作製した磁気塗料をグラビア法
で塗布し、その直後にソレノイドコイルによる配向装置
で最大強度が1000エルステッドの磁場配向をかけ、
その後乾燥装置で乾燥し、厚みが8μmの第2の磁性層
を形成した。
【0019】(実施例4)実施例3において、第2の磁
性層に配向処理を行うためのソレノイドコイルの一部を
乾燥装置の中に配置した以外は、実施例3と同様にし
た。
【0020】(比較例1)実施例1において、第2の磁
性層を塗布し乾燥する前に、永久磁石の同極同士を平行
に対向配置した配向装置で最大強度が600エルステッ
ドの磁場配向をかけた以外は実施例1と同様にした。
【0021】(比較例2)実施例3において、第2の磁
性層を塗布し乾燥する前に、永久磁石の同極同士を平行
に対向配置した配向装置で最大強度が1000エルステ
ッドの磁場配向をかけた以外は実施例3と同様にした。
【0022】実施例1〜4および比較例1、2で作製し
た磁気シートを86×54mmのサイズに打ち抜き磁気カ
ードを作製し、それらを以下の方法で読み取った。保磁
力が2750エルステッドの磁気媒体を飽和書き込みで
きる磁気ヘッドを装着したリーダー・ライターで、先ず
第1の磁性層に書き込まれた信号を直流消去した。次に
同じリーダー・ライターに装着されたバイアスコイルを
有する読み取りヘッドにバイアス電流を流し、ヘッドの
前部ギャップから約800エルステッドの、バイアス磁
界を印加しながら各カードの再生出力(peak−pe
ak)を読み取った。各カードの25FCIおよび40
0FCIの連続信号の再生出力レベルと105BPIの
FM信号の復調結果の一覧を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】実施例1〜4は何れの場合も、25FCI
及び400FCIの信号は十分な出力レベルが得られ、
また105BPIの変調信号はSN比もよく問題なく信
号を復調することができた。また、実施例1、2と比較
例1及び実施例3、4と比較例2とを較べると、第2の
磁性層を塗布する際にソレノイドコイルで配向をかける
ことの有効性および乾燥装置中で配向をかけることの有
効性が認められた。
【0025】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の磁気記録媒
体の製造方法によれば、少なくとも二つの磁性層が積層
された磁気記録媒体の第2の磁性層には、第1の磁性層
に磁気記録された信号磁界と配向磁界との影響により形
成された書換不能な固定パターンを永久記録することが
できる。この固定パターンを媒体を特定するための識別
情報として使用すれば、前記パターンは媒体処理装置等
によっては書き換えることができず、消去するためには
媒体を破壊するしか方法がないので、媒体の偽造や変造
に対して極めて安全性の高い磁気記録媒体を供給するこ
とができる。更に、本発明の方法は、磁気バーコードや
光学バーコード等のような固定信号を印刷等で付与する
従来の方法と比べ、特殊な材料や複雑な工程を必要とせ
ず安価に媒体を製造できるという特長をも有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を示す
概略断面図である。
【図2】本発明の磁気記録媒体の製造方法の他の一例を
示す概略断面図である。
【図3】本発明に使用できる直流配向磁界を発生する装
置の他の例を示す図である。
【図4】本発明の方法を示す概略図であり、(a)は第
1の磁性層を形成する工程を示し、(b)は第2の磁性
層を形成する工程を示し、(c)は工程(b)の結果磁
性粒子が交互に異なった密度で存在する状態を示す。
【図5】本発明の方法により得られた磁気記録媒体の断
面図である。
【符号の説明】
1:磁気記録媒体 2:非磁性基体 3:第1の磁性層 4:第2の磁性層 4a:磁性粒子の含有率が高く単位面積あたりの磁気出
力が高い部分 4b:磁性粒子の含有率が低く単位面積あたりの磁気出
力が低い部分 10:送り出し装置 11:塗工ヘッド 12:直流磁界発生装置 13:トンネル乾燥装置 14:巻き取り装置 15:磁気ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−36269(JP,A) 特開 平6−203366(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/845 B42D 15/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体上に少なくとも二つの磁性層
    を積層して成る磁気記録媒体の製造方法であって、 先ず、非磁性基体上に磁気記録可能な磁性材料から成る
    第1の磁性層を塗布乾燥し、次いで前記第1の磁性層に
    所定の信号を磁気記録し、その後保磁力が4000エル
    ステッド以下の磁性体をバインダ中に分散して作製した
    磁性塗料を塗布し、前記磁性塗料が乾燥固化する前に、
    第1の磁性層の保磁力より低い磁界強度を有しかつ塗膜
    面方向において実質的に一定方向の直流配向磁界により
    直流配向処理を施し、しかる後に前記磁性塗料を乾燥固
    化することにより、第1の磁性層に記録された信号によ
    る磁界並びに配向磁界の影響磁界の影響により形成され
    た書換不能な固定信号を第2の磁性層に形成することを
    特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 第2の磁性層を配向するための配向手段
    は、少なくともその一部が第2の磁性層を乾燥するため
    の乾燥手段の中に設けられていることを特徴とする請求
    項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 第2の磁性層を配向するための配向磁界
    は、ソレノイドコイルにより印加することを特徴とする
    請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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